JP2002204550A - モータの冷却装置 - Google Patents

モータの冷却装置

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  • General Details Of Gearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷態始動時等に変速機に対する不適切な冷却
を防止して、変速機を速やかに昇温させ、もって、低温
時に発生する変速機の種々の不具合を早期に解消できる
モータの冷却装置を提供する。 【解決手段】 変速機温度Tt/mが低いときに、ECU
21によりポンプ13の回転速度を制御して冷却水の流
量を減少させる。これにより変速機4に対する冷却作用
を低めて、変速機4を速やかに昇温させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の駆動源とし
て使用されるモータの冷却装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】例えば特開2000−9215号
公報に記載のように、走行用の駆動源としてエンジンと
共にモータを備えたハイブリッド車両等では、省スペー
ス等の観点から、モータを変速機に一体化させたレイア
ウトを採用しているものがある。そして、この種のモー
タは運転時に発熱量が非常に多いことから、冷却のため
にモータのハウジングの外周にウォータジャケットを形
成して、その内部に冷却水を循環させて過熱を防止して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにモータを変速機に一体化させた場合、モータ側の
ウォータジャケットは変速機と隣接することになり、結
果として変速機に対しても冷却作用が奏される。よっ
て、例えば極低温での冷態始動時等には、上記ウォータ
ジャケットによる冷却作用で、変速機の温度上昇が緩慢
となってしまい、変速機の本来の動作が望める通常の温
度域に達するまでの期間が長引いてしまう。よって、そ
れまでの間は、例えばバルブボディの切換動作やクラッ
チの係合動作が所期のタイミングで行われずにドライバ
ビリティが悪化したり、低温のATF(オートマチック
・トランスミッション・フルード)による粘性抵抗で燃
費が悪化したりする等の不具合が避けられなかった。
【0004】本発明の目的は、冷態始動時等に変速機に
対する不適切な冷却を防止して、変速機を速やかに昇温
させ、もって、低温時に発生する変速機の種々の不具合
を早期に解消することができるモータの冷却装置を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、モータと変速機とが隣接して
設置されると共に、モータの周囲に冷却液通路が形成さ
れ、冷却液通路を流れる冷却液の流量を変速機の温度に
応じて制御する流量制御手段を備えた。従って、冷却液
通路を流れる冷却液によりモータが冷却されると共に、
モータに隣接する変速機に対しても冷却作用を及ぼす。
そして、この冷却液の流量が変速機に温度に応じて制御
されることから、変速機を適切な温度に保つことに役立
つ。よって、変速機の温度が低いときの不具合、例えば
バルブボディの切換動作やクラッチの係合動作が所期の
タイミングで行われずにドライバビリティが悪化した
り、低温のATFによる粘性抵抗で燃費が悪化したりす
る等の不具合が抑制される。
【0006】又、請求項2の発明では、流量制御手段
を、変速機の温度が低いときに冷却液の流量を減少させ
るように構成した。従って、例えば極低温での冷態始動
時等のように、変速機が冷えて本来の動作が望めないと
きには、冷却液の流量が減少されて冷却作用が低めら
れ、変速機が速やかに昇温される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をパラレル式ハイブ
リッド車両に搭載されるモータの冷却装置に具体化した
一実施形態を説明する。図1の全体構成図に示すよう
に、本実施形態のハイブリッド車両は、走行用の駆動源
としてエンジン1及びモータ(モータ/ジェネレータ)
2を備えたパラレル式ハイブリッド車両として構成され
ており、エンジン1の出力軸1aとモータ2の回転軸2
aとはクラッチ3を介して相互に接続されている。モー
タ2のハウジングは変速機4のハウジングに対して一体
的に設けられ、図示はしないが、モータ2の回転軸2a
は変速機4の入力軸と接続されている。変速機4の出力
軸4aはクラッチ5を介してディファレンシャルギア6
に接続され、ディファレンシャルギア6はドライブシャ
フト7を介して左右の駆動輪(前輪)8に接続されてい
る。
【0008】前記モータ2のハウジングの外周には、図
示しないステータを取巻くように冷却液通路としてのウ
ォータジャケット9が形成され、このウォータジャケッ
ト9の上部及び下部は、上側管路10及び下側管路11
を介してクーラ(熱冷却器)12に接続されている。ウ
ォータジャケット9、管路10,11及びクーラ12の
内部には冷却水が充填されており、下側管路11に設け
られた電動式のポンプ13により、冷却水はクーラ12
側から下側管路11を経てウォータジャケット9側に案
内され、その後に上側管路10を経てクーラ12側に案
内され、この循環を繰り返す。そして、冷却水はウォー
タジャケット9内においてモータ2の熱を奪い、その熱
をクーラ12内において走行風等を利用して放熱し、こ
れによりモータ2の冷却作用を奏すると共に、このとき
の冷却水はウォータジャケット9に隣接する変速機4か
らも熱を奪い、変速機4に対しても冷却作用を及ぼす。
【0009】一方、車室内には入出力装置、記憶装置
(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイ
マカウンタ等を備えたECU(電子コントロールユニッ
ト)21が設置されている。ECU21の入力側には、
前記モータ2のステータに内蔵された温度センサ22、
及び前記変速機4内に設置された温度センサ23等のセ
ンサ類が接続され、これらのセンサ類からの検出情報が
入力される。尚、変速機4の温度センサ23は、変速制
御に利用される油温を検出するための既存のものであ
る。ECU21の出力側には前記ポンプ13が接続さ
れ、ECU21によりポンプ13の回転速度が制御され
る。本実施形態では、このECU21及びポンプ13に
より流量制御手段が構成されている。
【0010】次に、以上のように構成されたハイブリッ
ド車両用のモータの冷却装置により実施される冷却処理
について説明する。ECU21は温度センサ22,23
により検出されたモータ温度Tmot(ステータ温度)及
び変速機温度Tt/m(ATFの油温)に基づき、下表に
従ってポンプ13の回転速度を制御して、ウォータジャ
ケット9とクーラ12との間で循環する冷却水の流量を
高低2段階(増加・減少)に調整する。
【0011】
【表1】
【0012】この制御により、以下に説明するようにモ
ータ2及び変速機4の温度Tmot,Tt/mの適正化が図ら
れる。まず、モータ温度Tmot及び変速機温度Tt/mが共
に高い場合には(Tmot≧Tmot0,Tt/m≧Tt/m0)、冷
却水の流量が増加側に制御される。これにより、モータ
2に対する冷却作用が高められて過熱が防止されると共
に、変速機4への冷却作用も高められて過熱が防止され
る。
【0013】又、変速機温度Tt/mが低い場合であって
もモータ温度Tmotが高いときには(Tmot≧Tmot0,T
t/m<Tt/m0)、冷却水の流量が増加側に制御される。
つまり、この冷却装置はモータ2の冷却を主目的とする
ことから、この場合には変速機4側の温度低下による多
少の不具合は容認して、モータ2の過熱防止が優先され
る。
【0014】又、モータ温度Tmotが低い場合であって
も変速機温度Tt/mが高いときには(Tmot<Tmot0,T
t/m≧Tt/m0)、冷却水の流量が増加側に制御される。
つまり、上記のようにモータ2の冷却が主目的であるも
のの、変速機4側の過熱も好ましくないことから、この
場合には変速機4側の過熱防止が優先される。但し、こ
の場合に必ずしも流量を増加させる必要はなく、逆に減
少側に制御してもよい。
【0015】一方、モータ温度Tmot及び変速機温度Tt
/mが共に低い場合(Tmot<Tmot0,Tt/m<Tt/m0)に
は、冷却水の流量が減少側に制御される。このような状
況は、例えば極低温での冷態始動時等に発生し、モータ
2は冷却する必要がない一方、変速機4は冷えて本来の
動作が望めない状態にある。ここで、上記冷却水の流量
減少により、モータ2と共に変速機4に対する冷却作用
が低められることから、結果として変速機4は、作動に
伴う自己発熱やモータ2側からの熱伝達により速やかに
昇温される。
【0016】よって、変速機温度Tt/mが低いときの変
速機4の不具合、例えばバルブボディの切換動作やクラ
ッチの係合動作が所期のタイミングで行われずにドライ
バビリティが悪化したり、低温のATFによる粘性抵抗
で燃費が悪化したりする等の不具合が発生する期間を短
縮化し、もって、変速機4を早期に本来の動作状態とす
ることができる。
【0017】以上で実施形態の説明を終えるが、本発明
の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例え
ば、上記実施形態では、ハイブリッド車両に搭載される
モータ2の冷却装置に具体化したが、モータ2と変速機
4とが一体化した構成であれば、車両の種類はこれに限
定されず、例えば電気自動車用のモータの冷却装置に具
体化してもよい。
【0018】又、上記実施形態では、冷却水の流量を高
低2段階に調整可能とし、モータ温度Tmot及び変速機
温度Tt/mが共に低い場合に、冷却水の流量を減少させ
るようにしたが、これに限定されることはなく、例えば
モータ温度Tmotや変速機温度Tt/mに応じて冷却水の流
量を無段階で調整してもよいし、上記のように冷却水の
流量を減少させる代わりに、その循環を完全に遮断して
もよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明のモータの冷
却装置によれば、冷態始動時等に変速機に対する不適切
な冷却を防止して、変速機を速やかに昇温させ、もっ
て、低温時に発生する変速機の種々の不具合を早期に解
消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のハイブリッド車両に搭載されるモー
タの冷却装置を示す全体構成図である。
【符号の説明】
2 モータ 4 変速機 9 ウォータジャケット(冷却液通路) 13 ポンプ(流量制御手段) 21 ECU(流量制御手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと変速機とが隣接して設置される
    と共に、該モータの周囲に冷却液通路が形成され、該冷
    却液通路を流れる冷却液の流量を上記変速機の温度に応
    じて制御する流量制御手段を備えたことを特徴とするモ
    ータの冷却装置。
  2. 【請求項2】 上記流量制御手段は、上記変速機の温度
    が低いときに上記冷却液の流量を減少させることを特徴
    とする請求項1に記載のモータの冷却装置。
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