JP2007186668A - 耐熱性熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、耐熱性、表面性、成形性に優れ、かつマテリアルリサイクル可能な環境適合性にも優れる、建築資材用途に適正な厚肉の耐熱性熱可塑性樹脂発泡体、特に、スチレン樹脂発泡体またはメタクリル酸変成スチレン系樹脂発泡体では満たすことの出来ない、熱溶融アスファルトに対する短時間耐熱性や、140℃或いは150℃での長時間耐熱性が要求される耐熱性熱可塑性樹脂発泡体、及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】 芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)50〜90重量%および、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)50〜10重量%からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなり、かつ発泡体の厚みが10〜150mmとなることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、建築用断熱材などに使用される耐熱性、表面性、成形性に優れ、さらに熱可塑性を併せ持つ熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法に関する。
従来、スチレン系樹脂発泡体や硬質ポリウレタン発泡体は施工性、断熱特性の好適性から建屋の断熱材として汎用されて来た。
しかしながら、スチレン系樹脂発泡体はマテリアルリサイクルを考慮した環境適合性に優れた断熱材としては有用ではあるが、基材樹脂であるスチレンの耐熱温度が80℃近傍であり、200〜250℃に熱せられた熱溶融アスファルトに対する短時間耐熱性はないために、形状を保持できないほど発泡体の変形をきたし、更に、壁などの基礎部材との密着性が低下して断熱性が維持できなくなるという問題点を有していた。
一方、硬質ポリウレタン発泡体は、該スチレン系樹脂発泡体の如き変形を起こさず、熱溶融アスファルトに対する耐熱性は高いものの、硬質ポリウレタンが熱硬化性樹脂であるために、マテリアルリサイクル性に乏しく環境適合性に優れるとは言い難い。該2種類の発泡体には、それぞれに長所と短所があり双方の特徴を併せ持つことは困難である。
これに対して、マテリアルリサイクル性の如き環境適合性に優れ、かつ耐熱性を向上させたスチレン系樹脂発泡体の耐熱性改善の事例がいくつか開示されている。
例えば、メタクリル酸等をスチレンに共重合することにより、耐熱性を向上させる取組み(特許文献1参照)が為されている。該取り組みでは、一般的なスチレン系樹脂発泡体(ポリスチレン樹脂発泡体)に比して、ガラス転移温度(Tg)の上昇により、熱変形温度が上昇し、耐熱性が向上することは認められる。しかしながら、基材樹脂の主成分がスチレンからなるために、自ずと耐熱性にも限界があり、メタクリル酸成分を10%程度含有しても100℃程度の耐熱性しか得られず、耐熱用途として求められる熱溶融アスファルトの対する短時間耐熱性や、140℃或いは150℃での長時間耐熱性は得られない。
また、マレイミド系化合物をスチレン系樹脂に含有させる、もしくは分子レベルで結合させることにより、耐熱性を向上させる取組みが為されている(特許文献2〜4参照)。射出成形分野では古くから、スチレン系樹脂にマレイミド系化合物を導入することにより耐熱性が向上し、ABS樹脂の耐熱改良剤として、主に自動車分野で使用されてきた経緯がある。
しかしながら、スチレン系樹脂にマレイミド系化合物が導入された樹脂組成物は、耐熱性が向上されるものの、溶融状態での流動性や伸びが低下する傾向にある。該樹脂組成物から発泡体を得る場合、発泡剤を含む溶融状態の樹脂組成物の流動性や伸びが低下するため、特に、厚肉の板状発泡成形体を成形する場合には、成形金型を用いて附形する発泡体を形成しようとしても、セル膜が伸張しがたく、成形時の表面性が悪化する傾向が大きくなる。さらに、ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法のように成形金型を冷却しすぎると、冷却された発泡体の表面層と、セル流動が起こる程度の温度である内部層との温度差が大きくなりすぎるために、発泡体には内部から表面に向かって割れを生じる現象が発生し、板状に成形することができないという問題点を有していた。
これらのことから、スチレン系樹脂発泡体や硬質ポリウレタン発泡体の長所を併せ持つ厚肉の板状発泡体を得るまでには到っておらず、耐熱性、成形性に優れ、かつマテリアルリサイクル可能な環境適合性にも優れる厚肉の耐熱性熱可塑性樹脂発泡体の開発が待ち望まれている。
特開昭57−72830号公報 特開昭61−78846号公報 特開平2−184418号公報 特開平4−25532号公報
本発明の目的は、耐熱性、表面性、成形性に優れ、かつマテリアルリサイクル可能な環境適合性にも優れる厚肉の熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法を提供することにある。なかでも、熱溶融アスファルトを塗布しても形状を維持する耐熱性を有した熱可塑性樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を進めた結果、耐熱性の観点から耐熱性を付与した共重合体、および、流動性の観点から流動性を付与した共重合体を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる発泡体が上記目的を満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、[1]芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)と、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡体であって、該熱可塑性樹脂混合物が、共重合体(A)50〜90重量%よび共重合体(B)50〜10重量%からなるものであり、発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[2]芳香族ビニル単位がスチレン単位であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[3]不飽和ジカルボン酸無水物単位が無水マレイン酸単位であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[4]N−アルキル置換マレイミド単位がN−フェニルマレイミド単位であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[5]シアン化ビニル単位がアクリロニトリルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[6]発泡における発泡剤として、共重合体(A)および共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、a)エーテルおよび塩化アルキルよりなる群から選ばれた1種以上を0.5〜10重量部、及び、b)炭化水素を0〜6重量部を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[7]エーテルが、ジメチルエーテルであることを特徴とする請求項6に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[8]塩化アルキルが、塩化メチルおよび塩化エチルよりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[9]炭化水素が−50℃〜85℃の範囲に沸点を有する飽和炭化水素より選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[10]炭化水素がプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサンおよびシクロヘキサンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の飽和炭化水素であることを特徴とする請求項9に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[11]200℃の熱溶融アスファルトを塗布した後、切出した発泡体断面の形状保持率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[12]発泡体密度が20〜100kg/m3であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[13]発泡体を形成する気泡の平均径が0.05〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[14]芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)50〜90重量%および、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)50〜10重量%からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、発泡可能なゲル状物質となす工程、該ゲル状物質を冷却する工程、ダイを通して該ゲル状物質をより低圧の領域に押出す工程、ダイと密着または接して設置した成形金型を用い附形して発泡体を形成する工程を含む、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法であって、該冷却工程の出口での該ゲル状物質の樹脂温度が、該熱可塑性樹脂混合物のガラス転移温度に対して20〜70℃高い温度であることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[15]ダイ温度が、上記樹脂温度に対して5〜50℃低い温度であることを特徴とする、請求項14に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
さらに、本発明は、[16]発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、請求項14または15に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
さらに、本発明は、[17]発泡体を成型金型において徐冷することを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
本発明により、耐熱性、表面性、成形性に優れ、かつマテリアルリサイクル可能な環境適合性にも優れる、建築資材用途に適正な厚肉の耐熱性熱可塑性樹脂発泡体が得られる。特に、スチレン系樹脂発泡体では満たすことの出来ない、熱溶融アスファルトに対する短時間耐熱性が要求される耐熱性熱可塑性樹脂発泡体が得られる。
また、本発明により、140℃雰囲気下のオーブンにおいて、24時間暴露後の発泡体の体積変化率が3%以下となる長時間耐熱性を有する耐熱性熱可塑性樹脂発泡体が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる共重合体(A)は、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる。芳香族ビニル単位としては、スチレン、α―メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンが挙げられる。これらのうち、共重合体(B)との相溶性、重合の容易性の点から、スチレン、α−メチルスチレンが好適であり、さらに価格的に安価であるスチレンが最適である。また、不飽和ジカルボン酸無水物単位としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸が挙げられ、共重合体(B)との相溶性、重合の容易性、安価の点から、無水マレイン酸が好適である。さらに、N−アルキル置換マレイミド単位としては、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−4−ジフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミドが挙げられ、共重合体(B)との相溶性、重合の容易性、安価の点から、N−フェニルマレイミドが最適である。
なお、香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位の合計量を100重量%とした場合、耐熱性を鑑み、N−アルキル置換マレイミド単位は40重量%以上であることが好ましく、また、耐吸水吸湿性を考慮すると、不飽和ジカルボン酸無水物単位は5%以下であることが好ましい。
また、本発明で用いられる共重合体(B)は、芳香族ビニル単位、およびシアン化ビニル単位からなる。芳香族ビニル単位としては、上記記載のとおり、共重合体(A)との相溶性、重合の容易性の点から、スチレン、α−メチルスチレンが好適であり、さらに価格的に安価であるスチレンが最適である。また、シアン化ビニル単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α―クロロアクリロニトリルが挙げられ、共重合体(A)との相溶性、重合の容易性の点から、アクリロニトリルが好適である。共重合体(A)との相溶性、重合の容易性、価格的に安価であることなどから鑑み、スチレンとアクリロニトリルの共重合体が好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、前記共重合体(A)および前記共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物である。本発明における熱可塑性樹脂組成物とは、該樹脂混合物が、熱可塑性樹脂組成物全体に対して50重量%以上含有されるものが好ましく、70重量%以上含有されるものがより好ましい。
該樹脂混合物における共重合体(A)と共重合体(B)の重量比は、共重合体(A)が50〜90重量%および共重合体(B)が50〜10重量%が好ましく、共重合体(A)が50〜85重量%および共重合体(B)が50〜15重量%がより好ましく、共重合体(A)が55〜80重量%および共重合体(B)が45〜20重量%がさらに好ましい。耐熱性付与共重合体(A)が50〜90重量%の範囲であれば、強度保持、流動性や成形性、熱溶融アスファルトに対する耐熱性、140℃耐熱性或いは150℃耐熱性を並立できるので、好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体を得るための発泡剤としては、共重合体(A)および共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、塩素原子が含有しない発泡剤を用いることができる。また、このような発泡剤としては、物理型発泡剤および化学型発泡剤からなる群から選ばれた1種を、または2種以上混合して使用することができる。塩素原子を含有しないことにより、環境への負荷が軽減されるので好ましいが、本発明の目的を達するためには、必ずしも塩素原子を含有しないことは必要でない。
物理型発泡剤の具体例としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン等のフッ素化炭化水素;二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウム等の無機ガス;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化イソプロピル等の塩化アルキル類;蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル等のカルボン酸エステル類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン等のケトン類、等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上混合して使用することができる。
化学型発泡剤の具体例としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビス−ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾジカルボンアミド、炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、テレフタルアジド、5−フェニルテトラゾール、p−トルエンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上混合して使用することができる。
前述された発泡剤のうち、オゾン層保護の観点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機ガス類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類が好ましい。
また、前述された発泡剤のうち、発泡剤としては、発泡体の軽量化、押出発泡の安定性を考慮すると、発泡剤としては、主として、(a)エーテルおよび塩化アルキルよりなる群から選ばれた1種以上を0.5〜10重量部、および(b)炭化水素を0〜6重量部を含有するものが好ましい。
本発明の発泡剤におけるエーテルとしては、前述されたエーテル類が挙げられるが、これらのうち、ジメチルエーテルが、押出発泡の際の押出圧力が低減され、安定して押出発泡体が製造される点で好ましい。エーテルの使用量としては、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、0.5重量部〜10重量部が好ましく、1.5重量部〜6重量部がより好ましく、3重量部〜5重量部が特に好ましい。エーテルの使用量が0.5重量部〜10重量部の範囲内であれば、発泡性と発泡体へのガス分散性が良く、発泡性が良い。
本発明の発泡剤における塩化アルキルとしては、前述されたエーテル類が挙げられるが、これらのうち、塩化メチルおよび塩化エチルが押出発泡の際の押出圧力が低減され、安定して押出発泡体が製造される点で好ましい。塩化アルキルの使用量としては、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、0.5重量部〜10重量部が好ましく、1.5重量部〜6重量部がより好ましく、3重量部〜5重量部が特に好ましい。塩化アルキルの使用量が0.5重量部〜10重量部の範囲であれば、発泡性と発泡体へのガス分散性が良く、発泡性が良い。
本発明の発泡剤における炭化水素としては、前述された炭化水素が挙げられるが、沸点が低すぎると、蒸気圧が高くなり、取り扱いに際しては高圧が必要になり、製造上問題となる傾向にあり、沸点が高すぎると、発泡剤が発泡体の気泡中に液状として残留し、発泡体の耐熱温度を低下させる傾向にある。したがって、−50℃〜85℃の範囲に沸点を有する飽和炭化水素が好ましい。−50℃〜85℃の範囲に沸点を有する飽和炭化水素としては、例えば、プロパン、シクロプロパン、n−ブタン、i−ブタン、シクロブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、1,2−ジメチルブタン、シクロヘキサン等があげられる。これらのうち製造安定性の点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンが好ましい。炭化水素の使用量としては、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、0重量部〜6重量部が好ましく、2重量部〜5重量部がより好ましい。炭化水素の使用量が、0〜6重量部の範囲内であれば、発泡体へのガス分散性が良く、発泡性が良い。
なお、本発明においては、前記樹脂組成物に必要に応じて、造核剤、安定剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、吸水剤、輻射抑制剤等の添加剤を配合してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は板状発泡体であるとの特徴を有していることから、本発明の熱可塑性樹脂発泡体の厚みは10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましい。例えば、建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性を付与せしめるためには、発泡体の厚みが10mm未満のシート状発泡体では得られにくい傾向にある。また、発泡体の厚みが150mmを超えても実験機のような小スケールでは製法上可能であるが、厚みが厚くなる分、発泡体表面層と内部層との温度差がつくために、内部蓄熱の影響により独立気泡率の低下する傾向にあり、結果として、断熱特性、寸法安定性、強度などが低下する場合がある。
本発明における熱可塑性樹脂発泡体の密度は、20〜100kg/m3の範囲であることが好ましく、25〜50kg/m3の範囲であることがより好ましい。密度が20〜100kg/m3の範囲にあれば、平面圧縮強度に代表される面圧縮強度の発現の視点から好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体を形成する気泡構造としては、均一気泡構造や、大小気泡が混在した複合気泡構造などが挙げられるが、気泡構造を特に制限するものではない。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体における気泡の平均径は、主として0.05〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがより好ましい。なお、気泡径は、例えば、押出発泡体の断面の一部をサンプリングし、それを走査型電子顕微鏡にて拡大撮影して得られる写真から、平均気泡径をASTM D−3576に準じて測定することができる。気泡径は、必ずしも全てが上記範囲内である必要はなく、少なくとも気泡径の平均値が上記範囲内であればよい。気泡の平均径が0.05mm未満の場合、成形性が大きく低下し、安定生産が困難になる傾向がある。また、平均径が2.0mmを超えた場合、製品表面の外観が悪化する傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を用いて公知の方法により得ることができる。例えば、上記熱可塑性樹脂混合物を、押出機などの公知の加熱溶融混練装置に供給して加熱溶融して、高圧条件下で、発泡剤を添加する工程、発泡可能なゲル状物質を形成させる工程、次いで、該ゲル状物質を冷却する工程、さらに、高圧領域からスリットダイなどのダイを通じて、該ゲル状物質を低圧領域に押出発泡する工程、ダイと密着または接して設置した成形金型を用いて附形する発泡体を形成する工程を経ることにより、厚肉の板状熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。
発泡剤を添加する前に、前記樹脂組成物は、そのガラス転移温度または融点、あるいは、それ以上の温度に加熱される。発泡剤の添加は、加熱溶融樹脂に分散できるような方法で行えば良い。すなわち、発泡体の製造および/または開発に関わる分野で公知の手段、例えば、押出機、混合機などにより、溶融された前記樹脂組成物に混合、圧入または配合することができる。また、各々の発泡剤成分は、個別または同時に押出機に投入することができる。さらに、各々の発泡体成分は、液体、気体のいずれの状態で配合しても良い。
熱可塑性樹脂混合物に難燃剤などの各種添加物を添加する手順としては、例えば、(1)熱可塑性樹脂混合物に対して難燃剤などの各種添加物を添加して混合した後、押出機などの溶融混練装置に供給して加熱溶融し、さらに発泡剤を添加して混合する手順、(2)熱可塑性樹脂混合物を押出機などの溶融混練装置に供給して加熱溶融した後、難燃剤などの各種添加物を添加して混合し、さらにさらに発泡剤を添加して混合する手順、(3)予め熱可塑性樹脂混合物に対して難燃剤などの各種添加物を添加して溶融混練して得られた樹脂組成物を、改めて押出機に供給して加熱溶融した後、さらに発泡剤を添加して混合する手順等が挙げられるが、各種添加剤を熱可塑性樹脂混合物に添加するタイミングは、特に限定されない。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体を製造する場合において、熱可塑性樹脂混合物、発泡剤、必要に応じて添加される各種添加剤を加熱溶融混練する際の、加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については、特に制限されない。
加熱温度は、熱可塑性樹脂混合物が溶融する温度(ガラス転移温度または融点)以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分解・劣化ができる限り抑制される温度が好ましい。
溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練装置の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、熱可塑性樹脂混合物と発泡剤や添加剤とが均一に分散混合するのに要する時間として適宜設定される。
溶融混練手段としては、例えば、単軸スクリュー、二軸スクリュー等のスクリュー型の押出機などがあげられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば、特に制約はない。ただし、発泡体の分散性を必要とする場合には、押出機としては二軸スクリュー型が好ましい。また、樹脂の分解劣化をできる限り抑えるためには、押出機のスクリュー形状を低剪断タイプのものとすることが好ましい。
本発明における押出条件として、発泡剤が押出機や金型内で気化しないように、また、樹脂に充分溶解するように、押出系内圧力を高圧に保持することが好ましい。
その一手段として、スリットダイにおける圧力(以降、「スリット圧力」と称する場合がある)は、3MPa以上であることが好ましく、4MPa以上であることがより好ましい。スリットダイにおける圧力が3MPa以上であると、ガスの吹き出し、発泡体中の気孔(ボイド)発生、押出機系内の圧力変動、それに伴う発泡体断面プロファイルの変動といった現象が生じにくいため、好ましい。
該ゲル状物質を冷却する工程の出口での該ゲル状物質の樹脂温度は、該熱可塑性樹脂混合物のガラス転移温度に対して20〜70℃高い温度であることが好ましく、ガラス転移温度に対して30〜60℃高い温度であることがより好ましい。該ゲル状物質を発泡に適する温度に冷却する工程出口での樹脂温度を上記範囲とすることにより、ダイのスリット圧力のあがりすぎや温度ムラがほとんどない状態にて該ゲル物質をダイ内に導入することができ、良好な押出成形性および表面性を得ることができる。
ダイの設定温度は、上記樹脂温度に対して5〜50℃低い温度に制御することが好ましく、10〜40℃低い温度に制御することがより好ましい。ダイの設定温度を上記範囲とすることにより、ダイのスリット圧力を維持できると共に、表面性が良好な発泡体を得ることができる。
発泡成形方法に関しては、特に制限はないが、例えば、押出成形用に使用されるスリット形状を有するスリットダイ等のダイを通じて、発泡性ゲル状物質を高圧領域から低圧領域へ圧力開放して得られた熱可塑性樹脂押出発泡体を、スリットダイと密着または接して設置した成形金型および該成形金型の下流側に隣接して設置された成形ロールなどを用いて附形する押出発泡方法であれば、厚肉であり、さらに断面積の大きい板状発泡体を得ることができる。
スリットダイスの形状としては、矩形状、コートハンガー状、フィッシュテール状、ティー状などがあげられるが、幅広の板状発泡体を得ようとする場合には、コートハンガー状、ティー状のスリットダイが好ましい。
さらに、厚み10〜150mmの板状発泡体を得ようとする場合には、スリットダイ出口形状に対する成形金型形状の厚み方向での寸法拡大率や幅方向での寸法拡大率を抑制する観点から、スリットダイ出口が平板状に拡大されたスリットダイを用いて所望の発泡体幅に成形する方法が有利である。特に、本発明における共重合体(A)および共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂に対して脆性傾向であることから、できるだけ幅方向での拡大率を抑えた成形方法を選択することが好ましい。
また、該樹脂組成物を用いた場合、その樹脂特性からポリスチレン系樹脂のような樹脂の伸びが期待できないために、得られる押出発泡体の表面性を確保するには、押出発泡体表面と成形金型との抵抗を低減させることが重要である。
押出発泡体と成型金型との抵抗を下げる手段としては、例えば、(1)蒸気、油、電気ヒーター等を用いることにより成形金型を加熱すること、(2)ポリテトラフルオロエチレン樹脂等のフッ素樹脂からなるシート等の表面抵抗の少ない素材を、押出発泡体表面と成形金型との界面に設置すること、等が考えられる。
さらには、スリットダイから押出発泡させた発泡体を徐冷することも、得られる熱可塑性樹脂発泡体の表面性および物性を確保するには重要である。すなわち、発泡体の表面が冷却固化された状態でも、発泡体の内部がまだ流動的で発泡する力を有している状態では、内部の発泡する力に表面部分が耐えることができないために、発泡体の表面が割れ等の不良を生じる場合がある。また、前述したように、得られる発泡体の独立気泡率も低下する傾向にあり、結果として、断熱特性、寸法安定性、強度などが低下する場合がある。徐冷条件に関しては、発泡時の樹脂温度にも影響されるため、適宜調整すればよいが、成形金型の長さ、成形金型に対する加熱温度、表面抵抗の少ない素材の設置距離、等により調整することができる。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、従来のスチレン系押出発泡体と比較して、耐熱性および耐薬品性に優れるため、例えば、日光による直接熱を受けやすい屋上断熱部位、施工時にアスファルトなどの熱溶融した溶融物質が接する屋上防水断熱部位、施工時に接着剤に接する防水断熱部位等の建築資材用途に好適に用いられるほか、高温と低温の温度差が大きい過酷な環境に置かれる産業資材用途に好適に用いられる。
以下、本発明の耐熱性と熱可塑性とを併せ持つ樹脂発泡体を具体的な実施例により詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
以下に示す実施例1〜6、比較例1〜4で得られた発泡体の特性については、発泡体密度、平均セル径、140℃耐熱性、150℃耐熱性、熱溶融アスファルト塗布耐熱性、ガラス転移温度を、実施例7〜16、比較例5〜8、参考例1〜4で得られた発泡体の特性については、発泡体密度、平均セル径、140℃耐熱性、熱溶融アスファルト塗布耐熱性、ガラス転移温度を、下記の方法に従って測定した。
(1)押出成形性
押出成形性は、実施例、比較例または参考例に記載した条件にて、押出発泡操作を連続して行い、ダイからのガス噴出やスリット圧力の変動発生の有無を目視により評価した。判断基準は、以下のとおりである。なお、やや良好は、合格レベルである。
良好:1時間当たりのダイからのガス噴出やスリット圧力の変動発生が、1回未満である。
やや良好:1時間当たりのダイからのガス噴出やスリット圧力の変動発生が、1〜2回である。
不良:1時間当たりのダイからのガス噴出やスリット圧力の変動発生が、3回以上である。
(2)発泡体密度(kg/m3
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/m3に換算して示した。
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3
(3)平均セル径(mm)
得られた発泡体の押出方向、巾方向および厚み方向の各方向のセル径を、ASTM D−3576に準じて測定した。
すなわち、発泡体の巾方向の断面を50〜100倍に拡大投影し、厚み方向のセル径(HD)と巾方向のセル径(TD)を測定する。次に、押出方向の断面を拡大投影し、押し出し方向のセル径(MD)を測定した。
平均セル径は、各方向のセル径の積を3乗根した値を、以下の式より算出した。
平均セル径=(HD×TD×MD)1/3
(4)150℃耐熱性、140℃耐熱性(発泡体の体積変化率)
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室に10日間状態調整したのち、厚み15mm×幅35mm×長さ100mmに切り出し、150℃±2℃(140℃耐熱性の場合は、140℃±2℃)に設定した熱風乾燥機内にて24時間加熱し、加熱前と加熱後の体積変化率(%)を算出し、以下の基準により耐熱性の有無を判断した。
◎:発泡体の体積変化率が1%以下である。
○:発泡体の体積変化率が1%を超え3%以下である。
△:発泡体の体積変化率が3%を超え5%以下である。
×:発泡体の体積変化率が5%を超える。
(5)熱溶融アスファルト塗布耐熱性(加熱後の発泡体断面の形状保持率)
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室に10日間状態調整した後、厚み15mm×長さ100mm×幅35mmの試験片を切り出し、200℃に加熱した熱溶融アスファルトを万遍なく塗布し、30分間冷却した後、厚み方向×長さ方向の発泡体断面を切取り、断面積を求め、以下の基準により耐熱性の有無を判断した。
◎:発泡体断面の断面積が、もとの断面積の95%以上である。
○:発泡体断面の断面積が、もとの断面積の90%以上95%未満である。
△:発泡体断面の断面積が、もとの断面積の80%以上90%未満である。
×:発泡体断面の断面積が、もとの断面積の80%未満である。
(6)ガラス転移温度
熱可塑性樹脂混合物および得られた発泡体のガラス転移温度は、示差走差熱量計(島津製作所(株)製:DSC−60A)を用いて、昇温速度10℃/minにて300℃まで昇温し10分間ホールドした後、降温速度10℃/minにて30℃まで冷却し、再び昇温速度10℃/minにて300℃まで昇温した際の階段状変化を、JIS K7121のガラス転移温度の求め方に従って測定した。なお、発泡体に関しては、発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室内にて10日間状態調整した後、測定を行った。
(7)表面性
得られた発泡体の表面性は、目視により評価した。判断基準は、以下のとおりである。
良好:発泡体表面の押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個以下である、美麗なスキン層を形成した発泡体である。
不良:発泡体表面押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個超である、粗悪なスキン層しか形成できない発泡体である。
(実施例1)
共重合体(A)として電気化学工業(株)製、商品名:デンカIP(265℃×10kg条件でのメルトフローレイト(以下、MFR)=0.2g/min)、共重合体(B)として東洋スチレン(株)製、商品名:トーヨーAS(220℃×10kg条件でのMFR=1.8g/min)を使用し、共重合体(A)/共重合体(B)を80%/20%の比率にて混合した。これらの樹脂混合物100部に対して、造核剤としてタルク(林化成(株)製、商品名:タルカンパウダー)0.5部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を、口径65mmの一段目押出機と口径90mmの二段目押出機とを直列に連結した二段連結型押出機へ50kg/時間の割合で供給した。一段目押出機に供給した樹脂組成物を、約280℃に加熱して溶融混練した後、一段目押出機の先端付近(第二押出機に接続される側)において、発泡剤としてジメチルエーテル5.0部を溶融された熱可塑性樹脂組成物に圧入した。その後、一段目押出機に連結された二段目押出機において、混練冷却しながら二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が200℃となるように冷却し、二段目押出機の先端に設けられた矩形状スリットダイのダイリップより、熱可塑性樹脂組成物を大気中へ押出し、成形金型中に0.8MPa蒸気を通過させることにより成形金型温度170℃に温度設定した成形金型(表面材質:ポリテトラフルオロエチレン樹脂で表面処理した鉄、高さ25mm×幅120mm)および成形ロールにより、厚さ約30mm×幅約100mmである断面形状の押出発泡板を得た。ダイリップは、190℃に温度設定し、厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例2)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を60%/40%に変更し、さらに、ダイリップ温度を170℃に変更した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例3)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を90%/10%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が210℃となるように冷却し、ダイリップ温度を200℃にした以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例4)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を50%/50%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が175℃となるように冷却し、ダイリップ温度を160℃に変更し、成形金型と発泡体との界面にポリテトラフルオロエチレン樹脂シートを設置した(この場合、成形金型の温度調整は放熱状態となる)以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例5)
用いた発泡剤種および添加量を、ジメチルエーテル5.0部およびイソブタン3.0部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が190℃となるように冷却し、ダイリップ温度を170℃変更し、成形金型と発泡体との界面にポリテトラフルオロエチレン樹脂シートを設置した(この場合、成形金型の温度調整は放熱状態となる)以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例6)
用いた発泡剤種および添加量をジメチルエーテル4.0部、イソブタン3.0部および水0.5部に変更し、吸水剤としてベントナイト1.0部および二酸化ケイ素0.5部を添加した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(比較例1)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を100%/0%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が240℃となるように冷却し、ダイリップ温度を220℃に変更した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例1〜6と比較して、求められる耐熱性条件は満足するものの、押出成形性および、発泡体の表面性が悪化し安定的に発泡体を得ることができない。
(比較例2)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を30%/70%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が160℃となるように冷却し、ダイリップ温度を130℃に変更した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例1〜6と比較して、求められる耐熱性条件を満足することができない。
(比較例3)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を0%/100%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が130℃となるように冷却し、ダイリップ温度を125℃に変更し、成形金型中に水を通過させることにより成形金型温度を50℃に温度設定した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例1〜6と比較して、求められる耐熱性条件を満足することができない。
(比較例4)
基材樹脂として、メタクリル酸変成ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名:G9001、メタクリル酸変成率7%、200℃×5kg条件でのMFR=0.2g/min)を用い、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が130℃となるように冷却し、ダイリップ樹脂を120℃に変更した以外は、比較例2と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例1〜6と比較して、求められる耐熱性条件を満足することができない。
Figure 2007186668
(実施例7)
用いた発泡剤種をジメチルエーテル4.5部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が195℃となるように冷却し、コートハンガー状スリットダイスを用いてダイリップ温度を190℃に変更し、厚さ方向1.5mm、幅方向180mmの長方形断面の空隙とし、さらに、成形金型形状(高さ20mm×幅350mm)を変更した以外は、実施例1と同様の条件にて、厚さ約25mm×幅約300mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較して、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例8)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を60%/40%に変更し、用いた添加剤種をタルク0.1部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が200℃となるように冷却し、ダイリップ温度を170℃に変更し、成形金型と発泡体との界面にポリテトラフルオロエチレン樹脂シートを設置した(この場合、成形金型の温度調整は放熱状態となる)以外は、実施例7と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例9)
用いた添加剤種をタルク0.3部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が185℃となるように冷却し、ダイリップ温度を165℃に変更し、成形金型中に0.8MPa蒸気を通過させることにより成形金型温度170℃に温度設定した以外は、実施例8と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例10)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を90%/10%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が205℃となるように冷却し、ダイリップ温度を195℃に変更した以外は、実施例7と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例11)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を50%/50%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が175℃となるように冷却し、ダイリップ温度を165℃に変更した以外は、実施例7と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例12)
用いた発泡剤種および添加量をジメチルエーテル4.5部およびイソブタン3.0部に、用いた添加剤種および添加量をタルク0.3部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が190℃となるように冷却し、ダイリップを170℃に変更した以外は、実施例8と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例13)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を60%/40%に変更し、用いた発泡剤種および添加量をジメチルエーテル4.5部、イソブタン2.0部、シクロペンタン1.0部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が190℃となるように冷却し、ダイリップ温度を165℃に変更した以外は、実施例7と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例14)
用いた発泡剤種および添加量をジメチルエーテル3.0部、イソブタン3.0部および水0.5部に変更し、用いた添加剤種および添加量をベントナイト1.0部および二酸化ケイ素0.5部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が185℃となるように冷却し、ダイリップ温度を165℃に変更した以外は、実施例12と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例15)
用いた発泡剤種および添加量を塩化メチル4.0部およびイソブタン3.0部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が185℃となるように冷却し、ダイリップ温度を165℃に変更した以外は、実施例13と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例16)
用いた発泡剤種および添加量を塩化エチル4.0部およびイソブタン3.0部に変更した以外は、実施例15と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。下記の比較例5〜8および参考例1〜4と比較し、耐熱性条件を満足した発泡体が得られた。
(比較例5)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を100%/0%に変更し、さらに二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が240℃となるように冷却し、ダイリップ温度を220℃に変更した以外は、実施例7と同様の条件にて押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。実施例7〜16と比較して、求められる耐熱性条件は満足するものの、押出成形性および、発泡体の表面性が悪化し安定的に発泡体を得ることができなかった。
(比較例6)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を30%/70%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が160℃となるように冷却し、ダイリップを135℃に変更した以外は、実施例7と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。実施例7〜16と比較して、求められる耐熱性条件を満足することができなかった。
(比較例7)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を0%/100%に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が130℃となるように冷却し、ダイリップを120℃に変更し、成形金型中に水を通過させることにより成形金型温度を50℃に温度設定した以外は、実施例7と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。実施例7〜16と比較して、求められる耐熱性条件を満足することができなかった。
(比較例8)
基材樹脂として、メタクリル酸変成ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名:G9001、メタクリル酸変成率7%、200℃×5kg条件でMFR=0.2g/min)を用い、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が130℃となるように冷却し、ダイリップ樹脂を120℃に変更した以外は、比較例7と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を表2に示す。実施例7〜16と比較して、求められる耐熱性条件を満足することができなかった。
(参考例1)
二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が230℃となるように冷却し、ダイリップ温度を200℃に変更した以外は、実施例9と同様の条件で押出を行った。しかし、樹脂温度が高いことため、ガス噴出やダイ内発泡によりスリット圧力が低下して、押出成形性が悪化し、粗悪な形状/表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
発泡体の特性を表2に示すが、耐熱性評価はいずれも測定不能であった。
(参考例2)
成形金型中に水を通過させることにより成形金型温度を50℃に温度設定した以外は、実施例9と同様の条件で押出を行った。しかし、成形金型温度が低いために発泡体内部から膨れが発生することによる表面での割れ等が極めて大きくなり、粗悪な形状/表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
発泡体の特性を表2に示すが、耐熱性評価はいずれも測定不能であった。
(参考例3)
用いた発泡剤種および添加量を塩化エチル5.0部に変更し、タルク量を0.3部に変更し、さらに、二段目押出機出口(冷却工程出口)での樹脂温度が220℃となるように冷却し、ダイリップ温度を200℃に変更した以外は、実施例16と同様の条件で押出を行った。
しかし、樹脂温度が高いことでスリット圧力が低下し金型からガスが噴き出して押出成形性が悪化し、粗悪な形状および表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
発泡体の特性を表2に示すが、耐熱性評価はいずれも測定不能であった。
(参考例4)
用いた発泡剤種および添加量を塩化エチル5.0部に変更し、タルク量を0.3部に変更し、成形金型中に水を通過させることにより成形金型温度を50℃に温度設定した以外は、実施例16と同様の条件にて押出を行った。しかし、成形金型温度が低いために発泡体内部から膨れが発生することによる表面での割れ等が極めて大きくなり、粗悪な形状および表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
発泡体の特性を表2に示すが、耐熱性評価はいずれも測定不能であった。
Figure 2007186668

Claims (17)

  1. 芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)と、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡体であって、該熱可塑性樹脂混合物が共重合体(A)50〜90重量%および共重合体(B)50〜10重量%からなるものであり、発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体。
  2. 芳香族ビニル単位がスチレン単位であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  3. 不飽和ジカルボン酸無水物単位が無水マレイン酸単位であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  4. N−アルキル置換マレイミド単位がN−フェニルマレイミド単位であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  5. シアン化ビニル単位がアクリロニトリルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  6. 発泡における発泡剤として、共重合体(A)および共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、(a)エーテルおよび塩化アルキルよりなる群から選ばれた1種以上を0.5〜10重量部、および(b)炭化水素を0〜6重量部を使用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  7. エーテルが、ジメチルエーテルであることを特徴とする、請求項6に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  8. 塩化アルキルが、塩化メチルおよび塩化エチルよりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  9. 炭化水素が、−50℃〜85℃の範囲に沸点を有する飽和炭化水素より選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  10. 炭化水素がプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサンおよびシクロヘキサンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の飽和炭化水素であることを特徴とする、請求項9に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  11. 200℃の熱溶融アスファルトを塗布した後、切出した発泡体断面の形状保持率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  12. 発泡体密度が20〜100kg/m3であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  13. 発泡体を形成する気泡の平均径が0.05〜2.0mmであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  14. 芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)50〜90重量%および、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)50〜10重量%からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、発泡可能なゲル状物質となす工程、該ゲル状物質を冷却する工程、ダイを通して該ゲル状物質をより低圧の領域に押出す工程、ダイと密着または接して設置した成形金型を用い附形して発泡体を形成する工程を含む、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法であって、上記冷却工程の出口での該ゲル状物質の樹脂温度が、該熱可塑性樹脂混合物のガラス転移温度に対して20〜70℃高い温度であることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  15. ダイ温度が、上記樹脂温度に対して5〜50℃低い温度であることを特徴とする、請求項14に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  16. 発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、請求項14または15に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  17. 発泡体を成型金型において徐冷することを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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