JP2007186579A - 着色材組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも着色顔料、水溶性樹脂及び水を含む、洗濯により消去性を有する着色材組成物であって、前記着色顔料の重量をP、前記水溶性樹脂の重量をRとしたとき、P:R=1:1〜1:30であり、前記水溶性樹脂として、分散樹脂及びアニオン性樹脂が含まれており、前記着色顔料は、前記分散樹脂により分散されており、前記アニオン性樹脂は、沸点−10〜10℃のアミン類で中和されているものであることを特徴とする着色材組成物とする。
Description
前記着色顔料の重量をP、前記水溶性樹脂の重量をRとしたとき、P:R=1:1〜1:30であり、
前記水溶性樹脂として、分散樹脂及びアニオン性樹脂が含まれており、
前記着色顔料は、前記分散樹脂により分散されており、
前記アニオン性樹脂は、沸点−10〜10℃のアミン類で中和されている
着色材組成物とすることを最も主要な手段とする。
本発明で用いられる着色顔料は、粒径が細かく、着色効果を有するものであれば制限なく用いることができる。具体的には、黒色着色顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、鉄黒/赤色着色顔料として、モノアゾ、アンスラキノン、キナクリドン、青色着色顔料として、フタロシアニン、群青、紺青、アンスラキノンなどを挙げることができる。
本発明では、着色材組成物が、洗濯(水洗)によって簡単に落とせるものであるようにするため、水溶性樹脂を用いる。本発明の着色材組成物では、分散樹脂とアニオン性樹脂の2種類の水溶性樹脂を必須成分とする。
本発明で用いる分散樹脂は、水に溶解可能で、着色顔料を着色顔料分散体として分散させ、かつ分散安定性に優れる樹脂を含有することが好ましい。具体的には、カルボキシメチルセルローズ、アラビヤガム、デキストリン、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、PVA(ポリビニルアルコール)などを例示できる。なかでも、PVA、スチレアクリル共重合体、スチレンマレイン酸共重合体が好適である。
本発明で用いるアニオン性樹脂は、アルカリで中和されて水に溶解するアニオン性樹脂、であって、粘度がある程度低いものであれば特に制限なく用いることができる。好適な化合物の具体例としては、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、エチレンマレイン酸共重合体を挙げることができる。アニオン性樹脂の配合量は、前記着色顔料と前記水溶性樹脂との比率が満たされる限り、特に制限されるものではないが、好ましくは、着色材組成物全量に対して10.0〜30.0重量%であり、更に好ましくは、10.0〜15.0重量%である。10.0重量%未満の場合、洗濯消去性が低下し、30.0重量%を超える場合、粘度が高くなり、使用感が低下するため好ましくない。
その他必要に応じて、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール等の多価アルコールや、防腐防黴剤を添加しても良い。
本発明の着色材組成物は、下記の工程を経ることで、効率的に製造することができる。ただし、本発明の着色材組成物は下記製造方法で製造されたものに限られるものではない。
着色顔料、分散樹脂、水、必要に応じて着色顔料濡れ剤を配合し、ビーズミルなどの分散機にて約1時間分散を行う。
アニオン性樹脂を水溶液に溶解させ、沸点−10〜10℃のアミン類のアミン類を添加し中和してアニオン性樹脂水溶液を作製する。
上記第一の工程で作製した着色顔料分散体に、第二の工程で作製しアニオン性樹脂水溶液を後添加し、ディスパーで約30分撹拌すると本発明の着色材組成物を得ることができる。
(実施例1〜4)
実施例1〜4の着色材組成物は、表1に示す組成にて調製した。調製の方法としては、まず着色顔料、分散樹脂、イオン交換水を配合し、ビーズミル(ダイノーミル:シンマルエンタープライゼス社製)にて1時間分散を行った。次に、後添加樹脂であるアニオン性樹脂に、メチルアミン(沸点−7℃)、トリメチルアミン(沸点3℃)のいずれかを加えて中和し、アニオン性樹脂水溶液とした。最後に、前記着色顔料分散体に前アニオン樹脂(記後添加樹脂)水溶液を添加し30分攪拌して、実施例1〜4の着色材組成物(墨汁)を得た。
表1に示す組成であって、後添加樹脂をポリビニルアルコール(ポバール)に変更した点が実施例と異なる着色材組成物を比較例1として調製した。調製方法は、実施例1〜3記載の方法と同様である。
表1に示す組成であって、アニオン樹脂の中和を水酸化ナトリウムで行った点が実施例と異なる着色材組成物を比較例2として調製した。調製方法は、実施例1〜4記載の方法と同様である。
表1に示す組成であって、アニオン性樹脂の中和を沸点360℃であるトリエタノールアミンで行った点が、実施例と異なる着色材組成物を比較例3として調製した。調製方法は、実施例1〜4記載の方法と同様である。
表1に示す組成であって、アニオン性樹脂の中和を沸点17℃であるエチルアミンで行った点が、実施例と異なる着色材組成物を比較例4として調製した。調製方法は、実施例1〜4記載の方法と同様である。
表1に示す組成であって、アニオン性樹脂の中和を沸点−33℃であるアンモニアで行った点が、実施例と異なる着色材組成物を比較例5として調製した。調製方法は、実施例1〜4記載の方法と同様である。
(1) Monarch800(カーボンブラック/CABOT社製):20重量%、PVA403(クラレ社製):4重量%の顔料分散体
(2) Monarch800(カーボンブラック/CABOT社製):20重量%、Joncry1678(ジョンソンポリマー社製):4重量%の顔料分散体
(3) シムラファーストレッド4127(P.R.267/大日本インキ社製):20重量%、Joncry1678(ジョンソンポリマー社製):4重量%の顔料分散体
(4) ファーストゲンブルーTGR(P.B.15:3/大日本インキ社製)20重量%:Joncry1678(ジョンソンポリマー社製):4重量%の顔料分散体
(5) Johncry1690(スチレンアクリル酸共重合体/ジョンソンポリマー社製):30重量%、メチルアミン(樹脂中和剤/和光純薬社製):4重量%の水溶液
(6) X-1(スチレンマレイン酸共重合体/星光化学社製:30重量%、トリメチルアミン(樹脂中和剤/和光純薬社製):3.5重量%の水溶液
(7) Johncry1690(スチレンアクリル酸共重合体/ジョンソンポリマー社製):30重量%、水酸化ナトリウム(樹脂中和剤/和光純薬社製):5.1重量%の水溶液
(8) Johncry1690(スチレンアクリル酸共重合体/ジョンソンポリマー社製):30重量%、トリエタノールアミン(樹脂中和剤/和光純薬社製):19.1重量%の水溶液
(9) Johncry1690(スチレンアクリル酸共重合体/ジョンソンポリマー社製):30重量%、エチルアミン(樹脂中和剤/和光純薬社製):5.8重量%の水溶液
(10) Johncry1690(スチレンアクリル酸共重合体/ジョンソンポリマー社製):30重量%、アンモニア(樹脂中和剤/和光純薬社製):2.2重量%の水溶液
(11) PVA403(ポバール/クラレ社製):30重量%の水溶液
(1)消去性評価
綿ブロード(晒)の試験布に水を含まない画筆(平筆4号)を用いて、実施例1〜4、比較例1〜5の着色材組成物を塗布し、室温で指触乾燥するまで放置した。その後、乾燥後の試験サンプルを洗濯機で弱アルカリ性の合成洗剤を使用して(洗濯槽の水量に対して0.2重量%)20℃で15分間水洗し、5分間手で揉み洗い後、乾燥させた。乾燥させた試験布に着色材組成物が残っていないかを目視で観察し、評価した。
○:汚れが除去されている。
△:色、筆跡がはっきりわかる。
×:全く落ちていない。
実施例1〜4、比較例1〜5の着色材組成物を書道用紙に毛筆を用いて書写し、室温で1週間放置した。その後、ベニヤ板の上に裏返して置き霧吹きで水を噴霧し、実施例1〜4、比較例1〜5の着色材組成物の流れ出しを評価した。
○:流れない。
△:若干流れ出す。
×:筆跡がわからない程流れ出す。
Claims (4)
- 少なくとも着色顔料、水溶性樹脂及び水を含む、洗濯により消去性を有する着色材組成物であって、
前記着色顔料の重量をP、前記水溶性樹脂の重量をRとしたとき、P:R=1:1〜1:30であり、
前記水溶性樹脂として、分散樹脂及びアニオン性樹脂が含まれており、
前記着色顔料は、前記分散樹脂により分散されており、
前記アニオン性樹脂は、沸点−10〜10℃のアミン類で中和されているもの
であることを特徴とする着色材組成物。 - 前記沸点−10〜10℃のアミン類が、メチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミンの群から選ばれる1種または2種以上のアミン類である請求項1記載の着色材組成物。
- 請求項1または2記載の着色材組成物で構成された墨汁。
- 請求項1または2の記載の着色材組成物で構成された水性インキ組成物。
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