JP2007186535A - カーボンペースト、液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

カーボンペースト、液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置製造に有用な、作業性及び信頼性に優れたカーボンペースト、このカーボンペーストを着色剤として含有する液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組成物の硬化物により封止された半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)液状エポキシ樹脂、(B)粒子表面に水酸基とカルボキシル基とを有し、BET比表面積が100〜200m2/gであるカーボン粉末:カーボンペースト中で5〜40質量%を含有し、二次凝集カーボン粒子の平均粒径が0.4μm未満であるカーボンペースト、このカーボンペーストを着色剤として含有する液状エポキシ樹脂組成物及びこの液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液状エポキシ樹脂組成物に用いられる着色剤であって、特に半導体装置分野に有用な、作業性及び信頼性に優れるカーボンペースト、このカーボンペーストを含有する液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組成物の硬化物により封止された半導体装置に関する。
昨今、半導体分野では、その装置の小型化、軽量化、高性能化等に伴い、配線の高密度化が進んでいる。これに用いられる封止材は、一般に使用されている着色剤であるカーボンが配線間に存在し、電気的トラブルの発生率が大きくなっている。
封止材の信頼性は樹脂に依存するが、封止材中のカーボン粉末の二次粒子径及び粒子表面と樹脂との接着強度が問題となる。更に、液状としての作業性の尺度となる粘度にも、前述の二次粒子径の大きさが反映される。
一方、カーボンペーストは、一般的には導電性ペーストとして広く使用されており、導電性ペーストとしては公知である(例えば、特開2005−190819号公報:特許文献1、特開2001−19891号公報:特許文献2)。しかしながら、着色剤としてのカーボンペーストは、非導電性を前提としているが、その導電防止の検討はなされていない。
特開2005−190819号公報 特開2001−19891号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、半導体装置製造に有用な、作業性及び信頼性に優れたカーボンペースト、このカーボンペーストを着色剤として含有する液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組成物の硬化物により封止された半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、液状エポキシ樹脂に、粒子表面に水酸基とカルボキシル基とを有し、BET比表面積が100〜200m2/gであるカーボン粉末をカーボンペースト中に5〜40質量%配合し、二次凝集カーボン粒子の平均粒径が0.4μm未満であるカーボンペーストが、作業性及び信頼性に優れ、着色剤として半導体装置製造に有用であることを知見した。
中でも、その装置の小型化、軽量化、高性能化等に伴う、高密度化配線に用いられる封止材に対して着色剤として使用することが有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すカーボンペースト、液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置を提供する。
〔1〕(A)液状エポキシ樹脂、
(B)粒子表面に水酸基とカルボキシル基とを有し、BET比表面積が100〜200m2/gであるカーボン粉末: カーボンペースト中で5〜40質量%
を含有し、二次凝集カーボン粒子の平均粒径が0.4μm未満であるカーボンペースト。
〔2〕〔1〕記載のカーボンペーストを着色剤として含有する液状エポキシ樹脂組成物。
〔3〕〔2〕記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
本発明のカーボンペーストは、着色剤として用いられて作業性及び信頼性に優れるものであって、半導体装置の封止材用として有用である。中でも、その装置の小型化、軽量化、高性能化等に伴う高密度化配線に用いられる封止材に対して使用することが有用である。そして、本発明のカーボンペーストを着色剤として含有した液状エポキシ樹脂組成物を封止材として使用することにより、作業性に優れ、信頼性に優れる半導体装置が製造可能となる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。なお、本明細書中において、室温とは25℃を意味する。
本発明のカーボンペーストは、
(A)液状エポキシ樹脂、
(B)粒子表面に水酸基とカルボキシル基とを有する、BET比表面積が100〜200m2/gのカーボン粉末
を含有するものである。
まず、本発明のカーボンペーストに用いられる各成分について具体的に説明する。
〔(A)液状エポキシ樹脂〕
(A)成分の液状エポキシ樹脂は、室温で液状のものであれば、分子構造、分子量等は特に限定されず、例えば、公知のエポキシ樹脂を全て用いることができる。その中でも、1分子中に1〜3個のエポキシ基を有するものが好ましい。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、下記構造式:
Figure 2007186535
で表されるフェニルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
(A)成分のエポキシ樹脂は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(A)成分の液状エポキシ樹脂中に含まれる不純物の全塩素含有量は、質量基準で、1,500ppm以下であることが好ましく、1,000ppm以下であることがより好ましい。
(A)成分の配合量は特に限定されないが、本発明のカーボンペースト中で、通常、60〜95質量%であり、好ましくは70〜90質量%である。(A)成分の配合量が多すぎると粘度が高過ぎ、作業性に支障を来たす場合があり、少なすぎると着色機能が低下する場合がある。
〔(B)カーボン粉末〕
(B)成分のカーボン粉末は、半導体装置の封止材として用いられるエポキシ樹脂組成物等に優れた着色性を付与するために配合される成分である。このカーボン粉末は、粒子表面に水酸基とカルボキシル基とを有する、BET比表面積が100〜200m2/gのカーボン粉末であることが必要である。
本発明のカーボン粉末は特に制限はなく、対象となるカーボンブラックとしては、ファーネスブラックをはじめ、サーマルブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックなどの各種市販品が使用される。すなわち、これらカーボンブラックを湿式媒体中に分散して酸化処理を施したのち、フィルターを濾過通過させたカーボンブラックスラリーを、カーボンブラック含有分が3〜50質量%に濃縮、調整したのち、噴霧乾燥して得られたものである。なお、湿式媒体としては水、アルコール類、揮発性オイルなどが用いられるが、安価で、安全性の高い水を用いることが好ましい。
カーボンブラックの湿式酸化処理は、元来、疎水性の表面性状を有するカーボンブラックを親水性の表面性状に改質するために行うもので、湿式酸化処理は酸化剤を含む水溶液中にカーボンブラックを分散させて、酸化剤濃度、時間、温度などを適宜に設定して、攪拌することにより行われる。この処理により、カーボンブラック粒子表面にはヒドロキシル基やカルボキシル基などの親水性の官能基が生成する。
湿式酸化処理する酸化剤としては、例えばペルオキソ2硫酸塩、過酸化水素水、硝酸などが挙げられる。ペルオキソ2硫酸塩の塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム、アルミニウムなどの軽金属塩やアンモニウム塩があるが、半導体封止材という用途から金属塩は不適であり、アンモニウム塩が好ましい。また、酸化剤濃度は、カーボンブラックの比表面積当たり0.03mmol/m2〜0.3mmol/m2とすることが好ましい。なお、湿式酸化処理をより効率よく行うために、湿式酸化処理する前に予め乾式酸化することが好ましい。乾式酸化は、例えばオゾン、酸素、NOx、SOxなどの雰囲気にカーボンブラックを曝すことにより行われる。
湿式酸化処理したカーボンブラック分散液は、カーボンブラック粒子表面に形成されたカルボキシル基やヒドロキシル基により良好な水分散性を示すが、より望ましくは中和する。中和剤としては、アンモニア、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、第4級アミンなどの有機アミン類が例示される。この中和によりカーボンブラック分散液のpHは6〜10に調整される。
カーボンブラックを湿式酸化処理した分散液は、孔径5μm以下の濾紙、メンブランフィルターなどのフィルターにより、加圧濾過、減圧濾過などにより濾過される。フィルターの孔径は5μm以下のものが使用されるが、インナーリード間やパッド間あるいはワイヤー間の線幅により支障を生じない範囲で、例えば5μm、3μm、1μm、0.8μm、0.5μmなど適宜な孔径のフィルターを用いることができる。
孔径5μm以下のフィルターで濾過したカーボンブラックスラリーを、スラリー中のカーボンブラック含有分が3〜50質量%になるように調整した後、噴霧乾燥することにより、粒子表面に水酸基やカルボキシル基などの親水性官能基を有するカーボンブラックが得られる。カーボンブラック含有分が3質量%を下回ると、噴霧乾燥した場合にカーボンブラックの凝集体の粒子径は小さく維持されるが、乾燥に要する熱量が増加して生産効率が低下する。一方、カーボンブラック含有分が50質量%を超えると、噴霧乾燥時に再結合し易く、凝集体径が大きくなる。更に、カーボンブラックスラリーの粘度が上昇するため、円滑に噴霧乾燥が行えなくなる。より好ましいカーボンブラック含有量は5〜20質量%である。
噴霧乾燥には、SKジェット・オー・ミル、ミストドライヤー、スプレードライヤー、流動媒体槽、スラリードライヤーなどの適宜な噴霧乾燥機が使用できるが、この場合、カーボンブラック凝集物の凝集力がその噴霧様式で異なり、通常のバット等にスラリーを入れ通風乾燥機にて乾燥後、SKジェット・ミルで粉砕したものが黒色度を呈する度合が最も良好である(参考資料:特開2005−190819号公報)。
前記BET比表面積は、100〜200m2/g、好ましくは120〜200m2/g、より好ましくは140〜170m2/gである。前記BET比表面積が100m2/g未満である場合には、得られる組成物の硬化時にカーボンが配線間に介在し、電気的ショートを生起し、硬化物の信頼性に悪影響を及ぼしてしまう。前記BET比表面積が200m2/gを超える場合には、得られる組成物の流動に対する抵抗が大きくなり、該組成物の流動性が低下する。その結果、シリンジ等を用いて狭い隙間等に実装適用する場合に、ディスペンス性に劣るものとなり、作業上支障をきたすおそれがある。
(B)成分のカーボン粉末は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、本発明のカーボンペースト中で、5〜40質量%であることが必要であり、好ましくは10〜30質量%である。この配合量が5〜40質量%を満たさない場合、すなわち5質量%未満では、得られる硬化物は着色不足による外観不良に、40質量%を超えると、硬化前の粘度が高過ぎ、硬化物を製造しにくくなることがある。
〔カーボンペーストの調製方法〕
本発明のカーボンペーストは、上記(A),(B)成分、更に必要により任意成分を同時に又は逐次的に装置内へ投入し、必要に応じて15〜25℃の範囲の温度で冷却処理を行いながら、撹拌、溶解、混合、分散等の操作を行うことによって調製することができる。これらの操作に用いられる装置は特に限定されず、例えば、撹拌装置・加熱装置を備えたらいかい機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。これらの装置は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
〔カーボンペーストの性質〕
以上の成分を含有してなる本発明のカーボンペーストは、十分な作業性及び封止性を確保するために、25℃における粘度が1〜50Pa・sであることが好ましく、3〜40Pa・sであることがより好ましく、4〜10Pa・sであることが特に好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定することができる。
本発明のカーボンペースト中の二次凝集カーボン粒子の平均粒径は、0.4μm未満であり、特に0.35μm以下であることが好ましい。二次凝集カーボン粒子の平均粒径が0.4μm以上であると着色度に劣る。なお、本発明において、平均粒径は遠心沈降法により測定することができる。
本発明のカーボンペーストは、カーボン粉末の粒子表面に水酸基とカルボキシル基とを有するものを使用していることから、更なる三次以上の凝集が生じにくく、電気的障害が起こりにくいものとなる。
[液状エポキシ樹脂組成物]
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、上記で得られたカーボンペーストを着色剤として含有するものであれば特に限定されるものではなく、通常、半導体装置の封止材として使用されるエポキシ樹脂組成物と同様の成分を配合してなるものである。
このような液状エポキシ樹脂組成物としては、
(a)液状エポキシ樹脂、
(b)硬化剤、
(c)上記カーボンペースト
(d)無機質充填剤
を配合してなるものが好ましい。
以下に、上記(a)〜(d)成分について具体的に説明する。
〔(a)液状エポキシ樹脂〕
(a)成分の液状エポキシ樹脂は、上述した(A)液状エポキシ樹脂と同様のものを使用することができる。
〔(b)硬化剤〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いられる(b)成分は、(a)成分の液状エポキシ樹脂及び(c)成分中の液状エポキシ樹脂を硬化させる成分である。この(b)成分としては、(a)成分及び(c)成分中のエポキシ基と反応可能な官能基、例えば、フェノール性水酸基、アミノ基等の一価の基であれば、それを2個以上、また、例えば、酸無水物基等の実質上二価の基であれば、それを1個以上有する化合物であればよく、分子構造、分子量等は特に限定されず、公知のエポキシ樹脂硬化剤を全て使用することができる。
(b)成分の硬化剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
この(b)成分の使用量は、上記(a)成分のエポキシ樹脂及び(c)成分中のエポキシ樹脂を硬化し得る硬化有効量であり、とりわけ通常の硬化条件において、所望の程度に十分に硬化させることができる量であれば特に制限されるものではない。例えば、上記(a)成分及び(c)成分中のエポキシ基1モルに対して、上記硬化剤中に含まれるフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物基等の官能基の量(但し、多価官能基の場合は一価の基が複数あるものとして換算する)が、通常、0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モル程度となる量の硬化剤を使用するのがよい。
〔硬化促進剤〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、上記(b)成分の硬化剤とともに、必要に応じて、硬化促進剤を組み合わせて使用することができる。この硬化促進剤としては、硬化反応を促進させるものならば特に限定されず、公知のものを全て使用することができ、例えば、イミダゾール化合物、第3級アミン化合物、有機リン系化合物等を挙げることができる。
この硬化促進剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
なお、硬化促進剤を使用する場合には、(a)成分及び(c)成分中の液状エポキシ樹脂100質量部に対して、通常、0.1〜10質量部、特に1〜3質量部の範囲の量を配合するのがよい。
〔(c)カーボンペースト〕
(c)成分のカーボンペーストは、上述したものであり、着色剤として配合するものである。該カーボンペーストを使用することにより、作業性及び信頼性に優れる半導体装置が得られるものである。
カーボンペーストの配合量は、1〜10質量部が好ましく、1質量部未満であると着色性に劣り、また、硬化剤等の配合の制約から10質量部を超えることはない。
〔(d)無機質充填剤〕
本発明に用いられる無機質充填剤(d)は、膨張係数を小さくする目的から、従来より知られている各種の無機質充填剤を添加することができる。無機質充填剤として、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、チッカアルミニウム、チッカ珪素、マグネシア、マグネシウムシリケート、アルミニウムなどが挙げられる。なお、これらの無機質充填剤は、シランカップリング剤等で表面処理されたものであってもよく、また表面処理なしのものでもよい。
無機質充填剤の粒径としては、平均粒径が1〜10μm、特に2〜5μmで、最大粒径が45μm以下、特に24μm以下のものが望ましい。平均粒径が小さすぎると高粘度化し、作業性に問題が生じる場合があり、大きすぎるとフィラー沈降を生じる場合がある。また、最大粒径が大きすぎるとシリンジ先端のノズルの詰まりを生じる場合がある。
この場合、無機質充填剤の配合量は、(a)成分及び(c)成分中の液状エポキシ樹脂100質量部に対して、通常、20〜400質量部、好ましくは100〜300質量部の範囲の量とするのがよい。無機質充填剤の配合量が少なすぎると耐湿性及び耐熱衝撃性に劣る場合があり、また多すぎると高粘度化し、作業性が悪くなる場合がある。
〔その他の成分〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、更にその他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。具体的にはカップリング剤、チキソ化剤等が挙げられる。
〔液状エポキシ樹脂組成物の調製方法〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、上記各成分を常法に準じて混合することにより調製することができる。
得られた液状エポキシ樹脂組成物は、半導体装置の封止用として有用である。中でも、その装置の小型化、軽量化、高性能化等に伴う、高密度化配線に用いられる封止材に対して使用することが特に有用である。そして、本発明の液状エポキシ樹脂組成物を使用することにより、作業性に優れ、信頼性に優れた半導体装置が製造可能である。
ここで、本発明の液状エポキシ樹脂組成物の成形方法は特に限定されるものではなく、常法に準じて行うことができる。また、上記液状エポキシ樹脂組成物の硬化条件としては、一般的に、150〜170℃で、1〜2時間である。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
〔配合成分〕
実施例中で使用した配合成分は、次のとおりである。
−(A)液状エポキシ樹脂−
・ビスフェノールA型及びF型エポキシ樹脂の混合品(商品名:ZX1059、東都化成社製、1分子中のエポキシ基:2個)
−(B)カーボン粉末−
・カーボン粉末(商品名:トーカブラック、東海カーボン社製)
<粒子表面に水酸基及びカルボキシル基を有するカーボン粉末の調製>
窒素吸着比表面積(N2SA)135m2/g、DBP吸油量56cm3/100gのカーボンブラック(東海カーボン社製、トーカブラック#7550F)を使用して、カーボンブラックの単位表面積当たり、0.2mmol/m2のペルオキソ2硫酸アンモニウム((NH4228)が反応するように、下記式からペルオキソ2硫酸アンモニウムの必要量を算出して純水に溶解し、3dm3としたペルオキソ2硫酸アンモニウム水溶液にカーボンブラック100gを入れて、60℃の温度で攪拌速度0.12s-1の条件で10時間、攪拌混合して湿式酸化処理を行った。
ペルオキソ2硫酸アンモニウム必要量の算出式;
必要量=(ペルオキソ2硫酸アンモニウムのカーボンブラックの単位表面積当たりの必要モル数mmol/m2)×(カーボンブラックの窒素吸着比表面積m2/g)×(ペルオキソ2硫酸アンモニウムの当量228.2g/mol)
酸化処理後の反応液は、限外濾過膜(旭化成社製、AHP−1010、分画分子量50,000)を用いて還元塩を除去脱塩したのち、遠心分離機(日立工機(株)製、CR22F)により10-2-1の回転数で10分間処理して、大粒を分級除去した。
このカーボンブラック分散液を孔径1μmのフィルターで濾過した後、上記と同じ限外濾過膜を使用して、スラリー中のカーボンブラック濃度を10質量%に濃縮した。
このようにして調製したカーボンブラックスラリーは、噴霧乾燥機(パウダリングジャパン社製、PJマルチステージスプレードライヤーシステム)を用いる場合、噴霧圧力50kgf/cm2、噴霧温度200℃の条件で噴霧乾燥して、カーボンブラック着色剤1を製造した。
また、SKジェット・ミル粉砕機を用いる場合、事前にバットにカーボンブラックスラリーを入れ、これを通風乾燥機にて100〜150℃にて乾燥した後、粉砕して、カーボンブラック着色剤1を製造した。
[実施例1〜4、比較例1〜5]
上記(A),(B)成分を表1,2に示す配合量で配合し、均一に混練することによりカーボンペーストを調製した。ここで、比較例3の上記乾燥様式が噴霧である以外は、全て通風乾燥機にて乾燥後ジェット・ミルにて粉砕したカーボンを用いた。このカーボンペーストの特性を、以下の測定・評価方法に従って測定・評価した。得られた結果を表1,2に併記する。なお、表1,2において、(A),(B)成分の配合量は、得られる全組成物中での質量%を示したものである。また、カーボン粉末粒子表面の水酸基及びカルボキシル基の有無はIRスペクトルにより測定した。
<測定・評価方法>
−1.粘度−
得られたカーボンペーストの25℃における粘度(Pa・s)をBH型粘度計により測定した。
−2.ノズルの詰まりの有無−
得られたカーボンペーストを、内径0.5mmのノズルを装着したシリンジに充填し、ピストンを用いて該ノズルを通して押し出し、連続的に押し出しが可能であるか否かを目視により観察した。連続的に押し出すことができた場合には、ノズルの詰まりが無いと評価し「無」と示す。押し出しが困難な状態となった場合には、ノズルの詰まりが有ると評価し「有」と示す。
−3.三次以上の凝集確認−
得られたカーボンペーストを50μmのスペーサーを介したガラス板に挟み、100℃のホットプレート上で10分間放置し、目視にてカーボンの凝集を確認した。
−4.平均粒径測定−
堀場製作所製CAPA−700にて測定した。なお、分散液は、分散媒にアセトンを用い、事前に超音波にて60秒処理した。
Figure 2007186535
Figure 2007186535
[実施例5〜8、比較例6〜9]
上記実施例及び比較例で調製したカーボンペーストを用いて、液状エポキシ樹脂組成物を調製した。使用した材料及び配合比は、下記の通りである。なお、製造方法は5Lのプラネタリーミキサーに各原料を配合し、混練・混合を行った。得られた組成物を用いて、粘度、リード線封止後のリード線ショートの有無を下記評価方法に基づいて測定した。結果を表3に示す。
なお、下記は、COB用封止材としての実施例及び比較例であるが、本発明の組成物はその他用途にも適用できる。
液状エポキシ樹脂組成物(COB実装用封止材)
(A)液状エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:RE310(商品名、日本化薬(株)製)6.8質量%
(B)硬化剤
酸無水物:MH700(商品名、新日本理化(株)製)9質量%
硬化促進剤 マイクロカプセル化イミダゾール:HX−3741(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)0.5質量%
(C)無機質充填剤
破砕シリカ((株)龍森製)(なお、各実施例、比較例で用いた粉砕シリカの平均粒径は12μm、及び粒径128μm以上の粒子の含有率は0質量%である。)65質量%
(D)表面処理無機質充填剤
ヒュームドシリカ:アエロジル130(商品名、日本アエロジル(株)製、平均粒径:0.15μm)をヘキサメチルシラザン:SE31(商品名、信越化学工業(株)製)で表面処理したもの 3質量%
シランカップリング剤:KBM403(商品名、信越化学工業(株)製)1質量%
(E)着色剤
実施例及び比較例で製造した表3に示すカーボンペーストを5質量%
<各種性能評価>
・粘度:
得られた各エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度(Pa・s)をBH型粘度計を用いて測定した。
・リード線ショート評価:
リード線が設置されたテストデバイスを用いて、ショートの有無をチェックした。
Figure 2007186535

Claims (3)

  1. (A)液状エポキシ樹脂、
    (B)粒子表面に水酸基とカルボキシル基とを有し、BET比表面積が100〜200m2/gであるカーボン粉末: カーボンペースト中で5〜40質量%
    を含有し、二次凝集カーボン粒子の平均粒径が0.4μm未満であるカーボンペースト。
  2. 請求項1記載のカーボンペーストを着色剤として含有する液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項2記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
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