JP2001031843A - シリカ充填材及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

シリカ充填材及びエポキシ樹脂組成物

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JP2001031843A
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silica
epoxy resin
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silane coupling
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Fuminori Kasuga
文則 春日
Yoshinori Yamada
芳範 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】樹脂との密着性を高めたシリカ充填材およびこ
れを含有するエポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】表面にシラノール基を6μmol/g以上有し、該表
面にシランカップリング剤による表面処理を施したシリ
カ充填材およびこれを含有するエポキシ樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシランカップリング
剤で表面処理を施したシリカ充填材と、これを含有する
エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】IC,LSI等の半導体素子の封止方法
としてエポキシ樹脂組成物による樹脂封止の方法が低コ
スト、大量生産に適した方法として採用されてから久し
く、エポキシ樹脂や硬化剤、硬化触媒、充填材等の改良
による信頼性の向上が図られてきた。しかし、その一方
で近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動
向において半導体パッケージの薄型化が進み、パッケー
ジ中に占める樹脂組成物の厚みが一段と薄くなってきて
いることから、樹脂硬化物の熱衝撃強度、靭性の更なる
向上が求められている。
【0003】従来の半導体封止用の樹脂組成物では熱衝
撃強度を高めるために、熱膨張率がシリコンチップに近
いシリカ粒子を封止樹脂の充填材としてできるだけ多く
充填する方法が採用されており、その充填率は重量で樹
脂組成物全体の60−90%を占めるまでに達してい
る。この時、充填材と樹脂の接着性を高めるためにシラ
ンカップリング剤を添加して用いる事は、今日では常識
となっている(例えば特開平4−114065)。しか
し、シリカ充填材は製造過程で溶融あるいは溶融寸前の
高温で焼成されるのが普通であったため、充填材表面の
シラノール基が脱水縮合反応により概ね2μmol/g以下
になるまで消失しており、シランカップリング剤との反
応部位がほとんどないことから、シランカップリング剤
を添加しても樹脂との接着性は十分に上がらないという
問題があった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】半導体封止用の樹脂
組成物に使用されている従来のシリカ充填材は、シラン
カップリング剤と反応すべきシラノール基がほとんどな
かったため、シランカップリング剤によるシリカ充填材
と樹脂との密着性の向上が充分ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決するため鋭意検討した結果、6μmol/g以上のシラ
ノール基を有するシリカをシランカップリング剤で表面
処理することよりエポキシ樹脂封止材に適した充填材が
得られることを知り、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、表面にシラノール基を6
μmol/g以上有し、該表面にシランカップリング剤によ
る表面処理を施したことを特徴とするシリカ充填材であ
り、又前記のシリカ充填材を含有することを特徴とする
エポキシ樹脂組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明のシリカ充填材は、表面にシラノール基を6μmol/g
以上有し、該表面にシランカップリング剤による表面処
理を施したものである。従来のシリカ充填材は、吸湿性
を抑制し、機械的強度を高めるために、1200℃以上の高
温で焼成されたものであり、表面のシラノール基が2μ
mol/g以下であるから、本発明のシリカ充填材は従来の
ものに比較して表面のシラノール基が多い点に特徴があ
る。本発明のシリカ充填材におけるシラノール基はシリ
カゲルの焼成温度により容易に調節することができる。
シリカゲルは公知の方法で製造できる。具体的には水ガ
ラスや珪酸ナトリウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩の水
溶液を硫酸、硝酸、リン酸、塩酸等の無機酸や、硫酸ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、
塩化アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩水溶液で
加水分解する方法や、メチルシリケート、エチルシリケ
ート、イソプロピルシリケート等のアルキルシリケート
を塩酸や酢酸等の酸やアンモニア水等の塩基の存在下で
水により加水分解する方法で製造できる。IC封止材エ
ポキシ樹脂の充填材に用いる場合は、シリカゲルの製造
方法としてアルキルシリケートを原料にする方法が好ま
しい。この方法により、配線の腐食を引き起こすナトリ
ウムや、メモリーの消失を招くα線放射核種の含有量が
少ないシリカゲルを容易に得ることができる。但し、金
属ケイ酸塩の水溶液を原料とした場合でも、生成したシ
リカゲルに対してくり返し洗浄や原料溶液をイオン交換
などにより精製することにより、シリカゲル中の不純物
を少なくすることはできる。
【0008】本発明のシリカ充填材は球形であることが
好ましい。球状のシリカ充填材は、これを含有させたエ
ポキシ樹脂組成物の流動性を低下させることが少なく、
均質なパッケージが可能である。従来のシリカ充填材は
シリカの団塊を粉砕して製造されるものであるため、形
状が不規則で鋭い角を有している。このような粉砕品か
らなるシリカ充填材をエポキシ樹脂に含有させると、エ
ポキシ樹脂組成物は、所望の形状に成形する際の流動性
が悪化し、均質なパッケージができなくなる。また、粉
砕品からなるシリカ充填材は鋭い角を有するので、チッ
プ表面の保護皮膜を突き抜けてチップ上のアルミ配線を
傷つける恐れがある。
【0009】球状のシリカ充填材の好ましい粒径は、2
〜10μmである。粒径が大きすぎると、シリカ充填材
を含有させたエポキシ樹脂組成物の硬化物において局所
的な応力集中が発生し、逆に粒径が小さすぎると、エポ
キシ樹脂組成物の流動性が悪くなる恐れがある。また、
粒度分布が鋭い方が局所的な応力集中やエポキシ樹脂組
成物の流動性の低下を少なくすることができるので、好
ましいシリカ充填材は、下式で表わされる粒度分布の幾
何標準偏差σが1.5以下のものである。
【0010】
【数2】σ=(D1/D20.51:累積84重量%の時の粒径 D2:累積16重量%の時の粒径
【0011】尚、上式におけるD1及びD2は粒度分布測
定結果において粒径0μmから累積した時の粒径であ
る。
【0012】球状のシリカはアルキルシリケートをW/
O型乳化液中で加水分解反応させることで容易に製造で
きる。具体的には水に不溶あるいは難溶の有機溶媒に水
を添加し、ホモジナイザー等で攪拌することによりW/
O型乳化液ができる。この乳化液にアルキルシリケート
を添加すると、有機溶媒に分散した水により加水分解反
応をおこし、球状のシリカゲルが生成される。
【0013】上記の有機溶媒はW/O型乳化液を調製で
きるものであれば特に限定されないが、常温で液体であ
り、水に対する溶解度が5重量%以下のものが好まし
い。このような有機溶媒として、例えばデカン、ドデカ
ン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水
素等が挙げることができ、これらの中から選ばれる少な
くとも1種を使用するのが好ましい。
【0014】アルキルシリケートとしては公知のものを
使用できる。例えば、メチルシリケート、エチルシリケ
ート、イソプロピルシリケート等及びこれらの部分加水
分解縮合物を挙げることができ、これらの中から選ばれ
る少なくとも1種を使用するのが好ましい。
【0015】水と有機溶媒のW/O型乳化液の調製に際
しては、乳化剤を用いることが好ましい。このような乳
化剤としては公知のものが使用される。例えば、ソルビ
タンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソ
ルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、
ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート等
のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステ
アレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等のポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレン高級アル
コールエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノラ
ウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリ
オキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモ
ノオレート、ポリオキシエチレンジオレート等のポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセ
リド、オレイン酸モノグリセリド等のグリセリン脂肪酸
エステル、ジステアリン酸トリグリセリド、ジオレイン
酸トリグリセリド、トリステアリン酸デカグリセリド、
トリオレイン酸デカグリセリド等のポリグリセリン脂肪
酸エステル等を挙げることができ、これらの中から選ば
れる少なくとも1種を使用するのが好ましい。
【0016】W/O型乳化液中でのアルキルシリケート
の加水分解反応で球状シリカのスラリーが得られ、必要
により分離精製、乾燥焼成を行うことで不純物の少ない
球状シリカを製造できる。例えば、スラリーをろ過した
後、アルコールやアセトン等、合成に使用した有機溶媒
を溶解する溶剤で繰り返し洗浄し、1050℃未満で数時間
加熱すればよい。高温での焼成により有機分は分解され
るため、分離洗浄を省くことも可能である。
【0017】焼成に関しては1050℃未満で数時間、好ま
しくは1時間以上8時間以下維持できる装置であれば形状
大きさは問わず、また熱源は電気によるジュール熱、石
油やガス等の燃焼熱でも構わない。
【0018】シラノール基の定量は、シランカップリン
グ剤との反応量から測定する方法が簡便である。これ
は、シランカップリング剤を溶解したベンゼン等の非水
溶媒にシラノール基を有するシリカを分散させ、シラノ
ール基とシランカップリング剤とを反応させた後、非水
溶媒中におけるシランカップリング剤の濃度変化をガス
クロマトグラフなどで定量して、反応したシラノール基
の量を推定する方法である。しかし、上記の方法は、シ
ラノール基とシランカップリング剤との化学反応を利用
するため、シラノール基が1mmol/g以下の場合、測定誤
差が大きくなる傾向がある。そこで、シラノール基が1
mmol/g以下の場合、シラノール基の赤外線吸収により分
光学的に測定する方法がより好ましく利用される。具体
的には拡散反射法やペースト法などの既知の粉体試料測
定法により、FT−NIR等の赤外吸光分光分析装置に
よってシラノール基による特定波長(4700〜4400cm-1
の吸収量(ピーク面積)を測定し、シラノール基の量を決
定する方法である。このうち拡散反射法は粉体を直接測
定でき、粉体表面の組成をより選択的に測定できる方法
として好ましく利用できる。
【0019】本発明のシリカ充填材におけるシラノール
基の量は、6μmol/g以上であり、好ましくは10μmol
/g以上である。シラノール基の量が多くなるにつれて、
シリカ充填材を含有させたエポキシ樹脂組成物の硬化物
の強度が高くなるが、一方でシラノール基自体は親水性
基であり、エポキシ樹脂組成物の吸湿性をもたらす原因
になる。シラノール基が多すぎると、立体障害などでシ
ランカップリング剤と反応しきれないシラノール基が残
り、有害な吸湿性の原因になるので、好ましいシラノー
ル基の量の上限は5mmol/gであり、より好ましくは1mm
ol/gである
【0020】シリカ充填材と反応させるシランカップリ
ング剤は公知のものが使用できる。好ましいシランカッ
プリング剤は、エポキシ系、アミノ系、クロロプロピル
系及びメルカプト系であり、特に好ましいものはエポキ
シ系及びアミノ系である。
【0021】カップリング方法は定法に従えばよく、例
えばエポキシ樹脂及びシリカ充填材を混合する時にシラ
ンカップリング剤を同時に添加・混合するインテグラル
ブレンド法や、エポキシ樹脂との混合前に予めシリカ充
填材を処理をする前処理法などがある。カップリング処
理の効果を得やすくするためには前処理法の方が好まし
い。シランカップリング剤の添加量はシラノール基と当
量以上であれば良いが、過剰に添加すると凝集の可能性
があるため、シラノール基と当量に相当する量の1〜5
倍、好ましくは1〜3倍が良い。
【0022】本発明に用いるエポキシ樹脂は、1分子中
にエポキシ基を2個以上持つモノマー、オリゴマー、ポ
リマー全般を使用する事ができる。具体的に例えばビス
フェノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化
合物、スチルベン型エポキシ化合物、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ化合物、アルキ
ル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等が挙げら
れ、あるいは樹脂の難燃化のために、これらを臭素化し
た物なども使用可能である。これらは単独でも混合して
用いても差し支えなく、混合する場合の各成分の配合量
は任意であり、目的によって最適な配合比が決定され
る。また、これらのエポキシ樹脂の使用に際してモノエ
ポキシ化合物を適宜併用する事は差し支えない。モノエ
ポキシ化合物の具体例としてはスチレンオキシド、シク
ロヘキセンオキシド、メチルグリシジルエーテル他のア
リキルグリシジルエーテル等が例示される。
【0023】硬化剤はエポキシ樹脂に応じたものが使用
され、例えばアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェ
ノールノボラック型硬化剤などが用いられるが、中でも
フェノールノボラック型硬化剤が組成物の成形性、耐湿
性といった面で好ましい。フェノールノボラック型硬化
剤として具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレ
ゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェ
ノール樹脂などが例示される。樹脂組成物中の配合量は
硬化物の強度が最高になるように任意に決める事ができ
る。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキ
シ樹脂と硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤
を配合することができる。硬化促進剤としては、イミダ
ゾール化合物、ウンデセン化合物、トリフェニルホスフ
ィン等のホスフィン化合物、三級アミン類などの少なく
とも1種以上が用いられる。硬化促進剤の使用量は特に
制限されず、通常の使用量で良い。
【0025】シリカ充填材の配合量は、使用するエポキ
シ樹脂のエポキシ当量や、硬化剤、硬化促進剤の配合量
や、硬化後の樹脂の強度や耐熱衝撃性等により、総合的
に判断して決定されるべきであるが、一般的にはシリカ
充填材が多いほどエポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張
率が樹脂単独の場合よりも半導体シリコンチップにより
近くなるため、半導体封止用途では多い方が好ましい。
よって、、シリカ充填材の好ましい配合割合はエポキシ
樹脂組成物全体の5重量%以上、より好ましくは30重
量%以上、さらに好ましくは60重量%以上であり、且
つ95重量%以下である。所望により、本発明のシリカ
充填材の他に粉砕品からなるシリカ等の他の充填剤を配
合しても良い。
【0026】エポキシ樹脂組成物には、さらに難燃剤、
低応力剤、ワックス類、ステアリン酸などの脂肪酸及び
その金属塩等の離型剤、カーボンブラック等の顔料、染
料、酸化防止剤、イオン捕捉剤、その他の添加剤を配合
する事もできる。これらの添加剤の配合量は、本発明の
効果を妨げない範囲で通常量とする事ができる。
【0027】本発明のエポキシ樹脂組成物を成形材料と
して製造するには、各成分その他の添加剤をミキサー等
によって十分に均一に混合した後、更に3本ロール、熱
ロールまたはニーダー等によって混錬し、封止材料とす
る事ができる。混練後の成形材料が室温で固体の時は粉
砕して粉体状の封止材料とする事ができる。これらの成
形材料は電気部品あるいは電子部品の被覆、集積回路等
の保護、絶縁、封止等に適用する事ができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例によって、本発明を具体的に説
明する。 [合成例1]200L反応器にドデシルベンゼン90k
g、乳化剤(日光ケミカルズ(株)製Tetraglyn 1-O)
0.8kg、純水30kgおよび、氷酢酸0.2kgを
仕込み、液温を45℃に保持して100rpmで攪拌しつ
つテトラメトキシシラン35kgを5分以内に供給した。
その後、45℃で2時間保持した後、150℃まで加温し
た。そして、反応液をろ別、アセトンにより洗浄し、6
00℃で4時間焼成して白色粉末を得た。この粉末を走
査型電子顕微鏡で観察したところそれぞれ独立した球状
であった。
【0029】この粉末を純水に分散してレーザー回折式
粒度分布計(堀場(株)製粒度分布計LA−900)によ
って粒度分布を測定した所、平均粒径は3.9μmでσ
は1.37であり、キシレン中でトリエトキシシランと
反応させ、24時間後のトリエトキシシランの減少量を
ガスクロで測定した結果から、シラノール基の量は1.
4mmol/gと決定された。また、FT−NIR拡散反射法
により、この粉末のシラノール基の赤外線吸収量を測定
してモル吸光度係数を求めることにより、以降の例にお
いて赤外線吸収量からシラノール基の濃度を導いた。
【0030】[合成例2]焼成温度を800℃とした以
外は実施例1と同じ方法でシリカ充填材を製造した。こ
のシリカ充填材のシラノール基の量、平均粒径およびσ
値を表1に示す。
【0031】[合成例3]焼成温度を980℃とした以
外は実施例1と同じ方法でシリカ充填材を製造した。こ
のシリカ充填材のシラノール基量、平均粒径およびσ値
を表1に示す。
【0032】[比較合成例1]焼成温度を1100℃と
した以外は実施例1と同じ方法でシリカ充填材を製造し
た。このシリカ充填材のシラノール基量、平均粒径およ
びσ値を表1に示す。
【0033】[比較合成例2]市販の半導体封止樹脂用
の球状シリカ(龍森(株)US−5)のシラノール基の
量、平均粒径およびσ値を実施例1と同じ方法で測定し
た。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】[実施例1、比較例1]合成例1〜3で得
られたシリカA〜Cをシラノール基と当量のγ-グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランで処理を行った(シ
リカF〜H)。比較合成例1,2で得られたシリカD,
Eを0.1mmol/gのγ-グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランで処理を行った(シリカI,J)。これらのシリ
カを室内で1ヶ月放置したところ、シリカ粒子の凝集は
なかった。
【0036】[実施例2、比較例2]合成例1〜3で得
られたシリカA〜Cをシラノール基と当量の5倍量のγ
-グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理を行
った(シリカK〜M)。比較合成例1,2で得られたシ
リカD,Eを0.5mmol/gのγ-グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランで処理を行った(シリカN,O)。これ
らのシリカを室内で1ヶ月放置したところシリカK〜M
の粒子は凝集しなかったが、シリカN,Oの粒子は凝集
した。
【0037】[実施例3、比較例3]合成例1〜3、比
較合成例1,2で得られたシリカA〜E(カップリング
処理なし)又は実施例2で得られたシリカK〜M(カッ
プリング処理あり)の60重量部をビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂40部に配合し、E型粘度計により60℃で粘度
を測定した。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】[実施例4、比較例4]表3におけるシリ
カとして、実施例2で得られたシリカK〜M、比較合成
例1,2で得られたシリカD,E又は比較例1で得られ
たシリカI,Jを用いて、エポキシ樹脂組成物を調製
し、強度測定及び耐湿信頼性の試験を行った。
【0040】
【表3】
【0041】[強度測定]100℃で3時間、160℃
で18時間かけて重合を進め、さらに150℃で3時間
アニールして作製した強度測定用成形体をJIS K 7
111号によってシャルピー衝撃試験を行った。また、
JIS K 7203に従ってインストロン万能試験機を
使用して、クロスヘッド速度1mm/分で曲げ強度を測
定した。
【0042】[耐湿信頼性]シリコーンウエハ上にアル
ミニウムテスト回路を形成した模擬ICをガラスエポキ
シ基板上に搭載した試験素子に当該エポキシ樹脂組成物
を同じ成形条件で成形して試験素子を封止したものを、
プレッシャークッカー試験機(平山製作所製PC−24
2S)にかけ、121℃、2気圧で400時間プレッシ
ャークッカー試験を行って動作不良となった素子の個数
を調べた。
【0043】実施例4、比較例4の結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明のシリカ充填材を配合して得られ
るエポキシ樹脂組成物は、成形時の流動性に優れ、その
硬化物は機械的強度が強く、耐湿信頼性も優れているの
で、特に、半導体封止用樹脂として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にシラノール基を6μmol/g以上有し、
    該表面にシランカップリング剤による表面処理を施した
    ことを特徴とするシリカ充填材。
  2. 【請求項2】平均粒子径が2〜10μmの球状であり、
    下式で表わされる粒度分布の幾何標準偏差σが1.5以
    下であることを特徴とする請求項1記載のシリカ充填
    材。 【数1】σ=(D1/D20.51:累積84重量%の時の粒径 D2:累積16重量%の時の粒径
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のシリカ充填
    材を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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