JP2007184361A - 薄膜デバイス用ガラス基板およびその成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜装置のロードロックチャンバの排気時に発生するパーティクルが基板に付着し、基板上に成膜する膜内に取り込まれることにより膜に欠点が生ずる。
【解決手段】ガラス基板の成膜を行う面に光触媒特性を有する薄膜デバイス用ガラス基板の提供し、および、この基板を用いて成膜する前に、この基板の成膜を行う面に紫外光または可視光を照射する成膜方法を提供する。特に非常に厳しい欠点の仕様が要求される極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランク用基板、およびその基板への成膜方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜デバイス用ガラス基板およびその成膜方法およびそのガラス基板を用いて製造された極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクに関する。特に、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランク用ガラス基板およびその成膜方法に関する。
近年、半導体リソグラフィ用マスクブランクや磁気記録ディスク、磁気記録ヘッド、光通信用薄膜デバイス、液晶ディスプレイデバイス、有機ELディスプレイデバイスなどに代表されるような薄膜デバイスに要求される、膜中の凸凹や異物あるいはピンホールなどの欠点のサイズや個数などの仕様は、薄膜デバイスの微細化、高集積化に従い、非常に厳しいものになってきている。また、その要求に従い、そのような薄膜デバイスとしての薄膜を成膜するガラス基板の、欠点のサイズや個数などの仕様も、同様に厳しいものとなってきている。特に極端紫外光反射型リソグラフィに用いられるマスクブランクでは、リソグラフィに使用される光の波長が13.5nm前後と非常に短いため、それを利用して作製される半導体の微細パターンが45nm以下と非常に小さく、その結果、欠点の仕様として25nm以上の大きさのものをなくすことが求められている。
一方、このような薄膜デバイスは、多くはマグネトロンスパッタリングやイオンビームスパッタリングなどのスパッタリング法や、熱CVDやプラズマCVDなどのCVD法を用いて成膜することにより作製されるが、これらの成膜方法では一般的に真空チャンバ内で成膜を行うため、その成膜プロセスの工程の時間短縮を考慮すると、ロードロックと呼ばれる基板出し入れ用の開閉機構と成膜を行う成膜チャンバを備えた真空チャンバを用い、成膜チャンバの真空を保持したまま、基板を成膜チャンバに出し入れすることが必要となる。
このようなロードロックの機能としては、成膜に用いるガラス基板を、大気に開放したロードロックチャンバ内の基板ホルダにセットし、ロードロックチャンバを所定の真空度まで真空引きした後、基板をロードロックチャンバから成膜チャンバに真空を保持したまま搬送し、成膜チャンバ内で成膜を行い、その後真空を保持したままロードロックチャンバに再び搬送し、ロードロックチャンバを再び大気に開放し、成膜されたガラス基板を取り出すというものである。このような真空チャンバを備えた成膜装置のロードロックには、真空排気する際にロードロックチャンバ内にパーティクルが発生し、パーティクルがガラス基板上に付着し、パーティクルが付着したガラス基板に成膜を行うと膜に欠点を発生されるという問題があった。
このようなパーティクルが真空排気時に発生する原因の一つとして、大気に開放した時のロードロックチャンバ内の大気中の水蒸気が、ロードロックチャンバの真空排気の際に断熱膨張による温度低下に伴い凝縮し、パーティクルとなることが挙げられる。
このようにして発生したパーティクルは、場合によってはさらに周りに存在するパーティクルと結合することにより大きくなったり、真空チャンバ内に存在し成膜に影響を与えるようなイオン物質を取り込んだりすることにより、ガラス基板上に付着すると、成膜される膜に欠点を発生させる。
そこで従来から、このような真空チャンバを備えた成膜装置のロードロックチャンバ内で真空排気時に発生するパーティクルの対策として、ロードロックチャンバの大気開放に乾燥窒素ガスを用いたり、ロードロックチャンバの大気開放速度を非常に遅くしたり、コールドトラップでロードロックチャンバ内の水蒸気を除去したり、排気時に基板を加熱したりする方法がとられている。このような従来技術は、下記のような特許文献に開示されている。
しかしながら、このような従来技術ではロードロックチャンバ内に発生するパーティクルを完全に防止することは難しく、ガラス基板表面に付着する凝縮した水からなるパーティクルを低減するために、ロードロックチャンバの排気速度を遅くするという対策が取られるが、成膜プロセスの工程の時間短縮を低下させるという問題があった。
一方、半導体リソグラフィ用マスクブランクや磁気記録ディスク、磁気記録ヘッド、光通信用薄膜デバイス、液晶ディスプレイデバイス、有機ELディスプレイデバイスなどに代表されるような薄膜デバイス用途に用いられるガラス基板の表面は非常に清浄なものであることを要求される。ガラス基板が清浄であると水のガラス面に対する接触角は非常に小さく、水が付着すると大きく広がる。この状態のガラス基板の表面を親水性があるといい、その結果ガラス基板表面に付着した凝縮した水からなるパーティクルは、ガラス基板表面に大きく広がり、成膜される膜に欠点は発生しにくくなる。このことは具体的には、前述のイオン物質などが含まれる水からなるパーティクルに取り込まれるが、水からなるパーティクルはガラス基板表面に大きく広がるために、イオン物質も一箇所に集まらず広く広がり、成膜される膜の欠点は発生しにくくできる。
一方、このような用途に用いられるガラス基板は、大気中に浮遊しているパーティクルが表面に付着するのを防ぐために、通常クリーンルーム内で扱われる。しかし、クリーンルーム中にはいわゆる揮発性有機化合物という物質が多くその大気中に存在するとされ、これがガラス基板表面に付着または堆積することにより、ガラス基板表面は親水性を失い、水に対する接触角を大きくすることが知られている。その結果、ガラス基板表面に付着した水は広がることができず、その上に成膜される膜に欠点を発生させる。このことは具体的には、前述のイオン物質などが含まれる水からなるパーティクルに取り込まれる際に水からなるパーティクルはガラス基板表面に大きく広がることができず、イオン物質は一箇所に集まった結果、基板上に大きな異物として残り、成膜される膜に欠点を発生させる。
また、この揮発性有機化合物のガラス基板表面への堆積は、ガラス基板表面に堆積される膜の成長過程(膜の成長する際の形状)にも影響する。揮発性有機化合物の堆積は多くの場合、島状の膜成長を促進し、成膜後の膜表面は凹凸が多くなる。このために島状の膜成長は薄膜デバイス用途の様に一般的に、より平滑な表面と、より急峻な界面を有する膜が要求される用途には好ましくない。特に極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクでは次のような理由から特に好ましくない。極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクは、大きく分けて13.5nm前後の波長の光を反射する反射層と13.5nm前後の波長の光を吸収する吸収層から構成される。反射層では、高屈折率材料の層と低屈折材料の層を交互に積層することで構成され、層の平滑性と層間の界面の急峻さが、高い反射率を得るために必要とされる。一方、吸収層では、その最表面の平滑性が悪い部分、つまり凹凸部分では光を散乱してしまうが、その散乱されたフレアとよばれる光が、反射層で反射した光に干渉して悪影響を及ぼすため、同様に膜の平滑性が要求される。
また、作業者の人体などから剥離し、周辺雰囲気に浮遊している有機化合物のパーティクルが、ガラス基板表面に付着し、その上に成膜することによって、膜に欠点が生じる。このような欠点は、雰囲気中のパーティクルを減らしたクリーンルーム内で作業することによって軽減されるが完全になくすことができない。特に極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクで問題になるような25〜100nm程度の大きさの有機化合物のパーティクルは、クリーンルーム内でなくすことが容易でない。
特開平5−190497号公報 特開2005−76089号公報 特開2005−116851号公報
本発明は、ロードロックチャンバの真空排気時に発生する凝縮した水からなるパーティクルに起因し、ガラス基板表面に成膜される膜の欠点を防ぐだけでなく、ガラス基板表面に付着または堆積した揮発性有機化合物の、膜の成長過程への影響を防ぐことも可能とする、薄膜デバイス用ガラス基板と、その成膜方法を提供する。また同時に、ガラス基板表面に付着した有機化合物のパーティクルに起因する、ガラス基板表面に成膜される膜の欠点を防ぐことも可能とする、薄膜デバイス用ガラス基板と、その成膜方法を提供する。
また本発明は、非常に厳しい欠点の仕様が要求される極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクの成膜に用いて、30nm以上の大きさの欠点を防ぐことのできる極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランク用ガラス基板と、その成膜方法、およびそれらを用いて作製された極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを提供する。
上記目的を達成するため本発明の第1の発明では、成膜を行う面が光触媒特性を有することを特徴とする、薄膜デバイス用ガラス基板を提供する。
ここで、光触媒特性とは、TiOに代表される半導体材料の表面に紫外光、あるいは可視光を照射すると、材料表面に高い親水性と強い酸化作用が現れる現象のことを指す。この高い親水性により、ガラス基板表面に付着した凝縮した水からなるパーティクルをガラス基板表面に大きく広げ、膜に欠点を生じさせることを防ぐことができる。また、この強い酸化作用によって、ガラス基板表面の揮発性有機化合物の堆積や有機化合物のパーティクルを分解することができる。
また、本発明の第2の発明では、成膜を行う面に、光触媒特性を有する厚さ20〜3000nmのTiOを含む層を有することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜デバイス用ガラス基板を提供する。
また、本発明の第3の発明では、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランク用基板として用いることを特徴とする、第1または2の発明に記載の薄膜デバイス用ガラス基板を提供する。また、本発明の第4の発明では、第1から第3の発明に記載の薄膜デバイス用ガラス基板に成膜を行う前に、成膜を行う面に紫外光あるいは可視光を照射することを特徴とする、薄膜デバイスの成膜方法を提供する。
また、本発明の第5の発明では、第3の発明に記載の薄膜デバイス用基板ガラス上に成膜された、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを提供する。
また、本発明の第6の発明では、第4の発明に記載の薄膜デバイスの成膜方法によって成膜された、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを提供する。
本発明の第1の発明の薄膜デバイス用ガラス基板によれば基板が光触媒特性による高い親水性をもつことにより、水のパーティクルが発生しても欠点となりにくいために、真空排気速度を上げることができる。つまり、成膜プロセスの工程の時間短縮が低下したりすることなく水蒸気の凝縮により生ずる欠点が膜中にない薄膜デバイスを作製することができる。また、第1の発明の薄膜デバイス用ガラス基板によれば、その成膜を行う面に堆積した揮発性有機化合物を光触媒特性により分解し成膜時の膜の成長への悪影響を低減することができる。また、第1の発明の薄膜デバイス用ガラス基板によれば、ガラス基板表面に付着した有機化合物のパーティクルを分解し、膜中の欠点を減らすことができる。また、第1の発明の薄膜デバイス用基板ガラスによれば、ガラス基板表面が高い親水性を有することから、ガラス基板表面に付着したパーティクルを、従来の薄膜デバイス用ガラス基板よりも、洗浄により容易に取り除くことができる。
本発明の第2の発明の薄膜デバイス用ガラス基板によれば、光触媒特性に優れたTiOを用いることで、第1の発明の薄膜デバイス用ガラス基板の効果を、より効果的に得ることができる。また、本発明の第2の発明の薄膜デバイス用ガラス基板によれば、通常使用される石英系の基板単体に比べてTiOを含む層を有する基板では可視光あるいは紫外光の反射率が高くなるため、可視光レーザーあるいは紫外光レーザーを用いた欠点検査を行う際に、検査の精度を高めることができる。
本発明の第3の発明の薄膜デバイス用ガラス基板によれば、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクとして、膜中の25nm以上の大きさの欠点を可及的に少なくでき、欠点の少ない極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを容易に作製することができる。また、第3の発明の薄膜デバイス用ガラス基板によれば、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクとして、膜の平滑性を高くすることができ、また層を界面がシャープにすることができる。その結果、反射層の反射率が高くなり、また同時に吸収層のフレアの少ないという点で好ましい極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを作製することができる。
本発明の第4の発明の薄膜デバイスの成膜方法によれば、成膜を行う前に成膜を行う面に紫外光あるいは可視光を照射するために、成膜プロセスの工程の時間を更に短縮でき、ガラス基板表面に水蒸気の凝縮によるパーティクルによる欠点のない成膜プロセスを提供することができる。また、第4の発明の薄膜デバイスの成膜方法によれば、成膜を行う前に成膜を行う面に紫外光あるいは可視光を照射して、ガラス基板表面に堆積した揮発性有機化合物の分解速度を速め、揮発性有機化合物による成膜時の膜の成長への悪影響を低減することができる。また、第4の発明の薄膜デバイスの成膜方法によれば、成膜を行う前に成膜を行う面に紫外光あるいは可視光を照射し、ガラス基板表面に付着した有機化合物のパーティクルの分解速度を速め、膜中の欠点を減らすことができる。
本発明の第5の発明の極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクによれば、膜中の欠点が少ないという特徴をもつ極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを提供することができる。また、第5の発明の極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクによれば、反射層の13.5nm前後の光線反射率が高く、同時に吸収層のフレアが少ないという特徴をもつ極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを提供することができる。
本発明の第6の発明の極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクによれば、膜中の欠点が少ないという点で好ましい極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを提供することができる。また、第6の発明の極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクによれば、反射層の13.5nm前後の光線反射率が高く、同時に吸収層のフレアが少ないという点で好ましい極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを提供することができる。
本発明の、その成膜を行う面に光触媒特性を有することを特徴とする薄膜デバイス用ガラス基板は、ガラス基板の材料自体に光触媒特性を有してもよく、その成膜を行う面に光触媒特性をもつ層を有してもよい。また、ガラス基板の成膜を行う面側に光触媒特性を有するガラス薄板やフィルムを貼合してもよい。また、イオン注入などの表面改質により、その成膜を行う面に光触媒特性を有するものであってもよい。光触媒特性を有する膜の成膜方法は、マグネトロンスパッタリングやイオンビームスパッタリング、熱CVD、プラズマCVD、バインダー法、ゾル・ゲル法、真空蒸着法など、どのような成膜方法によってもよい。光触媒特性は紫外光もしくは可視光のいずれにより活性化されるものでもよい。光触媒材料としてはTiO、Ta、ZnO、WO、SiCおよびFeなど、あるいはこれらを混合したもの、あるいはこれらに窒素や炭素、遷移金属などをドープしたもの、あるいはこれらの材料の一部の酸素を欠落させたものや過剰に酸素を加えたものなどがあるが、第1の発明の薄膜デバイス用ガラス基板は、どのような材料により光触媒特性を有してもよい。
その成膜を行う面に光触媒特性を有するTiOを含む層を有する場合、TiOを含む層の厚さは、光触媒特性の観点からは、有機物の分解性能と親水性を向上させるために厚い方が望ましい。一方、層の厚さを厚くすると、膜応力による基板の変形が大きくなるため基板の平坦度が悪くなり、また同時にガラス基板表面の平滑性も悪くなるため、このような観点からは層の厚さは薄い方が望ましい。薄膜デバイス用としては両方の観点から考慮する必要があり、20〜3000nmであることが好ましい。さらには、100〜1000nmであることがさらに好ましい。上記範囲であると、光触媒特性が十分でかつ基板の平坦度および平滑性がよい。
また、TiOの結晶構造にはアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型の3種類があるが、紫外光の照射量が多い環境ではアナターゼ型の結晶構造を持つTiOが好ましく、また可視光の照射量が多い環境ではルチル型の結晶構造を持つTiOが好ましい。TiOは窒素や炭素、遷移金属などをドーピングして、活性化する波長が変化したものを用いてもよいし、一部酸素を欠落させたり、酸素を過剰に加えたりしてもよい。また、TiOを含む層にはTa、ZnO、WO、SiCおよびFeなど、その他の光触媒特性を有する材料を加えてもよい。さらには、TiOの光触媒特性を損なわない範囲で、膜応力やガラス基板表面の平滑性などを改善するために光触媒特性を有しない材料を加えてもよい。また、TiOを含む層の上部あるいは下部に、1層以上の層を加えてもよい。例えば、TiOを含む層の上にSiOを含む層を加えることによって、表面の親水性をさらに向上させることも可能である。また、TiOを含む層のTiOの膜応力を相殺させるために、ガラス基板の面のうちTiOを含む層を成膜しない側の面に一層以上の層を成膜して基板の平坦度を確保してもよい。
本発明の薄膜デバイス用ガラス基板を、その成膜を行う面に光触媒特性を有する、極端紫外光反射型リソグラフィ用のマスクブランク用の基板とする場合、本薄膜デバイス用ガラス基板には、極端紫外光反射型リソグラフィ用に用いられる13.5nm前後の波長の光を反射する反射層、反射層の上の保護層、保護層の上のバッファ層、13.5nm前後の波長の光を吸収する吸収層などが順に成膜される。
反射層は高屈折率材料の層と低屈折材料の層を交互積層することで形成される。高屈折率材料と低屈折材料の組み合わせとしては、(高屈折率材料/低屈折材料)の表現で表わすとMo/Si、Mo/Be、Mo化合物/Si化合物、などが挙げられる。Mo/Siを例にして反射層の形成を説明すると、ターゲットとしてSiターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで厚さ4.5±0.1nmとなるようにSi膜をガラス基板の光触媒特性を有する面に成膜して、次に、ターゲットとしてMoターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで厚さ2.3±0.1nmとなるようにMo膜を成膜することが好ましい。これを1周期として、交互に40〜60周期積層させることで反射層が形成される。
反射層の上には、保護層が成膜される。保護層は、反射層表面が酸化されるのを防止するのに有効である。保護層を構成する材料としては、Si層およびRu層を例示することができる。Ruを保護層に用いた場合、保護層としての効果と同時にバッファ層としての効果もある。保護層を構成する材料が、反射層を構成する材料と同一である場合、前述した反射層を形成する手順において、最上層が保護層を構成する材料の膜になるように成膜すればよい。具体的には、Mo/Siの反射層の場合、最上層がSi層となるように成膜すれば、Si層の保護層を形成することができる。保護層を構成する材料が反射層を構成する材料と異なる場合、前述した手順で反射層を形成した後、保護層の膜組成に対応するターゲット材料を用いて成膜を行う。なお、ここでは膜と層について、層が幾つか積層されたものを膜と呼んでいる。
保護層の上にはバッファ層と吸収層が順に成膜される。エッチングストッパーとして機能するバッファ層を構成する材料としては、Cr、Al、Ru、Taおよびこれらの窒化物、ならびにSiO、Si、Alなどが挙げられる。バッファ層の厚さは10〜60nmであることが好ましい。吸収層を構成する材料としては、たとえば、Crが挙げられる。吸収層の厚さは50〜150nmであることが好ましい。バッファ層は反射層の上の保護層にエッチングストッパーとしての効果がある場合には省略することも可能である。
本発明で前述の薄膜デバイス用ガラス基板薄膜デバイスを成膜する前に、ガラス基板の成膜を行う面に紫外光もしくは可視光を照射する場合、紫外光もしくは可視光を照射してから基板をロードロックに投入するまでの時間は、光触媒特性を維持できるのであれば、それに応じて長くすることも可能であるが、なるべく短いことが好ましく、具体的には1時間以内であることが好ましい。さらには10分以内にすることが好ましい。また、可視光よりも紫外光の方が光触媒特性の点で好ましく、成膜を行う面上の光強度が1mW/cm以上の光を10分以上照射することが好ましい。さらに好ましくは成膜を行う面上の光強度が10mW/cm以上の紫外光を30分以上照射するのがよい。可視光のみを用いる場合には、ガラス基板の成膜を行う面の光触媒特性は可視光により活性化されるものである必要がある。
本発明の極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクでは、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを構成する、反射層、保護層、バッファ層、吸収層などを成膜して形成されることを特徴とする。極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランクを構成する反射層、保護層、バッファ層、吸収層の各層の間、あるいは反射層の基板側、あるいは吸収層の基板と反対側には1層以上の層を加えてもよい。たとえば、反射層の下に下地層を加えることによって反射層の平滑性を向上させることが可能である。また、吸収層の上に低反射層を加えることによって、吸収層の真空紫外光や深紫外光に対する反射率を低下させ、これらの光を用いた極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクの表面形状検査を容易にすることが可能である。
真空成膜装置を排気する際に生ずるパーティクルによる膜の欠点を防止するので、真空成膜装置でガラス基板上に薄膜デバイスを成膜する場合に適用できる。
本発明の薄膜デバイス用ガラス基板を示した図である。
符号の説明
1:ガラス基板
2:光触媒特性を有する層

Claims (6)

  1. 成膜を行う面が光触媒特性を有することを特徴とする、薄膜デバイス用ガラス基板。
  2. 成膜を行う面に、光触媒特性を有する厚さ20〜3000nmのTiOを含む層を有することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜デバイス用ガラス基板。
  3. 極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランク用基板として用いることを特徴とする、請求項1または2に記載の薄膜デバイス用ガラス基板。
  4. 請求項1から3に記載の薄膜デバイス用ガラス基板に成膜を行う前に、成膜を行う面に紫外光あるいは可視光を照射することを特徴とする、薄膜デバイスの成膜方法。
  5. 請求項3に記載の薄膜デバイス用基板ガラス上に成膜された、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランク。
  6. 請求項4に記載の薄膜デバイスの成膜方法によって成膜された、極端紫外光反射型リソグラフィ用マスクブランク。
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