JP2007180569A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域あるいはSON領域とシリコン領域との熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板上には、シリコン領域23Bが形成され、このシリコン領域23Bを囲むように、半導体基板上に絶縁膜及び空洞のいずれか一方を介在してSOI領域22が形成されている。さらに、半導体基板上には、SOI領域22を囲むように、シリコン領域23Aが形成されている。
【選択図】 図3

Description

この発明は、半導体基板の一部の領域に、絶縁膜を介して半導体層が形成されたSOI(Silicon On Insulator)構造、あるいは空洞領域を介して半導体層が形成されたSON(Silicon On Nothing)構造を有する半導体装置に関するものである。
近年、SOI構造を有する基板(以下SOI基板)は、動作速度の向上及び低消費電力化が可能な素子を形成できる基板として有望視されている。特に、高速化が要求されるロジックデバイス用として注目されている。一方、データを記憶するDRAMなどのメモリ素子やパワーアンプなどのアナログ回路をSOI上に形成すると、浮遊効果により素子が誤動作するという問題がある。したがって、DRAMやアナログ回路はSOI上でない通常のシリコン上に形成することが素子の動作を安定化させる上で必要である。
そこで、ロジックデバイスとメモリデバイスを基板上に混載するためには、予め基板上に、SOI構造を有しないシリコン領域とSOI構造を有するSOI領域とを部分的に形成した部分SOI基板を用いる方法がある。そして、ロジック回路はシリコン下に埋め込み酸化膜が存在するSOI領域上に形成し、DRAMやアナログ回路はシリコン下に埋め込み酸化膜の無い、通常のシリコン領域上に形成する必要がある。
しかしながら、アナログ回路を構成するアナログ素子はノイズの影響を受けやすいため、ロジック回路やメモリ回路から電気的に遮断するほうがよい。部分SOI基板では、ロジック回路はSOI領域上に形成され、しかも素子分離されている。このため、ロジック回路とアナログ回路とは電気的に遮断されている。しかし、同一のシリコン領域上に形成されるDRAMとアナログ回路は隣接して形成されているため、DRAMからアナログ素子へのノイズ伝播が問題となる。
また、他の半導体装置との間で信号のやり取りを行う入出力回路をSOI領域上に形成した場合、SOI領域は絶縁されているため、入出力回路を構成する素子そのものに高電圧がかかり静電破壊が生じやすい。さらに、SOI領域の半導体層は、側面が素子分離用のSiO2で覆われ、底面が埋め込み酸化膜のSiO2で覆われている。このため、SOI領域上に形成された素子では、駆動した際に素子から発生する熱の放出が悪いという欠点がある。
また、素子の微細化に伴い、接合を浅くする必要がある。ボロン(B)、リン(P)、ヒ素(As)などの不純物を半導体層にイオン注入して熱処理を行うとき、熱処理の時間が長いと、不純物が必要以上に拡散してしまい、接合が深くなってしまう。接合が深くなるのを防ぐためには、半導体層を急速に加熱、冷却する必要がある。前記加熱には、通常、ハロゲンランプなどを用いるが、SOI領域とシリコン領域の熱吸収効率の違いから、これらの間に温度差を生じる。この温度差のために、基板にスリップなどの結晶欠陥が入る場合がある。
また、本発明に関する従来技術として、例えば特許文献1、2に記載された技術が提案されている。
特開平6−302791号公報 特開平11−17001号公報
そこでこの発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域あるいはSON領域とシリコン領域との熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる半導体装置を提供することを目的とする。
この発明の一実施形態の半導体装置は、半導体基板上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層を囲むように、前記半導体基板上に絶縁膜及び空洞のいずれか一方を介在して形成された第2の半導体層と、前記第2の半導体層を囲むように、前記半導体基板上に形成された第3の半導体層とを具備することを特徴とする。
この発明によれば、基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域あるいはSON領域とシリコン領域との熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる半導体装置を提供することが可能である。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
[第1の実施の形態]
まず、この発明の第1の実施の形態の半導体装置について説明する。この第1の実施の形態では、半導体チップの一方の主面にSOI領域を形成し、このSOI領域中に島状のシリコン領域を複数形成した例を述べる。
図1は、前記第1の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ11には、図1に示すように、SOI領域12と4個のシリコン領域13が形成されている。SOI領域12は、半導体チップ11の一方の主面に形成されている。このSOI領域12の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域13は、SOI領域12に囲まれて、孤立した島状に複数形成されている。ここでは、SOI領域12中に、所定サイズ以下のシリコン領域13が4個配置されているが、これに限るわけではなく、その他の複数のシリコン領域を形成してもよい。シリコン領域13の所定サイズ及び個数は、熱処理において半導体チップ11にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定されている。
前記4個のシリコン領域13のうち、1個のシリコン領域13にはアナログ回路、例えばデジタル/アナログ変換器(A/Dコンバータ)、アンプ回路が形成されている。残りの3個のシリコン領域13には、半導体記憶回路、例えば8メガビットのDRAMが形成される。一方、SOI領域12には、ロジック回路が形成されている。
このような構成を有する半導体チップでは、半導体チップ11上のSOI領域12中に複数のシリコン領域13を形成することにより、1個のシリコン領域を形成する場合に比べて、個々のシリコン領域13のサイズを小さくできるため、熱処理時にシリコン領域13に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ11に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、複数のシリコン領域13は、半導体チップ11上のある直線に対して線対称に配置されている。好ましくは、半導体チップ11上のある点に対して点対称に配置されていることが望ましい。これにより、熱処理時に、複数のシリコン領域13に生じる熱応力を、半導体チップ11上で適度に分散することができる。この結果、熱処理工程で半導体チップ11に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、ロジック回路がSOI領域12に形成されているため、配線の寄生容量を低減できる。これにより、ロジック回路の高速化が容易になる。また、SOI領域12で分離されたシリコン領域13にアナログ回路が成されているため、ロジック回路やDRAMから、アナログ回路へのノイズの伝播を防止することができる。
図2は、図1に示した半導体チップ11がダイシングされる前のウェハの上面図である。
図2に示すように、ウェハ(半導体基板)上にはSOI領域12が形成されている。このSOI領域12中には、所定サイズのシリコン領域13が複数個配列されている。シリコン領域13の所定サイズ及び個数は、熱処理においてウェハにスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。図1に示した半導体チップ11は、図2に示す破線部で切断したものである。
次に、前記第1の実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、200mmφの鏡面をもつシリコンウェハを2枚用意する。1枚目のウェハにドライ酸素の雰囲気で膜厚が100nmの酸化膜を形成する。その後、1枚目のウェハの酸化膜が形成された面と2枚目のウェハの鏡面とを張り合せて、1100℃の熱処理により2つのウェハを一体化する。
続いて、一体化した基板の片側を研磨して、前記酸化膜上に存在するシリコン膜の膜厚を100nmにする。前記シリコン膜上にフォトレジスト膜を形成し、露光用マスクを用いて所望のパターンをフォトレジスト膜に転写する。そして、後の工程で除去される内部の酸化膜上に存在するレジスト膜を剥離して、レジストパターンを形成する。その後、水酸化カリウム(KOH)の水溶液により、レジストパターンで覆われていないシリコン膜をエッチングし、さらにフッ化水素(HF)の水溶液により埋め込み酸化膜を除去する。
次に、選択エピタキシャル成長法により、酸化膜の除去によって露出したシリコン膜上に、シリコンのエピタキシャル層を形成する。さらに必要に応じて、このシリコンのエピタキシャル層の表面をCMP法により研磨する。
前述した製造方法により、この第1の実施の形態の具体例として、ウェハ上のSOI領域12中に、6mm×6mmのシリコン領域13が縦横方向に10mmピッチで配列されたウェハを作成した。さらに、このウェハを切断し、サイズが20mm×20mmの半導体チップを形成した。この半導体チップには、6mm×6mmのシリコン領域13が4個配置され、1個のシリコン領域13にA/Dコンバータ、アンプ回路を形成し、残りの3個のシリコン領域13に8メガビットのDRAMを形成した。
また、この第1の実施の形態の比較例として、ウェハ上のSOI領域12中に、12mm×12mmのシリコン領域が縦横方向に20mmピッチで配列されたウェハを作成した。さらに、このウェハを切断し、サイズが20mm×20mmの半導体チップを形成した。この半導体チップには、12mm×12mmのシリコン領域が1個配置され、1個のシリコン領域にA/Dコンバータ、アンプ回路、及びメガビットのDRAMを形成した。
前記シリコン領域(6mm×6mm)を4個有する半導体チップ11と、シリコン領域(12mm×12mm)を1個有する半導体チップ11Aとの特性を比較した結果、以下のようになった。半導体チップ11はS/N比が30dBとなり、半導体チップ11AはS/N比が15dBとなった。すなわち、半導体チップ11Aには、1個のシリコン領域にA/Dコンバータ、アンプ回路、及びDRAMを形成したために発生したと考えられるノイズによる特性の劣化が見られた。また、半導体チップ11では、リーク電流特性の劣化が見られなかったが、半導体チップ11Aでは、素子形成工程における熱処理工程(RTA工程)で生じたと考えられるスリップにより、リーク電流特性が劣化した。
なお、前記第1の実施の形態では、前述したSOI領域に換えて、SON構造を有するSON領域を形成してもよい。SON領域を形成した場合でも、前記SOI領域を形成した場合と同様の効果が得られる。前記SON領域については、後述する第7の実施の形態で詳細に説明する。
以上説明したようにこの第1の実施の形態では、基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域あるいはSON領域とシリコン領域との熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる。
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2の実施の形態の半導体装置について説明する。この第2の実施の形態では、半導体チップの一方の主面にSOI領域を形成し、このSOI領域に囲まれるように複数のシリコン領域を形成し、さらに半導体チップの端部周辺にもシリコン領域を形成した例を述べる。
図3は、前記第2の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ21には、図3に示すように、SOI領域22と2個のシリコン領域23A、23Bが形成されている。シリコン領域23Aは、SOI領域22を囲むように、半導体チップ21の端部周辺に所定幅を有し配置されている。シリコン領域23Bは、SOI領域22に囲まれて、孤立した島状に形成されており、所定サイズ以下の大きさを有している。シリコン領域23Aの所定幅、及びシリコン領域23Bの所定サイズは、熱処理において半導体チップ21にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。SOI領域22の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域23Aには、外部と信号を入出力する入出力回路(I/O回路)が形成される。また前記シリコン領域23Bには、半導体記憶回路、例えば8メガビットのDRAMが形成されている。一方、SOI領域22には、ロジック回路が形成されている。
このような構成を有する半導体チップでは、半導体チップ21の端部周辺にシリコン領域23Aを形成し、このシリコン領域23Aで囲まれたSOI領域22中にシリコン領域23Bを形成することにより、1個のシリコン領域を形成する場合に比べて、個々のシリコン領域23A、23Bのサイズを小さくできるため、熱処理時にシリコン領域23A、23Bに生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ21に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、ロジック回路がSOI領域22に形成されているため、配線の寄生容量を低減できる。これにより、ロジック回路の高速化が容易になる。また、シリコン領域23Aに入出力回路を形成することにより、入出力回路を構成する素子そのものに高圧がかかるのを抑制でき、静電破壊が防止できる。
図4は、図3に示した半導体チップ21がダイシングされる前のウェハの上面図である。
図4に示すように、ウェハ(半導体基板)上にはSOI領域22が形成されている。このSOI領域22中には、所定サイズのシリコン領域23Bが複数個配列されている。さらに、前記SOI領域22間には、所定幅のシリコン領域23Aが縦横に線状に配列されている。シリコン領域23Aの所定幅、及びシリコン領域23Bの所定サイズは、熱処理においてウェハにスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。図3に示した半導体チップ21は、図4に示す破線部で切断したものである。
前述したように、ウェハ上のSOI領域22中に、複数のシリコン領域23Bを形成し、SOI領域22間に線状のシリコン領域23Aを形成することにより、個々のシリコン領域23A、23Bのサイズを小さくできるため、熱処理時に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程でウェハに発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
なお、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法は、前記第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
次に、前記第2の実施の形態の変形例の半導体装置を説明する。
図5は、前記第2の実施の形態における第1変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ21には、図5に示すように、SOI領域22とシリコン領域23A及び2個のシリコン領域23Bが形成されている。シリコン領域23Aは、SOI領域22を囲むように、半導体チップ21の端部周辺に所定幅を有し配置されている。2個のシリコン領域23Bは、SOI領域22に囲まれて、孤立した島状にそれぞれ形成されており、所定サイズ以下の大きさを有している。シリコン領域23Aの所定幅、及びシリコン領域23Bの所定サイズは、熱処理において半導体チップ21にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。SOI領域22の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域23Aには、外部と信号を入出力する入出力回路(I/O回路)が形成される。また、2個のシリコン領域23Bのうち、1個のシリコン領域23Bにはアナログ回路、例えばデジタル/アナログ変換器(A/Dコンバータ)、アンプ回路が形成されている。残りのシリコン領域23Bには、半導体記憶回路、例えば8メガビットのDRAMが形成される。一方、SOI領域22には、ロジック回路が形成されている。
このような構成を有する半導体チップでは、半導体チップ21の端部周辺にシリコン領域23Aを形成し、このシリコン領域23Aで囲まれたSOI領域22中に2個のシリコン領域23Bを形成することにより、1個のシリコン領域を形成する場合に比べて、個々のシリコン領域23A、23Bのサイズを小さくできるため、熱処理時にシリコン領域23A、23Bに生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ21に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、ロジック回路がSOI領域22に形成されているため、配線の寄生容量を低減できる。これにより、ロジック回路の高速化が容易になる。また、SOI領域22で分離された一方のシリコン領域23Bにアナログ回路が成され、他方のシリコン領域23BにDRAMが形成されているため、ロジック回路やDRAMから、アナログ回路へのノイズの伝播を防止することができる。
なおここでは、2個のSOI領域23Bを示したが、これに限るわけではなく、その他の複数のSOI領域が形成されていてもよい。
図6は、前記第2の実施の形態における第2変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ21には、図6に示すように、SOI領域22とシリコン領域23A及び4個のシリコン領域23Bが形成されている。シリコン領域23Aは、SOI領域22を囲むように、半導体チップ21の端部周辺に所定幅を有し配置されている。4個のシリコン領域23Bは、SOI領域22に囲まれて、孤立した島状にそれぞれ形成されており、所定サイズ以下の大きさを有している。シリコン領域23Aの所定幅、及びシリコン領域23Bの所定サイズは、熱処理において半導体チップ21にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。SOI領域22の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域23Aには、外部と信号を入出力する入出力回路(I/O回路)が形成される。また、4個のシリコン領域23Bのうち、1個のシリコン領域23Bにはアナログ回路、例えばデジタル/アナログ変換器(A/Dコンバータ)、アンプ回路が形成されている。残りの3個のシリコン領域23Bには、半導体記憶回路、例えば8メガビットのDRAMが形成される。一方、SOI領域22には、ロジック回路が形成されている。
このような構成を有する半導体チップでは、半導体チップ21の端部周辺にシリコン領域23Aを形成し、このシリコン領域23Aで囲まれたSOI領域22中に4個のシリコン領域23Bを形成することにより、1個のシリコン領域を形成する場合に比べて、個々のシリコン領域23A、23Bのサイズを小さくできるため、熱処理時にシリコン領域23A、23Bに生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ21に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、ロジック回路がSOI領域22に形成されているため、配線の寄生容量を低減できる。これにより、ロジック回路の高速化が容易になる。また、SOI領域22で分離された1個のシリコン領域23Bにアナログ回路が成され、残りの3個のシリコン領域23BにDRAMが形成されているため、ロジック回路やDRAMから、アナログ回路へのノイズの伝播を防止することができる。
なおここでは、4個のSOI領域23Bを示したが、これに限るわけではなく、その他の複数のSOI領域が形成されていてもよい。
また、前記第2の実施の形態及び変形例では、前述したSOI領域に換えて、SON構造を有するSON領域を形成してもよい。SON領域を形成した場合でも、前記SOI領域を形成した場合と同様の効果が得られる。
以上説明したようにこの第2の実施の形態及び変形例では、基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域あるいはSON領域とシリコン領域との熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる。
[第3の実施の形態]
次に、この発明の第3の実施の形態の半導体装置について説明する。この第3の実施の形態では、半導体チップの一方の主面にシリコン領域を形成し、このシリコン領域に囲まれるように島状のSOI領域を形成した例を述べる。
図7は、前記第3の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ31には、図7に示すように、4個のSOI領域32とシリコン領域33が形成されている。シリコン領域33は、半導体チップ31の一方の主面に形成されている。SOI領域32は、シリコン領域33に囲まれて、孤立した島状に複数形成されている。ここでは、シリコン領域33中に、所定サイズ以下のSOI領域32が4個配置されているが、これに限るわけではなく、その他の複数のシリコン領域を形成してもよい。SOI領域32の所定サイズは、熱処理において半導体チップ31にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。このSOI領域32の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域33には、半導体記憶回路、例えば8メガビットのDRAM、アナログ回路、及び信号入出力回路が形成されている。一方、4個のSOI領域32には、ロジック回路が形成されている。
このような構成を有する半導体チップでは、半導体チップ31上のシリコン領域33中に複数のSOI領域32を形成することにより、1個のSOI領域を形成する場合に比べて、個々のSOI領域32のサイズを小さくできるため、熱処理時にSOI領域32に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ31に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、複数のSOI領域32は、半導体チップ31上のある直線に対して線対称に配置されている。好ましくは、半導体チップ31上のある点に対して点対称に配置されていることが望ましい。これにより、熱処理時に、複数のSOI領域32に生じる熱応力を、半導体チップ31上で適度に分散することができる。この結果、熱処理工程で半導体チップ31に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、ロジック回路がSOI領域32に形成されているため、配線の寄生容量を低減できる。これにより、ロジック回路の高速化が容易になる。
次に、前記第3の実施の形態の変形例の半導体装置を説明する。
図8は、前記第3の実施の形態における第1変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ31には、図8に示すように、2個のSOI領域32とシリコン領域33が形成されている。SOI領域32は、シリコン領域33に囲まれて、孤立した島状に複数形成されている。ここでは、シリコン領域33中に、所定サイズ以下のSOI領域32が2個配置されている。SOI領域32の所定サイズは、熱処理において半導体チップ31にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。このSOI領域32の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域33には、半導体記憶回路、例えば8メガビットのDRAMが形成されている。一方、4個のSOI領域32には、ロジック回路が形成されている。
このような構成を有する半導体チップでは、前述と同様に、半導体チップ31上のシリコン領域33中に複数のSOI領域32を形成することにより、1個のSOI領域を形成する場合に比べて、個々のSOI領域32のサイズを小さくできるため、熱処理時にSOI領域32に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ31に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、ロジック回路がSOI領域32に形成されているため、配線の寄生容量を低減できる。これにより、ロジック回路の高速化が容易になる。
図9は、前記第3の実施の形態における第2変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ31には、図9に示すように、SOI領域32とシリコン領域33、33Aが形成されている。SOI領域32は、シリコン領域33、33Aに囲まれ孤立した島状に形成されており、所定サイズ以下の大きさを有している。SOI領域32の所定サイズは、熱処理において半導体チップ31にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。このSOI領域32の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域33は、半導体チップ31の端部周辺に所定幅を有し配置されており、シリコン領域33AはSOI領域32の角部とシリコン領域33との間に配置されている。
前記シリコン領域33には、外部と信号の入出力を行う入出力回路が形成され、破線内のシリコン領域33Aには、半導体記憶回路、例えば8メガビットのDRAMが形成されている。一方、SOI領域32には、ロジック回路が形成されている。
このような構成を有する半導体チップでは、半導体チップ31の端部周辺にシリコン領域33、33Aを形成し、このシリコン領域33、33Aで囲まれた領域に所定サイズのSOI領域32を形成することにより、熱処理時に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ31に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、ロジック回路がSOI領域32に形成されているため、配線の寄生容量を低減できる。これにより、ロジック回路の高速化が容易になる。
なお、前記第3の実施の形態及び変形例では、前述したSOI領域に換えて、SON構造を有するSON領域を形成してもよい。SON領域を形成した場合でも、前記SOI領域を形成した場合と同様の効果が得られる。
以上説明したようにこの第3の実施の形態及び変形例では、基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域あるいはSON領域とシリコン領域との熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる。
[第4の実施の形態]
次に、この発明の第4の実施の形態の半導体装置について説明する。この第4の実施の形態でも、半導体チップの一方の主面にシリコン領域を形成し、このシリコン領域に囲まれるように複数のSOI領域を形成した例を述べる。また、シリコン領域を形成するための選択エピタキシャル成長工程において、シリコン領域以外のSOI領域上にシリコンが堆積してしまう選択崩れの問題を対策する例を述べる。
図10は、前記第4の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ41には、図10に示すように、孤立した4個のSOI領域42とシリコン領域43が形成されている。シリコン領域43は、半導体チップ41の一方の主面に形成されている。SOI領域42は、シリコン領域43に囲まれて、孤立した島状に複数形成されている。ここでは、シリコン領域43中に、所定サイズ以下のSOI領域42が4個配置されているが、これに限るわけではなく、その他の複数のシリコン領域を形成してもよい。SOI領域42の所定サイズは、熱処理において半導体チップ41にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。このSOI領域42の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
このような構成を有する半導体チップ41では、半導体チップ41上のシリコン領域43中に、SOI領域42を複数の島状に形成することにより、1個のSOI領域を形成する場合に比べて、個々のSOI領域42のサイズを小さくできるため、熱処理時にSOI領域42に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ41に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
次に、半導体チップにSOI領域とシリコン領域とを形成する場合、シリコン領域の形成には選択エピタキシャル成長工程が用いられる。この選択エピタキシャル成長法を用いた場合、SOI領域上の酸化膜や窒化膜などの絶縁膜上にシリコンが堆積してしまうという選択崩れの問題が発生する。以下に、この選択崩れの問題を対策した半導体装置について説明する。先に、選択エピタキシャル成長法による製造方法を述べ、その後、選択崩れの対策方法について述べる。
まず、例えば、フッ化水素の水溶液を用いた前処理により、シリコン基板の表面に存在する自然酸化膜を除去する。その後、エピタキシャル成長装置にウェハを導入する。そして、水素雰囲気などの非酸化性雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、エピタキシャル成長前にシリコン基板表面を洗浄するための熱処理であり、この段階で基板表面のシリコン酸化膜を完全に除去する。したがって、この熱処理は、水素雰囲気などの非酸化性雰囲気が望ましい。熱処理条件としては、例えば1000℃、10Torr、3minが用いられる。
続いて、連続してシリコンのエピタキシャル成長を行う。成長ガス/キャリアガスとしては、SiH2Cl2(DCS)とHCl/H2ガスが用いられる。シリコン基板上にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜がパターニングされている場合は、DCS及びHClを用いることで、選択的にシリコン基板上にのみエピタキシャルシリコン膜を形成することができる。このとき、エピタキシャル成長は、900℃以上の温度で行う。
次に、前述した選択エピタキシャル成長法を行った場合の選択崩れについて調べた結果を以下に述べる。
図11、図12、及び図13は、エピタキシャル成長後にSOI領域上に生じたシリコン粒の数をモニタした図である。縦軸はシリコン粒の数を示しており、シリコン粒の数が多いほど、選択崩れが大きいことを示す。なお、前記SOI領域の表面は、シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜である。
一般に、シリコン酸化膜上でもシリコン窒化膜上でも選択エピタキシャル成長は可能であるが、選択性に関しては、シリコン窒化膜を用いた場合のほうが、選択崩れが生じやすい。そこで、今回の実験ではシリコン窒化膜を用いたより厳しい条件下で実験を行った。
まず、ウェハの一方の主面がシリコン窒化膜に覆われたウェハに対して、選択性の評価を行った。図11に、塩酸流量に対するシリコン粒の数の依存性を示す。これより、塩酸流量が少ないほど、選択性が崩れることがわかる。
次に、図12に、選択性の悪い条件下でのSOI領域の大きさに対するシリコン粒の数の依存性を示す。これより、孤立したSOI領域の面積を小さくすることにより、選択性が確保できる(選択性が崩れない)ことがわかる。なお、SOI領域の形状には正方形を用いている。
次に、図13に、SOI領域の形状に対するシリコン粒の数の依存性を示す。SOI領域の形状を矩形とし、面積を一定とする。そして、矩形の短辺の長さを変えた場合の、シリコン粒の数の変化を示している。これより、SOI領域の面積が一定でも、矩形の短辺の長さを短くすることにより選択性を確保できることがわかる。つまり、SOI領域の辺の長さを短くすることで、より大きなSOI面積に対して選択性を確保することができる。SOI領域の矩形の短辺の長さが10mm以下の場合は、シリコン粒の数が許容数以下である。このことから、SOI領域の一辺長さが10mmの正方を考える。SOI領域の中心(対角線の交わる点)からSOI領域の端部までの距離は5mmなので、SOI領域上のある1点から半径5mm以内に、少なくともエピタキシャル成長を行うシリコン領域の一部が設けてあれば、選択エピタキシャル成長おける選択崩れを抑制できることがわかる。
この選択エピタキシャル成長おける選択崩れを抑制できる現象は、以下のような理由によると考えられる。図14は、半導体チップ41におけるSOI領域42とシリコン領域43の断面を模式的に示す図である。
図14に示すように、シリコン基板44上には絶縁膜45を介してシリコン膜46が形成されている。このシリコン膜46上には、開口部47Aを持つシリコン窒化膜47が形成されている。このシリコン窒化膜47の開口部47A内には、シリコン基板44上にエピタキシャル成長途中のシリコン48が堆積している。
図14に示す状態において、選択エピタキシャル成長により、シリコン窒化膜47上(SOI領域上)に堆積されたシリコン粒49Aは開口部(シリコン領域)47Aからの距離が所定距離X以下である場合、開口部47Aの方向に移動して行き、シリコン48に吸収されてしまう。一方、開口部47Aからの距離がXより長いYであるシリコン粒49Bは、開口部47Aからの距離が長いため、開口部47Aの方向に移動してもシリコン48に吸収される可能性が低く、そのままシリコン窒化膜47上で留まり成長する。選択崩れは、このシリコン粒49Bにより生じる。
以上説明したようにこの第4の実施の形態では、基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域とシリコン領域の熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる。
さらに、SOI領域上のある1点から所定距離X(5mm)以内に少なくともエピタキシャルシリコン領域の一部を設けることにより、選択エピタキシャル成長における選択崩れを抑制できる。
なお、この実施の形態では、SOI領域が複数形成されている例を示したが、SOI領域が1個形成されている場合でも、SOI領域上のいずれの点からも所定距離X(5mm)以内に少なくともエピタキシャルシリコン領域の一部を設けることにより、選択エピタキシャル成長における選択崩れを抑制できる。
なお、前記第4の実施の形態では、前述したSOI領域に換えて、SON構造を有するSON領域を形成してもよい。SON領域を形成した場合でも、前記SOI領域を形成した場合と同様の効果が得られる。
[第5の実施の形態]
次に、この発明の第5の実施の形態の半導体装置について説明する。この第5の実施の形態では、半導体チップの一方の主面にSOI領域を形成し、このSOI領域に囲まれるように複数のシリコン領域を形成した例を述べる。また、シリコン領域を形成するための選択エピタキシャル成長工程において、シリコン領域以外のSOI領域上にシリコンが堆積してしまう選択崩れの問題を対策する例を述べる。
図15は、前記第5の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。
半導体チップ51には、図15に示すように、SOI領域52と孤立した4個のシリコン領域53が形成されている。SOI領域52は、半導体チップ51の一方の主面に形成されている。このSOI領域52の断面構造は、半導体基板上の絶縁膜上に半導体層を形成したものである。ここでは、前記半導体層には、例えばシリコン膜が用いられている。
前記シリコン領域53は、SOI領域52に囲まれて、孤立した島状に複数形成されている。ここでは、SOI領域52中に、所定サイズ以下のシリコン領域53が4個配置されているが、これに限るわけではなく、その他の複数のシリコン領域を形成してもよい。シリコン領域53の所定サイズは、熱処理において半導体チップ51にスリップなどの結晶欠陥が発生しないように設定される。
このような構成を有する半導体チップ51では、半導体チップ51上のSOI領域52中に、シリコン領域53を複数の島状に形成することにより、1個のシリコン領域を形成する場合に比べて、個々のシリコン領域53のサイズを小さくできるため、熱処理時にシリコン領域53に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、熱処理工程で半導体チップ51に発生するスリップなどの結晶欠陥が低減できる。
また、前記第4の実施の形態で述べた、選択崩れに対する対策に基づいて、SOI領域52上のある1点から所定距離X(5mm)以内に少なくともシリコン領域53の一部を設ける。これにより、選択エピタキシャル成長における選択崩れを抑制できる。
なお、この実施の形態では、シリコン領域が複数形成されている例を示したが、シリコン領域が1個形成されている場合でも、SOI領域上のいずれの点からも所定距離X(5mm)以内に少なくともエピタキシャルシリコン領域の一部を設けることにより、選択エピタキシャル成長における選択崩れを抑制できる。
また、この選択エピタキシャル成長おける選択崩れを抑制するための構成は、前述した第1〜第3の実施の形態においても適用可能である。
また、前記第5の実施の形態では、前述したSOI領域に換えて、SON構造を有するSON領域を形成してもよい。SON領域を形成した場合でも、前記SOI領域を形成した場合と同様の効果が得られる。
[第6の実施の形態]
次に、この発明の第6の実施の形態の半導体装置について説明する。この第6の実施の形態では、前記第1〜第5の実施の形態の半導体装置内に設けられたシリコン領域及びSOI領域に、素子がそれぞれ形成された例を断面図を用いて示す。
図16は、前記第6の実施の形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図16に示すように、シリコン基板60には部分的にSOI構造が設けられている。すなわち、シリコン基板60の一部領域上には絶縁層61が形成され、前記絶縁層61上には半導体層62が形成されている。絶縁層61は、例えばシリコン酸化膜であり、以降前記絶縁層61をBOX(Buried Oxide)層と呼ぶ。半導体層62は、例えばシリコン層であり、以降前記半導体層62をSOI層と呼ぶ。また、シリコン基板60の他方の領域上には半導体層、例えばシリコン層63が設けられている。
以上のように、シリコン基板60上に、BOX層61及びSOI層62を含むSOI構造が設けられた領域がSOI領域であり、シリコン基板60上にシリコン層63が設けられた領域がシリコン領域である。SOI層62は、BOX層61によってシリコン基板60と電気的に分離されている。一方、シリコン層63は、シリコン基板60と電気的に接続されている。
前記シリコン領域及びSOI領域には、素子分離領域STI及び素子分離領域64によって囲まれた素子領域がそれぞれ設けられている。なお、SOI領域内の素子分離領域64、及びシリコン領域とSOI領域との境界部分の素子分離領域STIは、少なくともBOX層61に達するように設けられている。また、SOI領域内の素子分離領域64は、例えば周知のLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法などによって形成される。シリコン領域とSOI領域との境界部分の素子分離領域STI、及びシリコン領域内の素子分離領域STIは、トレンチを形成した後、このトレンチ内に絶縁膜を埋め込むという方法によって形成される。
前記シリコン領域に設けられた素子領域にはMOSトランジスタTR1が形成され、前記SOI領域に設けられた素子領域にはMOSトランジスタTR2が形成されている。MOSトランジスタTR1及びTR2は、ソース領域、ドレイン領域、及びゲート電極をそれぞれ有している。MOSトランジスタTR1のソース領域65Aとドレイン領域66Aは、シリコン層63の表面に、互いに離間するように形成されている。MOSトランジスタTR1のゲート電極67Aは、ソース領域65Aとドレイン領域66Aとの間のシリコン層63上に、ゲート絶縁膜68Aを介在して形成されている。
前記MOSトランジスタTR2のソース領域65Bとドレイン領域66Bは、SOI層62の表面に、互いに離間するように形成されている。MOSトランジスタTR2のゲート電極67Bは、ソース領域65Bとドレイン領域66Bとの間のSOI層62上に、ゲート絶縁膜68Bを介在して形成されている。なお、MOSトランジスタTR2のソース領域65Bとドレイン領域66Bは、その底部がBOX層61に達するように設けられている。
この第6の実施の形態の半導体装置によれば、前記第1〜第5の実施の形態で述べたように、シリコン領域及びSOI領域に生じる熱応力を緩和することができる。この結果、半導体装置に発生するスリップなどの結晶欠陥を低減できる。
[第7の実施の形態]
次に、この発明の第7の実施の形態の半導体装置について説明する。この第7の実施の形態では、SON(Silicon On Nothing)構造を有する半導体装置について述べる。SON構造とは、空洞領域上にシリコン層が設けられた構造をいう。SON構造については後で詳細に記述する。前記第6の実施の形態では、SOI構造を有するSOI領域に素子を設けた例を示したが、この第7の実施の形態では、前記SOI領域に換えて、SON構造を有するSON領域に素子を設けた例を示す。
図17は、前記第7の実施の形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図示するように、半導体装置はシリコン領域とSON領域とを有している。シリコン領域及びSON領域内には、素子分離領域STIによって互いに電気的に分離された素子領域が設けられている。これら素子領域には、MOSトランジスタTR1、TR3がそれぞれ設けられている。
前記シリコン領域の構造は、前記第6の実施の形態と同様であるので説明は省略し、ここではSON領域についてのみ説明する。
図17に示すように、シリコン基板60には部分的にSON構造が設けられている。すなわち、シリコン基板60の一部領域上には空洞領域71が設けられている。この空洞領域71を介在して、シリコン基板60上に半導体層72が設けられている。半導体層72は、例えばシリコン層であり、以降前記半導体層72をSON層と呼ぶ。このように、シリコン基板60上に、空洞領域71及びSON層72を含むSON構造が設けられた領域がSON領域である。SON層72は、空洞領域71によってシリコン基板60と電気的に分離されている。従って、前記第6の実施の形態で説明したような、シリコン基板60とSOI層62との間にBOX層61を有するSOI構造と同様の効果が得られる。
前記SON領域には、素子分離領域STI及び素子分離領域73によって囲まれた素子領域が設けられている。SON領域内の素子分離領域73は、シリコン基板60に達するように形成されている。なお、素子分離領域73は、シリコン領域内の素子分離領域STI、及びシリコン領域とSON領域との境界部分の素子分離領域STIを形成する製造工程と異なる製造工程により形成される。
前記SON領域に設けられた素子領域には、MOSトランジスタTR3が設けられている。MOSトランジスタTR3は、ソース領域、ドレイン領域、及びゲート電極を有している。MOSトランジスタTR3のソース領域74B、ドレイン領域75Bは、空洞領域71に達するように設けられている。MOSトランジスタTR3のゲート電極76Bは、ソース領域74Bとドレイン領域75Bとの間のSON層72上に、ゲート絶縁膜77Bを介在して設けられている。シリコン領域内の素子領域に設けられたMOSトランジスタTR1の構成は、前記第6の実施の形態と同様であるため説明は省略する。
以上のように、シリコン基板の一部の領域にSON構造を有する半導体装置であっても、前記第1〜第5の実施の形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
この第7の実施の形態の半導体装置によれば、前記第6の実施の形態と同様に、シリコン領域及びSON領域に生じる熱応力を緩和することができる。この結果、半導体装置に発生するスリップなどの結晶欠陥を低減できる。
また、前述した各実施の形態はそれぞれ、単独で実施できるばかりでなく、適宜組み合わせて実施することも可能である。
さらに、前述した各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、各実施の形態において開示した複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の段階の発明を抽出することも可能である。
以上述べたようにこの発明の実施の形態によれば、基板に対して急速な加熱、冷却を行っても、基板上のSOI領域あるいはSON領域とシリコン領域との熱吸収効率の違いから生じる温度差の影響を低減でき、基板に結晶欠陥が発生するのを防止できる半導体装置を提供することが可能である。
この発明の第1の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。 図1に示した半導体装置がダイシングされる前のウェハの上面図である。 この発明の第2の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。 図3に示した半導体装置がダイシングされる前のウェハの上面図である。 前記第2の実施の形態における第1変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。 前記第2の実施の形態における第2変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。 この発明の第3の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。 前記第3の実施の形態における第1変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。 前記第3の実施の形態における第2変形例の半導体装置の構成を示す上面図である。 この発明の第4の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。 前記第4の実施の形態の半導体装置における塩酸流量及びエピタキシャル成長温度に対するパーティクル数の依存性を示す図である。 前記第4の実施の形態の半導体装置における選択性の悪い条件下でのSOI領域の大きさに対するパーティクル数の依存性を示す図である。 前記第4の実施の形態の半導体装置におけるSOI領域の形状に対するパーティクル数の依存性を示す図である。 前記第4の実施の形態の半導体装置におけるSOI領域とシリコン領域の断面を模式的に示す断面図である。 この発明の第5の実施の形態の半導体装置の構成を示す上面図である。 この発明の第6の実施の形態の半導体装置の構造を示す断面図である。 この発明の第7の実施の形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
符号の説明
11…半導体チップ、11A…半導体チップ、12…SOI領域またはSON領域、13…シリコン領域、21…半導体チップ、22…SOI領域またはSON領域、23A…シリコン領域、23B…シリコン領域、31…半導体チップ、32…SOI領域またはSON領域、33…シリコン領域、41…半導体チップ、42…SOI領域またはSON領域、43…シリコン領域、44…シリコン基板、45…絶縁膜、46…シリコン膜、47…シリコン窒化膜、47A…開口部、48…シリコン、49A…シリコン粒、49B…シリコン粒、51…半導体チップ、52…SOI領域またはSON領域、53…シリコン領域、60…シリコン基板、61…絶縁層(BOX層)、62…半導体層(SOI層)、63…シリコン層、64…素子分離領域、65A…ソース領域、65B…ソース領域、66A…ドレイン領域、66B…ドレイン領域、67A…ゲート電極、67B…ゲート電極、68A…ゲート絶縁膜、68B…ゲート絶縁膜、71…空洞領域、72…半導体層(SON層)、73…素子分離領域、74B…ソース領域、75B…ドレイン領域、76B…ゲート電極、77B…ゲート絶縁膜、TR1…MOSトランジスタ、TR2…MOSトランジスタ、TR3…MOSトランジスタ。

Claims (5)

  1. 半導体基板上に形成された第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層を囲むように、前記半導体基板上に絶縁膜及び空洞のいずれか一方を介在して形成された第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層を囲むように、前記半導体基板上に形成された第3の半導体層と、
    を具備することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1の半導体層は、前記半導体基板上に形成された複数の半導体層を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記請求項1または2に記載の前記半導体装置が複数レイアウトされていることを特徴とするウェハ。
  4. 前記請求項3に記載の前記ウェハの端部周辺に、前記半導体基板上に形成された第4の半導体層をさらに具備することを特徴とするウェハ。
  5. 前記第1、第3の半導体層は、エピタキシャル成長法により堆積された半導体層であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
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