JP2007179929A - 荷電粒子線装置及び試料像表示方法 - Google Patents

荷電粒子線装置及び試料像表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】荷電粒子線装置が備えるプローブが試料ホルダの構造物や試料の凹凸の干渉を受けずに試料表面に接触可能かどうか直感的に確認できるようにする。
【解決手段】プローブ101の接触が不可能な領域104を計算し、荷電粒子線を用いて取得した観察像にオーバーレイ表示させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、試料表面の目標物にプローブを接触させる機能を有する荷電粒子線装置に関する。
例えば集束イオンビーム装置(以下、FIBという)において、プローブと試料を接続して試料の一部を分離する方法が特許文献1に記載されている。この方法によればプローブを試料の任意の位置に接触させた後、試料表面にある種のガスを供給し、ガス雰囲気中でのイオンビーム照射により形成したガスアシストデポジション膜(GAD膜)によりプローブと試料を接続して、試料室内で試料の一部を分離することが可能である。
特許第2774884号公報
特許文献1に示す試料分離方法では、プローブを試料に接触させるために、プローブ自体を移動させて位置合わせをした後、ガスを導入する機構を試料表面近傍へと移動させ、その後、プローブの先端を試料表面の目標物に接触させるといった手順を踏む。このとき、試料を搭載する試料台の構造物や、試料表面の凹凸などにより試料の全ての表面にはプローブの先端を接触させることができない。従来の装置では、この範囲を直感的に判断する方法がないため、接触の可否はプローブを実際に試料上の目標物に接触させてみて確かめる以外になく、プローブ先端が試料上の目標物に接触する前にプローブが試料や試料台やガス導入口と干渉した場合、試料やプローブを破損・紛失してしまう可能性が生じる。試料やプローブの破損を回避するには、プローブが接触した場合に破損しない程度の極低速でプローブを動かして目標点に接触可能かどうか確認することになり、作業性が悪い。
上記問題を解決するため、本発明では、プローブを試料に接触させるのが不可能な試料表面上の領域を観察像に重ねて表示画面に表示させることとした。
本発明によると、装置のユーザーは、プローブの移動可能範囲を直感的に把握することができるため、プローブの移動の可否を確認する作業や、プローブの接触が可能かどうか実際に試料に当てて確認する作業など、無駄な作業を行う必要が無くなり、作業効率が上がる。また、プローブが干渉することもなくなるので、試料やプローブの破損も防止できる。
以下に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第一の実施例であるFIB装置の概略構成図である。液体金属イオン源11から引き出し電極12により引き出されたGaイオンビームは加速電圧Voで加速され、集束レンズ13、ビーム制限絞り14、偏向電極15、対物レンズ16などからなるイオン光学系で集束、偏向されて、試料28上を走査する。この時、ビームの照射により試料表面から発生した二次電子等の試料信号を、試料信号検出器19によって検出し、アンプ20により増幅し、偏向制御と同期させる事によりデータ処理・制御部21の画像表示装置22上にSIM像として表示される。試料28は試料台33に搭載された状態でステージ30の上に導入され、少なくともX,Y,Z方向に移動可能なステージ30を移動させる事により、試料28上の任意の位置を観察・加工する事ができる。加速電圧Vo、各レンズ(この場合は、集束レンズ13、対物レンズ16)の電圧、ビーム制限絞り14などの条件はデータ処理・制御部21に記憶され、それぞれの条件に応じて加速電圧Voの高電圧電源23、引き出し電圧Vextの高電圧電源24、集束レンズ13の高電圧電源25、対物レンズ16の高電圧電源27を制御するデータ処理・制御部21で、加工領域の設定、加工・観察に用いる一連のビーム条件を自動で設定できる。偏向電極15は、偏向信号発生器26に接続されている。
また、本装置には、プローブ機構18及びガス導入機構17が備えつけられている。プローブの制御部31によりプローブ機構18を駆動し、プローブ101を移動させて、試料28の表面の目標とする位置にプローブの先端を接触させることができる。また、ガス導入部の制御部29によりガス導入機構17を駆動させて、ガス放出口34を試料近傍に配し、GADに用いるガスを試料表面に供給することができる。
このFIB装置を用いて、試料上の微細構造部分を摘出しようとした場合に、プローブ101を微細構造部分に接触させる必要がある。しかしながら、プローブ101は、試料表面に対し垂直に形成されているわけではないので、試料ホルダに試料面よりも高い構造物が配置されていたり、試料表面に凹凸があったりすると、接触可能な領域は制限を受ける場合がある。
たとえば、図2に示すような試料台では、2枚の板バネ102をネジで締め付けることで試料28を固定している。この場合、プローブ101の進行方向によっては、板バネ102が障害物になり、その近傍にプローブ接触不可領域104が形成される。プローブ101を接触させたい箇所が接触不可領域104内にある場合、プローブ101を接触させようとしたときに板バネ102に接触し、プローブ101は試料28の表面まで進行させることができない。従来は構造物が接触不可能な領域にあるかどうかは直感的に分からないため、プローブ101を破損しない程度のゆっくりした速度で試料28表面に近づけ、実際にプローブ101が接触できるかどうか、試料28の表面に当ててみることでしか確認の方法がなかった。
本発明では、図3(a)のように接触目標点105がプローブ接触不可領域104内にあるかどうかを、図3(b)に示すようにSIM観察像の中に接触不可領域104を陰影として表示したり、色調を変えて表示する等してオーバーレイ表示させることで、直感的に把握できるようにする。接触不可領域の表示は表示ボタンを押すことで更新できるようにする方法と、試料の移動や回転に合わせてリアルタイムに更新する方法が考えられる。装置のデータ処理・制御部21に充分な演算速度がある場合にはリアルタイムに表示領域を更新した方が、より直感的にプローブの接触不可領域104を把握することができる。図3(a)に示すように目標点105がプローブ接触不可の領域104にあるときには、ユーザーは例えば試料を90゜回転させることで、図3(c)のように目標点105をプローブ接触不可能領域104から外すことができる。このときの観察像を図3(d)に示す。また、表示領域は、リアルタイムに更新することで、ユーザーはより直感的にプローブの接触不可の領域を把握することができる。
本試料台におけるプローブ接触不可領域104の計算方法の例を、図4を参照して説明する。図4(a)は、板バネ102とプローブ101を水平方向から見た図を示している。X,Zの座標系を図4(a)のように取ると、プローブ接触不可領域の長さL1は、プローブと試料表面との角度θ、及び板バネ102の厚さtより、L1=t/tanθの式で求めることができる。ただし、プローブ101は太さDの円柱状であり、先端は円錐状に尖らせている形状なので、実際には接触不可領域の長さは、プローブの太さを考慮した長さL2を足したものになる。L2はL2=(D/2)/sinθで求められる。本試料台の例では、プローブと試料表面との角度θ=20゜、プローブの太さD=0.5mm、板バネの厚さt=0.5mmであるので、接触不可領域の長さはL1=1.37mm、L2=0.73mmとなる。このとき、プローブの太さを考慮した長さL2には、安全を見て所定長さ(例えば、試料ホルダを試料ステージへ固定した場合の位置のばらつき(0.1〜0.5mm程度)と、試料ステージの原点位置の装置間の差(〜0.1mm程度)を考慮して余裕分を0.6mmとする)を追加することによって、不確定要素によるプローブ101と板バネ102の衝突を、より確実に防止することができる。L2は余裕分0.6mmを足した1.33となり、接触不可領域104の長さはL1+L2=2.70mmとなる。
上記の値を元に、接触不可能領域104をX−Y平面に展開する。図4(b)は、図4(a)に対応する平面図である。X−Y平面に展開する場合には、プローブの太さから接触不可能になる領域についても拡張する必要がある。図4(a)ではX軸方向について考慮したが、図4(b)に示すようにY方向にも接触不可能な領域が発生する。この領域の幅をL3とすると、L3はプローブの太さDの1/2に余裕分を追加した幅になり、本試料台の例では0.25+0.6=0.85mmとなる。領域の計算については、プローブ接触の障害となる構造物(上記試料台の場合では、板バネ102)をできるだけ簡単な図形にて考えた方が計算の量を少なく抑えることができる。板バネ102の場合には、板バネの輪郭部分の3辺により形成される領域を考えればよい。
図4(b)では、プローブの進行方向はX軸と平行であるため、同じくX軸に平行に配置されている板バネの輪郭部分により形成される接触不可領域は、プローブの進行方向と直角の辺から形成される方向(本例ではX軸のマイナス方向)にL1の長さで形成される領域701+L2の長さで形成される領域702(本例では2.7mm幅)が形成され、その両端にL3の幅(本例では0.85mm)の接触不可領域が形成される。他の2辺(図中の上下の辺)からはX軸のマイナス方向に形成される領域は幅0の線状になるので、その両端にL3の幅(本例では0.85mm)の接触不可領域703が形成されるのみとなり、図4(b)で示すパターンで塗りつぶされた領域(領域701、702、703)を合わせたものがプローブの接触不可領域104になる。図ではこれらの領域を違うパターンで塗っているが、プローブが接触できないという点ではどの領域も同じなので、同じパターンで塗っても構わない。
図4(c)のようにR方向に回転を行った場合には、板バネの図中では下側の辺からもプローブの進行方向(X軸のマイナス方向)に幅L1+L2の幅の接触不可領域が形成される。反対に図中の上側の辺からはX軸のマイナス方向には板バネが存在するので、接触不可領域は形成されない。
この試料ホルダの場合は、板バネ102の座標位置や高さはあらかじめデータ処理・制御部21の記憶装置32に保存されている。このタイプの試料ホルダに試料を装着し、FIB装置に導入した際に、ホルダのタイプを選択してホルダの板バネ102などの構造物のファイルを読み出すことで、ホルダが固有に持っている構造物の情報を元に接触不可能な領域を計算する。この場合には、上記で述べたように、試料ホルダを試料ステージへ固定した場合の位置のばらつき(0.1〜0.5mm程度)と、試料ステージの原点位置の装置間の差(〜0.1mm程度)を考慮できないので、接触不可領域104の輪郭位置から設定する余裕分を幅0.6mm程度と大きく取る必要がある。これを補正するために、試料ホルダを導入後、板バネ102の端部にステージを移動させ、板バネ端部を用いて画像認識による試料位置補正を行うことで余裕分を少なくする方法が考えられる。この場合には、余裕分の幅を例えば0.1mm程度としても問題なくプローブを接触させることができた。
また、微細構造の摘出加工を容易にするため、プローブの接触地点を画面上で指定することで、その地点のX,Y,Z,Rなどの座標をデータ処理・制御部が読み出し、プローブを自動で移動し、接触させる方法がある。この場合、プローブを手動で操作する場合と異なり、プローブの目的地が最初から分かっているため、目的地の座標がプローブ接触不可能領域にある場合は移動不可能のエラーメッセージを表示するとともに、その地点へのプロープの移動をキャンセルする。
また、より精度の高い情報を得るために、試料ホルダに試料を搭載した段階で、レーザー顕微鏡を用いて試料の高さマップを作成することもできる。高さマップの情報は、試料表面を数千×数千画素に分けて、各画素の高さ情報を強度分布として示したものである。これらの情報はネットワーク接続されるか、MOやフラッシュメモリなどの記録媒体を介してFIB装置にて参照可能であり、その試料ホルダを荷電粒子線装置に導入した時に試料ホルダと試料表面の高さマップの情報も得ることができる。この高さマップの情報を用いることで、プローブの接触不可の領域が試料台だけでなく試料の凹凸によるものまで表示できるようになり、より精度のよいプローブ動作が可能になる。この場合の制御方法の例を、図5を参照して以下に説明する。
まず、図5(a)に示すようにマッピングデータから、プローブの進行方向と平行な向きに1画素分の幅のラインを引き、そのライン上の画素の高さ情報を取得してラインプロファイルを作成する。ラインプロファイルは構成する画素ごとに高さデータを持つ情報として扱われる。ここで、図5(b)に示すように、プロファイル上の各画素の点からプローブの導入角度θの方向に線を引いた場合に、プロファイル上の他の点と交わった場合にはその画素点はプローブ接触不可であり、交わらなかった場合にはプローブ接触可となる。このラインプロファイルをマッピングデータのライン数分だけ取得することで、マッピングデータの各画素でのプローブ接触可、不可を求めれば、プローブ接触不可領域が形成される。この方法は、計算が簡単である利点があるが、各画素ごとにプローブの接触可否を計算する必要があるので、計算時間がかかるという欠点がある。
試料のX,Y,Zを動かした場合にはプローブの進行方向に変化はないため新たな計算は不要であるが、R軸を動かして試料を回転させた場合には試料表面に対するプローブの進行方向が変化するため、再計算が必要になる。この場合には、R軸の回転と同期して全ての画素点を再計算することは難しいため、R軸の回転移動が終了した後で再計算を行うことになる。このように、マッピング画像を使用してプローブ接触不可領域を計算する場合にはレスポンスの低下が考えられる。このため、例えば図2に示すようなプローブが接触する可能性のある構造物の制御用のデータ持ったホルダを使用している場合には、構造物のデータをもとにプローブ接触不可領域を計算する方法とマッピングのデータをもとに接触不可領域を計算する方法を切り替えながら使用することで、作業効率を下げないように工夫することもできる。
別の種類の試料ホルダに本発明を適用した場合の例を、図6に示す。図6(a)は斜視図、図6(b)はY軸方向から見た側面図である。図6のホルダは、TEMの試料としてメッシュを搭載することを目的としている。
メッシュの上端部には図2のホルダに載せた試料から分離した微細構造を取り付け、この部分をFIB装置にて薄膜化する。薄膜化した試料を乗せたメッシュごとTEM用の試料ホルダに取り付け、原子レベルの高分解能観察や元素分析などを行う。この場合、メッシュの上面と水平に微細構造を取り付けるため、メッシュとプローブの角度は常に一定となり、本発明では90゜である。本発明のFIB装置の構造ではプローブは試料のY軸方向から導入されているので、本メッシュホルダの回転角度は0°固定で問題ない。本ホルダ導入時に、キー入力あるいは別の入力手段を用いて、データ処理・制御部21に本タイプのホルダを使用していることを設定すると、回転角度は0°固定となり、R軸の操作を不可能にすることで、ユーザーの誤操作によるサンプリング失敗を回避することができる。ここで、回転角度が0°のとき、メッシュの平坦な面のX座標は+3〜+5mm、及び3〜−5mmであることが分かっているため、これ以外の座標値がSIM像の表示領域にかかった場合には、SIM像にプローブ接触不可の領域をオーバーレイ表示することでユーザーは直感的な操作を行うことができる。なお、メッシュの上面はプローブが接触しやすいように平坦になっているので、この部分での接触不可能領域の計算は不要になる。このように、あらかじめプローブが接触可能な領域、又は接触不可能な領域が分かっている場合には、ホルダの座標のみのデータで接触不可の表示を行うことができるため、データ処理・制御部の計算が最小限ですむ。
図7に示すフローチャートを用いて、本実施例の全体の処理の流れを説明する。上記で述べたように、プローブの接触不可の制御方法は、ステージの座標のみで計算可能なものから3Dマップのデータを用いて計算するものまで、複数の制御方法が考えられる。まずステージに試料台を導入したときに、試料台の種別や高さマップの情報の有無についてデータ処理・制御部に記録する(S11)。記録方法としては、キーボードやGUIから入力する方法や、又は試料台に接触式あるいは非接触式のICを搭載して試料台導入時に自動的に検知する方法などが考えられる。ホルダの種類によって、(a)ステージの座標のみにて計算可能な試料台(図6に示したような試料台)、(b)プローブ導入時に接触不可能になる構造物が存在し、そのデータを用いて接触不可領域を計算できる試料台(図2に示したような試料台)、また、(c)図5に示したような3Dマップの情報を持っているか、などを分別し、(a)(b)(c)いずれも当てはまらない場合には接触不可の計算を行わない従来のプローブの制御を行う(S13)。(a)が当てはまる場合には無条件でステージの座標のみにて接触不可領域を計算する表示制御方法を取る(S12)。同様に(b)(c)のいずれかが当てはまる場合にはそれらの制御方法をとり(S14,S15)、(b)(c)の両方が当てはまる場合にはユーザーの使用条件に合わせて(b)(c)のどちらか、あるいは両方を重畳させた制御方法をとることができる(S16)。
また、本発明の表示方法は、ガス導入口を試料近傍に導入する場合にも適用できる。試料の上に配置される構造物、例えば図2に示す板バネやネジのような部品の情報を元に、ガス導入口の導入不可能な領域を観察像にオーバーレイ表示させることで、ユーザーに直感的に注意を促すことができる。
上記の例は、試料及び試料ホルダのもつ高さ方向の構造物によりプローブやガス導入口の導入範囲が制限される例であるが、たとえばステージの駆動範囲より試料サイズが大きい場合など試料のX,Y座標によって制限される場合も考えられる。この場合、X,Y座標がステージの駆動範囲の端に来ている時に、低倍率のSIM像ではステージの駆動範囲外の領域も観察することができるため、X,Y座標のステージ駆動範囲外の領域はプローブ接触不可の領域として観察像にオーバーレイ表示させることで対応する。
第二の実施例として、荷電粒子線装置にプローブを複数本導入する場合を考える。図8は、試料上に接触可能なプローブを複数本装着した荷電粒子線プローバー装置の例を示す概略図である。
試料室201の内部にはプローブの駆動機構204が複数個配置されており、プローブ制御装置203を介してプローブ301を試料28の表面に接触させることができる。図8ではプローブは2本のみ表示されているが、用途に合わせてプローブ及び駆動機構の数を3セット以上配置することも可能である。プローブの移動方法としては、プローブ移動用のインターフェース(たとえばXYZ移動ボタン)を1セット準備して、制御装置203で移動させるプローブを切り替えて各プローブを個別に移動させている。荷電粒子線装置の鏡筒202から試料28に照射される荷電粒子線により得られた2次信号を検出器19で検出し、データ処理・制御部21の画像表示装置22上に観察像として表示する。この観察像を参照して、プローブをたとえば試料28上の配線パターン上に接触させ、テスタなどを用いてその配線の導通確認や、配線に接続されているトランジスタ、コンデンサなどの動作特性の検査を行うことができる。このときに2本あるいは複数本のプローブどうしが接触してしまうと、プローブの破損や、試料の破損につながる可能性がある。また、プローブの接触に時間がかかると、荷電粒子線がイオンビームの場合は試料表面の削れやイオンの打ち込みによる特性の変化が大きくなり、荷電粒子線が電子線の場合には試料表面へのコンタミネーションの付着が大きくなり、プローブと試料との接触抵抗が増大して特性の変化につながる。このため、複数本のプローブはできるだけ短時間かつ安全に試料上に接触させる必要がある。本発明の表示方式を用いることで、ユーザーはプローブの接触の可否を容易に判断でき、検査効率の向上にさせることができる。
簡単に説明するため、図9を用いてプローブを2本試料表面に接触させることを考える。図9(a)に示すようにプローブ301を試料上のA点303に接触させた後に、プローブ302を導入した場合、先に導入したプローブ301が障害物となり、後の順番で導入するプローブ302の接触可能領域を限定することになる。ここで、プローブ301を試料に接触させた時に、プローブ301の先端の座標を読み込むと、プローブ301の試料からの角度、プローブ301の太さなどは既知のため、その座標から接触する可能性のある領域を求めることは容易である。また、試料表面に接触させた状態ではプローブ301の先端の位置は試料表面とほぼ同じ高さとなるため、接触状態では試料表面と同時にプローブ先端もジャストフォーカスの状態で像が得られるため、画像認識にてプローブ先端の正確な位置を把握することも容易である。こうして得られたプローブ302の接触不可能領域305を図9(b)のように画面上に表示させることにより、プローブ302を試料上に接触させるときにプローブ301と接触するかどうかが即座に確認できる。
図9(a)の場合には、プローブ302を接触したいB点304はプローブ301による接触不可能領域305の内部にあるため、プローブ302では接触不可能であることが分かった。そこで、図9(c)のようにプローブ301をA点303ではなく、B点304に接触させた後でプローブ302の接触不可能領域305を確認すると、図9(d)に示すように、点Aは接触不可能領域305の外にあるのでプローブ302で接触可能であることが分かった。そこで、プローブ302を点Aに接触させることで、2本のプローブを求める2点A,Bに安全に接触させることができた。
また、移動させるプローブを切り替える場合の説明を図10を用いて行う。図10では、本発明の効果をより分かりやすくするため、プローブの数を3本としている。図10(a)のように、移動させるプローブとしてプローブ302を選択している場合は、接触不可能領域としてオーバーレイ表示される領域はプローブ301により接触不可能になる領域305及びプローブ307により接触不可能になる領域308が表示されている。ここで、移動させるプローブをプローブ302からプローブ301に切り替えた場合、接触不可能領域を再計算する。表示画面における表示も、図10(b)のように、プローブ302により接触不可能になる領域306、及びプローブ307によりプローブ301が試料上に接触不可になる領域309に切り替わる。こうして、ユーザーは現在移動させようとしているプローブの制限範囲のみを知ることができ、作業性が向上する。
本発明によるFIB装置の概略構成図。 FIB装置用の試料ホルダの例を示す概略図。 プローブの接触目標点とプローブ接触不可領域の関係を示す図。 プローブ接触不可領域の計算方法の例を示す図。 高さマップからプローブ接触不可領域を求める方法の説明図。 FIB装置用の試料ホルダの例を示す概略図。 処理の流れを示すフローチャート。 本発明による荷電粒子線プローバー装置の概略図。 プローブの接触目標点とプローブ接触不可領域の関係を示す図。 プローブの接触目標点とプローブ接触不可領域の関係を示す図。
符号の説明
11:液体金属イオン源、12:引き出し電極、13:集束レンズ、14:ビーム制限絞り、15:偏向電極、16:対物レンズ、17:ガス導入機構部、18:プローブ移動機構部、19:試料信号検出器、20:アンプ、21:データ処理・制御部、22:画像表示装置、23:加速電圧の高電圧電源、24:引き出し電圧の高電圧電源、25:集束レンズの高電圧電源、26:偏向信号発生器、27:対物レンズの高電圧電源、28:試料、29:ガス導入部の制御部、30:ステージ、31:プローブの制御部、32:記憶装置、33:試料ホルダ、34:ガス放出口、101:プローブ、102:板バネ、103:試料台のベース部分、104:プローブ接触不可能領域、105:接触目標点、201:試料室、202:荷電粒子線装置鏡筒、203:複数本プローブの制御部、204:プローブの機構部、205:プローブ、301:プローブ、302:プローブ、305:接触不可能領域、306:接触不可能領域

Claims (18)

  1. 試料を保持する試料ホルダと、
    集束した荷電粒子線を前記試料ホルダに保持された試料上に走査し、試料から発生した試料信号を検出して試料像を形成する手段と、
    前記試料像を表示する表示部と、
    試料に接触させるためのプローブと、
    前記プローブを駆動するプローブ駆動手段と、
    試料表面上における前記プローブの接触不可能な領域を、前記プローブの取り付け角度、前記プローブの寸法、前記試料ホルダの高さを含む情報をもとに計算する計算手段と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記プローブの接触不可能な領域を前記表示部に表示した前記試料像に重ねて表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、試料にガスを導入するガス導入部と、前記ガス導入部を移動するガス導入部駆動手段とを更に備え、前記計算手段は、試料上への前記ガス導入部の導入不可能な領域を、前記ガス導入部の取り付け角度、前記ガス導入部の寸法、前記試料ホルダの高さを含む情報をもとに計算することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項3に記載の荷電粒子線装置において、前記ガス導入部の導入不可能な領域を前記表示部に表示した前記試料像に重ねて表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、複数の試料ホルダの形状情報を記憶する記憶手段を有し、前記計算手段は、前記記憶手段から現在装着されている試料ホルダの形状情報を読み出して前記計算に使用することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記プローブを複数本備え、前記計算手段は、駆動対象のプローブが他のプローブとの干渉によって接触不可能な試料表面上の領域を、各プローブの取り付け角度及び各プローブの寸法を含む情報をもとに計算することを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6に記載の荷電粒子線装置において、前記プローブの接触不可能な領域を前記表示部に表示した前記試料像に重ねて表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 試料を保持する試料ホルダと、
    集束した荷電粒子線を前記試料ホルダに保持された試料上に走査し、試料から発生した試料信号を検出して試料像を形成する手段と、
    前記試料像を表示する表示部と、
    試料に接触させるためのプローブと、
    前記プローブを駆動するプローブ駆動手段と、
    前記表示部に表示された前記試料像に前記プローブが接触不可能な試料表面上の領域を重ねて表示する手段と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項8に記載の荷電粒子線装置において、前記試料ホルダの構造部と干渉することによって前記プローブが接触不可能な試料表面上の領域を前記試料像に重ねて表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項8に記載の荷電粒子線装置において、試料表面の凹凸と干渉することによって前記プローブが接触不可能な試料表面上の領域を前記試料像に重ねて表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項8に記載の荷電粒子線装置において、前記プローブを複数本備え、駆動対象のプローブが他のプローブとの干渉によって接触不可能な試料表面上の領域を前記試料像に重ねて表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項11に記載の荷電粒子線装置において、駆動対象のプローブを切り替えたとき、前記接触不可能な試料表面上の領域の表示を更新することを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項8に記載の荷電粒子線装置において、試料にガスを導入するガス導入部と、前記ガス導入部を移動するガス導入部駆動手段とを更に備え、前記表示部に表示された前記試料像に前記ガス導入部が接触不可能な領域を重ねて表示する手段を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 試料ホルダに保持された試料上に集束した荷電粒子線を走査し試料から発生した試料信号を検出して形成した試料像を表示部に表示し、
    試料に接触させるためのプローブが接触不可能な前記試料表面上の領域を計算し、
    前記計算された領域を前記表示部に表示された試料像に重ねて表示することを特徴とする試料像表示方法。
  15. 請求項14に記載の試料像表示方法において、前記計算は前記プローブの取り付け角度、前記プローブの寸法、前記試料ホルダの高さを含む情報をもとに行うことを特徴とする試料像表示方法。
  16. 請求項14に記載の試料像表示方法において、前記プローブを複数本備え、前記計算は、前記複数本のプローブのうち駆動対象のプローブが他のプローブとの干渉によって接触不可能な試料表面上の領域を各プローブの取り付け角度及び各プローブの寸法を含む情報をもとに行うことを特徴とする試料像表示方法。
  17. 請求項16に記載の試料像表示方法において、前記駆動対象のプローブを切り替えたとき、前記計算をやり直し、前記表示部に表示する前記プローブが接触不可能な前記試料表面上の領域の表示を更新することを特徴とする試料像表示方法。
  18. 請求項14に記載の試料像表示方法において、前記試料表面の高さ情報をレーザー顕微鏡を用いて取得し、前記試料表面の凹凸と干渉することによって前記プローブが接触不可能な試料表面上の領域を計算することを特徴とする試料像表示方法。
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