JP2010045000A - 投射型イオンビーム加工装置 - Google Patents

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広康 志知
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則幸 兼岡
Kaoru Umemura
馨 梅村
Koji Ishiguro
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Abstract

【課題】従来の投射型イオンビーム加工装置では大面積の高速イオンビーム加工は可能であったが、高分解能加工を要求される微細加工においてはイオンビーム電流の確保が難しく、大電流大面積高速加工と微細加工の両立が実現できていなかった。そこで、大電流大面積高速加工と微細加工を両立する投射型イオンビーム加工装置を提供する。
【解決手段】イオン源から試料ステージに向かって、 第1レンズ、第1マスク機構、第2レンズ、第2マスク機構、第3レンズとを順に配置し、高速加工のためには投射開口を第1マスク機構に搭載し、微細加工のためには第1マスク機構と第2マスク機構に細長い矩形開口を用いることで、高速加工と微細加工を両立することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、デバイス等の検査や不良解析等のために試料を加工するイオンビーム加工装置に関わる。
微細化が進む半導体デバイスの検査、解析に対するニーズが高まっている。その中でも不良原因を特定するための不良解析においては、デバイス内部の欠陥を直接観察することが必須技術となっている。これらの観察のためにはデバイスの観察目的位置を正確に微細加工する必要がある。従来この正確な微細加工を行う装置として使用されてきたのは集束イオンビーム(Focused Ion Beam、以下FIB)加工装置である。このFIBではサブミクロンオーダーに集束したイオンビームを静電偏向走査し試料に照射することにより目標位置を正確に加工することができるため、解析用の断面形成や解析用試料の作製等に用いられる。
また、この不良解析加工において、近年は更に短時間での解析試料作製ニーズが高まっている。即ち、歩留まり向上がデバイスコストに直結するため、短時間での不良原因特定はコスト削減に大きな影響を持つ。このため、高速な解析試料作製が期待されている。これを実現する加工装置として、例えば、特許文献1に記載されている投射型イオンビーム(Projection Ion Beam、以下PJIB)加工装置がある。これは上記のFIBのようにイオンビームを集束させて偏向走査することにより目的形状に加工するのではなく、予め決めた目的形状と相似形のマスクパターンを用意し、このマスクパターンを試料上に投射することにより一括加工するという装置である。加工速度は概略的には加工する面積にどれだけのイオンが照射されるかにより決まるものであり、すなわちイオンビーム電流が大きいほど高速加工が可能になる。ビーム径における単純なイオンビーム電流密度ではFIBの方がPJIBよりも大きいが、FIBのイオンビーム電流よりもPJIBのイオンビーム電流の方が大きくなるような面積の加工においては、単純にPJIB加工の方が速くなる。
即ち、数〜数10ミクロン領域の加工が必要な大面積加工では、PJIB加工の方が高速となるというメリットがある。このような大面積の加工は、例えば、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下SEM)等で試料断面を観察するための穴加工や、特許文献2に記載されているような試料の一部を試料片として摘出するマイクロサンプリングの加工においてよく利用され、PJIBの方がFIBと比較して高速に加工できる。また、PJIBを用いて急峻な断面加工を実現する構成が、特許文献3に記載されている。
特開平09−186138公報 特許第3547143号公報 特開2006−128068公報
上記のようにPJIBは大面積加工ではFIBに対して大電流高速加工が実現できるというメリットがある。しかし、デバイスの不良解析はこのような大面積加工だけで実現できるわけでは無い。透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、以下TEM)や走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope、以下STEM)等で不良解析を行う場合、その試料の実際に観察する領域は電子線が透過する厚さ、例えば数100nm程度にまで薄く加工する必要がある。またSEMで観察する断面も急峻な断面を加工する必要がある。
また、現在半導体デバイスの主流であるシリコンウェーハにおいて、従来FIBに用いられているようなガリウムイオンビームでは、加工時に汚染源となる可能性があり、一度加工したウェーハをプロセスラインに戻すことは好まれない。このため、汚染源とならないような不活性ガスや酸素、窒素等のイオンビームを形成することが望ましい。しかし、これらのガスイオンを生成するイオン源としてはプラズマイオン源等の採用が一般的であるが、このプラズマイオン源は従来のガリウムイオン源に用いられている液体金属イオン源と比較して、イオン源輝度が少なくとも2桁から3桁低くなる。
一方、上記のようなSEM、TEM、STEM等の試料作製のための高精度加工には、特許文献3でも述べられているように収差が小さくなるように光軸中心近くを通るイオンビームのみを使用する必要がある。このような高精度加工を実現する光軸中心近傍のみを使用する場合、プラズマイオン源等では特にビーム電流が少なくなるという問題がある。これを回避するために特許文献3では急峻さが要求される一方向のみ狭く、急峻さが要求されない方向には広い非対称なビームを形成することで面積を確保し、加工電流を確保するようにしている。
しかし、このように非対称マスク投射によって微細加工用の加工電流を数100pA確保する場合、急峻な方向のビーム幅はサブミクロン程度になる。しかし、現在の半導体デバイスは数10nmルールで作製されているため、加工位置分解能としては不足している。
以上のように従来は大電流高速加工と微細加工が両立できないため、それぞれ別々の装置を用意する必要があり、試料作製という目的のために装置コストが高いこと、またそれら装置間を試料移送する必要があり加工位置出しの手間が掛かること、自動化が難しいことといった問題点があった。
このため、本発明では、大面積加工での高速性能を有し、かつ高精度な微細加工を両立可能なPJIB装置および加工方法を提供することを課題とする。
これらの課題を解決するために、本発明では以下に述べるイオンビーム加工装置および加工方法を提供する。
投射イオンビーム装置として、イオン源と試料ステージとがあって、イオン源から試料ステージに向かって、 第1レンズ、第1マスク機構、第2レンズ、第2マスク機構、第3レンズとが、順に配置されており、第1マスク機構に搭載されるマスクは、試料上に投射するパターンを形成するためのマスク開口を有する構成とすることにより、大電流高速加工と微細加工を両立することが可能となる。
また、イオン源をガスイオン源とすることで、半導体加工等において加工イオンが汚染とならないようにすることができる。
また、イオン源をプラズマイオン源とすれば大電流を引き出すことができ、高速加工が実現できる。
また、第1マスク機構に加工用の投射パターン開口とイオン源制限開口を有し、開口を切替ると大電流加工と加工エッジが急峻な微細加工が両立できる。
また、イオン源制限開口と第2マスク機構の開口を共に一方向に狭く、上記方向と垂直な方向に長い非対称な矩形形状とすることで、一方向にのみ分解能が高く、且つイオン電流を確保した微細加工を実現できる。
また、第1レンズは、該第1レンズより上記イオン源側で最も小さい開口、例えばアノード開口、または引出し電極開口を第3レンズ中心に結像する条件とすると、大電流加工時に収差の少ない正確なパターン投射が可能となる。
また、第1マスク機構は大電流加工用開口を有し、上記第2マスク機構は微細加工用開口を有することで大電流高速加工と微細加工を両立することが可能となる。
また、第1レンズに大電流加工時は電圧を印加し、微細加工時は電圧を印加しないように切替えることで、大電流高速加工と微細加工を切替えることが可能となる。
また、第2レンズを加工位置決め時のレンズ効果よりも加工時のレンズ効果を小さくすることで、加工位置決め時は高分解能ビームを、加工時は電流を確保するビームを形成することができる。
また、第2レンズを加工位置決め時に第2マスク機構より上にビーム集束点を有する光学条件で使用することでより高分解能のビームを形成することができる。
また、第2レンズを加工時に第1マスク機構の開口を第3レンズ中心に結像する条件で使用することで、微細加工時に収差の少ない正確なパターン投射が可能になる。
また、第1及び第2マスク機構により加工位置決め時と加工時で開口切替を行わず、加工位置決め時よりも加工時にビーム電流を大きくするレンズ条件とすることで、開口位置の機械的誤差を含まず、加工位置決めモードと微細加工モードを切替えることが可能となる。
また、第2マスク機構がイオンビームを遮らない大開口を有し、大電流加工時に上記第2マスク機構は該大開口に切替えることで、大電流加工時に大きなイオンビーム電流を確保することができる。
また、さらに電子ビーム照射光学系とアシストガス供給源を有すること構成とすることで、不良解析等を行うべき位置を容易に認識でき、さらに加工すべき位置をマークすることができる。
さらに、電子ビーム照射光学系で生成される電子ビームの走査により電子ビームデポジション膜を形成し、電子ビームデポジション膜を微細加工断面位置を指定するマークとして使用し、マークの微細加工断面に平行な方向の長さが加工位置決め時の試料上のイオンビーム投射形状の長手方向の長さよりも長いマークを形成することにより、イオンビームによる加工位置決めにおいてマークが認識しやすくなり、正確な位置の加工試料を作製可能となる。
本発明によりイオンビーム加工装置の大面積高速加工と高精度微細加工が実現可能となり、1台の装置で簡便に不良解析が実現できるため、半導体プロセスでの歩留向上にも貢献できる。
イオンビーム加工装置において、2段のマスク構成、及び電気的光学条件切替により大面積高速加工と高精度微細加工を実現できるイオンビーム加工装置および方法の具体的実施例について以下説明する。
本実施例では本発明によるPJIB装置の構成について説明する。
図1に示すPJIB装置は、半導体ウェーハ等の試料101の試料基板を載置する可動の試料ステージ102と、試料101の観察、加工位置を特定するため試料ステージ102の位置を制御する試料位置制御装置103と、試料101にイオンビーム104を照射して加工を行うイオンビーム光学系105と、試料101からの2次電子を検出する二次電子検出器106を有する。二次電子検出器106は二次電子検出器制御装置107により制御される。イオンビームアシストデポジションやイオンビームアシストエッチングのために使用するアシストガスを供給するアシストガス源108はガス源制御装置109により制御される。また、加工試料の摘出や電気特性測定用のプローブ110はプローブ制御装置111により制御される。二次電子検出器制御装置107、ガス源制御装置109、試料位置制御装置103、プローブ制御装置110、また後述するイオンビーム光学系105の各構成要素の制御装置等は、中央処理装置112により制御される。ここで言う中央処理装置112とは例えばパーソナルコンピュータやワークステーション等が一般的には使用される。また、表示装置113を有する。試料台102、イオンビーム光学系105、二次電子検出器106、アシストガス源108等は真空容器114内に配置される。この構成によりイオンビーム光学系105で形成されたイオンビーム104を試料台102上に載置された試料101に照射して加工する。イオンビーム104の形状は第1マスク機構136、または第2マスク機構115に開けられた開口の形状で決定される。
次にイオンビーム光学系105の詳細について説明する。イオンを生成するのがイオン源116であり、イオン源制御装置117で制御される。本実施例ではプラズマイオン源の場合を示している。プラズマイオン源としては、デュオプラズマトロンや誘導結合型プラズマ型イオン源やペニング型イオン源やマルチカスプ型イオン源等、様々なイオン源を用いることが可能である。これらのプラズマイオン源は酸素や窒素や希ガス等といったガス材料のイオン源として主に用いられている。プラズマイオン源以外にもガス材料のイオン源としては電界電離イオン源等も利用される。また、金属等の材料のイオン源としては液体金属イオン源等も用いられ、本装置でも様々なイオン源の利用が可能である。イオンは引出し電極118を介してイオンビームとして引き出される。引き出されたイオンビームは第1レンズ電源119で制御される第1レンズ120を通して第1マスク駆動機構135で位置制御される第1マスク機構136に照射される。第1マスク機構136を通過したイオンビームは第1偏向器電源127で制御される第1偏向器128、第2レンズ電源129で制御される第2レンズ電源130を通り、第2マスク駆動機構125で位置制御される第2マスク機構115に照射される。第2マスク機構115を通過したイオンビームは、第2偏向器電源137で制御される第2偏向器138、ブランカ電源131で制御されるブランカ132、ビーム電流検出器133を接続したファラデーカップ134と通り、主偏向器制御装置123で制御される主偏向器124によりビーム位置を制御されて、第3レンズ電源121で制御される第3レンズ電源122により試料101上に投射される。
ここで、加工位置、即ち試料上のイオンビーム104の照射位置は、主偏向器制御装置123で制御される主偏向器124により決められる。主偏向器124は一般的にはイオンを偏向しやすい静電偏向器が用いられることが多い。上記第1マスク機構136、第2マスク機構115は複数種の開口を有することが一般的であり、開口の選択は第1マスク機構136、第2マスク機構115を移動することにより行う。これは1軸、または2軸で面内でスライドして、目的とする開口を選択できる構成となっている。
ここで、大電流加工の場合について説明する。大電流加工の一例としてマイクロサンプリング加工について図2を用いて説明する。
試料101の中の試料片摘出予定部201を摘出することが目的である(図2(a))。ここで試料ステージを傾斜させることにより試料101を傾斜させる(図2(b))。次に微小試料摘出予定部201を囲むようにコの字型のPJIB202により穴を形成する(図2(c))。次に、試料ステージの傾斜を戻してプローブ110を試料101に接触させる。ここで、アシストガス源108からデポジションガス205を供給しながら、イオンビーム203をプローブ110の接触部を含むように照射することにより、デポジション膜206により試料101とプローブ110が接続される(図2(d))。ここで、アシストガスとしては、例えばタングステンデポ膜を形成する場合はヘキサカルボニルタングステン、モリブデンデポ膜を形成する場合はヘキサカルボニルモリブデン、炭素膜を形成する場合はフェナントレンやピレン、酸化ケイ素膜を形成する場合はテトラエトキシシラン等、様々なガスを使用することが可能である。次に、PJIB207により試料101を切断する(図2(e))。こうして、試料片208を切り出し、プローブ110を上昇させ摘出する(図2(f))。次に、この切り出された試料片208を試料ホルダ210に接触させる。その接触部に上記図2(d)と同様にPJIB209を用いたアシストデポジションにより試料片208と試料ホルダ210を接着する(図2(g))。こうして固定した後、イオンビーム212によりプローブ110先端を切断、またはデポジション膜206を除去し試料片208を分離する(図2(h))。こうして、試料片208のマイクロサンプリングが完了する(図2(i))。上記説明では、試料片208の搬送にアシストデポジションによるプローブ110への接着を用いたが、これ以外の方法でも搬送は可能である。例えば、微小ピンセット等を用いることも可能であり、この場合はアシストデポジションが不要になるため、装置構成が容易になる、また搬送時間短縮になるといった効果がある。また、プローブ110を試料片208に接触させずに、アシストデポジションで橋渡しをして固定することも可能であり、この場合はプローブ110の分離時にプローブを切断せず、橋渡しのアシストデポジション膜を除去するだけで分離でき、プローブ110の損傷を抑えることができるという効果もある。
上記で説明した手順では始めに傾斜加工を行った後、垂直加工を行っているが、これは逆の順序でも摘出は可能である。即ち、例えばコの字型加工を試料表面上に垂直に行い、矩形加工を傾斜させて微小試料片を分離することも可能である。
ここで、図2で用いられたPJIBの形成について以下説明する。
図3は第1マスク機構に設置される第1マスク301のマスク開口を示したものである。図2のコの字加工のためのPJIB202形成のためには図3に示すコの字開口302がイオンビーム光軸に来るように第1マスク機構136を設定する。この場合、図1の第3レンズ122は、第1マスク機構136を試料上に投射するレンズ条件になるように第3レンズ電源121で制御される。第1マスク機構136の試料101上への投射の縮小倍率は、図4に示すように第3レンズ122面と試料101の距離Liを第3レンズ122面と第1マスク機構136の間の距離Lで割ったものになる。この図4では、レンズ効果が分かりやすいように光学レンズに見立てた楕円を記載しているが、実際にはこのような楕円があるわけではなく、例えば3枚電極で構成される形状等で静電レンズは形成されている。この構成では、第2マスク機構115に設置する場合と比較して、縮小倍率を小さくすることが可能になるため、大きなマスク開口を確保でき、大電流ビームを使用することができる。このため、高速加工が可能となる。このとき、第2マスク機構115はイオンビームを遮らないように図6の第2マスク601の大きなマスク開口602を選択しておくか、第2マスク機構115そのものが退避できるようにしておく。ここで、例えばイオン源としてデュオプラズマトロンの場合を図7に示すが、カソード701、中間電極702、磁石703、アノード704、制御電極705、引出し電極118で構成されている。このとき、第1レンズ120はイオン源116側で最もイオンビームが絞られているところ、図7のデュオプラズマトロンの場合は、アノード704電極穴等を第3レンズ中心に投射する条件になるように第1レンズ電源119を制御する。即ち図5の第1レンズ120を通る破線で示した集束条件となる。これはケーラー・イルミネーション条件と呼ばれ投射形状の収差を極小にする条件である。即ち、このケーラー・イルミネーション条件よりも第1レンズ120のレンズ効果が弱いと、光軸中心から見て外側がより外側に広がる形状(ピンクッション型)となり、ケーラー・イルミネーション条件よりも第1レンズ120のレンズ効果が強いと、光軸中心から見て外側がより内側に狭まる形状(樽型)となり、開口の正確な縮小形状の投射ができなくなる。このため第1レンズ120をケーラー・イルミネーション条件で使用することが有効である。
図2の他のPJIBも同様に図3の第1マスクの開口を選択して加工する。例えば、図2のPJIB207やPJIB209は図3の開口303や304等を使用する。また、図2のイオンビーム203や204は、図3の開口306や307等を使用する。また図2のPJIB209の加工等については、開口形状投射以外に、例えば丸い開口306等の投射パターンを主偏向器124で例えばライン走査等をすることにより加工しても良い。一方、試料101表面の観察は、観察用の微小開口307を試料101表面に投射して主偏向器124で走査し、その走査に伴い発生する二次電子を二次電子検出器106で検出し、これをコントラスト信号として表示装置113に画像化することにより、試料101表面の走査イオン像(Scanning Ion Microscopy像、以下SIM像と記載する)を取得することが可能である。この場合、画像分解能は第1マスク301の微小開口の大きさにより決まり、小さい方が分解能は高い。但し、小さい場合はイオン電流も減るため、S/Nは悪くなる。このSIM観察像を元にPJIBの加工位置を設定する。位置指定の簡単な方法は、例えば開口302で加工する場合は、まず開口302の試料上への投射で予備加工を行い、第1マスク機構136を開口307に切替えて主偏向器124走査でSIM像を得る。このとき観察される加工痕の座標を取り込む。
次に試料ステージ102を移動させ試料101の加工したい位置がSIM像内に入るようにする。そして、SIM像内の加工したい位置と先程取り込んだ加工痕の座標のSIM像上の差の分、主偏向器124電圧をシフトさせることで目標位置を加工することが可能となる。この場合、より容易には加工痕を取り込んだ形状をSIM像上にスーパーインポーズして、画面上でマウス等でドラッグアンドドロップで目標位置に移動させ、この移動量を主偏向器124の偏向電圧に換算するとユーザが設定しやすい。これらの加工位置指定では、第1マスク機構136の開口を位置指定時観察の開口307等と加工時の開口302等で切替えるわけであるが、切替の機械的位置再現性誤差は、投射縮小倍率分試料上の誤差は小さくなる。例えば切替の機械的位置再現性誤差がμmオーダ以下であれば、実際に図2のようなマイクロサンプルの周りの大電流加工位置は1μm以下の誤差では特に問題とならないため、このような第1マスク機構136の機械的切替で実用上問題ない。
こうして試料片のマイクロサンプリング加工が可能となるが、上記のように摘出された試料片は、これだけで解析の用いられるわけではなく、解析に最適な形状に加工されなければならない。例えば、微細構造の不良解析に使用されるSTEM等の場合、観察領域を数100nm程度の厚さ、代表的には100nm程度の厚さに加工する必要がある。この場合は、位置決め分解能を数10nmにする必要がある。ここで、図15を用いてSTEM等に用いる試料形態に加工するフローを説明する。図2の説明で摘出された試料片208に対し、まずは観察目標位置1504の片側を微細加工のための矩形のPJIB1501で加工する(図15(a))。次にもう片面もPJIB1501で加工する(図15(b))。この時点で観察目標位置の残っている厚さは例えばサブミクロンオーダである。さらに観察領域を薄くするために、より細い矩形のPJIB1502で片面を微細加工する(図15(c))。次にもう片面もPJIB1502で片面を微細加工する(図15(d))。以上の加工により、観察目標位置を厚さ100nm程度の薄膜部1503に加工することができる(図15(e))。以上では2段階の幅の異なるPJIBを利用した加工を説明したが、1種類のPJIBでも可能であり、逆により複数種のPJIBを用いても良い。さらに同じPJIBを、位置をずらしながら何度も照射して薄膜を追い込んでいくという手法も良く用いられる。以上のように微細加工を行うわけであるが、この微細加工の分解能を実現するためには上記の大電流加工時のように1段のレンズの投射では難しい。例えば、マスク開口は数ミクロン以上の開口が現実的である。これはイオンビームが照射されるためにマスク自身も損傷することを考えると、寿命の観点から100ミクロン以上のマスク厚みが望まれるが、この場合加工アスペクトの関係から10μm程度の開口が現実的となるためである。このマスクで例えば30nmの分解能を得ようとする場合、約1/300の縮小倍率が必要となるが、例えば図4の第3レンズ122面と試料101の距離Liが20mmとすると、第3レンズ122面と第1マスク機構136の間の距離Lは約6mが必要であり、装置としては非現実的なサイズとなるためである。このため、分解能を上げるためには1段レンズ投射ではなく、2段レンズ投射が必要であり、ここでは第2レンズ130と第3レンズ122で第1マスク機構136の開口を投射することで実現する。
即ち、図8(a)に示すように第1マスク機構136の開口を第2レンズ130で縮小し第2レンズ130直下に集束ポイントが来るように第2レンズ電源129を制御する。そして、この集束ポイントを試料101上に投射するように第3レンズ122の第3レンズ電源121を制御する。このように2段投射を行うことで、例えばLが数10cmのサイズでも1/数100という縮小倍率を稼ぐことができる。このように途中に集束ポイントを持つ2段投射を以下簡単のためにクロスモードと記載する。このクロスモードにより、PJIBは現実的な10μm程度の開口でも数10nmに絞ることが可能にはなるが、実際はビーム電流がpA以下のオーダに小さくなる。この場合、照射位置から発生する二次電子が少なくなるため、二次電子検出器106の信号による画像のS/Nが悪くなり、画像として認識することが困難になる。これを避けるためには、ビーム電流を増やす必要がある。
もちろんイオン源116の輝度を上げるという選択肢もあるが、実際プラズマイオン源等では輝度を桁で向上させることは難しい。このためイオン源輝度が上がらない条件で、ビーム電流を増やすためには、マスク開口の面積を広げる必要がある。ここで、分解能を保つ必要があるが、実際STEM試料等で高分解能加工が必要な方向は薄膜に対して垂直な方向であり、薄膜に平行な方向は1μm程度ずれたとしても、解析試料としては影響がない。即ち、高分解能が必要なのは1次元方向であることに着目すれば、それに垂直な方向には長さを稼いで矩形ビームとすることで開口面積を稼ぐことができる。即ち、図3の開口305のような細長い矩形開口を使用することで、例えば細い方向に数10nmの分解能を有し、数pAのビーム電流を確保することができる。こうして、高分解能観察が可能となる。
しかし、このクロスモードでは、上記の通り、数pAしか出ないため、薄膜加工にはこれでもビーム電流が足りない。このため、加工時には、図8(b)に示す加工ビーム電流を稼ぐ以下の光学条件とする。即ち、第2レンズ130をケーラー・イルミネーション条件とし、第2マスク機構115の開口を試料101上に投射する条件で第3レンズ122を用いる。このモードを以下簡単のために微細加工投射モードと記載する。ここで、第2マスク機構115の開口も電流を稼ぐために図6の開口606のように薄膜に垂直方向が狭く、平行方向が長い開口を用いる。ここで、上記クロスモードと微細加工投射モードの切替時には、第1マスク機構136と第2マスク機構115は機械的に開口の移動は行わず、第2レンズ130と第3レンズ122の条件、即ち、第2レンズ電源129と第3レンズ電源121の制御のみ変更する。微細加工投射モードの矩形加工位置とクロスモードの観察位置は、一度微細加工投射モードで矩形加工を行い、これをクロスモードで観察して、加工位置を画像として取り込むことにより、クロスモード観察像上でどこに加工されるかという相対位置を決定することができる。例えば、これは上記の通り、加工痕をクロスモード観察画面上でオペレータがトレースし、その形状をメモリして、その座標を偏向器電圧とリンクさせることで、加工時に観察像画面上でメモリした加工形状を呼び出して、画面上で加工形状をマウス等のドラッグで加工したい位置に移動させて、移動分を偏向器電圧にフィードバックして加工位置を指定できるようにする。もしくは、オペレータが加工痕をトレースしなくとも、エッジ抽出等の画像処理で加工位置をメモリすることも容易に可能である。この場合、クロスモードと微細加工投射モードで変更されるのは、上記の通り第2レンズ電源129と第3レンズ電源121と偏向器電圧であり、全て電気的に変更できるため、位置誤差は電源再現性に依存するが、一般的な装置であれば上記観察分解能以上に誤差が出ることはない。
一方、第1マスク機構136と第2マスク機構115を機械的に開口の移動を行うと、移動誤差に依存する加工位置誤差が出る危険があり、上記観察分解能以上に誤差が出る可能性がある。このため本実施例では第1マスク機構136と第2マスク機構115は機械的に開口の移動は行わず、第2レンズ130と第3レンズ122の条件、即ち、第2レンズ電源129と第3レンズ電源121の制御および偏向器電源のみ変更して、上記クロスモードと微細加工投射モードを切替えることが大きな特徴である。
また、このように第1マスク機構136の図3の開口305と第2マスク機構115の図6の開口606が同じ方向に狭く、同じ方向に長い矩形形状となることで、以下のような効果がある。微細加工投射モードの加工時に特に必要となるのは加工エッジの垂直性である。即ち、ビームには必ずボケによるビーム弛れが存在する。ビーム弛れとは即ちビームの輪郭でのビームプロファイルが急峻に変わらずに、ある幅を持って緩やかに変化してしまうものである。このビーム弛れが大きいと、目標位置を残すように加工しているにもかかわらず、目標位置にも薄いビームが当ってしまい損傷してしまう。また、その加工エッジもなだらかに斜めに加工されてしまい、薄膜加工の場合は試料表面近傍は薄くなっても、深いところは厚く残ってしまうという問題がある。このため、特に微細加工ではビーム弛れはできる限り小さい方が良い。
一方、ビーム弛れの原因となるのは、収差等であるが、プラズマイオン源等のように広い領域からイオンを引き出すようなイオン源の場合は、その引き出し穴のサイズ(以下、簡単のためにイオン源サイズと記載する)が大きいため、このイオン源サイズに伴うボケが最もビーム弛れに影響する。すなわち、ビーム弛れを小さくするためにはイオン源サイズを小さくすれば良い。但し、小さなイオン源サイズの構成とすると、上記で説明した試料片摘出加工のような高速加工が必要な場面で、ビーム電流が確保できなくなるという問題となる。イオン源サイズが変更できるような構成にするというのは一つの手であり有効である。しかし、実際プラズマを形成する高電圧を印加する場所に交換機構を設けるのは難しいため、微細加工時に擬似的にイオン源サイズが小さくできた方が良い。この効果を第1マスク機構136の矩形開口305が果たしていることになる。即ち、図8の(b)の微細加工投射モードでは、開口305は投射用のパターン開口ではなく、イオン源制限開口としての役割となる。こうすることで、薄膜に垂直な方向は、第1マスクの開口305も狭いため、ビームエッジの弛れが小さく急峻な加工が可能となる。一方、薄膜に平行な方向は第1マスクの開口305も広いため、ビームエッジの弛れは大きくなるが、これは上記の分解能の説明でも記載したとおり、この方向の加工精度は大きく問題にならない。
このため、薄膜加工すべき試料の薄膜に垂直な方向に狭く、薄膜に平行な方向に広い矩形の開口を第1マスク機構136および第2マスク機構115の両方に用いることで、急峻なエッジを有する薄膜を形成することができる。例えば、図15の薄膜加工に用いたPJIBとしては、PJIB1501の形成には、図3の開口304と図6の開口605、さらに細いPJIB1502の形成には、図3の開口305と図6の開口606を用いている。以上は矩形開口の例を説明したが、これは、矩形に留まらず、図6の開口603、604のように楕円形状でも同様に一方向のみ分解能が高く、ビーム電流を稼ぐ構成とすることもできる。また、図示していないが、この楕円形状は第1マスク機構136の開口としても使用可能である。
このように、図8の(a)のクロスモードで加工位置決めを行い、図8の(b)の微細加工投射モードで加工することにより高い位置決め精度で微細加工を実現することができる。
以上のように、高速加工と微細加工を本実施例の装置で実現できるが、実際にどのような光学条件で加工がされているかを分かりやすく示すとユーザにとっても操作がしやすくなる。例えば、図9のようなGUIにすると良い。観察像表示領域901に試料表面画像が表示され、第1マスク機構の開口一覧が領域902に、第2マスク機構の開口一覧が領域903に表示される。ここで、現在選択されている開口が例えばハイライト904、905で示される。逆にマウス等で開口をクリックして選択することによりイオンビーム光軸に挿入する開口をユーザが指定することもできる。このときの、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズのレンズ電圧は領域906、907、908に表示されている。これも逆に数値入力等によりレンズ電圧を指定することも可能である。他にも、図10に示すように第1マスク機構と第2マスク機構の選択されている開口が領域1001、1002に表示されていても良く、他にも形状ではなく数値等のインデックスで開口を表示していても良い。
また、図11のようにユーザが加工のプルダウンメニュー1101から加工したいメニュー、例えばマイクロサンプリング加工や薄膜加工等をマウス等で選択し、その時に選択された光学条件を領域1102、1103、1104、1105、1106等に表示することもできる。また、図12に示すように現在選択されている光学条件で加工される形状、位置等を、観察像表示領域1201にスーパーインポーズで形状1202を表示し、ユーザがこの形状1202をマウス等のドラッグアンドドロップで加工したい位置に配置することで、図1の主偏向器電源123を設定して、目標位置の加工を行うことができる。
以上、本実施例では2段マスクと3段レンズで構成される光学系で効果を説明したが、マスクやレンズをこれ以上の数で構成しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本実施例のように装置を構成することで、大電流の高速加工と、高精度な微細加工を両立する投射イオンビーム加工装置を実現することが可能になる。
本実施例では、本発明による、より高精度な微細加工を実現する投射イオンビーム加工装置について説明する。
実施例1ではPJIBにより加工位置を認識したが、上記の通り、高分解能観察できるのは1次元方向であり、試料上の微細なデバイスパターンを正確に読み取って微細加工位置を決めるのは難しい。そこで、同じ装置内に微細加工位置を決めるSEMを有する装置構成について以下説明する。
図1の投射イオンビーム加工装置とSEMの複合装置の例を図13に示す。本実施例の複合装置は、真空容器114上に設けられたイオンビーム光学系105と電子ビーム光学系1301、二次電子検出器1307とを有し、SEM機能により試料101の不良部等を検出、観察することができる。電子ビーム光学系1301は電子ビーム光学系制御装置1306で制御される。こうして検出された不良部等の中で試料内部を観察すべき場所について、イオンビーム光学系105を用いて断面加工、または実施例1で述べたマイクロサンプリング法等の微小試料片摘出手法によって解析試料に加工する。ここでは、非傾斜試料台でも試料摘出可能なように傾斜したイオンビーム光学系105を有する例を示している。図13に示す本実施例では、電子ビーム光学系1301とイオンビーム光学系105が異なる位置にビームを照射する構成となっている。即ち、試料内の同一位置にビームを照射するためには試料台102を移動する必要がある。ただ、この構成では電子ビーム光学系1301とイオンビーム光学系105が機械的に干渉することが無いため、各々の光学系出口から試料までの距離を短くすることができる。これにより高分解能化や大電流化がやり易くなるという特徴がある。一方、図には記載していないが、電子ビームとイオンビームが同じ点に照射可能な構成としても良い。この場合は、光学系同士の機械的干渉を避けるために光学系先端を細くしたりすることが必要となるが、イオンビーム加工部をその場で電子ビームで観察できるという長所がある。
図13中の101〜138の符号は図1の同番号の符号と同じであり、ここでは説明を省略する。アシストガス源1303は電子ビームアシストデポジションや電子ビームアシストエッチングのために使用するアシストガスを供給する。試料101の高さを計測する高さセンサ1305は高さセンサ制御装置1304で制御される。本装置は検出された不良部を同一装置内のその場で不良解析まで一貫して行えるため、短時間での不良解析が可能となる。ここで、検査に電子ビーム1402を用いている理由は、イオンビームと異なり検査試料ウェーハを損傷させないこと、また現在の装置では一般的にイオンビームより分解能が高いこと等が理由である。
こうして電子ビーム1302を用いて検出された不良部の位置座標をステージ位置制御装置103から中央処理装置112に送りメモリしておく。但し、微細化が進む近年のデバイスでは不良解析すべき位置に必要な精度がサブミクロン以下であるためステージの絶対精度だけで加工すべき位置を特定することは難しい。このため、以下のような手法を用いることで、加工位置の高精度化が可能となる。まず、電子ビーム1302で特定した解析位置を目標とし、アシストガス源1303からアシストデポジションガスを供給し、解析位置近傍に電子ビーム1302を照射して電子ビームアシストデポジション膜によりマーキングすることで、不良位置を正確に特定するマークを形成しておく。このとき、マークは図14に示すように薄膜位置1401に平行に長いマーク1402、1403を形成する。これは、実施例1でも述べたとおり、PJIBの観察像はPJIBの微細加工分解能が薄膜に垂直な方向のみ高く、薄膜と平行な方向はPJIBの長手方向分の長さが平均化されたコントラストとなるため、PJIB矩形パターンの長手の長さよりマークが短いと、デバイス表面コントラストとマークのコントラストが平均化され認識しづらくなるためである。もちろん、この微細マークを認識しやすくするために、周りにさらに大きなマーク1404、1405等を形成することも有効である。また、解析位置とマークを含むSEM像を取得し、中央処理装置112に送りメモリしておく。こうすることで、検出した解析位置をイオンビームで加工して解析することができる。即ち、イオンビーム104の照射位置に検出された解析が来るように、中央処理装置112に記録された不良部の位置座標にステージ位置制御装置103の制御で試料台102を移動する。ステージ位置精度にもよるが、一般的にはこのステージ移動により解析位置、即ち上記電子ビームアシストデポジションによるマークがPJIB走査領域内に入る。ここでSIM像を取得し、予め中央処理装置112に記録されていたSEM像と比較することで、マーク位置から加工すべき解析位置を特定することができ、不良解析が可能となる。
このように不良検出から不良解析までを容易に実現することができる。さらにここで加工に使用するイオンビームを試料を汚染しないイオン、例えば酸素や窒素やアルゴン等を用いることで、試料ウェーハを汚染することなく検査から解析まで行うことが可能であるため、解析後のウェーハを製造プロセスラインに戻すこともできるなどの特長を持つ。
また、実施例1の試料片摘出はステージを傾けることで図2のマイクロサンプリング加工を行ったが、図13のように試料ステージ102に対して傾斜して設置された光学系105を用いることにより、ステージ回転との組合せで試料片を摘出することも可能である。この場合は、ステージに傾斜機構が不要となることから、装置コスト削減が可能となる。これは特に大型のステージでは顕著となり、例えばφ300mm、450mm等の大型ウェーハ対応ステージでは傾斜時の振動等も抑制できることから、加工精度も上げることが可能となるという特長を有する。
本実施例で説明したSEMによるマーク形成を可能とする装置構成とすることで、より高精度な加工位置認識が可能となり、PJIBによる高精度試料作製を実現することが可能となる。
本発明は半導体プロセスの検査、解析に効果を発揮するため、半導体製造メーカでの歩留向上のために利用でき、コスト削減等に大きく寄与できると考える。
本発明によるPJIB装置の構成例を示す図。 マイクロサンプリング加工フローを示す図。 本発明による第1マスク開口の例を示す図。 マスク投射倍率を説明する図。 本発明による高速加工光学条件を示す図。 本発明による第2マスク開口の例を示す図。 デュオプラズマトロンの構成例を示す図。 本発明による微細位置決め・微細加工光学条件を示す図。 本発明による光学条件表示の例を示す図。 本発明による光学条件表示の例を示す図。 本発明による加工メニュー選択表示の例を示す図。 本発明による加工位置設定表示の例を示す図。 本発明によるPJIB−SEM複合装置の構成例を示す図。 本発明によるSEMマークの例を示す図。 本発明による薄膜加工の例を示す図。
符号の説明
101…試料、102…試料ステージ、103…試料位置制御装置、104…イオンビーム、105…イオンビーム光学系、106…二次電子検出器、107…二次電子検出器制御装置、108…アシストガス源、109…ガス源制御装置、110…プローブ、111…プローブ制御装置、112…中央処理装置、113…表示装置、114…真空容器、115…第2マスク機構、116…イオン源、117…イオン源制御装置、118…引出し電極、119…第1レンズ電源、120…第1レンズ、121…第3レンズ電源、122…第3レンズ、123…主偏向器制御装置、124…主偏向器、125…第2マスク制御装置、127…第1偏向器電源、128…第1偏向器、129…第2レンズ電源、130…第2レンズ、131…ブランカ制御装置、132…ブランカ、133…ビーム電流検出器、134…ファラデーカップ、135…第1マスク制御装置、136…第1マスク機構、137…第2偏向器電源、138…第2偏向器、201…試料片摘出予定部、202…PJIB、203…イオンビーム、205…アシストガス、206…デポジション膜、207…PJIB、208…試料片、209…PJIB、210…試料ホルダ、211…デポジション膜、212…イオンビーム、301…第1マスク、302,303,304,305,306,307…開口、101…試料、120…第1レンズ、122…第3レンズ、130…第2レンズ、136…第1マスク機構、115…第2マスク機構、120…第1レンズ、601…第2マスク、602,603,604,605,606,607…開口、701…カソード、702…中間電極、703…磁石、704…アノード、705…制御電極、101…試料、115…第2マスク機構、120…第1レンズ、122…第3レンズ、124…主偏向器、130…第2レンズ、136…第1マスク機構、901…観察像表示領域、902,903…領域、904,905…ハイライト、906、907、908…領域、1001,1002…領域、1101…メニュー、1102,1103,1104,1105,1106…領域、1201…観察像表示領域、1202…形状、101…試料、102…試料ステージ、103…試料位置制御装置、104…イオンビーム、105…イオンビーム光学系、106…二次電子検出器、107…二次電子検出器制御装置、108…アシストガス源、109…ガス源制御装置、110…プローブ、111…プローブ制御装置、112…中央処理装置、113…表示装置、114…真空容器、115…第2マスク機構、116…イオン源、117…イオン源制御装置、118…引出し電極、119…第1レンズ電源、120…第1レンズ、121…第3レンズ電源、122…第3レンズ、123…主偏向器制御装置、124…主偏向器、125…第2マスク制御装置、127…第1偏向器電源、128…第1偏向器、129…第2レンズ電源、130…第2レンズ、131…ブランカ制御装置、132…ブランカ、133…ビーム電流検出器、134…ファラデーカップ、135…第1マスク制御装置、136…第1マスク機構、137…第2偏向器電源、138…第2偏向器、1301…電子ビーム光学系、1302…電子ビーム、1303…アシストガス源、1304…高さセンサ制御装置、1305…高さセンサ、1306…電子ビーム光学系制御装置、1307…二次電子検出器、1401…薄膜位置、1402,1403,1404,1405…マーク、208…試料片、1501、1502…PJIB、1503…薄膜部、1504…観察目標位置。

Claims (20)

  1. イオン源と、
    試料を保持する試料ステージと、
    前記イオン源と前記試料ステージとの間の光軸上にあって、前記イオン源側に設けた第1レンズおよび前記試料ステージ側に設けた第3のレンズと、
    前記第1のレンズと前記第3のレンズとの間に設けられた第2のレンズと、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられた第1マスク機構と、
    前記第2のレンズと前記第3のレンズとの間に設けられた第2マスク機構とを有し、
    前記第1マスク機構は、所定の開口パターンを具備した開口マスクを有し、前記イオン源から放射され前記開口マスクを通過したイオンビームにより前記試料を前記所定の開口パターンに加工することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  2. 請求項1記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記イオン源は、ガスイオンを生成するイオン源であることを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  3. 請求項1記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記イオン源は、プラズマイオン源であることを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第1マスク機構が有する開口マスクは、加工用の投射パターン開口とイオン源制限開口とを有し、
    前記投射パターン開口と前記イオン源制限開口との切替えを行う切替え機構を有することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  5. 請求項4記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記イオン源制限開口および前記第2マスク機構が有する開口マスクの開口のそれぞれは、第1の方向の辺の長さが、前記第1の方向に垂直な第2の方向の辺の長さより短い非軸対称な矩形形状を有することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  6. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第1レンズは、該第1レンズより前記イオン源側で最も小さい開口を前記第3レンズ中心に結像する条件で使用することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  7. 請求項6記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記イオン源側で最も小さい開口は、アノード開口、または引出し電極開口であることを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  8. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第1マスク機構が有する開口マスクは、大電流加工用開口を有し、
    前記第2マスク機構が有する開口マスクは、微細加工用開口を有することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  9. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第1レンズは、大電流加工時には電圧が印加され、微細加工時には電圧が印加されないことを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  10. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第2レンズは、加工位置決め時のレンズ効果よりも加工時のレンズ効果を小さくすることを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  11. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第2レンズは、加工位置決め時に前記第2マスク機構より前記第1レンズ側にビーム集束点を有する光学条件で使用されることを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  12. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第2レンズは、加工時に前記第1マスク機構の開口を前記第3レンズ中心に結像する光学条件で使用することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  13. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第1及び第2マスク機構は、加工位置決め時と加工時で開口切替えを行わず、前記加工位置決め時よりも加工時はビーム電流を大きくするレンズ条件とすることを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  14. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第2マスク機構は、前記第1マスク機構を通過したイオンビームを遮らない大開口を有し、大電流加工時に前記第2マスク機構は該大開口に切替えて使用することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  15. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    さらに電子ビーム照射光学系とアシストガス供給源とを有することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  16. イオンビームを放射するイオン源と、
    試料を保持する試料ステージと、
    前記イオン源と前記試料ステージとの間の光軸上にあって、前記イオン源側に設けた第1レンズおよび前記試料ステージ側に設けた第3のレンズと、
    前記第1のレンズと前記第3のレンズとの間に設けられた第2のレンズと、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられ、所定の開口パターンを具備した第1の開口マスクを有する第1マスク機構と、
    前記第2のレンズと前記第3のレンズとの間に設けられ、所定の開口パターンを具備した第2の開口マスクを有する第2マスク機構と、を有し、
    前記試料に多量のイオンビームを照射する大電流モード時には、前記第1のレンズおよび前記第3のレンズに電圧を印加し、
    前記大電流モード時よりイオンビーム量が少なく前記試料を微細に加工する微細加工モード時には、前記第2のレンズおよび前記第3のレンズに電圧を印加することにより、前記試料上に前記イオンビームが結像する光学条件を設定することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  17. 請求項16に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第1マスク機構が有する開口マスクは、大電流加工用開口を有し、
    前記第2マスク機構が有する開口マスクは、微細加工用開口を有することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  18. 請求項16に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記第1マスク機構が有する開口マスクは、加工用の投射パターン開口とイオン源制限開口とを有し、
    前記投射パターン開口と前記イオン源制限開口との切替えを行う切替え機構を有することを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  19. イオン源と、
    試料を保持する試料ステージと、
    前記イオン源と前記試料ステージとの間の光軸上にあって、前記イオン源側に設けた第1レンズおよび前記試料ステージ側に設けた第3のレンズと、
    前記第1のレンズと前記第3のレンズとの間に設けられた第2のレンズと、
    前記第1、第2、および第3のレンズのそれぞれを制御する第1、第2、および第3のレンズ電源と、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられ、所定の開口パターンを具備した第1の開口マスクを有する第1マスク機構と、
    前記第2のレンズと前記第3のレンズとの間に設けられ、所定の開口パターンを具備した第2の開口マスクを有する第2マスク機構と、
    前記レンズ電源に印加するレンズ電圧および前記開口パターンを含む情報をGUI画面に表示する表示手段とを有し、
    前記表示手段を用いて、前記試料の加工形状を決定する開口パターンの選択と、前記イオン源から放射され前記試料に照射されるイオンビームの光路を制御するレンズ電圧の設定を行うことを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
  20. 請求項19に記載の投射型イオンビーム加工装置において、
    前記表示手段のGUI画面に、前記試料の加工の種類を表示するメニューを有し、前記メニューから選択された加工に対応するレンズ電圧、開口パターンを含む光学条件が設定されると共に、前記GUI画面上に表示されることを特徴とする投射型イオンビーム加工装置。
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