JP2007178330A - オゾン水濃度測定器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オゾン水濃度測定器100は、超音波を発生する超音波振動子2の変移端に、検出電極3及び比較電極4が設けられ、超音波振動子2に所定周波数の電力を供給して振動させるとともに、検出電極3及び比較電極4をオゾン水に浸すことによって発生する起電力からオゾン水のオゾン濃度に比例した電気信号を得る。
【選択図】図1
Description
そこで、発明者等は簡単にオゾン水濃度を電気信号に変換する電極法を考案し、この電極法が実用化されている。電極法は流動しているオゾン水流中に検出電極と比較電極を浸し、検出電極を金又は白金で構成し、比較電極を銀又は塩化銀によって構成し、両電極間にオゾン濃度に比例した電圧変化を得るものである(例えば、特許文献1参照)。
そこで、発明者等は、上記特許文献1に記載の電極法による測定器を試みたが、流速をもつオゾン水中に電極を浸し、電極と流れるオゾン水流との相対速度が適当でないと正確なオゾン水濃度を検出することは困難であり、静止したオゾン水中のオゾン水濃度測定には適さなかった。また、連続長期間運転した場合、電極の表面にオゾン水中のカルシウムやマグネシウム等が付着して感度が低下するなどの難点があることが判明した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、静止したオゾン水中や流速の変化するオゾン水中でも、オゾン濃度の変化に迅速に追従して、極めて正確に測定でき、また、電極表面への微粒子の付着を防止することのできるオゾン水濃度測定器を提供することを目的としている。
超音波を発生する超音波振動子2と、
前記超音波振動子の変移端に設けられた検出電極3及び比較電極4とを備え、
前記超音波振動子を振動させるとともに、前記検出電極及び比較電極をオゾン水に浸すことによって発生する起電力からオゾン水のオゾン濃度に比例した電気信号を得ることを特徴とする。
また、検出電極及び比較電極の超音波振動により、各電極表面へのカルシウムやマグネシウム等の微粒子の付着を防止することができ、長時間の連続運転においても微粒子の付着による測定性能の低下を抑制することができる。
前記超音波振動子がランジュバン型超音波振動子であることを特徴とする。
また、ランジュバン型超音波振動子を使用することにより、構造が単純で、扱い易く、製作も簡易となる。
前記検出電極が金製又は白金製であることを特徴とする。
前記比較電極が塩化銀を被覆した銀製であることを特徴とする。
前記検出電極及び比較電極の表面洗浄時には、オゾン水のオゾン濃度測定時に比して、高出力で超音波振動子を振動させることを特徴とする。
前記検出電極及び比較電極の表面洗浄時には、オゾン水のオゾン濃度測定時の周波数より高い周波数で超音波振動子を振動させることを特徴とする。
また、検出電極及び比較電極の超音波振動により、各電極の表面への微粒子の付着を防止でき、長時間の連続運転でも性能が低下することなく測定することができる。
さらに、極めて小型であり、超音波発生に要する電力も少ないので、電池駆動又は太陽電池の微弱な電力でも運転でき、例えば非常災害用の雨水貯蔵槽のオゾン水による殺菌の監視や、医療や介護用のオゾン水容器のオゾン濃度の常時監視など多くの用途に利用することができる。
図1(a)は、本発明の実施の形態におけるオゾン水濃度測定器100を模式的に示した側面図、(b)は、(a)の要部拡大図である。
本発明に係るオゾン水濃度測定器100は、水槽1内に満たされたオゾン水のオゾン濃度を測定する測定器であって、超音波を発生する超音波振動子2と、超音波振動子2の変移端(下端部)に設けられた検出電極3及び比較電極4と、超音波振動子2に所定周波数の電力を供給して振動させる発信電源5とを備えている。
そして、超音波振動子2に電流を印加することによって一方の振動子21aが伸びるとともに他方の振動子21bが縮み、下端部ほど振幅が大きくなる構造となっている。本発明ではこのような振動子21a,21bの曲がる現象を利用している。
また、一方の振動子21aの下端部には検出電極3が固定され、他方の振動子21bの下端部には比較電極4が固定されている。
比較電極4としては、銀の表面に塩化銀被覆した電極を使用することが好ましい。検出電極3及び比較電極4は、各種金属を直線状に形成したものを使用することができる。
このような検出電極3及び比較電極4は、各振動子の下端部に互いに平行となるように取り付けられている。
また、検出電極3の一方の端部には、電流計(図示しない)の正極に結線され、比較電極4の一方の端部には、電流計の負極に結線され、電流計にはその測定値がオゾン水の濃度に合うように指示された濃度指示計7が設けられている。
また、検出電極3及び比較電極4が超音波振動することから、各電極3,4表面へのカルシウムやマグネシウム等の微粒子の付着を防止することができ、長時間の連続運転においても微粒子の付着による測定性能の低下を抑制することができる。
また、超音波振動子2としてランジュバン型超音波振動子を使用しているので、耐オゾン性に優れ、オゾンによる酸化を防ぐことができる。また、弾性にも富み、十分な振幅を取ることができ、検出性能を向上させることができる。また、構造も単純となり、扱い易く、製作も簡易となる。
さらに、表面洗浄時には、オゾン濃度測定時に比して投入電流を上げて高出力とするか、あるいは、高周波数で超音波振動子2を加振させることにより、各電極3,4の表面へのカルシウムやマグネシウム等の微粒子の付着を確実に防止することができる。
[実施例]
図1に示す超音波振動子2には、幅3mm、厚み約1mm、長さ35mmのジルコン酸塩の焼成片が二枚貼られているランジュバン型超音波振動子を使用し、その下端部に太さ1mmの金線を検出電極3として設け、さらに、太さ1mmの銀線に塩化銀加工をしたものを比較電極4として、これら検出電極3及び比較電極4を互いに平行となるように固定した。このような超音波振動子2は約50kHzに共振点があるので、発信電源5よりパルス電流を供与したところ、非常に少ない電流で振動を開始でき、1ppm当たり約15μAの出力を得ることができた。
一方、比較として、発信電源5の電源を切断し、超音波振動子2を静止状態としたところ、電流値が急激に減少し、数μAの出力が不安定に推移した。これは明らかに電極3,4の界面にイオン・クラウドと称するイオン停滞部が発生して起電を妨げていることが原因であり、本発明のように超音波振動子2の先端の微細振動がイオン・クラウドの発生を防止し、安定したオゾン濃度と比例した起電が可能となることが認められる。
さらに、水槽1中に約二週間、オゾン水濃度測定器100を静止状態で放置したところ、オゾン水濃度測定器100を起動しても出力が約70%に落ちる現象が観察されたので、顕微鏡で電極3,4を調べたところ、電極3,4の表面にカルシウムの白い汚染が見られた。そこで、これを超音波振動で除去する実験を行ったところ、投入電流を上げて振幅を大きくする方法でも除去することができたが、さらに、基本共振点(50kHz)の3倍の150kHZの加振で、急速に付着物が脱落し、電極、特に検出電極3の金線がもとの光輝状となり、同時に出力も回復することが観察された。
以上の結果から、上述した本発明の効果が明らかに認められる。
上記実施の形態において、軸受け7として一対の挟持部材73を使用したが、図2に示すピボットを使用しても良い。ピボットとしては、例えば、先端の尖った側面視略山形状のピボット73Aや棒状のピボット(図示しない)等が挙げられる。このようなピボット7Aは、例えば、測定器本体6Aの下端部に形成されて、超音波振動子2Aの上端部が挿入される凹部71Aを形成する互いに対向する壁面72A,72Aにそれぞれ取り付け、超音波振動子2Aの上端部に形成された挿入穴22Aにピボット73Aの先端を挿入し、これによって超音波振動子2Aの上端部を挟持するとともに超音波振動子2Aの下端部を可動自在に支持させるようにする。
その他、上記ピボット7A以外に図3に示すように、シリコンゴムや樹脂等のパッキン材73Bを使用しても良い。パッキン材73Bを使用することにより、超音波振動子2Bを柔らかく保持することができ、また、上述のように超音波振動子2Aの上端部にピボット用の挿入穴22Aを形成する必要もない点で好ましい。パッキン材73Bは、測定器本体6Bの凹部71Bを形成する互いに対向する壁面72B,72B間にそれぞれ取り付け、超音波振動子2の表面をパッキン材73B,73B間に挿入して、その上端部を挟持するようにすれば良い。
なお、図2及び図3において、図1と同様の構成部分には英字のみを変更して同様の数字を付している。
さらに、検出電極3,3A,3B及び比較電極4,4A,4Bは、直線状の電極としたが、例えば各種金属線をコイル状に巻いたものを使用しても良い。この場合、各電極の表面積が大きくなるので、出力が大きく安定した起電力を得ることができ、アナログ又はデジタルの表示機器を駆動することができる。また、各電極3,3A,3B,4,4A,4Bの金属材料の使用量を少なくすることができる。その他、板状の電極としても構わない。
3 検出電極
4 比較電極
100 オゾン水濃度測定器
Claims (6)
- 超音波を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子の変移端に設けられた検出電極及び比較電極とを備え、
前記超音波振動子を振動させるとともに、前記検出電極及び比較電極をオゾン水に浸すことによって発生する起電力からオゾン水のオゾン濃度に比例した電気信号を得ることを特徴とするオゾン水濃度測定器。 - 前記超音波振動子がランジュバン型超音波振動子であることを特徴とする請求項1に記載のオゾン水濃度測定器。
- 前記検出電極が金製又は白金製であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン水濃度測定器。
- 前記比較電極が塩化銀を被覆した銀製であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン水濃度測定器。
- 前記検出電極及び比較電極の表面洗浄時には、オゾン水のオゾン濃度測定時に比して、高出力で超音波振動子を振動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のオゾン水濃度測定器。
- 前記検出電極及び比較電極の表面洗浄時には、オゾン水のオゾン濃度測定時の周波数より高い周波数で超音波振動子を振動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のオゾン水濃度測定器。
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