JP2007175862A - 微小構造体及びその作製方法並びに微小電気機械式装置 - Google Patents

微小構造体及びその作製方法並びに微小電気機械式装置 Download PDF

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Abstract

【課題】構造層の剪断応力を高めた微小構造体及びその作製方法並びに微小電気機械式装置を提供することを課題とする。
【解決手段】基板上に犠牲層を形成し、犠牲層上に金属膜を形成し、金属膜にレーザ照射を行い、金属膜の針状結晶を低減又は除去し、前記金属膜をエッチングして所定の形状に加工した金属層を形成し、その後、犠牲層を除去する。以上により、微小構造体の可動部の破断に対する耐性が向上した信頼性に優れる微小電気機械式装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ照射された微小構造体及びその作製方法並びに微小電気機械式装置に関する。
近年、マイクロスイッチ、アクチュエータ、圧力センサ、加速度センサをはじめとするいわゆるマイクロエレクトロメカニカルシステム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)と呼ばれる微小電気機械システムを用いたデバイスが様々な分野で応用されている。
MEMSは、犠牲層上に構造層を形成した後、エッチングにより犠牲層を除去してできた空間に立体的に構造層を形成することで駆動する。
このようなMEMSの動作部分に用いられる構造層として、タングステン(W)やモリブデン(Mo)などの金属が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。タングステンとモリブデンは、同じ6族元素であり、共に高融点(W:融点3430℃、Mo:2620℃)で機械的強度が高いという性質を有する。
特許文献1では、圧電膜の上下に接する電極にタングステンやモリブデンなどの金属を、例えばCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法などの気相合成法により形成している。MEMSの製品化においてコスト、簡便さ、歩留まりなどを考慮すると、スパッタリング法を用いてこれらタングステン膜やモリブデン膜を形成するのが好ましい。
特開2005−210614号公報
しかしながら、タングステン膜やモリブデン膜などの金属層をスパッタリング法により形成すると、このような金属は基板に対して垂直な方向に針状に結晶成長しやすい。
図12(A)、(B)に、基板上にスパッタリング法によりモリブデン膜及びタングステン膜を400nm成膜した層の破断面を観察した走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)写真を示す。図12(A)は、モリブデン膜であり、図12(B)は、タングステン膜である。図12(A)では、小さいものでおよそ30nm程度の幅の結晶が、図12(B)では、およそ50nm程度の幅の結晶が針状に成長している様子が観察される。
モリブデン膜やタングステン膜は結晶粒界が脆弱であり、このような針状結晶は、その結晶の配向した方向の剪断応力に弱い。そのため、MEMSスイッチなどの可動部にスパッタリング法により形成されたタングステン膜やモリブデン膜からなる構造体をそのまま用いると、構造体が直ちに破断してしまうため、構造体としては不向きである。
特にガラス基板やプラスチック基板が溶融しないような比較的低温でモリブデン膜やタングステン膜などの金属層を上記基板上にスパッタリング法により形成すると、金属層は針状に成長しやすい。したがって、ガラス基板やプラスチック基板上にスパッタリング法により金属層を形成する場合、比較的低い温度で金属層を形成する必要があるため、構造体にこのような金属層を用いると、構造体の破断の問題はより顕在化する。
本発明は、上記課題に鑑み、微小電気機械式装置の微小構造体に用いられるモリブデン膜やタングステン膜などの金属層の破断に対する強度を改善することを課題とする。
本発明は、微小構造体に用いられる構造層としてタングステン膜やモリブデン膜などの金属層を用い、前記金属層にレーザ照射を行うことを特徴とする。
本発明は、基板上に犠牲層を形成し、前記犠牲層上に金属膜を形成し、前記金属膜にレーザ照射を行い、前記金属膜を所定の形状に加工して金属層を形成し、前記犠牲層を除去することを特徴とする。
こうすることで、板状結晶を有する金属層を得ることができる。言い換えると針状結晶を低減或いは除去させた金属層を得ることができる。したがって、この金属層を微小構造体の構造層に用いることにより破断に強い微小電気機械式装置を得ることができる。
本発明は、金属膜として、W、Moの他にもTi、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は前記金属材料を主成分とする合金を用いることができる。
本発明は、金属膜をスパッタリング法により形成することを特徴とする。
本発明は、基板上に犠牲層を形成し、前記犠牲層上に第1の層を形成し、前記第1の層にレーザ照射を行い、第2の層とし、前記第2の層を所定の形状に加工し、前記犠牲層を除去することを特徴とする。
本発明は、基板上に下部電極を形成し、前記下部電極を覆う犠牲層を形成し、前記犠牲層を覆う第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、前記第1の導電膜上に第2の導電膜を形成し、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を所定の形状に加工して、上部電極となる第1の導電層及び第2の導電層を形成し、前記犠牲層を除去することを特徴とする。
本発明は、基板上に下部電極を形成し、前記下部電極を覆う犠牲層を形成し、前記犠牲層を覆う第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、前記第1の導電膜上に第2の導電膜を形成し、前記第2の導電膜にレーザ照射を行い、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を所定の形状に加工して、上部電極となる第1の導電層及び第2の導電層を形成し、前記犠牲層を除去することを特徴とする。
こうすることで、板状に結晶成長した第1の導電膜、つまり、針状結晶を低減或いは除去させた第1の導電膜でなる上部電極を得ることができる。したがって、この上部電極を微小構造体の構造層に用いることにより破断し難い微小電気機械式装置を得ることができる。
本発明は、基板上に犠牲層を形成し、前記犠牲層を覆う第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、前記第1の導電膜上に圧電薄膜を形成し、前記圧電薄膜上に第2の導電膜を形成し、前記圧電薄膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工し、前記犠牲層を除去することを特徴とする。
本発明は、基板上に犠牲層を形成し、前記犠牲層を覆う第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、前記第1の導電膜上に圧電薄膜を形成し、前記圧電薄膜上に第2の導電膜を形成し、前記第2の導電膜にレーザ照射を行い、前記圧電薄膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工し、前記犠牲層を除去することを特徴とする。
こうすることで、板状結晶を有する第1の導電膜を得ることができる。つまり、第1の導電膜の針状結晶を低減或いは除去させることができる。したがって、第1の導電膜を微小構造体の構造層に用いることにより破断に強いFBARフィルタを得ることができる。
本発明は、第1の導電膜に、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は前記金属材料を主成分とする合金を用いることを特徴とする。
本発明は、第1の導電膜をスパッタリング法により形成することを特徴とする。
本発明は、第2の導電膜に、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は前記金属材料を主成分とする合金を用いることを特徴とする。
本発明は、第2の導電膜をスパッタリング法により形成することを特徴とする。
本発明は、圧電薄膜に、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、酸化タンタルから選択されたいずれか一を用いることを特徴とする。
本発明は、基板上に半導体膜を形成し、前記半導体膜を所定の形状に加工して、第1の半導体層及び第2の半導体層を形成し、前記第1の半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜及び前記第2の半導体層上に第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、前記第1の導電膜を所定の形状に加工して、前記ゲート絶縁膜を介して前記第1の半導層上に重なるゲート電極、及び前記第2の半導体層上に第1の導電層を形成し、前記第1の半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極上に層間絶縁膜を形成し、前記第1の導電層上に圧電薄膜を形成し、前記層間絶縁膜に前記第1の半導体層に通ずるコンタクトホールを形成し、前記層間絶縁膜及び前記圧電薄膜上に第2の導電膜を形成し、前記第2の導電膜及び前記圧電薄膜を所定の形状に加工して、前記層間絶縁膜上に前記第1の半導体層と電気的に接続するソース電極及びドレイン電極を形成し、前記第1の導電層上に第2の導電層及び圧電薄膜パターンを形成し、前記第2の半導体層を除去することにより、半導体素子及び微小構造体を形成することを特徴とする。
本発明は、基板として、ガラス基板、プラスチック基板、石英基板、シリコン基板から選択されたいずれか一を用いることを特徴とする。
本発明は、レーザ照射にYAGレーザを用いることを特徴とする。
本発明は、上記作製方法で形成された微小構造体であることを特徴とする。
本発明は、上記作製方法で形成された微小構造体を有する微小電気機械式装置であることを特徴とする。
なお、本明細書において、微小電気機械式装置とは、MEMSを利用した装置全般のことを指す。また、微小構造体とは、微小電気機械式装置において、空間領域を利用して可動する立体的な構造体のことを指す。また、構造層とは、微小構造体の可動部に用いられる部材のことを指す。
本発明は、レーザ照射により、構造層における針状結晶を低減或いは除去させることで、破断に強い微小構造体を得ることができる。例えば、上下に振動するような構造層にレーザ照射を行うと、応力がかかる方向に対して同方向に存在する結晶粒界が低減あるいは除去され、板状結晶となっているため、構造層の破壊が起きにくい。この構造層を有する微小構造体を用いることで、耐久性に優れた信頼性の高い微小電気機械式装置を提供することができる。なお、本発明に係る微小構造体は、MEMSに関するあらゆる分野で用いることができ、例えば、センサとして音波センサ、位置センサ、磁気センサ、化学センサ、ガスセンサ、湿度センサなどに用いることができ、他にもレゾネータ、微小歯車、発電機などに適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施形態では、レーザ照射により構造層の結晶の状態を変化させた微小構造体の作製方法について説明する。
図1(A)に示すように基板100を用意する。なお、図1(A)〜(D)の左側に示す断面図は、それぞれ右側に示す上面図の点線A−A’に対応する。
基板100には、石英基板、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板等を適用することができる。例えば、プラスチック基板上に微小構造体を形成することにより、軽量且つ柔軟性に富んだ薄型の微小構造体を有する装置を形成することができる。また、石英基板、ガラス基板及びシリコン基板を研磨して薄くすることにより、薄型の微小構造体を形成することもできる。
次いで、基板100上に犠牲層101を形成する。なお、犠牲層とは、後の工程で選択的に除去される層を指す。犠牲層は除去されればよく、そのため、導電層や絶縁層であってもよい。このような犠牲層を除去することにより、基板100と後の工程で犠牲層上に形成される構造層との間に空間が生じる。すなわち、立体的な形状である構造層を形成することができる。
犠牲層101は、例えば、CVD法やスパッタリング法により形成することができる。犠牲層101として、アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコンを有する半導体層、アルミニウム(Al)等の金属を有する材料、ポリイミド、レジスト等の有機層、又は酸化シリコン、窒化シリコン等の絶縁層などによって形成することができる。なお、犠牲層101は、単層構造であっても積層構造であってもよい。積層構造の場合、上記材料を適宜組合せて積層すればよい。
犠牲層101の加工には、フォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストマスクを形成し、ドライエッチング法により行うことができる。また、インクジェット法を代表とする液滴吐出法により形成することもできる。液滴吐出法を用いる場合、犠牲層101を選択的に形成することができる。そのため、犠牲層101のフォトリソグラフィ工程やエッチング工程を不要とすることができる。その結果、レジスト材料の無駄や工程時間を省くことができる。いずれにしても、犠牲層は構造体に対して選択的にエッチング除去が可能な材料を用いる。
本実施形態では、犠牲層101は、酸化シリコンを用いてCVD法により堆積させ、その後、フォトリソグラフィ法により直方体状に加工することで形成する。
次いで、犠牲層101上に第1の金属膜102aをスパッタリング法により形成する。第1の金属膜102aは、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、銀(Ag)から選択された金属材料又は上記金属材料を主成分とする合金を用いることができる。なお、合金は、2種類以上の元素が互いに溶け合い、全体が均一の固相となっている状態が好ましい。この場合、第1の金属膜102aのエッチングが行いやすくなる。なお、第1の金属膜102aは単層構造であっても積層構造であってもよい。積層構造の場合、上記材料から適宜選択した材料を積層すればよい。
次いで、第1の金属膜102aにレーザ照射を行う(図1(A))。第1の金属膜102aは、針状に成長した結晶を多く含む構造である。そのため、レーザ照射を行い、一旦、溶融して再結晶化させることにより針状の結晶を板状の結晶に変化させる。なお、矢印130はレーザ走査方向を表す。
レーザ照射を行う場合、連続発振型のレーザビーム(以下、CWレーザビームと記す)やパルス発振型のレーザビーム(以下、パルスレーザビームと記す)を用いることができる。レーザビームとしては、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、Yレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及び当該基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、基板に対して垂直な方向に形成された結晶粒界を低減あるいは消滅させることができる。そして、レーザ光を照射しながら走査した方向に延びた板状の結晶からなる金属膜を得ることができる。
なお、基本波のCWレーザビームと高調波のCWレーザビームとを照射するようにしてもよいし、基本波のCWレーザビームと高調波のパルスレーザビームとを照射するようにしてもよい。このように複数のレーザビームを照射することにより、エネルギーを補うことができる。
また、金属膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できるような発振周波数でレーザを発振させるパルスレーザを用いることもできる。このような周波数でレーザビームを照射することで、基板に対して垂直な方向に構造体中に形成された結晶粒界を低減あるいは消滅させ、レーザの走査方向に向かって成長した結晶粒を得ることができる。具体的なレーザビームの発振周波数は10MHz以上であって、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を使用する。
本実施形態では、例えば、石英基板上に第1の金属膜102aとしてタングステン膜をおよそ400nm成膜し、YAGレーザ(λ=1064nm)を出力150W、スキャン速度100mm/secの条件で照射する。
レーザ照射を行うことにより、第1の金属膜102aを再結晶化させ、針状結晶を低減あるいは消滅させた板状或いはバルク状の第2の金属膜102bを得ることができる(図1(B))。
図2に、上記条件でレーザ照射した後のタングステン膜の破断面を観察した走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。レーザ照射前(図12(B))と比べて、およそ50nm程度の幅の針状結晶が消滅し、およそ150nmから350nmの幅の板状結晶が得られている。
なお、レーザ照射の代わりに、ランプから発する光の照射(ランプアニール、ランプ加熱ともいう。)を行ってもよい。例えば、ハロゲンランプ光の波長は、およそ1000nmに放射スペクトルのピークを有するため、ガラス基板には吸収されにくい。したがって、金属層に選択的にエネルギーを与え加熱することができる。なお、ランプ加熱に用いられるランプ光としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプから選ばれた一種または複数種を用いることができ、これらの輻射光により加熱を行うことができる。
次いで、第2の金属膜102b上に形成したマスク(図示せず)を用いて第2の金属膜102bを所定の形状に加工して微小構造体の構造層として機能する金属層102cを形成する(図1(C))。加工には、ウェットエッチング法やドライエッチング法を適用することができる。加工の際のエッチングにより、犠牲層の一部が露出されるため、後の工程により、犠牲層101を除去することができる。なお、マスクには、例えば有機材料、無機材料を用いることができる。
その後、マスクを除去し、犠牲層101を除去することにより微小構造体を得ることができる(図1(D))。
なお、犠牲層101の除去には、ウェットエッチング法又はドライエッチング法を適用することができる。
犠牲層101に酸化シリコン(SiO)を用いる場合は、フッ酸49%水溶液1に対してフッ化アンモニウムを7の割合で混合したバッファードフッ酸(BHF:Buffered Hydrogen Fluoride)を用いたウェットエッチングにより除去することができる。また、ポリイミドや永久レジストを犠牲層101に用いる場合は、アッシングすることにより除去することができる。
ウェットエッチング後の乾燥に際しては、微小構造体の撓みなどの変形を防ぐため、粘性の低い有機溶媒(例えばシクロヘキサン)を用いてリンスを行う、若しくは低温低圧の条件で乾燥させる、またはこの両者を組み合わせた処理を行うとよい。
また、犠牲層101は、大気圧など高圧の条件において、O、F、XeFの少なくともいずれか一つを用いてドライエッチング法により除去することができる。上記した微小構造体の撓みなどの変形を防ぐため、微小構造体表面に撥水性を持たせるプラズマ処理を行うとよい。
このように犠牲層101を除去すると、空間103が生じる。空間103によって、構造層となる金属層102cを上下や左右に動作させることができる。金属層102cが可動する先端と他の電極との接触により、スイッチとして機能させることができる。このような形状を有する微小構造体をカンチレバー型微小構造体と呼び、この微小構造体をスイッチに適用することにより、低損失、低電力動作を行うことができる。
なお、犠牲層101は、その膜厚が大きすぎると基板100と金属層102cの間にできる空間103の間隔が広くなり、微小構造体を駆動させにくくなる。一方で、その膜厚が小さすぎると、エッチング剤が拡散しにくく、犠牲層101が所望の形状にエッチングされない。また、構造層が多少撓んだり変形するだけで下方に設けられた対象物に接触してしまう。したがって、犠牲層101の膜厚は0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。
また、本実施形態で示した微小構造体は、スイッチとして用いることができるが、スイッチ以外にも、走査型トンネル顕微鏡(STM)又は走査型原子間力顕微鏡(AFM)のプローブ(探針)、加速度センサ、角速度センサとして用いることもできる。
以上のとおり、本実施形態で示した作製方法により作製された微小構造体は、針状結晶が低減あるいは消滅し、板状に成長した結晶を有する構造層を用いるため、破断に強く耐久性に優れる。そのため、この微小構造体を有する微小電気機械式装置は信頼性に優れる。
(実施の形態2)
本実施形態では、本発明に係る作製方法を適用したブリッジ型の微小構造体スイッチについて図3を用いて説明する。なお、本実施形態では、微小構造体を静電引力により可動させる。なお、図3の左側の断面図は、右側の上面図の点線A−A’に対応する。
まず、基板200上に下部電極として機能する第1の導電層201を形成する。第1の導電層201は、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は上記金属材料を主成分とする合金や導電性を有する材質のものを、例えばスパッタリング法により形成し、所定の形状にエッチングして得られる。第1の導電層201は共通電極や制御電極などとして使用することができる。
第1の導電層201上に犠牲層202を、フォトリソグラフィ法により所定の形状に加工して形成する(図3(B))。
犠牲層202上に上部電極の一部となる第1の導電膜203aをスパッタリング法により形成する。第1の導電膜203aとして、例えば、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は上記金属材料を主成分とする合金からなる金属膜を用いることができる。第1の導電膜203aの膜厚は、200nm以上3μm以下、好ましくは400nm以上1μm以下とする。形成した第1の導電膜203aは、図12に示したように、基板に垂直な方向に成長した針状結晶となる。
次いで、第1の導電膜203aにレーザ照射を行う(図3(C))。ここで、矢印230はレーザ走査方向を表す。レーザの種類及び照射条件などについては実施の形態1に挙げたものを適用することができる。
レーザ照射を行うことにより、第1の導電膜203aは一旦溶融し、針状結晶が低減あるいは消滅し、結晶粒径が粗大化した板状あるいはバルク状の結晶の第2の導電膜203bとなる。
次いで、第2の導電膜203b上に第3の導電膜204aを積層して形成する(図3(D))。そして、第3の導電膜204a上に形成したマスク(図示せず)を用いて第2の導電膜203b及び第3の導電膜204aを所定の形状に加工して上部電極となる第2の導電層203c及び第3の導電層204bを形成する(図3(E))。第3の導電層204bとして、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agなどから選択される金属材料又は上記金属材料を主成分とする合金によって形成される金属層を用いることができる。勿論、第3の導電膜204aにおいてもレーザ照射を行ってもよい。なお、第3の導電膜204aの代わりに、又は第3の導電膜204a上に絶縁膜を形成してもよい。
次いで、図3(F)に示すように、ウェットエッチング法又はドライエッチング法を適用して犠牲層202を除去することにより微小構造体を形成する。犠牲層202に酸化シリコン(SiO)を用いる場合は、フッ酸49%水溶液1に対してフッ化アンモニウムを7の割合で混合したバッファードフッ酸(BHF:Buffered Hydrogen Fluoride)を用いたウェットエッチングにより除去することができる。また、ポリイミドや永久レジストを犠牲層に用いる場合は、アッシングすることにより除去することもできる。
ウェットエッチング後の乾燥に際しては、微小構造体の座屈、撓みなどの変形を防ぐため、粘性の低い有機溶媒(例えばシクロヘキサン)を用いてリンスを行う、若しくは低温低圧の条件で乾燥させる、またはこの両者を組み合わせた処理を行うとよい。
また、犠牲層202は、大気圧など高圧の条件において、O、F、XeFの少なくともいずれか一つを用いてドライエッチング法を用いて除去することができる。上記した微小構造体の座屈、撓みなどの変形を防ぐため、微小構造体表面に撥水性を持たせるプラズマ処理を行うとよい。
このように犠牲層202を除去すると、空間205が生じる。空間205によって、上部電極として用いられる第2の導電層203c及び第3の導電層204bが上下に可動するブリッジ型のスイッチとして機能する微小構造体を形成することができる。本実施形態では、上部電極が構造層としての役割を担っている。
なお、本発明のスイッチにおいて、犠牲層202上に第2の導電層203cに用いる材料より導電率の高い材料を用いた膜を形成し、その上に第2の導電層203c及び第3の導電層204bを形成してもよい。同様に下部電極となる第1の導電層201上にも第1の導電層201に用いる材料よりも導電率の高い膜をさらに設けてもよい。このような導電膜は、上部電極と下部電極との接触抵抗を低くするだけでなく、微小構造体の電極の摩耗を低減することができる。第1の導電層201上に設ける膜として、Au若しくはRu又はこれらを主成分とする合金を用いることができる。また、第2の導電層203cを形成する前に犠牲層202上に設ける膜としてもAu若しくはRu又はこれらを主成分とする合金を用いることができる。なお、第1の導電層201と第2の導電層203cが接する部分のみにAu若しくはRu又はこれらを主成分とする合金を設けても良い。Au若しくはRu又はこれらを主成分とする合金は、電気伝導度が高く、また、柔らかい金属であるため、接触不良を抑制するのに有効である。
以上のとおり、本実施形態に係る微小構造体は、上部電極として針状結晶が低減あるいは消滅した板状の結晶を有する第2の導電層203cと第3の導電層204bを積層した構造層が形成されているため、破断に強く耐久性に優れる。そのため、この微小構造体を有する微小電気機械式装置は信頼性に優れる。
また、図4(A)、(B)に、ブリッジ型のスイッチとして機能する微小構造体に、さらに制御用として機能する電極を形成した例を示す。なお、図4(A)、(B)の左側に示す断面図は、それぞれ右側に示す上面図の点線A−A’に対応する。
図4(A)は、微小構造体を支持する層400上に形成された下部電極となる第1の導電層401の周囲を囲むように制御用電極402が形成されている。この場合、下部電極と接続される端子電極は、層400に形成されたコンタクトホールを介して下部電極の下方に設けられている。図4(B)には、下部電極となる第1の導電層403の少なくとも2辺以上(ここでは、周囲3辺を覆う例を示す)に隣接して制御用電極404が形成されている。この場合、下部電極となる第1の導電層403と接続される端子電極は、制御用電極404によって第1の導電層403が囲まれていない領域に設けることができる。なお、図4(A)のように、層400に形成されたコンタクトホールを介して下部電極の下方に設けることもできる。
制御用電極402、404には、それぞれ上部電極である第2の導電層203c及び第3の導電層204bを選択するか否かの選択信号が入力される。選択信号が入力されると、上部電極と制御用電極402、404の間に静電引力が働き、上部電極が下降して、下部電極と接触してスイッチとして機能させることができる。制御用電極402、404は、下部電極の少なくとも2辺以上に隣接して設けられているため、制御用電極402、404の面積を大きく取ることができる。そのため、上部電極と制御用電極402、404の間に、比較的低い電圧により静電引力を働かせることができる。また、スイッチ機能の信頼性も向上させることができる。
本実施の形態において、電極及び導電層の構造、材料、作製条件などは可能であれば上記実施の形態と適宜自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施形態では、本発明に係る作製方法を適用した圧電薄膜共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)フィルタについて図5を用いて説明する。
FBARは、半導体プロセス技術を利用して作製されるRF−MEMSデバイスの一種であり、フィルタ本体は圧電薄膜と圧電薄膜の上下に設けられた電極で構成されている。この部分の機械的な振動によって周波数が決定される。本実施形態に係るFBARフィルタは、10GHzを超える高い周波数帯での動作が可能であり、携帯電話にも適用することができる。
図5(A)に示すように基板300上に犠牲層301を形成する。基板300には、石英基板、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板等を適用することができる。例えば、プラスチック基板上に微小構造体を形成することにより、軽量且つ柔軟性に富んだ薄型のFBARフィルタを形成することができる。また、石英基板、ガラス基板及びシリコン基板を研磨して薄くすることにより、FBARフィルタを形成することもできる。
犠牲層301は、例えば、CVD法やスパッタリング法により形成することができる。犠牲層301として、アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコンを有する半導体層、アルミニウム(Al)等の金属を有する材料、ポリイミド、レジスト等の有機層、又は酸化シリコン、窒化シリコン等の絶縁層などによって形成することができる。なお、犠牲層301は、単層構造であっても積層構造であってもよい。積層構造の場合、上記材料を適宜組合せて積層すればよい。
次いで、犠牲層301上にスパッタリング法により第1の導電膜302aを形成する。第1の導電膜302aには、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、銀(Ag)などから選択された一種又は複数種若しくは上記金属を主成分とする合金などの金属膜を用いることができる。
次いで、第1の導電膜302aにレーザ照射を行う(図5(A))。ここで、矢印330はレーザ走査方向を表す。第1の導電膜302aは、針状に成長した結晶を多く含む構造である。そのため、レーザ照射を行い、一旦、溶融して再結晶化させることにより針状の結晶を板状の結晶に変化させる。なお、基板300としてプラスチック基板のように融点の比較的低いものを用いるときは、第1の導電膜302aの表面近傍のみレーザ照射により溶融して再結晶化させるようにしてもよい。また、基板300上に絶縁膜を形成することにより、基板300に熱が伝わらないようにしてもよい。
レーザ照射を行う場合、連続発振型のレーザビーム(以下、CWレーザビームと記す)やパルス発振型のレーザビーム(以下、パルスレーザビームと記す)を用いることができる。レーザビームとしては、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、Yレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及び当該基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、基板に対して垂直な方向に形成された結晶粒界を低減あるいは消滅させることができる。そして、レーザ光を照射しながら走査した方向に延びた板状の結晶からなる金属膜を得ることができる。
なお、基本波のCWレーザビームと高調波のCWレーザビームとを照射するようにしてもよいし、基本波のCWレーザビームと高調波のパルスレーザビームとを照射するようにしてもよい。このように複数のレーザビームを照射することにより、エネルギーを補うことができる。
また、第1の導電膜302aがレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できるような発振周波数でレーザを発振させるパルスレーザを用いることもできる。このような周波数でレーザビームを照射することで、基板に対して垂直な方向に構造体中に形成された結晶粒界を低減あるいは消滅させ、レーザの走査方向に向かって成長した板状又はバルク状の結晶粒を得ることができる。具体的なレーザビームの発振周波数は10MHz以上であって、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を使用する。
本実施形態では、第1の導電膜302aとしてモリブデン膜を400nm形成し、YAGレーザ(λ=1064nm)を出力150W、スキャン速度500mm/secの条件で照射する。
レーザ照射を行うことにより、基板を基板の融点付近まで加熱させることなく第1の導電膜302aを再結晶化させ、針状結晶を低減あるいは消滅させ、板状の結晶を有する第1の電極302bを得ることができる。
次いで、第1の電極302b上に、圧電薄膜303aを形成する。圧電薄膜303aは、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化タンタル(Ta)などの圧電性を有する膜で構成され、例えば、0.1μm以上1μm以下の膜厚で形成する。なお、ZnO、AlNなどは、例えばスパッタリング法により形成することができ、PZTは例えばゾル−ゲル法により成膜し、焼結したのち、分極処理を行うことにより形成することができる。分極処理は、例えば200℃〜300℃において直流電界をかけることで行う。
次いで、圧電薄膜303a上にスパッタリング法により第2の導電膜304aを形成する(図5(B))。第2の導電膜304aには、第1の導電膜302aと同じ材料を用いることができる。
次いで、圧電薄膜303a及び第2の導電膜304aを所定の形状に加工して、圧電薄膜303b及び第2の電極304bを形成する(図5(C))。なお、図5(C)では、第2の電極304bと圧電薄膜303bは、同様の形状としているが、それぞれ異なる形状としてもよい。
その後、犠牲層301をエッチングにより除去する(図5(D))。犠牲層301の除去には、実施形態1に示す方法を適用することができる。
このように犠牲層301を除去すると、空間305が生じる。空間305を設けることで、第1の電極302b、圧電薄膜303b及び第2の電極304bからなるFBARフィルタを自由に振動させることができる。なお、第1の電極302b、第2の電極304bに接続される配線は省略している。
本実施形態では、第1の導電膜302aにレーザ照射を行ったが、もちろん第2の導電膜304aにも同様にレーザ照射してもよい。その場合、第1の電極302b及び第2の電極304bは破断に強く、FBARフィルタの耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態において、第2の導電膜304aにのみレーザ照射してもよい。その場合、第1の導電膜302aは基板に対して垂直な方向の針状結晶を有するため、第1の導電膜302a上に形成された圧電薄膜303aは、第1の導電膜302aの結晶性を引き継いで基板に対して垂直な方向(z軸方向)に配向する。この高配向性を有する圧電薄膜303bを使用することにより、低損失、且つ、帯域幅及び周波数温度特性に優れた高性能なFBARフィルタを作製することができる。
以上のとおり、本実施形態で示した作製方法により作製された微小構造体(FBARフィルタ)は、レーザ照射により板状に結晶成長させ、針状結晶を低減あるいは消滅させた構造層(第1の電極302b、第2の電極304bのいずれか又は両方)を用いるため、破断に強く耐久性に優れる。そのため、このFBARフィルタを有する微小電気機械式装置は信頼性に優れる。
(実施の形態4)
本実施形態では、本発明に係る微小構造体を有し、無線通信を可能とする微小電気機械式装置について説明する。
図6に、微小電気機械式装置601が有する電気回路604の詳細な構成を示す。まず、電気回路604は、外部(ここではリーダライタに相当する)から放射される電磁波を受信して微小電気機械式装置601を駆動させる電力を生成し、さらに、外部と無線で通信を行う機能を有する。そのため電気回路604は、電源回路611、クロック発生回路612、復調回路613、変調回路614、復号化回路615、符号化回路616、および情報判定回路617等、無線通信に必要な回路を有する。また、無線通信に使用する電磁波の周波数や通信方法によって異なる回路構成を有する場合がある。
電気回路604は微小構造体603を制御する、リーダライタからの情報を処理する等の機能を有する。そのため電気回路604は、メモリ、メモリ制御回路、演算回路等を有する。図に示した例では、メモリ621、メモリ制御回路622、演算回路623、構造体制御回路624、A/D変換回路625、信号増幅回路626を有する。
電源回路611はダイオードおよび容量を有し、アンテナ602に発生した交流電圧を整流して定電圧を保持し、当該定電圧を各回路に供給することができる。クロック発生回路612はフィルター素子や分周回路を有し、アンテナ602に発生した交流電圧をもとに必要な周波数のクロックを発生させ、当該クロックを各回路に供給することができる。
ここで、クロック発生回路612が生成するクロックの周波数は、基本的にリーダライタと微小電気機械式装置601とが通信に用いる電磁波の周波数以下である。また、クロック発生回路612はリングオシレータを有し、電源回路611から電圧を入力して任意の周波数のクロックを生成することも可能である。
復調回路613はフィルター素子や増幅回路を有し、アンテナ602に発生した交流電圧に含まれる信号を復調することができる。復調回路613は、無線通信に用いる変調方式によって異なる構成の回路を有する。復号化回路615は、復調回路613によって復調された信号を復号化する。この復号化された信号が、リーダライタより送信された信号である。情報判定回路617は比較回路等を有し、復号化された信号がリーダライタより送信された正しい信号であるか否かを判定することができる。正しい情報であると判断された場合、情報判定回路617は各回路(例えば、メモリ制御回路622や演算回路623、構造体制御回路624等)に正しいことを示す信号を送信し、その信号を受けた回路は所定の動作を行うことができる。
符号化回路616は、微小電気機械式装置601からリーダライタへ送信するデータを符号化する。変調回路614は、符号化されたデータを変調し、アンテナ602を介してリーダライタへ送信する。
リーダライタへ送信するデータは、メモリ621が記憶している微小電気機械式装置固有のデータや、微小電気機械式装置が有する機能により得られたデータである。微小電気機械式装置固有のデータとは、例えば、微小電気機械式装置が不揮発性のメモリを有し、当該不揮発性のメモリに記憶される個体識別情報等のデータである。微小電気機械式装置が有する機能により得られたデータとは、例えば、微小構造体によって得られたデータや、それらをもとに何らかの演算を行ったデータ等である。
メモリ621は、揮発性メモリ、および不揮発性メモリを有することができ、微小電気機械式装置601固有のデータや、微小構造体603から得られた情報等を記憶する。図にはメモリ621が一つのみ記載されているが、記憶する情報の種類や、微小電気機械式装置601の機能に応じて複数種類のメモリを有することも可能である。メモリ制御回路622は、メモリ621に記憶されている情報を読み出す、およびメモリ621に情報を書き込む場合にメモリ621を制御する。具体的には、書き込み信号、読み出し信号、メモリ選択信号等を生成する、アドレスを指定する、等の動作を行うことができる。
構造体制御回路624は、微小構造体603を制御するための信号を生成することができる。例えば、リーダライタからの命令によって微小構造体603を制御する場合には、復号化回路615によって復号化された信号をもとに微小構造体603を制御する信号を生成する。また、メモリ621内に微小構造体603の動作を制御するプログラム等のデータが記憶されている場合、メモリ621から読み出したデータをもとに微小構造体603を制御する信号を生成する。そのほかにも、メモリ621内のデータ、リーダライタからのデータ、および微小構造体603から得られたデータをもとに微小構造体603を制御するための信号を生成するフィードバック機能を有することも可能である。
演算回路623は、例えば、微小構造体603から得られたデータの処理を行うことができる。また、上記の構造体制御回路624がフィードバック機能を有する場合の、情報処理等を行うことも可能である。A/D変換回路625は、アナログデータとデジタルデータとの変換を行う回路であり、微小構造体603へ制御信号を伝達する、または微小構造体603からのデータを変換して各回路に伝達することができる。信号増幅回路626は、微小構造体603から得られる微小な信号を増幅してA/D変換回路625へ伝達することができる。
なお、実施形態3に係るFBARフィルタは、本実施形態に係る微小構造体603として用いることができる。また、実施形態1、2に係る微小構造体を復調回路613内に含まれるスイッチとして用いることができる。復調回路613のスイッチに本発明に係る微小構造体を用いることにより、回路構成を縮小することができる。もちろん、他に示す回路のスイッチとして実施形態1、2に示す微小構造体を適宜用いることもできる。
このような微小電気機械式装置により、無線通信を可能とすることができる。微小電気機械式装置が有する微小構造体は、その可動部分に用いる構造層にレーザ照射を行い板状に結晶成長させ、針状結晶を低減あるいは除去しているため、耐久性に優れる。そのため、この微小構造体を有する微小電気機械式装置は信頼性に優れている。
(実施の形態5)
本実施形態では、本発明に係る微小構造体と、微小構造体を駆動させるための半導体素子を平面上に形成する微小電気機械式装置の作製方法について説明する。なお、ここでは、半導体素子としてトップゲート型の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を作製する場合について図7、図8を用いて説明する。なお、図7、図8において、左側に半導体素子、右側に微小構造体を形成するため、図面の左側を第1の領域500a、右側を第2の領域500bとする。
まず、基板501上に下地膜502を形成する。基板501としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板などを用いることができる。下地膜502としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸素を含む窒化シリコン(窒化酸化シリコン)、窒素を含む酸化シリコン(酸化窒化シリコン)などを用いることができる。なお、下地膜502は、上記に上げた材料を用いて積層構造としてもよい。本実施形態では、下地膜502は、膜厚50nm以上200nm以下(好ましくは100nm以上150nm以下)の窒素を含む酸化シリコンをプラズマCVD法により形成することができる。
下地膜502上に半導体膜を形成し、所定の形状に加工し半導体層503a、503b、504を形成する(図7(A))。半導体膜には、非晶質又は多結晶のシリコン又はシリコンゲルマニウムを用いることができる。また、透光性を有するZnOを用いてもよい。本実施形態では、非晶質シリコン膜を成膜し、Niに代表される触媒金属元素を用いて結晶化した多結晶シリコン膜を形成する。このような多結晶シリコン膜は、移動度が高く半導体素子として適している。なお、第2の領域500bの半導体層504は、後に除去される犠牲層となる。
半導体素子の半導体層と微小構造体の犠牲層を同工程で作製できるため、工程を簡略することができる。
次いで、第1の領域500aの半導体層503a、503b上にゲート絶縁膜505を形成する(図7(B))。ゲート絶縁膜505として、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸化窒化シリコンなどを用いることができる。さらに、ゲート絶縁膜505は、単層であっても積層であってもよい。積層構造の場合、上記から選択された材料を積層すればよい。なお、第1の領域500aのみにゲート絶縁膜505を形成するため、第2の領域500bにはマスク506を形成しておく。
マスク506を除去した後、第1の導電膜507を形成する。その後、第2の領域500bにおいて第1の導電膜507にレーザ照射を行う(図7(C))。第1の導電膜507は針状に成長した結晶を多く含む構造である。そのため、第1の導電膜507にレーザ照射を行い、一旦、溶融して再結晶化させることにより針状の結晶を非晶質又は多結晶の板状又はバルク状の結晶に変化させる。図7(C)において、矢印530はレーザ走査方向を表す。
レーザ照射後、第1の導電膜507をフォトリソグラフィ法により所望の形状に加工することにより、半導体素子のゲート電極508a、508b、及び微小構造体の下部電極となる第1の導電層509を形成することができる(図7(D))。レーザ照射については、実施形態1の条件を適用することができる。
なお、第1の導電膜507として、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)などから選択された一種又は複数種若しくは上記材料を主成分とする合金などの導電性材料を用いることができる。本実施形態では、モリブデン膜を用いて第1の導電膜507を形成する。
なお、本実施形態では、半導体素子のゲート電極508a、508bにおいてもレーザ照射を行っている。レーザ照射を行わずにサブミクロン幅の微細なゲート電極を形成する場合、ゲート電極が有する多くの針状結晶同士の粒界において、金属結晶の周期が乱れたり、金属結晶の密度が低下することにより、エッチングが優先的に行われるため、ゲート電極側面方向にエッチングレートのばらつきが生じる。つまり、ゲート電極の幅が場所によって異なるため、TFTのチャネル幅方向においてチャネル長が異なってしまう。TFTの微細化が進むにつれ、この問題はさらに顕在化する。したがって、本発明に係るレーザ照射を行うことにより、ゲート電極の側面の荒さを低減することができ、TFTの電気特性、しきい値電圧、オン電流などのばらつきを低減することができる。
次いで、第2の領域500bにマスク510を設け、半導体素子の半導体層503a、503bにn型又はp型の導電性を付与する不純物元素をドープして不純物領域511a、511bを形成する(図7(E))。
次いで、マスク510を除去した後、第1の領域500a及び第2の領域500bに絶縁膜を形成する。その後、第2の領域500bにおいて絶縁膜をエッチング除去することにより、第1の領域500aに層間絶縁膜512を形成する(図7(F))。層間絶縁膜512は、SiN、SiO、SiON、SiNOから選択された1つ又は複数を用いることができる。
次いで、第1の領域500a及び第2の領域500bに圧電性を有する膜を形成し、第1の領域500aにおいて、エッチングに除去し、第2の領域500bに、圧電薄膜513aを形成する(図8(A))。圧電薄膜513aは、ZnO、AlN、PZT、BaTiO、Taなどの圧電性を有する膜を用いることができ、膜厚を0.3μm以上3μm以下、好ましくは1μm以上2μm以下とする。
層間絶縁膜512に半導体層503a、503bのソース領域及びドレイン領域となる不純物領域511a、511bまで貫通するコンタクトホール514をそれぞれ形成する(図8(B))。その後、第2の導電膜をスパッタリング法により形成し、エッチングにより所定の形状に加工することにより、第1の領域500aでは、半導体素子のソース領域又はドレイン領域に接続されるソース電極又はドレイン電極515が形成され、第2の領域500bでは、微小構造体の上部電極となる第2の導電層516が形成される。第2の導電膜として、第1の導電膜507に適用される導電性材料を用いることができる。なお、第2の導電膜の加工時に、圧電薄膜513aも加工して所定の形状の圧電薄膜513bを形成する(図8(C))。
次いで、犠牲層である半導体層504を除去する。犠牲層の除去には、ウェットエッチング法又はドライエッチング法を適用することができる。
以上の工程により、半導体素子517と微小構造体518(本実施形態では、FBARフィルタを指す。)を同じ工程で作り込むことができる(図8(D))。その結果、微小電気機械式装置の作製工程を簡略化することができる。微小構造体518の第1の導電層509となる第1の導電膜507は針状結晶を多く有する構造であるため、本発明に係るレーザ照射を行うことにより、針状結晶を低減あるいは消滅させ、板状に結晶成長させることができる。そのため、結晶の配向した方向の剪断応力が強められ、耐久性に優れる微小構造体を有する微小電気機械式装置が得られる。
なお、本実施形態では、第1の導電膜507にレーザ照射を行っているが、もちろん第2の導電膜にもレーザ照射を行ってもよい。
本実施形態は、他の実施形態と組合せ可能であるところについては、適宜自由に組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態4で説明した無線通信技術を有する微小電気機械式装置の具体的な構成及び使用の例を、図9(A)、(B)を用いて説明する。
図9(A)に示す微小電気機械式装置704は、保護層によってコーティングされたカプセル705内に本発明に係る微小構造体を有する領域700が設けられている。また、微小構造体を有する領域700には、吐出口706が設けられている。カプセル705と微小構造体を有する領域700との間には、充填材707が満たされていてもよい。
カプセル705の表面に設けられた保護層は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、又は窒化炭素を含んでいることが好ましい。カプセル705や充填材707は公知のものを適宜用いる。カプセル705に保護層を設けることで、体内で微小電気機械式装置が溶解、変性することを防止することが可能である。
さらにカプセル最外面を楕円球状のように丸みを帯びた形状にしておくことによって人体を傷つけることもなく、安全に利用することができる。
本実施形態に係る微小電気機械式装置704は、人体の中に投入し、疾病の患部に薬剤を注入することができる。また、微小電気機械式装置704に物理量や化学量を測定して生体の機能データを検出するセンサや患部細胞をサンプリングする採取体等の付加機能を付けることにより、得られた情報を電気回路によって信号変換、情報処理を行い、無線通信によってリーダライタへ送信することが可能である。微小電気機械式装置が有する電気回路の構成によっては、微小構造体によって得られた情報をもとに、疾病患部を探索して移動する、患部を観察して薬剤の注入をするか否かの判断を行う等の高度な機能を持たせることも可能である。
図9(B)に示すように、被験者708が微小電気機械式装置704を嚥下し、薬剤を投入すべき所定の位置まで体内腔709を移動させる。リーダライタ710により微小電気機械式装置704の制御、無線通信を行い、薬剤の吐出を行う。
本実施形態に係る微小電気機械式装置704は、医療目的に限定されず、遠隔操作可能な吐出装置として幅広く利用することができる。例えば、薬品の調合時に、有害なガスが発生する、爆発の可能性があるなど、作業者に危険が伴う作業において、本実施形態に係る微小電気機械式装置704の微小構造体を有する領域700内に含まれるタンクに前記薬品を充填し、遠隔操作をすることで、薬品の調合を行うことができる。これにより作業者への危険性はかなり低減される。
本発明に係る微小構造体を用いることにより、体内腔709の移動中においても破壊されにくく耐久性に優れた信頼性の高い微小電気機械式装置を提供することができる。
(実施の形態7)
本実施形態では、上記実施の形態で説明した無線通信技術を有する微小電気機械式装置の具体的な構成及び使用の別の例について、図10(A)、(B)を用いて説明する。
ここでは、微小電気機械式装置を圧力センサとして用いる例について説明する。圧力センサとして用いる場合、微小構造体のダイアフラム(diaphragm)に応力検出器を設け、ダイアフラムの大きさ及び厚さを変えることで様々な感度の圧力センサが設計可能である。
自動車のタイヤ806の空気圧が低下すると、タイヤ806の変形量が大きくなり、抵抗が増加し、結果として燃費が悪化し、又、事故に繋がる。本実施形態に係る微小電気機械式装置では、比較的簡便にかつ日常的に、タイヤ806の空気圧をモニターするシステムを提供することができる。
図10(A)に示すように、本発明に係る微小構造体を保護層によってコーティングした微小電気機械式装置807をタイヤ806のホイール808部分に設置する。
そして、微小電気機械式装置807にリーダライタ809を近づけ、無線通信を行うことで、タイヤ806の空気圧の情報を得ることができる。無線通信技術等は、上記実施形態4と同様である。
図10(B)に微小電気機械式装置807の構成について示す。本実施形態に係る微小電気機械式装置807は、リーダライタ809と非接触でデータの入出力を行うためアンテナとして機能する導電膜811と、アンテナとして機能する導電膜811と接続される電子回路部812を有する。なお、電子回路部812は薄膜トランジスタ等の半導体素子や本発明に係る微小構造体を備えている。
アンテナとして機能する導電膜811は、CVD法、スパッタリング法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等の印刷法等を用いて、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)から選択された元素、またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。例えば、スクリーン印刷法により、銀を含むペーストを用いて形成し、その後、50〜350度の加熱処理を行って形成する。または、スパッタリング法によりアルミニウム膜を形成し、当該アルミニウム膜をパターン加工することにより形成する。アルミニウム膜のパターン加工は、ウエットエッチング加工を用いるとよく、ウエットエッチング加工後は200〜300度の加熱処理を行うとよい。
なお、非接触データの入出力が可能である微小電気機械式装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適なアンテナを設ければよい。
例えば、微小電気機械式装置における信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
また、微小電気機械式装置における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電膜の長さ等の形状を適宜設定すればよく、例えば、アンテナとして機能する導電膜を線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)またはリボン型の形状等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
本実施形態によると、微小電気機械式装置にアンテナを設けることによって、ガソリンスタンド等の自動車整備工場へ行くことなく、比較的簡便にかつ日常的にタイヤの空気圧をモニターすることができる。
なお、本実施形態は、上記実施形態と組合せ可能なところについては適宜自由に組み合わせることができる。
本実施例では、本発明の微小構造体の構造体に用いるモリブデンの金属層にレーザ照射を行う前後について図11(A)、(B)を用いて説明する。
図11(A)に、石英基板上にスパッタリング法によりおよそ400nm成膜したモリブデン膜をFIB(Focused Ion Beam)加工して得られた断面SIM(Scanning Ion Microscope)像を示す。矢印で示すように、基板に対して垂直な方向に複数の針状結晶が形成されている。このような針状結晶は、結晶が成長した方向の振動に弱く、比較的小さな応力によって、粒界から破壊されやすい。
図11(B)に、スキャン速度500mm/sec、出力200Wの条件によりYAGレーザを照射した後のモリブデン膜の断面SIM像を示す。400nm〜700nm程度の幅のバルク状の結晶粒が見られる。レーザ照射により、一旦、モリブデン膜が溶融し、レーザの走査方向に沿って再結晶化がなされるため、走査方向に向かって成長した結晶粒を得ることができる。したがって、本発明に係る微小構造体を用いた微小電気機械式装置は、微小構造体の耐久性に優れるため、信頼性が高い。
本発明の微小構造体の作製工程を説明する図。 本発明に係る発光装置の一態様について説明する図。 本発明の微小構造体の作製工程を説明する図。 本発明の微小構造体を説明する図。 本発明の微小構造体の作製工程を説明する図。 本発明の微小構造体を有する半導体装置を説明する図。 本発明の微小構造体の作製工程を説明する図。 本発明の微小構造体の作製工程を説明する図。 本発明の微小電気機械式装置の一形態を説明する図。 本発明の微小電気機械式装置の一形態を説明する図。 スパッタリング法により形成された微小構造体に用いる構造層の断面SIM像。 スパッタリング法により形成された微小構造体に用いる構造層の断面SEM写真。
符号の説明
100 基板
101 犠牲層
102a 第1の金属膜
102b 第2の金属膜
102c 金属層
103 空間
130 矢印
200 基板
201 第1の導電層
202 犠牲層
203a 第1の導電膜
203b 第2の導電膜
203c 第2の導電層
204a 第3の導電膜
204b 第3の導電層
205 空間
230 矢印
300 基板
301 犠牲層
302a 第1の導電膜
302b 第1の電極
303a 圧電薄膜
303b 圧電薄膜
304a 第2の導電膜
304b 第2の電極
305 空間
330 矢印
400 層
401 第1の導電層
402 制御用電極
403 第1の導電層
404 制御用電極

Claims (20)

  1. 基板上に犠牲層を形成し、
    前記犠牲層上にスパッタリング法により金属膜を形成し、
    前記金属膜にレーザ照射を行い、
    前記金属膜を所定の形状に加工して金属層を形成し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  2. 基板上に犠牲層を形成し、
    前記犠牲層上に針状結晶でなる金属膜を形成し、
    前記金属膜の針状結晶を成長させ板状結晶とし、
    前記金属膜を所定の形状に加工して金属層を形成し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  3. 請求項1又は2において、前記金属膜に、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は前記金属材料を主成分とする合金を用いることを特徴とする微小構造体の作製方法。
  4. 基板上に下部電極を形成し、
    前記下部電極を覆う犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う第1の導電膜をスパッタリング法により形成し、
    前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、
    前記第1の導電膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工して、上部電極となる第1の導電層及び第2の導電層を形成し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  5. 基板上に下部電極を形成し、
    前記下部電極を覆う犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う針状結晶でなる第1の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜の針状結晶を成長させ板状結晶とし、
    前記第1の導電膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工して、上部電極となる第1の導電層及び第2の導電層を形成し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  6. 基板上に下部電極を形成し、
    前記下部電極を覆う犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う第1の導電膜をスパッタリング法により形成し、
    前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、
    前記第1の導電膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記第2の導電膜にレーザ照射を行い、
    前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を所定の形状に加工して、上部電極となる第1の導電層及び第2の導電層を形成し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  7. 基板上に下部電極を形成し、
    前記下部電極を覆う犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う針状結晶でなる第1の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜の針状結晶を成長させ板状結晶とし、
    前記第1の導電膜上に針状結晶でなる第2の導電膜を形成し、
    前記第2の導電膜の針状結晶を成長させ板状結晶とし、
    前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を所定の形状に加工して、上部電極となる第1の導電層及び第2の導電層を形成し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  8. 基板上に犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う第1の導電膜をスパッタリング法により形成し、
    前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、
    前記第1の導電膜上に圧電薄膜を形成し、
    前記圧電薄膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記圧電薄膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  9. 基板上に犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う針状結晶でなる第1の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜の針状結晶を成長させ板状結晶とし、
    前記第1の導電膜上に圧電薄膜を形成し、
    前記圧電薄膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記圧電薄膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  10. 基板上に犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う第1の導電膜をスパッタリング法により形成し、
    前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、
    前記第1の導電膜上に圧電薄膜を形成し、
    前記圧電薄膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記第2の導電膜にレーザ照射を行い、
    前記圧電薄膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  11. 基板上に犠牲層を形成し、
    前記犠牲層を覆う針状結晶でなる第1の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜の針状結晶を成長させ板状結晶とし、
    前記第1の導電膜上に圧電薄膜を形成し、
    前記圧電薄膜上に針状結晶でなる第2の導電膜を形成し、
    前記第2の導電膜の針状結晶を成長させ板状結晶とし、
    前記圧電薄膜及び第2の導電膜を所定の形状に加工し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれか一において、前記圧電薄膜に、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム又は酸化タンタルを用いることを特徴とする微小構造体の作製方法。
  13. 基板上に半導体膜を形成し、
    前記半導体膜を所定の形状に加工して、第1の半導体層及び第2の半導体層を形成し、
    前記第1の半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成し、
    前記ゲート絶縁膜及び前記第2の半導体層上にスパッタリング法により第1の導電膜を形成し、
    前記第1の導電膜にレーザ照射を行い、
    前記第1の導電膜を所定の形状に加工して、前記ゲート絶縁膜を介して前記第1の半導層上に重なるゲート電極、及び前記第2の半導体層上に第1の導電層を形成し、
    前記第1の半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極上に層間絶縁膜を形成し、
    前記第1の導電層上に圧電薄膜を形成し、
    前記層間絶縁膜に前記第1の半導体層に通ずるコンタクトホールを形成し、
    前記層間絶縁膜及び前記圧電薄膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記第2の導電膜及び前記圧電薄膜を所定の形状に加工して、前記層間絶縁膜上に前記第1の半導体層と電気的に接続するソース電極及びドレイン電極を形成し、前記第1の導電層上に第2の導電層及び圧電薄膜パターンを形成し、
    前記第2の半導体層を除去することにより、半導体素子及び微小構造体を形成することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  14. 請求項4乃至請求項13のいずれか一において、前記第1の導電膜に、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は前記金属材料を主成分とする合金を用いることを特徴とする微小構造体の作製方法。
  15. 請求項4乃至請求項14のいずれか一において、前記第2の導電膜に、W、Mo、Ti、Ta、Pt、Agから選択された金属材料又は前記金属材料を主成分とする合金を用いることを特徴とする微小構造体の作製方法。
  16. 請求項4乃至請求項15のいずれか一において、前記第2の導電膜をスパッタリング法により形成することを特徴とする微小構造体の作製方法。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれか一において、前記基板として、ガラス基板、プラスチック基板、石英基板、シリコン基板から選択されたいずれか一を用いることを特徴とする微小構造体の作製方法。
  18. 請求項1、4、6、8、10又は13において、前記レーザ照射にArレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、Yレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイヤレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることを特徴とする微小構造体の作製方法。
  19. 請求項1乃至請求項18のいずれか一に記載の作製方法で形成されることを特徴とする微小構造体。
  20. 請求項19に記載の微小構造体を有することを特徴とする微小電気機械式装置。
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