JP2007175746A - アルミニウムろう付け用バインダーおよび水系アルミニウムろう付け用組成物 - Google Patents
アルミニウムろう付け用バインダーおよび水系アルミニウムろう付け用組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】水分散性のカチオン性ポリマー微粒子を含有するアルミニウムろう付け用バインダー;当該バインダーおよびアルミニウムろう付用フラックスを水に分散させた水系アルミニウムろう付け用組成物を用いる。
Description
(1)カチオン性ポリマー乳化剤の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および温度計を備えた反応容器に、スチレン1.0部(重量部、以下同様)、メチルメタクリレート63部、ブチルアクリレート108部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート68部、イソプロピルアルコール244部および重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル4部を仕込み、これらを撹拌して均一に混合した。窒素ガス雰囲気下で、混合物を撹拌しながら80℃に昇温し、6時間保温して重合を完結させた。これを50℃に冷却し、酢酸26部を添加して30分間撹拌したのち、イオン交換水456部およびグリシジルメタクリレート31部を添加して空気雰囲気下で60℃に加熱し、3時間保温して4級化反応を行ないカチオン性ポリマー乳化剤の水溶液を得た。該水溶液は、pHが6.3、25℃での粘度が840mPa・sであり、該カチオン性ポリマー乳化剤の重量平均分子量は45000であった。
(2)架橋カチオン性ポリマー微粒子の製造
前記と同じ反応容器に、前記カチオン性ポリマー乳化剤の水溶液46部およびイオン交換水769部を仕込んだのち、撹拌しながらメチルメタクリレート58部、2−エチルヘキシルメタクリレート121部、スチレン5部を添加して乳化させた。ついで、これに2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の1部を添加し、窒素ガス雰囲気下で、これらを撹拌しながら80℃に昇温し、4時間保温して重合を完結させ、架橋カチオン性ポリマー微粒子の水分散液を得た。モノマーの組成から計算した該微粒子のTg(ガラス転移点)は19℃である。該水分散液は、固形分含量が20重量%、pHが5.6、25℃での粘度が8mPa・sであり、水中での平均粒子径は71nmであった。
(1)カチオン性ポリマー乳化剤の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および温度計を備えた反応容器に、スチレン1.0部、メチルメタクリレート63部、ブチルアクリレート108部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート68部、イソプロピルアルコール244部および重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル4部を仕込み、これらを撹拌して均一に混合した。窒素ガス雰囲気下で、混合物を撹拌しながら80℃に昇温し、6時間保温して重合を完結させた。これを50℃に冷却し、酢酸26部を添加して30分間撹拌したのち、イオン交換水456部を加えて溶解し、ついで共沸蒸留によりイソプロピルアルコールを除去した。イソプロピルアルコールが完全に除かれていることはガスクロマトグラフィーにて確認した。続いてグリシジルメタクリレート31部を添加して空気雰囲気下で60℃に加熱し、3時間保温して4級化反応を行なった後、若干量のイオン交換水を加えて固形分含有量が30重量%のカチオン性ポリマー乳化剤の水溶液を得た。該水溶液は、pHが6.5、25℃での粘度が920mPa・sであり、該カチオン性ポリマー乳化剤の重量平均分子量は47000であった。
(2)架橋カチオン性ポリマー微粒子の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および温度計を備えた反応容器に、前記製造例2(1)で得られたカチオン性ポリマー乳化剤の水溶液47部およびイオン交換水770部を仕込んだのち、撹拌しながらメチルメタクリレート18部、2−エチルヘキシルメタクリレート161部、スチレン5部を添加して乳化させた。ついで、これに2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の1部を添加し、窒素ガス雰囲気下で、これらを撹拌しながら80℃に昇温し、4時間保温して重合を完結させ、架橋カチオン性ポリマー微粒子の水分散液を得た。モノマーの組成から計算した該微粒子のTg(ガラス転移点)は0.4℃である。該水分散液は、固形分含量が20重量%、pHが5.5、25℃での粘度が12mPa・sであり、水中での平均粒子径は65nmであった。
溶剤溶解性バインダーの製造
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度計および滴下ロートを備えた反応容器に、イソプロピルアルコール2270部、メチルメタクリレート100部、イソブチルメタクリレート275部、メタクリル酸25部および過酸化ベンゾイル4部を仕込み、窒素雰囲気下で液の温度が80℃になるまで昇温後、さらに6時間同温度に保って重合を完結した。その後N,N−ジメチルアミノエタノール0.25部を加えて還流温度まで昇温し、固形分含有量が15%の溶剤溶解性バインダーのイソプロピルアルコール溶液を得た。
製造例1で得られた架橋カチオン性ポリマー微粒子バインダーの水分散液にKF−AlF3系フラックス(SOLVAY社製、「NOCOLOK FLUX」)をフラックス:バインダー固形分の重量比が5:1になるように加えて混合し、得られたスラリーの固形分全体の濃度が30重量%になるように適宜水を加えて調製した。このスラリーを、JIS A3003のアルミニウム合金板の片面上に塗布し、80℃乾燥機にて乾燥してバインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
製造例2で得られた架橋カチオン性ポリマー微粒子バインダーの水分散液を用いる以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックス:バインダー固形分の重量比を9:1とし、得られたスラリーの固形分全体の濃度が13重量%になるように適宜水を加えて調製した以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックスにフッ化リチウムを0.1%添加し、バインダーフラックススラリーを塗布するアルミニウム合金板をJIS A6063にした以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックス:バインダー固形分の重量比を9:1とし、得られたスラリーの固形分全体の濃度が13重量%になるように適宜水を加えて調製した以外は実施例4と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックスにフッ化セシウムを2%添加し、バインダーフラックススラリーを塗布するアルミニウム合金をJIS A6063にした以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックス:バインダー固形分の重量比を9:1とし、得られたスラリーの固形分全体の濃度が13重量%になるように適宜水を加えて調製した以外は実施例6と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックスにフッ化ルビジウムを5%添加し、バインダーフラックススラリーを塗布するアルミニウム合金をJIS A6063にした以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックス:バインダー固形分の重量比を9:1とし、得られたスラリーの固形分全体の濃度が13重量%になるように適宜水を加えて調製した以外は実施例8と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックスにZnF2を添加した以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックス:バインダー固形分の重量比を9:1とし、得られたスラリーの固形分全体の濃度が13重量%になるように適宜水を加えて調製した以外は実施例10と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックスをKZnF3フラックスとした以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックス:バインダー固形分の重量比を9:1とし、得られたスラリーの固形分全体の濃度が13重量%になるように適宜水を加えて調製した以外は実施例12と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックスをK2ZnF4フラックスとした以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
フラックス:バインダー固形分の重量比を9:1とし、得られたスラリーの固形分全体の濃度が13重量%になるように適宜水を加えて調製した以外は実施例14と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
バインダー水分散液を使用せずフラックスのみを水に分散させた以外は実施例1〜15と同様にしてフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
比較製造例1で得られた溶剤溶解性バインダー溶液を用いる以外は実施例1と同様にして、バインダーフラックスを塗布したアルミニウム板を得た。
実施例1〜15および比較例16で得られた塗布アルミニウム板を90度に曲げて折り曲げ、アルミニウム表面のバインダーの剥離状況を調べた。
○ : バインダーの剥離なし
× : バインダーの剥離あり
実施例1〜15および比較例1〜16で得られた塗布アルミニウム板の表面を指で擦り、指にフラックス成分が付着する状況を調べた。
○ : フラックス成分の付着なし
△ : フラックス成分が少量付着する
× : バインダー成分ごと剥離する
図1のように、実施例1〜15および比較例1〜16で得られた塗布アルミニウム板と、JIS A3003のアルミニウム板の片側面にろう材としてJIS A4045のアルミニウム−ケイ素合金の粉末を塗布したブレージングシートとをセット後、窒素雰囲気とした電気炉内で600℃に加熱してブレージングシートと塗布アルミニウム板の間隙に充填したろう材の間隙充填長さを測定した。
○ : 間隙充填長が18mm以上である
× : 間隙充填長が18mm未満である
Claims (10)
- 水分散性のカチオン性ポリマー微粒子を含有するアルミニウムろう付け用バインダー。
- カチオン性ポリマー微粒子が、内部架橋されたものである請求項1に記載のアルミニウムろう付け用バインダー。
- カチオン性ポリマー微粒子が、反応性カチオン性ポリマー乳化剤を用い、乳化重合によって得られたものである請求項1または2に記載のアルミニウムろう付け用バインダー。
- カチオン性ポリマー微粒子中の反応性カチオン性ポリマー乳化剤成分の重量割合が5〜95重量%であり、かつカチオン性ポリマー微粒子全体のモノマー組成から計算されるカチオン性ポリマー微粒子のガラス転移温度が−50〜100℃である請求項3に記載のアルミニウムろう付け用バインダー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のバインダーおよびアルミニウムろう付用フラックスを水に分散させた水系アルミニウムろう付け用組成物。
- アルミニウムろう付け用フラックスがAlF3−KF系フラックスまたは亜鉛フッ化物フラックスである請求項5に記載の水系アルミニウムろう付け用組成物。
- AlF3−KF系フラックスにアルカリ金属塩、亜鉛フッ化物およびこれらの複塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を添加した請求項6に記載の水系アルミニウムろう付け用組成物。
- 金属ケイ素粉末を含有する請求項5〜7のいずれかに記載の水系アルミニウムろう付け用組成物
- 請求項1〜4記載のいずれかに記載のバインダーおよび金属ケイ素粉末を水に分散させた水系アルミニウムろう付け用組成物。
- さらに水溶性ポリマーを混合することを特長とする請求項5〜9のいずれかに記載の水系アルミニウムろう付け用組成物。
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