JP3734947B2 - アルミニウム材ろう付け用ペースト及びアルミニウム材 - Google Patents

アルミニウム材ろう付け用ペースト及びアルミニウム材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金から成る材料、即ち、アルミニウム材のろう付け(ブレージング)に使用されるアルミニウム材ろう付け用ペースト及び、該ペーストが塗布されたアルミニウム材に関する。更に詳しくは、自動車及び各種産業用アルミニウム合金製エバポレーター、コンデンサー、ラジエター等の熱交換器等を接合組立する際のろう付けに適するろう付け用ペースト及び、該ペーストが塗布されたアルミニウム材に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金製熱交換器の組立製造は、一般に、下記のように行われる。即ち、押出形成された多穴管から成るチューブに対し、ろう(ろう材)を母材にクラッドしたブレージングシートが使用されて、フィンがろう付けされている。
【0003】
しかし、近年では、熱交換器の小型化、軽量化のために、特開平9−85483号公報に示すように、薄肉化に限界があるろう材を母材にクラッドしたクラッドフィンをベアフィンに置き換えて、薄肉化し、チューブ外面に、塗布により、ろう材粉末とバインダー樹脂から成る被膜を形成して、チューブとフィンをろう付けすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記バインダー樹脂としては、従来、多数の高分子化合物が提案されている。しかしながら、これら高分子化合物は、何れも、有機溶剤に対して可溶であった。
そのため、熱交換器の製造工程において、何らかの原因で、有機溶剤が上記被膜に付着した際には、高分子化合物が溶出して、被膜、即ち、ろう材粉末がチューブから剥離し易かった。このため、ろう付け性が悪く、フィンをチューブに良好にろう付けできないとの問題があった。
【0005】
本発明者は、上記問題点及び貯蔵安定性(経時安定性)を解決するために鋭意検討した結果、バインダー樹脂の基本骨格をなす高分子重合体を、特定の架橋剤により、架橋して、高分子重合体を3次元的な網目状とすることで、有機溶剤によるバインダー樹脂の溶出を防止できることを見い出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルミニウム材ろう付け用ペーストの特徴とするところは、アルミニウム材をろう付けするためのろう材粉末と;バインダー樹脂と;有機溶剤及び/又は水と;から成るアルミニウム材ろう付け用ペーストにおいて、バインダー樹脂が、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須構成単量体とする高分子重合体(A)と、アミンイミド基又はヒドロキシアルキルアミド基を有する架橋剤(B)から成る点にある。
又、本発明のアルミニウム材の特徴とするところは、上記アルミニウム材ろう付け用ペーストにおける、ろう材粉末とバインダー樹脂から成る被膜により被覆され、被膜1m2 当たりの重量が10〜100gとされた点にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアルミニウム材ろう付け用ペースト(ろう付け用組成物、ろう付け用スラリー)は、アルミニウム材をろう付けするためのろう材粉末と;バインダー樹脂と:有機溶剤及び/又は水;とから成る。
【0008】
本発明のろう材粉末には、▲1▼単独でろう材として使用可能な金属や、▲2▼アルミニウム材の表面と反応し、低融点合金層を形成して、ろう材として寄与する金属等が使用されるが、通常、各種アルミニウム合金が使用される。このアルミニウム合金には、珪素(元素)を通常よりも多量、即ち、10〜50wt%(重量%)含有するものが望ましい。それは、ろう材粉末として、通常よりも多量の珪素を含有するアルミニウム合金を使用すれば、ろう付けされるアルミニウム材(被作業材、被ろう付け材)に塗布するペースト量(即ち、ろう材粉末、バインダー樹脂等)を低減でき、本発明の効果を十分に発揮できるからである。尚、ろう材粉末を、珪素を含有するアルミニウム合金とせずに、珪素粉単体とする場合もある。
【0009】
尚、ろう材粉末には、耐食性改善等の目的で、珪素以外の亜鉛、鉄、銅、マンガン、スズ、インジウム等の元素を、ろう付け性に悪影響を与えない量の範囲で、添加してもよい。例えば、亜鉛は40wt%程度まで添加しても、ろう付け性に悪影響を与える等の問題はない。
【0010】
又、ろう材粉末の粒径は5〜100μm程度が望ましい。ろう材粉末の粒径が下限の5μm以下であると、ろう材粉末の製造コストが高くつくと共に、ろう材粉末に酸化被膜が形成され易くなり、ろう付け性が阻害される。又、ろう材粉末の粒径が上限の100μm以上になると、アルミニウム材に塗布されたペーストから有機溶剤及び/又は水を実質上除去する乾燥工程で、ろう材粉末がアルミニウム材上に留まらずに、バインダー樹脂と共に落下し易くなり、アルミニウム材上にろう材粉末を所定量付着させることが困難となる。
【0011】
本発明のバインダー樹脂は、ろう材粉末をアルミニウム材上に保持して、アルミニウム材上に、ろう材粉末とバインダー樹脂から成る均一な被膜を形成するためのものである。ろう付け用ペーストにおいて、ろう材粉末100重量部に対するバインダー樹脂の配合量は、通常2〜200重量部、好ましくは、5〜100重量部とされる。
バインダー樹脂は、活性水素含有基(a)を有する高分子重合体(A)と、加熱により活性水素と反応可能な官能基(b)を有する架橋剤(B)から成る。高分子重合体(A)中の活性水素含有基(a)と架橋剤(B)中の官能基(b)の等量比(a)/(b)は、通常、0.2〜5.0であり、耐溶剤性の点から、好ましくは、0.5〜2.0である。
【0012】
高分子重合体(A)の重量平均分子量は、塗布性の点から、2,000〜1,000,000が好ましい。高分子重合体(A)の溶解度パラメータ(以下、単にSP値という)は、耐食性の点から、50.0以下とされ、好ましくは、8.5〜30.0とされる。尚、SP値はFedors法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]によって算出される値である。
高分子重合体(A)は、活性水素含有基(a)を有するエチレン性不飽和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須構成単量体とする高分子共重合体である。高分子重合体(A)中の活性水素含有基(a)の含有量は、耐溶剤性及び耐ブロッキング性の点から、好ましくは、0.2〜5.0mmol/g、更に好ましくは、0.4〜2.0mmol/gである。
【0013】
活性水素含有基(a)としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びメルカプト基から成る群より選ばれる1種以上の官能基が考えられる。この内、臭気性の点からは、水酸基、カルボキシル基が好ましい。本発明では、活性水素含有基(a)として、水酸基を必須としている。
【0014】
活性水素含有基(a)の高分子重合体(A)への導入方法としては、下記の方法が挙げられる。即ち、活性水素含有基(a)を有するエチレン性不飽和単量体(α)[例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等]と、他のエチレン性不飽和単量体(β)を共重合する方法である。
【0015】
エチレン性不飽和単量体(β)としては、例えば、(1)オレフィン[例えば、炭素数2〜20のα−オレフィン等]、(2)共役ジエン[例えば、ブタジエン、イソプレン等]、(3)ビニル芳香族[例えば、スチレン、α−メチルスチレン等]、(4)ビニルエステル[例えば、酢酸ビニル等]、(5)(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、炭素数2〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリレート等]、(6)ビニルピリジン[例えば、N−ビニルピリジン等]、(7)ビニルラクタム[例えば、N−ビニルピロリドン、3−メチル−N−ビニルピロリドン等]、(8)ビニルイミダゾール[例えば、N−イミダゾール、2−メチル−2−イミダゾール等];及びこれら2種以上の混合物が考えられる。この内、低温揮発分解性の点から好ましいのは、上記(5)(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは、メタクリル酸アルキルエステルである。本発明では、エチレン性不飽和単量体(β)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須構成単量体としている。
【0016】
本発明において、加熱により活性水素と反応可能な官能基(b)を有する架橋剤(B)の使用は、耐ブロッキング性、貯蔵安定性及び耐溶剤性の点から有用である。架橋剤(B)は特に限定されないが、架橋剤(B)として、活性水素と低温でも反応可能な架橋剤(例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物等)を使用すれば、製造(配合)後のろう付け用ペーストの貯蔵安定性(保存安定性)や作業性が劣り、好ましくない。
【0017】
官能基(b)としては、加熱により活性水素と反応可能な官能基であれば、特に限定はなく、例えば、加熱により、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、ホルマリン化合物等を生じる官能基が考えられる。耐溶剤性、貯蔵安定性の点から、官能基(b)として、好ましくは、アミンイミド基[例えば、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンイミド基等]、ブロックイソシアネート基[例えば、オキシムブッロクイソシアネート、メタノールブッロクイソシアネート、カプロラクタムブッロクイソシアネート、フェノールブッロクイソシアネート等]、ブロックエポキシ基[例えば、炭酸ブロックエポキシ基等]、ヒドロキシアルキルアミド基[例えば、メチロールアミド基等]、アルコキシアルキルアミド基[例えば、ブチロキシメチルアミド基等]から成る群(尚、上記任意の構成要素を削除してもよい。)より選ばれる1種以上の官能基が考えられる。本発明では、官能基(b)として、アミンイミド基又はヒドロキシアルキルアミド基が必須とされる。架橋剤(B)1分子中に含有される官能基(b)の数は、耐溶剤性の点から、通常、2個以上とされ、好ましくは、3個以上とされる。
【0018】
本発明のろう付け用ペーストの構成成分とされる、有機溶剤及び/又は水の配合量(含有量)は、特に限定されないが、ろう付け用ペーストが塗布(例えば、刷毛塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布、浸積塗布等)のために適当な粘度を有するように、上記配合量は調整される。有機溶剤は、特に限定されないが、乾燥性の点から、沸点250℃以下のものが好ましい。
【0019】
本発明のろう付け用ペーストには、ペーストに付与する各機能に応じて、以下のものを添加してもよい。例えば、ペーストに平滑性を付与する場合には、ペーストに、低分子潤滑剤[例えば、メチルピロリドン、イソプロピルアルコール等]、高分子潤滑剤[例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、コロイダルシリカ等]等を添加してもよい。
【0020】
又、ろう付け用ペーストに防菌性や防かび性を付与する場合には、ペーストに、防菌剤[例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等]や、防かび剤[2−チアゾール−4−(メチルスルホニル)ピリジン等]を添加してもよい。
【0021】
更に、ろう付け用ペーストに、塗布時の均一塗布性を付与する場合には、ペーストに、レベリング剤として、界面活性剤[例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル等のアニオン活性剤、アルキルアミン塩等のカチオン活性剤、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン等の両性活性剤]を添加してもよい。
【0022】
又、ろう付け時において、アルミニウム材に対するフラックス塗布工程を省略する場合には、ろう付け用ペーストに、フッ素系やセシウム系等のフラックスを添加してもよい。
【0023】
更に、ろう付け用ペーストの硬化速度を速めることで、ろう付けの作業性を向上させる場合には、ペーストに、酸触媒[例えば、パラトルエンスルホン酸、リン酸ジブチルのような有機酸等]、アルカリ触媒[例えば、トリブチルアミンのような有機アミン等]を添加してもよい。
【0024】
本発明のろう付け用ペーストを製造する際には、ろう材粉末、バインダー樹脂及び必要により添加される各種添加剤を、有機溶剤及び/又は水に、溶解、可溶化、分散、懸濁させることで、容易に製造できる。
【0025】
本発明のろう付け用ペーストの使用方法には、▲1▼ペーストをアルミニウム材に塗布して、ペーストから有機溶剤及び/又は水を実質上除去した後、加熱により、ペーストを硬化させる方法と、▲2▼ペーストからの有機溶剤及び/又は水の除去と、ペーストの硬化を、加熱により、同時に行う方法がある。
ろう付け用ペーストから有機溶剤及び/又は水を実質上除去する方法には、特に限定はなく、加熱除去、減圧除去、自然乾燥除去等が挙げられる。ペーストから有機溶剤及び/又は水を実質上除去した際には、アルミニウム材上に、ろう材粉末とバインダー樹脂等から成る被膜が形成されるが、この被膜1m2 当たりの重量は10〜100gとすることが好ましい。
ろう付け用ペーストを硬化させる際の加熱温度は、架橋剤(B)中の官能基(b)が高分子重合体(A)の活性水素含有基(a)中の活性水素と反応可能となる温度以上であればよく、通常、80℃〜250℃、好ましくは、100〜200℃とされる。
【0026】
本発明のろう付け用ペーストを使用して、アルミニウム材、即ち、アルミニウム合金から成る材料がろう付けされる。尚、ろう付け用ペーストから有機溶剤及び/又は水を実質上除去した際に形成される被膜の、アルミニウム材に対する付着性や密着性を良好にし、被膜の厚さを均一にして、被膜の剥離や被膜の厚さの不均一(ばらつき)によるろう付け後の局部的な未着部(ろう付けされていない部分)の発生を防止するためには、アルミニウム材の表面が10〜60μm程度の凹凸を有することが望ましい。
【0027】
又、上記アルミニウム合金の材質は、ろう付けが行え、且つ、このアルミニウム合金により構成される製品や部品に要求される機能、用途及び目的等に適合するものであればよい。例えば、押出しチューブの場合には、チューブを構成するアルミニウム合金の材質を、押出し性が良好なものとすればよく、又、熱交換器の場合には、熱交換器を構成するアルミニウム合金の材質を、耐食性等が良好なものとすればよい。
【0028】
【実施例】
次に、本発明の実施例を、比較例と比較しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
<製造例1>
還流器のついた4つ口コルベンに、メチルエチルケトン500部を入れて、攪拌しながら、75℃(表1の「A−1」の欄の「反応温度」の項目参照)に加熱し、この温度を保持した。次に、不飽和重合性高分子重合体(A)の構成成分として、下記の反応性単量体(モノマー)を選択し、これら単量体の内、NBMとHEMを、表1の「A−1」の欄の「組成」の項目に示す割合で配合し、この配合したものを1000部、重合開始剤である2,2−アゾビス(2−アミジプロパン)ハイドロクロリド(以下AHC)5部(表1の「A−1」の欄の「AHC量」の項目参照)、トルエン500部を混合して、混合液を得た。この混合液を、上記コルベン内に3時間かけて滴下し、5時間同条件で攪拌後、AHC0.1部を添加して、更に3時間攪拌した。次に、コルベン内からメチルエチルケトンを減圧除去して、高分子重合体(A−1)を得た。
【0030】
次に、表1の「A−2」〜「A−5」及び、表2の「B−1」と「B−2」の欄に示すように、反応性単量体の種類と配合割合、反応温度、AHC(重合開始剤)の配合量のみを変更して、上記同様の操作を行い、高分子重合体(A−2〜A−5)及び、架橋剤(B−1、B−2)を得た。
【0031】
[反応性単量体]
NBM :ノーマルブチルメタクリレート
IBM :イソブチルメタクリレート
HEM :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
PPM :ポリプロピレングリコールモノメタクリレート[日本油脂株式会社製ブレンマーPP500]
AMI :1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンメタクリルアミド[イヌイ株式会社製イミド−100]
MOA :メチロールアクリルアミド
【0032】
【表1】
Figure 0003734947
【0033】
【表2】
Figure 0003734947
【0034】
<製造例2>
還流器のついた4つ口コルベンに、メチルエチルケトンオキシム260部、イソホロンジイソシアネートヌレート体740部、メチルエチルケトン500部を入れて、攪拌しながら60℃に加熱した。10時間同条件で攪拌後、コルベン内から、メチルエチルケトン及び過剰のメチルエチルケトンオキシムを減圧除去して、架橋剤(B−3)を得た。
【0035】
<実施例1>
JISA1050で規定されるアルミニウム製円筒状ビレットを、多穴偏平管(高さ1.8mm、幅16mm、19孔)に押出形成した後、表面にブラスト処理を施して、チューブを得た。
次に、下記の表3の「実施例1」の欄に示すように、バインダー樹脂を構成する高分子重合体(A)及び架橋剤(B)成分として、上記高分子重合体(A−1)及び架橋剤(B−1)を選択し、これらの活性水素含有基(a)と官能基(b)の当量比(当量比の値)が1.0/1.0となるように、高分子重合体(A−1)及び架橋剤(B−1)を配合し、触媒を使用せずに、バインダー樹脂を製造した。
【0036】
このバインダー樹脂に、ろう材粉末である平均粒径40μmのAl−25Si−15Zn合金粉末と、有機溶剤であるトルエンを配合して、ろう付け用ペーストを製造した。尚、ペースト中のアルミニウム合金粉末、バインダー樹脂、トルエンの重量比率は40:6:54とした。
このペースト中に上記チューブを浸積して、チューブにペーストを付着させた後、150℃による加熱処理を5分間(表3の「実施例1」の欄の「加熱時間」の項目参照)行い、チューブ上のペーストからトルエンを実質上除去して、チューブ上に、ペーストの合金粉末とバインダー樹脂から成る被膜を形成した。尚、被膜1m2 当たりの重量は30gであった。
【0037】
<実施例2〜10>
次に、表3の実施例2〜実施例10の欄に示すように、高分子重合体(A)成分、架橋剤(B)成分、加熱時間のみを変更して、実施例1と同一条件の処理を行い、実施例2〜10のろう付け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成された実施例2〜10のチューブを得た。
【0038】
<実施例11>
活性水素含有基(a)と官能基(b)の当量比(当量比の値)が0.8/1.2になるように、高分子重合体(A−1)及び架橋剤(B−1)を配合したこと以外は、実施例9と同一条件の処理を行い(表3の実施例11の欄参照)、ろう付け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成されたチューブを得た。
【0039】
<実施例12>
活性水素含有基(a)と官能基(b)の当量比(当量比の値)が1.2/0.8になるように、高分子重合体(A−1)及び架橋剤(B−1)を配合したこと以外は、実施例9と同一条件の処理を行い(表3の実施例12の欄参照)、ろう付け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成されたチューブを得た。
【0040】
<実施例13>
バインダー樹脂の製造時に、触媒として、0.5wt%のリン酸ジブチルを使用したことと、加熱時間を1分にしたこと以外は、実施例9と同一条件の処理を行い(表3の実施例13の欄参照)、ろう付け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成されたチューブを得た。
【0041】
<比較例1〜5>
表3の比較例1〜5に示すように、バインダー樹脂を、高分子重合体(A−1)〜(A−4)の何れかのみから構成したことと、加熱時間を1分にしたこと以外は、実施例1と同一条件の処理を行い、比較例1〜5のろう付け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成された比較例1〜5のチューブを得た。
【0042】
<比較例6>
表3の比較例6に示すように、バインダー樹脂を、高分子重合体(A−1)と架橋剤(B−4)から構成したこと以外は、実施例9と同一条件の処理を行い、ろう付け用ペーストと、該ペーストの被膜が形成されたチューブを得た。尚、架橋剤(B−4)として、イソホロンジイソシアネートヌレート体を使用した。
【0043】
次に、上記実施例及び各比較例のろう付け用ペースト及びチューブについて、下記に示すように、ろう付け性、耐溶剤性、貯蔵安定性の各試験を行った。結果を表3に示す。
【0044】
<試験方法>
(1)ろう付け性
チューブを60mmに切り出した。次に、波形(コルゲート)加工された板厚0.07mmのAl−0.5Si−1Fe−0.5Ni−2Zn合金製フィンの20波分(尚、1波は、山と谷から成る。)と、上記切り出されたチューブを組み合わせて、ミニコアを作成した。
このコアにフッ素系のフラックスを塗布した後、窒素雰囲気下で、コアを、600℃の温度で3分間加熱して、チューブ上における、合金粉末とバインダー樹脂から成る被膜からバインダー樹脂を揮発させ、フィンとチューブを20箇所(即ち、フィンにおける、各波のチューブ側に突出する山部分)でろう付けした。
その後、上記20箇所のろう付け部分の内、完全に接合(ろう付け)されている箇所の数を数え、(完全に接合(ろう付け)されている箇所数)/20を、フィン接合率として、評価した。フィン接合率が95%以上のものを○、それ以下を×とした。
【0045】
(2)耐溶剤性
チューブを温度30℃のトルエン中に10分間浸積する「浸積試験」を行って、チューブ上の被膜の溶出状況を観察した後、チューブをトルエン中から取り出し、チューブ表面にトルエンが残存する状態で、チューブをガーゼにより擦る「剥離試験」を行って、被膜の剥離状況を観察した。そして、剥離試験後でも被膜の剥離が認められないものを◎、浸積試験では被膜が溶出しないが剥離試験では被膜が一部剥離するものを○、浸積試験で被膜が一部溶出するものを△、浸積試験で被膜が完全に溶出するものを×とした。
【0046】
(3)貯蔵安定性
ろう付け用ペーストを45℃の温度で保存して、使用不能になるまでの日数を求めた。
【0047】
【表3】
Figure 0003734947
【0048】
表3を見れば、実施例では、全ての試験結果が良好であるが、比較例では、何れかの試験結果が悪いことが分かる。
【0049】
【発明の効果】
以上記述したように、本発明によれば、バインダー樹脂を、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須構成単量体とする高分子重合体と、アミンイミド基又はヒドロキシアルキルアミド基を有する架橋剤から構成することにより、ろう付け性を阻害することなく、耐溶剤性及び貯蔵安定性を向上でき、これにより、熱交換器メーカーの製造時や貯蔵時における、ろう付け用ペーストの取り扱いを極めて容易化でき、産業上顕著な効果を奏することができる。

Claims (2)

  1. アルミニウム材をろう付けするためのろう材粉末と;バインダー樹脂と;有機溶剤及び/又は水と;から成るアルミニウム材ろう付け用ペーストにおいて、
    バインダー樹脂が、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須構成単量体とする高分子重合体(A)と、アミンイミド基又はヒドロキシアルキルアミド基を有する架橋剤(B)から成るアルミニウム材ろう付け用ペースト。
  2. 請求項記載のアルミニウム材ろう付け用ペーストにおける、ろう材粉末とバインダー樹脂から成る被膜により被覆され、
    被膜1m2 当たりの重量が10〜100gとされたアルミニウム材。
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