JP2007174605A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】略中央部に開口部10Aが形成された略円錐形状の振動板10と、振動板10の開口部の内周部に固定されるボイスコイルボビン6と、振動板10とボイスコイルボビン6との固定部近傍に配置される振動板補強用の環状部材19とを有する。環状部材19は、振動板10の内周部近傍の傾斜面10Cに対向し当該振動板10の傾斜面10Cに接着剤31を介して固着する傾斜面部191Aが形成された振動板補強部191と、ボイスコイルボビン6と環状部材19との間に接着剤31が充填される液溜部192Aが形成される筒形状部192とが一体成型されている。
【選択図】図5
Description
請求項1に記載の発明は、略中央部に開口部が形成された略円錐形状の振動板と、前記振動板の開口部の内周部に固定されるボイスコイルボビンと、前記振動板と前記ボイスコイルボビンとの固定部近傍に配置される振動板補強用の環状部材と、を有し、前記環状部材は、前記振動板の内周部近傍の傾斜面に対向し、当該振動板の傾斜面に接着剤を介して固着する傾斜面部が形成された振動板補強部と、前記ボイスコイルボビンと前記環状部材との間に接着剤が充填される液溜部が形成される筒形状部とが一体成型されていることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るスピーカ装置を説明する。
この屈曲部502の先端部521が、第1の磁石41の内周縁部41dのうちプレート側の角部41e近傍より、プレート側に規定間隔g45を空けて位置するように配置されている。
第1のピース51は、中央部に大径の貫通孔部51Bを備え、薄板リング形状に形成されている。また第1のピース51は、第2の磁石42に対向する面51Aが形成されている。また第1のピース51は半径方向断面形状が細長矩形状に形成され、軸方向に均一な厚さL2を保ちながら径方向に延びる円板である。詳細には第1のピース51は、半径方向断面形状において、軸方向寸法L2より径方向寸法W2が大きい断面形状を成している。
第2のピース52は、軸方向に延びる円筒状部522および係合部523を有する。詳細には円筒状部522は、大径の薄肉円筒形を成し、半径方向断面形状が細長矩形で、径方向に均一な厚さW1を保ちながら軸方向に延びる円筒である。図2に示すように、第2のピース52は内周面5cに磁気ギャップgに対向する磁気ギャップ対向面5fを形成しており、半径方向断面形状において、この磁気ギャップ対向面5fの軸方向寸法L1が、径方向寸法W1より大きい断面形状を成している。係合部523は、円筒状部522の側面(外周面)から第1のピース51側に屈曲し、全周にわたって突出した形状に形成されており、図3(a),(b)に示すように、組立時に第1のピース51と係合する。
第1のピース51の貫通孔部51Bの内周面と振動板側大面積面51Cとが形成する内周部振動板10側の断面直角となる角部51Dは、第2のピース52の係合部523と係合する第1のピース51側の係合部を構成してる。両係合部は図3(b)に示すように、互いに組み合って相互間の位置決めをする。この角部51Dにおいて、第1のピース51は、内周部の側開放側面を第2のピース52の係合部523の裏面に密着(軸方向に密着)させ、また内周面を第2のピース52の外周面に密着(径方向)に密着させている。ここで第2のピース52が第1のピース51に対して、軸方向振動板側に延出する第1の長さL3は、振動板10と反対側に延出する第2の長さL4よりも短く設定されている。
ここで磁気的に接合とは、ある部材が他の部材に対して磁束を伝達可能に接合されている状態に相当し、例えば磁性を有する接着材の層を介して接続されているような直接接触していない状態も含む。
これによりボイスコイル7は、磁気ギャップg内でセンターポール1の軸線方向に振動可能とされている。ボイスコイルボビン6の他方の端部には、いわゆるコーン形状の振動板10の小径側端が連結されている。フレーム9はテーパ状に広がる円筒形状をなしており、底側縁部には、周方向等間隔にボルトが貫通するネジ孔が螺刻されている。そしてヨーク3を裏面から支持する固定板がボルトにてフレーム9に固定されている。
また図1に示すように、センターポール1上には、ボイスコイルボビン6の内側に、センターポール1と略同径のセンターピース15がボルト16にて固定されている。
このため本実施形態に係るスピーカ装置100aは、図3に示すように、トッププレート5の屈曲部502のうち磁気ギャップgに対向する部分(内周面5c)及びセンターポール1の外周面部1aの一方又は両方に、非磁性体かつ導電体からなるショートリングが形成されている。本実施形態ではその両方に非磁性体からなるショートリングを設けることにより、交流磁束による歪を低減することができる。
図7は、図1に示したスピーカ装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。図8は、図1に示したスピーカ装置の磁気回路系を示す断面図である。図面を参照しながらスピーカ装置の製造方法の一具体例を説明する。先ず、磁気回路102を作製すると共に、その磁気回路102をフレーム9に取り付ける(ステップS1)。詳細には、図8に示すように、ヨーク3のボトムヨーク2上に、磁石4を固定すると共に、磁石4上にトッププレート5を配置する。こうして磁気回路102が作製される。次に磁気回路102とフレーム9とを固定する。
本実施形態に係る振動板10は、例えば図10に示すように、第1の振動板層10Aと、第2の振動板層10Bとが射出成型により一体成型された構造を有する。第1の振動板層10Aは、各種材料により形成される。例えば第1の振動板層10Aとして、ポリアミド繊維を使用したアラミド繊維織布や、カーボン繊維、シルク混繊維、ガラス繊維等のほか各種繊維による織布や、規定材料からなる部材を採用することができる。また第1の振動板層10Aとして、例えば図11に示すような繊維41,42を、2軸織り(平織り)に織り込んだ織布を採用してもよい。第2の振動板層10Bは、第1の振動板層10Aに密着状態に積層される合成樹脂材料からなる。本実施形態に係る振動板10は、図10に示すように、第1の振動板層10Aの間に、第2の振動板層10Bが形成されている。この際、表側の第1の振動板層10Aと裏側の第1の振動板層10Aの材料が異なっていてもよい。例えば表側の第1の振動板層10Aを、アラミドやシルク混繊維からなる織布部材により形成し、裏側の第1の振動板層10Aを、ガラス繊維からなる織布部材により形成してもよい。
次に、図12(c)に示すように、型締めした後、例えばオレフィン系樹脂をベースに発泡剤と無機物又は有機フィラーとを混合した、第2の振動板層10Bを形成するための射出材料10Baを充填する。この射出材料10Baの充填時には、図12(e)に示すように、両金型313,315を僅かに締めるプレスを行うことで、充填した射出材料10Baをキャビティ内の隅々まで均等に行きわたらせることができる。その後、金型313,315を適度に開いて、充填樹脂の未硬化層に発泡を生じさせる。射出発泡形成工程が完了したら、図12(f)に示すように、金型313,315を開くと、発泡樹脂構造の第1の振動板層10A内に第2の振動板層10Bが形成された多層構造の振動板10を取り出すことができる。上述した実施形態では振動板10は、発泡構造の3層構造を有する形態を説明したが、この形態に限られるものではない。例えば発泡構造でなく単純に射出成型された構造であってもよいし、表側および裏側のいずれか一方にのみ第1の振動板層10Aが形成されていてもよい。また振動板10は例えば単一部材による単純な構造であってもよい。
そして図10に示すように、射出成型品の中央部付近をA−A線及びB−B線に沿って筒形状に切り抜き、金型射出口によるゲート跡を除去することで、規定形状の振動板10を作成する。
次に図14に示すように、ボイスコイル7が巻装されたボイスコイルボビン6と、接着剤31により固着された振動板10と環状部材19とを配置し、図14(b)に示すように、振動板10および環状部材19の開口部1901内に、ボイスコイルボビン6を嵌合する。そして、図14(b)に示すように、塗布装置30により接着剤31を、環状部材19の液溜部192Aに充填する。この際、図6に示すように、溝部(切り欠き部)193にボイスコイルに接続された錦糸線21を挿入した状態で接着工程を行う。またこの際図14に示した振動板10と環状部材19、及びボイスコイルボビン6との位置関係を逆さにした状態で、接着剤31を塗布することで容易に接着剤31を液溜部192Aに充填させることができる。また溝部193から接着剤31を塗布することでより容易に接着剤31を液溜部192Aに充填することができる。次に図14(c)に示すように、ダンパ部材8を環状部材19の底部に接着剤31により接着する。そして規定時間後、接着剤が固化して振動板10、環状部材19、ボイスコイルボビン6、及びダンパ部材8が固定される。上記工程により振動系を要素を作製することができる。
特にPP(ポリプロピレン樹脂)振動板等の射出成型された振動板や、剛性の低い振動板などを採用した場合であっても、振動板10のネック部に環状部材19を設けることにより、簡単に振動板10のネック部の強度を向上させることができる。
また従来のスピーカ装置において、振動板に切り欠き部を形成すると振動板に歪みが生じて、再生音の音質が劣化する場合があるが、本発明に係るスピーカ装置100では、コーン状の振動板10のネック部に、環状部材19を形成することで、振動板10に切り欠き部を形成しないので、再生音の音質の劣化を防止することができる。
上述した実施形態では、射出発泡成形により成型された振動板を採用したが、この形態に限られるものではない。例えば単一材料により形成された振動板であってもよいし、各種振動板であってもよい。また、上述した実施形態では、円錐形状の振動板10を採用したがこの形態に限られるものではない。楕円形状、平面形状など各種形状であってもよい。また上述した実施形態では、環状部材19の振動板補強部191と、振動板10の間に間隙が形成されていたが、例えば図15に示すようにその間隙がなく、振動板10と振動板補強部191とが密着する形状に、振動板補強部191を形成してもよい。
また振動板のネック部付近の強度が比較的大きいので、振動板の不要な分割振動を低減することができる。
また例えば射出成形された振動板を採用した場合であっても、簡単な構成でネック部の強度を向上させることができる。
2 ボトムヨーク
3 ヨーク
4 磁石
5 トッププレート
6 ボイスコイルボビン
7 ボイスコイル
8 ダンパ部材
9 フレーム
10 振動板
11 放熱部材
12 エッジ
19 環状部材
41 第1の磁石(第1の環状磁石)
42 第2の磁石(第2の環状磁石)
51 第1のピース
51 第2のピース
100 スピーカ装置
101 磁束
102 磁気回路
191 振動板補強部
192 筒状部
193 溝部
Claims (6)
- 略中央部に開口部が形成された略円錐形状の振動板と、
前記振動板の開口部の内周部に固定されるボイスコイルボビンと、
前記振動板と前記ボイスコイルボビンとの固定部近傍に配置される振動板補強用の環状部材と、を有し、
前記環状部材は、前記振動板の内周部近傍の傾斜面に対向し当該振動板の傾斜面に接着剤を介して固着する傾斜面部が形成された振動板補強部と、前記ボイスコイルボビンと前記環状部材との間に接着剤が充填される液溜部が形成される筒形状部とが一体成型されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 前記振動板及び該振動板に前記振動板補強部を介して固着した前記環状部材が、前記筒形状部の液溜部に充填された接着剤により前記ボイスコイルボビンに固定されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 電気信号を供給する錦糸線と、前記ボイスコイルボビンに巻装されるボイスコイルとを有し、
前記環状部材の筒状部には、溝部が形成され、
前記錦糸線は、前記溝部に挿入された状態で、前記ボイスコイルに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ装置。 - 前記振動板は、少なくとも織布からなる第1の振動板層と、前記第1の振動板層に密着状態に積層される合成樹脂材料からなる第2の振動板層とが射出成型により一体成型されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一に記載のスピーカ装置。
- 前記振動板は、前記織布からなる第1の振動板層と、織布からなる第3の振動板層と、当該第1及び第3の振動板層の間に配置された前記第2の振動板層とが射出成型により一体成型されていることを特徴とする請求項4に記載のスピーカ装置。
- 前記振動板は、該振動板の傾斜面から前記開口部の内側に向けて屈曲する屈曲部が形成され、
前記ボイスコイルボビン、前記筒形状部、および前記屈曲部に囲まれた間隙に、接着剤が充填されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一に記載のスピーカ装置。
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