JP2000059888A - スピーカ - Google Patents

スピーカ

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JP2000059888A JP10219954A JP21995498A JP2000059888A JP 2000059888 A JP2000059888 A JP 2000059888A JP 10219954 A JP10219954 A JP 10219954A JP 21995498 A JP21995498 A JP 21995498A JP 2000059888 A JP2000059888 A JP 2000059888A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ボイスコイルを包囲する薄膜を、ボイスコイ
ル収納部に形成したダンパ使用の多種多量生産に向く耐
腐食性のスピーカ。 【解決手段】 熱可塑性合成樹脂を熱加工により成形し
たダンパの、磁気回路の中心ポール磁極の上面に固着す
る内側固着部と、外側プレート磁極の上面に固着する外
側固着部と、その中間に内側及び外側コンプライアンス
部を形成し、該中間に、ボイスコイルを収納固着し円環
状磁気空隙内に遊嵌入する、円周方向断面U形の有底円
環溝形状のボイスコイル収納部を、上方に解放姿勢に一
体に形成し、ボイスコイル収納部の底部に、ボイスコイ
ルの巻線を円環筒状に単層又は複数層に所要回数巻回
し、保形処理したボビンレス構造であって、該巻始め端
と巻終わり端に引出し線を引出したボイスコイル巻線部
を嵌入固着し振動系を構成し、振動系を磁気回路に装着
しダンパのボイスコイル収納部の内部上方に振動板の端
部を接着固着した構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐入力を保持
し、組み立て時、ダンパに設けた収納部にボイスコイル
を容易に挿入して固着でき、前記収納部の上方に振動板
3の端縁部を挿入固着して容易に取付できる、主に中程
度の振幅の中高音輻射用スピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種のスピーカは、図27に示し
た、実開昭57−128294号公報に記載されている
「振動系構造」のような、ダンパ2の中心穴壁面を垂直
に延長して円筒形に形成してボイスコイル用ボビン1と
し、その上にボイスコイル4を巻着して、ダンパ2とボ
イスコイル用ボビン1とを一体に成形して、ダンパ2の
上にドーム形振動板3aを接着した構造が公知になって
いる。(()内符号は公報記載のものである)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来のこ
の種のスピーカにあっては、ダンパ2兼用のボイスコイ
ル4ボビン1に巻着したボイスコイル4は、ボビン1の
表面に添着した構造であるので、ボイスコイル4の表面
は磁気空隙内に露出し、また、 ダンパ2が一重であるの
で、狭隘な円環状磁気空隙の内部に位置して横振れの恐
れが多分にあり、耐入力を大きく採れないという問題が
あった。また、このようなスピーカ1にあっては、磁性
流体を磁気空隙内に封入充填するときは、磁性流体が、
ボイスコイル4のリード線等を通じて滲み上がり、ボイ
スコイルボビンと振動板との接着剤、またはボイスコイ
ルボビンとダンパとの接着剤、さらにはボイスコイル4
の表面に直接接触する接着剤等に対する腐食が発生した
り、あるいは磁性流体の粘度が硬化したり、さらに磁性
流体がボイスコイルの振動によって、磁気空隙から他の
部品に飛び出して付着するという問題もあった。
【0004】そこで、本発明は、このような従来のスピ
ーカが有していた課題を解決するために、前記した従来
のダンパ2のボイスコイル巻着部すなわちボイスコイル
ボビン1をなくして、図1、図2、図3、図4に示す本
発明スピーカ1の実施例の各断面図に示すように、本発
明スピーカ1のダンパ2は、最外側に磁気回路5の外側
プレート磁極5cの上面の外側固着部2dを、その内側
にロール形状の外側コンプライアンス部2bを、その内
側に円周方向断面U字形の有底円環状溝形状のボイスコ
イル収納部2eを、またその内側にロール形状の内側コ
ンプライアンス部2aを、さらにその内側(最内側)
に、磁気回路5の中心ポール磁極5bの上面に接着する
内側固着部2cを、熱可塑性樹脂を一体に加熱成形によ
り形成してある。
【0005】しかして、組み立て時、前記ボイスコイル
4をダンパ2のボイスコイル収納部2eに嵌入して接着
剤で固着して、円環状磁気空隙5aを形成した磁気回路
5を取り付けた筺体1aの円環状磁気空隙5aに、前記
ボイスコイル収納部2eを挿入して、前記ダンパ2の外
側固着部2d及び内側固着部2cを、磁気回路5の外側
プレート磁極5c、中心ポール磁極5bの上面にそれぞ
れ固着し、ドーム形振動板3aの先端部をダンパ2の前
記ボイスコイル収納部2eの底部に挿入して接着剤で固
着する。
【0006】ボイスコイル4は、例を図3に示すよう
に、コイル巻線を単巻きにボビンレス構造に円環状に巻
着して、前記ボイスコイル収納部2e内に嵌入固着し
て、磁気回路5の円環状磁気空隙5a内に磁壁に触れな
いようにボイスコイル4が懸垂されるごとくしてある。
【0007】このように本発明スピーカ1において、ダ
ンパ2は、種々のバリエーションの形状のダンパの総称
であり、円周方向断面U字形の有底円環状溝形状のボイ
スコイル収納部2eを一体に形成してそれを中間に介し
て、形成した内外コンプライアンス部の形状は、前記の
ロール形の他に、コルゲーション形状、またはタンジェ
ンシャル形状等の形状のコンプライアンス部としてもよ
い。また、ボイスコイル4は、前記した断面形状円形の
巻き線を単層に巻いたものの外、2重層の復巻き構造ま
たは、リボン線をエッジ巻きしたものを使用することも
可能である。また、ボイスコイル4をボイスコイルボビ
ン6に巻着して、そのボイスコイル4側の先端をボイス
コイル収納部2eに挿入して接着固着して、ボビン6の
他端を振動板3に取り付けることもできる。そしてま
た、1aは、円環状磁気空隙5aを形成する磁気回路5
に、振動板3を支持するフレーム10または、取付板1
0aを取り付けた筺体をいう。
【0008】
【課題を解決するための手段】該目的を達成するための
本発明の構成を、実施例に対応する 図1乃至図26を
用いて説明すると、第1発明に示すスピーカ1は、耐熱
性及び延展性に優れた熱可塑性合成樹脂を熱加工により
成形したダンパ2の、磁気回路5の中心ポール磁極5b
の上面に固着する内側固着部2cと、外側プレート磁極
5cの上面に固着する外側固着部2dと、その中間に、
両方がロール形状、両方がコルゲーション形状、あるい
は一方がロール形状で他方がコルゲーション形状のいず
れかの組み合わせに係る形状の内側コンプライアンス部
2aと外側コンプライアンス部2bを形成し、前記内外
コンプライアンス部2a,2bの中間に、ボイスコイル
4を収納固着して円環状磁気空隙5a内に遊嵌入する、
円周方向断面U形の有底円環溝形状のボイスコイル収納
部2eを、上方に解放した姿勢に一体に形成し、前記ボ
イスコイル収納部2eの底部に、ボイスコイル4の巻線
を円環筒状に単層又は複数層に所要回数巻回して、保形
処理したボビンレス構造であって、その巻始め端と巻き
終わり端にそれぞれ引き出し線4a,4bを引き出して
あるボイスコイル4の、ボイスコイル巻線部を嵌入して
固着して振動系を構成し、前記振動系を磁気回路5に装
着して、ダンパ2のボイスコイル収納部2eの内部上方
に、ドーム形振動板3a、コーン形振動板3b、円環殻
状振動板3c,3c’、平板振動板3d、平円殻状振動
板3g、またはドーム形振動板とコーン形振動板とを組
み合わせた複合振動板30a、あるいはドーム形振動板
と円環殻状振動板とを組み合わせた複合振動板30b,
30b’の端部を接着して固着した構造のスピーカ1で
ある。
【0009】第2発明に示すスピーカ1は、ダンパ2を
耐熱性及び延展性に優れた熱可塑性合成樹脂を熱加工に
より、両方がロール形状、両方がコルゲーション形状、
あるいは一方がロール形状で他方がコルゲーション形状
のいずれかの組み合わせに係る形状の内側コンプライア
ンス部2aと外側コンプライアンス部2bを形成し、か
つ、それらの中間に、ボイスコイル4を収納固着して、
円環状磁気空隙5a内に遊嵌入する円周方向断面U形の
有底円環溝形状のボイスコイル収納部2eを、上方に解
放した姿勢に一体に形成したダンパ2の内側固着部2c
と外側固着部2dを、磁気回路5を組み込んだ筺体1a
に取り付けたフレーム10に取り付け、前記ボイスコイ
ル収納部2eの内側側壁に、ボイスコイル4の巻線を所
要回数巻回したボイスコイルボビン6のボイスコイル4
巻着側先端部を添着挿入して接着固着し、ボイスコイル
4巻着側と反対側の先端部をドーム形振動板3a、コー
ン形振動板3b、円環殻状振動板3c,3c’、平板振
動板3d、平円殻状振動板3g、またはドーム形振動板
とコーン形振動板とを組み合わせた複合振動板30a、
あるいはドーム形振動板と円環殻状振動板とを組み合わ
せた複合振動板30b,30b’の端部を接着して固着
した構造のスピーカ1である。
【0010】第3発明は、前記ボイスコイルボビン6の
中腹部に、補助ダンパ22を取り付け、ドーム形振動板
3a、コーン形振動板3b、円環殻状振動板3c,3
c’、平板振動板3d、平円殻状振動板3g、またはド
ーム形振動板とコーン形振動板とを組み合わせた複合振
動板30a、あるいはドーム形振動板と円環殻状振動板
とを組み合わせた複合振動板30b,30b’の端部を
接着して固着した構造の第1発明または第2発明のスピ
ーカ1である。
【0011】第4発明は、前記磁気回路5の磁気空隙5
aの内部に、磁性流体11を充填した第1発明乃至第3
発明のいずれかのスピーカ1である。
【0012】本発明は、このような構成としたものであ
るから、本発明のスピーカ1は、ダンパ2に、耐熱性、
延展性に優れた合成樹脂材料を使用して、ボイスコイル
収納部2eと、それを中心にして内外コンプライアンス
部を一体成形により形成して、筺体1aに取り付けた半
成品を別工程で組み立て製造しておいて、また別の組み
立て工程で適宜の振動板3をスピーカの用途に応じて選
択して取り付けることができるので、自動機による多品
種、多量生産が可能であって、ダンパ2がボイスコイル
4のボイスコイル収納部2eの内外両面を保持するの
で、機械振動的な横振れが少なくなり、ボイスコイル4
に発生する音声電流によるジュール熱は、ダンパ2の本
体を通過して磁気回路5へ、また、ボイスコイル収納部
2eの薄い側壁を通して磁気空隙5aを経て磁気回路5
へ、それぞれ導出されて、ボイスコイル4の熱放散を有
効にできるので、ボイスコイル4の温度上昇を抑制する
ことができ、ボイスコイル4の電気的耐入力を大きくす
ることができる。
【0013】また、本発明スピーカ1は、前記したダン
パ2のボイスコイル収納部2eの底部に、ボイスコイル
4を巻回したボイスコイルボビン6を、ボイスコイル4
側先端部を前記ボイスコイル収納部2eの外側壁面内側
に添着、挿入して接着固着し、他端先端部を振動板3の
中心部に取り付けることにより、振動板3と、ボイスコ
イルボビン6の付け根部分との接合が強化できて、スピ
ーカ1の耐入力性が著大になり、ボイスコイル4の横振
動が強固に防止できるので、大電気入力に対しても磁気
空隙5aに擦れる故障を厳に抑止できる。
【0014】本第3発明のスピーカは、前記ボイスコイ
ルボビン6の中腹部に、補助ダンパ22を取り付けて、
周辺部をフレーム10に固着して、ボイスコイル4の垂
直方向振動を助長して、横方向の振動を抑止できる。
【0015】さらにまた、必要に応じて磁気空隙5a内
に磁性流体11を封入して、その集磁力によって磁束密
度を上昇せしめて、変換能率を向上させることができ、
ボイスコイル4がボイスコイル収納部2eの側壁によっ
て磁性流体11から隔離され、ボイスコイル4に発生す
る熱は、磁気空隙5a、磁気回路5を経て空気中に放散
されて、温度上昇を抑止できて耐入力が大きく採れる。
さらに、磁性流体11の接着剤等に対する腐食性を抑止
することができる。
【0016】このように、製造上組み立て工程が簡略化
でき、耐熱性等の品質の向上を図るとともに、スピーカ
用途の多様性に精密に対応し得る多機種多量生産に便な
るスピーカの構造を提供することを目的とするものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について図面
に基づいて説明する。図1は、内外側コンプライアンス
部2a,2bをそれぞれロール形状にし、その中間にボ
イスコイル収納部2eを形成したダンパ2と、ドーム形
振動板3aを装着した本発明スピーカ1の一実施例の断
面を示す断面図、図2は、図1に示す実施例の一部(一
点鎖線の円で囲んだ部分)の拡大断面図、図3は、図1
に示す本発明スピーカ1を各構成部品に分解して関係位
置を示す断面図、図4は、本発明スピーカ1のダンパ2
の平面図である。
【0018】図5は、コーン形振動板3bを装着した、
本発明スピーカ1の断面図、図6は、円環殻状の振動板
3cを装着した、それぞれ本発明スピーカ1の断面図、
図7は、図6に示すスピーカ1の円環殻状の振動板3c
の平面図、図8は、図6に示すスピーカ1の円環殻状の
振動板3cの断面図、図9は、図6に示す円環殻状の振
動板3cの外周にコンプライアンス用コルゲーション3
fを形成した振動板3c’の断面図、図10は、内外側
コンプライアンス部2a,2bをそれぞれコルゲーショ
ン形状にし、その中間にボイスコイル収納部2eを形成
したダンパ2と、ドーム形振動板3aを装着した本発明
スピーカ1の一実施例の断面を示す断面図、図11は、
図10に示すダンパ2とコーン形振動板3bとを装着し
た本発明スピーカ1の断面図である。
【0019】図12は、ダンパ2の内外コンプライアン
ス部2a,2bの形状を、それぞれ内側をロール形状、
外側をコルゲーション形状として、ドーム形振動板3a
を装着したスピーカ1の断面図、図13は、図12に示
すダンパ2とコーン形振動板3bとを装着した本発明ス
ピーカ1の断面図、図14は、ダンパ2の内外コンプラ
イアンス部2a,2bの形状を、それぞれ内側2aをコ
ルゲーション形状、外側2bをロール形状として、ドー
ム形振動板3aを装着したスピーカ1の断面図、図15
は、図14に示すダンパ2とコーン形振動板3bとを装
着した本発明スピーカ1の断面図である。
【0020】図16は、内外側コンプライアンス部2
a,2bをそれぞれロール形状にし、その中間にボイス
コイル収納部2eを形成したダンパ2と、ドーム形振動
板3aとコーン形振動板3bとを一体に合成した複合振
動板30aを装着した本発明スピーカ1の一実施例の断
面図、図17は、図16に示す複合振動板30aを装着
したスピーカ1の一部(一点鎖線の円で囲んだ部分)の
拡大断面図、図18は、内外側コンプライアンス部2
a,2bをそれぞれロール形状にし、その中間にボイス
コイル収納部2eを形成したダンパ2と、ドーム形振動
板3aと円環殻形状振動板部3cとを一体に合成した複
合振動板30bを装着した本発明スピーカ1の一実施例
の断面図、図19は、図18の複合振動板30bの平面
図、図20は、図18の複合振動板30bの断面図、図
21は、図18の円環殻状振動板部の外周にコンプライ
アンス用コルゲーション3fを形成した円環殻状振動板
3c’の断面図である。
【0021】図22は、本発明スピーカ1のダンパ2の
ボイスコイル収納部2eの内側側壁に、ボイスコイル4
を巻着したボイスコイルボビン6を接着取り付けし、平
板形振動板3dを装着したスピーカ1の断面図、図23
は、本発明スピーカ1のダンパ2のボイスコイル収納部
2eの内側側壁に、ボイスコイル4を巻着したボイスコ
イルボビン6を接着取り付けし、さらに補助ダンパ22
を取り付けて、平円殻状振動板3gを装着したスピーカ
の断面図、図24は、図23のスピーカ1の一部(一点
鎖線の円で囲んだ部分)の拡大断面図である。
【0022】図25は、磁気空隙5aに磁性流体11を
充填した本発明スピーカ1の実施例の断面図、図26
は、図25のスピーカ1の一部(一点鎖線の円で囲んだ
部分)の拡大断面図である。
【0023】以下、本発明スピーカ1を図にしたがって
説明する。本発明スピーカ1のダンパ2は、PI、PE
I、PPTA等の耐熱性及び延展性に優れた熱可塑性合
成樹脂を熱加工により成形し、磁気回路5の中心ポール
磁極5bの上面に固着する内側固着部2cと、外側プレ
ート磁極5cの上面に固着する外側固着部2dと、その
中間にコルゲーション形状のコンプライアンス部2a,
2bを形成してあり、前記コンプライアンス部2a,2
bの中間に、ボイスコイル4を収納固着して円環状磁気
空隙5a内に遊嵌入する円周方向断面U形の有底円環溝
形状のボイスコイル収納部2eを、上方に解放した姿勢
に一体に深絞り状に形成してある。
【0024】本発明スピーカ1のボイスコイル4は、図
3(2段目)に示すとおり、ボイスコイル巻線4を円環
筒状に単層又は複数層に所要回数巻回して、耐熱接着性
樹脂等で固着して保形処理したボビンレス構造に成形し
てあり、その巻始め端4aと巻き終わり端4bをそれぞ
れ引き出し線として引き出してある。そして、ダンパ2
のボイスコイル収納部2eの底部に、前記の巻回して固
着したボイスコイル4を嵌入収納して接着剤で固着し
て、ダンパ2の内側固着部2cと、外側固着部2dとに
よって、ボイスコイル収納部2eの側壁面が磁気回路5
の磁気空隙5aに触れないように、それぞれ中心ポール
磁極5b上面と、外側プレート磁極5c上面に固着して
あり、さらに、図2に関係位置を拡大して図示するとお
り、引き出した引き出し線4a,4bを振動板3を貫通
して引き出し、ダンパ2の上面又は下面を這わせて引き
出して固着し、その先端をスピーカ1の入力端子1bに
接続してある。しかして、前記ダンパ2のボイスコイル
収納部2eの内部上方に振動板3の先端部を接着して固
着して、本発明スピーカ1が完成する。
【0025】このように、本発明スピーカ1のダンパ2
のボイスコイル収納部2eの、内周壁、外周壁の厚さ
は、その熱可塑性合成樹脂の材質の延展性によって極め
て薄く成形することができるので、その底部に巻着した
ボイスコイル4を嵌入、固着して、ボイスコイル4が包
埋されたボイスコイル収納部2eは、磁気回路5の極め
て狭隘な磁気空隙5a内の磁極壁に接触しないように、
支持、遊嵌される。そして、前記ボイスコイル収納部2
eを介して形成され、ロール形状、またはコルゲーショ
ン形状に、成形された内外コンプライアンス部2a,2
bによって、十分なコンプライアンスをもって懸垂され
るとともに、ボイスコイル4の横揺れを防止でき、ボイ
スコイル4に電気入力によって発生する熱は、熱導通の
良好なダンパ2を通して、また磁気空隙5aを介して、
磁気回路5の中心ポール磁極5b上面と、外側プレート
磁極5cに導通されるので、ボイスコイル4の温度上昇
が抑止され、ボイスコイル4の許容入力を増大して大電
気入力にも十分耐え得る。
【0026】また、上述のような構成の振動系を装着し
た本発明スピーカ1は、組み立て製造工程において、種
々の優れた利点を有する。すなわち、別場所で、ボイス
コイル4の巻線工程が進行でき、ボイスコイル4の巻回
工程が完成できて保管貯蔵に便利であり、ダンパ2は、
PI、PEI、PPTA等の熱可塑性の200℃以上の
耐熱性の優れた延展性を有する合成樹脂製であって、加
熱成形時ワンショットで、内側固着部2c、外側固着部
2d、及びその中間部の内側コンプライアンス部2aと
外側コンプライアンス部2b、さらに、前記コンプライ
アンス部2a,2bの中間に、円周方向断面U形の深い
有底円環溝形状のボイスコイル収納部2eを破断するこ
となく一体に深絞り成形することができるので、低廉な
製造コストによって生産でき、保管貯蔵が容易にできて
便利であるとともに、自動組み立て機械による量産が可
能な材質、構造を有するダンパ2である。
【0027】以上述べたとおり、本発明スピーカ1のボ
イスコイル4は、その巻線工程を、別場所で進行でき、
巻回して完成したボイスコイル4を、前記のダンパ2の
ボイスコイル収納部2eの底部に嵌入して、接着剤を塗
着して、振動系の組み立てが別工程で施行でき、前記の
ダンパ2のボイスコイル収納部2eへ嵌入固着した半成
品も別工程で容易に組み立てて保管貯蔵できる利便があ
る。
【0028】また、磁気回路5に前記のダンパ2の内側
固着部2cと外側固着部2dを、それぞれ中心ポール磁
極5b上面と外側プレート磁極5c上面に固着して、フ
レーム10または取付板10a等を装着した筺体1aの
完成品を別工程で組み立てて貯蔵保管しておくことがで
きる管理上の利便がある。
【0029】本発明スピーカ1は、前記したようなダン
パ2と、中音用、高音用、また中高音用等の用途に応じ
た種々の形状の振動板3を装着した振動系を、これまた
別の工程で磁気回路5を中心にして組み立てた筺体1a
に、組み込むことができる。スピーカ1の振動板3を選
んで、前記のダンパ2のボイスコイル4収納部2eの先
端解放部に固着してそれぞれ用向きに応じたスピーカ1
として、容易に区別して多品種、多量生産を可能ならし
めるとともに、品種切り替えが容易にでき、部品の標準
化に都合よいという他に類のない優れた利点があるとと
もに、広い応用範囲のスピーカ1が得られる。
【0030】例えば、図5に断面を示すスピーカ1のよ
うに、前記した磁気回路5を中心とした筺体1aに、フ
レーム10を付加して取り付け、ドーム形振動板3aの
代わりに、従来のコーン形振動板3bを、その先端をダ
ンパ2のボイスコイル収納部2eに接着して、音響輻射
面積を大きくして、電気入力の大きい、振動振幅の大き
い、再生音域を拡大したスピーカ1としても容易に得ら
れる。このようにして、再生音域を低音域へ拡大すると
ともに、低音輻射能率の増大を図ったスピーカ1として
発展させることができる。このようなコーン形振動板3
bを装着したスピーカ1は、それぞれの振動板3の形状
によって決まる音響輻射特性が、音響輻射面積を大きく
とることができるので、音響輻射能率が高く、また振動
振幅を大きくとることができて、再生音域の拡大と許容
入力の増大を図れるスピーカ1となる。
【0031】また、図6に断面構造を示すスピーカ1
は、前記と同様に、前記ダンパ2のボイスコイル収納部
2eに、円環殻状の振動板3cを、その中心部先端を挿
入して装着したスピーカ1である。図7,8は、それぞ
れ図6に示すスピーカ1の円環殻状の振動板3cの平面
図、同断面図、であって、このような形状の円環殻状振
動板を装着したスピーカ1は、取付板10aを付加して
取り付けた筺体1aに、円環殻状振動板3cの先端の端
縁垂直部を、ダンパ2のボイスコイル収納部2eに取り
付けて、筺体1aに装着し、前記円環殻状振動板3cの
外周の貼着部3eを取付板10aに取り付けたスピーカ
1であって、いわゆるリング振動板の独特の輻射指向特
性としたスピーカ1である。図9の断面の円環殻状振動
板3c’は、図6に示す円環殻状振動板の振動部の外周
にコンプライアンス用コルゲーション3fを形成して、
大振幅にも歪むことなく振動するように図ることによ
り、大電気入力に耐え、音響輻射能率を高めることので
きるスピーカ1の振動板3c’である。このように、本
発明スピーカ1は、ダンパ2の形状は同一でも、振動板
3の形状、構造によって色々の特性を選択して製造する
ことができる利便は従来にない優れた点といい得る。
【0032】また、本発明スピーカ1は、ダンパ2の内
外コンプライアンス部2a,2bの形状を変えて適用し
て、スピーカの性能、特性に種々の変化を持たせたスピ
ーカ1も実施例として可能である。さらに、図10及び
図11に断面を示すスピーカ1は、ダンパ2のコンプラ
イアンスを保持した内外コンプライアンス部2a,2b
の形状を、コルゲーション形状として、ドーム形振動板
3a又はコーン形振動板3bを装着したスピーカ1であ
る。
【0033】図12、図13に断面を示すスピーカ1
は、ダンパ2のコンプライアンスを保持した内外コンプ
ライアンス部の形状を、内側2aをロール形状、外側2
bをコルゲーション形状として、それぞれドーム形振動
板3aを装着したスピーカ1と、コーン形振動板3bを
装着したスピーカ1であり、図14、図15に断面を示
すスピーカ1は、ダンパ2のコンプライアンスを保持し
た内外コンプライアンス部の形状を、内側2aをコルゲ
ーション形状、外側2bをロール形状として、それぞれ
ドーム形振動板3a、コーン形振動板3bを装着したス
ピーカ1であって、ボイスコイル4を支持する内外コン
プライアンス部2a、2bのスティフネスを変化できる
妙を具備する。すなわち、例えばボイスコイル収納部2
eと、中心ポール磁極5bとの間隙が狭い用向きに対し
ては、内側コンプライアンス部2aの形状をロール形状
にしてスティフネスを大きくとって、いわゆるギャップ
擦れ不良を防止することができる。このようにして、内
外コンプライアンス部2a、2bのスティフネスを用向
きに応じて変化して適応することが可能となる。
【0034】図16に断面を、図17にその一部拡大図
として構造を示すスピーカ1は、前記ダンパ2の内側コ
ンプライアンス部2a及び外側コンプライアンス部2b
の形状をそれぞれロール形状とし、各別体のドーム形振
動板3aとコーン形振動板3bとを一体に組み合わせた
複合振動板30aを、その先端の端縁垂直部を一体に揃
えて、ダンパ2のボイスコイル収納部2eに取り付け
て、筺体1aに装着し、コーン形振動板3bの周縁エッ
ジ部をフレーム10の端縁部に取り付けたスピーカ1と
して、ドーム形振動板3aとコーン形振動板3bとを組
み合わせて一体の振動板3として、音響性能的に再生音
域を中音域まで拡張できるとともに、音響輻射能率を増
大することができるスピーカ1を例示してある。なお、
その場合、ドーム形振動板3aとコーン形振動板3bと
の各先端部を一体に溶出成形して、複合振動板30aと
して成形したスピーカ1であっても、前記と同様の作用
効果を有することは勿論である。
【0035】このように、本発明スピーカ1は、同じ構
造の筺体1aに、形状、構造を異にする2種類の振動板
3を装着することも可能であり、図18に断面を示すス
ピーカ1は、ドーム形状振動板3aと円環殻形状振動板
3cとを接合した複合振動板30bの中間に一体成形し
たボイスコイル収納部2eにボイスコイル4を嵌入して
接着し、磁気空隙5aに相対して支持した高音用スピー
カ1である。すなわち、前記スピーカ1は、前記ダンパ
2の内側コンプライアンス部2a及び外側コンプライア
ンス部2bの形状をそれぞれロール形状とし、各別体の
ドーム形振動板3aと円環殻状振動板3cとをそれぞれ
組み合わせた複合振動板30bを、その先端の端縁垂直
部を一体に揃えて、ダンパ2のボイスコイル収納部2e
に挿入固着して、取付板1bを取り付けた筺体1aに装
着し、円環殻状振動板3cの外周の貼着部3eを取付板
10aの端縁部に取り付けたスピーカ1あつて、音響性
能的に再生音域を中音域まで拡張できるとともに、ドー
ム形振動板3aと円環殻状振動板3cとの輻射特性を組
み合わせた輻射特性を有し、音響輻射能率を増大するこ
とができるスピーカ1である。
【0036】図19及び図20は、前記図18のスピー
カ1のドーム形振動板3aと円環殻状の振動板3cとを
それぞれの先端部を一体に接合した複合振動板30bの
平面図及び断面図である。図21は、前記図18の複合
振動板の円環殻状振動板の振動部の外周にコンプライア
ンス用コルゲーション3fを形成して、大振幅にも歪む
ことなく振動するように図ることにより、大電気入力に
耐え、音響輻射能率を高めることのできるスピーカ1の
複合振動板30b’の断面図である。図18の本発明ス
ピーカ1の複合振動板30bは、図1に示すダンパ2の
形状と同一として、複合振動板30b,30b’の形
状、構造によって他の単体の振動板を装着したスピーカ
と比較して、色々の特性、性能を選択して用途に応じて
製造することができる優れた点を有する。
【0037】なお、前記のスピーカ1の場合、ドーム形
振動板3aと円環殻状振動板3cとの各先端部を一体に
溶出成形して、複合振動板30bとして成形したスピー
カ1であっても、前記と同様の作用効果を有することは
勿論である。
【0038】図22,23に断面を示す本発明のスピー
カ1に適用されているダンパ2は、耐熱性及び延展性に
優れた熱可塑性合成樹脂を熱加工により成形したダンパ
2の、磁気回路5の中心ポール磁極5bの上面に固着す
る内側固着部2cと、外側プレート磁極5cの上面に固
着する外側固着部2dと、その間に、内側にコルゲーシ
ョン形状のコンプライアンス部2aを、その外側にロー
ル形状のコンプライアンス部2bを、また前記内外コン
プライアンス部2a,2bの中間に、ボイスコイル4を
収納固着して、円環状磁気空隙5a内に遊嵌入する円周
方向断面U形の有底円環溝形状のボイスコイル収納部2
eを、上方に解放した姿勢に一体に形成してある。
【0039】前記ボイスコイル収納部2eの底部に、ボ
イスコイル4の巻線を円環筒状に単層又は複数層に所要
回数巻回して、保形処理したボイスコイルボビン6の、
巻着したボイスコイル4側の先端部を、前記ダンパ2の
ボイスコイル収納部2eの内側壁面に添わせて挿入して
接着固着し、ボイスコイル4が磁気空隙5a内に遊挿さ
れるように、ダンパ2の内周、外周をそれぞれ磁気回路
5に固着して支持してあり、ボイスコイル4の巻着側と
反対側の先端部を振動板3(3d,3g)の中心部に固
着してあり、図23,24のスピーカ1は、ボイスコイ
ルボビン6の中間に補助ダンパ22を取り付けた構造の
スピーカであり、10は平板状振動板3dを、その外周
部のコンプライアンスを呈するエッジ部を介して装着さ
れるフレームである。
【0040】本発明スピーカ1は、前記のような構造を
有するので、磁気回路5に前記ダンパ2を取り付けた筺
体1aを別工程で作成でき、振動板3(3d,3g)
と、ボイスコイルボビン6の付け根部分との接合が強化
できて、スピーカ1の耐入力性が著大になる。また、図
23,24に示すように、補助ダンパ22をボイスコイ
ルボビン6の中腹部に取り付けることによって、ボイス
コイル4の横振動を強固に防止できるので、大電気入力
に対しても磁気空隙5aに擦れる故障を厳に抑止でき
る。この補助ダンパ22の装着は、本発明スピーカのい
ずれにも適用できるものである。
【0041】上記の図22、図23に示すスピーカは、
組み立て時、磁気回路5にダンパ2、ボイスコイル4を
巻着したボイスコイルボビン6を取り付けて、必要に応
じてフレーム10を取り付けた筺体1aを、別工程で多
量に製作しておくことができる利便があり、また、この
ようにして製作し、保管してある筺体1aに、用途に対
応して例えば平円殻状振動板3g、平板状振動板3d、
さらに、ドーム形状振動板3a、コーン形状振動板3b
等の種々の形状の振動板3を、自由に選択してボイスコ
イルボビン6の先端に固着して組み立てることができ
る。
【0042】さらにまた、図25に示すスピーカ1は、
図1,図2に断面図と一部拡大断面図を示すスピーカ1
において、磁気空隙5a内に磁性流体11を充填したス
ピーカ1の一例を、図26はその一部拡大した断面図を
示している。磁性流体11を、磁気空隙5aに充填した
スピーカ1は、磁性流体11の集磁力によって、磁気空
隙5aの磁束を集中せしめて磁束密度を高めて、スピー
カ1の変換能率が向上し、ボイスコイル4がボイスコイ
ル収納部2eの薄い側壁を介して磁性流体11から隔離
され、ボイスコイル4に発生する熱は、磁性流体11の
熱導伝性によって磁気空隙5aに、さらに磁気回路5の
磁極壁に伝達されて空気中に放散されて、ボイスコイル
4の温度上昇を抑止できて耐入力が大きく採れて電気入
力を増大せしめ得る。さらに、ボイスコイル4がボイス
コイル収納部2eの薄い側壁を介して磁性流体11と隔
離されるので、磁性流体11の接着剤等に対する腐食性
を抑止することができて、本発明スピーカ1は、振動振
幅の比較的小さいダンパ2を有するスピーカでありなが
ら、許容入力の大きなスピーカとなる。
【0043】しかして、このようなボイコイル4を収納
するボイスコイル収納部2eの内周壁、外周壁の極めて
薄い二重の壁を有するダンパ2を装備した本発明スピー
カ1は、ボイスコイル収納部2eの両周壁と磁気空隙5
aの磁壁との間に磁性流体11を充填する場合、磁性流
体11が、磁気回路5の磁極の磁性によって磁気空隙5
a内に常に吸引されて、ボイスコイル4の振動に伴って
磁性流体11が飛散して、他の部品面に付着することを
抑止することができ、かつ、その低い粘性抵抗によって
ボイスコイル4の振動を妨げることはない。さらに、本
発明スピーカ1の場合、ダンパ2のボイスコイル収納部
2eの内周壁、外周壁の壁面で遮られて、接着剤と接触
しないので接着剤を腐食する恐れが解消するので接着不
良になることはない。
【0044】このように、本発明スピーカ1は、製造上
組み立て工程が簡略化でき、耐熱性等の品質の向上を図
るとともに、スピーカ用途の多様性に精密に対応し得る
多機種多量生産に便なるスピーカの構造を提供すること
ができる。
【0045】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構
成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、以下
にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施す
ることができるものである。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から既に明らかなように、本
発明のスピーカ1は、中心部、外周部を固定されて安定
化したダンパ2が、ボイスコイル4の内外両面を外気か
ら遮断して支持した構成したしたものであるから、振幅
は小さく、横振れが少なくなり、耐入力が大きく採れ、
さらに、機械的損傷から免れるという従来のものには期
待することが出来ない顕著な効果を有するに至ったので
ある。
【0047】さらに、スピーカ1を構成する各部は、独
立して別工程で多量に生産可能であり、かつ、それらの
管理、保管も容易で、そのボイスコイル4収納部内の上
方空所に、適宜の振動板3、例えばドーム形振動板3
a、コーン形振動板3b、あるいは円環殻状振動板3
c、さらにそれらの複合振動板30a,30b,30
b’を、接合して、あるいは一体に熱成形して、その端
縁垂直部を挿入して接着剤で固着してある構成により、
多量生産、品種切り替えが容易にできる利点がある。
【0048】このように、本発明のスピーカ1は、磁気
回路5等を中心とした筺体1aを共通として、前記した
種々の形状の振動板3を組み合わせて、広範な用向きの
スピーカ1を、自動的に極めて容易に製造できる利点が
ある。
【0049】また、磁気空隙5内の磁性流体6を充填す
るときは、本発明ダンパ2の封印可能性によって、ボイ
スコイル4に直接接触しないので、接着剤等に対する腐
食性を抑止する耐蝕性を保有することができるだけでな
く、磁性流体11の粘度変化等の変質を防止でき、さら
に、ボイスコイル4の振動によって磁性流体11が磁気
空隙5a外に飛散して他の部品に付着して腐食する等の
害を防止することができ、その上、磁気空隙5内でダン
パ2を介して、ボイスコイル4に発生した熱を熱容量の
大きな磁気回路7に伝達して放散する効果が大きい。そ
の結果、許容入力の拡大を図ることができる顕著な効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】内外側コンプライアンス部2a,2bをそれぞ
れロール形状にし、その中間にボイスコイル収納部2e
を形成したダンパ2と、ドーム形振動板3aを装着した
本発明スピーカ1の一実施例の断面を示す断面図であ
る。
【図2】図1に示す実施例の一部(一点鎖線の円で囲ん
だ部分)の拡大断面図である。
【図3】図1に示す本発明スピーカ1を各構成部品に分
解して関係位置を示す断面図である。
【図4】本発明スピーカ1のダンパ2の平面図である。
【図5】コーン形振動板3bを装着した、本発明スピー
カ1の断面図である。
【図6】円環殻状の振動板3cを装着した、本発明スピ
ーカ1の断面図である。
【図7】図6に示すスピーカ1の円環殻状の振動板3c
の平面図である。
【図8】図6に示すスピーカ1の円環殻状の振動板3c
の断面図である。
【図9】図6に示す円環殻状の振動板の外周にコンプラ
イアンス用コルゲーション3fを形成した振動板3c’
の断面図である。
【図10】内外側コンプライアンス部2a,2bをそれ
ぞれコルゲーション形状にし、その中間にボイスコイル
収納部2eを形成したダンパ2と、ドーム形振動板3a
を装着した本発明スピーカ1の一実施例の断面を示す断
面図である。
【図11】コーン形振動板3bと図10に示すダンパ2
を装着した本発明スピーカ1の断面図である。
【図12】ダンパ2の内外コンプライアンス部2a,2
bの形状を、それぞれ内側をロール形状、外側をコルゲ
ーション形状として、ドーム形振動板3aを装着したス
ピーカ1の断面図である。
【図13】コーン形振動板3bと図12に示すダンパ2
を装着した本発明スピーカ1の断面図である。
【図14】ダンパ2のコンプライアンス部2a,2bの
内外コンプライアンス部の形状を、それぞれ内側をコル
ゲーション形状、外側をロール形状として、ドーム形振
動板3aを装着したスピーカ1の断面図である。
【図15】コーン形振動板3bと図14に示すダンパ2
を装着した本発明スピーカ1の断面図である。
【図16】内外側コンプライアンス部2a,2bをそれ
ぞれロール形状にし、その中間にボイスコイル収納部2
eを形成したダンパ2と、ドーム形振動板3aとコーン
形振動板3bとを一体に合成した複合振動板30aを装
着した本発明スピーカ1の一実施例の断面図である。
【図17】図16に示す複合振動板30aを装着したス
ピーカ1の一部(一点鎖線の円で囲んだ部分)の拡大断
面図である。
【図18】内外側コンプライアンス部2a,2bをそれ
ぞれロール形状にし、その中間にボイスコイル収納部2
eを形成したダンパ2と、ドーム形振動板3aと円環殻
形状振動板部3cとを一体に合成した複合振動板30b
を装着した本発明スピーカ1の一実施例の断面図であ
る。
【図19】図18の複合振動板30bの平面図である。
【図20】図18の複合振動板30bの断面図である。
【図21】図18の複合振動板30bの円環殻状振動板
部の外周にコンプライアンス用コルゲーション3fを形
成した複合振動板30b’の断面図である。
【図22】本発明スピーカ1のダンパ2のボイスコイル
収納部2eの内側側壁に、ボイスコイル4を巻着したボ
イスコイルボビン6を接着取り付けし、平板形振動板3
dを装着したスピーカ1の断面図である。
【図23】本発明スピーカ1のダンパ2のボイスコイル
収納部2eの内側側壁に、ボイスコイル4を巻着したボ
イスコイルボビン6を接着取り付けし、さらに補助ダン
パ22を取り付けて、平円殻状振動板3gを装着したス
ピーカの断面図である。
【図24】図25のスピーカ1の一部(一点鎖線の円で
囲んだ部分)の拡大断面図である。
【図25】磁気空隙5aに磁性流体11を充填した本発
明スピーカ1の実施例の断面図である。
【図26】図25のスピーカ1の一部(一点鎖線の円で
囲んだ部分)の拡大断面図である。
【図27】従来例スピーカの振動系の断面を示した断面
図である。
【符号の説明】
1 スピーカ 1a 筺体 1b 入力端子 2 ダンパ 2a ダンパの内部コンプライアンス部 2b ダンパの外部コンプライアンス部 2c ダンパの内側固着部 2d ダンパの外側固着部 2e ダンパのボイスコイル収納部 22 補助ダンパ 3 振動板 3a ドーム形振動板 3b コーン形振動板 3c,3c’ 円環殻状振動板 3d 平板形振動板 3g 平円環殻状振動板 3e 振動板の外周の貼着部 3f 振動板の外周のコルゲーション部 30,30’ 複合振動板 30a ドーム形状振動板とコーン形状振動板の複合振
動板 30b ドーム形状振動板と円環殻状振動板の複合振動
板 30b’ ドーム形状振動板と外周にコンプライアンス
用コルゲーション3fを形成した円環殻状振動板の複合
振動板 4 ボイスコイル 4a ボイスコイルの巻き始め端 4b ボイスコイルの巻き終わり端 5 磁気回路 5a 磁気空隙 5b 中心ポール磁極 5c 外側プレート磁極 6 ボイスコイルボビン 10 フレーム 10a 取付板 11 磁性流体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性及び延展性に優れた熱可塑性合成
    樹脂を熱加工により成形したダンパ(2)の、磁気回路(5)
    の中心ポール磁極(5b)の上面に固着する内側固着部(2c)
    と、外側プレート磁極(5c)の上面に固着する外側固着部
    (2d)と、その中間に、両方がロール形状、両方がコルゲ
    ーション形状、あるいは一方がロール形状で他方がコル
    ゲーション形状のいずれかの組み合わせに係る形状の内
    側コンプライアンス部(2a)と外側コンプライアンス部(2
    b)を形成し、前記内外コンプライアンス部(2a),(2b)の
    中間に、ボイスコイル(4)を収納固着して円環状磁気空
    隙(5a)内に遊嵌入する、円周方向断面U形の有底円環溝
    形状のボイスコイル収納部(2e)を、上方に解放した姿勢
    に一体に形成し、前記ボイスコイル収納部(2e)の底部
    に、ボイスコイル(4)の巻線を円環筒状に単層又は複数
    層に所要回数巻回して、保形処理したボビンレス構造で
    あって、その巻始め端と巻き終わり端にそれぞれ引き出
    し線(4a),(4b)を引き出してあるボイスコイル(4)の、
    ボイスコイル巻線部を嵌入して固着して振動系を構成
    し、前記振動系を磁気回路(5)に装着して、ダンパ(2)の
    ボイスコイル収納部(2e)の内部上方に、ドーム形振動板
    (3a)、コーン形振動板(3b)、円環殻状振動板(3c),(3
    c')、平板振動板(3d)、平円殻状振動板(3g)、またはド
    ーム形振動板とコーン形振動板とを組み合わせた複合振
    動板(30a)、あるいはドーム形振動板と円環殻状振動板
    とを組み合わせた複合振動板(30b),(30b')の端部を接
    着して固着した構造のスピーカ。
  2. 【請求項2】 耐熱性及び延展性に優れた熱可塑性合成
    樹脂を熱加工により、両方がロール形状、両方がコルゲ
    ーション形状、あるいは一方がロール形状で他方がコル
    ゲーション形状のいずれかの組み合わせに係る形状の内
    側コンプライアンス部(2a)と外側コンプライアンス部(2
    b)を形成し、かつ、それらの中間に、ボイスコイル(4)
    を収納固着して、円環状磁気空隙(5a)内に遊嵌入する円
    周方向断面U形の有底円環溝形状のボイスコイル収納部
    (2e)を、上方に解放した姿勢に一体に形成したダンパ
    (2)の内側固着部(2c)と外側固着部(2d)を、磁気回路(5)
    を組み込んだ筺体(1a)に取り付けたフレーム(10)に取り
    付け、前記ボイスコイル収納部(2e)の内側側壁に、ボイ
    スコイル(4)の巻線を所要回数巻回したボイスコイルボ
    ビン(6)のボイスコイル(4)巻着側先端部を添着挿入して
    接着固着し、ボイスコイル(4)巻着側と反対側の先端部
    をドーム形振動板(3a)、コーン形振動板(3b)、円環殻状
    振動板(3c),(3c')、平板振動板(3d)、平円殻状振動板
    (3g)、またはドーム形振動板とコーン形振動板とを組み
    合わせた複合振動板(30a)、あるいはドーム形振動板と
    円環殻状振動板とを組み合わせた複合振動板(30b),(30
    b')の中心部に固着した構造のスピーカ。
  3. 【請求項3】 前記ボイスコイルボビン(6)の中腹部
    に、補助ダンパ(22)を取り付け、前記ボイスコイルボビ
    ン(6)の先端部にドーム形振動板(3a)、コーン形振動板
    (3b)、円環殻状振動板(3c),(3c')、平板振動板(3d)、
    平円殻状振動板(3g)、またはドーム形振動板とコーン形
    振動板とを組み合わせた複合振動板(30a)、あるいはド
    ーム形振動板と円環殻状振動板とを組み合わせた複合振
    動板(30b),(30b')を装着した請求項1または2に記載
    のスピーカ。
  4. 【請求項4】 前記磁気回路(5)の磁気空隙(5a)の内部
    に、磁性流体(11)を充填した請求項1乃至3のいずれか
    に記載のスピーカ。
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