JP2002078082A - スピーカ - Google Patents

スピーカ

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JP2002078082A
JP2002078082A JP2000266823A JP2000266823A JP2002078082A JP 2002078082 A JP2002078082 A JP 2002078082A JP 2000266823 A JP2000266823 A JP 2000266823A JP 2000266823 A JP2000266823 A JP 2000266823A JP 2002078082 A JP2002078082 A JP 2002078082A
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ring
speaker
outer peripheral
voice coil
joint
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JP2000266823A
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Tetsuji Koura
哲司 小浦
Mitsuhiro Hasegawa
満裕 長谷川
Takashi Suzuki
隆司 鈴木
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は映像・音響機器に使用されるスピー
カに関するものであり、大振幅の可能なスピーカの薄型
化を目的とするものである。 【解決手段】 本発明のスピーカは、ボイスコイル3
と、ヨーク4の外周円筒部4aにスリット5を設けた磁
気回路8と、内側の第1のリング9と外側の第2のリン
グ10が継手11により放射状に連結されて同心円状の
構造を一体的あるいは組合されて形成する二重リング1
2と、二重リング12の外周部に夫々の内周部が接合さ
れた振動板13とダンパー14とで構成し、スリット5
内に二重リング12の継手11をこのスリット内に配置
することで大振幅を可能とした薄型のスピーカを実現し
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は民生用および業務用
で使用する動電型のスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、音響機器等の省スペース化に伴
い、これらに搭載されるスピーカは薄型化の要求が高ま
っている。また、ソースのデジタル化に伴うダイナミッ
クレンジの拡大により大出力化が要求されている。
【0003】このような状況の中で使用されている従来
のスピーカについて、図31により説明する。図31は
従来のスピーカの断面図である。
【0004】同図によると、51はセンターポールを有
する下部プレートとこの下部プレート上に配置されたリ
ング状のマグネットとこのマグネット上に配置された上
部プレートとで構成された磁気回路であり、52はこの
磁気回路51上に接着結合されたフレームであり、53
は下部に巻回したコイル53aを有する上記磁気回路5
1の磁気ギャップに嵌め込まれたボイスコイルであり、
54はこのボイスコイル53を支持するために外周が上
記フレーム52に接着結合されるとともに内周が上記ボ
イスコイル53に接着結合されたダンパーであり、55
は内周が上記ボイスコイル53に接着結合され、外周が
エッジ56を介して上記フレーム52に接着結合された
振動板である。なお、57はダストキャップ、58は上
記ボイスコイル53のコイル53aの端末と接続されて
外部信号を入力する錦糸線であり、他端が端子59に接
続されている。
【0005】上記従来のスピーカの構造では、磁気回路
51の上面から上方に振幅余裕を設けてダンパー54が
配置されるため、薄型化すると磁気回路51の上部の高
さを制限することになる。すなわち、振動板55の高さ
を低くする、さらには、スピーカの支持系固定端である
エッジ56の外周部−ダンパー54の外周部間の垂直間
距離よりダンパー54の外周部−コイル53a間の垂直
間距離を大きく設定することになる。しかしながら、振
動板55を低くすると構造的に振動方向の強度が向上す
るため、大出力用には不向きとなり、さらには高域再生
の限界周波数が低下する。低くした振動板55の強度確
保には厚みを大きくする、すなわち、重量を増す必要が
あるが、強度を増すほど能率低下を招くことになる。一
方、エッジ56の外周部−ダンパー54の外周部間の垂
直間距離よりダンパー54の外周部−コイル53a間の
垂直間距離を大きく設定すれば、振動系の重心がコイル
側、すなわち下方へ移動するため振動が不安定になる欠
点を有する。したがって、この場合も大出力用には不向
きとなり、特に大振幅となる重低音再生には不利になっ
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のス
ピーカで薄型化すると、大出力、大振幅用には不向きと
なるものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、ボイスコイルと、
ヨークの外周円筒部に複数個のスリットを設けた磁気回
路と、内側の第1のリングと外側の第2のリングが複数
個の継手により放射状に連結されて円心円状の構造を一
体的あるいは組合されて形成する二重リングと、二重リ
ングの外周部に夫々の内周部が接合された振動板とダン
パーとで構成するとともに、上記二重リングは、コイル
の近傍でボビンと接合され少なくとも下方振幅時におい
てスリットに継手が振動方向に移動可能かつ非接触の状
態で挿入され、複数個のスリットの中で2つのスリット
と端子の中心が等間隔であり、ボイスコイルのリード線
が2つのスリットの位置で二重リングに沿って配線され
た構造としたものであり、スリットを設けた磁気回路と
二重リングにより振幅余裕を磁気回路の上面のみに設定
する必要がなくなるため、スピーカの支持系固定端であ
るエッジの外周部−ダンパーの外周部間の垂直間距離を
ダンパーの外周部−コイル間の垂直間距離より大きく設
定することが容易となり、スピーカを薄型化しても振動
系の重心が、エッジの外周部−ダンパーの外周部間に位
置することになるため大振幅時の安定性を確保できる。
ボイスコイルに発生する駆動力が二重リングを介して振
動板に伝達する際、コイル近傍で第1のリングとボビン
を接合することで、薄く軽量であるボビンでの駆動力の
損失を低減する上で有利となり、高域再生限界周波数の
向上を図ることができる。また、2つのスリットの位置
を端子に対し等間隔になるように磁気回路を配置し、2
つのスリットの位置において二重リングに沿ってボイス
コイルの2本のリード線を配線するので、振幅時にリー
ド線がスリット間を移動可能となるため、線長を短く設
定でき、かつ重量のバランスが良い等の利点を有するも
のである。
【0008】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載のスピーカにおいてボイスコイルのコイルの上
部に位置するボビンの外周面と第1のリングの内周面を
接合したものであり、コイルの上部でボビンの外周面と
第1のリングの内周面を接合することで、従来構造のボ
イスコイルが使用可能となり、特別なボイスコイルを必
要としないものである。
【0009】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載のスピーカにおいてボイスコイルのコイルの下
部に位置するボビンの外周面と第1のリングの内周面を
接合したものであり、コイルの下部でボビンの外周面と
第1のリングの内周面を接合するので、ボイスコイルは
従来と同様のものの使用が可能となるとともに、二重リ
ングがボイスコイルの下部に位置するため、スピーカの
支持系固定端であるエッジの外周部−ダンパーの外周部
間が大きく設定でき、しかも、この間にボイスコイルお
よび振動系の重心が位置することになり、大振幅に対し
極めて安定した構造となるものである。
【0010】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1に記載のスピーカにおいて隣接したスリットに挟まれ
たヨークの外周円筒部の外周面側と内周面側の円周方向
の厚みを等しくしたものであり、スリットにより切り残
されたヨークの外周円筒部の円周方向の厚みを一定とす
ることで、略歯車形状に打ち抜かれた平板状の強磁性材
からスリットを有するヨークを成型することが容易とな
り、手間を要する後加工によりスリットを形成しなくて
もよいため、ヨークのコスト低減が図れるものである。
【0011】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1に記載のスピーカにおいて、ヨークの外周円筒部に設
けたスリットは、その下端を継手の下方への振幅余裕を
持たせた位置としたものであり、スリットの必要最小限
の下端は、継手の下方への最大振幅の位置であるから、
これをカバーする位置とすることで、ヨークの外周円筒
部のスリットの存在しない部位における断面積を増大さ
せ磁気飽和の低減を図り、ヨークの外周円筒部をより薄
く設定可能としたものであり、第2のリングをより小径
とし、二重リングを軽量としてスピーカの能率向上も図
れるものである。
【0012】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
2に記載のスピーカにおいて第1のリングに垂直方向に
分断した間隙部を設け、ボイスコイルのリード線をボビ
ンに沿って間隙部を通過して外方へ引出されるようにし
たものであり、ボビンの外周面に沿って上方へ引出され
るリード線を間隙部を通過してボビンの外周面と第1の
リングの内周面を接合するようにして、リード線を密着
したボビンの外周面と第1のリングの内周面との間に配
線する必要がなくスピーカの組立が容易となるものであ
る。
【0013】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
2に記載のスピーカにおいて、第1のリングに継手と接
合する部位で径方向に拡大した湾曲部を設け、ボイスコ
イルのリード線をボビンに沿って湾曲部を通過して外方
へ引出すようにしたものであり、請求項6と同様に、リ
ード線は密着したボビンの外周面と第1のリングの内周
面との間に配線する必要がなくなるためスピーカの組立
が容易となるものである。
【0014】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1に記載のスピーカにおいて夫々のスリット間に挿入さ
れる継手を2本としたものであり、夫々のスリットに挿
入される継手を2本とした二重リングとすることで、ボ
イスコイルから二重リング全体に伝達する駆動力を減少
させることなく、ヨークのスリット数の低減が可能とな
る。すなわち、ヨークの外周円筒部の磁気飽和を同程度
とするには、同じ断面積を確保できる外周円筒部の外径
の小さいヨークでよく、第2のリングも小径にできるた
め二重リングが軽量となり、再生高域限界周波数の向上
が図れるものである。
【0015】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
8記載のスピーカにおいて、夫々のスリット間に挿入さ
れた2本の継手の間隙を径方向ほど拡大させたものであ
り、2本の継手を径方向に拡大することで、第1のリン
グの第2のリングの振幅方向の接合強度だけでなく、ね
じれ方向の接合強度も増大させることが可能となりよっ
て、ボイスコイルに発生する駆動力が二重リングを介し
て振動板により確実に伝達することで高域再生限界周波
数の向上や、大振幅時に発生するねじれに対する信頼性
を向上させることができるものである。
【0016】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1に記載のスピーカにおいて二重リングの第1のリン
グの上端と第2のリングの上端と継手の上端に補強面を
設けたものであり、補強面を設けることで二重リングの
剛性を向上してボイスコイルに発生する駆動力を二重リ
ングにより確実に伝達して再生高域限界周波数の向上を
図れるものである。
【0017】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項10に記載のスピーカにおいて、夫々スリットに挿入
される2本の継手間の補強面を凹状とし、ボイスコイル
からのリード線が二重リングの上記凹部内に沿って配線
したものであり、2本の継手間の補強面の断面形状を凹
状とすることで、二重リングの振幅方向の長さを増大さ
せることなく強度向上を図るとともに、ボイスコイルか
らのリード線を二重リングの凹部に沿って配線すること
で、リード線の存在によってスピーカの薄型化を妨げる
ことがなく、スピーカの組立も容易となるものである。
【0018】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項11記載のスピーカにおいて、二重リングの補強面の
凹状部の側面を継手と一体としたものであり、二重リン
グの構造を簡素化して例えば二重リングを非磁性金属の
平板のプレス加工により製作を容易に行えるものであ
る。
【0019】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項1または請求項2に記載のスピーカにおいて、第2の
リングの振幅方向の長さを継手および第1のリングのそ
れより大きくしたものであり、第2のリングの振動方向
の長さを継手および第1のリングのそれより大きくとる
ことで、第2のリングに接合するダンパーや振動板の配
置の自由度を向上させることができるとともに、ボイス
コイルの上部に第1のリングを接合する場合においては
第2のリングを下方へ長くすれば、ダンパーが磁気回路
の上面より下方で第2のリングと接合可能となるため、
さらにスピーカが薄型となるだけでなく、スピーカの支
持系固定端であるエッジの外周部−ダンパーの外周部間
が大きくなって大振幅時の安定性が向上するものであ
る。
【0020】本発明の請求項14に記載の発明は、請求
項1に記載のスピーカにおいて、第2のリングの下端に
外周方向へ突出した補強リングを形成したものであり、
補強リングを設けることで第2のリングの径方向の強度
を向上させたものである。また、補強リングは第2のリ
ングを下端で外側へ折り返した構造とすれば、製作工法
的にも容易に製作できるものである。
【0021】本発明の請求項15に記載の発明は、請求
項1に記載のスピーカにおいて、継手の上面と第2のリ
ングの外周面に絶縁層を設けたものであり、二重リング
はボイスコイルに発生する駆動力を振動板に確実に伝達
する機械的強度だけでなく、熱源であるボイスコイルに
接合されるため熱変形等に対する耐熱性も要求される
が、二重リングをアルミ合金等の非磁性金属で構成する
場合に、ボイスコイルからのリード線を配線する部位、
少なくとも継手の上面と第2のリングの外周面に絶縁層
を設けたことで、ボイスコイルのリード線との電気的絶
縁を確実にするものである。
【0022】本発明の請求項16に記載の発明は、請求
項10に記載のスピーカにおいて、二重リングの補強面
の凹部上面と第2のリングの外周面に絶縁層を設けたも
のであり、請求項15に記載のスピーカと同様、補強面
凹部と第2のリングの外周面に絶縁層を設けることで、
ボイスコイルのリード線との電気的絶縁を確実にするも
のである。
【0023】本発明の請求項17に記載の発明は、請求
項15または請求項16に記載のスピーカにおいて、第
2のリングに設けた絶縁層をクラフト紙としたものであ
り、二重リングをアルミ合金等の非磁性金属で構成する
場合に、ボイスコイルのリード線との絶縁を工法的に容
易に実現できるだけでなく、一般的な部材であるクラフ
ト紙を用いることで、二重リングと振動板およびダンパ
ーとの接着強度を容易かつ十分に確保できるものであ
る。
【0024】本発明の請求項18に記載の発明は、請求
項1に記載のスピーカにおいて、第2のリングの下端、
あるいは第2のリングの下端と振幅方向において対向す
るフレームの部位に緩衝材を設けたものであり、緩衝材
を設けることで下方への過振幅防止を図り、ダンパーや
エッジを機械的に保護し、さらには第2のリングの下端
とフレームの衝突による異常音発生を回避できるもので
ある。
【0025】本発明の請求項19に記載の発明は、請求
項1に記載のスピーカにおいて、振動板の途中部位と二
重リング外周部に補強片を接合したものであり、振動板
の振幅方向の強度向上を図ったものである。
【0026】本発明の請求項20に記載の発明は、請求
項19に記載のスピーカにおいて、補強片を振動板の途
中部位と二重リングの外周部に接合した重量付加物とし
たものであり、重低音の再生能率の向上を図るとともに
重量付加物を振動板の途中部位と第2のリングの外周部
に設けることで、重量付加物としての機能を果たすだけ
でなく、振動板の振幅方向の強度も向上させるものであ
る。
【0027】本発明の請求項21に記載の発明は、請求
項19に記載のスピーカにおいて、ボイスコイルからの
リード線を補強片に沿って配線したものであり、ボイス
コイルのリード線が二重リングの上面に沿って引き出さ
れた後、補強片に沿って配線することで第2のリングの
外周面と振動板との接合部でリード線を鋭角に屈曲させ
る必要がなくなるためリード線の保護になるだけでな
く、スピーカの組立が容易となるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施の形態につい
て図1(a)〜図30(b)により説明する。
【0029】(実施の形態1)本実施の形態1は主とし
て請求項1および請求項2のスピーカについて説明する
ものであり、図1(a)は本発明のスピーカの一実施の
形態のダストキャップを外した状態の上面図であり、同
図1(b)は断面図であり、図2(a)は同要部である
二重リングの上面図、図2(b)は同断面図であり、図
3(a)は同要部である磁気回路の上面図であり、図3
(b)は同断面図である。
【0030】同図によると1はボビン、2はコイル、3
はボビン1およびコイル2より構成されるボイスコイ
ル、4はヨーク、5はヨーク4の外周円筒部4aに設け
られた複数個のスリット、6はヨーク4の外周円筒部4
aの内周面と磁気空隙をその外周面とで形成するセンタ
ーポール、7はヨーク4とセンターポール6に挟まれた
磁石、8はヨーク4とスリット5とセンターポール6お
よび磁石7より構成される磁気回路、9は第1のリン
グ、10は第2のリング、11は複数個の継手、12は
第1のリング9と第2のリング10と継手11で構成し
た二重リング、13は振動板、14はダンパー、15は
振動板13の外周部に内周部が接合されたエッジ、16
は磁気回路8とダンパー14の外周部とエッジ15の外
周部を固定するフレーム、17はフレーム16に固定さ
れボイスコイル3と電気的に接合された端子、18はダ
ストキャップである。
【0031】次に上記実施の形態1の詳細な構成を動作
とともに説明する。
【0032】二重リング12は第1のリング9と第2の
リング10を夫々内側と外側に配置して継手11で連結
し、同心円構造を一体あるいは組合せて形成している。
磁気回路8のヨーク4の外周円筒部4aには放射状に複
数個のスリット5が設けられ、継手11の厚みはスリッ
ト5より薄く形成される。ここで、第1のリング9の厚
みはボビン1に巻回されたコイル2のそれより小さく設
定され、第1のリング9の内周面とボビン1の外周面が
嵌合するようにその内径が設定される。一方、第2のリ
ング10はその内径がヨーク4の外周円筒部4aの外径
より大きく設定される。第1のリング9の内周面とコイ
ル2の上方近傍でボビン1の外周面とが接合され、コイ
ル2は磁気空隙に吊下される。したがって、少なくとも
下方振幅時に継手11がスリット5内を非接触で移動
し、第2のリング10もヨーク4の外側を非接触で移動
可能となる。
【0033】第1のリング9とボビン1をコイル2の近
傍で接合することで、コイル2に発生する駆動力がボビ
ン1を介して第1のリング9に伝達する際に、薄く軽量
であるボビン1での駆動力の損失を低減する構造となる
ため、高域再生限界周波数の向上に有利となる。しか
も、コイル2の上方に伸びたボビン1自体が第1のリン
グ9の高さと実質的に同じとなり、ボイスコイル3の全
高は小さいものとなる。したがって、振幅方向の磁気回
路8との中心軸の組立時のずれや、重心のアンバランス
等に起因するローリングによって発生するボイスコイル
3と磁気空隙の衝突等の不具合を低減できる。
【0034】また、第1のリング9の内周面とコイル2
の上部でボビン1の外周面とを接合する構成とすること
で従来構造のボイスコイル3の利用が可能となる。
【0035】さらに、第1のリング9の厚みをボビン1
に巻回されたコイル2のそれより小さく設定すれば、ボ
イスコイル3と一体となって振幅する第1のリング9の
存在によって磁気空隙を拡大することがない。すなわ
ち、磁気空隙の拡大に伴う磁束密度の低下による再生音
圧レベルの低下を回避できる。
【0036】従来はボビン1の外周面にその内周部が接
合されていたダンパー14と振動板13とが、上記実施
の形態1では第2のリング10の外周面に接合される。
また、従来は磁気回路8の上方に振幅余裕を設けて配置
されていたダンパー14が、第2のリング10に接合さ
れるため、その配置が下方へ移動することになる。した
がって、ダンパー14が下方へ配置された分だけスピー
カを薄型化できる。しかも、ダンパー14−ボイスコイ
ル3の下端間の距離が小さくなるため、スピーカの固定
端であるフレーム16と接合されたエッジ15の外周部
−ダンパー14の外周部間の距離に比べその割合が小さ
くなる。よって、スピーカの重心はエッジ15の外周部
−ダンパー14の外周部間に確実に存在することとな
り、振幅時の安定性が増大する。したがって、大振幅可
能な薄型スピーカが実現可能となる。
【0037】上記した構成とすることで、振幅量を大き
くとるほど、即ち、スピーカとしての基本性能を上げる
ほど、従来構造のスピーカとの全高差が大きくなり、本
発明の特徴が活かされることになる。
【0038】ここで、複数個あるスリット5の中で少な
くとも端子17側に存在する2つのスリット5の位置を
端子17に対し等間隔になるように磁気回路8を配置
し、2つのスリット5の位置において二重リング12、
すなわち継手11に沿ってボイスコイル3のリード線を
配線すれば、振幅時にリード線がスリット5間を移動可
能となるため、線長を短く設定でき、かつ重量バランス
がとれたスピーカを実現できる。
【0039】(実施の形態2)本実施の形態2は主とし
て請求項3に記載のスピーカについて説明するものであ
り、図4(a)は本発明のスピーカの他の実施の形態の
上面図、同図4(b)は同断面図である。なお、以下の
夫々の実施の形態では、実施の形態1と同一部分は同一
番号を付し説明を省略して説明する。また、図4(a)
は説明を容易とするためダストキャップ18を取外した
状態を示している。
【0040】以下、詳細な構成を動作とともに説明する
と、実施の形態1と構成および動作は同様であり、大振
幅可能な薄型のスピーカを実現するものであるが、大き
く異なるのは、ボイスコイル3aのボビン1aをコイル
2の下方に設けてボビン1aの外周面と第1のリング9
の内周面を接合したことである。コイル2の下部近傍で
ボビン1aの外周面と第1のリング9の内周面を接合す
ることで、二重リング12がボイスコイル3aの下部に
位置するため、スピーカの支持系固定端であるエッジ1
5の外周部−ダンパー14の外周部間が大きく設定で
き、しかも、この間にボイスコイル3および振動系の重
心が位置することになり、大振幅に対し極めて安定した
構造となる。
【0041】(実施の形態3)本実施の形態3は主とし
て請求項4に記載のスピーカについて説明するものであ
り、図5は本発明のスピーカの実施の形態3のダストキ
ャップを除いた上面図であり、図6(a)は同要部であ
る磁気回路の上面図、図6(b)は同断面図である。
【0042】以下、本実施の形態3の詳細な構成を動作
とともに説明すると、実施の形態1と構成および動作は
同様であり、大振幅可能な薄型のスピーカを実現するも
のであるが、大きく異なるのは、隣接したスリット5に
挟まれたヨーク4の外周円筒部4bの外周面側と内周面
側の円周方向の厚みを等しくしたことである。スリット
5により切り残されたヨーク4の外周円筒部4bの円周
方向の厚みを一定とすることで略歯車形状に打ち抜かれ
た平板状の強磁性材からスリット5を有するヨーク4を
成型することが容易となる。すなわち、ヨーク4の外周
円筒部4bに手間を要する後加工によりスリット5を形
成しなくてもよいため、ヨーク4の成型コストの低減が
図れるものである。
【0043】(実施の形態4)本実施の形態4は主とし
て請求項5に記載のスピーカについて説明するものであ
り、図7(a)は本発明のスピーカの実施の形態4のダ
ストキャップを除いた上面図であり、図7(b)は同断
面図であり、図8(a)は同要部である磁気回路の上面
図、図8(b)は同断面図である。
【0044】本実施の形態4の構成を動作とともに説明
すると、実施の形態1と構成および動作は同様であり、
大振幅可能な薄型のスピーカを実現するものであるが、
大きく異なるのは、スリット5aの下端をヨーク4の外
周円筒部4aの途中部位としたことである。スリット5
aの必要最小限の下端は、継手11の下方への振幅余裕
の位置であるから、スリット5aを必要最小限の長さに
設定することでヨーク4の外周円筒部4aのスリット5
aの存在しない部位における断面積を増大させ磁気飽和
を低減する構造とできる。従って、磁気空隙において同
じ磁束密度を得るためのヨーク4の厚みをより薄く設定
でき、第2のリング10がより小径となり、二重リング
12が軽量となるためスピーカの能率向上が図れるもの
である。
【0045】(実施の形態5)本実施の形態5は主とし
て請求項6に記載のスピーカについて説明するものであ
り、図9(a)は本発明のスピーカの実施の形態5のダ
ストキャップを除いた上面図であり、図9(b)は断面
図であり、図10(a)は同要部である二重リングの上
面図であり、図10(b)は同断面図である。
【0046】本実施の形態5の詳細な構成を動作ととも
に説明すると、実施の形態1と構成および動作は同様で
あり、大振幅可能な薄型のスピーカを実現するものであ
るが、大きく異なるのは、第1のリング9aに垂直方向
に分断した間隙部19を設けたことである。コイル2か
らのリード線(図示せず)をボビン1の外周に沿って上
方へ引出す場合、リード線が間隙部19に配置するよう
にボビン1の外周面と第1のリング9aの内周面を接合
すれば、リード線を密着したボビン1の外周面と第1の
リング9aの内周面の間を通過させる必要がないため、
スピーカの組立を容易とすることができるものである。
【0047】なお、図では間隙部19を2個所設けたが
これに限らずとも、例えば1個所でもよい。さらに、隣
接する継手11間にわたって第1のリング9aを分断し
てもよい。
【0048】また、実施の形態1だけでなく実施の形態
3および4に適応しても同様の効果が得られる。
【0049】(実施の形態6)本実施の形態6は主とし
て請求項7に記載のスピーカについて説明するものであ
り、図11は本発明のスピーカの実施の形態6のダスト
キャップを除いた上面図であり、図12(a)は同要部
である二重リングの上面図であり、図12(b)は同断
面図であり、図13(a)は同要部である磁気回路の上
面図であり、図13(b)は同断面図である。
【0050】本実施の形態6の詳細な構成を動作ととも
に説明すると、実施の形態1と構成および動作は同様で
あり、大振幅可能な薄型のスピーカを実現するものであ
るが、大きく異なるのは、第1のリング9に継手11と
接合する部位で径方向に拡大した湾曲部20を設けたこ
とである。さらに、湾曲部20の存在する部位の第1の
リング9がヨーク4の外周円筒部と非接触状態を保つよ
うにスリット5bを拡大している。湾曲部20を設ける
ことで、コイル2からのリード線をボビン1に沿った状
態で湾曲部20を通過させて上方へ引出すことが可能と
なる。よって、実施の形態5のスピーカと同様に、リー
ド線を密着したボビン1の外周面と第1のリング9の内
周面の間を通過させる必要がないため、スピーカの組立
が容易となる。
【0051】なお、湾曲部20は図示した形状でなくと
も、例えば曲面状でもよい。また、実施の形態1のみな
らず実施の形態3および4に適応しても同様の効果が得
られる。
【0052】(実施の形態7)本実施の形態7は主とし
て請求項8に記載のスピーカについて説明するものであ
り、図14は本発明のスピーカの実施の形態7のダスト
キャップを除いた上面図であり、図15(a)は同要部
である二重リングの上面図であり、図15(b)は同断
面図であり、図16(a)は同要部である磁気回路の上
面図であり、図16(b)は同断面図である。
【0053】本実施の形態7の詳細な構成を動作ととも
に説明すると、実施の形態1と構成および動作は同様で
あり、大振幅可能な薄型のスピーカを実現するものであ
るが、大きく異なるのは、夫々のスリット5に挿入され
る継手11aを2本とした二重リング12cの構造とし
たことである。さらに、スリット5の数を削減し、2本
の継手11aがスリット5と非接触を保つようにその幅
を拡大している。継手11aを2本とすることで、ボイ
スコイル3から二重リング12c全体に伝達する駆動力
を減少させることなく、スリット5の数の低減が可能と
なる。スリット5の数の低減により、ヨーク4の外周円
筒部4aのスリット5によって切り残された部位の断面
積を拡大することが可能となるため、ヨーク4の外周円
筒部4aの磁気飽和を同程度とするには、同じ断面積を
確保できる外周円筒部4aの外径の小さいヨーク4で良
くなり、第2のリング10も小径にできるため二重リン
グ12cが軽量となり、再生高域限界周波数の向上に有
利となる。
【0054】なお、実施の形態1に対して継手11を2
本として説明したが、これまでの全ての実施の形態にお
いても継手11を2本としても同様の効果が得られる。
【0055】(実施の形態8)本実施の形態8は主とし
て請求項9に記載のスピーカについて説明するものであ
り、図17は本発明のスピーカの実施の形態8のダスト
キャップを除いた上面図であり、図18(a)は同要部
である二重リングの上面図であり、図18(b)は同断
面図である。
【0056】本実施の形態8の詳細な構成を動作ととも
に説明すると、実施の形態7と構成および動作は同様で
あり、大振幅可能な薄型のスピーカを実現するものであ
るが、大きく異なるのは、ヨーク4の外周円筒部4aに
設けたスリット5に挿入される2本の継手11bを径方
向ほど間隔を拡大したことである。2本の継手11bを
径方向に拡大することで、第1のリング9と第2のリン
グ10の振幅方向およびねじれ方向の接合強度が向上す
る。よって、ボイスコイル3に発生する駆動力が二重リ
ング12dを介してより確実に振動板13に伝達するこ
とで、高域再生限界周波数の向上が図れ、さらには、大
振幅時に発生するねじれに対する信頼性が向上する利点
を有する。
【0057】(実施の形態9)本実施の形態9は主とし
て請求項10に記載のスピーカについて説明するもので
あり、図19(a)は本発明のスピーカの実施の形態9
のダストキャップを除いた上面図、図19(b)は同断
面図であり、図20(a)は同要部である二重リングの
上面図であり、図20(b)は同断面図である。
【0058】本実施の形態9の詳細な構成を動作ととも
に説明する。
【0059】実施の形態1と構成および動作は同様であ
り、大振幅可能な薄型のスピーカを実現するものである
が、大きく異なるのは、第1のリング9の上端と第2の
リング10の上端と継手11の上端に形成された補強面
21を新たに設けた二重リング12eの構造としたこと
である。ヨーク4の外周円筒部4aの上端より下方への
振幅余裕を隔てて補強面21を設けたことによって第1
のリング9、第2のリング10ならびに継手11の上端
は振幅余裕を持たせた位置に設定されている。
【0060】補強面21を設けることで二重リング12
eの剛性を向上できるため、ボイスコイル3に発生する
駆動力が二重リング12eの全体により確実に伝達する
ようになり、再生高域限界周波数の向上に有利となる。
また、補強面21の存在により二重リング12eの剛性
改善のみならず工法上においても成型が容易となる利点
を有する。
【0061】なお、上記は実施の形態1に適応して説明
したが、上述の実施の形態6〜8に適応しても同様の効
果が得られるものである。
【0062】(実施の形態10)本実施の形態10は主
として請求項11に記載のスピーカについて説明するも
のであり、図21(a)は本発明のスピーカの実施の形
態10のダストキャップを除いた上面図、図21(b)
は同断面図であり、図22(a)は同要部である二重リ
ングの上面図であり、図22(b)は同断面図である。
【0063】本実施の形態10の詳細な構成を動作とと
もに説明すると、本実施の形態10は実施の形態9と構
成および動作は同様であり、大振幅可能な薄型のスピー
カを実現するものであるが、実施の形態9との相違点は
夫々スリット5に挿入される2本の継手11間の補強面
21aを凹状にした二重リング12fとしたことであ
る。補強面21aの断面形状を凹状とすることで二重リ
ング12fが三次元的に補強されるため、実施の形態9
よりも強度向上を図ることができる。しかも、スリット
5に挿入される継手11間を凹状とすれば、二重リング
12fの振幅方向の長さを増大させることがない。ま
た、ボイスコイル3から上方へ引出されるリード線を補
強面21aの凹状部に沿って配線すれば、リード線によ
って、スピーカの薄型化を妨げることがなく、スピーカ
の組立も容易となる。
【0064】なお、補強面21aに形成した凹状部の形
状は矩形でなくとも例えば半円形やU字形、あるいはV
字形でもよい。
【0065】(実施の形態11)本実施の形態11は主
として請求項12に記載のスピーカについて説明するも
のであり、図23(a)は本発明のスピーカの実施の形
態11のダストキャップを除いた上面図、図23(b)
は同断面図であり、図24(a)は同要部である二重リ
ングの上面図であり、図24(b)は同断面図である。
【0066】本実施の形態11の詳細な構成を動作とと
もに説明する。
【0067】本実施の形態11は実施の形態10と構成
および動作は同様であり、大振幅可能な薄型のスピーカ
を実現するものであるが、相違点は補強面21bの凹状
部の側面を継手11と一体構造とした二重リング12g
としたことである。補強面21bの凹状部の側面を継手
11と一体とすることで、二重リング12gの構造を簡
素化できる。すなわち、二重リング12gはあらゆる部
位をほぼ均一な肉厚での形成が可能となる。したがっ
て、二重リング12gを例えば非磁性金属の平板をプレ
ス加工により製作できるため、工法的に非常に容易とな
るものである。
【0068】(実施の形態12)本実施の形態12は主
として請求項13に記載のスピーカについて説明するも
のであり、図25(a)は本発明のスピーカの実施の形
態12のダストキャップを除いた上面図、図25(b)
は同断面図であり、図26(a)は同要部である二重リ
ングの上面図であり、図26(b)は同断面図である。
【0069】本実施の形態12の詳細な構成を動作とと
もに説明する。
【0070】本実施の形態12は実施の形態1と構成お
よび動作は同様であり、大振幅可能な薄型のスピーカを
実現するものであるが、相違点は二重リング12hの第
2のリング10aの振動方向の長さが、継手11および
第1のリング9のそれより大きいことである。第2のリ
ング10aの振動方向の長さを、継手11および第1の
リング9のそれより大きくとることで、第2のリング1
0aに接合するダンパー14や振動板13の配置の自由
度が増し、ダンパー14が磁気回路8の上面より下方で
第2のリング10aと接合可能となるため、さらにスピ
ーカの薄型化が図れ、スピーカの支持系固定端であるエ
ッジ15の外周部−ダンパー14の外周部間が実施の形
態1と比べて大きくなって大振幅時の安定性が向上する
ものである。
【0071】また、振動板13の内周部も下方へ長くし
た第2のリング10aの下方で接合できるので、全高を
大きくした振動板13とすることができ、振動板13を
厚くすることなく振幅方向に対する強度向上が図れ、高
域再生限界周波数を向上できる利点をも有するものであ
る。
【0072】なおこれは、これまで説明してきた各実施
の形態に適応して同様の効果が得られるものである。
【0073】(実施の形態13)本実施の形態13は主
として請求項14、請求項15、請求項16、請求項1
7に記載のスピーカについて説明するものであり、図2
7(a)は本発明のスピーカの実施の形態13のダスト
キャップを除いた上面図、図27(b)は同断面図であ
り、図28(a)は同要部である二重リングの上面図で
あり、図28(b)は同断面図である。
【0074】本実施の形態13の詳細な構成を動作とと
もに説明する。
【0075】実施の形態1との相違点は、第2のリング
10の下端に外周方向へ突出した補強リング22を新た
に形成した二重リング12jとしたことである。第2の
リング10の下端に外周方向へ突出した補強リング22
を設けることで、第2のリング10の径方向の強度を向
上させることができるとともに、この補強リング22を
第2のリング10を下端で外側へ折り返した構造とすれ
ば、製作が工法的に容易となるものである。
【0076】なお、本実施の形態13は上記した各実施
の形態に適応しても同様の効果が得られるものである。
【0077】なお、本実施の形態13の展開例として特
に図示しないが、二重リング12jをプラスチックなど
の絶縁材でなくアルミ合金等の熱伝導の良好な非磁性材
料で形成するとともに、継手11の上面と第2のリング
10の外周面に絶縁層を形成することも考えられる。こ
れは、ボイスコイル3の発熱の放熱効果を高めるととも
に、耐熱性の向上を図り、かつボイスコイル3からのリ
ード線との電気的絶縁を確保するためのものである。
【0078】また、上記絶縁層としてスピーカのボビン
材料であるクラフト紙を用いて接着形成することで振動
板13、ダンパー14と二重リング12jとの接着強度
の向上を併せて図ることも可能である。
【0079】また、これら上記展開例は本実施の形態1
3のみに適用されるものでなく、上述した各実施の形態
の形状に併せて適宜適用可能なものである。
【0080】(実施の形態14)本実施の形態14は主
として請求項18に記載のスピーカについて説明するも
のであり、図29は本発明のスピーカの実施の形態14
の断面図である。
【0081】本実施の形態14の詳細な構成を動作とと
もに説明する。
【0082】実施の形態1との相違点は、第2のリング
10の下端と振幅方向において対向するフレーム16の
部位に緩衝材23を新たに設けたことである。緩衝材2
3を設けることで下方への過振幅防止を図り、ダンパー
14やエッジ15を機械的に保護し、さらには第2のリ
ング10側の下端とフレーム16の衝突による異常音発
生を回避できる等の利点を有する。
【0083】なお、本実施の形態14ではフレーム16
側に緩衝材23を設けた場合について説明したが、第2
のリング10の下端に緩衝材23を設けてもよい。さら
には、フレーム16側と第2のリング10側の両者に設
けてもよい。さらに、緩衝材23はリング状に配置して
もよく、部分的に配置してもよいものである。
【0084】また、これまでの全ての実施の形態で説明
したスピーカに適用することも可能で同様の効果が得ら
れるものである。
【0085】(実施の形態15)本実施の形態15は主
として請求項19、請求項20および請求項21に記載
のスピーカについて説明するものであり、図30(a)
は本発明のスピーカの実施の形態15のダストキャップ
を除いた上面図であり、図30(b)は同断面図であ
る。
【0086】本実施の形態15の詳細な構成を動作とと
もに説明する。
【0087】実施の形態12との相違点のみ説明する
と、振動板13の途中部位と二重リング12外周部に接
合する補強片24を設けたことである。また、ダストキ
ャップ18も二重リング12に接合した。以上のように
振動板13の上面途中部位と二重リング12の第2のリ
ング10の外周部に上述の補強片24を設けることで、
振動板13の振幅方向の強度を向上させるものである。
また、ダストキャップ18を二重リング12と接合した
場合には、補強片24と振動板13との接合部よりも上
方に位置する第2のリング10の垂直部に起因する音の
反射や回折による周波数特性の乱れをも改善できるもの
である。
【0088】なお、補強片24の形状は薄肉のリング形
状で図示したが、例えばその外周側は星形でもよく、全
体がリブ形状でもよいものである。
【0089】なお、上記構成は上述した各実施の形態に
用いても同様の効果が得られるものである。
【0090】なお、上記補強片24を比較的重い質量物
で構成することにより、重量付加物として用いることも
可能である。重低音の再生能率を向上させるには振動系
重量を増大した設計が現実的となるため、重低音再生用
のスピーカには重量付加物を設ける場合が多い。補強片
24を重量付加物として振動板13の途中部位と二重リ
ング12の外周部に設けることで、重量付加物としての
機能を果たすだけでなく、振動板13の振幅方向の強度
も図れるものである。
【0091】また、ボイスコイル3からのリード線を補
強片24に沿って配線し、ボイスコイル3からのリード
線が二重リング12の上面に沿って引き出された後、補
強片24に沿って配線することで、第2のリング10の
外周面と振動板13との接合部でリード線を鋭角に屈曲
させる必要がなくなるためリード線の保護になるだけで
なく、スピーカの組立が容易となるものである。
【0092】これまでに説明してきた各実施の形態では
ヨーク4の外周円筒部4aのスリット5は6個または4
個、継手11の数を6本または8本で説明したが、これ
に限るものでなくても良く、奇数個、偶数個を問わない
ものである。
【0093】また、磁気回路8、二重リング12、振動
板13等は円形で説明したが、他の形状、例えば楕円形
や角形でもよいものである。
【0094】また、磁気回路8は円板状の磁石7を1つ
持ち、磁気空隙が1個であったがこれに限るものでなく
ともよいものである。
【0095】また、ダストキャップ18の形状および接
合位置は一例を示したまでであり、例えば、平板状のダ
ストキャップ18を二重リング12に接合してもよいも
のである。
【0096】さらに、ダストキャップ18を設けること
なく、センターポール6の上面に高域再生用スピーカを
設けた同軸構造の薄型スピーカとしてもよいものであ
る。
【0097】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、二重リン
グによってダンパーを従来より下方へ配置することで、
安定した大振幅を可能とした薄型のスピーカを実現でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のスピーカの実施の形態1の上面
図 (b)同断面図
【図2】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図3】(a)同要部である磁気回路の上面図 (b)同断面図
【図4】(a)本発明の実施の形態2のスピーカの上面
図 (b)同断面図
【図5】本発明のスピーカの実施の形態3の上面図
【図6】(a)同要部である磁気回路の上面図 (b)同断面図
【図7】(a)本発明のスピーカの実施の形態4の上面
図 (b)同断面図
【図8】(a)同要部である磁気回路の上面図 (b)同断面図
【図9】(a)本発明のスピーカの実施の形態5の上面
図 (b)同断面図
【図10】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図11】本発明のスピーカの実施の形態6の上面図
【図12】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図13】(a)同要部である磁気回路の上面図 (b)同断面図
【図14】本発明のスピーカの実施の形態7の上面図
【図15】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図16】(a)同要部である磁気回路の上面図 (b)同断面図
【図17】本発明のスピーカの実施の形態8の上面図
【図18】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図19】(a)本発明のスピーカの実施の形態9の上
面図 (b)同断面図
【図20】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図21】(a)本発明のスピーカの実施の形態10の
上面図 (b)同断面図
【図22】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図23】(a)本発明のスピーカの実施の形態11の
上面図 (b)同断面図
【図24】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図25】(a)本発明のスピーカの実施の形態12の
上面図 (b)同断面図
【図26】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図27】(a)本発明のスピーカの実施の形態13の
上面図 (b)同断面図
【図28】(a)同要部である二重リングの上面図 (b)同断面図
【図29】本発明の実施の形態14のスピーカの断面図
【図30】(a)本発明のスピーカの実施の形態15の
上面図 (b)同断面図
【図31】従来のスピーカの断面図
【符号の説明】
1 ボビン 2 コイル 3 ボイスコイル 4 ヨーク 4a 外周円筒部 5,5a,5b スリット 7 磁石 8 磁気回路 9 第1のリング 10,10a 第2のリング 11,11a,11b 継手 12,12a,12b,12c,12d,12e,12
f,12g,12h,12j 二重リング 13 振動板 14 ダンパー 16 フレーム 17 端子 20 湾曲部 21,21a,21b 補強面 22 補強リング 23 緩衝材 24 補強片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D012 BA06 BB02 BB04 BB05 BC02 BD04 CA02 CA07 CA09 FA00 GA01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともボビンにコイルが巻回された
    ボイスコイルと、ヨークの外周円筒部に複数個のスリッ
    トを設けた磁気回路と、内側の第1のリングと外側の第
    2のリングが複数個の継手により放射状に連結されて円
    心円状の構造を一体的あるいは組合されて形成する二重
    リングと、前記二重リングの外周部に夫々の内周部が接
    合された振動板とダンパーと、前記振動板の外周部に内
    周部が接合されたエッジと、前記磁気回路と前記ダンパ
    ーの外周部と前記エッジの外周部を固定するフレーム
    と、前記フレームに固定され前記ボイスコイルと電気的
    に接合された端子とで構成されるスピーカであって、前
    記第1のリングは、前記コイルの近傍で前記ボビンと接
    合され少なくとも下方振幅時において前記スリットに前
    記継手が振動方向に移動可能かつ非接触となるように挿
    入されるとともに、複数個の前記スリットの中で2つの
    スリットと前記端子の中心が等間隔であり、前記ボイス
    コイルのリード線が2つの前記スリットの位置で前記二
    重リングに沿って配線されたスピーカ。
  2. 【請求項2】 コイルの上部に位置するボビンの外周面
    と第1のリングの内周面が接合された請求項1に記載の
    スピーカ。
  3. 【請求項3】 コイルの下部に位置するボビンの外周面
    と第1のリングの内周面が接合された請求項1に記載の
    スピーカ。
  4. 【請求項4】 隣接したスリットに挟まれたヨークの外
    周円筒部の外周面側と内周面側の円周方向の厚みが等し
    い請求項1に記載のスピーカ。
  5. 【請求項5】 夫々のスリットは、その下端が外周円筒
    部の途中部位かつ継手の下方への振幅余裕を持たせた位
    置である請求項1に記載のスピーカ。
  6. 【請求項6】 第1のリングに垂直方向に分断した間隙
    部を設け、ボイスコイルのリード線がボビンに沿って前
    記間隙部を通過して引出された請求項2に記載のスピー
    カ。
  7. 【請求項7】 第1のリングに継手と接合する部位で径
    方向に拡大した湾曲部を設け、ボイスコイルのリード線
    がボビンに沿って前記湾曲部を通過して引出された請求
    項2に記載のスピーカ。
  8. 【請求項8】 夫々のスリット間に挿入される継手が2
    本である請求項1に記載のスピーカ。
  9. 【請求項9】 夫々のスリット間に挿入された2本の継
    手は径方向ほど間隔が拡大した請求項8に記載のスピー
    カ。
  10. 【請求項10】 第1のリングの上端と第2のリングの
    上端と継手の上端に形成された補強面を有する請求項1
    に記載のスピーカ。
  11. 【請求項11】 夫々スリットに挿入される2本の継手
    間の補強面が凹状であり、ボイスコイルからのリード線
    が前記凹部に沿って配線された請求項10に記載のスピ
    ーカ。
  12. 【請求項12】 補強面の凹状部の側面が継手と一体で
    ある請求項11に記載のスピーカ。
  13. 【請求項13】 第2のリングの振幅方向の長さが継手
    および第1のリングのそれより大きい請求項1または請
    求項2に記載のスピーカ。
  14. 【請求項14】 第2のリングの下端に外周方向へ突出
    した補強リングを形成した請求項1に記載のスピーカ。
  15. 【請求項15】 少なくとも継手の上面と第2のリング
    の外周面に絶縁層を設けた請求項1に記載のスピーカ。
  16. 【請求項16】 少なくとも補強面の凹部上面と第2の
    リングの外周面に絶縁層を設けた構造である請求項10
    に記載のスピーカ。
  17. 【請求項17】 少なくとも第2のリングに設けた絶縁
    層がクラフト紙である請求項15または請求項16に記
    載のスピーカ。
  18. 【請求項18】 第2のリングの下端あるいは前記第2
    のリングの下端と振幅方向において対向するフレームの
    部位に緩衝材を設けた請求項1に記載のスピーカ。
  19. 【請求項19】 振動板の途中部位と第2のリングの外
    周部に接合した補強片を有する請求項1に記載のスピー
    カ。
  20. 【請求項20】 補強片が重量付加物である請求項19
    に記載のスピーカ。
  21. 【請求項21】 ボイスコイルからのリード線が補強片
    に沿って配線された請求項19に記載のスピーカ。
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