JP3629777B2 - スピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は映像・音響機器等に使用される細長形状のスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の細長形状のスピーカについて、図7〜図9により説明する。図7は平面図であり、図8は図7をA−A断面して示した短径方向の断面図である。同図において、14はスリム形状に構成されたコーン形振動板、15はエッジ、16はフレーム、17はコーン形振動板14の中央部に接合されたダストキャップ、19はフレーム16の内部に納まる外形寸法で構成されたダンパーである。また、20はリング状に構成されたボイスコイル、21はマグネット、22は前記リング状に構成されたボイスコイル20が収納されるリング状の磁気ギャップ、23,24は磁気ギャップ22を構成するためのヨークである。
【0003】
以上のように構成された従来の細長構造のスピーカの動作について説明すると、リング状に構成されたボイスコイル20に駆動電流が流れることによってボイスコイル20がピストン運動し、振動板14がその方向に振動する。
【0004】
その結果、振動板14より音波が放射される。図9はこのスピーカの音圧周波数特性を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のスピーカには次のような問題点があった。即ち、スリム形状に構成されたコーン形振動板14の中央部を点駆動するという駆動方法となるため、長軸方向の分割共振が発生し易い。
【0006】
その結果、中高域では再生音圧の周波数特性上にピークやディップを生じ、音質の劣化を招いていた。例えば、図9に示す音圧周波数特性上では、2kHz、3kHz及び5kHzに顕著なディップが見られる。
【0007】
また、磁気ギャップ22を構成するためのヨーク23,24とボイスコイル20を含む駆動系の幅は、スピーカの短径の長さより小さくなる。
【0008】
従って、このようなスピーカでは、ボイスコイル20の口径を大きく取ることは物理的に不可能であるから、ボイスコイル20の線長も長くすることはできない。またマグネット21の体積も小さく限定されるために、磁気ギャップ22の磁束密度を十分に確保することができない。
【0009】
その結果、駆動系の力係数(B×L)は小さくなり、変換効率を高くすることが困難であった。さらに、ダンパー19はフレーム16の内部に納まるように曲率半径・幅ともに小さくする必要がある。
【0010】
そして振動系のスティフネスが大きくなって、最低共振周波数f0が上昇し、低音域の再生が困難になるという欠点があった。
【0011】
また、ボイスコイル20の口径を大きく取ることが不可能であることから、スピーカの耐入力を低く設定せざるを得ないという欠点を有していた。
【0012】
本発明は以上のような課題を解決することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のスピーカは、長手方向の2辺に直線状部を設けた細長の椀状の振動板の内側に長手方向と交差する方向に設けられた一対のリブを設けるとともに、前記細長の椀状の振動板の外周端面と前記リブの下端面で形成される略矩形形状のボイスコイルボビン接合用下端面部にボイスコイルボビンを接合するとともに、前記ボイスコイルボビンと接合される前記振動板の前記外周端面が前記振動板の全外周端面の少なくとも1/2以上としたものであり、この構成によって、変換効率の向上、低音域特性の向上、耐入力の向上を図るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明のスピーカは、長手方向の2辺に直線状部を設けた細長の椀状の振動板と、この振動板の外周端面に接合された外周が細長形状のエッジと、このエッジの外周を固着する細長形状のフレームと、前記細長の椀状の振動板の内側に長手方向と交差する方向に設けられた一対のリブと、上端面が前記細長の椀状の振動板の外周端面と前記リブの下端面で形成される略矩形形状のボイスコイルボビン接合用下端面部に接合されるとともに、ボイスコイルが巻回された略矩形形状のボイスコイルボビンと、この略矩形形状のボイスコイルボビンに巻回された前記ボイスコイルを挿入する磁気ギャップを有する磁気回路とで構成されるスピーカであって、前記ボイスコイルボビンと接合される前記振動板の前記外周端面が前記振動板の全外周端面の少なくとも1/2以上としたものであり、変換効率の向上、低音域特性の向上、耐入力の向上を図るものである。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明のスピーカは、長手方向の2辺に直線状部を設けた細長の椀状の振動板と、この振動板の外周端面に接合された外周が細長形状のエッジと、このエッジの外周を固着する細長形状のフレームと、前記細長の椀状の振動板の内側に長手方向と交差する方向に設けられた一対のリブと、上端面が前記細長の椀状の振動板の外周端面と前記リブの下端面で形成される略矩形形状のボイスコイルボビン接合用下端面部に接合されるとともに、ボイスコイルが巻回された略矩形形状のボイスコイルボビンと、この略矩形形状のボイスコイルボビンに巻回された前記ボイスコイルを挿入する磁気ギャップを有する磁気回路とで構成されるスピーカであって、前記振動板の長手方向の両端近傍に設けられたダンパー接合用リブと、このリブの下端面と接続されるとともに、前記フレームに接合されたダンパーを設けたものであり、変換効率の向上、低音域特性の向上、耐入力の向上に加え、前記振動板の上下振動時の長手方向と直角の方向(短手方向)のローリング現象も防止できるものである。
【0016】
本発明の請求項3に記載の発明のスピーカは、請求項1のリブまたは請求項2のダンパー接合用リブより長手方向の外方に向かって両端近傍まで他のリブを設けたものであり、高域限界周波数の拡大を可能とするものである。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図6により説明する。
(実施の形態1)
図1は平面図であり、図2は図1のB−B断面図であり、図3は要部である振動部材の斜視図である。
【0018】
同図によると、1はスリムな細長形状に構成され長手方向に直線状部を有する椀状の振動板、2は振動板1の外周部に接合された細長形状のエッジ、3はエッジ2の外周部を固着支持した細長形状のフレームである。
【0019】
4は振動板1の内壁部に長手方向に交差する方向に一対設けられたボイスコイルボビン接合用リブ、5は振動板1の振動板外周端面、6は略矩形形状のボイスコイルボビン、7はボイスコイルボビン6の下端面側に巻かれたボイスコイル、8はボイスコイルボビン6の上側端面と振動板外周端面5およびボイスコイルボビン接合用リブ4とから成る略矩形形状部とを接着したボイスコイルボビン接合部であり、この接合部8において、振動板1の外周端面5の略1/2以上がボイスコイルボビン6の上側端面と接合されている。9はボイスコイル7が挿入される磁気回路であり、10は振動板1の両端近傍に設けられたダンパー接合用リブ、11はダンパーである。
【0020】
以上のように構成された本発明のスピーカについて図により詳細の構成を説明すると、細長の形状に構成された振動板1の振動板外周端面5の少なくとも1/2以上の端面部はボイスコイルボビン6と接合するように構成されているので、ボイスコイル7に働く駆動力がボイスコイルボビン6を介して振動板1に働く。
【0021】
なお、上記実施の形態においては、図3に示すごとくボイスコイルボビン6に巻回されたボイスコイル7の長手方向の直線部分のみを磁気回路9の磁気ギャップに挿入するようにしたので、磁気回路9の磁気ギャップをボイスコイル6の全周にわたって形成する必要がなく、本構成を採用することで特に図示していないが磁気回路9を構成するヨークとマグネットの構造を極めて簡単にしてコストダウン、軽量化に寄与することも可能である。
【0022】
また、前述の振動板1の長手方向の両端近傍に設けたダンパー接合用リブ10とこのダンパー接合用リブ10の下端に接続されるとともに、両端がフレーム3に接合されたダンパー11は振動板1の上下振動時の振動板1の短手方向のローリングを防止する作用を有しており、これは、ボイスコイルボビン接合部8と接合される振動板外周端面5が全外周端面の1/2にならない場合も前記効果は発揮されるものである。
【0023】
また、前記実施の形態では振動板外周端5の全外周端の1/2以上がボイスコイルボビン6と接合しておれば良いとしたが、これは目的とする周波数特性に合致する又は近いものを適宜選択すれば良いものである。
【0024】
以上の構成により、スリムな形状に構成されたスピーカにおいても、大振幅が可能でかつ耐入力の向上が図れるスピーカを提供することが可能となるものである。
【0025】
さらに、スピーカの駆動部すなわち磁気回路9とボイスコイル7を最も効率的に配置することが可能となるものである。
【0026】
即ち、振動板(外周端面5)の1/2以上の部分に対しボイスコイル7に働く駆動力を伝達することが可能となることから、低域再生帯域から高域再生帯域まで振動部の分割共振の少ない振動モードを得ることを実現でき、低域から高域まで平坦な音圧周波数特性が得られるものである。
【0027】
(実施の形態2)
図4は要部である振動板の形状を示した断面図であり、図5は図4の裏面を示した平面図であり、(実施の形態1)との相違点のみ説明すると、13は、振動板1の裏面にボイスコイルボビン接合用リブ4の外側両端部より振動板1の両端部近傍まで設けられた高域分割共振制御リブである。
【0028】
これにより、振動板1において、振動板外周端面5の駆動力の働かない部分(ボイスコイルボビン6と振動板1との接合部分より外側)の剛性を高め、かつ、高域周波数特性を伸ばすように高域における振動板1の分割共振を一部利用しスピーカの高域再生限界を拡大するものであり、高さ及び厚み等は、適宜設定されるものである。
【0029】
図6に(実施の形態1)における音圧周波数特性(a)と高域限界周波数を拡大した(実施の形態2)における音圧周波数特性(b)を示す。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明は細長形状のスピーカにあって、ボイスコイルの線長を長く設定することが可能となり、かつボイスコイル口径も大きく設定したのと同等の効果が得られることから、駆動系の力係数(B×L)を大きく設定でき、変換効率が高く耐入力が大幅に向上するスピーカが実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスピーカの平面図
【図2】同断面図
【図3】同要部である振動部材の斜視図
【図4】同他の実施の形態の要部である振動板の断面図
【図5】同裏面からの平面図
【図6】本発明のスピーカの音圧周波数特性図
【図7】従来の細長構造のスピーカの平面図
【図8】同短径方向の断面図
【図9】同音圧周波数特性図
【符号の説明】
1 振動板
2 エッジ
3 フレーム
4 ボイスコイルボビン接合用リブ
5 振動板外周端面
6 ボイスコイルボビン
7 ボイスコイル
8 ボイスコイルボビン接合部
9 磁気回路
10 ダンパー接合用リブ
11 ダンパー
13 高域分割共振制御リブ
Claims (3)
- 長手方向の2辺に直線状部を設けた細長の椀状の振動板と、この振動板の外周端面に接合された外周が細長形状のエッジと、このエッジの外周を固着する細長形状のフレームと、前記細長の椀状の振動板の内側に長手方向と交差する方向に設けられた一対のリブと、上端面が前記細長の椀状の振動板の外周端面と前記リブの下端面で形成される略矩形形状のボイスコイルボビン接合用下端面部に接合されるとともに、ボイスコイルが巻回された略矩形形状のボイスコイルボビンと、この略矩形形状のボイスコイルボビンに巻回された前記ボイスコイルを挿入する磁気ギャップを有する磁気回路とで構成され、前記ボイスコイルボビンと接合される前記振動板の前記外周端面が前記振動板の全外周端面の少なくとも1/2以上であるスピーカ。
- 長手方向の2辺に直線状部を設けた細長の椀状の振動板と、この振動板の外周端面に接合された外周が細長形状のエッジと、このエッジの外周を固着する細長形状のフレームと、前記細長の椀状の振動板の内側に長手方向と交差する方向に設けられた一対のリブと、上端面が前記細長の椀状の振動板の外周端面と前記リブの下端面で形成される略矩形形状のボイスコイルボビン接合用下端面部に接合されるとともに、ボイスコイルが巻回された略矩形形状のボイスコイルボビンと、この略矩形形状のボイスコイルボビンに巻回された前記ボイスコイルを挿入する磁気ギャップを有する磁気回路とで構成され、前記振動板の長手方向の両端近傍に設けられたダンバー接合用リブと、このリブの下端面と接続されるとともに、前記フレームに接合されたダンパーを設けたスピーカ。
- リブまたはダンパー接合用リブより長手方向の外方に向かって両端近傍まで他のリブを設けた請求項1または請求項2記載のスピーカ。
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