JP7398731B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本開示は、二つの振動板を備えたスピーカ装置に関する。
従来、特許文献1に記載のスピーカ装置のように、平板形状の細長い振動板とボイスコイルおよび磁気回路を備えたスピーカユニットを振動板の長手方向に複数個並べ、一つのフレームに取り付けたスピーカ装置が存在している。このようなスピーカ装置によれば、スピーカ装置の薄型化を図ることが可能である。
特開2012-199859号公報
ところが昨今では、車両に搭載されるスピーカ装置、薄型の映像機器に取り付けられるスピーカ装置、携帯型の電子機器が備えるスピーカ装置などにおいて、更なる薄型化が望まれている。
本開示の目的は、二つのスピーカユニットを備えるスピーカ装置であって、薄型のスピーカ装置の提供である。
上記目的を達成するために、本発明の1つであるスピーカ装置は、フレームと、前記フレームに並べて取り付けられる二つの振動板と、前記振動板にそれぞれ取り付けられる二つのボイスコイル体と、前記ボイスコイル体にそれぞれ対応する二つの磁気回路と、を備え、前記磁気回路のそれぞれは、磁気ギャップから外側に向かって延在し前記ボイスコイル体から引き出される信号線が通過するスリットを有するヨークを備える。
これによれば、ヨークと振動板との距離が短い場合でもボイスコイル体の振幅を大きくすることができ、薄型、大音量のスピーカ装置とすることができる。
図1は、実施の形態に係るスピーカ装置を示す斜視図である。 図2は、実施の形態に係るスピーカ装置の振動板を省略して内部を示す斜視図である。 図3は、実施の形態に係るスピーカ装置を図1に示すI-I線で切断した断面図である。 図4は、実施の形態に係るスピーカを裏側から示す斜視図である。 図5は、磁気回路、およびボイスコイル体を示す斜視図である。 図6は、磁気回路、およびボイスコイル体を示す平面図である。 図7は、2つのコイルと接続部材と正入力端子と負入力端子とを模式的に示す斜視図である。 図8は、実施の形態に係るスピーカ装置の対称性を示す斜視図である。 図9は、図4に示すII-II線における断面図である。 図10は、フレームと取り付け前の治具とを示す斜視図である。 図11は、フレームに治具が取り付けられた状態を示す斜視図である。 図12は、フレームに取り付けられた治具にボイスコイル体を取り付けた状態を示す斜視図である。
以下に、スピーカ装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、図面は、本開示を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
本開示の一態様に係るスピーカ装置は、フレームと、前記フレームに並べて取り付けられる二つの振動板と、前記振動板にそれぞれ取り付けられる二つのボイスコイル体と、前記ボイスコイル体にそれぞれ対応する二つの磁気回路と、を備え、前記磁気回路のそれぞれは、磁気ギャップから外側に向かって延在し前記ボイスコイル体から引き出される信号線が通過するスリットを有するヨークを備える。
スピーカ装置によれば、ヨークに信号線の振動を許容するスリットを設けることで、ボイスコイル体の大きな振幅を確保しつつスピーカ装置の薄型化を図ることができる。
図1は、実施の形態に係るスピーカ装置を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係るスピーカ装置の振動板等を省略して内部を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係るスピーカ装置を図1に示すI-I線で切断した断面を示す断面図である。図4は、実施の形態に係るスピーカを裏側から示す斜視図である。
これらの図に示すように、スピーカ装置100は、二つの磁気回路110と、二つのボイスコイル体120と、二つの振動板130と、一つのフレーム140とを備えている。本実施の形態の場合、スピーカ装置100は、接続部材161と、一組の入力端子の一方である正入力端子162と、他方である負入力端子163とを備えている。スピーカ装置100は、自動車などの移動体に取り付けられるスピーカ装置であり、移動体内の限られたスペースに埋設することができる薄型のスピーカ装置である。
磁気回路110は、定常的な磁束を発生させる部品である。磁気回路110は、振動板130の後方に位置するようにフレーム140に取り付けられ、振動板130に対向する環状の磁気ギャップを備えている。磁気ギャップは、ボイスコイル体120に発生する磁束と交差する方向に定常的な磁束を発生させる空隙である。なお、本明細書において、前方とはスピーカ装置100の音が放出される方向であり、後方とはその反対側の方向である。磁気回路110は、マグネット112と、トッププレート113と、ヨーク114とを備えている。本実施の形態の場合、磁気回路110は、図3に示すように内磁型であり、磁力強化のためのサブマグネット115を備えている。
図5は、磁気回路、およびボイスコイル体を示す斜視図である。図6は、磁気回路、およびボイスコイル体を示す平面図である。ヨーク114は、強磁性材料によって構成され、マグネット112から発生した磁束を所定の磁気ギャップに案内する部材である。ヨーク114は、有底の筒状であって振動板130と平行な面(図中XY平面)の形状は長円形状である。ヨーク114は、マグネット112を同軸上に収容している。またヨークの周壁117には、磁気ギャップから外側に向かって径方向に延在しボイスコイル体120から引き出される信号線123が通過するスリット116が設けられている。また、信号線123がボイスコイル体120から引き出される延出部124に対向しスリット116に繋がるヨークの周壁117の部分は、延出部124側がえぐられ肉厚が薄いヨークの薄肉部118となっている。ヨークの薄肉部118は、スピーカ装置100の駆動時において信号線123との干渉を回避し、かつ磁気ギャップに発生する磁界の損失を抑制している。また、ヨーク114は、第一係合部111を備えている。
スリット116は、ヨークの周壁117の前方側端面から振動板130の振動方向(図中Z軸方向)に向かって窪み両端が開口した溝状の部分である。本実施の形態の場合、スリット116を通過する信号線123の部分からスリット116の底面までの距離は、信号線123の振動板130と平行な部分から振動板130までの距離よりも長く設定されている。スリット116の底面は、ヨーク114の底部の上面と面一となっている。ヨーク114に設けるスリット116の数は、2本の信号線123が通過する1本、または2本の信号線123がそれぞれ通過する2本が考えられるが、本実施の形態の場合、2本のスリットが設けられている。スリット116の内側の角部は、信号線123の配線形状に沿うように面取りされたヨークの面取部119が設けられている。
以上のように、ヨーク114にスリット116を設けることにより、ヨーク114と振動板130との間隔が短い場合でも信号線123がヨークの周壁117に干渉することなくボイスコイル体120を長い振幅(ストローク)で駆動させることができる。従って、薄型でありながらダイナミックレンジの広いスピーカ装置100を提供することが可能となる。
第一係合部111は、ヨーク114の外周面から外向きに突出する部分であり、フレーム140の第二係合部141(詳細は後述)と係合することにより、フレーム140に対する磁気回路110の姿勢を含む位置合わせをする部分である。複数の第一係合部111の突出方向は、相互に異なる方向であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、第一係合部111は、ヨーク114の長手方向に相互に逆向きに2箇所、ヨーク114の短手方向に相互に逆向きに2箇所、合計4箇所設けられている。また、第一係合部111が取り付けられる位置も特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、長手方向に突出する第一係合部111は、短手方向の中央に配置され、短手方向に突出する第一係合部111は、長手方向の中央に配置されている。第一係合部111の形状も特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、立方体を含む直方体形状であり、振動板130に対向する面は、ヨーク114の本体と面一となっている。また、第一係合部111の振動板130に対向する面は、ヨーク114の本体と共に切削加工された切削面となっている。なお、第一係合部111は、ヨーク114の長手方向に交差する面、短手方向に交差する面が切削面であってもかまわない。
また本実施の形態の場合、第一係合部111の一つは、ヨーク114に二箇所設けられているスリット116の間に配置されている。これにより、フレーム140に設けられている溝部143(詳細は後述)とスリット116とを正確に位置合わせできるものとなっている。
トッププレート113は、ヨーク114と同様の強磁性材料によって構成されている。トッププレート113の振動板130と平行な面の形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、ヨーク114の形状に対応した長円形状であり、ヨーク114に収容されたマグネット112の振動板130側の面に配置されている。トッププレート113とヨーク114との間には環状であって長円形状(トラック形状)の空隙である磁気ギャップが形成されている。
マグネット112は、棒状の永久磁石である。サブマグネット115は、長円形状の板状の永久磁石である。マグネット112、およびサブマグネット115は、高い磁気エネルギーを有する例えばネオジム系マグネットなどを使用するのが好ましい。これにより、マグネット112の厚みを薄くでき、スピーカ装置100全体の厚みを薄くすることができ、その結果として軽量化を実現させることができる。
マグネット112は、厚み方向(図中Z軸方向)の一端がN極であり、他端がS極である。マグネット112の一方の極側の面には、トッププレート113が固定されており、他方極側の面には、ヨーク114が固定されている。また、トッププレート113に対しマグネット112の反対側に板状のサブマグネット115が配置されている。マグネット112、およびサブマグネット115により磁気ギャップには強い定常的な磁束が発生している。トッププレート113、マグネット112、ヨーク114、およびサブマグネット115の固定方法は特に限定されるものでは無いが、本実施の形態の場合、接着剤により固定されている。
本実施の形態の場合、磁気回路110は、スピーカ装置100の長手方向(図中Y軸方向)並べて配置されている。磁気回路110の全体形状は、並び方向(図中Y軸方向)の長さに対し並び方向に直交する幅方向(図中X軸方向)の長さが短く設定されている。磁気ギャップも同様に並び方向の長さに対し幅方向の長さが短く設定されている。
フレーム140に取り付けられる2つの磁気回路110は、ヨーク114に対する着磁方向が同じである。つまり、トッププレート113からヨーク114に向かう磁気の方向が同じになるようにマグネット112が配置されている。また、2つの磁気回路110は、箱状のフレーム140の底面部に設けられた貫通孔に挿入状態で取り付けられている。
なお、トッププレート113、マグネット112、ヨーク114、およびサブマグネット115の固定はネジ、リベットなどの締結部材を用いて固定されていてもよい。また、磁気回路110は、外磁型の磁気回路を採用してもかまわない。
ボイスコイル体120は、一端部が磁気回路110の磁気ギャップ内に配置され、他端部が振動板130に取り付けられる部品であり、定常的な磁束が発生するギャップ内にあるコイル121に電流が流れることによって巻き軸方向(図中Z軸方向)に生じる力によって振動する部品である。ボイスコイル体120の巻き軸(中心軸)は、振動板130の振動(振幅)の方向(図中Z軸方向)に配置され、磁気ギャップ内の磁束の方向と直交している。本実施の形態の場合、ボイスコイル体120は、金属性の一本の線材が長円形状に巻き回されることにより構成されるコイル121と線材が巻き付けられるボビン122とを備えている。ボビン122はアルミニウムや樹脂等の材料から構成される断面長円形状の筒状の部材であり、前側端部が振動板130に結合され後側端部は磁気ギャップ内に配置されている。
また、ボビン122の振動板130側(前側)の端部には、ボビン122の径方向の内側に折り曲げて設けられた舌片部125が存在している(図2、図5、図6参照)。舌片部125は、振動板130との接触面積を広げて振動板130とボビン122との接着強度を高めるための部分である。本実施の形態の場合、舌片部125は、筒状のボビン122の一端部に三角形状の切れ込みを周方向に並べて設け、残存させた三角形の部分を内側に向くように折り曲げて舌片部125としている。
ボイスコイル体120からは、コイル121を構成する線材の両端部にそれぞれ接続される信号線123(図2参照)が延出部124(図2参照)から延在している。延出部124は、ボビン122に固定されている。信号線123は金糸線、錦糸線などと称される場合がある。本実施の形態の場合、信号線123は、延出部124からボイスコイル体120のボビン122外周形状に沿って振動板130に平行、またはほぼ平行に空間中に配線され、さらに振動板130に平行な状態を維持しつつスリット116を通過するように空間中に配線されている。また、信号線123は、スリット116と連通する位置においてフレーム140に設けられた溝部143を通過するように配線されている。以上の様に信号線123を空間中に配線することで、ボイスコイル体120の振幅が大きな場合でも信号線123に強い張力が発生することなく、またスピーカ装置100が駆動中に信号線123がヨーク114等に干渉することを防止できる。
信号線123は、フレーム140の底部分に設けられた複数の配線孔142を介して外側に引き出され、フレーム140の外側表面に取り付けられた正入力端子162と負入力端子163に電気的にそれぞれ接続される。二つの入力端子にはアンプなどと接続される外部配線170(図1、図4参照)が電気的に接続される。なお、配線孔142は、端子、ハンダ等によって封止されている。
図7は、2つのコイル121と接続部材161と正入力端子162と負入力端子163とを模式的に示す斜視図である。同図に示すように、2つのボイスコイル体120がそれぞれ備えるコイル121の巻き方向は同じであり、二つのコイル121は、直列接続されている。つまり、直列接続されている2つのコイル121の一方の開放端から他方の開放端に向けて直流電流を流した場合、それぞれのコイル121に発生する磁界は同じ方向を向くものとなっている。
また、2つコイル121から延出される信号線123の内の2本は、フレーム140の外側に取り付けられた接続部材161によって電気的に接続されている。信号線123と接続部材161との接続方法は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、ハンダ(図示せず)により接続されている。
接続部材161は、導体からなる部材であり、本実施の形態の場合、矩形の銅板に配線孔142に対応する位置に貫通孔が設けられた部材が接続部材161として採用されている。
2つコイル121から延出される信号線123の内の他の2本は、フレーム140の外側に取り付けられた正入力端子162、負入力端子163にそれぞれ電気的に接続されている。正入力端子162、および負入力端子163は電気信号が入力される端子であり、外部配線170が電気的に接続される(図4参照)。本実施の形態の場合、接続部材161、正入力端子162、および負入力端子163は同形状の部材である。接続部材161、正入力端子162、および負入力端子163と信号線123とは、フレーム140の外側からハンダにより接続される。また、接続部材161、正入力端子162、および負入力端子163は樹脂製のフレーム140とともにインサート成形されても構わない。
本実施の形態の場合、2つの磁気回路110は、図8に示すように、スピーカ装置100の長手方向の中央部に仮想的に配置され長手方向に垂直な第一仮想面201、および短手方向の中央部に仮想的に配置され短手方向に垂直な第二仮想面202のそれぞれを基準として面対称である。なお、ボイスコイル体120は、全体的な形状、および延出部124の位置は、第一仮想面201、および第二仮想面202のそれぞれを基準として面対称であるが、コイル121の巻き付け方向については、第一仮想面201に対して面対称にはなっていない。本実施の形態のように延出部124が対向状に配置されているため、延出部124から延出する信号線123は、フレーム140の中央部に集中して配線される。従って、コイル121を直列接続するために信号線123を接続する接続部材161もフレーム140の中央部であって2つのボイスコイル体120の間に配置することができ、2つのコイル121からそれぞれ延出される信号線123を短い状態で接続することができる。これにより、フレーム140内において信号線123を簡単な配線状態とすることができる。
二つの振動板130は、ボイスコイル体120の先端部がそれぞれ結合される部材であり、ボイスコイル体120の振動に基づいて中立位置を基準に前後方向(図中Z軸方向)に変位することにより空気を振動させて音を発生させる部材である。本実施の形態の場合、振動板130の形状は、平板型であり、振動方向から見た平面視における外形は長円形状である。振動板130の外周部は、振動板130よりも柔軟性、および、復元性を有するエッジ131を介してフレーム140の壁部の前側端面に取り付けられている。また、フレーム140に取り付けられているエッジ131の部分は、ガスケット134により保護されている。本実施の形態の場合、ガスケット134は、エッジ131の外周形状に対応した長円形状の二つの貫通孔が設けられており、一つのガスケット134により二つのエッジ131が接続されている。
振動板130は、長手方向において、振動板130の一次共振の節の部分(図3の破線矢印に示す)でボイスコイル体120と接続されている。つまり、ボイスコイル体120の長手方向の長さは、振動板130の共振の節から節までの距離に対応している。
なお、平面視における振動板130の形状は、特に限定されるものでは無く、楕円形、角が丸められた矩形などでもかまわない。振動板130を構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、紙、樹脂、発泡樹脂、ハニカム平板などを挙示することができる。
フレーム140は、磁気回路110、振動板130を保持する構造部材である。フレーム140の形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、長方形の薄型の箱状であり、長手方向の両端部にはそれぞれ取付孔149が設けられている。フレーム140は、平面視において長円形状の空間を長手方向に並べて備えている。フレーム140の底部には磁気回路110が後方から挿入される貫通孔が設けられている。
フレーム140の側壁には、貫通状の作業孔145が設けられている。作業孔145は、スピーカ装置100を組み立てる際の治具、工具などを挿入するための穴である。本実施の形態の場合、作業孔145などフレーム140に設けられた開口は、組立作業終了後に、塵埃の侵入を防止するカバー部材(図示せず)が開口を覆うように取り付けられる。カバー部材は、塵埃の侵入を防止できるものであれば特に限定されるものではないが、空気の通過を許容し塵埃の侵入を防止できるメッシュ状の部材を用いてもよい。このようなカバー部材によりスピーカ装置100の音響特性を調整することができる。
また、フレーム140には、磁気回路110のヨーク114の周面から突出する複数の第一係合部111とそれぞれ係合して磁気回路110の位置を決定する複数の第二係合部141を備える(図4参照)。本実施の形態の場合、第二係合部141は、第一係合部111に対応する位置に合計4箇所設けられている。第二係合部141の形状は、第一係合部111の形状に対応する形状であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、フレーム140の後方から挿入される磁気回路110の第一係合部111と第二係合部141が係合するように、第二係合部141は、磁気回路110に対向する面、および振動板130と逆側の面(フレーム140の後方の面)が開口した切り欠き形状となっている。また、フレーム140に磁気回路110を取り付けた後、第二係合部141に接着剤を充填することができるように振動板130の振動方向において、第二係合部141の深さは、第一係合部111の厚さよりも深い。
図9は、図4に示すII-II線における断面図である。同図、および図4に示すように、フレーム140は、振動板130の逆側において、磁気回路110が挿入される部分の内側周縁に設けられ、磁気回路110のヨーク114に対向する面、および振動板130と逆側の面が開口する窪み状の接着剤充填部144を備えている。接着剤充填部144により、フレーム140に取り付けられたヨーク114に対しフレーム140の外側から接着剤を充填することができ接着剤が流れて広がることを抑制できる。これにより、フレーム140に対し磁気回路110を強固に固定することが可能となる。接着剤充填部144の形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、接着剤充填部144はヨーク114の外周を囲む様に配置され振動板130側から裏側に向けて徐々に広がるテーパ状の溝となっている。
次に、スピーカ装置の製造方法を説明する。図10は、フレームと取り付け前の治具とを示す斜視図である。同図に示すように治具300は、磁気回路110の外形を模した形状を備えてスピーカ装置100を組み立てる際に用いる部材であり、第三係合部301と、信号線保持部302と、ボイスコイル体保持部303とを備えている。
第三係合部301は、フレーム140に設けられた第二係合部141にそれぞれ係合する複数の部分であり、磁気回路110が備える第一係合部111とそれぞれ同じ方向に突出し、前後方向の厚さ以外ほぼ同じ形状となっている。なお、第三係合部301の厚さは、第一係合部111の厚さよりも厚く設定されている。
ボイスコイル体保持部303は、少なくとも第三係合部301に対し正確な位置関係でボイスコイル体120を保持できる部分である。本実施の形態の場合、ボイスコイル体保持部303は、ボイスコイル体120の内部に嵌め込まれることによりボイスコイル体120を周方向において正確な位置関係で保持する。また、振動板130の振動方向においては、コイル121の端部に当接することによりボイスコイル体120が後方に移動することを規制している。
信号線保持部302は、ボイスコイル体保持部303に保持されたボイスコイル体120から延出される信号線123を保持する部分である。本実施の形態の場合、ボイスコイル体120から延出される2本の信号線123を信号線保持部302が挟み込むように保持する。これにより、空間中に延在する信号線123を正確な位置に維持した状態で、接続部材161、正入力端子162、および負入力端子163にハンダ付けすることが可能となる。
以上の治具300を用いてスピーカ装置100を製造する。まず、図11に示すように、二つの治具300をフレーム140の磁気回路110に対応する部分にそれぞれ取り付ける。これにより第二係合部141に第三係合部301が係合し、フレーム140に対するボイスコイル体保持部303の位置関係が定まる。以下、一つの治具300に着目して製造方法を説明するが、他の治具300に対しても同様の製造方法でスピーカ装置100は製造される。
次に、図12に示すように、フレーム140に取り付けられた治具300のボイスコイル体保持部303にボイスコイル体120を取り付ける。また、信号線保持部302にボイスコイル体120から引き出された信号線123を保持させる。
以上の状態で、エッジ131が取り付けられた振動板130とボイスコイル体120とを連結し、信号線123と端子である接続部材161、正入力端子162、および負入力端子163を接続する。
次に、エッジ131を介して、振動板130をフレーム140に取り付け、ガスケット134を取り付ける。
次に、治具300をフレーム140から取り外し、第二係合部141の振動板130側の面に接着剤を塗布する。接着剤の塗布後の第二係合部141に第一係合部111を差し込むようにして、振動板130の反対側からフレーム140に磁気回路110を取り付ける。これにより、フレーム140に対し、磁気回路110が正確な位置に仮固定される。また磁気回路110とボイスコイル体120も相互に正確な位置関係となる。また、信号線123とスリット116とも正しい位置関係となる。
次に、第二係合部141、および接着剤充填部144に接着剤を充填し、フレーム140に磁気回路110を固定する。以上によりスピーカ装置100が製造される。
なお、上記の工程は、一例であり各工程の順番が前後する場合があり、各工程の前後に別の工程が実施される場合がある。
上記実施の形態のように、ヨーク114に信号線123を通過させることができるスリット116を設けたことで、ボイスコイル体120の振幅を大きく確保しつつヨーク114と振動板130との間隔を狭くすることが可能となる。従って、ダイナミックレンジの広いスピーカ装置100を提供することが可能となる。
また、2つのボイスコイル体120が備えるコイル121の巻き方向が同じであり、2つの磁気回路110の磁気ギャップにおける磁界の方向が同じである場合、つまり、2つのボイスコイル体120および磁気回路110として同じ規格の部品を用いることができるため、磁気回路110やボイスコイル体120の取付ミスを回避し、製品コストを抑制することができる。
また、2つのボイスコイル体120の延出部124を対向状に配置することにより、コイル121から延出する信号線123を短くすることができ、フレーム140内の信号線123の配線状態を簡単にすることが可能となり、生産性を向上さらに、2つのボイスコイル体120の延出部124を対向状に配置することにより、コイル121から延出する信号線123の配線状態を同じ条件にすることができるため、2つのスピーカから再生される音響特性を同等にすることができ、歪を低減させることができる。
また、舌片部125によりボイスコイル体120と振動板130が高い接合強度で連結されているため、高い耐久性を実現することができる。
また、長手方向において、振動板130の共振の節の位置にボイスコイル体120を取り付けることにより、比較的長尺で大型の振動板130を一次共振モードを抑制しつつ振動させることができ、平坦な音圧周波数特性を実現することができる。
また、治具300を用いることにより、振動板130、ボイスコイル体120、および磁気回路110の位置関係をフレーム140を基準として正確に取り付けることができ、容易、かつ安定してスピーカ装置100を製造することができる。
また、第一係合部111と第二係合部141を係合させた状態でフレーム140に磁気回路110を固定しているため、振動の多い場所などにスピーカ装置100が取り付けられた場合でもスピーカ装置100の性能を長期間維持することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
例えば、スリット116の表面、および信号線123のスリット116の対応部の少なくとも一方に絶縁部を備えてもかまわない。これにより、スピーカ装置100内の短絡を予防することが可能となる。
また、振動板130、ボイスコイル体120、磁気ギャップの形状は、長円形状(トラック形状)、楕円形、角が丸められた矩形などアスペクト比が異なる形状ばかりでなく、円形などアスペクト比が同じ形状でもかまわない。
また、フレーム140とボイスコイル体120との間に架橋状に取り付けられる柔軟性、復元性を備えたダンパーを備えてもかまわない。ダンパーは、駆動時におけるスピーカ装置100のボイスコイル体120の直動を補助し、音響特性を調整する部材である。ダンパーは、スピーカ装置100の駆動時にボイスコイル体120の巻き軸方向(図中Z軸方向)の振動に従って変形し、ボイスコイル体120に電気信号が入力されていないときはボイスコイル体120を中立位置に保持する。
ダンパーは、ボイスコイル体120から延出される信号線123の延出部124に対応する位置に環形状の一部を周方向に分断する切り欠き状の分断部を備えてもかまわない。分断部は、環状のダンパーを周方向において完全に分断する部分であり、ダンパーの一部を完全な環状として残存させる切り欠きとは異なる。ダンパーは、分断部の存在によりZ軸方向から見た平面視においてC字形状となっている。
ダンパーの少なくとも一部は、ボイスコイル体120の振動方向(図中Z軸方向)において、延出部124と同じ位置になるようにボイスコイル体120に取り付けられてもよい。分断部は、ボイスコイル体120の振動方向に直交する径方向(図中Y軸方向)において、延出部124と重なるように配置されている。分断部は、信号線123が通過するように配線される。
このように、環状のダンパーに周方向に分断する分断部を設けることにより、磁気ギャップから突出するボイスコイル体120の巻き軸方向の長さを短くした場合でも信号線123とダンパーや振動板130との干渉を回避することができる。従って、薄型のスピーカ装置100でありながら所望の音響特性を実現することが可能となる。
本開示は、比較的薄型のスピーカ装置に有用である。
100 スピーカ装置
110 磁気回路
111 第一係合部
112 マグネット
113 トッププレート
114 ヨーク
115 サブマグネット
116 スリット
117 ヨークの周壁
118 ヨークの薄肉部
119 ヨークの面取部
120 ボイスコイル体
121 コイル
122 ボビン
123 信号線
124 延出部
125 舌片部
130 振動板
131 エッジ
134 ガスケット
140 フレーム
141 第二係合部
142 配線孔
143 溝部
144 接着剤充填部
145 作業孔
149 取付孔
161 接続部材
162 正入力端子
163 負入力端子
170 外部配線
201 第一仮想面
202 第二仮想面
300 治具
301 第三係合部
302 信号線保持部
303 ボイスコイル体保持部

Claims (5)

  1. フレームと、
    前記フレームに並べて取り付けられる二つの振動板と、
    前記振動板にそれぞれ取り付けられる二つのボイスコイル体と、
    前記ボイスコイル体にそれぞれ対応する二つの磁気回路と、を備え、
    前記磁気回路のそれぞれは、
    磁気ギャップから外側に向かって延在し、前記ボイスコイル体から引き出される信号線が通過するスリットを有するヨークを備え
    前記信号線は、
    前記ボイスコイル体に固定されている延出部から前記ボイスコイル体の外周形状に沿って前記振動板に平行、またはほぼ平行に空間中に配線され、前記スリットを通過し、
    前記ヨークは、
    前記信号線の前記延出部の近傍に肉厚が他の部分より薄い薄肉部を備え
    スピーカ装置。
  2. 前記信号線の前記振動板と平行な部分から前記振動板までの距離は、前記スリットを通過する前記信号線の部分から前記スリットの底面までの距離よりも短い
    請求項に記載のスピーカ装置。
  3. 前記スリットは、前記信号線の配線形状に沿うように角部が面取りされている
    請求項1または2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記スリット、および前記信号線の前記スリットに対応する部分の少なくとも一方に絶縁部を備える
    請求項1からのいずれか一項に記載のスピーカ装置。
  5. フレームと、
    前記フレームに並べて取り付けられる二つの振動板と、
    前記振動板にそれぞれ取り付けられる二つのボイスコイル体と、
    前記ボイスコイル体にそれぞれ対応する二つの磁気回路と、
    ダンパーと、を備え、
    前記磁気回路のそれぞれは、
    磁気ギャップから外側に向かって延在し、前記ボイスコイル体から引き出される信号線が通過するスリットを有するヨークを備え、
    前記ダンパーは環状のダンパーに周方向に分断する分断部を設け、前記分断部は、前記信号線が通過するように配線される
    スピーカ装置。
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