JP2007336145A - スピーカー装置用磁気回路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】品質の向上が図れ、且つ生産効率の良いスピーカー装置用磁気回路の製造方法を提供する。
【解決手段】スピーカー装置用磁気回路の製造方法では、第1の磁性体配置工程、第2の磁性体取付工程及び第3の磁性体取付工程を通じて、第1及び第2の治具を用い、第1の磁性体(プレート)、第2の磁性体(マグネット)及び第3の磁性体(ヨーク)を順次積み上げて製造する方式を採用している。この製造方法によれば、本工程にて使用した第2の治具を取り出した後に、それを前工程に対しても用いることができ、生産効率の良い製造ラインを構成することができる。特に、第2の磁性体取付工程は、マグネットの中心軸とプレートの中心軸とが同軸上に位置するように、第2の治具を通じてマグネットをプレート上に取り付けるようにしているので、プレートの中心軸に対してマグネットの中心軸の正確な位置出しを行うことができ、スピーカー装置用磁気回路の品質の向上を図ることができる。
【選択図】図3
【解決手段】スピーカー装置用磁気回路の製造方法では、第1の磁性体配置工程、第2の磁性体取付工程及び第3の磁性体取付工程を通じて、第1及び第2の治具を用い、第1の磁性体(プレート)、第2の磁性体(マグネット)及び第3の磁性体(ヨーク)を順次積み上げて製造する方式を採用している。この製造方法によれば、本工程にて使用した第2の治具を取り出した後に、それを前工程に対しても用いることができ、生産効率の良い製造ラインを構成することができる。特に、第2の磁性体取付工程は、マグネットの中心軸とプレートの中心軸とが同軸上に位置するように、第2の治具を通じてマグネットをプレート上に取り付けるようにしているので、プレートの中心軸に対してマグネットの中心軸の正確な位置出しを行うことができ、スピーカー装置用磁気回路の品質の向上を図ることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、スピーカー装置用磁気回路の製造方法に関する。
一般的に、スピーカー装置は、ヨーク、マグネット及びプレートを有するスピーカー装置用磁気回路と、振動板及びボイスコイル等の各種の振動系部材と、を備えて構成される。このようなスピーカー装置用磁気回路は、ヨーク上にマグネットが配置されていると共に、マグネット上にプレートが配置された積載構造を有する。
例えば、この種のスピーカー装置用磁気回路として、組付け工数を削減できるスピーカー装置用磁気回路が特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載のスピーカー装置用磁気回路は、主として、有底円筒部を有するヨークと、有底円筒部の内部底面に配置される環状のマグネットと、マグネット上に配置され積層配置される環状のプレートと、を具備しており、有底円筒部の内部底面にマグネット及びプレートの穴が嵌合可能な突部が設けられている。
かかるスピーカー装置用磁気回路の組立て方法は、マグネットを有底円筒部の突部に嵌合させ、接着剤を用いて内部底面に固定し、次にプレートを突部に嵌合させ、マグネット上に積層すると共に、接着剤を用いて固定することにより行われる。この構成によれば、マグネットの穴及びプレートの穴が突部に嵌合することにより、ヨークに対するマグネットとプレートとの位置決めが行われるのでセンターガイド等の治具が不要となり、組み付け工数を削減できるとされている。
また、その他にも、組立が容易なスピーカー装置が特許文献2に記載されていると共に、短時間で精度良く組み立てることが可能なスピーカー装置用磁気回路の製造方法が特許文献3に記載されている。
この特許文献2に記載のスピーカー装置は、主として、フレーム、ヨーク、磁石及びトッププレートの順に積層された構造を有し、フレームには磁気回路部を支持する直立した支持軸が一体的に形成されていると共に、磁気回路部の各部品の中心には貫通穴が形成され、各貫通穴にはフレームの支持軸が挿通され、その支持軸の頭部がかしめられてなる。
かかるスピーカー装置用磁気回路の組立て方法では、フレームとヨークとの間、ヨークと磁石との間、磁石とトッププレートとの間に接着剤を塗布してから、フレームの支持軸をガイドとして、ヨーク、磁石、トッププレートの各々の貫通穴を順に挿通しながら積み重ねる。そして、トッププレートから突出する支持軸の頭部を変形させて、積層した磁気回路部品をかしめることにより行われる。この構成によれば、組立て治具が不要となり、フレームへの磁気回路部の組立てが容易になるとされている。
また、特許文献3に記載のスピーカー装置の製造方法では、下部プレートの底面に設けた凹部に位置決めピンを挿入してガイドし、主接着剤と瞬間硬化型の補助接着剤を併用してマグネット及びギャップゲージにより位置決めされた上部プレートを結合するようにしている。これにより、短時間で精度良くスピーカー装置用磁気回路の組立てを行うことができるとされている。
なお、磁気回路上部プレートの構造と製造工程中のマグネット位置決め手段とに工夫を加えることにより、いかなる内径のマグネットにも対応し得る構造簡単なゲージを使用してマグネットの偏心を防ぎ、外観良好で、性能的にも信頼度の高いスピーカー装置用磁気回路の組立て方法が特許文献4に記載されている。
上記した特許文献1及び2では、スピーカー装置用磁気回路の構成部品等の形状を工夫(変更)して、治具を用いることなくスピーカー装置用磁気回路の組立て時間の短縮化及び容易化を図ることとしている。しかしながら、スピーカー装置用磁気回路の構成部品等の形状を変更してしまうと、その形状に起因してスピーカー装置用磁気回路の品質が低下してしまう虞がある。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、品質の向上が図れ、且つ生産効率の良いスピーカー装置用磁気回路の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、スピーカー装置用磁気回路の製造方法であって、磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部を有する第1の治具内に第1の磁性体を配置する第1の磁性体配置工程と、前記第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、前記第2の治具を前記第1の治具と嵌合させた後に第2の磁性体を前記第1の磁性体上に取り付ける第2の磁性体取付工程と、前記第2の治具を前記第1の治具から取り出して、第3の磁性体を前記第2の磁性体上に取り付ける第3の磁性体取付工程と、を備え、前記第2の磁性体取付工程は、前記第2の磁性体の中心軸と前記第1の磁性体の中心軸とが同軸上に位置するように、前記第2の治具を通じて前記第2の磁性体を前記第1の磁性体上に取り付けることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、プレートを載置する載置部と、前記載置部の外周部から突出して略円環状の形状をなし、磁気ギャップの間隔を所定の間隔に設定する厚さを有する磁気ギャップ形成部と、を含み、前記磁気ギャップ形成部の内径が、前記プレートの外径と略同一の大きさに設定されていると共に、前記磁気ギャップ形成部の外径が、前記円筒部の内径と略同一の大きさに設定されてなる第1の治具と、マグネットの外径と略同一の内径を有する第1の円筒部と、前記第1の円筒部の一端側から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の一端側から前記第1の円筒部の突出方向と同一の方向に突出し、前記第1の治具の外径と略同一の内径を有する第2の円筒部と、を有する第2の治具とを用いて、円板状の形状を有する前記プレート及び前記マグネットと、円板状の形状を有し、前記マグネットが載置されるマグネット載置部と、前記マグネット載置部の外周部から突出する円筒部と、を有するヨークと、を備えるスピーカー装置用磁気回路を製造する前記スピーカー装置用磁気回路の製造方法であって、前記プレートの外周壁と前記磁気ギャップ形成部の内周壁とが接触するように前記プレートを前記載置部上に配置するプレート配置工程と、前記第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、前記磁気ギャップ形成部と前記第1の円筒部の外周壁及び前記第2の円筒部の内周壁とが接触するように、前記第2の治具を前記第1の治具に嵌合させた後に、前記マグネットを前記プレート上に取り付けるマグネット取付工程と、前記第2の治具を前記第1の治具から取り出して、前記円筒部の内周壁と前記磁気ギャップ形成部の外周壁とが接触するように、かつ、前記マグネット載置部と前記マグネットとが接触するように、前記ヨークを前記マグネット上に取り付けるヨーク取付工程と、を備え、前記マグネット取付工程は、前記マグネットの外周壁と前記第1の円筒部の内周壁とを接触させつつ、前記プレートの中心軸と前記マグネットの中心軸とが同軸上に位置するように前記マグネットを前記プレート上に取り付けることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、スピーカー装置用磁気回路の製造方法は、磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部を有する第1の治具内に第1の磁性体を配置する第1の磁性体配置工程と、前記第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、前記第2の治具を前記第1の治具と嵌合させた後に第2の磁性体を前記第1の磁性体上に取り付ける第2の磁性体取付工程と、前記第2の治具を前記第1の治具から取り出して、第3の磁性体を前記第2の磁性体上に取り付ける第3の磁性体取付工程と、を備え、前記第2の磁性体取付工程は、前記第2の磁性体の中心軸と前記第1の磁性体の中心軸とが同軸上に位置するように、前記第2の治具を通じて前記第2の磁性体を前記第1の磁性体上に取り付ける。
上記のスピーカー装置用磁気回路の製造方法は、まず、第1の磁性体配置工程は、磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部を有する第1の治具内に第1の磁性体(例えば、プレート)を配置する。次に、第2の磁性体取付工程は、第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、第2の治具を第1の治具と嵌合させた後に第2の磁性体(例えば、マグネット)を第1の磁性体上に取り付ける。次に、第3の磁性体取付工程は、第2の治具を第1の治具から取り出して、第3の磁性体(例えば、ヨーク)を第2の磁性体上に取り付ける。
このように、このスピーカー装置用磁気回路の製造方法では、その構成要素である、第1の磁性体、第2の磁性体及び第3の磁性体を順次積み上げて製造する方式を採用している。よって、後述する比較例2のような不具合が生じるようなことはない。即ち、製造過程において、スピーカー装置用磁気回路の構成要素同士の取付状態を取り違えるのを防止できる。
また、この製造方式を採用すれば、第3の磁性体取付工程において、第1の治具から取り出した第2の治具を、本工程の前工程にて製造されたスピーカー装置用磁気回路に係る仕掛品に対して用いることが可能になると同時に、その第2の治具が取り出された直後の本工程のスピーカー装置用磁気回路に係る仕掛品は、次工程である第3の磁性体を第2の磁性体上に取り付ける工程へと円滑に移行させることが可能となる。よって、特に、スピーカー装置用磁気回路の量産化が必要な製造ラインの場合には、第2の治具を複数用意する必要がなくなるため、生産効率の良い製造ラインとすることができる。よって、安価なスピーカー装置用磁気回路を得ることができる。
特に、このスピーカー装置用磁気回路の製造方法では、第2の磁性体取付工程は、第2の磁性体の中心軸と第1の磁性体の中心軸とが同軸上に位置するように、第2の治具を通じて第2の磁性体を第1の磁性体上に取り付けるようにしているので、後述する比較例1のような不具合が生じるようなことはない。即ち、この製造方法によれば、第1の磁性体の中心軸に対して第2の磁性体の中心軸の正確な位置出しを行うことができ、スピーカー装置用磁気回路の特性上の不良が生じるのを防止できる。よって、スピーカー装置用磁気回路の品質の向上を図ることができる。
本発明の他の実施形態では、プレートを載置する載置部と、前記載置部の外周部から突出して略円環状の形状をなし、磁気ギャップの間隔を所定の間隔に設定する厚さを有する磁気ギャップ形成部と、を含み、前記磁気ギャップ形成部の内径が、前記プレートの外径と略同一の大きさに設定されていると共に、前記磁気ギャップ形成部の外径が、前記円筒部の内径と略同一の大きさに設定されてなる第1の治具と、マグネットの外径と略同一の内径を有する第1の円筒部と、前記第1の円筒部の一端側から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の一端側から前記第1の円筒部の突出方向と同一の方向に突出し、前記第1の治具の外径と略同一の内径を有する第2の円筒部と、を有する第2の治具とを用いて、円板状の形状を有する前記プレート及び前記マグネットと、円板状の形状を有し、前記マグネットが載置されるマグネット載置部と、前記マグネット載置部の外周部から突出する円筒部と、を有するヨークと、を備えるスピーカー装置用磁気回路を製造する前記スピーカー装置用磁気回路の製造方法であって、前記プレートの外周壁と前記磁気ギャップ形成部の内周壁とが接触するように前記プレートを前記載置部上に配置するプレート配置工程と、前記第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、前記磁気ギャップ形成部と前記第1の円筒部の外周壁及び前記第2の円筒部の内周壁とが接触するように、前記第2の治具を前記第1の治具に嵌合させた後に、前記マグネットを前記プレート上に取り付けるマグネット取付工程と、前記第2の治具を前記第1の治具から取り出して、前記円筒部の内周壁と前記磁気ギャップ形成部の外周壁とが接触するように、かつ、前記マグネット載置部と前記マグネットとが接触するように、前記ヨークを前記マグネット上に取り付けるヨーク取付工程と、を備え、前記マグネット取付工程は、前記マグネットの外周壁と前記第1の円筒部の内周壁とを接触させつつ、前記プレートの中心軸と前記マグネットの中心軸とが同軸上に位置するように前記マグネットを前記プレート上に取り付ける。
上記のスピーカー装置用磁気回路の製造方法では、まず、プレート配置工程は、プレートの外周壁と磁気ギャップ形成部の内周壁とが接触するようにプレートを載置部上に配置する。次に、マグネット取付工程は、第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、磁気ギャップ形成部と第1の円筒部の外周壁及び第2の円筒部の内周壁とが接触するように、第2の治具を第1の治具に嵌合させた後に、マグネットをプレート上に取り付ける。次に、ヨーク取付工程は、第2の治具を第1の治具から取り出して、円筒部の内周壁と磁気ギャップ形成部の外周壁とが接触するように、かつ、マグネット載置部とマグネットとが接触するように、ヨークをマグネット上に取り付ける。
このように、このスピーカー装置用磁気回路の製造方法では、その構成要素である、プレート、マグネット及びヨークを順次積み上げて製造する方式を採用している。よって、後述する比較例2のような不具合が生じるようなことはない。即ち、製造過程において、スピーカー装置用磁気回路の構成要素同士の取付状態を取り違えるのを防止できる。
また、この製造方式を採用すれば、ヨーク取付工程において、第1の治具から取り出した第2の治具を、本工程の前工程にて製造されたスピーカー装置用磁気回路に係る仕掛品に対して用いることが可能になると同時に、その第2の治具が取り出された直後の本工程のスピーカー装置用磁気回路に係る仕掛品は、次工程であるヨークをマグネット上に取り付ける工程へと円滑に移行させることが可能となる。よって、特に、スピーカー装置用磁気回路の量産化が必要な製造ラインの場合には、第2の治具を複数用意する必要がなくなるため、生産効率の良い製造ラインとすることができる。よって、安価なスピーカー装置用磁気回路を得ることができる。
特に、このスピーカー装置用磁気回路の製造方法では、マグネット取付工程は、第2の治具を第1の治具から取り出して、ヨークの円筒部の内周壁と磁気ギャップ形成部の外周壁とが接触するように、かつ、マグネット載置部とマグネットとが接触するように、ヨークをマグネット上に取り付けるようにしているので、後述する比較例1のような不具合が生じるようなことはない。即ち、この製造方法によれば、プレートの中心軸に対してマグネットの中心軸の正確な位置出しを行うことができ、スピーカー装置用磁気回路において、特性上の不良が生じるのを防止できる。よって、スピーカー装置用磁気回路の品質の向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[スピーカー装置の構成]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施例に係る製造方法により製造されたスピーカー装置用磁気回路を有するスピーカー装置の構成について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施例に係る製造方法により製造されたスピーカー装置用磁気回路を有するスピーカー装置の構成について説明する。
図1は、スピーカー装置100を、その中心軸L1を通る平面で切断したときの断面図を示す。
スピーカー装置100は、図1に示すように、ヨーク1、マグネット2及びプレート3を有するスピーカー装置用磁気回路30と、フレーム4、ボイスコイルボビン5、ボイスコイル6、振動板7及びエッジ8を有する振動系部材31と、を有して構成される。なお、本発明では、スピーカー装置の構造及び駆動方式並びにその構成要素の形状などに限定はない。
まず、スピーカー装置用磁気回路30の構成について説明する。
スピーカー装置用磁気回路30は、内磁型の磁気回路として構成されている。
ヨーク1は、底面を有する有底円筒状の形状を有し、略円板状の形状をなし、マグネット2が載置されるマグネット載置部1aと、マグネット載置部1aの外周部から上方へ突出する円筒部1bと、を備える。マグネット2は、円板状の形状を有し、接着剤10を介してマグネット載置部1a上に取り付けられている。そして、マグネット2の中心を通る中心軸と、ヨーク1の中心を通る中心軸とは同軸(中心軸L1)上に位置している。プレート3は、円板状の形状を有し、接着剤10を介してマグネット2上に取り付けられている。そして、プレート3の中心軸と、マグネット2及びヨーク1の中心軸とは同軸(中心軸L1)上に位置している。
以上の構成を有するスピーカー装置用磁気回路30では、プレート3の外周壁と、ヨーク1の円筒部1bの内周壁との間に、一定の間隙d1を有する磁気ギャップ32が形成されている。
次に、振動系部材31の構成について説明する。
フレーム4は、様々なスピーカー装置100の構成要素を支持する機能を有する。フレーム4は、椀状及び階段状の断面形状を有し、その下端側に設けられ、スピーカー装置用磁気回路30を載置する載置部4aと、その上端側に設けられ、エッジ8を支持するエッジ支持部4bと、を有する。スピーカー装置用磁気回路30は載置部4aに載置された状態でフレーム4内に収容されている。
ボイスコイルボビン5は、円筒状の形状を有し、プレート3の側面及びマグネット2の側面の一部等を覆う位置に配置されている。
ボイスコイル6は、ボイスコイルボビン5の外周壁に巻かれており、その少なくとも一部は磁気ギャップ32内に配置されている。ボイスコイル6は、1つの配線からなり、図示しないプラス及びマイナスのリード線を夫々有している。プラス側のリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナス側のリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。プラス及びマイナスの各リード線は、図示しない端子に電気的に接続されている一方、その端子は、図示しないアンプ側の出力配線にも電気的に接続されている。これにより、ボイスコイル6には、端子、プラス及びマイナスの各リード線を介してアンプ側から1チャンネル分の信号や電力が入力される。
振動板7は、ドーム状の形状を有し、音波を放射する役割を担う。振動板7の一端側は、ボイスコイルボビン5の外周壁の上端部付近に取り付けられ、当該振動板7は、ボイスコイルボビン5と共に振動する。
エッジ8は、環状の平面形状及びΩ状の断面形状を有し、その内周縁部はボイスコイルボビン5の外周壁の上端部に取り付けられていると共に、その外周部はフレーム4のエッジ支持部4b上に取り付けられている。
以上の構成を有するスピーカー装置100において、アンプ側から出力された信号及び電力は、端子並びにボイスコイル6のプラス及びマイナスのリード線を介して当該ボイスコイル6へ供給される。これにより、磁気ギャップ32内でボイスコイル6に駆動力が発生し、振動板7をスピーカー装置100の中心軸L1方向に振動させる。こうして、スピーカー装置100は、矢印Y1の方向に音波を放射する。
[スピーカー装置用磁気回路の製造方法]
次に、図2及び図3を参照して、上記した本発明の実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法について説明する。
次に、図2及び図3を参照して、上記した本発明の実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法について説明する。
図2は、本スピーカー装置用磁気回路30の製造方法のフローチャートを示す。図3は、本スピーカー装置用磁気回路30の製造工程を示す。
本実施例では、2つの治具を用いてスピーカー装置用磁気回路30を製造する。
ここで、具体的な本実施例の製造方法を説明するのに先立ち、まず、図3(a)を参照して、第1の治具70の構成について述べると共に、図3(b)を参照して、第2の治具71の構成について述べる。
第1の治具70は、図3(a)に示すように、円柱状の形状を有し、プレート3を載置する載置面70abを有する載置部70aと、載置部70aの外周部から突出して略円環状の形状をなし、磁気ギャップ32の間隔を所定の間隔に設定する磁気ギャップ形成部70bと、を有して構成される。磁気ギャップ形成部70bの内径は、プレート3の外径d2と略同一の大きさに設定されている一方、磁気ギャップ形成部70bの外径は、ヨーク1の円筒部1bの内径と略同一の大きさに設定されている(図3(d)も参照)。
一方、第2の治具71は、マグネット2の外径d3と略同一の内径を有する第1の円筒部71aと、第1の円筒部71aの一端側から外側へ延在するフランジ部71bと、フランジ部71bの一端側から第1の円筒部71aの突出方向と同一の方向に突出し、第1の治具70の外径と略同一の内径を有する第2の円筒部71cと、を有する。第1の円筒部71aと第2の円筒部71cとは一定の間隔d1をおいて対向している。第2の治具71は、後述する工程S3において第1の治具70と組み合わせて用いられるが、このときの第1の治具70と第2の治具71の嵌合状態は次の通りである。即ち、第2の治具71は、図3(b)に示すように、第1の治具70の磁気ギャップ形成部70bと、第1の円筒部71aの外周壁及び第2の円筒部71cの内周壁とが接触した状態で、第1の治具70と嵌合した状態で用いられる。
本製造方法では、まず、上記した第1の治具70内に円板状の形状を有するプレート(第1の磁性体、以下同様)3を配置する(工程S1)。具体的には、図3(a)に示すように、円板状のプレート3を第1の治具70の載置面70ab上に配置する。次に、図3(a)に示すように、プレート3上に接着剤10を塗布する(工程S2)。
次に、図3(b)に示すように、上記した嵌合状態となるように、第2の治具71を第1の治具70に嵌合させる(工程S3)。なお、本実施例では、工程S2と工程S3との順序を変えても構わない。
次に、図3(b)に示すように、第2の治具71を通じてマグネット(第2の磁性体、以下同様)2を接着剤10を介してプレート3上に配置する(工程S4)。これにより、プレート3の中心軸に対するマグネット2の中心軸の正確な位置出しを行うことができる。即ち、プレート3の中心軸とマグネット2の中心軸とを同軸上に位置させることができる。
次に、その状態を暫く放置して、プレート3とマグネット2とを結合する接着剤10を乾燥させ、続いて、図3(c)に示すように、第1の治具70から第2の治具71を取り出す(工程S4)。次に、図3(c)に示すように、マグネット2上に接着剤10を塗布する(工程S5)。なお、本実施例では、工程S5と工程S6との順序を変えても構わない。
次に、図3(d)に示すように、ヨーク(第3の磁性体、以下同様)1を、接着剤10を介してマグネット2上に配置する(工程S7)。具体的には、ヨーク1の円筒部1bの内周壁と第1の治具70の外周壁とが接触するように、当該ヨーク1を接着剤10を介してマグネット2上に配置する。これにより、ヨーク1の円筒部1bとプレート3の間には一定の間隔d1を有する磁気ギャップ形成部70bが位置することになり、その両者の間には一定の間隔d1を有する空隙、即ち磁気ギャップ32が形成される。
次に、その状態を暫く放置して、ヨーク1とマグネット2とを結合する接着剤10を乾燥させ、続いて、図3(d)において、スピーカー装置用磁気回路30を、第1の治具70から取り出すことにより(工程S8)、本実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30が製造される。
以上に述べた本実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法は、比較例1及び比較例2に係るスピーカー装置用磁気回路の製造方法と比較して、有利な作用効果を奏する。
まず、図4を参照して、比較例1に係るスピーカー装置用磁気回路の製造方法及びその課題について説明する。
なお、比較例1に係る製造方法により製造されたスピーカー装置用磁気回路30xの構成は、本実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の構成と同様である。このため、以下では、上記した本実施例のスピーカー装置用磁気回路30と同一の要素については同一の符号を付して説明する。また、以下では、上記した本実施例のスピーカー装置用磁気回路30の製造工程と同一の工程についての説明は簡略化又は省略する。
図4は、比較例1に係るスピーカー装置用磁気回路30xの製造工程を示す。
まず、図4(a)に示すように、上記した第1の治具70内に円板状の形状を有するプレート3を配置し(工程P1)、次いで、プレート3上に接着剤10を塗布する(工程P2)。次に、プレート3の中心軸とマグネット2の中心軸とが同軸上に位置するように、マグネット2を接着剤10を介してプレート3上に配置する(工程P3)。次に、その状態を暫く放置して、プレート3とマグネット2とを結合する接着剤10を乾燥させ、次いで、図4(c)に示すように、マグネット2上に接着剤10を塗布する(工程P4)。次に、図4(d)に示すように、上記した要領にて、ヨーク1を、接着剤10を介してマグネット2上に配置する(工程P5)。これにより、ヨーク1の円筒部1bとプレート3の間には、磁気ギャップ形成部70bを介して一定の間隔d1を有する磁気ギャップ32が形成される。次に、その状態を暫く放置して、ヨーク1とマグネット2とを結合する接着剤10を乾燥させ、続いて、図4(d)において、スピーカー装置用磁気回路30xを、第1の治具70から取り出すことにより(工程P6)、比較例1に係るスピーカー装置用磁気回路30xが製造される。
以上に述べた比較例1に係るスピーカー装置用磁気回路30xの製造方法では、プレート3、マグネット2及びヨーク1を順次積み上げて製造するので生産効率が良い反面、次のような課題を有する。
即ち、工程P3では、本実施例のような位置決め用治具を用いることなくプレート3の中心軸とマグネット2の中心軸とが同軸上に位置するように、マグネット2を接着剤10を介してプレート3上に配置するようにしているので、その位置決めをするのに相当の時間を要してしまうという課題があった。また、その状態から、マグネット2とプレート3とを結合している接着剤10を乾燥させるまでの間に、図4(b)に示すように、当該接着剤10がプレート3上を、例えば、矢印Y20方向に流動するなどして、プレート3の中心軸とマグネット2の中心軸とがずれてしまうという課題があった。しかも、このとき、マグネット2とプレート3を結合する接着剤10の一部がはみ出してしまうこともあった。こうした状態で、スピーカー装置用磁気回路30xが製造されると、スピーカー装置用磁気回路30xには、特性上の不良(例えば、スピーカー装置用磁気回路30xの構成要素の相対的な位置関係が崩れることにより引き起こされる不良)が発生したり、或いは工程S3においてはみ出した接着剤10の一部に起因して他の特性上の不良が発生したりするという課題があった。
次に、図5を参照して、比較例2に係るスピーカー装置用磁気回路30yの製造方法及びその課題について説明する。
なお、比較例2に係る製造方法により製造されたスピーカー装置用磁気回路30yの構成は、本実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の構成と同様である。このため、以下では、上記した本実施例のスピーカー装置用磁気回路30と同一の要素については同一の符号を付して説明する。また、以下では、上記した本実施例のスピーカー装置用磁気回路30の製造工程と同一の工程についての説明は簡略化又は省略する。
図5は、比較例2に係るスピーカー装置用磁気回路30yの製造工程を示す。
比較例2の製造方法では、本実施例と同様に2つの治具を用いることにより、スピーカー装置用磁気回路30yを製造する。ここで、比較例2の製造方法を説明するのに先立ち、まず、図5(a)を参照して、比較例2に係る第1の治具72の構成について述べる。
第1の治具72は、図5(a)に示すように、円柱状の形状を有し、プレート3を載置する載置面72abを有する載置部72aと、載置部72aの外周部から突出して略円環状の形状をなし、マグネット2の位置決めを行う第1の円環部72bと、第1の円環部72bから突出して略円環状の形状をなし、プレート3の位置決めを行う第2の円環部72cと、を有して構成される。第1の円環部72bの内径d3は、マグネット2の外径と略同一の大きさに設定されていると共に、第2の円環部72cの内径d2は、プレート3の外径と略同一の大きさに設定されている。第1の治具72の外径は、ヨーク1の内径d4と略同一の大きさに設定されている。以上の構成を有する第1の治具72は、特に、プレート3の中心軸に対してマグネット2の中心軸の正確な位置出しを行う機能を有する。
比較例2に係る製造方法では、まず、図5(a)に示すように、第1の治具72内に円板状の形状を有するプレート3を配置する(工程Q1)。具体的には、マグネット2の外周壁の一部と、第1の環状部72bの内周壁とが接触するように、当該マグネット2を載置面72ab上に載置する。これにより、第1の治具72に対するマグネット2の位置決めを行うことができる。次に、図5(a)に示すように、マグネット2上に接着剤10を塗布する(工程Q2)。次に、図5(b)に示すように、プレート3の外周壁と、第2の環状部72cの内周壁とが接触するように、当該プレート3を、接着剤10を介してマグネット2上に配置する(工程Q3)。これにより、プレート3の中心軸とマグネット2の中心軸とを同軸上に位置させることができる。
次に、その状態を暫く放置して、プレート3とマグネット2とを結合する接着剤10を乾燥させ、次いで、図5(b)において、プレート3とマグネット2の結合体を第1の治具72から取り出し、さらに、上記した第1の治具70と同様の構成を有する第2の治具70xを用意すると共に、その取り出した結合体を第2の治具70x内に配置する(工程Q4)。このとき、図5(c)に示すように、プレート3及びマグネット2の結合体の相対的な位置関係が上記の工程Q1〜工程Q3の場合と逆の位置関係となるように、言い換えれば、第2の治具70xの載置面70abとプレート3とが接触するようにして、当該結合体を当該載置面70ab上に載置する。次に、図5(c)に示すように、マグネット2上に接着剤10を塗布し(工程Q5)、次いで、図5(d)に示すように、ヨーク1を、接着剤10を介してマグネット2上に配置する(工程Q6)。これにより、ヨーク1の円筒部1bとプレート3の間には、磁気ギャップ形成部70bを介して一定の間隔d1を有する磁気ギャップ32が形成される。次に、その状態を暫く放置して、ヨーク1とマグネット2とを結合する接着剤10を乾燥させ、続いて、図5(d)において、スピーカー装置用磁気回路30yを、第2の治具70xから取り出すことにより(工程Q7)、比較例2に係るスピーカー装置用磁気回路30yが製造される。
以上に述べた比較例2に係るスピーカー装置用磁気回路30yの製造方法は、スピーカー装置用磁気回路の構成要素を順次積み上げて製造する方式ではなく、製造過程の途中で2種類の治具の入替え作業を要し、それに伴って、マグネット2及びプレート3の結合体の表裏を逆にする工程Q4を設ける必要があり、生産効率の極めて悪い製造方法であった。また、その治具の入替え作業の際に、結合体の表裏の位置関係を間違えて、当該結合体を第2の治具70y内に配置してしまうというミスが生じ易かった。即ち、本来は、第2の治具70yの載置面70abとプレート3とが接触するように当該結合体を載置面70ab上に配置する必要があるところ、作業上のミスにより、第2の治具70yの載置面70abとマグネット2とが接触するように当該結合体を載置面70ab上に配置してしまうことがあった。そうすると、後の製造工程において、プレート3上にヨーク1が取り付けられてしまうなどして不良品が生じてしまうという課題があった。
この点、本実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法は、上記したように次のような工程を有するので、上記した比較例1及び2のような課題を解決することができる。
即ち、本実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法は、磁気ギャップ32を形成する構造を有する第1の治具70内の載置部70bの載置面70ab上にプレート(第1の磁性体)3を配置する第1の磁性体配置工程(工程S1に対応)と、第1の治具70と嵌合する第2の治具71を用意し、上記した嵌合状態で第2の治具71を第1の治具70と嵌合させた後に、マグネット(第2の磁性体)2をプレート3上に接着剤10を介して取り付ける第2の磁性体取付工程(工程S2〜工程S4に対応)と、第2の治具71を第1の治具70から取り出して、ヨーク(第3の磁性体)1を接着剤10を介してマグネット2上に取り付ける第3の磁性体取付工程(工程S5〜工程S7に対応)と、を備え、第2の磁性体取付工程は、マグネット2の中心軸とプレート3の中心軸とが同軸上に位置するように、第2の治具71を通じてマグネット2をプレート3上に取り付けることを特徴とする。
このスピーカー装置用磁気回路30の製造方法では、まず、第1の磁性体配置工程は、磁気ギャップ32を形成する構造を有する第1の治具70内の載置部70bの載置面70ab上にプレート(第1の磁性体)3を配置する。次に、第2の磁性体取付工程は、第1の治具70と嵌合する第2の治具71を用意し、上記した嵌合状態で第2の治具71を第1の治具70と嵌合させた後に、マグネット(第2の磁性体)2をプレート3上に接着剤10を介して取り付ける。次に、第3の磁性体取付工程は、第2の治具71を第1の治具70から取り出して、ヨーク(第3の磁性体)1を接着剤10を介してマグネット2上に取り付ける。
このように、このスピーカー装置用磁気回路30の製造方法では、その構成要素である、プレート3、マグネット2及びヨーク1を順次積み上げて製造する方式を採用している。よって、上記した比較例2のような不具合が生じるようなことはない。即ち、製造過程において、スピーカー装置用磁気回路30の構成要素同士の取付状態を取り違えるのを防止できる。
また、この製造方式を採用すれば、第3の磁性体取付工程において、第1の治具70から取り出した第2の治具71を、直ぐに、上記した工程S1〜工程S2を経て製造される他のスピーカー装置用磁気回路に係る仕掛品に対して順次使い回しをすることが可能、即ち、本工程の前工程に係る工程S3にて製造された当該仕掛品に対して用いることが可能になると同時に、その第2の治具71が取り出された直後の本工程のスピーカー装置用磁気回路に係る仕掛品は、次工程であるヨーク1をマグネット2上に取り付ける工程へと円滑に移行させることが可能となる。よって、特に、スピーカー装置用磁気回路の量産化が必要な製造ラインの場合には、第2の治具71を複数用意する必要がなくなるため、生産効率の良い製造ラインとすることができる。よって、安価なスピーカー装置用磁気回路30を得ることができる。
特に、このスピーカー装置用磁気回路30の製造方法では、第2の磁性体取付工程は、マグネット2の中心軸とプレート3の中心軸とが同軸上に位置するように、第2の治具71を通じてマグネット2をプレート3上に取り付けるようにしているので、上記した比較例1のような不具合が生じるようなことはない。即ち、この製造方法によれば、プレート3の中心軸に対してマグネット2の中心軸の正確な位置出しを行うことができ、スピーカー装置用磁気回路30において、特性上の不良及びマグネット2とプレート3を結合する接着剤10のはみ出しによる不良が生じるのを防止できる。よって、スピーカー装置用磁気回路30の品質の向上を図ることができる。
また、このスピーカー装置用磁気回路30の製造方法では、第3の磁性体取付工程は、第2の治具71を第1の治具70から取り出した後に、ヨーク1の円筒部1bの内周壁と磁気ギャップ形成部70bの外周壁とが接触するように、かつ、マグネット載置部1aとマグネット2とが接触するように、ヨーク1をマグネット2上に取り付けるようにしている。よって、マグネット2及びプレート3の結合体の中心軸と、ヨーク1の中心軸とを同軸上に位置させることが可能となり、マグネット2の中心軸がプレート3及びヨーク1の各中心軸に揃えられてなるスピーカー装置用磁気回路30を得ることができる。
[変形例]
次に、図6を参照して、変形例に係るスピーカー装置用磁気回路30を有するスピーカー装置200の構成、及び、変形例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法について簡単に述べる。
次に、図6を参照して、変形例に係るスピーカー装置用磁気回路30を有するスピーカー装置200の構成、及び、変形例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法について簡単に述べる。
図6(a)は、変形例に係るスピーカー装置200を、その中心軸L1を通る平面で切断したときの断面図を示す。図6(b)は、上記した工程S7に対応するスピーカー装置用磁気回路30yに係る工程図である。
上記した実施例に係るスピーカー装置100と変形例に係るスピーカー装置200とを比較した場合、その両者はフレームの形状及びヨーク1に対するフレームの取付状態のみが異なり、それ以外の構成については同様である。即ち、変形例では、略環状の形状を有するフレーム4xが、インサート成形方法によりヨーク1に取り付けられてなる。このため、エッジ8の外周縁部は、フレーム4の上面4axに取り付けられている。なお、変形例において、その他の構成は、上記した実施例と同様であるため、その説明は省略する。
このような構成を有する変形例に係るスピーカー装置用磁気回路30を製造する場合、上記した実施例の工程S7では、ヨーク1の円筒部1bの内周壁と磁気ギャップ形成部70bの外周壁とが接触するように、インサート成形方法によりフレーム4が取り付けられてなるヨーク1を、接着剤10を介してマグネット2上に配置する。なお、変形例に係る製造方法において、その他の製造工程は、上記した実施例と同様であるため、その説明は省く。よって、スピーカー装置用磁気回路30を製造した後にフレーム4を取り付けるような製造方法と比較して、製造工程の削減を図ることができるという利点を有する。
なお、本発明では、スピーカー装置用磁気回路30の各構成要素の形状は上記した実施例に限定されず、その形状は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形をすることが可能である。例えば、上記の実施例では、スピーカー装置用磁気回路30は、いわゆる丸型タイプの磁気回路を構成、具体的には、スピーカー装置用磁気回路30の各構成要素は円形状の平面形状を有していたが、本発明では、これに代えて、スピーカー装置用磁気回路は、いわゆる長円型タイプの磁気回路を構成、具体的には、スピーカー装置用磁気回路の各構成要素は長円状の平面形状を有して構成されていても構わない。かかるスピーカー装置用磁気回路を製造する場合には、第1の治具70及び第2の治具71も、上記した構成を基本としつつ長円状の平面形状を有するように構成する必要がある。なお、この場合のスピーカー装置用磁気回路の製造方法は、上記した実施例に係るスピーカー装置用磁気回路30の製造方法と同様である。
1 ヨーク(第3の磁性体)
1a マグネット載置部
1b 円筒部
2 マグネット(第2の磁性体)
3 プレート(第1の磁性体)
10 接着剤
30 スピーカー装置用磁気回路
32 磁気ギャップ
70 第1の治具
70a 載置部
70b 磁気ギャップ形成部
71 第2の治具
71a 第1の円筒部
71b フランジ部
71c 第2の円筒部
100、200 スピーカー装置
1a マグネット載置部
1b 円筒部
2 マグネット(第2の磁性体)
3 プレート(第1の磁性体)
10 接着剤
30 スピーカー装置用磁気回路
32 磁気ギャップ
70 第1の治具
70a 載置部
70b 磁気ギャップ形成部
71 第2の治具
71a 第1の円筒部
71b フランジ部
71c 第2の円筒部
100、200 スピーカー装置
Claims (2)
- 磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部を有する第1の治具内に第1の磁性体を配置する第1の磁性体配置工程と、
前記第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、前記第2の治具を前記第1の治具と嵌合させた後に第2の磁性体を前記第1の磁性体上に取り付ける第2の磁性体取付工程と、
前記第2の治具を前記第1の治具から取り出して、第3の磁性体を前記第2の磁性体上に取り付ける第3の磁性体取付工程と、を備え、
前記第2の磁性体取付工程は、前記第2の磁性体の中心軸と前記第1の磁性体の中心軸とが同軸上に位置するように、前記第2の治具を通じて前記第2の磁性体を前記第1の磁性体上に取り付けることを特徴とするスピーカー装置用磁気回路の製造方法。 - プレートを載置する載置部と、前記載置部の外周部から突出して略円環状の形状をなし、磁気ギャップの間隔を所定の間隔に設定する厚さを有する磁気ギャップ形成部と、を含み、前記磁気ギャップ形成部の内径が、前記プレートの外径と略同一の大きさに設定されていると共に、前記磁気ギャップ形成部の外径が、前記円筒部の内径と略同一の大きさに設定されてなる第1の治具と、
マグネットの外径と略同一の内径を有する第1の円筒部と、前記第1の円筒部の一端側から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の一端側から前記第1の円筒部の突出方向と同一の方向に突出し、前記第1の治具の外径と略同一の内径を有する第2の円筒部と、を有する第2の治具とを用いて、
円板状の形状を有する前記プレート及び前記マグネットと、円板状の形状を有し、前記マグネットが載置されるマグネット載置部と、前記マグネット載置部の外周部から突出する円筒部と、を有するヨークと、を備えるスピーカー装置用磁気回路を製造する前記スピーカー装置用磁気回路の製造方法であって、
前記プレートの外周壁と前記磁気ギャップ形成部の内周壁とが接触するように前記プレートを前記載置部上に配置するプレート配置工程と、
前記第1の治具と嵌合する第2の治具を用意し、前記磁気ギャップ形成部と前記第1の円筒部の外周壁及び前記第2の円筒部の内周壁とが接触するように、前記第2の治具を前記第1の治具に嵌合させた後に、前記マグネットを前記プレート上に取り付けるマグネット取付工程と、
前記第2の治具を前記第1の治具から取り出して、前記円筒部の内周壁と前記磁気ギャップ形成部の外周壁とが接触するように、かつ、前記マグネット載置部と前記マグネットとが接触するように、前記ヨークを前記マグネット上に取り付けるヨーク取付工程と、を備え、
前記マグネット取付工程は、前記マグネットの外周壁と前記第1の円筒部の内周壁とを接触させつつ、前記プレートの中心軸と前記マグネットの中心軸とが同軸上に位置するように前記マグネットを前記プレート上に取り付けることを特徴とするスピーカー装置用磁気回路の製造方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010050145A1 (ja) | 2008-10-27 | 2010-05-06 | パナソニック株式会社 | スピーカ、スピーカの製造方法、及びスピーカ製造の治具 |
JP2014238413A (ja) * | 2008-03-18 | 2014-12-18 | ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド | 磁気回路加速度計における振動整流エラーを最小限に抑える方法及びシステム |
CN107708059A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-02-16 | 东莞市纳声电子设备科技有限公司 | 一种中心磁路与边磁磁路一体式组装设备 |
-
2006
- 2006-06-14 JP JP2006164499A patent/JP2007336145A/ja active Pending
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