JP3066383U - 薄型スピ―カ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動膜の弾力性が大きく、ダンパを省いて厚
みを小さくし、また部材が簡単でコストが小さく、音量
および音質を向上させる薄型スピーカを提供する。 【解決手段】 この薄型スピーカは、ケース１、振動膜
２、ヨーク３、コイル４、磁石５、ワッシャ６および前
極板７とを備え、振動膜２の表面層の環形面２２が従来
とは逆に外向きに突出している。この従来とは逆方向の
構造によって、振動膜２の弾力性を大幅に向上し、ダン
パの設置を省き、スペースのむだをなくしてスピーカの
厚みを減少し、さらに部材の簡略化とコストの低減とを
図り、音量を向上して音質をよくする効果を得る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、薄型スピーカに関し、特に極めて優れた弾力性を有し、ダンパを省 いた薄型スピーカに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図１に示すような従来のスピーカは、ケース１０、振動膜、ヨーク３０、コイ ル４０、磁石５０、ワッシャ６０、前極板７０およびダンパ８０を備える。振動 膜の表面層の環形面２０１は概ね内側へ凹んだ形状を呈し、繰り返し伸縮して振 動し音声を発する効果がある。ダンパ８０は振動膜と接合され、振動膜が外側へ 伸張した場合、ダンパ８０が振動膜を引き止め繰り返し振動させるので、ダンパ ８０はなくてはならない重要な部材である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述のダンパは表面に環状のしわがあり、円周壁がケース１０ の内側に貼付けられ中心部が振動膜と接合することにより、振動の大きさに応じ て振動膜を引き戻す力を提供するので、そのダンパの組立は極めて面倒かつ不便 である。そのため、スピーカの製造コストを引き下げることは難しく、スピーカ はダンパを取付けることによって大きなスペースを取るのでスペースのむだが生 じ、また音量が弱く、清らかできれいな音質を出すことができない。

【０００４】 したがって、本考案の目的は、振動膜の弾力性が大変大きく、ダンパを省き、 スペースのむだをなくして厚みを小さくし、また部材が簡単でコストが小さく、 音量および音質を向上させる薄型スピーカを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の課題を解決するための本考案の薄型スピーカは、ケース、振動膜、ヨー ク、コイル、磁石、ワッシャおよび前極板とを備え、振動膜の表面層の環形面が 従来とは逆に外向きに突出している。この従来とは逆方向の構造によって、振動 膜の弾力性を大幅に向上し、ダンパの設置を省き、スペースのむだをなくしてス ピーカの厚みを減少し、さらに部材の簡略化とコストの低減とを図り、音量を増 大させ音質を向上させる効果を得る。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図２から図４に示すように、本考案の一実施例による薄型スピーカは、ケース １と、振動膜２と、ヨーク３と、コイル４と、磁石５と、ワッシャ６と、ケース １の予め選定された個所に固定される前極板７とを備える。 ケース１は、絶縁材から作られた環形の殻体で、中心に環孔１１を有し、環状 壁の一側には２つの切欠き１２が形成され、その切欠き１２が形成された個所に 対応する底部に前極板７が設けられており、ケースの環状面には前極板７を取り 巻くように多くの孔１３が形成されている。

【０００７】 振動膜２は、環状縁に凸環部２１を有し、その凸環部２１の大きさはちょうど ケース１に貼付くことができる大きさであり、振動膜２とケース１との間にはヨ ーク３、磁石５、ワッシャ６およびコイル４が設けられている。振動膜２の表面 層の環形面２２は外向きに突出し、振動膜２の中心孔２３は中心膜２４と緊密に 接合しており、振動膜２の表面層の環形面２２は従来のものとちょうど逆方向の 構造となっている。これによって、振動膜２の弾力性を大幅に向上することがで き、かつダンパの設置が免れ、部材の数と組立の手順とを減少することができる 。

【０００８】 ヨーク３は、円形の蓋状であって、ケース１の環孔１１に取付けられ、内側に は磁石５、ワッシャ６およびコイル４が順番に取付けられている。 コイル４は、巻紙４１に電線を巻付けて形成し、磁石５およびワッシャ６の外 側に取付けられ、巻紙４１はヨーク３と中心膜２４との間で当止し、２本の電線 ４２、４３はそれぞれケース１の２つの切欠き１２を経て前極板７に溶接されて いる。

【０００９】 上述の部材によって形成される薄型スピーカは、振動膜２の表面層の環形面２ ２が外向きに突出しているので、その振動膜２の弾力性は大幅に向上する。した がってダンパの設置を省くことができ、部材の簡略化およびコストの低減を図る ことができる。 従来とは逆方向に突出した振動膜２を有する本実施例を実際に試験した結果、 本実施例の薄型スピーカには音量を高め、音質をよくする顕著な効果があること が分かった。図５に示すように、３００Ｈｚから２０ｋＨｚの間でかなり安定し たｄＢ値を得るので、本実施例の薄型スピーカは間違いなくより大きく平坦な周 波数幅を有し、具体的な成果の増進は極めて明らかであり、製作および組立が簡 易であってコストを低減することができる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案の薄型スピーカは、ケース、振動膜、ヨーク、コイル、磁石、ワッシャ および前極板を備え、振動膜表面層の環形面が従来とは逆に外向きに突出してお り、この従来とは逆方向の構造によって振動膜の弾力性は大幅に向上するので、 ダンパの設置を省くことができ、スペースのむだが免れスピーカの厚さを減少す ることができ、部材の簡略化および製造コストの低減を図り、さらに音量を高め 音質をよくする効果を獲得する。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のスピーカを示す断面図である。

【図２】本考案の実施例による薄型スピーカを示す断面
図である。

【図３】本考案の実施例による薄型スピーカを示す分解
斜視図である。

【図４】本考案の実施例による薄型スピーカを示す斜視
図である。

【図５】本考案の実施例による薄型スピーカの周波数応
答曲線図である。

【符号の説明】

１ ケース ２ 振動膜 ３ ヨーク ４ コイル ５ 磁石 ６ ワッシャ ７ 前極板 １１ 環孔 １２ 切欠き １３ 孔 ２１ 凸環部 ２２ 環形面 ２３ 中心孔 ２４ 中心膜 ４２、４３ 電線

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケースと、振動膜と、ヨークと、コイル
   と、磁石と、ワッシャと、前極板とを備え、 前記ケースは、絶縁材から作られる環形の殻体であっ
   て、中心に形成される環孔と、環状壁の一側に形成され
   る切欠きと、環状面に形成される複数の孔とを有し、底
   面の前記切欠きに対向する位置に前記前極板が固定さ
   れ、前記複数の孔は前記前極板を取り巻くように形成さ
   れ、 前記振動膜は、環状縁に設けられ前記ケースに貼付くこ
   とが可能な大きさを有する凸環部と、外向きに突出して
   いる表面層の環形面と、中心孔と、その中心孔を緊密に
   覆っている中心膜とを有し、前記ケースとの間に前記ヨ
   ーク、磁石、ワッシャおよびコイルが順番に取付けら
   れ、 前記ヨークは、円形の蓋状であって前記環孔にはめ込ま
   れ、内側に前記磁石、ワッシャおよびコイルが順番に取
   付けられ、 前記コイルは、前記磁石およびワッシャの外側に取付け
   られ、前記切欠きを経て前記前極板に溶接される電線を
   有することを特徴とする薄型スピーカ。
2. 【請求項２】 前記コイルは、前記電線が巻付けられ前
   記ヨークと前記中心膜との間に係止される巻紙を有する
   ことを特徴とする請求項１記載の薄型スピーカ。