JP2007173047A - 二次電池用バインダー - Google Patents

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Abstract

【解決手段】芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物において、該組成物中芳香族ビニル化合物を5〜70重量%含み、組成物のMFRが0.1〜1000g/10分(ASTM D 1238)である組成物を有機溶媒に溶解および/または分散させた二次電池用バインダーである。また、それからなる二次電池用電極であり、二次電池である。
【効果】本発明により、金属集電体、正極活物質、および負極活物質に対して十分な密着性を有し、二次電池の高率放電特性やサイクル特性を向上させることができる二次電池用バインダーを得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物を有機溶媒に溶解および/または分散させた二次電池用バインダーに関する。
近年、電子機器の小型軽量化、多機能化、コードレス化の要求に伴い、充電により繰り返し使用が可能な二次電池、例えば、水素吸蔵合金を用いて得られるアルカリ二次電池(Ni−MH電池)、リチウム化合物を用いた非水電解液二次電池(リチウムイオン電池)等が広く使用されている。Ni−MH電池およびリチウムイオン電池は、正負極用の各活物質をバインダーによって、各集電体に結着させ各電極を作成している。使用されるバインダーは、リチウムイオン電池で例をあげると、正極のバインダーとしてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN−メチル−2ピロリドン(NMP)に溶解させた溶液あるいはポリテトラフロロエチレン(PTFE)の水分散液が用いられている。負極のバインダーとしては、スチレン-ブタジエンラバー(SBR)水分散液(特許文献1)が用いられている。PVDFやPTFEのフッ素系樹脂は、活物質や金属集電体に対する接着力が低い。そのため、バインダーとして多量に添加する必要があり、活物質の表面を覆い、電池特性を低下させる問題がある。また、フッ素系樹脂は、活物質や金属集電体に対する接着力が低いので、二次電池の充放電を繰り返すと、活物質が金属集電体から脱落し、電池容量を減少させる問題がある。一方、SBRは主鎖に二重結合を有するため、二次電池の充放電を繰り返すと二重結合部が酸化劣化し、活物質が金属集電体から脱落し、電池容量を減少させる問題がある。
一方、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物が集電体と活物質を含む合剤層との間の導電層として二次電池に使用されている(特許文献2)。また、水添されたアクリロニトリルブタジエンゴムのカルボキシル基変性物をバインダーに使用している(特許文献3)。しかし、これら従来技術は、依然として活性物質との密着性及び二次電池の高率放電特性やサイクル特性が不十分であった。
特許3101775号公報 特許2579154号公報 特開平11−111268号公報
本発明は、金属集電体、正極活物質、および負極活物質に対して十分な密着性を有し、二次電池の高率放電特性やサイクル特性を向上させることができる二次電池用バインダーを提供することである。
本発明者らは、上記従来技術の課題等について鋭意検討した結果、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物を有機溶媒に溶解および/または分散させた液が上記課題の二次電池用バインダーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物において、該組成物中、芳香族ビニル化合物を5〜70重量%含み、組成物のMFRが0.1〜1000g/10分(ASTM D 1238)である組成物を有機溶媒に溶解および/または分散させた二次電池用バインダーである。また、それからなる二次電池用電極であり、二次電池である。
本発明により、金属集電体、正極活物質、および負極活物質に対して十分な密着性を有し、二次電池の高率放電特性やサイクル特性を向上させることができる二次電池用バインダーを得ることができる。
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物について説明する。
まず、酸変性前の芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物について説明する。
芳香族ビニル化合物の具体例としては、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、pービニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらの中でもスチレン、α−メチルスチレンなどの非置換芳香族ビニル化合物が好ましい。芳香族ビニル化合物は、単独、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
共役ジエンの具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられるが、とりわけ、ブタジエンおよびイソプレンが特に好ましい。これらの共役ジエンは、ランダムまたはブロック共重合体の中に1種類でも2種類以上が含まれていてもよい。
ブロック共重合体のブロック構成としては、芳香族ビニル化合物−共役ジエンのジブロック共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン−芳香族ビニル化合物のトリブロック共重合体、またはそれ以上のブロック数を有するブロック共重合体が挙げられる。
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物における芳香族ビニル化合物含量は、バインダーとしての柔軟性の点で5〜70質量%であり、好ましくは8〜50質量%である。また、この芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物のMFR(ASTM D 1238、230℃)は、溶媒への溶解性の点で0.1〜1000g/10分であり、好ましくは1〜500g/10分である。
芳香族ビニル化合物−共役ジエンのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の製造方法は、例えば、特開昭45−20504号公報、特公昭48−3555号公報などに記載されている方法によって製造するができる。市販品として、具体的には、芳香族ビニル化合物がスチレンで共役ジエンがブタジエンのブロック共重合体の水素添加物である、クレイトンG−1652、1657(いずれもシェル化学(株)製)、タフテックH1141(旭化成(株)製)などを、芳香族ビニル化合物がスチレンで共役ジエンがイソプレンのブロック共重合体の水素添加物である、セプトン2002、2007(いずれもクラレ(株)製)などを挙げることができる。芳香族ビニル化合物がスチレンで共役ジエンがブタジエンのランダム共重合体の水素添加物である、ダイナロン1320P、1321P(いずれもJSR(株)製)などを挙げることができる。芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の水素添加率は、電池充放電サイクル時の電気化学的安定性から、高い方が好ましく、90%以上である。
次に、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物について説明する。
酸変性する方法について特に限定はしないが、不飽和カルボン酸、その無水物をグラフト共重合させる方法が好ましい。不飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが、その無水物としては無水ナジック酸TM (無水エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが例示できる。これらの単量体は単独で用いることもできるし、また複数で用いることもできる。これらの中で、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
グラフト共重合させる方法は、種々の方法を挙げることができる。例えば、該水素添加物を有機溶媒に溶解し、前記不飽和カルボン酸およびラジカル重合開始剤を添加して加熱、撹拌してグラフト共重合反応させる方法、該水素添加物を加熱溶融して、得られる溶融物に不飽和カルボン酸およびラジカル重合開始剤を添加し、撹拌してグラフト共重合反応させる方法、該水素添加物、不飽和カルボン酸およびラジカル開始剤を予め混合し、得られる混合物を押出機に供給して加熱混練しながらグラフト共重合反応させる方法、粉末状の該水素添加物に、不飽和カルボン酸およびラジカル重合開始剤を有機溶媒に溶解してなる溶液を含浸させた後、粉末状の該水素添加物が溶解しない最高の温度まで加熱し、グラフト共重合反応させる方法などを挙げることができる。また、該水素添加物の不飽和結合が残存している場合は、ラジカル重合開始剤は必ずしも必要ではなく、ラジカル重合開始剤の非存在下で、前記のグラフト共重合反応を行うことができる。
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物におけるの酸変性組成物の含有量は、二次電池用バインダーして活物質や金属集電体に対する接着力を得るため、0.05〜12重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物は市販品として、芳香族ビニル化合物がスチレンで共役ジエンがブタジエンのブロック共重合体の酸変性である、タフテックM1911、1913、1943(旭化成(株)製)を挙げることができる。
本発明で用いられる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、エタノール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤などを挙げることができる。これらは、1種単独でも2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、現行の電池製造設備が使用できる点でアミド系溶剤が好ましく、中でもN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。本発明の二次電池用バインダーは、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物を上記有機溶媒に溶解および/または分散させてものである。本発明の樹脂溶解および/または分散液中の樹脂成分量は、本組成物の作業性の点で、溶解および/または分散液の総量に対して1〜50重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
本発明の二次電池用電極は本発明のバインダーと正極では正極活物質、負極では負極活物質からなるものであるが、カーボンブラック、アモルファスウィスカーカーボン、グラファイトなどの炭素材料を導電助剤として添加することもある。
負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な酸化スズ、酸化ニオブ、酸化バナジウム、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な酸化チタン、またはリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能なシリコン、リチウムイオンをドープ・脱ドープする事が可能な遷移金属窒素化物のいずれを用いることができる。これらの中でもリチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料は、グラファイトであっても非晶質炭素であってもよく、活性炭、炭素繊維、カーボンブラック、メソカーボンマイクロビーズ、天然黒鉛などが用いられる。
正極活物質としては、MoS2、TiS2、MnO2、V25などの遷移金属酸化物または遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiNiO2、LiNiXCo(1-X)2などのリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール/ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料等が挙げられる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。負極がリチウム金属またはリチウム合金である場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。また、正極として、リチウムと遷移金属の複合酸化物と炭素材料との混合物を用いることもできる。
本発明の二次電池は前述の正極及び負極をセパレーター中心に重ねたものを、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状に形成し非水電解液を封入することにより作製されるものである。正極と負極を電気的に絶縁するために用いられるセパレーターは、リチウムイオンを透過する膜であって、例えば多孔性膜や高分子電解質が用いられる。多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされていても良い。
非水系電解液としては、例えばLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、CF3SO3Li、(CF3SO22N・Li等の電解質を、単独でまたは2種以上組み合わせて有機溶媒に溶解したものを使用することができる。非水系電解液における有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフラン等が挙げられ、いずれかが単独でまたは2種以上を混合して使用される。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<樹脂の作成>
[実施例1]
芳香族ビニル化合物がスチレンで共役ジエンがブタジエンのランダム共重合体の水素添加物(水素添加率95%以上)であるJSR(株)製ダイナロン1312Pメルトフローレート(ASTM D 1238)10g/10分、スチレン含有量10wt%を10kg、ラジカル重合開始剤である日本油脂(株)製パーヘキシン25Bを0.01kgと無水マレイン酸0.1kgをヘンシェルミキサーにて混合した。混合物を日本プラコン(株)製のスクリュー径30mmの二軸押出機を使用して、バレル最高温度240℃、スクリュー回転数500rpmで反応させた。得られた樹脂のメルトフローレートは(ASTM D 1238)9g/10分、無水マレイン酸の付加量は0.8重量%だった。
<分散液の作成>
[実施例2]
撹拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を装備した1.0リットルのガラス製オートクレーブ内に、窒素雰囲気下、実施例1で作成した樹脂15g及び有機溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称する。)285g(関東化学(株)製、脱水グレード)を仕込み、回転速度500min-1で撹拌しながら170度に加熱して均一に溶解させた。
170〜50℃までを撹拌速度500min−1で撹拌しながら、10℃/hで降温した。その後30度まで降温し、不揮発分5重量%の溶解液を得た。
[実施例3]
実施例2において樹脂を芳香族ビニル化合物と共役ジエンとブロック共重合体の水素添加物(水素添加率95%以上)の酸変性組成物であるタフテック1943(旭化成(株)製)メルトフローレート(ASTM D 1238)8g/10分、スチレン含有量20wt%、酸価10に変え同様の操作を行い、不揮発分5重量%の溶解液を得た。
<負極の作製>
[実施例4]
天然黒鉛((株)中越黒鉛工業所製 LF18A)98重量部に実施例2で作成した溶解液40gを添加しさらに粘度調整用NMPを混合し、負極合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥し、圧縮成型して、厚さ70μmの負極を作製した。
[実施例5]
実施例4において溶解液を実施例3で作成した溶液に変える以外同様の操作を行い、厚さ70μmの負極を作製した。
[比較例1]
天然黒鉛((株)中越黒鉛工業所製 LF18A)98重量部に不揮発分8重量%のPVDFのNMP溶解液(呉羽化学工業(株)製KFポリマー#1120)25gを添加しさらに粘度調整用NMPを混合し、負極合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥し、圧縮成型して、厚さ70μmの負極を作製した。
[比較例2]
天然黒鉛((株)中越黒鉛工業所製 LF18A)97重量部に不揮発分48重量%のSBRの水分散液(日本エイアンドエル(株)製SR143)4.17gを添加し、予め不揮発成分1wt%に調整した増粘剤カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製1380)水溶液100gを添加混合し負極合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥し、圧縮成型して、厚さ70μmの負極を作製した。
<正極の作製>
[実施例6]
LiCoO2(本荘FMCエナジーシステムズ(株)製 HLC−22)87重量部、黒鉛8重量部、アセチレンブラック3重量部及び実施例2で作成した溶解液40gを添加しさらに粘度調整用NMPを混合し、LiCoO2合剤スラリーを調製した。このLiCoO2合剤スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布し、乾燥し、圧縮成型して、厚さ70μmの正極を作製した。
[実施例7]
実施例6において溶解液を実施例3で作成した溶液に変える以外同様の操作を行い、厚さ70μmの正極を作製した。
[比較例3]
LiCoO2(本荘FMCエナジーシステムズ(株)製 HLC−22)87重量部、黒鉛8重量部、アセチレンブラック3重量部及び不揮発分8重量%のPVDFのNMP溶解液(呉羽化学工業(株)製KFポリマー#1120)25gを添加しさらに粘度調整用NMPを混合し、LiCoO2合剤スラリーを調製した。このLiCoO2合剤スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布し、乾燥し、圧縮成型して、厚さ70μmの正極を作製した。
<密着性評価>
実施例4、5、6、7比較例1、2、3で作成した電極を幅2.5cm×長さ10cmに切り、電極表面にセロハンテープを貼り付け、電極を固定し、JISK6854−2に準じ、テープを50mm/分の速度で180°方向に剥離したときの強度(N/cm)を10回測定し、その平均値より密着性を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2007173047
<非水電解液の調製>
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)を、EC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合したものを用い、次に電解質であるLiPF6を溶解し電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように非水電解液を調製した。
<コイン型電池の作製>
コイン型電池用負極として上述の負極を、直径14mmの円盤状に打ち抜いて、重量20mg/14mmφのコイン状の負極を得た。
コイン型電池用正極として上述の正極を、直径13.5mmの円盤状にうちぬき、重量42mg/13.5mmφのコイン状の正極を得た。
上述のコイン状の負極、正極、および厚さ25μm、直径16mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできたセパレータを、ステンレス製の2032サイズ電池缶の負極缶内に、負極、セパレータ、正極の順序で積層した。その後、セパレータに前記非水電解液0.04mlを注入した後に、その積層体の上にアルミニウム製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)、およびバネを重ねた。最後に、ポリプロピレン製のガスケットを介して電池の正極缶をかぶせて、缶蓋をかしめることにより、電池内の気密性を保持し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を作製した。
<電池サイクル特性の評価>
上述の様に作製したコイン電池を使用し、この電池を0.5mA定電流、4.2V定電圧の条件で、4.2V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで充電し、その後、1mA定電流3.0V定電圧の条件で、3.0V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで放電した。このサイクルを200回繰り返し、初期の電池容量に対する200サイクル後の容量%を評価した。各電極を使用した電池の評価結果を表2に示す。
Figure 2007173047

Claims (6)

  1. 芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダムまたはブロック共重合体の水素添加物の酸変性組成物において、該組成物中、芳香族ビニル化合物を5〜70重量%含み、組成物のMFRが0.1〜1000g/10分(ASTM D 1238)である組成物を有機溶媒に溶解および/または分散させた二次電池用バインダー。
  2. 有機溶媒が含窒素系溶剤である請求項1に記載の二次電池用バインダー。
  3. 有機溶媒がN−メチル−2−ピロリドンである請求項2に記載の二次電池用バインダー。
  4. 請求項1に記載のバインダーを使用した二次電池用電極。
  5. 請求項1に記載のバインダーを使用した二次電池用正電極。
  6. 請求項4または5のいずれかに記載の電極を使用した二次電池。
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