JP2007171749A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナー像が担持された記録媒体を、無張架状態の定着ベルトと加圧部材との圧接部に送り込み、加熱及び加圧して定着する定着装置において、定着ベルトの加熱の効率を向上させるとともにニップ部から排出される記録媒体の剥離性を向上させる。
【解決手段】 定着ベルト21の内周面に押圧され、定着ベルトを介して加圧ロール22と圧接される押圧支持体23を備え、この押圧支持体は、定着ベルトと加圧ロールとが圧接されるニップ部と対応する位置に、定着ベルトに摺擦される平面部23aを有する。定着ベルトの周回方向における平面部の上流側には、この平面部と連続する第1の曲面部23bが、平面部の下流側には第2の曲面部23cが設けられ、定着ベルトがこれらと接触して周回移動するように周回軌道を設定する。第2の曲面部は、定着ベルトを真円としたときの曲率よりも大きな曲率で、第1の曲面部の曲率よりも大きくなっている。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、粉状のトナーの付着よって形成されたトナー像を加熱及び加圧して記録媒体上に定着する定着装置、及び静電電位の差による潜像にトナーを選択的に付着させてトナー像を形成し、これを記録媒体上に転写した後、上記定着装置によって定着画像とする画像形成装置に関する。
粉状のトナーを用いる画像形成装置では、像担持体上に形成された静電電位の差による潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する。このトナー像を記録媒体上に静電的に直接転写した後、あるいは中間転写体に一次転写してから記録媒体に二次転写した後、加熱部材と加圧部材との間に記録媒体を挟み込み、トナー像を加熱及び加圧して記録媒体上に定着する。
このようにトナー像を記録媒体上に定着する装置として、円筒状芯金の内部にハロゲンランプ等の発熱体を有する定着ロールと、この定着ロールに押圧される加圧ロールとで構成されるものが広く知られている。この定着装置では、定着ロールと加圧ロールとが互いに圧接されるニップ部に未定着トナー像を担持した記録媒体が送り込まれ、回転駆動される定着ロールと加圧ロールとの間を通過するときにトナー像が加熱及び加圧される。
このような定着装置では、定着ロールが加圧ロールとの圧接力に対して十分な剛性を有するものとなっており、定着ロールにある程度の部材厚を有する芯金が用いられる。このため、装置の起動時に発熱体に電力を投入した後、又は待機状態から復帰する時に、発熱体の輻射熱又は接触部から伝導する熱が定着ロールの芯金や各層に伝達され、定着ロールの表面が所定の温度に加熱されるのに時間を要する。
また、装置の小型化のために定着ロール及び加圧ロールの径を小さくすると、ニップ部が短くなり、トナー像を十分に加熱するのが難しくなったり、ニップ部内における記録媒体の搬送経路を自由な形状に設定するのが難しくなり、ニップ部に挿通される記録媒体にしわやカールを生じさせることがある。
上記のような事情から、定着ロールに代えて無端状のベルトを定着部材として用いる定着装置が提案されている。定着ベルトには複数の支持ロールによって張架されたタイプと、内部に押圧支持体を有し、無張架の状態で加圧ロールと圧接され回転駆動されるタイプとがある。定着ベルトは薄肉の耐熱性樹脂等を基層としており、ロール状部材に比べ熱容量が小さいため、短時間でウォーミングアップを行なうことができる。さらに、定着ベルトを用いることによってニップ部の形状を自由に形成することもできる。
定着ベルトを無張架の状態で回転駆動する定着装置としては、例えば、特許文献1に開示されるものがある。この定着装置(加熱装置)は、図5に示すように、周回移動が可能に支持された定着ベルト101(加熱部材)と、定着ベルト101の内側に設けられた発熱体102(輻射発熱源)と、定着ベルト101の内面に当接され、周回移動する定着ベルトが摺擦される押圧支持体103(保持部材)と、押圧支持体103(保持部材)との間に定着ベルト101を挟んでニップ部を形成する加圧部材104とを有している。
そして、押圧支持体103(保持部材)の定着ベルト101との摺擦面103aがほぼ平坦に形成されており、この部分に定着ベルトを介して加圧ロール104が押圧されて定着ニップ部となっている。これにより、発熱体102により加熱された押圧支持体103(保持部材)と加圧ロール104との間で定着ベルト101と定着ベルト101に密接するように介挿された記録媒体Pとを確実に加圧し、定着ニップ部内で効率的に加熱しようとするものである。
特開2004−62053号公報
しかしながら、上記のような無張架状態の定着ベルトを用いる定着装置では、次のような改良が望まれる課題がある。
ほぼ平面を形成しているニップ部では、加熱源102からの輻射熱により加熱された押圧支持体103を介して定着ベルト101及びトナー像を担持した記録媒体Pを効率よく加熱するが、平面部103aから連続して立ち上げられた二つの側面部103bは、定着ベルト101と離間しているので押圧支持体103から定着ベルト101への熱伝導がなされない。また、側面部103bは、加熱源102からの輻射熱を遮るので、定着ベルト101はニップ部の上流側と下流側とでほとんど加熱されないこととなる。これにより、加熱の効率が低下し、装置起動時のウォーミングアップにも時間がかかる。
また、定着ベルト101を周回駆動すると、ニップ部の出口側(ニップ部下流側)では、定着ベルト101をニップ部の平面に沿った方向に押し出す力が働く。これにより、定着ベルト101はニップ部の下流側で曲率が小さくなり、記録媒体Pに沿った方向に送り出され、記録媒体Pが定着ベルト101から離隔されずに排出される。このように記録媒体が定着ベルト101に接触したまま排出されると、定着されたトナー像が必要以上に加熱され画質欠陥が生じやすくなったり、記録媒体の定着ベルトからの剥離性能を低下させる。
本願発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、無張架状態の定着ベルトと加圧部材とを押圧してニップ部を形成する定着装置において、ニップ部に挿通される記録媒体の剥離性能を向上させるとともに、押圧支持体(保持部材)から定着ベルトに効率よく熱を伝達することができる定着装置及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 周方向に周回が可能に支持された無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの外周面に押圧され、回転駆動されることによって前記定着ベルトを周回駆動する加圧部材と、 前記定着ベルトの内周面に当接され、該定着ベルトを前記加圧部材との間に挟み込む押圧支持体と、 前記定着ベルトの周回軌道を規制するベルトガイドと、 前記定着ベルトの内側に配置され、該定着ベルトを加熱する熱源と、を有し、 前記押圧支持体は、 前記定着ベルトが前記加圧部材に圧接されるニップ部と対応する位置に、前記定着ベルトに摺擦される平面部を有し、 前記定着ベルトの周回方向における該平面部の上流側には、該平面部と連続する第1の曲面部が、該平面部の下流側には該平面部と連続する第2の曲面部が、それぞれ設けられ、 前記第1の曲面部と第2の曲面部との周方向の曲率及び前記定着ベルトの周回軌道は、該定着ベルトが前記第1の曲面部、前記平面部及び前記第2の曲面部と接触して周回移動するように設定されている定着装置を提供する。
この定着装置では、定着ベルトが、押圧支持体の第1の曲面部、平面部及び第2の曲面部に接触し、離隔されることなく周回移動するので、押圧支持体の広い範囲から定着ベルトへの熱伝導が生じ、定着ベルトが効率よく加熱される。これにより、未定着トナー像を担持した記録媒体が定着ベルトと加圧部材との間に挿通されたときに、効率よくトナー像を加熱して良好な定着をおこなうことができる。また、装置の起動時には、押圧支持体から定着ベルトへの熱伝導を効率よく行い、ウオーミングアップに要する時間を短縮することができる。
また、定着ベルトはニップ部の下流側で第2の曲面部に沿って周回移動することにより、定着ベルトの曲率が押圧支持体の第2の曲面部の曲率に拘束される。そして、第2の曲面部の曲率を定着ベルトを真円形状としたときの曲率よりも大きな曲率とすることより、ニップ部を通過した記録媒体が定着ベルトから速やかに剥離され、トナー像の過剰な加熱及び剥離不良による紙詰まりを防止することができる。
また、第2の曲面部の周方向の曲率は、第1の曲面部の曲率よりも大きく形成することが望ましい。これにより、ニップ部の下流側で定着ベルトを大きな曲率で曲げ回すとともに、ニップの上流側へ円滑に周回させることが可能となる。
さらに、定着ベルトの周回軌道を規制するベルトガイドは、定着ベルトがニップ部の周方向の中心における押圧支持体の平面部に対する垂線よりも記録媒体の搬送方向の上流側へ下流側より大きく張り出すように配置されるのが好ましい。これにより、押圧支持体の第1の曲面部が小さな曲率で、第2の曲面部が大きな曲率となるように形成されていても、定着ベルトがこれらに沿って周回移動するように規制することができる。したがって、熱源からの輻射熱で加熱された押圧支持体の熱を効率よく定着ベルトに伝導させることができるとともに、ニップ部から排出された記録媒体の剥離性能を向上させることができる。
また、本発明に係る画像形成装置では、定着ベルトが押圧支持体の第1の曲面部、平面部及び第2の曲面部に接触して周回移動するので、熱源により加熱された押圧支持体の熱を効率よく定着ベルトに伝導させることができ、良好な定着性能を得ることができる。また、ニップ部から排出された記録媒体を的確に剥離して、紙詰まり等のトラブルを防止することができる。
以上説明したように、本願発明に係る定着装置又は画像形成装置では、定着ベルトをニップ部の上流側及び下流側で押圧支持体に接触させて周回移動させるので、効率よく定着ベルトを加熱することができ、トナー像の確実な定着及び装置起動時のウォーミングアップ時間の短縮を図ることができる。また、ニップ部の出口側で、定着ベルトを押圧支持体に設けられた大きな曲率の曲面に沿って周回させることができ、ニップ部から排出された記録媒体を速やかに剥離し、過剰加熱による画像欠陥や剥離不良による紙詰まりを防止することができる。
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本願に係る発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、一様帯電後に像光を照射することにより表面に潜像が形成される円筒状の感光体ドラム1(像担持体)を備えており、この感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電装置2と、感光体ドラム1に像光を照射して表面に潜像を形成する露光装置3と、感光体ドラム1上の静電潜像をトナーの選択的な付着によって可視化する現像装置4と、感光体ドラム1との間に転写バイアス電圧が印加され、形成される電界によって感光体ドラム上のトナー像を記録媒体に転写する転写ローラ5と、トナー像を転写した後の感光体ドラム1上に残留するトナーを除去するクリーニング装置6とを備えている。
また、トナー像が転写される記録媒体を収容する給紙トレイ7と、この給紙トレイ7から一枚ずつ送り出された記録媒体を感光体ドラム1と転写ローラ5とが対向する転写部5aに搬送する搬送路8と、搬送される記録媒体を所定のタイミングで転写部5aに送り込むレジストローラ9と、記録媒体に転写されたトナー像を定着ベルト21と加圧ロール22とが圧接される定着ニップ部10aに挟持して加熱・圧着する定着装置10と、記録媒体を排紙トレイ12へ送り出す排紙ロール11と、が設けられている。
上記感光体ドラム1は、金属製ドラムの表面にSe、a-Si、a-SiC、Cds等の各種無機感光材料、有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層を形成したものを用いることができる。
上記帯電装置2は、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属のロールに高抵抗材料のコーティングを施したものであり、感光体ドラム1に当接され、従動回転するようになっている。そして、所定の電圧が印加されることにより、該ロールと感光体ドラム1との接触部近傍における微小間隙内で継続的な放電を生じ、感光体ドラム1の表面をほぼ一様に帯電するものである。
上記露光装置3は、画像信号に基づいて画素毎に点滅するレーザーを出力するものであり、ポリゴンミラーによって感光体ドラム1の周面を露光走査するものである。これにより感光体ドラム1の周面上で露光部の電位が減衰し、静電電位の差による潜像が形成される。
上記現像装置4は、感光体ドラム1と近接・対向する位置に現像ローラ4aを有し、この現像ローラ4aと感光体ドラム1との間に現像バイアス電圧が印加されるものである。そして、現像ローラ4aの周面上にトナーを担持して感光体ドラム1との対向部に搬送し、感光体ドラム1との間に形成された電界内で周面上に担持するトナーを潜像に転移して可視像を形成するものである。
上記転写ローラ5は、金属シャフトの外周部に厚さが数ミリメートル程度の半導電性ゴム層を形成したものであり、感光体ドラム1の周面に当接され、従動回転するものとなっている。この転写ローラ5と感光体ドラム1との間に送り込まれた記録媒体は、感光体ドラム1上のトナー像に当接され、転写ローラ5と感光体ドラム1との間に形成された電界の作用によって、電荷を有するトナーが記録媒体上に転移する。
上記定着装置10は、図2に示すように、無端状の周面を有する定着ベルト21と、この定着ベルト21の外周面に当接され、回転駆動される加圧ロール22(加圧部材)と、定着ベルト21の内周面に当接され、定着ベルト21を加圧ロール22との間に挟み込むとともに定着ベルト21を支持する押圧支持体23と、定着ベルト21の内周面に当接され、定着ベルト21の周回軌道を規制するベルトガイド25と、定着ベルト21の内側に配置され定着ベルト21を加熱するハロゲンランプ24と、を備えている。
上記定着ベルト21は、図3に示すように、耐熱性の高いシート状部材からなる基層21bと、その無端状となった外周面上に積層された離型層21aとで構成されている。
基層21bは、厚さが80μmのシート状の部材であり、ポリイミド樹脂にカーボンブラックを混ぜ合わせ黒色に着色することにより熱吸収性を向上させた材料で形成されている。なお、この基層21bの厚さは、40μm〜80μmの範囲とすることができ、上記ポリイミド樹脂の他、フッ素樹脂等の耐熱性を有する材料を用いることができる。
離型層21aは、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体)で形成されており、厚さが30μmとなっている。この離型層21aには、上記PFAの他にポリイミド樹脂やフッ素樹脂等の離型性及び耐久性の良好な材料が用いられ、厚さは1〜30μm程度とすることができる。
また、基層が離型層を兼ねる単層構造とすることもできる。
熱源としてのハロゲンランプ24は、円筒状のガラス製ランプ管にフィラメントが配置されており500W〜1000Wの出力が可能となっている。そして、押圧支持体23及び定着ベルト21を輻射熱により加熱するものであり、定着ベルト21の軸中心位置からニップ部10a側に約7mm近接して配置され、押圧支持体23を介してニップ部10aを効率よく迅速に加熱するようになっている。
また、ガラス製ランプ管の表面にセラミックスを被覆して、加熱する温度や領域を調整してもよい。例えば、定着ベルト21を直接加熱する箇所にはセラミックスを被覆し、押圧支持体23を介して定着ベルト21を加熱する領域にはセラミックスを被覆しないようにしてもよい。さらに、被覆するセラミックスの層厚を変化させて輻射される熱量を調整することもできる。
前記押圧支持体23は、鉄又はアルミなどの耐久性、耐熱性の高い材料からなり、図4に示すように、定着ベルト21を加圧ロール22との間で押圧する領域、つまりニップ部10aを形成する領域に、定着ベルトとの摺擦面が平坦となった平面部23aを有している。そして、第1の曲面部23bが、定着ベルト21が摺擦されて移動する方向の上流側に平面部23aに連続して湾曲するように形成されている。また、第2の曲面部23cは、定着ベルト21の移動方向の下流側に平面部23aと連続して形成されており、定着ベルト21の内周面に沿って大きな曲率を有する形状となっている。
上記第2の曲面部23cは、平面部23aと連続する位置付近が大きな曲率となるように形成され、この曲率は第1の曲面部より大きく、定着ベルトを真円としたときの曲率よりも大きくなっている。なお、第1の曲面部の曲率は、定着ベルトを真円とした時の曲率より小さく設定されている。
また、上記平面部23aとこの平面部23aから連続して形成された第1の曲面部23b及び第2の曲面部23cとを有する押圧支持体23は、その内側がハロゲンランプ24のニップ部側を囲むように配置され、ハロゲンランプ24からの輻射熱が効率よく伝達される形状となっている。なお、押圧支持体23は、定着ベルト21の幅方向における両端部で支持され、ニップ部10aで加圧ロール22からの押圧力が作用する。このため、押圧支持体23の軸線方向(定着ベルトの幅方向)に過度の変形が生じない十分な剛性を有するように、部材厚及び第1の曲面部23b、第2の曲面部23cの形状が設定されている。
上記押圧支持体23の平面部23aの内側表面(ハロゲンランプ24と対向する表面)には、黒色の被覆層23dを形成する等の熱吸収処理が施され、ハロゲンランプ24からの輻射熱を吸収し易くなっている。
上記ベルトガイド25は、図2に示すように、定着ベルト21の内周面に当接され、定着ベルト21の周回軌道を規制するものである。このベルトガイド25は、記録媒体Pの搬送方向におけるニップ部より上流側に設けられ、定着ベルト21の周回軌道が上流側に大きく張り出すように規制する。これにより、定着ベルト21は第1の曲面部23b及び第2の曲面部23cに接触して摺擦されるものとなっている。
このベルトガイド25は、定着ベルト21の側縁の両側から幅方向の中心に向かって張り出すように設けられており、定着ベルト21の側縁部で内周面に摺擦されるものとなっている。したがって、定着ベルト21の記録媒体Pと圧接される領域つまり幅方向の中央部に接触するものではなく、ハロゲンランプ24からの輻射熱を遮らないようにして定着ベルト21の加熱効率を良好に維持するものとなっている。
なお、本実施の形態では、ベルトガイド25は、定着ベルト21の周方向における一定の領域に当接するものとなっているが、定着ベルト21が押圧支持体23の第1の曲面部23b及び第2の曲面部23cと常に接触して周回移動できるように周回軌道を規制することができるものであれば、摺擦される位置や領域は適宜に設定することができる。特に、ニップ部の出口側に作用する押し出し力により定着ベルト21と第2の曲面部23cとが離間することなく周回移動するようにベルトガイド25を配置することが重要となる。
上記加圧ロール22は、図2に示すように、金属製の円筒状部材である芯金22aと、この芯金22aに積層されたウレタンフォームからなる弾性層22bと、最表層である表面離型層22cとを備えている。そして、定着ベルト21を介して押圧支持体23と対向する位置に支持され、両端部がバネ(図示せず)によって定着ベルト21側に付勢されている。この加圧ロール22の弾性層22bは定着ベルト21に押圧されることによって押圧支持体23の平面部23aの形状に倣って変形し、ニップ部10aの形状はほぼ平面状となる。この状態で加圧ロール22は、モータ(図示しない)によって回転駆動され、ニップ部10aにおける定着ベルト21との間の摩擦力によって定着ベルト21を周回駆動するものとなっている。
なお、加圧部材としては上記のような加圧ロールを用いるのが望ましいが、この他に無端状のベルトとこれを張架する複数のロールを用いることもできる。
上記のような画像形成装置は、次のように動作する。
感光体ドラム1は、帯電装置2によってほぼ一様な負極性に帯電され、露光装置3は画像データに基づき、帯電された感光体ドラム1の周面に像光を照射する。感光体ドラム1の表面の露光された部分は帯電電位が減衰し、非露光部との電位差による潜像が形成される。現像装置4は、負の電荷を有するトナーを現像ローラ4aの周面上に薄層化して担持し、感光体ドラム1の周面と対向する位置に搬送する。感光体ドラム1と現像ローラ4aとの間には、双方間に印加された現像バイアス電圧による電界が形成されており、負電荷を有するトナーが露光部に転移する。このようにして形成されたトナー像は、感光体ドラム1の回転により、転写ローラ5が圧接される転写ニップ5aへと搬送される。
一方、用紙トレイ7から一枚ずつ送り出された記録媒体は、レジストローラ9で一旦保持され、感光体ドラム1上のトナー像と当接されるタイミングで転写部5aへ送り込まれる。記録媒体は転写部5aの上流側で感光体ドラム1の表面に接触し、密着した状態で転写部5aを通過する際にトナー像は記録媒体に転写される。
トナー像Tを担持した記録媒体Pは、定着装置10へと送られる。定着装置10では、定着ベルト21と加圧ロール22とが圧接されるニップ部10aにトナー像Tを担持した記録媒体Pが挟み込まれ、加圧ロール22及び定着ベルト21の周回駆動によって記録媒体Pが搬送される。このとき定着ベルト21に圧接されたトナー像Tが加熱・溶融されて記録媒体P上に圧着される。ニップ部10aを通過した記録媒体Pは定着ベルト21又は加圧ロール22から剥離され、排紙ローラ11へと送られる。
上記のようにトナー像が定着される工程で、加圧ロール22は弾性層22bを有するソフトロールであるため、定着ベルト21を介して押圧支持体23へ押圧されることによって押圧支持体23の平面部23aに倣い、ニップ部10aがほぼ平面状となる。この平面部23aにおいて記録媒体Pと定着ベルト21との間に十分な加圧力が作用するとともに、押圧支持体23を介してハロゲンランプ24からの輻射熱がニップ部を通過する記録媒体Pに伝導される。
また、ニップ部の出口側では、定着ベルト21の周回移動にともなって周回方向へ定着ベルト21を押し出す力が発生するが、定着ベルト21が第2の曲面部23cから離間しないようにベルトガイド25が定着ベルト21の周回軌道を規制する。したがって、ニップ部の出口側で定着ベルト21の曲率は第2の曲面部23cの曲率とほぼ同じとなり、大きな曲率で曲げ回される。これにともないニップ部に挟持される記録媒体Pは、それ自体の剛性により、大きく曲げ回される定着ベルト21から容易に剥離して排出される。
さらに、ニップ部の入り口側では、定着ベルト21の周回移動にともなってニップ部内へ定着ベルト21を引き込むように張力が発生する。また、ベルトガイド25の位置及び第1の曲面部23bの形状が適切に設定されていることにより、定着ベルト21は押圧支持体23から離間することはない。このように、定着ベルト21はニップ部10aの上流側及び下流側で押圧支持体23と接触して周回移動ことにより、ハロゲンランプ24からの輻射熱が押圧支持体23及び定着ベルト21を介して、効率よく記録媒体P及び記録媒体上のトナー像Tに伝達される。
一方、周方向の押圧支持体23がない領域では、定着ベルト21の内周面が直接にハロゲンランプ24で加熱される。これにより、定着ベルト21の内周面が効率よく加熱され、ウオーミングアップの時間を短縮することができる。
本願に係る発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成図である。 図1に示す画像形成装置で用いられる定着装置の概略構成図である。 図2に示す定着装置で用いられる定着ベルトの拡大断面図である。 図2に示す定着装置で用いられる押圧支持体の断面図である。 従来の定着装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1:感光体ドラム、 2:帯電装置、 3:露光装置、 4:現像装置、 5:転写ローラ、 5a:転写部、 6:クリーニング装置、 7:用紙トレイ、 8:搬送路、 9:レジストローラ、 10:定着装置、 10a:ニップ部、 11:排紙ローラ、 12:排紙トレイ、
21:定着ベルト、 21a:離型層、 21b:基層、 22:加圧ロール、 22a:芯金、 22b:弾性層、 22c:表面離型層、 23:押圧支持体、 23a:平面部、 23b:第1の曲面部、 23c:第2の曲面部、 23d:黒色の被覆層、 24:ハロゲンランプ、 25:ベルトガイド、

Claims (5)

  1. 周方向に周回が可能に支持された無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの外周面に押圧され、回転駆動されることによって前記定着ベルトを周回駆動する加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周面に当接され、該定着ベルトを前記加圧部材との間に挟み込む押圧支持体と、
    前記定着ベルトの周回軌道を規制するベルトガイドと、
    前記定着ベルトの内側に配置され、該定着ベルトを加熱する熱源と、を有し、
    前記押圧支持体は、 前記定着ベルトが前記加圧部材に圧接されるニップ部と対応する位置に、前記定着ベルトに摺擦される平面部を有し、 前記定着ベルトの周回方向における該平面部の上流側には、該平面部と連続する第1の曲面部が、該平面部の下流側には該平面部と連続する第2の曲面部が、それぞれ設けられ、
    前記第1の曲面部と第2の曲面部との周方向の曲率及び前記定着ベルトの周回軌道は、該定着ベルトが前記第1の曲面部、前記平面部及び前記第2の曲面部と接触して周回移動するように設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2の曲面部は、前記定着ベルトを真円形状としたときの曲率よりも大きな曲率となっていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第2の曲面部の周方向の曲率は、前記第1の曲面部の周方向の曲率よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記ベルトガイドは、前記定着ベルトの内周面に当接する位置に配置され、
    前記ニップ部の周方向の中心における前記押圧支持体の平面部に対する垂線より、前記定着ベルトが前記記録媒体の搬送方向における上流側へ下流側より大きく張り出すように、該定着ベルトの軌道を規制するものであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の定着装置。
  5. 静電電位の差による潜像に粉状のトナーを選択的に付着させてトナー像を形成する像形成手段と、
    前記トナー像を直接に記録媒体に、又は中間転写体を介して記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体上に転写された前記トナー像を加熱及び加圧して該記録媒体上に定着する定着手段と、を有し、
    前記定着手段は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。

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