JP2007171707A - 偏光板保護フィルム用基材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの片面に、塗布層、活性エネルギー線硬化樹脂層が順次設けられた積層ポリエステルフィルムであり、前記塗布層が、金属元素を有する有機化合物(A)およびバインダーポリマー(B)をおのおの10重量%以上含み、前記活性エネルギー線硬化樹脂層表面の反射率が、400〜600nmの波長領域において6%以下であり、かつ同波長領域における反射率の振れ幅が3%以下であることを特徴とする偏光板保護フィルム用基材。
【選択図】 なし
Description
本発明における偏光板保護フィルム用基材として使用される、積層ポリエステルフィルムの基体であるポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
金属元素としては比重が小さい金属より比重が大きい金属を用いる方がより好ましい。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
塗布フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、塗布フィルムの断面を透過型電子顕微鏡にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその塗布層が観察される。その塗布層の距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し厚みを計算した。これを少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点の相加平均を塗布層の厚みとした。
試料フィルムの測定裏面(活性エネルギー硬化樹脂層が設けられていない面)に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(株式会社島津製作所社製UV−3100PC型)を用いて、スリット幅8.0nm、サンプリングピッチ2.0nmの測定条件下、波長範囲400〜600nmの反射率を測定し、その最大値をもって反射率とした。また、同波長領域における反射率の最大値と最小値の差をもって、反射率の振れ幅とした。
3波長光域型蛍光灯下、試料フィルムの活性エネルギー線硬化樹脂層露出面について、干渉ムラを目視観察し、下記判定基準により判定を行なった。
《判定基準》
◎:視認性が非常に良好。
○:視認性良好。
×:視認性悪化。
JIS−K6714に準じ、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。塗布フィルムと非塗布フィルムの濁度と塗布フィルムの濁度の差(ΔH)を測定し、以下の判定基準により判定を行った。
《判定基準》
○:フィルム濁度差2%未満
×:フィルム濁度2%以上
フィルムの活性エネルギー線硬化樹脂層の表面固有抵抗率を、三菱化学社製「ハイレスタUP」電極UR−100プローブを使用し、23℃/50%RHの雰囲気下で試料を設置し、500Vの電圧を印加し、1分間充電後(電圧印加時間1分)の表面固有抵抗率(Ω)をそれぞれ測定した。ここで使用した電極を下記に示す。
《UR−100プローブ》
内側の電極:Φ50mm
外側の電極:外Φ57.2mm 内Φ53.2mmのリング状
活性エネルギー線硬化樹脂層上に両面粘着テープ(日東電工社製「No.502」)を貼り、ゴムローラーを使用し450g/cmの線圧で圧着し、50mm幅に切り出し剥離力測定用試料とした。圧着してから1時間放置後インストロン型引張試験機を用いて、180度方向に引張速度300mm/分で剥し、その応力の平均値をその試料の剥離力とした。この試験を10回繰り返し行い、10回の相加平均をもって剥離力とした。なお、この試験を行った雰囲気は、23℃、50%RHの標準状態である。
活性エネルギー線硬化樹脂層に基盤目状のクロスカットを行い、その上にニチバン製セロハンテープ(24mm幅)を貼りつけ、180°の剥離角度で急速に剥離させた後の剥離面積から下記のように判定した。
○:全く剥離しない
△:剥離面積15%未満
×:剥離面積15%以上
硬化樹脂層表面に、微粘着剤を付着させた後、エタノールを染みこませたシート状コットンで微粘着剤を拭き取った。微粘着層拭き取り試験の結果は、以下の基準で評価した。
○:耐溶剤層表面の外観変化なく、容易に拭き取れた
△:耐溶剤層表面の外観変化はないが、拭き取りに時間を要した
×:耐溶剤層表面の外観が変化した
微粘着剤は、アクリル系粘着剤(帝国化学株式会社製、SG−800)100部(固形分重量部)に対し、イソシアネート硬化剤(日本ポリウレタン株式会社製、コロネートHL)10部(固形分重量部)を加え、100℃、2分間乾燥・硬化させ、微粘着剤を作成した。
硬化樹脂表面に、シャチハタ社製スタンプ(Xstamper 速乾性 丸型印 11号)を用いて印字し、その印字状況を下記の基準で判定した。
○:スタンプ文字が明確に印字された
△:文字のエッジ部ににじみが見られるが、実用上問題ない
×:文字のにじみが激しく、実用上問題がある
塗布層の表面にタバコの灰を落とし、1回転(360度の回転)させた際の灰の付着状態を観察し、ゴミ付着の有無を評価した。
試料フィルムにつき、下記判定基準により、総合評価を行った。
《判定基準》
◎:干渉ムラが◎、かつ塗膜密着性、ゴミ付着、印字性、防汚性がすべて○である(極めて良好で実用上問題ないレベル)
○:干渉ムラが○、かつ塗膜密着性、ゴミ付着、印字性、防汚性がすべて○である(良好で実用上問題ないレベル)
△:干渉ムラが○、かつ塗膜密着性が○または△でかつゴミ付着、印字性、防汚性の少なくとも一項目が△または×である(やや不良で実用上問題になる場合があるレベル)
×:干渉ムラまたは塗膜密着性の何れか一項目が×である(不良で実用上問題あるレベル)
〈ポリエステルの製造〉
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを得た。
(化合物例)
・金属元素を有する有機化合物:(A1) チタントリエタノールアミネート
・金属元素を有する有機化合物:(A2) チタンラクテート
・バインダーポリマー:(B) 下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=92/8/77/23(mol%)
・縮合多環式芳香族を有する化合物:(C)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=84/13/3/80/20(mol%)
・粒子:(D)平均粒径65nmのシリカゾル
製造したポリエチレンテレフタレートを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次に得られた未延伸シートにまず、95℃で3.6倍に縦延伸し、下記塗布剤をリバースグラビアコート方式により片面に塗布した後、テンターに導き、横方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、塗工量(乾燥後)が0.05g/m2の下記に示す組成の塗布層が設けられた、厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
金属元素を有する有機化合物(A1):35重量%
金属元素を有する有機化合物(A1):10重量%
バインダーポリマー(B):30重量%
縮合多環式芳香族を有する化合物(C):22重量%
平均粒径65nmのシリカゾル(D):3重量%
上記塗布液の濃度は10重量%とした。
次に得られた積層ポリエステルフィルムの塗布層上に下記組成物1からなる活性エネルギー線硬化樹脂層を下記硬化条件により、塗布厚み(乾燥後)が0.05μmになるように設け、偏光板保護フィルム用基材を得た。
乾燥温度(℃):100
乾燥時間(秒):15
UVランプ:高圧水銀灯
出力:120(w/cm)×2灯
照射距離(mm):100
疎水性単量体単位として、メチルメタクリレート85部、カチオン性単量体単位として、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液12.5部、オルガノポリシロキサン単位として、分子量約5000の片末端メタクリルオキシ変性オルガノポリシロキサン(チッソ社製FM0721)2部、およびエチルアルコール140部と重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、窒素気流下80℃で6時間重合反応を行いカチオン性共重合体の40%エチルアルコール溶液を得た。
このカチオン性共重合体をエチルアルコール/イソプロピルアルコール=50/50の混合溶媒で希釈した塗料。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部、4官能ウレタンアクリレート40部、ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート27部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3部よりなる組成物にメチルエチルケトンを使用して均一に混合した塗料。
疎水性/カチオン性/シロキサン=45/10/40
疎水性単量体単位として、メチルメタクリレート80部、カチオン性単量体単位として、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液25部、およびエチルアルコール140部と重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、窒素気流下80℃で6時間重合反応を行いカチオン性共重合体の40%エチルアルコール溶液を得た。このカチオン性共重合体をエチルアルコール/イソプロピルアルコール=50/50の混合溶媒で希釈した塗料。
疎水性単量体単位として、メチルメタクリレート45部、カチオン性単量体単位として、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド12.5%水溶液40部、オルガノポリシロキサン単位として、分子量約5000の片末端メタクリルオキシ変性オルガノポリシロキサン(チッソ社製FM0721)2部、およびエチルアルコール140部と重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、窒素気流下80℃で6時間重合反応を行いカチオン性共重合体の40%エチルアルコール溶液を得た。
このカチオン性共重合体をエチルアルコール/イソプロピルアルコール=50/50の混合溶媒で希釈した塗料。
実施例1において、塗布剤組成または活性エネルギー線硬化樹脂層を下記表1、表2に示す組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、偏光板保護フィルム用基材を得た。
Claims (1)
- 少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの片面に、塗布層、活性エネルギー線硬化樹脂層が順次設けられた積層ポリエステルフィルムであり、前記塗布層が、金属元素を有する有機化合物(A)およびバインダーポリマー(B)をおのおの10重量%以上含み、前記活性エネルギー線硬化樹脂層表面の反射率が、400〜600nmの波長領域において6%以下であり、かつ同波長領域における反射率の振れ幅が3%以下であることを特徴とする偏光板保護フィルム用基材。
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