JP2007165043A - 燃料電池用炭素粒子複合体とその製造方法 - Google Patents

燃料電池用炭素粒子複合体とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高度の導電性を維持しつつ十分な撥水性を保持し、反応ガスの透過性が高く、発電性能に優れた燃料電池用炭素粒子複合体とその製造方法を提供すること。
【解決手段】両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物の片端イソシアネート基が炭素粒子表面の官能基とウレタン結合し、他端イソシアネート基が末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物の反応性基と化学結合した炭素粒子からなる燃料電池用炭素粒子複合体。製造方法は両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物を非反応性の溶媒に溶解した溶液中に炭素粒子を混合し、ジフェニル化合物の片端イソシアネート基を炭素粒子表面の官能基とウレタン結合させ、未反応のジフェニル化合物を除去し、末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物を加えて末端の反応性基とジフェニル化合物の他端イソシアネート基とを化学結合させる。
【選択図】なし

Description

本発明は燃料電池、例えば固体高分子型燃料電池の電極などに使用する炭素粒子複合体とその製造方法に関する。
燃料電池は、燃料が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するもので、電気エネルギーへの変換効率が高く、特に固体高分子型燃料電池は比較的低温で、高出力の発電が可能であるため、自動車の電源をはじめとして小型の移動型電源や定置型電源として期待されている。
固体高分子型燃料電池の構造は、通常、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜のような高分子イオン交換膜からなる電解質膜と、その両面に白金などの触媒を担持させた触媒電極と、それぞれの電極に水素などの燃料ガスあるいは酸素や空気などの酸化剤ガスを供給する反応ガス供給用の凹凸溝部を設けたセパレータなどからなる単セルを、数十から数百層に積層したスタック、及びその外側に設けた2つの集電体などから構成されている。
単セルの構造は、図1に示すように、例えばフッ素系樹脂のイオン交換膜からなる固体高分子の電解質膜1を挟んで一対の触媒電極2、3、すなわち、アノード4およびカソード5と、その外側に形成したアノード側ガス拡散層6、カソード側ガス拡散層7、およびこれらを両側から挟持する緻密質でガス不透過性のカーボン材料や金属材料からなるセパレータ8とから構成されている。
触媒電極2、3は白金やルテニウムなどの貴金属や有機金属錯体などの触媒を担持させた導電性炭素質多孔質体から形成され、炭素質多孔質体としては炭素短繊維やカーボンブラックを樹脂で結着した多孔質体などが用いられている。
セパレータ8には複数の溝9が設けられ、溝9とアノード側ガス拡散層6とにより燃料ガス(例えば水素ガス)の流路が、溝9とカソード側ガス拡散層7とにより酸化剤ガス(例えば空気)の流路が形成され、溝9から供給された水素ガスはアノード側ガス拡散層6を拡散してアノード4において、H→2H+2eの反応によりイオン化してHとなり電解質膜1を透過していく。
一方、溝9から供給された酸素ガスはカソード側ガス拡散層7を拡散してカソード5において、1/2O+2H+2e→HOの反応により水を生成する。燃料電池の発電機構は、この電気化学反応によって生じる電子(e)の流れを電気エネルギーとして外部回路に取り出すものである。
すなわち、アノード側に供給された水素ガスは触媒電極4上でイオン化されてHとなり、Hは電解質膜を水(xHO)とともにカソード側へ移動し、カソードにおいて酸素ガス(O)と反応して水を生成する。したがって、この電池反応を円滑に進行させるためには電解質膜を適度な湿潤状態に保持して水素ガスをイオン化する必要があり、通常燃料ガスおよび酸化剤ガスは電池の運転温度に近い温度の飽和水蒸気を含ませて供給し、電解質膜を適度な湿潤状態に保持している。
一方、過剰に水分を含む場合には、過飽和状態になった水蒸気が水滴として凝縮してくることになる。このようにして反応ガス中に水滴が生じると、水の表面張力が大きいことからセパレータのガス流路に停滞し、さらに凝縮水が流路を塞いで反応ガスの流れを阻害するフラッディング現象が起こって電池反応が円滑に進まず、発電性能を低下させる問題が生じる。
この問題を解決するために、フッ素系の樹脂を用いて撥水性を付与することにより生成水を速やかに排出することが行われている。しかし、フッ素樹脂には導電性がないため、撥水性をあげるためにフッ素樹脂の配合量を増やすと導電性が低下し、一方、導電性を確保しようとするとフッ素樹脂の配合量を少なくする必要があり、十分な撥水性を付与することができなくなる。
そこで、撥水性を付与する他の方法として、シランカップリング剤を用いることが提案されている。例えば、特許文献1には固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜を挟んだ触媒反応層を有する一対の電極とを具備した燃料電池において、前記電極は、触媒粒子もしくは触媒粒子の担体の表面に、シラン化合物を化学的に接合することで形成した水素イオンの拡散層を有する燃料電池用電極が開示されている。
また、特許文献2には導電性粒子もしくは導電性多孔体の表面の少なくとも一部に、ハイドロカーボン鎖もしくはフルオロカーボン鎖の少なくとも1種を有するシラン化合物により構成した、撥水性層を形成した撥水導電性材料を構成要素とする燃料電池用電極が開示されている。
特許文献3にはイソシアネート基又は加水分解性基と含フッ素有機基とが結合しているシラン化合物が水分の存在下に反応して得られる反応生成物と、触媒粉末と、イオン交換樹脂とを含む固体高分子型燃料電池用電極が開示されている。
特開2000−228204号公報 特開2000−239704号公報 特開2001−135340号公報
しかし、シランカップリング剤とはエステル結合で化学結合しているため、多量の水蒸気の存在下に電池反応が行われる燃料電池においては、加水分解によりエステル結合が切断されるおそれがある。また、触媒がシランカップリング剤で被われているため反応ガスが触媒表面へ到達する際の拡散速度が低下し、電池反応の円滑な進行が妨げられる問題が生じる。更に撥水性も十分なものではなく、酸素ガスなどの酸化性ガスの透過性も不十分なものであった。
そこで、本発明はこれらの問題を解消して、高度の導電性を維持しつつ十分な撥水性を保持し、反応ガスの透過性が高く、例えば発電性能に優れた触媒担持体として好適な燃料電池用炭素粒子複合体とその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための、本発明による燃料電池用炭素粒子複合体は、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物の片端イソシアネート基が炭素粒子表面の官能基とウレタン結合し、他端イソシアネート基が末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物の反応性基と化学結合した炭素粒子からなることを構成上の特徴とする。
また、本発明による、この燃料電池用炭素粒子複合体の製造方法は、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物を非反応性の溶媒に溶解し、その溶液中に炭素粒子を混合してジフェニル化合物の片端イソシアネート基を炭素粒子表面の官能基とウレタン結合させ、次いで未反応のジフェニル化合物を除去した後、末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物を加えて、末端の反応性基とジフェニル化合物の他端イソシアネート基とを化学結合させることを構成上の特徴とする。
本発明の燃料電池用炭素粒子複合体は、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物の片端イソシアネート基が炭素粒子表面の官能基とウレタン結合し、他端イソシアネート基が末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物の反応性基と化学結合した炭素粒子からなるものであり、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物が炭素粒子と末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物とを結合させる中間物質として機能する。そして、この燃料電池用炭素粒子複合体によれば高い撥水性が付与されるので疎水性が向上し、フラッディング現象が抑制され、また導電性も高いので発電性能に優れた燃料電池を提供することができる。
また、本発明の燃料電池用炭素粒子複合体の製造方法によれば、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物を非反応性の溶媒に溶解し、その溶液中に炭素粒子を混合してジフェニル化合物の片端イソシアネート基を炭素粒子表面の官能基とウレタン結合させ、次いで未反応のジフェニル化合物を除去した後、末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物を加えて、末端の反応性基とジフェニル化合物の他端イソシアネート基とを化学結合させるものであり、上記の発電性能に優れた燃料電池を製造することができる。
本発明の燃料電池用炭素粒子複合体に用いる炭素粒子には特に制限はなく、例えば、黒鉛、カーボンブラック、ガラス状炭素、活性炭、カーボンエアロゲル、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレンなどいずれの炭素粒子の使用も可能である。
炭素粒子表面の官能基はイソシアネート基と結合する反応性基であればよく、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基が例示できるが、反応効率からヒドロキシル基およびカルボキシル基が好ましい。また、これらの官能基を有しない場合やその量が少ない場合には、適宜な表面処理を施すことにより、これらの官能基を生成、制御することが好ましい。
表面処理の方法は、例えば、下記の方法などがある。
(1)ヒドロキシル基およびカルボキシル基の生成は、オゾン、酸素、NOX 、SOX などのガス雰囲気に炭素粒子を曝す方法、低温酸素プラズマで処理する方法、オゾン水、過酸化水素水、ペルオキソ2酸あるいはその塩類、次亜ハロゲン酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、硝酸などの酸化剤水溶液に入れて攪拌混合する方法、などの気相酸化処理や液相酸化処理する方法。
(2)アミノ基の生成は、硝酸/硫酸混合系で酸化してニトロ基を生成させ、ホルムアルデヒドなどの還元剤で還元する方法。
なお、表面処理の程度は、例えば、ヒドロキシル基やカルボキシル基を生成させる場合には、pHが5以下程度にまで処理することが好ましい。
これらの官能基は、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物と反応させることにより、ジフェニル化合物の一方の片端イソシアネート基が炭素粒子表面の官能基とウレタン結合(OHOCN)してジフェニル化合物が結合される。
両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物としては、パラフェニレンジイソシアネート、2−クロロ−1,4−フェニルジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、1,3−キシレン−4,6−ジイソシアネート、ジフェニルサルファイド−4,4′−ジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネートなどが例示され、好ましくは、MDI、TDI、HDIが用いられる。
この反応を、炭素粒子としてカーボンブラック、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物としてジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートを例に、カーボンブラック粒子表面のヒドロキシル基とジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートの片端イソシアネート基が反応してウレタン結合した場合の反応式を化1に示した。
Figure 2007165043
本発明の燃料電池用炭素粒子複合体は、化1のように炭素粒子(例えばカーボンブラック粒子)表面の官能基(例えばヒドロキシル基)と、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物(例えばジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート)の一方の片端イソシアネート基がウレタン結合により結合し、未反応の一方の他端イソシアネート基が末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物と化学結合した炭素粒子から形成されたものである。
すなわち、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物は、その両末端のイソシアネート基の一方の片端イソシアネート基が炭素粒子表面の官能基と結合し、一方の未反応の他端イソシアネート基は末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物の反応性基と化学結合したものであり、ジフェニル化合物が炭素粒子表面の官能基と末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物とを化学結合させるための中間物質として機能する。
この他端イソシアネート基と化学結合する末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物は、F原子の電気陰性度による触媒の活性化や高い酸素ガス透過能が期待され、具体的には下記の化合物が例示される。
反応性基としてはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基などが例示でき、具体的化合物としては、ジフルオロアニリン、ジフルオロ安息香酸、ジフルオロフェノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、トリフルオロアセトアミド、2,2,2−トリフルオロエタノール、トリフルオロアニリン、トリフルオロ安息香酸、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、3−トリフルオロメチルアニリン、トリフルオロ酢酸、3−アミノベンゾトリフルオリド、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、ペンタフルオロ安息香酸、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルアルコール、ペンタデカフルオロn−オクタン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロパノール、2,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ1−ブタノール、パーフルオロヘキシル2−エタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1−ヘプタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1−ノナノールなどが例示できる。
この反応式を、カーボンブラック粒子表面のヒドロキシル基とジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートの片端イソシアネート基が反応してウレタン結合した化1を例にして、一方の未反応の他端のイソシアネート基が末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物として、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノールを化学結合させた場合の化学反応式を化2に示した。
Figure 2007165043
この複合炭素粒子は、導電性および疎水性に優れており、例えば燃料電池の触媒担持体や触媒層に混合して導電性や疎水性を付与する材料として好適に使用することができる。
この燃料電池用炭素粒子複合体は、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物を非反応性の溶媒に溶解し、その溶液中に炭素粒子を混合してジフェニル化合物の片端イソシアネート基を炭素粒子表面の官能基とウレタン結合させ、次いで未反応のジフェニル化合物を除去した後、末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物を加えて、末端の反応性基とジフェニル化合物の他端イソシアネート基とを化学結合させることにより製造される。
両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物を、ジフェニル化合物と非反応性の溶媒、例えば酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル化合物あるいはメチルエチルケトンなどのケトン類の溶媒に溶解し、この溶液中に炭素粒子を添加して10〜100℃の温度、好ましくは20〜60℃の温度で1〜10時間程度攪拌混合することにより、ジフェニル化合物の片端にあるイソシアネート基と炭素粒子表面の官能基とを反応させて、炭素粒子表面の官能基とウレタン結合によりジフェニル化合物を結合させる。
この場合、未反応のジフェニル化合物が残留すると炭素粒子同士が凝集結合し易く、また末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物との反応も阻害されるため、未反応のジフェニル化合物を除去、精製する。ジフェニル化合物の除去は、例えば高速遠心分離機により行い、前記の溶媒を加えて遠心分離する操作を繰り返し行うことによって除去、精製することができる。
炭素粒子表面の官能基と両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物の一方の片端イソシアネート基とがウレタン結合により結合した炭素粒子は、前述の酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル化合物あるいはメチルエチルケトンなどのケトン類の非反応性の溶媒に再度溶解し、この溶液中に末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物を加えて10〜100℃の温度、好ましくは20〜60℃の温度で1〜10時間程度攪拌混合することにより、末端の反応性基とジフェニル化合物の他端イソシアネート基とを化学結合させる。
このようにして、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物の片端のイソシアネート基が炭素粒子の表面官能基と結合し、他端のイソシアネート基が末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物の反応性基と結合し、両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物が中間体として炭素粒子と末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物とを結合するので、例えば燃料電池の触媒担持体として使用した場合には触媒金属を被うことなく、触媒を担持する炭素担持体と直接結合して撥水性の部位が形成され、発電効率の低下を招くことなく、効率良く電池反応を生起する燃料電池用の触媒担持体が製造される。
なお、これらの処理は触媒が担持されていない炭素粒子に行って後に触媒を担持してもよいが、表面に結合した化合物が触媒の担持の妨げとなり易いので、触媒を担持した炭素粒子に行うことが好ましい。
以下、本発明の実施例を燃料電池の触媒担持体を例に比較例と対比して具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
比較例
触媒を担持させる炭素粒子としてカーボンブラック(米国キャボット社製、バルカンXC72−R)を用い、カーボンブラックを塩化白金酸水溶液に浸漬してその表面に白金化合物を担持させ、還元して白金触媒を30重量%担持させた燃料電池用触媒担持体を製造した。
実施例
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)を10重量%の濃度に溶解させたメチルエチルケトン溶液に、比較例の燃料電池用触媒担持体10gを入れて、攪拌しながら40℃で2時間反応させてイソシアネート基をウレタン結合させた。その後、遠心分離により溶媒および未反応のMDIを分離した。
次いで、メチルエチルケトン中に再分散させて、溶液中に2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール3gを加えて、攪拌しながら40℃で2時間反応させた。その後、遠心分離により未反応のペンタフルオロプロパノールおよびメチルエチルケトンを除去して燃料電池用触媒担持体を製造した。
これらの触媒担持体とフッ素系電解質膜、拡散層としてのカーボンペーパーおよび金属セパレータを用い、触媒担持体をカソード電極とする燃料電池を作製して発電試験を行い、電流密度と電圧の関係を図2に示した。
発電試験;アノード側に加湿した水素を、カソード側に加湿した空気を供給し、発電性能を評価した。流量は13cmのセル面積に対し、水素は272ml/min、空気は866ml/minである。試験条件は、セル温度80℃、アノード露点80℃、カソード露点80℃である。
電流密度が高い場合には、燃料ガスや酸化剤ガスまたは水蒸気の拡散性が高いほど触媒電極での反応が促進されるため、電圧の低下が少なくなる。また、フラッディングが起こると、電圧降下が大きくなる。したがって、図2より実施例では比較例に比べて、疎水性の向上によりフラッディングが抑制されて、電流密度が大きくなっても電圧の低下が少なく、電池性能に優れていることが認められる。
固体高分子型燃料電池の単セルの概略構造を示す一部断面図である。 本発明の実施例および比較例の燃料電池用触媒担持体を用いて作製した燃料電池の電流密度と電圧との関係を示したグラフである。
符号の説明
1 電解質膜
2 触媒電極
3 触媒電極
4 アノード
5 カソード
6 アノード側ガス拡散層
7 カソード側ガス拡散層
8 セパレータ
9 反応ガス流路
10 シール材

Claims (4)

  1. 両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物の片端イソシアネート基が炭素粒子表面の官能基とウレタン結合し、他端イソシアネート基が末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物の反応性基と化学結合した炭素粒子からなることを特徴とする燃料電池用炭素粒子複合体。
  2. 請求項1記載の炭素粒子複合体からなる燃料電池用触媒担持体。
  3. 両末端にイソシアネート基を有するジフェニル化合物を非反応性の溶媒に溶解し、その溶液中に炭素粒子を混合してジフェニル化合物の片端イソシアネート基を炭素粒子表面の官能基とウレタン結合させ、次いで未反応のジフェニル化合物を除去した後、末端に反応性基を有する少なくともF原子を2個以上有する化合物を加えて、末端の反応性基とジフェニル化合物の他端イソシアネート基とを化学結合させることを特徴とする燃料電池用炭素粒子複合体の製造方法。
  4. 請求項3記載の炭素粒子複合体が触媒担持体である燃料電池用触媒担持体の製造方法。
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