JP2007163160A - 集束イオンビーム加工方法およびそれを用いた透過型電子顕微鏡試料の作製方法 - Google Patents

集束イオンビーム加工方法およびそれを用いた透過型電子顕微鏡試料の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄片化加工の過程で発生する歪みを除去し、かつ薄片化部分が安定して固定された状態で仕上げ加工を行うことができるFIB加工方法を提供する。
【解決手段】FIB照射により試料の薄片化加工を行うFIB加工方法において、FIB照射により薄片化部分を形成し、試料台を傾けて薄片化部分の側辺部に上端の部分に接続部分を残すように切り込み加工を行い、その後、試料台を元に戻してFIB照射により薄片化部分の仕上げ加工を行うことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)を用いて透過型電子顕微鏡(TEM)等の試料を加工する方法に関する。
TEM観察用の断面試料をFIBを用いた薄片化加工によって作製する方法には、試料をそのまま薄片化加工して薄片化された試料を取り出す方法と、試料から小ブロックを切り出しそれを加工する方法とが知られている。
前者の加工法は機械加工をしないで直接基板からFIB加工を行うものである。この方法は加工部分にまずタングステン(W)やカーボン(C)で保護膜を形成し、試料面上方からFIBを照射し断面観察箇所の両側をスパッタ加工により削り取って、断面観察箇所の薄片化部分の両側に四角い穴を空ける。これを粗削りという。次に図6に示すように、試料面を傾けて薄片化部分の底辺部にFIBを走査して切り込み加工を行う。その後、試料面を再びもとに戻し試料面上方よりFIBを照射して薄片化加工の仕上げを行う。最後に薄片化部分の両側辺部にFIBを上方より照射して切り込み加工を行い、薄片化された試料の切り離しを行う。
後者の加工法は試料とする基板からまず小ブロックを切り取り、さらに上部の厚さを20μm〜50μm程度に機械加工する。この小ブロックに加工部分の表面を保護するためにタングステン(W)やカーボン(C)で保護膜を形成し、その後FIBを照射して薄片化加工を行う。これをTEM観察用の試料として用いる。
TEM観察用の断面試料をいずれの方法で作製するにせよ、加工過程でFIBによる薄片化加工という工程が入る。その際に試料の薄片化が進むと、図7に示すように、上面からみたときに直線状であった薄片化部分が、両側からおし曲げたように歪み湾曲した形状になることがある。その様な状態になるとFIBを直線上に走査しても試料が変形してしまっているため、均一な厚さの平面加工を施すことができなくなる。そのため変形を生じた段階で加工を中断し、試料を交換し、初めから作業をやり直さなければならなかった。
この問題に対し、図8に示すように、薄片化部分の側辺部に試料面上方より切り込みを入れ、薄片化部分の歪みを解放させることで湾曲を直す処置をとり、必要な加工を進める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−144659号公報
しかし、この方法では薄片化部分の側辺部に切り込みを入れた状態で仕上げ加工を行わなければならない。そのため仕上げの薄片化を進めて行くうちに、薄片化部分の試料の自重、あるいはビーム照射によるダメージによって薄片化部分の試料が歪んでしまうことがある。
そこで本発明は、薄片化加工の過程で発生する歪みを除去し、かつ薄片化部分の位置が、安定して固定された状態で仕上げ加工を行うことができるFIB加工方法を提供するものである。
本発明の一はFIB照射により試料の薄片化加工を行うFIB加工方法において、
FIB照射により薄片化部分を形成し、
試料台を傾けて薄片化部分の側辺部に上端の部分に接続部分を残すように切り込み加工を行い、その後、試料台を元に戻してFIB照射により薄片化部分の仕上げ加工を行うものである。
本発明の一はFIB照射により試料の薄片化加工を行うFIB加工方法において、FIB照射により薄片化部分を形成し、
試料台を傾けて薄片化部分の側辺部に表面から0.1μm〜2.0μmの部分を残すようにして切り込み加工を行い、その後、試料台を元に戻してFIB照射により薄片化部分の仕上げ加工を行うものである。
本発明の一はFIB照射により試料の薄片化加工を行うFIB加工方法において、試料表面に保護膜を形成し、
保護膜を形成した部分にFIB照射により薄片化部分を形成し、
試料台を傾けて薄片化部分の側辺部に上端の部分に接続部分を残すように切り込み加工を行い、その後、試料台を元に戻してFIB照射により薄片化部分の仕上げ加工を行うものである。
本発明の一はFIB照射により試料の薄片化加工を行うFIB加工方法において、
試料表面に保護膜を形成し、
保護膜を形成した部分にFIB照射により薄片化部分を形成し、
試料台を傾けて薄片化部分の側辺部に表面から高さ方向に保護膜の厚さよりも短い長さの接続部分を残すようにして切り込み加工を行い、その後、試料台を元に戻してFIB照射により薄片化部分の仕上げ加工を行うものである。
本発明の一はFIB照射により試料の薄片化加工を行うFIB加工方法において、
試料表面に保護膜を形成し、
保護膜を形成した部分にFIB照射により薄片化部分を形成し、
試料台を傾けて薄片化部分の底辺部に切り込み加工を行い、
試料台を傾けた状態のまま薄片化部分の側辺部に上端の部分に接続部分を残すように切り込み加工を行い、その後、試料台を元に戻してFIB照射により薄片化部分の仕上げ加工を行い、
FIB照射により薄片化部分の切り離しを行うものである。
本発明の一はFIB照射により試料の薄片化加工を行うFIB加工方法において、
試料表面に保護膜を形成し、
保護膜を形成した部分にFIB照射により薄片化部分を形成し、
試料台を傾けて薄片化部分の底辺部に切り込み加工を行い、
試料台を傾けた状態のまま薄片化部分の側辺部に表面から高さ方向に保護膜の厚さよりも短い長さの接続部分を残すようにして切り込み加工を行い、
その後、試料台を元に戻してFIB照射により薄片化部分の仕上げ加工を行い、
FIB照射により薄片化部分の切り離しを行うものである。
前記側辺部の切り込み加工は、加工枠の下辺が基板の表面よりも下に位置し、加工枠の上辺が保護膜の下面よりも上に位置するように加工枠を設定して行うことが好ましい。
前記側辺部の切り込み加工は、加工枠の下辺が底辺部の加工部分の下辺と同じ高さか、底辺部の加工部分の下辺よりも下に位置するように加工枠を設定して行うことが好ましい。
薄片化部分の側辺部に切り込み加工が施されることにより薄片化部分の歪みを除去あるいは防止することができる。側辺部に切り込み加工を施した部分の上端の部分に接続部分が残されていることにより、仕上げ加工時に薄片化部分を安定して固定された状態に保つことができる。したがってTEM用試料を確実かつ迅速に作製することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容するものである。
(実施の形態1)
本実施の形態では、薄片化部分の試料の側辺部に切り込み加工を行う方法について図1、図2を用いて説明する。加工する試料は、基板上に半導体デバイスや多層膜などの薄膜が積層されてなる薄膜層を有している。
まず図1に示すように、薄膜層を有する基板から断面観察箇所を特定し、その断面観察箇所の表面、即ち薄膜層上にタングステン(W)、カーボン(C)、白金(Pt)などで保護膜101を形成する(図1(A))。ここでは白金(Pt)とカーボン(C)との積層膜を形成する。そして試料面上方からFIBを照射し断面観察箇所の両側の部分をスパッタ加工により削り取り、断面観察箇所の両側に四角い穴103、104を空け薄片化部分102を形成する(図1(B))。これを粗削りという。粗削りは基板の一部を削るまで行う。図1の点線で囲まれた薄片化部分102を拡大した模式図を図2に示す。薄片化部分102は基板201、基板上の薄膜層202、薄膜層上の保護膜203を有する。図2(A)に示すように、薄片化部分のなかで基板201が位置している部分に相当する薄片化部分の底辺部にFIBを走査して切り込み加工を行い、底辺部の加工部分204を形成する。この底辺部の切り込み加工は、試料台を傾けて行う。試料台を傾ける角度θは水平面に対して30°〜60°の範囲で設定することができる。このときFIB照射方向に対する試料面(試料表面)の傾きは、(90−θ)°となる。ここでは角度θを45°に設定する。
次に薄片化部分の側辺部に切り込み加工を行うのであるが、このときに図2(B)に示すように試料表面に近い上端の部分には切り込みを入れないで接続部分を残すように加工し、側辺部の加工部分205を形成する。ここでは接続部分を残すように表面から0.1μm〜2.0μmの部分を残すように切り込み加工を行う。この側辺部の切り込み加工は試料台を傾けて行う。試料台を傾ける角度θは水平面に対して30°〜60°の範囲で設定することができる。ここでは角度θを45°に設定する。ここでは既に試料台を傾けて底辺部の切り込み加工を行っているため、その試料台を傾けた状態のままで引き続き側辺部の切り込み加工を行う。このように側辺部に上端の部分に接続部分を残すようにして切り込み加工を行うことにより、接続部分において薄片化部分を安定に保持することができ、かつ薄片化部分の歪みを確実に除去あるいは防止することができる。
試料台を傾けた状態で側辺部の切り込み加工を行うことにより、試料表面に近い上端の部分に接続部分を残すように加工枠を設定し加工を行うことができる。したがって側辺部の切り込み加工後も薄片化部分は上端の部分で本体に接続されている。よって次に行う仕上げ加工時に、薄片化部分は安定して固定された状態に保たれており位置ずれを起こすようなことはない。
試料台を傾けた状態で切り込み加工を行うことにより、断面観察箇所にある薄膜層中の半導体デバイスや多層膜などの構造物の位置を確認しながら加工枠を設定し、加工を行うことができる。これにより所望の位置に加工枠を設定することが可能である。それとともに誤って観察箇所に切り込みを入れてしまうようなミスを防止でき、より確実に試料を作製することができる。そして、試料の作製時間を短縮することができる。
薄片化部分の側辺部の切り込み加工は、加工枠の下辺が基板201の表面よりも下に位置するように設定することが好ましい。そして、加工枠の上辺は保護膜203の下面よりも上に位置するように設定することが好ましい。つまり、側辺部の切り込み加工は表面から高さ方向に保護膜の厚さd1よりも短い長さd2の接続部分を残すように行うことが好ましい。こうすることにより、薄片化部分の薄膜層202中に存在する薄膜の内部応力に起因する歪みを確実に除去することができる。側辺部の切り込み加工の加工方向は、上から下、下から上、内側から外側、外側から内側のいずれの方向も選択することができる。
このときに、底辺部の切り込み加工部分204と側辺部の切り込み加工部分205とがつながらないように加工を行う。そのため予め底辺部の加工部分204を短めに設定しておくことが好ましい。両加工部分がつながらないように加工することにより、薄片化部分は安定した固定状態が保たれる。
薄片化部分の側辺部の切り込み加工は、加工枠の下辺が底辺部の加工部分204の下辺と同じ高さか、それよりも下に位置するように設定することが好ましい。これにより、底辺部の加工部分204付近に存在するビーム照射によるダメージに起因する歪みを確実に除去することができる。
このときに、底辺部の切り込み加工部分204と側辺部の切り込み加工部分205とがつながらないように加工を行う。そのため予め底辺部の加工部分204を短めに設定しておくことが好ましい。そして底辺部の加工部分204よりも外側に側辺部の加工枠を設定する。底辺部の加工部分204よりも外側であれば、下に底辺部の加工部分204が存在しないので、両加工部分204、205がつながることはない。両加工部分204、205がつながらないように加工することにより、薄片化部分は安定した固定状態が保たれる。
その後、試料台を傾けた状態からもとに戻して、FIB照射により薄片化部分102の薄片化加工の仕上げを行い、薄片化部分102の試料の厚さを0.1μm以下に薄膜化する。
最後に薄片化部分102に試料表面の上方からFIBを照射して切り込み加工を行い、薄片化部分の試料を完全に切り離す。この切り込み加工は、試料表面から底辺部に形成された加工部分204に達するように行う。ここでは側辺部の加工部分205を有する側は、側辺部の加工部分205よりも内側で、かつ底辺部の加工部分204が存在する部分の真上から切り込み加工を行い、切り離しの加工部分206を形成する。側辺部の加工部分205を有さない側は、底辺部の加工部分204が存在する部分の真上から切り込み加工を行い、切り離しの加工部分207を形成する。切り離しの加工部分206、207は、底辺部の加工部分204につながっている。このようにして、薄片化部分の試料208を完全に切り離すことができる。切り離した薄片化部分の試料208は、リフトアウト法により取り出すことができる。これをTEM観察用の試料として用いることができる。
この実施の形態では、薄片化部分の片方の側辺部に切り込み加工を行う例を示したが、図3に示すように両方の側辺部に切り込み加工を行っても同様の効果が得られる。歪みが大きい場合には両方の側辺部に切り込み加工を行う方法が有効である。
この実施の形態では、側辺部の加工部分205を底辺部の加工部分204よりも外側に位置させる例を示したが、側辺部の加工部分205を底辺部の加工部分204の上方に位置させることも可能である。その場合は、側辺部の加工部分205の上から切り離しの切り込み加工を行うことで試料の切り離しにかかる時間を短縮させることができる。ビーム照射によるダメージに起因する歪みを確実に除去することはできないおそれがあるものの、加工時間を短縮させたい場合にはこの方法が有効である。
本発明のFIB加工方法は、内部応力の大きな材料を有する試料を加工するときに特に有効である。代表的には基板上に窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜等の窒化膜、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属膜、またはシリコンゲルマニウム(SiGe)膜が形成された試料を加工するときに非常に有効である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、試料をそのまま薄片化加工して薄片化された試料を取り出す例を示したが、試料から小ブロックを切り出しそれを加工する方法においても同様に薄片化部分の側辺部に切り込み加工を行うことができる。この方法について図4、図5を用いて説明する。加工する試料は、基板上に半導体デバイスや多層膜などの薄膜が積層されてなる薄膜層を有している。
図4に示すように、薄膜層を有する基板からまず小ブロックを切り取り、さらに上部の厚さを20μm〜50μm程度に機械加工し、小ブロック401を得る(図4(A))。この小ブロック401に加工部分の表面を保護するためにタングステン(W)、カーボン(C)、白金(Pt)などで保護膜402を形成する(図4(B))。ここでは白金(Pt)とカーボン(C)との積層膜を形成する。その後試料面上方からFIBを照射し断面観察箇所の両側の部分をスパッタ加工により削り取り、薄片化部分403を形成する(図4(C))。この加工は基板の一部を削り取る深さまで行う。図4の点線で囲まれた薄片化部分403を拡大した模式図を図5に示す。薄片化部分403は基板501、基板上の薄膜層502、薄膜層上の保護膜503を有する。そして薄片化部分403の厚さが0.1μm〜0.2μm程度になるまで薄片化加工を行う。ただし、途中で薄片化部分403に歪みが生じた場合は薄片化加工を中断し、次の加工を先に行う。
次に薄片化部分の側辺部に切り込み加工を行う。このときに図5(A)に示すように試料表面に近い上端の部分には切り込みを入れないで接続部分を残すように加工し、側辺部の加工部分505を形成する。ここでは接続部分を残すように表面から0.1μm〜2.0μmの部分を残すように切り込み加工を行う。この側辺部の切り込み加工は試料台を傾けて行う。試料台を傾ける角度θは水平面に対して30°〜90°の範囲で設定することが好ましい。ここでは角度θを90°に設定する。このように側辺部に上端の部分に接続部分を残すようにして切り込み加工を行うことにより、接続部分において薄片化部分を安定に保持することができ、かつ薄片化部分の歪みを確実に除去あるいは防止することができる。
試料台を傾けた状態で側辺部の切り込み加工を行うことにより、試料表面に近い上端の部分に接続部分を残すように加工枠を設定し加工を行うことができる。したがって側辺部の切り込み加工後も薄片化部分は上端の部分で基板本体に接続されている。よって次に行う仕上げ加工時に薄片化部分は、安定して固定された状態に保たれており位置ずれを起こすようなことはない。
試料台を傾けた状態で切り込み加工を行うことにより、断面観察箇所にある薄膜層中の半導体デバイスや多層膜などの構造物の位置を確認しながら加工枠を設定し、加工を行うことができる。これにより所望の位置に加工枠を設定することが可能である。それとともに誤って観察箇所に切り込みを入れてしまうようなミスを防止でき、より確実に試料を作製することができる。そして、試料の作製時間を短縮することができる。
薄片化部分の側辺部の切り込み加工は、加工枠の下辺が基板501の表面よりも下に位置するように設定することが好ましい。そして、加工枠の上辺は保護膜503の下面よりも上に位置するように設定することが好ましい。こうすることにより、薄片化部分の薄膜層中に存在する薄膜の内部応力に起因する歪みを確実に除去することができる。側辺部の切り込み加工の加工方向は、上から下、下から上、内側から外側、外側から内側のいずれの方向も選択することができる。
その後、試料台を傾けた状態からもとに戻して、FIB照射により薄片化部分403の薄片化加工の仕上げを行い、薄片化部分403の試料の厚さを0.1μm以下に薄膜化する。これをTEM観察用の試料として用いることができる。
この実施の形態では、薄片化部分の片方の側辺部に切り込み加工を行う例を示したが、両方の側辺部に切り込み加工を行っても同様の効果が得られる。歪みが大きい場合には両方の側辺部に切り込み加工を行う方法が有効である。
本発明のFIB加工方法は、内部応力の大きな材料を有する試料を加工するときに特に有効である。代表的には基板上に窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜等の窒化膜、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属膜、またはシリコンゲルマニウム(SiGe)膜が形成された試料を加工するときに非常に有効である。
薄片化加工中に歪んだ試料の薄片化をさらに進めることができ、効率よくTEM等の試料を作製することができる。
薄片化部分を効率よく作製することができるので、この加工方法を用いて薄片化部分を有するデバイスを作製することが可能である。微細加工技術を必要とするデバイスとして代表的には、MEMS(micro electro mechanical system)デバイスがあげられる。このMEMSデバイス等の微細加工技術を必要とするデバイスの作製に本発明の加工方法を用いることは有効である。
FIB加工方法を示す模式図(実施の形態1) FIB加工方法を示す模式図(実施の形態1) FIB加工例を示す模式図 FIB加工方法を示す模式図(実施の形態2) FIB加工方法を示す模式図(実施の形態2) FIB加工方法を示す模式図 FIB加工例を示す模式図 FIB加工例を示す模式図
符号の説明
101 保護膜
102 薄片化部分
103 穴
104 穴
201 基板
202 薄膜層
203 保護膜
204 底辺部の加工部分
205 側辺部の加工部分
206 切り離しの加工部分
207 切り離しの加工部分
208 試料
401 小ブロック
402 保護膜
403 薄片化部分
501 基板
502 薄膜層
503 保護膜
505 側辺部の加工部分

Claims (9)

  1. 集束イオンビーム照射により試料の薄片化加工を行う集束イオンビーム加工方法において、
    集束イオンビーム照射により薄片化部分を形成し、
    試料台を傾けて前記薄片化部分の側辺部に上端の部分に接続部分を残すように切り込み加工を行い、
    その後、前記試料台を元に戻して集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の仕上げ加工を行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  2. 集束イオンビーム照射により試料の薄片化加工を行う集束イオンビーム加工方法において、
    集束イオンビーム照射により薄片化部分を形成し、
    試料台を傾けて前記薄片化部分の側辺部に表面から0.1μm〜2.0μmの部分を残すようにして切り込み加工を行い、
    その後、前記試料台を元に戻して集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の仕上げ加工を行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  3. 集束イオンビーム照射により試料の薄片化加工を行う集束イオンビーム加工方法において、
    試料表面に保護膜を形成し、
    前記保護膜を形成した部分に集束イオンビーム照射により薄片化部分を形成し、
    試料台を傾けて前記薄片化部分の側辺部に上端の部分に接続部分を残すように切り込み加工を行い、
    その後、前記試料台を元に戻して集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の仕上げ加工を行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  4. 集束イオンビーム照射により試料の薄片化加工を行う集束イオンビーム加工方法において、
    試料表面に保護膜を形成し、
    前記保護膜を形成した部分に集束イオンビーム照射により薄片化部分を形成し、
    試料台を傾けて前記薄片化部分の側辺部に表面から高さ方向に前記保護膜の厚さよりも短い長さの接続部分を残すようにして切り込み加工を行い、
    その後、前記試料台を元に戻して集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の仕上げ加工を行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  5. 集束イオンビーム照射により試料の薄片化加工を行う集束イオンビーム加工方法において、
    試料表面に保護膜を形成し、
    前記保護膜を形成した部分に集束イオンビーム照射により薄片化部分を形成し、
    試料台を傾けて前記薄片化部分の底辺部に第1の切り込み加工を行い、
    前記試料台を傾けた状態のまま前記薄片化部分の側辺部に上端の部分に接続部分を残すように第2の切り込み加工を行い、
    その後、前記試料台を元に戻して集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の仕上げ加工を行い、
    集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の切り離しを行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  6. 集束イオンビーム照射により試料の薄片化加工を行う集束イオンビーム加工方法において、
    試料表面に保護膜を形成し、
    前記保護膜を形成した部分に集束イオンビーム照射により薄片化部分を形成し、
    試料台を傾けて前記薄片化部分の底辺部に第1の切り込み加工を行い、
    前記試料台を傾けた状態のまま薄片化部分の側辺部に表面から高さ方向に前記保護膜の厚さよりも短い長さの接続部分を残すようにして第2の切り込み加工を行い、
    その後、前記試料台を元に戻して集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の仕上げ加工を行い、
    集束イオンビーム照射により前記薄片化部分の切り離しを行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一において、前記側辺部の切り込み加工は、加工枠の下辺が基板の表面よりも下に位置し、前記加工枠の上辺が保護膜の下面よりも上に位置するように前記加工枠を設定して行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  8. 請求項5または請求項6において、前記側辺部の切り込み加工は、加工枠の下辺が前記底辺部の加工部分の下辺と同じ高さか、前記底辺部の加工部分の下辺よりも下に位置するように設定して行うことを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一に記載の集束イオンビーム加工方法を用いたことを特徴とする透過型電子顕微鏡試料の作製方法。
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