JP2007157770A - 電子部品用冷却装置、その温度制御方法及びその温度制御プログラム - Google Patents

電子部品用冷却装置、その温度制御方法及びその温度制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】熱電素子及び冷却ファンを最適駆動して温度制御を行い、ファンノイズを低減し、過冷却等を防止するとともに電子部品用冷却装置の消費電力を小さくすること。
【解決手段】環境温度及び被冷却素子の温度を測定して(S4、S5)、被冷却素子の温度が環境温度よりも高く(S6;No)かつ熱電素子の制御量が飽和状態で無い場合には(S10;No)、熱電素子のみにより温度制御を行い(第1制御領域C1)、熱電素子の制御量が飽和状態である場合には(S10;Yes)、熱電素子の制御量を最大にしつつ冷却ファンにより温度制御を行う(第2の制御領域)。また、熱電素子と冷却ファンの駆動制御は、制御目標温度と制御対象温度の温度差の区分に応じて異なるPID係数を用いて、PWMデューティ比を算出する。この温度領域ごとの制御により、低温時は緩やかな温度制御を行い、制御目標温度近くでは急速な温度制御を行うことが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、集積回路、半導体素子などの電子部品を被冷却素子とする電子部品用冷却装置、その温度制御方法及びその温度制御プログラムに関する。
従来、半導体素子などの集積回路を冷却するために、ヒートシンク、ペルチェクーラなどの熱電素子及び冷却ファン等が用いられており、ペルチェクーラ及び電動ファン(冷却ファン)の制御は、集積回路の最大負荷状態における発熱を目標温度以下に制御可能な電流値を基準とする定電流制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、コンピュータの発熱体の温度検出をポリスイッチで行い、検出温度に応じて冷却ファン、ペルチェクーラを順次オン/オフする制御方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2002−540632号公報 特開2000−277964号公報
ところが、特許文献1の制御方法では、ペルチェクーラの電流値は、集積回路の動作時の最大負荷の場合を想定した値であり、集積回路の負荷が小さい場合に、すなわち集積回路の消費電力が小さい場合には、ペルチェクーラに余計な電力を供給するという問題があった。特に、ペルチェクーラと冷却ファンとが一体的に動作する場合には、消費電力が大きくなるばかりでなく、余剰なヒートシンクの放熱によりペルチェクーラが低温になって結露してしまい、集積回路を破壊するおそれがあった。
また、特許文献2の制御方法では、時定数の大きなヒートシンクはその温度の追従性の遅さなどのために、制御温度の振れ幅が大きくなる。このため、結果的に被冷却素子であるCPU(中央処理装置)の温度変動が大きく,熱サイクルを多数回かけることと同等になり、CPUの寿命を短くしてしまうおそれがある。また、ヒートシンクに生じる温度分布により、ペルチェクーラが効果的に使用されず、ペルチェクーラの消費電力が大きくなるという問題があった。
さらに、ペルチェクーラ(以下特に必要のない限り「熱電素子」と称する)あるいは冷却ファンの電流を制御するために、通常のボリュームなどの調整では、大きい電流を流すためには電源電圧を上昇させることが必要となり、消費電力が大きくなってしまう。消費電力が大きくなると電源側でも熱が発生するため、電源を冷却するためにさらに別のヒートシンクと冷却ファンが必要となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、過冷却のおそれがなく、ファンノイズが低く、かつ消費電力を抑制することのできる電子部品用冷却装置、その温度制御方法、及びその温度制御プログラムを提供することを目的とする。
さらに本発明は、熱電素子及び冷却ファンの双方を効率的に制御して、消費電力を抑制することのできる電子部品用冷却装置、その温度制御方法、及びその温度制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明では、熱電素子及び/または冷却ファンをパルス幅変調制御方式で駆動制御するとともに、パルス幅変調における比例係数と積分係数と微分係数の値を、前記被冷却素子の測定温度と制御目標温度との温度差の大きさに応じて変える、温度領域制御を行うことにより、上記課題を解決する。
本発明の電子部品用冷却装置の第1の態様は、被冷却素子に熱的に接続された低温部から該被冷却素子の発生する熱を吸熱し、吸熱した熱を高温部から放熱する熱電素子と、制御温度領域を前記被冷却素子の温度と制御目標温度との温度差に応じて複数の温度領域に区分し、該温度領域に応じて異なる値の比例係数と積分係数と微分係数を用いて、パルス幅変調(PWM)デューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出し、これに基づき前記熱電素子をPWM駆動する制御部とを備える電子部品用冷却装置である。この態様によると、被冷却素子の温度と制御目標温度の温度差を複数の温度領域に分け、温度領域に応じて熱電素子の駆動を異なる条件で制御するため、熱電素子の最適な駆動が可能となり、熱電素子の消費電力を小さくすることができる。
本発明の電子部品用冷却装置の他の態様は、さらに、前記被冷却素子と熱的に接続されており該被冷却素子の発生する熱を拡散する熱伝導部材を備えており、前記熱電素子の前記低温部は前記熱伝導部材を介して前記被冷却素子と熱的に接続され、前記熱電素子の前記高温部はヒートシンクに熱的に接続されていることを特徴とする。熱伝導部材は銅、アルミ等の金属による均熱板を用いることができる他、各種ヒートパイプを用いることも可能である。これにより、被冷却素子の熱が均等に拡散し、被冷却素子の温度を下げる効果がある他、熱電素子による吸熱が容易となる。また、ヒートシンクを用いることにより、熱電素子の高温部の熱をより効率的に放熱することが可能となる。
本発明の電子部品用冷却装置の他の態様は、さらに、空気を流動させることにより前記ヒートシンクを含む高温部の放熱を促進する冷却ファンを備えることを特徴とする。この態様では、空気が放熱部全体を円滑に流れるように冷却ファンを配置し、空気の通路を形成することが望ましい。これにより、ヒートシンク及び熱電素子の高温部の放熱効率を高めることが可能となる。
本発明の電子部品用冷却装置の他の態様は、前記制御部が、前記温度領域に応じて異なる値の前記比例係数と前記積分係数と前記微分係数を用いて、前記PWMデューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出し、これに基づき前記冷却ファンをPWM駆動することを特徴とする。熱電素子と同じように冷却ファンも温度領域ごとに異なる条件でPWM駆動することにより、より効率的な温度制御が可能となる。
本発明の電子部品用冷却装置の他の態様は、さらに、前記被冷却素子と熱的に接続されているヒートパイプを備えることを特徴とする。ヒートパイプは熱伝導部材を介して被冷却素子に接続しても、被冷却素子に直接接続してもよい。また、被冷却素子に接続されたヒートパイプに熱電素子の低温部を熱的に接続する構成とすることもできる。
本発明の電子部品用冷却装置の他の態様は、前記制御部が、前記冷却ファンを一定の低電圧で駆動させた状態で前記熱電素子の動作を制御することにより温度制御を行う第1制御領域と、前記熱電素子を最大電力で駆動させつつ前記冷却ファンの動作を制御することにより温度制御を行う第2制御領域とを備えており、第1制御領域による前記熱電素子による温度制御量が最大値に達したときに、前記第2制御領域の制御に移行することを特徴とする。この態様では、CPU等の被冷却素子の負荷に応じて、電子部品用冷却装置の冷却性能を効率的に制御することが可能となる。すなわち、被冷却素子の負荷が小さいときには、冷却ファンと熱電素子の消費電力を小さく抑えることができ、消費電力を少なくすること及び過冷却を抑制可能となる。また、制御温度のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が小さくなり、厳密な温度制御が可能となる。その結果として、被冷却素子にかかる熱サイクル負荷が軽減され、素子の寿命を延ばすことができる。さらに,ファンを低電圧で動作させるために,ファンの羽の風きり音を極力抑えることができるため,騒音が小さくなるという利点もある.
本発明の電子部品用冷却装置の他の態様は、異なるカットオフ周波数を有する複数のフィルタを有しており、時定数の大きな制御対象については、前記カットオフ周波数よりも低い周波数の信号をパスする第1フィルタを通した温度情報信号を前記制御部に供給し、時定数の小さな制御対象については、前記カットオフ周波数よりも高い周波数の信号をパスする第2フィルタを通した温度情報信号を前記制御部に供給することを特徴とする。これにより、全体の制御を一つの周期を持つ制御回路で構成することが可能となり、回路を簡素化することが可能となる。
本発明の電子部品用冷却装置の他の態様は、前記時定数の大きな制御対象は前記ヒートシンクの温度であり、時定数の小さな制御対象は前記被冷却素子の温度であり、前記ヒートシンクの温度に応じて前記冷却ファンの風量を制御し、前記被冷却素子の温度に応じて前記熱電素子に供給する電流を制御することを特徴とする。
本発明の電子部品用冷却装置の温度制御方法の第1の態様は、少なくとも熱電素子を備える電子部品用冷却装置において、(a)制御対象の温度を一定の時間間隔で測定する工程と、(b)前記工程(a)により測定した温度と制御目標温度との温度差を算出し、該温度差に対応する比例係数と積分係数と微分係数を確定する工程と、(c)前記確定した各係数値に基づき、パルス幅変調(PWM)デューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出する工程と、(d)前記算出したPWMデューティ比を用いて、前記熱電素子をPWM駆動する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の電子部品用冷却装置の温度制御方法の他の態様は、熱電素子と冷却ファンを備える電子部品用冷却装置の温度制御方法であって、さらに、(e)前記熱電素子による温度制御負荷が所定値に達したか否かを判定する工程と、(f)前記熱電素子による温度制御の負荷が前記所定値以上のときには、前記熱電素子による温度制御に加えて、前記冷却ファンの風量を制御する手順と、を備えることを特徴とする。
本発明の電子部品用冷却装置の温度制御方法の他の態様は、前記工程(f)は、前記工程(a)から(d)の各工程と同様の工程により算出した前記PWMデューティ比を用いて、前記冷却ファンをPWM駆動する工程を含むことを特徴とする。
本発明の他の態様は、少なくとも熱電素子を備えており、該熱電素子の動作を制御することにより制御対象の温度を所定の制御目標温度以下に維持する電子部品用冷却装置において、(a)制御対象領域に設けられた温度センサによる測定温度を一定の時間間隔で取得する手順と、(b)前記制御目標温度と前記測定温度との温度差を算出し、該温度差に対応する比例係数と積分係数と微分係数を記憶部から読み出す手順と、(c)前記読み出した各係数値に基づき、パルス幅変調(PWM)デューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出する手順と、(d)前記算出したPWMデューティ比を用いて、前記熱電素子をPWM駆動する制御手順と、をコンピュータに実行させる温度制御プログラムである。
本発明の他の態様は、熱電素子および冷却ファンの動作を制御することにより制御対象領域を所定の制御目標温度以下に維持する電子部品用冷却装置において、さらに、(e)前記熱電素子による温度制御の負荷が所定値以上か否かを確認する手順と、(f)前記熱電素子による温度制御の負荷が前記所定値以上のときには、前記熱電素子による温度制御に加えて、前記冷却ファンの風量を制御する手順とをコンピュータに実行させる温度制御プログラムである。
本発明の他の態様は、前記手順(f)が、前記手順(a)から(d)の各手順と同様の手順により算出した前記PWMデューティ比を用いて、前記冷却ファンをPWM駆動する手順を含むことを特徴とする温度制御プログラムである。
本発明によれば、被冷却素子の温度と制御目標温度の温度差を複数の温度領域に区分して、温度領域に応じて異なる値の係数を用いてPWMデューティ比を算出し、熱電素子及び冷却ファンをPWM制御するので、被冷却素子の温度と制御目標温度の温度差に応じて、熱電素子等の最適な駆動が可能となり、冷却素子の消費電力を小さくすることができる。すなわち、被冷却素子の発熱量に応じて、冷却に必要な熱電素子及び冷却ファンの消費電力を小さく抑えることが可能となった。また、温度制御の際のオーバーシュート量及びアンダーシュート量を小さく抑えることが可能となり、被冷却素子の熱サイクルによる負荷を軽減することも可能となった。また,ファンを低電圧で駆動させるために、ファンの羽の風きり音などが小さくなり、ファンノイズを低減することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電子部品用冷却装置を示す。
電子部品用冷却装置1は、被冷却素子の一例として示す半導体素子2を冷却する。この半導体素子2は、熱源となる例えば高速のCPU(中央処理回路)やドライバである。
電子部品用冷却装置1は、半導体素子2の熱を拡散する均熱板(熱伝導部材)3、ペルチェ素子等からなる熱電素子4、ヒートシンク5、冷却ファン6,電流源7,8及び制御部10を有している。
半導体素子2が、均熱板3の一方の面に対して熱伝導グリースなどを介して接触熱抵抗が小さくなるように取り付けられている。均熱板3は熱源である半導体素子2の発生する熱を拡散する役割を果たす。均熱板3としては、銅やアルミニウムなどの熱伝導の良好な板材を使用しているが、均熱板3にはヒートパイプを埋め込んでも良い。また、均熱板3自体を扁平型のヒートパイプあるいは板型のヒートパイプで構成しても良い。
均熱板3の反対側の面には、熱電素子4の低温側が熱伝導グリース等を介して接触熱抵抗が小さくなるように取り付けられている。熱電素子4の高温側には、ヒートシンク5のベース5Bが熱伝導グリースを介して接触熱抵抗が小さくなるように取り付けられている。
熱電素子4は、ペルチェ効果を使用した熱電冷却素子あるいは電子冷却素子(TEC:Thermoelectric Cooler)であり、ペルチェクーラとも呼ばれる。この熱電素子4は、2種類の金属または半導体を接合して電流を流す時に、一端の接合部にはジュール熱以外の発熱を起こし、他端の接合部には吸熱を起こす現象を利用し、電流により熱の吸収と発生現象を可逆的に達成できる。熱電素子4は、電流源8から電流を供給されることより駆動され、被冷却素子である半導体素子2の発生する熱を均熱板3を介して吸熱する。
ヒートシンク5は、ベース5Bと複数の放熱フィン5Fを有しており、ヒートシンク5の放熱フィン5Fに対面する位置には冷却ファン6が配置されている。冷却ファン6のモータは、電流源7から電流を供給することにより駆動される。ヒートシンク5及び冷却ファン6は、熱源となる半導体素子2の発熱量が小さい場合には必須ではないが、発熱量が小さい場合であっても、効率的な冷却を行うためには、少なくともヒートシンクを設けることが好ましい。
熱源あるいは発熱素子である半導体素子2が動作する際に発生する熱は、均熱板3でいったん拡散された後に、熱電素子4の低温部により吸熱され、高温部を介してヒートシンク5のベース5Bと複数の放熱フィン5Fに伝えられて周囲に放熱される。
半導体素子2の温度情報である温度信号30は制御部10に入力され,この情報を基に制御部10は,電流源7,8の動作を制御する。
電子部品用冷却装置1において、熱源あるいは発熱素子である半導体素子2が組み込まれている機器の筐体(図示せず)内の温度は、電源部・メモリなどの周辺機器の発熱などにより、冷却に使用される空気の温度が、周囲の室温よりも高くなることが考えられる。そのため、ペルチェ素子(ペルチェクーラ)等の熱電素子4を用いてヒートシンク5の温度を故意に上昇させて、ヒートシンク5と冷却風との間の温度差を大きくとることにより、効率的に放熱することが可能となる。
制御部10は、2つの電流源7,8からの電流(電圧)値を調整して、熱電素子4の吸熱量(温度差)と冷却ファン6による風量を調節し、熱源である半導体素子2の発熱量に応じて熱電素子4の吸熱性能と放熱フィン5Fの放熱性能を制御することにより、半導体素子2の温度を一定の範囲内に収める制御を施す。
次に、本発明の電子部品用冷却装置の冷却制御方法の好ましい実施形態について説明する。熱電素子4の駆動は、以下に説明するように、熱源温度のP(比例成分)とI(積分成分)とD(微分成分)とにより、下記に示す式に基づきパルス幅変調(PWM)デューティ比を算出し、パルス幅変調方式により熱電素子4及び冷却ファンの駆動を制御する。この際、制御目標温度と実際の温度との差分の大きさに応じて例えば3つの温度領域に分け、各温度領域ごとに異なる比例係数Kと積分係数Kと微分係数KD1を用いて、PWMデューティ比を算出する。このように温度領域ごとに異なる係数を用いる温度領域制御においては、半導体素子2の温度が制御目標温度(以下「目標温度」と称する)よりも十分低い温度領域の場合には、熱電素子4を緩やかに制御する係数値(K,K,KD1)を使用し、目標温度に近い領域では,制御対象の温度変動に対して敏感に応答するような係数値(K,K,KD1)を使用する。このような温度領域制御により、従来のPWM制御より、オーバーシュート量、アンダーシュート量が抑制可能となるとともに、低温領域での消費電力が抑制され、電流源7、8から冷却ファン6、熱電素子4に対して供給される電力量を低減化することができる。

PWMduty=PWMdutyn−1+Δduty
Δduty=K+K(e−en−1)+KΔy
Δy=KD1(PVn−1−PV)+KD2n−1
D1=T/(Δt+ηT)
D2=Δt/(Δt+ηT)(Δt→0とすることによりKD2=0とする)

(1)温度領域1: 目標温度Tt―測定温度(モニタ温度)Mt>2℃
D1=0.875,K=2.75,K=3.1875
(2)温度領域2: 0℃<目標温度Tt―測定温度(モニタ温度)Mt≦2℃
D1=1.75, K=2.75,K=3.1875
(3)温度領域3:目標温度Tt―測定温度(モニタ温度)Mt≦0℃
D1=1.75, K=4.5, K=5.875

ここで、PID制御の各係数は次の通りである。
D1:微分ファクタ係数
:比例ファクタ係数
:積分ファクタ係数
:微分時間
η:微分係数
:エラー(SV―PV
SV:設定値(=0)
:現在値(目標温度―測定温度)
上記温度領域(1)ないし(3)においては、温度差の2℃を閾値として温度領域を設定しているが、この閾値温度は、均熱板3、熱電素子4、ヒートシンク5及びヒートパイプ25(図8参照)等の熱容量及び熱抵抗等を要素として、任意に設定可能な設計事項である。
さらに、制御部10は、さらにこのヒートシンク5に関連して、熱源である半導体素子2の発熱量に応じて、まず、制御応答速度の速い熱電素子4の吸熱性能を制御し、熱電素子による制御量が飽和状態近くになったときに冷却ファン6を駆動制御して放熱フィン5Fの放熱量を制御することにより、半導体素子2の温度を一定の範囲内に収める制御を行うことが望ましい。例えば、冷却ファン6を一定の低電圧(または一定のデューティ比)で駆動しつつ、熱電素子4の吸熱性能を制御する第1制御領域C1と、熱電素子4の制御量が飽和状態になったら、熱電素子4を最大吸熱性能で駆動させながら、冷却ファン6の電圧を制御して風量を調整する第2制御領域C2とに分けて制御する。
第1制御領域C1では、熱電素子4の駆動時のデューティ比が最大デューティ比以下の領域であり、熱電素子4の駆動時のデューティ比のみを更新させて吸熱性能を調整する。これに対して、第2制御領域C2では、熱電素子4の駆動時のデューティ比が最大になったところ、すなわち熱電素子4の吸熱性能を最大にした状態で駆動させながら、冷却ファン6のデューティ比を更新させて冷却ファン6の風量を調整する。
ここで、熱電素子4のデューティ比が最大(熱電素子4による制御量が飽和状態)にならなくとも、飽和状態近くになったら、第2制御領域C2により制御するように構成することもできる。
図2を用いて、制御部10の基本機能を説明する。制御部10は、ASIC(ゲートアレイを含む)やPLDにより構成することも、制御プログラムによりコンピュータ制御することも可能である。図2は、本発明の制御部10をコンピュータ及び制御プログラムにより実施した例を示す機能ブロック図である。制御部10の実体は、CPU、ROM/RAM等のメモリ、レジスタその他の論理回路、及びCPUの動作を制御する制御プログラムにより構成される。
制御部10は、機能ブロックとして、主制御部11と、データ記憶部12、温度領域判定部13、制御データ生成部14、制御領域判定部15、熱電素子制御部16、冷却ファン制御部17、モニタ管理部18、及び入出力インタフェース19を備えている。主制御部11は、制御部全体の動作を制御し、入出力インタフェース19は、外部からのデータを取得しまたは外部へデータを出力するインタフェースである。
データ記憶部12は、温度領域毎の係数値(K,K,KD1)、制御目標温度、演算式等の各種制御データを記憶している。温度領域判定部13は、被冷却素子2の温度と制御目標温度の差を算出し、制御対象となる温度領域の係数値及び演算式等を読み出す。制御データ生成部14は、読み出した係数値及び演算式等に基づいて、所定の演算を行い、デューティ比の変化量やデューティ比等の制御データを生成する。上述した式等に基づいて、PWMデューティ比等を算出する処理は、制御データ生成部14により実行される。制御領域判定部15は、算出された熱電素子4の制御量が最大値に達しているかどうかを判定し、第1制御領域C1で制御するか第2制御領域C2で制御するかを切り替える。熱電素子制御部16は、制御データ生成部14で生成された熱電素子用の制御データ(デューティ比)等を記憶し、該制御データを入出力インタフェース19を介して熱電素子4に出力する。冷却ファン制御部17は、生成された冷却ファン用制御データを記憶し、該制御データを入出力インタフェース19を介して冷却ファン6に出力する。モニタ管理部18は、ディップスイッチ等により設定された制御目標温度や、環境温度、半導体素子の温度をモニタして、主制御部11を介して各部に出力する。
このようにして、モニタ管理部18の温度情報、制御目標温度に基づいて、各制御部13乃至17により所定の制御データが生成され、熱電素子4及び冷却ファン6に出力される。
次に、図3を用いて制御装置10による温度制御方法の一例を説明する。まず、各種設定値を初期化した後(S1)、設定されている制御目標値を確認する(S2)。次に、所定の制御タイミングかどうかが確認される(S3)。制御タイミングは、例えば、3秒おきに制御する等のように、制御対象の温度応答時定数等に応じて予め定めた所定の時間間隔に設定される。制御タイミングになると(S3;Yes)、図示しない温度センサにより外気温などの環境温度をモニタする(S4)。次に温度センサ20からの温度情報信号30に基づいて被冷却素子である半導体素子2の温度をチェックする(S5)。
半導体素子2の温度が周囲温度よりも低い場合には(S6;Yes)、半導体素子2の温度が低いことから、熱電素子4のデューティ比=0(停止)に設定するとともに、冷却ファン6のデューティ比をサイレントモード(ファンノイズを低減させるために,低電圧による駆動モード)に設定して冷却ファン6を最も低い一定電圧で駆動して、温度が下がりすぎることにより半導体素子2付近で結露を発生させないように制御する(S7)。次の工程S14で、このPWMデューティ比=0及びサイレントモードの制御データが、熱電素子4及び冷却ファン6に出力される(S14)。
これに対して、半導体素子2の温度が周囲温度(環境温度)と同じか、それより高い場合には(S6;No)、PWMデューティ比の変化量を算出して更新する(S8)。工程S8においては、半導体素子の温度と制御目標温度の温度差に応じて、対応する温度領域1〜3のいずれかの比例ファクタ係数K、積分ファクタ係数K、微分ファクタ係数KD1が読み出されて、上述した式に基づきPWMデューティ比の変化量が算出される。次に、この変化量にもとづいて熱電素子を駆動するためのPWMデューティ比が算出されて更新される(S9)。
次の工程S10では、更新した熱電素子4のデューティ比が最大デューティ比以上かどうかを確認する(S10)。熱電素子4のデューティ比が最大デューティ比より小さい場合には(S10;No)、冷却ファン6をサイレントモードに設定した状態で(S11)、工程S9で設定したPWMデューティ比を熱電素子4に出力し、サイレントモードの制御データを冷却ファンに出力する(S14)。
すなわち、工程S10では、第1制御領域C1で制御するか、第2制御領域C2で制御するかを判定している。第1制御領域C1で制御する場合には(S10;No)、冷却ファン6を一定電圧(サイレントモード)で駆動させて、被冷却素子である半導体素子2の温度に応じて熱電素子4の駆動をPWM制御する。工程S9により更新したPWM制御のデューティ比を熱電素子4に出力して動作させる。このサイレントモードでは、冷却ファン6は最も低い電圧のところで動作し、ヒートシンクの放熱を補助する。
熱電素子4のデューティ比が最大デューティ比以上である場合には(S10;Yes)、第2制御領域C2に移り、熱電素子4のデューティ比が最大値に設定される(S12)。これにより、熱電素子4は最大の吸熱能力で駆動される。次の工程S13においては、半導体素子2の温度に応じて、冷却ファンのPWMデューティ比が算出されて更新される。冷却ファン6のPWMデューティ比の算出も、熱電素子4のPWMデューティ比の算出と同様に行われる。更新された制御データは、それぞれ、熱電素子4と冷却ファン6に出力される。以上からわかるように、第2制御領域C2では、熱電素子4の駆動を最大電力で駆動させた状態で、半導体素子2の温度に応じて前記冷却ファン6の駆動を調整することにより、制御目標温度内に維持するよう温度制御を行う。
図4(a)は、制御目標温度対する熱電素子4の温度の変化の概要をイメージとして表した図である。図4(b)は、熱電素子4の消費電力Wの変化の概要をイメージとして表した図である。破線は、従来のPID制御による変化を示し、実線は本発明による領域制御を用いたPID制御による変化を示している。図4(a)に示すように、従来の制御によると、オーバーシュート量及びアンダーシュート量が大きいのに対し、本発明による制御では少ない。また、図4(b)に示すように、温度が低いときには熱電素子の駆動が抑制されるので、立ち上がりも緩やかであり、消費電力が抑制される。
図5及び図6に、冷却ファンをPID制御しながら,熱電素子(TEC)をON/OFF制御して温度制御する従来の制御方式の場合と、本発明による温度領域管理によるPID制御により温度制御した場合の熱源の温度変化、及び冷却ファンの駆動電圧の変化を比較して示す。図5(a)は、従来のON/OFF制御による場合の温度変化を示し、図5(b)は、本発明の制御による場合の温度変化を示す。熱源(半導体素子)の発熱量は130W、目標制御温度は65℃、環境温度を35℃として、測定を行った。図から明らかなように、ON/OFF制御では、目標温度に対して制御後の温度が上下に大きくばらついて、安定しない。これに対して本発明の制御によると、図5(b)に示すように、オーバーシュート及びアンダーシュートが少なく、目標温度の65℃近辺で安定した制御が実現できている。
図6は、図5の条件下における従来技術のON/OFF制御による冷却ファンの駆動電圧の変化(B)と、本発明の制御による駆動電圧の変化(A)を示す図である。従来のON/OFF制御では、監視温度が目標温度を超えると、TECがONとなり,冷却ファンの駆動電圧を上げる。そのため冷却ファンの風切り音等のファンノイズも大きくなる。これに対して本発明では、この程度の設定条件では、熱電素子のみによる温度制御が可能であり、冷却ファンはサイレントモードのまま維持されている。従ってファインノイズも小さく、静かである。
図7は、熱源(半導体素子2)の発熱量を変動させながら、従来のPID制御を行った場合と、本発明の実施形態による温度制御を行った場合の、熱電素子4の電力消費量の経時変化を測定した結果を示すグラフである。より現実的な測定データを得るため、図7(a)に示すように、熱源の発熱量を計時変化させて測定した。最初の30分(t1)では、130Wの発熱量であり、その後10分間おきに(t2〜t7)、120W→130W→90W→130W→0W→130Wと繰り返し発熱量を変動させた。図7(b)は、熱源の発熱量を図7(a)に示すように変化させたときの、従来例によるPID制御による熱電素子の消費電力の変化(B)と、本発明によるPID制御による熱電素子の消費電力の変化(A)を比較して示している。図7(b)からわかるように、本発明による温度制御によると、従来技術のPID制御に比べても大幅に消費電力を低減できることがわかる。また、図7(b)の(B)から明らかなように、本発明の温度制御においては、このような測定条件下では熱電素子の冷却能力にまだ十分余裕があるため、冷却ファンは結果的にサイレントモードで動作する。従って、ファンノイズも低い状態に維持される。
(第2の実施形態)
次に、図8を用いて、本発明の第2の実施形態にかかる電子部品用冷却装置100を説明する。電子部品用冷却装置100も、均熱板3、熱電素子4、ヒートシンク5、冷却ファン6,電流源7,8及び制御部110を有しており、半導体素子2を冷却している点では、図1に示す第1の実施形態と同じである。
半導体素子2は、均熱板3の一方の面に対して熱伝導部材を介して接触熱抵抗が小さくなるように取り付けられている。均熱板3には、さらに、ヒートパイプ25の吸熱端が埋め込まれており、放熱端は、冷却ファン6の近くに配置されている。なお、図示されてはいないが、ヒートパイプ放熱端には複数のフィンプレートが、取り付けられている。
半導体素子2が動作する際に発生する熱は、均熱板3でいったん広げられた後に、熱電素子4により吸熱され、ヒートシンク5のベース5Bと複数の放熱フィン5Fに伝えられて周囲に放熱されるとともに、ヒートパイプ25により一部の熱が直接吸熱されて例えばフィンに移動されるので、より冷却効果を高めることが可能となる。
温度センサ20からの信号は、温度情報信号31と41に分けられる。ハイパスフィルタ50を通過した温度情報信号32は制御部110に入力され、これを基にして演算を行い、制御部110から出力される制御信号33により電流源8を制御することによって、熱電素子4の制御を行う。また,ローパスフィルタ60を通過した温度情報信号42は制御部110に入力され、これを基にして演算を行い、制御部110から出力される制御信号43により電流源7を制御することによって、冷却ファン6の風量を制御する。
ここで、ハイパスフィルタ50のカットオフ周波数は、半導体素子2の温度応答の時定数あるいは均熱板3の温度応答の時定数により決定される。またローパスフィルタ60のカットオフ周波数は、半導体素子2や均熱板3に比べて熱容量の大きいヒートシンク5の温度応答の時定数により決定される。この時に、制御部110を簡単化するために、ハイパスフィルタ50の周波数及び制御部110の演算周波数は、ローパスフィルタ60の整数倍となるように選ぶことが望ましい。
このように、本実施形態によると、ヒートシンク5の温度分布による熱電素子4(ペルチェクーラ)の最適な駆動が可能になり、熱電素子4の消費電力を小さくすることができる。また、半導体素子2の負荷に応じてヒートシンク5の冷却性能を制御することが可能になり、半導体素子2の負荷が小さいときには冷却ファン6の消費電力を小さく抑えるとともに、ファンの羽の風切り音などによるノイズも小さく抑えることができ、かつ熱電素子4の消費電力を小さく抑えることができる。さらに、半導体素子2の制御温度のオーバーシュート量、アンダーシュート量が小さくなり、厳密な半導体素子2の温度制御が可能である。その結果、半導体素子2にかける熱サイクルがなくなり、半導体素子2の長寿命化が可能である。さらに、半導体素子2の温度制御が安定した状態で維持されるので、制御結果が発振しない。また、全体の制御を、1つの周期を持つ制御部10,110で構成することが可能となり、回路を簡素化することができる。
以上説明したように、本発明によると、制御部10、110は、熱電素子4をパルス幅変調により動作させる際に、半導体素子2の目標温度と半導体素子2のモニタ温度の差の値により、複数の制御区分に分けて、パルス幅変調における比例係数と積分係数と微分係数を設定することで、熱電素子4及び冷却ファン6を駆動パルス幅変調により精密に制御することができる。そして、制御部10、110は、好ましくは半導体素子2の温度に応じて、冷却ファン6を一定電圧で駆動させて熱電素子4の駆動を制御する第1制御領域C1と、熱電素子4の駆動を最大電力で駆動させて冷却ファン6の駆動を制御する第2制御領域C2に分割して、熱電素子4の駆動制御量が飽和した時に冷却ファン6の駆動を制御する。
本発明の他の実施形態では、異なるカットオフ周波数を有する複数個のフィルタ50,60を有しており、時定数の大きい制御対象については、カットオフ周波数よりも低い周波数の信号をパスする第1フィルタであるローパスフィルタ60を通した温度情報信号42を制御部110に供給する。時定数の小さい制御対象については、カットオフ周波数よりも高い周波数の信号をパスする第2フィルタであるハイパスフィルタ50を通した温度情報信号32を制御部110に供給する。この場合には、時定数の大きい制御対象はヒートシンク温度であり、時定数の小さい制御対象は半導体素子2の温度である。このため、ヒートシンク5の温度により冷却ファン6の風量が制御され、半導体素子2の温度により熱電素子4に供給される電流が制御される。
ところで、本発明は上述した実施形態に限定されずに、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば熱電素子のPWM制御を行う際の制御区分は、3つに限らず2つあるいは4つ以上であっても構わない。図6におけるヒートパイプ25と冷却ファン6の配置位置は、ヒートシンク5の上部側ではなく側部側であっても良い。
図1と図8に示す制御部10、110は、アナログ制御回路、またはDSP(Digital Signal Processer),FPGA(Field Programmable Gate Array)により構成することができる。また、上述の温度制御処理手順を行うコンピュータプログラムをコンピュータにより実行させる構成とすることも可能である。
本発明の電子部品用冷却装置の好ましい実施形態1を示す図である。 本発明の制御部をコンピュータ及び制御プログラムにより実施した例を示す機能ブロック図である。 本発明の冷却方法の好ましい一実施形態を示す制御フロー図である。 従来技術と本発明の冷却制御方法における制御温度と消費電力の変化を示す図である。 従来技術と本発明の温度制御による温度変化を比較して示す図である。(a)は従来のON/OFF制御による場合の温度変化を示し、(b)は、本発明の制御による場合の温度変化を示す。 図5の条件下における従来技術のON/OFF制御による冷却ファンの駆動電圧の変化と、本発明の制御による駆動電圧の変化を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる冷却装置によるPID制御と通常のPID制御とを比較して示す図である。 本発明の電子部品用冷却装置の他の実施形態を示す図である。
符号の説明
1,100 電子部品用冷却装置
2 半導体素子(熱源)
3 均熱板(熱伝導部材)
4 熱電素子
5 ヒートシンク
6 電動(冷却)ファン
7,8 電流源(電源)
10,110 制御部
11 主制御部
12 データ記憶部
13 温度領域判定部
14 制御データ生成部
15 制御領域判定部
16 熱電素子制御部
17 冷却ファン制御部
18 モニタ管理部
19 入出力インタフェース
20 温度センサ
50 ハイパスフィルタ(第2フィルタ)
60 ローパスフィルタ(第1フィルタ)

Claims (14)

  1. 被冷却素子に熱的に接続された低温部から該被冷却素子の発生する熱を吸熱し、吸熱した熱を高温部から放熱する熱電素子と、
    制御温度領域を、前記被冷却素子の温度と制御目標温度との温度差に応じて複数の温度領域に区分し、該各温度領域に応じて異なる値の比例係数と積分係数と微分係数を用いて、パルス幅変調(PWM)デューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出し、これに基づき前記熱電素子をPWM駆動する制御部と、
    を備える電子部品用冷却装置。
  2. さらに、前記被冷却素子と熱的に接続されており該被冷却素子の発生する熱を拡散する熱伝導部材を備えており、前記熱電素子の前記低温部は前記熱伝導部材を介して前記被冷却素子と熱的に接続され、前記熱電素子の前記高温部はヒートシンクに熱的に接続されている請求項1に記載の電子部品用冷却装置。
  3. さらに、空気を流動させることにより前記ヒートシンクを含む高温部の放熱を促進する冷却ファンを備える請求項2に記載の電子部品用冷却装置。
  4. 前記制御部は、前記温度領域に応じて異なる値の前記比例係数と前記積分係数と前記微分係数を用いて、前記PWMデューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出し、これに基づき前記冷却ファンをPWM駆動することを特徴とする請求項3に記載の電子部品用冷却装置。
  5. さらに、前記被冷却素子と熱的に接続されているヒートパイプを備える請求項4に記載の電子部品用冷却装置。
  6. 前記制御部は、前記冷却ファンを一定の低電圧で駆動させた状態で前記熱電素子の動作を制御することにより温度制御を行う第1制御領域と、前記熱電素子を最大電力で駆動させつつ前記冷却ファンの動作を制御することにより温度制御を行う第2制御領域とを備えており、第1制御領域による前記熱電素子による温度制御量が最大値に達したときに、前記第2制御領域の制御に移行することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の電子部品用冷却装置。
  7. 異なるカットオフ周波数を有する複数のフィルタを有しており、
    時定数の大きな制御対象については、前記カットオフ周波数よりも低い周波数の信号をパスする第1フィルタを通した温度情報信号を前記制御部に供給し、時定数の小さな制御対象については、前記カットオフ周波数よりも高い周波数の信号をパスする第2フィルタを通した温度情報信号を前記制御部に供給する請求項3から6のいずれか1項に記載の電子部品用冷却装置。
  8. 前記時定数の大きな制御対象は前記ヒートシンクの温度であり、時定数の小さな制御対象は前記被冷却素子の温度であり、
    前記ヒートシンクの温度に応じて前記冷却ファンの風量を制御し、前記被冷却素子の温度に応じて前記熱電素子に供給する電流を制御することを特徴とする請求項7に記載の電子部品用冷却装置。
  9. 少なくとも熱電素子を備える電子部品用冷却装置において、
    (a)制御対象の温度を一定の時間間隔で測定する工程と、
    (b)前記工程(a)により測定した温度と制御目標温度との温度差を算出し、該温度差に対応する比例係数と積分係数と微分係数を確定する工程と、
    (c)前記確定した各係数値に基づき、パルス幅変調(PWM)デューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出する工程と、
    (d)前記算出したPWMデューティ比を用いて、前記熱電素子をPWM駆動する工程と、
    を備えることを特徴とする電子部品用冷却装置の温度制御方法。
  10. 熱電素子と冷却ファンを備える電子部品用冷却装置の温度制御方法であって、さらに、
    (e)前記熱電素子による温度制御負荷が所定値に達したか否かを判定する工程と、
    (f)前記熱電素子による温度制御の負荷が前記所定値以上のときには、前記熱電素子による温度制御に加えて、前記冷却ファンの風量を制御する手順と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の電子部品用冷却装置の温度制御方法。
  11. 前記工程(f)は、前記工程(a)から(d)の各工程と同様の工程により算出した前記PWMデューティ比を用いて、前記冷却ファンをPWM駆動する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の電子部品用冷却装置の温度制御方法。
  12. 少なくとも熱電素子を備えており、該熱電素子の動作を制御することにより制御対象の温度を所定の制御目標温度以下に維持する電子部品用冷却装置において、
    (a)制御対象領域に設けられた温度センサによる測定温度を一定の時間間隔で取得する手順と、
    (b)前記制御目標温度と前記測定温度との温度差を算出し、該温度差に対応する比例係数と積分係数と微分係数を記憶部から読み出す手順と、
    (c)前記読み出した各係数値に基づき、パルス幅変調(PWM)デューティ比の変化量及びPWMデューティ比を算出する手順と、
    (d)前記算出したPWMデューティ比を用いて、前記熱電素子をPWM駆動する制御手順と、
    をコンピュータに実行させる温度制御プログラム。
  13. 熱電素子および冷却ファンの動作を制御することにより制御対象領域を所定の制御目標温度以下に維持する電子部品用冷却装置において、さらに、
    (e)前記熱電素子による温度制御の負荷が所定値以上か否かを確認する手順と、
    (f)前記熱電素子による温度制御の負荷が前記所定値以上のときには、前記熱電素子による温度制御に加えて、前記冷却ファンの風量を制御する手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項12に記載の温度制御プログラム。
  14. 前記手順(f)は、前記手順(a)から(d)の各手順と同様の手順により算出した前記PWMデューティ比を用いて、前記冷却ファンをPWM駆動する手順を含むことを特徴とする請求項13に記載の温度制御プログラム。
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