JP2007151228A - インバータ電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非線形負荷を接続した場合においても出力電圧歪みを最小とすることができるインバータ電源装置を提供する。
【解決手段】実効値演算部11は出力電圧の実効値を演算する。減算部12は出力電圧振幅指令値と実効値との差を演算する。PID制御部13は減算部12の出力にPID演算を行う。交流指令値生成器5はPID制御部13の出力を交流指令値に変換する。減算部17はリアクトル3bの電流と予め設定されたピークリミット値との差を演算する。PID制御部18は減算部17の出力にPID演算を行う。減算部16は交流指令値からPID制御部18の出力を減算する。減算部24はコンデンサ3cに流れる電流を求める。変化量算出部22は、コンデンサ電流の変化量を算出する。減算部21は減算部16の出力から上記変化量を減算する。PWM変調処理部6は、減算部21の出力に基づいて電力変換装置2のスイッチング素子を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】実効値演算部11は出力電圧の実効値を演算する。減算部12は出力電圧振幅指令値と実効値との差を演算する。PID制御部13は減算部12の出力にPID演算を行う。交流指令値生成器5はPID制御部13の出力を交流指令値に変換する。減算部17はリアクトル3bの電流と予め設定されたピークリミット値との差を演算する。PID制御部18は減算部17の出力にPID演算を行う。減算部16は交流指令値からPID制御部18の出力を減算する。減算部24はコンデンサ3cに流れる電流を求める。変化量算出部22は、コンデンサ電流の変化量を算出する。減算部21は減算部16の出力から上記変化量を減算する。PWM変調処理部6は、減算部21の出力に基づいて電力変換装置2のスイッチング素子を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ電源装置に係り、特に、非線形負荷に用いて好適なインバータ電源装置に関する。
図2は従来のインバータ電源装置の構成例を示すブロック図である。この図において、符号1は直流電源の出力電圧が加えられる入力端子、2は入力端子1の直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置である。この電力変換装置はブリッジ接続された4個のスイッチング素子を有し、各スイッチング素子が所定の順序でオン/オフを繰り返すことによって直流電圧を交流電圧に変換する。3は電力変換装置2から出力される交流電圧の高調波成分を除去し、正弦波交流電圧とするLCフィルタであり、リアクトル3a、3bとコンデンサ3cから構成されている。4はLCフィルタ3の出力が加えられる出力端子である。
5は交流指令値生成器であり、出力電圧振幅指令値に基づいて出力交流電圧を指示する交流指令値を生成し、PWM(パルス幅変調)変調処理回路6へ出力する。PWM変調処理回路6は、交流指令値に基づいて電力変換装置2のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を生成し、ゲート遮断器7を介して電力変換装置2へ出力する。ゲート遮断器7は、リアクトル3bを流れる電流のレベルがピークリミット値を越えた時スイッチング素子のゲートを遮断して過電流を防止する。
なお、先行技術文献として特許文献1が知られている。
特許第3287020号公報
なお、先行技術文献として特許文献1が知られている。
ところで、上述した従来のインバータ電源装置には次の問題がある。図3(a)は整流器負荷等の非線形負荷を接続した場合における出力電圧波形L1およびリアクトル3bの電流波形L2を示す波形図である。この図に示すように、上述したインバータ電源装置は、パルス状の電流がなくなった後、LCフィルタ3において電流の自由振動Sが発生する。LCフィルタ3のリアクトル3a、3bの両端には、リアクトル電流の変化量に比例した電圧が発生するため、このようにリアクトル電流が振動すると、電圧波形L1に示されるように、出力電圧に歪が発生する。
また、クレストファクタの大きい整流器負荷等の場合、電力変換装置2内のスイッチング素子の定格電流を上回る電流が流れる可能性があるため、ゲート遮断器7によって負荷電流のピーク抑制を行う必要があるが、従来のハードウェアによるピークカットを行う方式では、図4(a)に符号Pによって示すように、スイッチング素子のゲート遮断による大きな電圧歪みが発生してしまい、また、電圧のピークがカットされるため、電圧精度が悪化してしまう。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、非線形負荷を接続した場合においても出力電圧歪みを最小とすることができるインバータ電源装置を提供することにある。また、この発明の他の目的は、負荷電流のピーク抑制を行った場合においても出力電圧の安定化精度が悪化することがないインバータ電源装置を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、スイッチング素子を具備し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作によって直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータと、前記DC/ACインバータの出力に設けられたLCフィルタとを具備するインバータ電源装置において、前記LCフィルタのコンデンサに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出されたコンデンサ電流の変化量を算出する変化量算出手段と、出力電圧を指示する出力電圧指令値から前記変化量を減算する減算手段と、前記減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御する制御手段とを具備することを特徴とするインバータ電源装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインバータ電源装置において、前記検出手段は、前記LCフィルタのリアクトルを流れる電流と出力電流との差に基づいてコンデンサ電流を検出することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、スイッチング素子を具備し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作によって直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータと、前記DC/ACインバータの出力に設けられたLCフィルタとを具備するインバータ電源装置において、前記LCフィルタのリアクトルを流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出されたリアクトル電流と予め設定されたピークリミット値との差を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基づいて電圧制御値を演算する電圧制御値演算手段と、出力電圧を指示する出力電圧指令値から前記電圧制御値を減算する減算手段と、前記減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御する制御手段とを具備することを特徴とするインバータ電源装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインバータ電源装置において、前記電圧制御値演算手段は、比例・微分・積分演算を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、スイッチング素子を具備し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作によって直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータと、前記DC/ACインバータの出力に設けられたLCフィルタとを具備するインバータ電源装置において、出力電圧の実効値を演算する実効値演算手段と、出力電圧を指示する出力電圧指令値と前記実効値との差を演算する第1の減算手段と、前記第1の減算手段の出力に基づいて第1の電圧制御値を演算する第1の電圧制御値演算手段と、前記LCフィルタのリアクトルを流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出されたリアクトル電流と予め設定されたピークリミット値との差を演算する第2の減算手段と、前記第2の減算手段の減算結果に基づいて第2の電圧制御値を演算する第2の電圧制御値演算手段と、前記第1の電圧制御値から前記第2の電圧制御値を減算する第3の減算手段と、前記第3の減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御する制御手段とを具備することを特徴とするインバータ電源装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインバータ電源装置において、前記LCフィルタのコンデンサに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出されたコンデンサ電流の変化量を算出する変化量算出手段と、前記第3の減算手段の出力から前記変化量を減算する第4の減算手段とをさらに設け、前記制御手段は前記第4の減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御することを特徴とする。
この発明によれば、非線形負荷を接続した場合においても出力電圧歪みを最小とすることができる効果がある。また、請求項5の発明によれば、負荷電流のピーク抑制を行った場合においても出力電圧の安定化精度が悪化することがない利点が得られる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施の形態によるインバータ電源装置の構成を示すブロック図であり、この図において、図2の各部と同一の部分には同一の符号が付してある。この図において、符号1は入力端子、2は4個のスイッチング素子を有する電力変換装置、3はリアクトル3a、3bおよびコンデンサ3cからなるLCフィルタ、4は出力端子であり、これらの構成は図2のものと同様である。
符号10は電力変換装置2のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御ブロックであり、マイクロコンピュータによって構成されている。この制御ブロック10において、11は出力電圧の実効値を演算する実効値演算部であり、算出された実効値は減算部12へ加えられる。減算部12は出力電圧の振幅を指定する出力電圧振幅指令値から上記実効値を減算し、その結果をPID(比例・微分・積分)制御部13へ出力する。PID制御部13は減算部12の出力にPID演算を行ってその結果を交流指令値生成器5へ出力する。以上の構成要素11〜13によって実効電圧制御部14が構成されている。
交流指令値生成器5は、PID制御部13の出力に基づいて出力交流電圧を指示する交流指令値V1を生成し、減算部16へ出力する。符号17は減算部であり、リアクトル3bを流れる電流値から予め設定されているピークリミット値を減算し、減算結果をPID制御部18へ出力する。PID制御部18は減算部17の出力にPID演算を行ってその結果を減算部16へ出力する。減算部16は交流指令値生成器5から出力される交流指令値V1からPID制御部18の出力を減算し、その結果である指令値V2を減算部21へ出力する。上記の構成要素16〜18によってピーク制御部19が構成されており、このピーク制御部19の動作を式で表すと次の通りである。
次に、符号24はリアクトル3bの電流Iinvから出力電流Ioutを減算する減算部であり、減算結果である電流値Icを変化量算出部22へ出力する。ここで、電流値Icはコンデンサ3cを流れる電流値を示している。変化量算出部22は、電流値Icを微分し、その結果を減算部21へ出力する。減算部21は指令値V2から変化量算出部22の出力を減算し、その結果をPWM変調処理部6へ出力する。PWM変調処理部6は、減算部21の出力に基づいて電力変換装置2のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を生成し、電力変換装置2へ出力する。上述した構成要素21、22によってコンデンサ電流制御部23が構成されており、このコンデンサ電流制御部23の動作は次の式で表される。
出力電圧指令値=V2−K×(Ic(n)−Ic(n−1))
但し、K:電流制御係数
Ic(n):今回の電流値
Ic(n−1):単位時間前の電流値
出力電圧指令値=V2−K×(Ic(n)−Ic(n−1))
但し、K:電流制御係数
Ic(n):今回の電流値
Ic(n−1):単位時間前の電流値
上述したインバータ電源装置は、コンデンサ電流制御部23において、LCフィルタ3のコンデンサ3cに流れる電流Icの変化量(微分値)に比例した値を出力電圧の指令値V2から減算することにより、リアクトル3b、3cの電流の振動を抑制する。これにより、LCフィルタ3における振動電流が抑制され、出力電圧波形の歪が改善される。図3(b)は上記インバータ電源装置の出力電圧波形L3と出力電流波形L4を示す波形図である。また、コンデンサ電流を、リアクトル電流Iinvから出力電流Ioutを減算して求めることで、コンデンサ電流検出用のセンサを不要とし、コスト削減を図っている。
また、ピーク制御部19において、リアクトル3bの電流を監視し、ピークリミット値を超える電流が流れないように出力電圧の指令値を制御することにより、リアクトル電流のピーク抑制を行っている。具体的には、減算部17においてリアクトル電流Iinvからピークリミット値を減算し、減算結果をPID制御部18においてPID演算する。そしてPID演算結果を出力電圧指令値V1から減算することで、ピークリミット値を超えるようなリアクトル電流が流れた場合に出力電圧を抑えるよう制御する。図4(b)は上記インバータ電源装置において、出力電流がピークリミット値に達する場合における出力電圧波形と出力電流波形を示す波形図である。
しかし、出力電圧を抑えるだけだと出力電圧の実効値が低下するため、出力電圧の実効値が一定になるように、実効電圧制御部14において、出力電圧振幅指令値から実効値演算部11の出力を減算し、減算結果にPID演算を行って出力電圧の振幅指令値を制御している。
以上が図1に示す実施形態の詳細である。この実施形態によれば、回路方式の最適化による低コスト化を図ることができ、また、部品点数削減による信頼性向上を図ることができ、さらに、整流器負荷における出力電圧歪み率および力率の改善を図ることができる。この結果、システム安定性の向上を図ることができる。
以上が図1に示す実施形態の詳細である。この実施形態によれば、回路方式の最適化による低コスト化を図ることができ、また、部品点数削減による信頼性向上を図ることができ、さらに、整流器負荷における出力電圧歪み率および力率の改善を図ることができる。この結果、システム安定性の向上を図ることができる。
この発明は、主として非線形負荷のインバータ電源装置に用いられる。
1…入力端子
2…電力変換装置
3…LCフィルタ
4…出力端子
5…交流指令値生成器
6…PWM変調処理部
10…制御ブロック
11…実効値演算部
12、16、17、21、24…減算部
13、18…PID制御部
14…実行電圧制御部
22…変化量算出部
2…電力変換装置
3…LCフィルタ
4…出力端子
5…交流指令値生成器
6…PWM変調処理部
10…制御ブロック
11…実効値演算部
12、16、17、21、24…減算部
13、18…PID制御部
14…実行電圧制御部
22…変化量算出部
Claims (6)
- スイッチング素子を具備し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作によって直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータと、前記DC/ACインバータの出力に設けられたLCフィルタとを具備するインバータ電源装置において、
前記LCフィルタのコンデンサに流れる電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出されたコンデンサ電流の変化量を算出する変化量算出手段と、
出力電圧を指示する出力電圧指令値から前記変化量を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするインバータ電源装置。 - 前記検出手段は、前記LCフィルタのリアクトルを流れる電流と出力電流との差に基づいてコンデンサ電流を検出することを特徴とする請求項1に記載のインバータ電源装置。
- スイッチング素子を具備し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作によって直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータと、前記DC/ACインバータの出力に設けられたLCフィルタとを具備するインバータ電源装置において、
前記LCフィルタのリアクトルを流れる電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出されたリアクトル電流と予め設定されたピークリミット値との差を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいて電圧制御値を演算する電圧制御値演算手段と、
出力電圧を指示する出力電圧指令値から前記電圧制御値を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするインバータ電源装置。 - 前記電圧制御値演算手段は、比例・微分・積分演算を行うことを特徴とする請求項3に記載のインバータ電源装置。
- スイッチング素子を具備し、前記スイッチング素子のオン/オフ動作によって直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータと、前記DC/ACインバータの出力に設けられたLCフィルタとを具備するインバータ電源装置において、
出力電圧の実効値を演算する実効値演算手段と、
出力電圧を指示する出力電圧指令値と前記実効値との差を演算する第1の減算手段と、
前記第1の減算手段の出力に基づいて第1の電圧制御値を演算する第1の電圧制御値演算手段と、
前記LCフィルタのリアクトルを流れる電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出されたリアクトル電流と予め設定されたピークリミット値との差を演算する第2の減算手段と、
前記第2の減算手段の減算結果に基づいて第2の電圧制御値を演算する第2の電圧制御値演算手段と、
前記第1の電圧制御値から前記第2の電圧制御値を減算する第3の減算手段と、
前記第3の減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするインバータ電源装置。 - 前記LCフィルタのコンデンサに流れる電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出されたコンデンサ電流の変化量を算出する変化量算出手段と、
前記第3の減算手段の出力から前記変化量を減算する第4の減算手段と、
をさらに設け、前記制御手段は前記第4の減算手段の出力に基づいて前記スイッチング素子を制御することを特徴とする請求項5に記載のインバータ電源装置。
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2005
- 2005-11-24 JP JP2005338692A patent/JP2007151228A/ja active Pending
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