JP2007150644A - 赤外線撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像信号(G2)から1フレーム遅延させたアナログの映像信号(G8)を差し引き(3)、その結果得られる差分信号(G3)をA/D変換(5)した後、フレーム遅延(7)させたデジタルの映像信号(G7(n))を加算(6)する。
【選択図】図1
Description
従来の赤外線撮像装置においては、撮像素子が出力する電圧を前置増幅回路で増幅し、デジタル信号に変換した後、固定パターンノイズを除去し、アナログのビデオ信号に変換して出力している(特許文献1参照)。
所定の波長域に感度を有する撮像手段と、所定の波長域成分を前記撮像手段の撮像面上で結像させる結像手段とを備えた赤外線撮像装置において、
前記撮像手段から出力される撮像信号とフレーム遅延映像信号との差分信号を出力する差分手段と、
前記差分手段から出力される前記差分信号をデジタル信号に変換してデジタル差分信号を出力するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段から出力される前記デジタル差分信号とフレーム遅延デジタル映像信号とを加算してデジタル映像信号を出力する加算手段と、
前記加算手段から出力された前記デジタル映像信号を1フレーム期間保持して前記フレーム遅延デジタル映像信号を出力する遅延手段と、
前記遅延手段から出力された前記フレーム遅延デジタル映像信号をアナログ信号に変換して前記フレーム遅延映像信号を出力するD/A変換手段と
を備えたことを特徴とする赤外線撮像装置を有するものである。
図1はこの発明の実施の形態1の赤外線撮像装置の構成を表すブロック図である。
被写体が放射する赤外線はレンズ1により集光され、撮像素子2に結像する。撮像素子には赤外線を検知する素子が二次元平面上に配列されており、各素子からは赤外線強度に応じて変化する信号が得られる。
R5/R8=Rc/Ra
の関係が成り立つようにすると無駄がない。変動幅Ra、Rcは、以下に図2(b)を参照して説明する。変動範囲Ra、Rcと同じものである。
図2(b)のグラフは、撮像素子2から出力された撮像信号G2のうちの符号WEで示す部分を横方向に拡大し、その期間における、遅延回路7から読み出されたフレーム遅延デジタル映像信号をD/A変換したフレーム遅延映像信号G8と、撮像信号G2とフレーム遅延映像信号G8の差である差分信号G3の関係を示した模式図である。横軸は、撮像素子上の各画素の位置(図2(b))又はそれに対応する時間(図2(a))を表し、縦軸は各信号のレベルである。
しかし、赤外線撮像素子においては、出力信号のレベルのうち、素子毎の出力ばらつき、すなわち固定パターンノイズが占める割合が比較的大きく、被写体の温度の違いによる出力信号の変動量が小さいため、A/D変換のダイナミックレンジが有効に利用出来ないという問題がある。
そこで、出力信号と1フレーム前の出力信号との差分をとり、固定パターンノイズに相当する成分を除いた信号をA/D変換すると、図2(b)の符号Rcで示した範囲(差分信号の変動幅)をA/D変換器5のダイナミックレンジに割り当てることになり、ダイナミックレンジを有効に活用することが出来、量子化のノイズが軽減されたデジタル映像信号を取得することが出来る。
差分信号G3をA/D変換する際、図2(b)の符号Rcで示した狭い範囲をA/D変換のダイナミックレンジに割り当てているため、得られるデジタル差分信号G5の量子化誤差が小さくなる。その結果、デジタル差分信号G5にフレーム遅延デジタル映像信号G7を加算して得られるデジタル映像信号G6の量子化誤差も小さくなる。
図5はこの発明の実施の形態2の赤外線撮像装置の構成を表すブロック図である。
レンズ1、撮像素子2、及び、撮像素子2から出力される撮像信号からデジタル映像信号を生成するデジタル映像信号生成回路11は実施の形態1と同じものである。
シャッタ制御回路15は、シャッタ動作タイミング信号に従い、レンズ1と撮像素子2の間にあるシャッタ12の開閉制御を行う。シャッタ12が閉じて遮蔽状態になると、外部からの赤外線の入力が遮断される。シャッタ12が開いて開放状態になると、レンズ1の前方にある被写体が放射する赤外線が入射する。遮蔽状態で取得した映像信号は遮蔽時デジタル映像信号としてフレームメモリ13に保存され、素子毎の特性の違いにより生じる感度のばらつきを補正するためのオフセット補正データとして用いられる。
時刻t0で始まるフレーム期間FP(0)に撮像素子が吸収した赤外線に応じた信号が、時刻t1で始まる、次のフレーム期間FP(1)に撮像信号G2(1)として出力される。
差分回路3は、遮蔽状態で取得した撮像信号G2(1)と、遅延回路7が保持しているフレーム遅延デジタル映像信号G7(1)をアナログに変換したフレーム遅延映像信号G8(1)の差をとり、差分信号G3(1)を生成する。
減算回路14は、デジタル映像信号G6(1)とフレームメモリ13内に格納されている遮蔽時デジタル映像信号Ga(1)の差分を取り、補正されたデジタル映像信号Gc(1)を生成する。
ここで得られるデジタル映像信号G6(1)は、遅延回路に保持され、次のフレーム期間FP(2)の遅延デジタル映像信号G7(2)として用いられる。また、シャッタが遮蔽した状態の時に取得したデジタル映像信号なので、フレームメモリに格納され、フレーム期間FP(2)の遮蔽時デジタル映像信号Ga(2)として用いられる。
実施の形態2では、シャッタを遮蔽した状態で電源を投入した後、2フレームで遮蔽時デジタル映像信号の取得を終え、シャッタを開放して通常の撮像を開始している。しかし実際の回路においては、A/D変換器5の分解能およびレンジにより、有効な信号を得るまでに数フレーム待つ必要がある。以下、その詳細について説明する。
遅延回路7に格納されているフレーム遅延デジタル映像信号G7の初期値はゼロとする。つまり、フレーム遅延デジタル映像信号G7をD/A変換器8によりアナログに変換したフレーム遅延映像信号G8の初期値もゼロとなる。
デジタル差分信号G5にフレーム遅延デジタル映像信号G7を加算するとデジタル映像信号G6が得られる。デジタル差分信号G5は、255が差分信号G3の値0に対応し、255よりも大きい値が差分信号G3の正の値に、255よりも小さい値が差分信号G3の負の値に対応する。
デジタル映像信号G6は、遅延回路7に送られ、次のフレーム期間FP(1)のフレーム遅延デジタル映像信号G6(n)=G6(1)となる。フレーム期間FP(0)では、フレーム遅延デジタル映像信号G7(0)がゼロなので、フレーム期間FP(0)のデジタル差分信号G5(0)とフレーム期間FP(1)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(1)は同一となる。
この結果をA/D変換すると、右側3分の2はA/D変換器のダイナミックレンジを超えているため、デジタル差分信号は511に張り付く。一方、左側3分の1は0.0〜0.5の間に納まっているため、デジタル差分信号は0.0Vに対応する255から0.5Vに対応する511の間で変化する。
フレーム期間FP(2)に得られたデジタル差分信号G5(2)に、フレーム期間FP(2)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(3)を加算し、フレーム期間FP(3)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(3)とする。この場合、デジタル差分信号G5(2)の左側3分の1は0.0Vを示す255なので、フレーム遅延デジタル映像信号G7(2)には0を加算する。中央3分の1は255〜511の間で変化しているので、フレーム遅延デジタル映像信号G7(2)に0〜255の間で変化する値を加算する。右側3分の1は511に張り付いているので、フレームデジタル映像信号に255を加算する。
Claims (6)
- 所定の波長域に感度を有する撮像手段と、所定の波長域成分を前記撮像手段の撮像面上で結像させる結像手段とを備えた赤外線撮像装置において、
前記撮像手段から出力される撮像信号とフレーム遅延映像信号との差分信号を出力する差分手段と、
前記差分手段から出力される前記差分信号をデジタル信号に変換してデジタル差分信号を出力するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段から出力される前記デジタル差分信号とフレーム遅延デジタル映像信号とを加算してデジタル映像信号を出力する加算手段と、
前記加算手段から出力された前記デジタル映像信号を1フレーム期間保持して前記フレーム遅延デジタル映像信号を出力する遅延手段と、
前記遅延手段から出力された前記フレーム遅延デジタル映像信号をアナログ信号に変換して前記フレーム遅延映像信号を出力するD/A変換手段と
を備えたことを特徴とする赤外線撮像装置。 - 所定の波長域成分の前記撮像手段への入射を遮る遮蔽手段と、
前記遮蔽手段を所定のタイミングで開放状態から遮蔽状態に動作させる遮蔽制御手段と、
前記遮蔽制御手段の遮蔽動作タイミング信号を生成するタイミング生成手段と、
前記加算手段から出力された前記遮蔽状態に対応する遮蔽時デジタル映像信号を保持する蓄積手段と、
前記加算手段から出力された前記開放状態に対応する開放時デジタル映像信号から前記蓄積手段に保持されている前記遮蔽時デジタル映像信号を差し引くことにより補正されたデジタル映像信号を生成する減算手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像装置。 - 前記A/D変換手段の分解能は、前記D/A変換手段の分解能よりも低いことをことを特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線撮像装置。
- 前記差分手段から出力される前記差分信号を利得設定値にしたがって増幅して前記A/D変換手段に供給する可変利得増幅手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
- 前記加算手段から出力された前記デジタル映像信号をフレーム単位で画素積分する積分手段と、
前記積分手段から出力される積分値が概ね一定となるように前記利得設定値を制御する利得制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項4記載の赤外線撮像装置。 - 前記所定の波長域は、概ね8〜14マイクロメートル波長帯域であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
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