JP4726616B2 - 赤外線撮像装置 - Google Patents

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本発明は、赤外線撮像装置に関し、特に撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換において、ダイナミックレンジを有効に利用した変換を行うことを特徴とする赤外撮像装置に関する。
赤外線撮像装置は、被写体が放射する赤外線を映像化するもので、赤外線を吸収することにより生じる温度上昇の差が画像の濃淡となる。被写体が放射する赤外線はレンズにより集光され、撮像素子上に結像する。撮像素子には赤外を検知する素子が二次元平面上に配列されており、各素子は赤外線強度に応じた電圧を出力する。
従来の赤外線撮像装置においては、撮像素子が出力する電圧を前置増幅回路で増幅し、デジタル信号に変換した後、固定パターンノイズを除去し、アナログのビデオ信号に変換して出力している(特許文献1参照)。
特開2000−88644公報(段落0004〜0005)
赤外線撮像装置においては、被写体が放射する赤外線の強度に応じて生じる温度変化は、撮像素子の出力のばらつき(固定パターンノイズ)に対して微小なものである。よって、従来の赤外線撮像装置のように、固定パターンノイズを含む信号をA/D変換してから固定パターンノイズを除去すると、信号の有効ダイナミックレンジが固定パターンノイズのために小さくなる問題点があった。A/D変換の有効ダイナミックレンジが小さいと量子化ノイズが大きくなり画質が低下する。
この発明は、
所定の波長域に感度を有する撮像手段と、前記所定の波長域成分を前記撮像手段の撮像面上で結像させる結像手段とを備えた赤外線撮像装置において、
遮蔽状態にあるときに前記所定の波長域成分の前記撮像手段の入射を遮り、開放状態にあるときに前記所定の波長域成分を前記撮像手段へ入射させる遮蔽手段と、
前記撮像手段から出力される撮像信号とフレーム遅延映像信号との差分をとり、該差分を表すアナログ差分信号を出力する差分手段と、
前記差分手段から出力される前記アナログ差分信号をデジタル信号に変換してデジタル差分信号を出力するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段から出力される前記デジタル差分信号とフレーム遅延デジタル映像信号とを加算してデジタル映像信号を出力する加算手段と、
前記加算手段から出力された前記デジタル映像信号を1フレーム期間保持して前記フレーム遅延デジタル映像信号を出力する遅延手段と、
前記遅延手段から出力された前記フレーム遅延デジタル映像信号をアナログ信号に変換して前記フレーム遅延映像信号を出力するD/A変換手段と、
前記遮蔽手段の前記遮蔽状態で取得した前記撮像信号に対応する前記デジタル映像信号を遮蔽時デジタル映像信号として保持する蓄積手段と、
前記遮蔽手段の前記開放状態で取得した前記撮像信号に対応する前記デジタル映像信号から、前記蓄積手段に保持されている前記遮蔽時デジタル映像信号を差し引くことにより、補正されたデジタル映像信号を生成する減算手段と
を備えたことを特徴とする赤外線撮像装置を有するものである。
この発明によれば、撮像素子から出力される信号と、1フレーム遅延した信号との差分をA/D変換することにより、固定パターンノイズに相当する成分が差し引かれている信号をA/D変換することになり、アナログ−デジタル(A/D)変換器のダイナミックレンジを有効に利用することが出来るため、A/D変換による量子化ノイズが低減し、画質が向上する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態の赤外線撮像装置は、所定の波長域に感度を有する撮像手段を有する。ここで所定の波長域とは例えば、概ね8〜14マイクロメートル波長帯域である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の赤外線撮像装置の構成を表すブロック図である。
被写体が放射する赤外線はレンズ1により集光され、撮像素子2に結像する。撮像素子には赤外線を検知する素子が二次元平面上に配列されており、各素子からは赤外線強度に応じて変化する信号が得られる。
差分回路3は、撮像素子2の出力信号である映像信号と、後述のようにして遅延回路7に格納されている1フレーム前のデジタル映像信号をD/A変換して得られるフレーム遅延映像信号との差分をとり、差分信号を生成する。差分回路3で生成された差分信号は、可変利得増幅回路4で増幅された後、A/D変換器5でデジタル差分信号に変換される。
次に、加算回路6は、遅延回路7に格納されているフレーム遅延デジタル映像信号を、A/D変換器5から得られるデジタル差分信号に加算し、最新のデジタル映像信号として出力する。ここで加算するフレーム遅延デジタル映像信号は、差分回路3において撮像素子2の出力信号から差し引いたフレーム遅延映像信号をD/A変換する前の信号に等しい。よって、差分回路3で得た差分信号を映像信号に復元することになる。
加算回路6で復元したデジタル映像信号は、映像信号として外部に出力されると同時に、遅延回路7に格納して(それまで格納されていた映像信号に置き換えられて)1フレーム遅延させた後、加算回路6におけるデジタル差分信号との加算演算に用いられる。また、D/A変換回路8でアナログ信号に変換した後、差分回路3に入力信号として与えられ、次フレームの撮像信号との差分演算に用いられる。
更に、加算回路6にて撮像信号として復元されたデジタル映像信号は積分回路9にも送られる。積分回路9では、フレーム毎に各画素の信号を積算した積算値を算出する。利得制御回路10は、積算回路9で算出した積算値を基に、可変利得増幅回路4を制御するための利得設定値を算出する。このとき利得設定値は、積分回路9で算出した各フレームの積算値が概ね一定となるような(即ち、フレーム相互間での差が十分に小さくなるような)値に設定する。
このように、撮像素子2が出力する撮像信号からフレーム遅延映像信号を差し引いた信号をA/D変換することで、撮像素子2が出力する撮像信号をそのままA/D変換する場合と比較し、A/D変換器5のダイナミックレンジを有効に利用することが出来る。
このとき、A/D変換器5には、撮像信号とフレーム遅延映像信号との差である差分信号が入力されるが、D/A変換器8には、差分信号にフレーム遅延の信号を加算し直した信号が入力される。よって、A/D変換器5の分解能をD/A変換器8の分解能よりも低くしておくことができ、A/D変換器5のダイナミックレンジを最大限活用して量子化誤差を十分に小さくすることができる。ここで、分解能はA/D変換器5の出力のビット数、或いはD/A変換器8の入力のビット数をnとしたとき2のn乗で与えられる数値であり、デジタル信号の値の数、言い換えるとステップ数を表す。例えば、固定パターンノイズの振幅(素子間のばらつきの変動幅)がRaであり、差分信号G5の変動幅がRcであれば、A/D変換器5の分解能R5と、D/A変換変換器8の分解能R8との間に、
R5/R8=Rc/Ra
の関係が成り立つようにすると無駄がない。変動幅Ra、Rcは、以下に図2(b)を参照して説明する。変動範囲Ra、Rcと同じものである。
次に、各信号レベルの大きさとA/D変換のダイナミックレンジの関係を図示しながら、本実施の形態で得られる効果について説明する。
図2(a)のグラフは、撮像素子2から出力された1ライン分の撮像信号の波形を示したものである。この撮像素子2には、図に示したように、被写体が放射する赤外線強度に応じて生じる温度変化に対して素子毎の出力のばらつきが非常に大きいという特徴がある。
図2(b)のグラフは、撮像素子2から出力された撮像信号G2のうちの符号WEで示す部分を横方向に拡大し、その期間における、遅延回路7から読み出されたフレーム遅延デジタル映像信号をD/A変換したフレーム遅延映像信号G8と、撮像信号G2とフレーム遅延映像信号G8の差である差分信号G3の関係を示した模式図である。横軸は、撮像素子上の各画素の位置(図2(b))又はそれに対応する時間(図2(a))を表し、縦軸は各信号のレベルである。
撮像素子2から出力された撮像信号を従来の技術によりA/D変換する場合、図2(b)の符号Raで示した範囲(固定パターンノイズの振幅、即ち素子間のばらつきの変動幅)内のレベルをA/D変換の有効ダイナミックレンジに割り当てることになる。
しかし、赤外線撮像素子においては、出力信号のレベルのうち、素子毎の出力ばらつき、すなわち固定パターンノイズが占める割合が比較的大きく、被写体の温度の違いによる出力信号の変動量が小さいため、A/D変換のダイナミックレンジが有効に利用出来ないという問題がある。
そこで、出力信号と1フレーム前の出力信号との差分をとり、固定パターンノイズに相当する成分を除いた信号をA/D変換すると、図2(b)の符号Rcで示した範囲(差分信号の変動幅)をA/D変換器5のダイナミックレンジに割り当てることになり、ダイナミックレンジを有効に活用することが出来、量子化のノイズが軽減されたデジタル映像信号を取得することが出来る。
図3は、撮像素子からの出力信号G2と、信号G2をそのままA/D変換して得られるデジタル映像信号G4の関係を示した模式図である。図2(b)の符号Raで示した広い範囲をA/D変換器5のダイナミックレンジに割り当てるため、量子化誤差が大きくなる。
図4は、差分信号G3と、差分信号G3をA/D変換したデジタル差分信号G5と、差分信号G3を算出する際に使用したフレーム遅延映像信号をD/A変換する前のフレーム遅延デジタル映像信号G7と、本実施の形態により得られるデジタル映像信号G6の関係を示した模式図である。
差分信号G3をA/D変換する際、図2(b)の符号Rcで示した狭い範囲をA/D変換のダイナミックレンジに割り当てているため、得られるデジタル差分信号G5の量子化誤差が小さくなる。その結果、デジタル差分信号G5にフレーム遅延デジタル映像信号G7を加算して得られるデジタル映像信号G6の量子化誤差も小さくなる。
本実施の形態では、可変利得増幅回路4と、それを制御するための積分回路9と利得制御回路10がある場合について説明しているが、差分回路3から出力される差分信号とA/D変換器5のダイナミックレンジの整合性が取れていれば、差分回路3の出力信号をそのままA/D変換しても差し支えない。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2の赤外線撮像装置の構成を表すブロック図である。
レンズ1、撮像素子2、及び、撮像素子2から出力される撮像信号からデジタル映像信号を生成するデジタル映像信号生成回路11は実施の形態1と同じものである。
タイミング生成回路16は、シャッタ12の開閉を制御するシャッタ動作タイミング信号をシャッタ制御回路15とフレームメモリ13に送る。
シャッタ制御回路15は、シャッタ動作タイミング信号に従い、レンズ1と撮像素子2の間にあるシャッタ12の開閉制御を行う。シャッタ12が閉じて遮蔽状態になると、外部からの赤外線の入力が遮断される。シャッタ12が開いて開放状態になると、レンズ1の前方にある被写体が放射する赤外線が入射する。遮蔽状態で取得した映像信号は遮蔽時デジタル映像信号としてフレームメモリ13に保存され、素子毎の特性の違いにより生じる感度のばらつきを補正するためのオフセット補正データとして用いられる。
フレームメモリ13は、遮蔽時デジタル映像信号Gaを保持しており、シャッタ動作タイミング信号に従い遮蔽時デジタル映像信号の更新を行う。例えば、シャッタ12が遮蔽状態の時には、フレームメモリ13はデジタル映像信号生成回路11から出力されるデジタル映像信号を取り込み、遮蔽時デジタル映像信号として保持する。シャッタ12が開放状態の時には、デジタル映像信号を取り込まず、遮蔽時デジタル映像信号の更新は行わない。
減算回路14では、シャッタ12が開放状態の時にデジタル映像信号生成回路11から出力される開放時デジタル映像信号から、フレームメモリ13に蓄積されている遮蔽時デジタル映像信号を減算し、出力信号を生成する。この減算処理により、固定パターンノイズを除去し、素子毎の特性の違いにより生じる感度のばらつきを補正する。
次に、図6(a)〜(i)に示すタイミングチャートを用いて処理手順の一例を説明する。図6(a)〜(i)でフレーム期間FP(0)、FP(1)、FP(2)、…はそれぞれ時刻t0、t1、t2、…に始まり、各フレーム期間の最初に垂直同期信号VDが発生される。図6(a)は、垂直同期信号VDを示し、図6(b)は、撮像装置の電源のオン、オフを示し、図6(c)は、シャッタ12の遮蔽、開放を示し、図6(d)の符号G2(n)(n=0、1、2、…)は、時刻tnで始まるフレーム期間FP(n)における撮像素子2の出力(撮像信号)を表し、図6(e)の符号G3(n)は、時刻tnで始まるフレーム期間FP(n)における差分回路3の出力(差分信号)を表し、図6(f)の符号G6(n)は、時刻tnで始まるフレーム期間FP(n)における加算回路6の出力(デジタル映像信号)を表し、図6(g)の符号G7(n)は、時刻tnで始まるフレーム期間FP(n)における遅延回路7の出力(フレーム遅延デジタル映像信号)を表し、図6(h)の符号Ga(n)は、時刻tnで始まるフレーム期間FP(n)におけるフレームメモリ13の出力(遮蔽時デジタル映像信号)を表し、図6(i)の符号Gc(n)は、時刻tnで始まるフレーム期間FP(n)における減算回路14の出力(補正されたデジタル映像信号)を表す。
図6(b)に示すように、時刻t0で撮像装置の電源が投入されたとする。すると、図6(c)に示すように、シャッタ12が閉じた状態で起動する。
時刻t0で始まるフレーム期間FP(0)に撮像素子が吸収した赤外線に応じた信号が、時刻t1で始まる、次のフレーム期間FP(1)に撮像信号G2(1)として出力される。
差分回路3は、遮蔽状態で取得した撮像信号G2(1)と、遅延回路7が保持しているフレーム遅延デジタル映像信号G7(1)をアナログに変換したフレーム遅延映像信号G8(1)の差をとり、差分信号G3(1)を生成する。
加算回路6は、デジタルに変換した差分信号G3(1)と、遅延回路7が保持しているフレーム遅延デジタル映像信号G7(1)と加算し、デジタル映像信号G6(1)を生成する。
減算回路14は、デジタル映像信号G6(1)とフレームメモリ13内に格納されている遮蔽時デジタル映像信号Ga(1)の差分を取り、補正されたデジタル映像信号Gc(1)を生成する。
ここで得られるデジタル映像信号G6(1)は、遅延回路に保持され、次のフレーム期間FP(2)の遅延デジタル映像信号G7(2)として用いられる。また、シャッタが遮蔽した状態の時に取得したデジタル映像信号なので、フレームメモリに格納され、フレーム期間FP(2)の遮蔽時デジタル映像信号Ga(2)として用いられる。
次に、時刻t2で始まるフレーム期間FP(2)ではシャッタが開放した状態になる。ここで出力される撮像信号G2(2)は、フレーム期間FP(1)にシャッタが遮蔽した状態で取得した信号なので、フレーム期間FP(1)と同様、デジタル映像信号G6(2)はフレームメモリ内に格納され、次のフレーム期間の遮蔽時デジタル映像信号Ga(3)として用いられる。その他の動作はフレーム期間FP(1)と同様である。
フレーム期間FP(3)以降で出力される撮像信号は、シャッタが開放した状態で取得した信号なので、フレームメモリの更新は行われない。
ここでは、電源を投入時に遮蔽時デジタル映像信号を取得する場合について説明したが、撮像装置の起動時に限らず、動作中に適宜取得して差し支えない。むしろ、撮像素子2の感度のばらつきは外界や装置の温度等によって変化するため、動作中にも遮蔽時デジタル映像信号を適宜更新したほうが良い。
図7(a)及び(b)、ならびに図8(a)〜(f)は上記の実施の形態2において遮蔽時デジタル映像信号を取得するために必要な時間を説明するための模式図である。
実施の形態2では、シャッタを遮蔽した状態で電源を投入した後、2フレームで遮蔽時デジタル映像信号の取得を終え、シャッタを開放して通常の撮像を開始している。しかし実際の回路においては、A/D変換器5の分解能およびレンジにより、有効な信号を得るまでに数フレーム待つ必要がある。以下、その詳細について説明する。
撮像素子からは、例えば図7(a)の様な0.0〜2.0Vの振幅を持つ撮像信号が出力される。ここでは説明をしやすくするため、図7(b)の様に簡略化した撮像信号を用いる。また、シャッタを遮蔽している間、撮像信号の変化は無いものとする。
遅延回路7に格納されているフレーム遅延デジタル映像信号G7の初期値はゼロとする。つまり、フレーム遅延デジタル映像信号G7をD/A変換器8によりアナログに変換したフレーム遅延映像信号G8の初期値もゼロとなる。
図8(a)〜(f)は、時刻フレーム期間FP(0)〜FP(5)、特にそれぞれのフレーム期間において信号処理が行われる時刻における、フレーム遅延デジタル映像信号G7、フレーム遅延映像信号G8、遮蔽時デジタル映像信号Ga、差分信号G3、デジタル差分信号G5の変化の様子を示した図である。フレーム遅延デジタル映像信号G7は10ビットデータで、D/A変換器8により0.0〜2.0Vに変換される。差分信号G3は撮像信号G2とフレーム遅延映像信号G8の差なので、−2.0〜2.0Vの範囲の値をとる。デジタル差分信号G5は差分信号G3を9ビットのA/D変換器5でA/D変換したもので、変換する際のレンジは1.0V、オフセットは−0.5V、即ち図9に示す入出力変換特性を有することとした。
フレーム期間FP(0)ではフレーム遅延映像信号の初期値がゼロなので、差分信号G3は図7(b)に示した撮像信号G2と同じになる。この差分信号G3をA/D変換器5によりA/D変換するとデジタル差分信号G5が得られる。しかし、ここでは、差分信号G3の振幅がA/D変換器5のダイナミックレンジに対して大き過ぎるため、差分信号G3が0.5Vを超えるので、デジタル差分信号G5は全ての値が511となる。
デジタル差分信号G5にフレーム遅延デジタル映像信号G7を加算するとデジタル映像信号G6が得られる。デジタル差分信号G5は、255が差分信号G3の値0に対応し、255よりも大きい値が差分信号G3の正の値に、255よりも小さい値が差分信号G3の負の値に対応する。
図8(a)〜(f)に示すように、加算回路6における数値計算では、フレーム期間FP(n)(nは、0〜4)のデジタル差分信号G5(n)を表すデジタル値と、フレーム遅延デジタル映像信号G7(n)を表すデジタル値を加算し、さら「255」を引くことにより、デジタル映像信号G6(n)を表すデジタル値を生成しており、このデジタル映像信号G6(n)がフレーム遅延デジタル映像信号G7(n+1)となり、したがって、次のフレーム期間FP(n+1)において、フレーム遅延デジタル映像信号G7(n+1)となる。数値計算において、「255」を引くのは、デジタル差分信号G5「255」が電圧値の「0V」に対応するためである。従って、255を超える場合、超える幅をフレーム遅延デジタル信号G7(n)に加算することになり、255を下回る場合には、下回る幅をフレーム遅延デジタル信号G7(n)から減算することになる。
デジタル映像信号G6は、遅延回路7に送られ、次のフレーム期間FP(1)のフレーム遅延デジタル映像信号G6(n)=G6(1)となる。フレーム期間FP(0)では、フレーム遅延デジタル映像信号G7(0)がゼロなので、フレーム期間FP(0)のデジタル差分信号G5(0)とフレーム期間FP(1)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(1)は同一となる。
デジタル映像信号G6(n)は、更に、フレーム期間FP(1)の遮蔽時デジタル映像信号Ga(n)としてフレームメモリ13に格納される。但し、この時点では、まだ、本来の遮蔽時デジタル映像信号は得られない。
フレーム期間FP(1)では、一様に「255」の値を持つフレーム遅延映像信号G7(n)と図7(b)に示した撮像信号G2の差を取るので、その結果0.0〜1.5の間で一律に変化する差分信号G3が得られる。
この結果をA/D変換すると、右側3分の2はA/D変換器のダイナミックレンジを超えているため、デジタル差分信号は511に張り付く。一方、左側3分の1は0.0〜0.5の間に納まっているため、デジタル差分信号は0.0Vに対応する255から0.5Vに対応する511の間で変化する。
フレーム期間FP(1)に得られたデジタル差分信号G5(1)に、フレーム期間FP(1)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(1)を加算し、フレーム期間FP(2)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(2)とする。この場合も、デジタル差分信号G5(1)は全て255を超えているため、超えている幅(0〜255の値)をフレーム期間FP(1)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(1)に加算することになる。
フレーム期間FP(2)でも同様に、フレーム遅延映像信号G7(2)=G6(1)と図7(b)に示した撮像信号G2の差を取る。その結果、差分信号G3の左側3分の1が0.0Vとなる。A/D変換器5は、−0.5〜0.5Vを0〜511に変換するため、デジタル差分信号G5(2)の左側3分の1が255となる。
フレーム期間FP(2)に得られたデジタル差分信号G5(2)に、フレーム期間FP(2)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(3)を加算し、フレーム期間FP(3)のフレーム遅延デジタル映像信号G7(3)とする。この場合、デジタル差分信号G5(2)の左側3分の1は0.0Vを示す255なので、フレーム遅延デジタル映像信号G7(2)には0を加算する。中央3分の1は255〜511の間で変化しているので、フレーム遅延デジタル映像信号G7(2)に0〜255の間で変化する値を加算する。右側3分の1は511に張り付いているので、フレームデジタル映像信号に255を加算する。
同様の処理を繰り返し行うと、フレーム期間FP(4)以降で図7(b)と同じレンジを持つ信号となり、その結果、遮蔽時デジタル映像信号Gaとして適切な信号がフレームメモリ13に格納される。
このように、A/D変換器5の分解能およびレンジにより、シャッタ12を遮蔽した状態で電源を投入した後、有効な遮蔽時デジタル映像信号Gaを得るまでに数フレーム掛かる。そこで、シャッタ12を遮蔽した状態で電源を投入した後、数フレーム待ち、有効な遮蔽時デジタル映像信号Gaが得られるようになった後に、シャッタ12を開放して通常の撮像を開始するのが望ましい。
この発明の実施の形態1の赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。 (a)および(b)は、撮像信号とフレーム遅延映像信号と差分信号の関係を示す模式図である。 撮像信号とデジタル映像信号の関係を示す模式図である。 差分信号とデジタル差分信号とデジタル映像信号とフレーム遅延デジタル映像信号の関係を示す模式図である。 この発明の実施の形態2の赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。 (a)〜(i)は、処理手順を示すタイミングチャートである。 (a)及び(b)は、撮像素子の出力波形の一例とそれを簡略化した波形を示す図である。 (a)〜(f)は、電源投入直後の信号波形の変化を示す図である。 A/D変換器5の入出力変換特性を示すグラフである。
符号の説明
1 レンズ、 2 撮像素子、 3 差分回路、 4 可変利得増幅回路、 5 A/D変換器、 6 加算回路、 7 遅延回路、 8 D/A変換器、 9 積分回路、 10 利得制御回路、 11 デジタル映像信号生成回路、 12 シャッタ、 13 フレームメモリ、 14 減算回路、 15 シャッタ制御回路、 16 タイミング生成回路。

Claims (7)

  1. 所定の波長域に感度を有する撮像手段と、前記所定の波長域成分を前記撮像手段の撮像面上で結像させる結像手段とを備えた赤外線撮像装置において、
    遮蔽状態にあるときに前記所定の波長域成分の前記撮像手段への入射を遮り、開放状態にあるときに前記所定の波長域成分を前記撮像手段へ入射させる遮蔽手段と、
    前記撮像手段から出力される撮像信号とフレーム遅延映像信号との差分をとり、該差分を表すアナログ差分信号を出力する差分手段と、
    前記差分手段から出力される前記アナログ差分信号をデジタル信号に変換してデジタル差分信号を出力するA/D変換手段と、
    前記A/D変換手段から出力される前記デジタル差分信号とフレーム遅延デジタル映像信号とを加算してデジタル映像信号を出力する加算手段と、
    前記加算手段から出力された前記デジタル映像信号を1フレーム期間保持して前記フレーム遅延デジタル映像信号を出力する遅延手段と、
    前記遅延手段から出力された前記フレーム遅延デジタル映像信号をアナログ信号に変換して前記フレーム遅延映像信号を出力するD/A変換手段と、
    前記遮蔽手段の前記遮蔽状態で取得した前記撮像信号に対応する前記デジタル映像信号を遮蔽時デジタル映像信号として保持する蓄積手段と、
    前記遮蔽手段の前記開放状態で取得した前記撮像信号に対応する前記デジタル映像信号から、前記蓄積手段に保持されている前記遮蔽時デジタル映像信号を差し引くことにより、補正されたデジタル映像信号を生成する減算手段と
    を備えたことを特徴とする赤外線撮像装置。
  2. 前記遮蔽手段を前記遮蔽状態又は前記開放状態にするためのタイミング信号を生成するタイミング生成手段と、
    前記タイミング信号に基づいて前記遮蔽手段を前記遮蔽状態又は前記開放状態に制御する遮蔽制御手段とをさらに備え、
    前記蓄積手段は、前記タイミング信号に基づいて、前記デジタル映像信号を前記遮蔽時デジタル映像信号として保持する
    ことを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像装置。
  3. 前記A/D変換手段の分解能は、前記D/A変換手段の分解能よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線撮像装置。
  4. 前記差分手段から出力される前記アナログ差分信号を利得設定値にしたがって増幅して前記A/D変換手段に供給する可変利得増幅手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
  5. 前記加算手段から出力された前記デジタル映像信号をフレーム単位で画素積分する積分手段と、
    前記積分手段から出力される積分値が概ね一定となるように前記利得設定値を制御する利得制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の赤外線撮像装置。
  6. 前記所定の波長域は、概ね8〜14マイクロメートル波長帯域であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
  7. 前記遮蔽手段が前記遮蔽状態にある間に、前記差分手段による前記アナログ差分信号の出力、前記A/D変換手段による前記デジタル差分信号の出力、前記加算手段による前記加算及び前記デジタル映像信号の出力、前記遅延手段による前記フレーム遅延デジタル映像信号の出力、及び前記D/A変換手段による前記フレーム遅延映像信号の出力を複数のフレーム期間繰り返し、その後に前記遮蔽手段を開放して、前記複数のフレーム期間繰り返した結果得られた前記遮蔽時デジタル映像信号を、前記遮蔽手段の前記開放状態で取得した前記撮像信号に対応する前記デジタル映像信号から差引くことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
JP2005341407A 2005-11-28 2005-11-28 赤外線撮像装置 Expired - Fee Related JP4726616B2 (ja)

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