JP2007150143A - 太陽電池の反射防止膜成膜方法、太陽電池および成膜装置 - Google Patents

太陽電池の反射防止膜成膜方法、太陽電池および成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】Hパッシベーション効果の高い太陽電池の反射防止膜の成膜方法、太陽電池および成膜装置を提供する。
【解決手段】反射防止膜を形成する前の基板311を基板ホルダ510にセットした後、基板ホルダ510を上方に移動して誘電体板505に近づける。そして、プロセスガス導入管507を通してHガスとArガスとをチャンバ501内に導入し、表面波励起プラズマPにより基板311の表面を1分間プラズマ処理する。プラズマ処理後、基板ホルダ510を下方に移動し、プロセスガス導入管507を通してNHガス、Arガスをそれぞれチャンバ501内に導入し、材料ガス導入管508を通してSiHガスをチャンバ501内に導入する。そして、表面波励起プラズマPにより基板311の表面に窒化シリコン層を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、太陽電池の反射防止膜成膜方法、太陽電池および太陽電池の反射防止膜を成膜する成膜装置に関する。
太陽電池は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する電子デバイスであり、人工衛星や腕時計、電卓の電源などに実用化されている。太陽電池は、基本的には、n型シリコンとp型シリコンという積層構成の半導体で構成されており、この半導体に光が当たると光電効果により電気が発生する。太陽電池は、太陽光を効率よく吸収するために、太陽電池の受光面を反射防止膜で被覆している。従来、この種の反射防止膜として、プラズマCVD法により、水素を含有する窒化シリコン膜を太陽電池の受光面に形成する技術が知られている(特許文献1)。また、太陽電池の反射防止膜である窒化シリコン膜中の水素が、太陽電池のシリコン基板に発生しているダングリングボンドを終端して太陽電池の効率を上げるHパッシベーション効果が知られている(特許文献2)。
特開2000−299482号公報 特開2003−273382号公報
特許文献1および特許文献2では、プラズマCVD法による成膜時の成膜条件によって窒化シリコン中の水素の濃度を調節する。このため、Hパッシベーション効果を高めるために窒化シリコン中の水素の含有量を大きくしようとすると、成膜時の反応ガス使用量が増加したり、成膜条件の制御が困難になるなど、生産性の低下をもたらすという問題点があった。
(1)請求項1の発明の太陽電池の反射防止膜成膜方法は、アルゴンガスおよび水素ガスのプラズマ、または窒素ガスのプラズマをシリコン基板表面に照射するプラズマ処理工程と、プラズマを照射したシリコン基板表面にプラズマを用いて窒化シリコン膜を形成する成膜工程とを有することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の太陽電池の反射防止膜成膜方法において、プラズマ処理工程におけるアルゴンガスおよび水素ガスのプラズマ、または窒素ガスのプラズマは表面波励起プラズマであることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の太陽電池の反射防止膜成膜方法において、プラズマ処理工程は、シリコン基板を280℃以上450℃以下で行うことを特徴とする。
(4)請求項4の発明の太陽電池は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の太陽電池の反射防止膜成膜方法によって反射防止膜を形成することを特徴とする。
(5)請求項5の発明の成膜装置は、チャンバ内に希ガスおよび反応性活性種となるガス、または希ガスを導入するプロセスガス導入手段と、チャンバ内に材料ガス、または材料ガスおよび反応性活性種となるガスを導入する材料ガス導入手段と、チャンバに設けられ、表面波を発生してプロセスガス導入手段によって導入されたガスの表面波励起プラズマを生成する誘電体板と、チャンバに設けられ、基板を保持する基板ホルダと、プロセスガス導入手段によって導入されたガスの表面波励起プラズマによって基板の表面をプラズマ処理するときは、基板ホルダと誘電体板との間の距離を第1の値とし、プロセスガス導入手段によって導入したガスの表面波励起プラズマと材料ガス導入手段によって導入した材料ガスとによって基板の表面に成膜しているときは、ホルダと誘電体板との間の距離を、第1の値より大きな値とする位置変更手段とを備えていることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載の成膜装置において、基板の表面をプラズマ処理するときは、プロセスガス導入手段によってアルゴンガスおよび水素ガス、または窒素ガスを導入し、基板の表面に成膜しているときは、基板の表面に成膜しているときは、材料ガス導入手段およびプロセスガス導入手段によってSi元素を含む材料ガス、材料ガスを窒化するガスおよび希ガスを導入することを特徴とする。
本発明によれば、反射防止膜の成膜前に、ArガスおよびHガスのプラズマ、またはNガスのプラズマによるプラズマ処理を行うので、Hパッシベーション効果を高めることができる。
以下、本発明の実施形態の太陽電池について、図1を参照しながら説明する。図1は、太陽電池の断面図である。太陽電池1は、p型シリコン基板層11、n型拡散層12、p裏面側不純物拡散層13、反射防止膜14、表面電極15、裏面電極16および半田層17,18から構成される。
p型シリコン基板層11は、ホウ素などの3価元素を微量に加えたシリコンからなる。p型シリコン基板層は単結晶でも多結晶でもよい。n型拡散層12は、n型のドーパントとしてリンをp型シリコン基板の表面に拡散することによって形成される。p型シリコン基板層11とn型拡散層12とによってpn結合を形成している。p裏面側不純物拡散層13は、p型のドーパントとしてアルミニウムをp型シリコン基板の表面に拡散することによって形成される。反射防止膜14には窒化シリコンが用いられ、表面電極15および裏面電極16にはAg電極が用いられる。
次に、本実施の形態の太陽電池の製造方法について、図2を参照しながら説明する。
ステップS201では、p型シリコン基板の表面に微細凹凸構造を形成するために表面処理を行う。アルカリ水溶液でエッチングする方法や反応性イオンエッチング法による方法などによって表面処理を行う。シリコン基板の表面に微細凹凸構造を形成することによってシリコン基板表面の光の反射を抑えることができる。ステップS202では、n型ドーパントをp型シリコン基板の表面から拡散し、n型拡散層12を形成する。n型ドーパントとしてリン(P)を使用する。POClを用いた気相拡散法、Pを用いた塗布拡散法、Pイオンを直接拡散させるイオン打ち込み法などにより、リンをp型シリコン基板の表面に拡散する。
ステップS203では、n型ドーパントを拡散したp型シリコン基板の一方の面のn型拡散層を除去するためにエッチング処理を行う。ステップS204では、エッチングしたp型シリコン基板の表面からp型のドーパントを拡散し、p裏面側不純物拡散層13を形成する。p型のドーパントとしてアルミニウム(Al)を使用する。エッチングしたp型シリコン基板の表面にAlペーストを塗布し、熱処理することによってアルミニウムをp型シリコン基板の表面に拡散する。
ステップS205では、水素雰囲気中で熱処理する。ステップS206では、表面波励起プラズマ装置を使用してn型拡散層12の表面をプラズマ処理する。ステップS207では、n型拡散層12の表面に反射防止膜14を形成する。反射防止膜は、表面波励起プラズマ装置を使用して形成する。ステップS208では、表面電極15および裏面電極16のパターニングを行う。パターニングは、Ag粉、バインダ、フリットからなるAgペーストをスクリーン印刷することによって行う。太陽電池の効率を高めるために電極はくし型パターンに形成される。ステップS209では、印刷したAgペーストを焼成し、電極を形成する。ステップS210で、半田ディップ法で半田層17、18を形成する。
次に反射防止膜14の成膜について詳細に説明する。
ステップS204の工程まで完了した太陽電池は、図3に示す反射防止膜形成装置301に搬送される。この太陽電池を、便宜上、単に基板311と呼ぶ。反射防止膜形成装置301では、基板311を熱処理した後、基板311をプラズマ処理し、その後、基板311の表面に反射防止膜14を形成する。
反射防止膜形成装置301は、チャンバ302、加熱室303、表面波励起プラズマ装置304、搬送室305から構成される。チャンバ302は、基板311の雰囲気を外気雰囲気から所定の雰囲気に置換する容器である。基板311が搬入されると、チャンバ内は真空排気され、その後、所定のガスが導入される。加熱室303は、基板311に窒化シリコン膜を形成する工程の前工程における熱処理装置である。表面波励起プラズマ装置304は、基板311の表面をプラズマ処理したり、表面に窒化シリコン膜を形成する装置である。搬送室305には、反射防止膜形成装置内で基板311を移動するための不図示の搬送装置が格納されている。この搬送装置は、チャンバ302から加熱室303へ、加熱室303から表面波励起プラズマ装置304へ、表面波励起プラズマ装置304からチャンバ302へ基板311を搬送する。図3中の矢印A〜Cは、基板311の移動を順に示す。
図3に示される加熱室303の詳細を、図4を参照しながら説明する。図4は、加熱室303の概略構成を示す断面図である。加熱室303は、ランプヒータ401、基板ホルダ402、プロセスガス導入管403および真空排気管404を備える。ランプヒータ401は、ランプヒータ401から発せられる赤外線によって試料ホルダ402に搭載された基板311を300℃〜450℃で約30分間加熱する。プロセスガス導入管403から加熱室303へHガスなどのプロセスガスが導入される。加熱室303の底板には真空排気管404が配設され、不図示の真空排気ポンプに接続している。プロセスガス導入管403を通して加熱室303内にガスを導入しながら真空排気管404により排気することによって、加熱室303内を一定の圧力に保持する。
図3に示される表面波励起プラズマ装置304の詳細を、図5を参照しながら説明する。図5は、表面波励起プラズマ装置の概略構成を示す断面図である。表面波励起プラズマ装置(以下、SWP装置という)は、表面波を利用して大面積に高密度のプラズマを容易に発生することができ、このプラズマは、表面波励起プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)と呼ばれる。
図5において、SWP装置304は、チャンバ501、マイクロ波導波管502、終端整合器503、スロットアンテナ504、誘電体板505、側面反射板506、プロセスガス導入管507、材料ガス導入管508、真空排気管509、基板ホルダ510および回転昇降装置511を備える。このSWP装置304は、その内部空間に生成する表面波励起プラズマPを利用して、基板ホルダ510に保持された基板311の表面に成膜する。基板ホルダ510は、回転昇降装置511により上下方向の移動と回転が可能であり、必要に応じて、成膜対象である基板の加熱、冷却、電界印加などが可能に構成される。
チャンバ501の上部には、石英、アルミナまたはジルコニアなどで作製された誘電体板505が設けられている。誘電体板505の上面に接して、マイクロ波導波管502が載置されている。誘電体板505と接するマイクロ波導波管502の底板には、長矩形の開口であるスロットアンテナ504が複数個設けられている。
プロセスガス導入管507および材料ガス導入管508から成膜ガスがチャンバ501内に導入される。成膜ガスのうち、プロセスガス導入管507から希ガスおよび反応性活性種の原料となるガス、または希ガスが導入され、材料ガス導入管508から材料ガス、または材料ガスおよび反応性活性種の原料となるガスが導入される。反応性活性種の原料となるガスとしては、Nガス、Oガス、Hガス、NOガス、NOガス、NHガスなどが用いられ、希ガスとしては、Arガス、Heガス、Neガス、Krガス、Xeガスなどが用いられる。また、材料ガスとしては、SiHガス、Siガスなどのシリコン薄膜あるいはシリコン化合物薄膜の成分であるSi元素を含むガスが用いられる。
チャンバ501の底板には真空排気管509が配設され、不図示の真空排気ポンプに接続している。プロセスガス導入管507、材料ガス導入管508からガスをチャンバ501内に導入しながら真空排気ポンプによる排気を行うことによって、チャンバ501内を所定圧力に保持することができる。
上記のように構成されたSWP装置304では、マイクロ波発生源から周波数2.45GHzのマイクロ波をマイクロ波導波管502内に伝搬させ、終端整合器503によってTE10モードの定在波Tを発生させる。そして定在波Tは、定在波Tの波長の間隔に設置したスロットアンテナ504から誘電体板505へ放射される。スロットアンテナ504から放射されたマイクロ波は誘電体板505の内部を伝播し、側面反射板506で囲われた範囲で固有の定在波を発生させる。そして表面波SWが誘電体板505表面に発生する。この表面波SWによって誘電体板505直下の成膜ガスが電離、解離されて表面波励起プラズマPが生成する。
表面波励起プラズマPは、誘電体板505表面とプラズマ境界面の間でエネルギーの授受が行われ、誘電体板505表面近傍のみに高エネルギーのプラズマが分布し、誘電体表面から離れるにしたがって指数関数的にエネルギーレベルが減少する。誘電体板505から200mm程度の距離ではイオンエネルギーは20ev以下となる。このように表面波励起プラズマPには高エネルギー領域と低エネルギー領域が発生するので、高エネルギー領域でラジカル生成を行い、低エネルギー領域に材料ガスを導入することによって、高効率ラジカル生成と、低ダメージ高速成膜が可能となる。
表面波SWは、誘電体板505の内面全域に拡がるので、表面波励起プラズマPもチャンバ501内で誘電体板505に対応した領域に拡がる。よって誘電体板505を拡張することで大面積対応が可能となる。この表面波励起プラズマPを利用して、反射防止膜形成前の基板311の表面をプラズマ処理したり、基板311上に反射防止膜14を成膜する。
次に、本発明の実施形態である太陽電池の反射防止膜の成膜方法を説明する。本発明の実施形態である太陽電池の反射防止膜成膜方法は図2のステップS206のプラズマ処理とステップS207の反射防止膜形成の工程とに対応する。
(1)プラズマ処理
反射防止膜形成前の基板311を、搬送室305の搬送装置によってSWP装置304の基板ホルダ510にセットして、チャンバ501内を0.01Pa程度の高真空に排気した。次に、図6に示すように、回転昇降装置511により基板ホルダ510を上方に移動して誘電体板505に近づけた。このときの誘電体板505と基板311の表面との間の距離を100mm以下とした。この距離内の領域は高エネルギー領域である。そして、真空排気しながらプロセスガス導入管507を通してHガスとArガスとを導入し、チャンバ501内の圧力を4.0Paに保持した。反射防止膜形成前の基板311の基板温度を280℃以上、450℃以下のうちの所定温度に設定した後、マイクロ波電力2.0kWのマイクロ波により表面波励起プラズマPを生成し、表面波励起プラズマPを基板311の表面に照射して1分間プラズマ処理した。このとき、Hガスのガス流量を50sccmとし、Arガスのガス流量を144sccmとした。
(2)窒化シリコン層の形成
プラズマ処理完了後、基板ホルダ510を下方に移動し、図5に示す位置に戻した。そして、チャンバ501内を再び0.01Pa程度の高真空に排気した。その後、真空排気しながら、プロセスガス導入管507を通してArガスを導入し、材料ガス導入管508を通してSiHガスおよびNHガスを導入し、チャンバ501内の圧力を4.0Paに保持した。基板温度を280℃以上、450℃以下の所定温度に設定した後、マイクロ波電力2.0kWのマイクロ波により生成した表面波励起プラズマPを反射防止膜形成前の基板311の表面に照射して約4分間の成膜を行い、厚さ約800オングストロームの窒化シリコン層14を形成した。このとき、SiHガスのガス流量は50sccm、NHガスのガス流量を60sccm、Arガスのガス流量を144sccmとした。これより、反射防止膜14を形成した基板311が得られた。
以上のように作製した窒化シリコン膜のHパッシベーション効果を調べるために、反射防止膜を形成した基板311に光輻射を行い、キャリヤのライフタイム試験を行った。Hパッシベーション効果の高い基板511では、シリコンのダングリングボンドの多くが水素と結合するため欠陥密度が小さくなるため、光照射によって生成した電子と正孔のライフタイムが長い。一方、Hパッシベーション効果の低い基板では、ダングリングボンドが多く存在するため欠陥密度が高く、光照射によって生成した電子と正孔はこれらの欠陥によってすぐに捕捉されるため、ライフタイムが短くなる。このため、ライフタイムを測定することによって、Hパッシベーション効果の程度を調べることができる。
プラズマ処理を行った反射防止膜形成後の基板311のライフタイムは100μsであった。一方、プラズマ処理を行わずに反射防止膜を形成した基板のライフタイムは50〜70μsであった。以上の結果より、窒化シリコンの反射防止膜を形成する前に、プラズマ処理を行うことによって、Hパッシベーション効果が高くなることがわかった。
反射防止膜形成前にプラズマ処理を行うとHパッシベーション効果が高くなる理由として、次のことが考えられる。プラズマ処理を行うと、基板311の表面の温度が上昇する。このため、窒化シリコンに含有している水素の熱拡散が促進され、Hパッシベーション効果が高くなったものと考えられる。なお、窒化シリコンの成膜でNHガスが用いられているので、窒化シリコンは水素を含有している。また、アルゴンガスと水素ガスのプラズマによってプラズマ処理するため、反射防止膜形成前の基板311の表面の水素濃度が非常に高くなる。そして、この表面の水素のアニーリングによってHパッシベーション効果が高くなったものと考えられる。
以上の実施形態による太陽電池の反射防止膜の成膜方法は次のような作用効果を奏する。
(1)表面波励起プラズマ装置304を使用して、HガスとArガスとのプラズマでシリコン基板(反射防止膜形成前の基板311)の表面をプラズマ処理した後、シリコン基板の表面に窒化シリコンの反射防止膜14を形成することによって、Hハッシベーション効果を高めることができる。また、450℃以下の低温でHのパッシベーション効果の高い窒化シリコン膜を形成することができる。さらに、約200オングストローム/分の速い成膜速度で反射防止膜を形成することができる。
(2)表面波励起プラズマ装置304の基板ホルダ510は上下方向に可動であるため、シリコン基板のプラズマ処理時にシリコン基板を高エネルギーのプラズマが分布している誘電体板505の表面に近づけることができる。したがって、効率よくプラズマ処理を行うことができる。そして、その後、誘電体板505からシリコン基板を離すことができるので、低ダメージ高速成膜が可能となる。
(3)表面波励起プラズマ装置304によって反応ガスは完全に解離するので、表面波励起プラズマ装置304の内部に付着する生成物の量は少ない。このため、表面波励起プラズマ装置304のクリーニングの頻度は少なくなる。また、表面波励起プラズマ装置304の内部の温度が低いので、クリーニング作業が可能となる温度に下がるまでに要する時間が短い。このためクリーニングをするために表面波励起プラズマ装置304を停止させる時間を短くすることができる。
(4)プラズマ処理に使用したプラズマ装置をそのまま用いて窒化シリコンを成膜するので、プラズマ処理と窒化シリコン層の形成とを効率よく行うことができる。
以上の実施の形態の太陽電池の反射防止膜の成膜方法を次のように変形することができる。
(1)プラズマ処理に表面波励起プラズマを使用したが、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、平行平板型プラズマまたは誘導結合プラズマ(ICP)などのプラズマを使用してもよい。
(2)プラズマ処理のときHガスとArガスをチャンバ501内に導入したが、窒素ガスを導入してもよい。窒素ガスのプラズマによっても窒化シリコンに含有している水素の熱拡散が促進され、Hパッシベーション効果が高くなる。
(3)表面波励起プラズマ装置304で窒化シリコン膜を形成する際、SiH、NH、Arガスを使用したが、SiH、NH、Nガスを使用してもよい。
(4)加熱室303で熱処理をする際、基板311の加熱にランプヒータ401を使用したが、ランプヒータ401の代わりにホットプレートやシースヒータを使用してもよい。
(5)平行平板型プラズマでプラズマ処理をする際、基板を電極に近づけるようにしてもよい。たとえば、プラズマ処理をする際は基板と電極との間の距離を50mmとしてもよい。
本発明の太陽電池の断面図である。 本発明の太陽電池の製造工程を示すフローチャートである。 本願発明の一実施形態である反射防止膜形成装置を説明する図である。 本願発明の一実施形態である加熱室を説明する図である。 本願発明の一実施形態である表面波励起プラズマ装置を説明する図である。 プラズマ処理をするときの表面波励起プラズマ装置を説明するための図である。
符号の説明
1 太陽電池
11 p型シリコン基板層
12 n型拡散層
13 p裏面側不純物拡散層
14 反射防止膜
15 表面電極
16 裏面電極
17,18 半田層
301 反射防止膜形成装置
302 チャンバ
303 加熱室
304 表面波励起プラズマ装置
305 搬送室
311 基板
501 チャンバ
505 誘電体基板
507 プロセスガス導入管
508 材料ガス導入管
510 基板ホルダ
511 回転昇降装置
P 表面波励起プラズマ
SW 表面波

Claims (6)

  1. アルゴンガスおよび水素ガスのプラズマ、または窒素ガスのプラズマをシリコン基板表面に照射するプラズマ処理工程と、
    前記プラズマを照射したシリコン基板表面にプラズマを用いて窒化シリコン膜を形成する成膜工程とを有することを特徴とする太陽電池の反射防止膜成膜方法。
  2. 請求項1に記載の太陽電池の反射防止膜成膜方法において、
    前記プラズマ処理工程におけるアルゴンガスおよび水素ガスのプラズマ、または窒素ガスのプラズマは表面波励起プラズマであることを特徴とする太陽電池の反射防止膜成膜方法。
  3. 請求項1または2に記載の太陽電池の反射防止膜成膜方法において、
    前記プラズマ処理工程は、前記シリコン基板を280℃以上450℃以下で行うことを特徴とする太陽電池の反射防止膜成膜方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の太陽電池の反射防止膜成膜方法によって反射防止膜を形成することを特徴とする太陽電池。
  5. チャンバ内に希ガスおよび反応性活性種となるガス、または希ガスを導入するプロセスガス導入手段と、
    前記チャンバ内に材料ガス、または材料ガスおよび反応性活性種となるガスを導入する材料ガス導入手段と、
    前記チャンバに設けられ、表面波を発生して前記プロセスガス導入手段によって導入されたガスの表面波励起プラズマを生成する誘電体板と、
    前記チャンバに設けられ、基板を保持する基板ホルダと、
    前記プロセスガス導入手段によって導入されたガスの表面波励起プラズマによって前記基板の表面をプラズマ処理するときは、前記基板ホルダと前記誘電体板との間の距離を第1の値とし、前記プロセスガス導入手段によって導入したガスの表面波励起プラズマと前記材料ガス導入手段によって導入したガスとによって前記基板の表面に成膜しているときは、前記ホルダと前記誘電体板との間の距離を、第1の値より大きな値とする位置変更手段とを備えていることを特徴とする成膜装置。
  6. 請求項5に記載の成膜装置において、
    前記基板の表面をプラズマ処理するときは、前記プロセスガス導入手段によってアルゴンガスおよび水素ガス、または窒素ガスを導入し、
    前記基板の表面に成膜しているときは、前記材料ガス導入手段および前記プロセスガス導入手段によってSi元素を含む材料ガス、前記材料ガスを窒化するガスおよび希ガスを導入することを特徴とする成膜装置。
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