JP2007149285A - 光ディスク記録・再生装置及びそのフォーカスサーボ制御方法 - Google Patents

光ディスク記録・再生装置及びそのフォーカスサーボ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録面上にランドとグルーブを形成した光ディスクに情報を記録/再生する際のL/G切替部による記録・再生品質の低減を解消する技術を提供する。
【解決手段】情報記録面上に形成されたランド及びグルーブによりトラックを螺旋状に形成してなる光情報記録媒体に対して、切替部を介して、ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへ、光スポットを移動して、情報を記録又は再生するための光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法において、ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへの切替部の出現より所定の時間だけ以前から開始する領域において、フォーカスオフセット量を、ランド又はグルーブのためのオフセット量からグルーブ又はランドのためのオフセット量へ徐々に切り替える。
【選択図】図4

Description

本発明は、その記録面にランドとグルーブランド(Land)とグルーブ(Groove)を形成してなる光ディスクに対して情報の記録及び再生が可能な光ディスク記録・再生装置とそのサーボ制御方法に関し、特に、CAVやZCAVのように、その半径位置によらず回転速度が一定であるディスク速度を前提とし、高速で情報記録や再生を行なっても、安定で高品質の記録・再生を実現するフォーカスサーボ制御方法と、かかる方法を採用した光ディスク記録・再生装置に関するものである。
CDやDVD等に代表される円板状の光情報記録媒体である光ディスクは、非接触、大容量かつ低コストで、高速にデータアクセスを可能とする情報記録媒体として、例えば、デジタルオーディオデータやデジタル動画データの記録/再生、更には、パーソナルコンピュータのデータ記録媒体として、幅広く利用されており、特に、近年においては、例えば、DVD−RAM(Digital Versatile Disc of Random Access Memory Type)のような、所謂、書換型の光ディスクも広く利用されてきている。
かかるDVD−RAMディスクでは、記録層としてオーバーライトが可能な相変化型の媒体を使用しており、また、その記録容量を向上させる目的から、グルーブのみならず、グルーブとグルーブの間のランド上にも記録・再生を可能とし、即ち、1回転毎にランドとグルーブが交互に表れるシングルトラックフォーマットを採用している。
一方、かかる光情報記録媒体を記録又は再生する光ディスク記録・再生装置では、グルーブとランドでは、その最適フォーカスオフセットが相違していることから、光ピックアップで記録又は再生を行う場合、グルーブとランド間の切替位置において、フォーカスオフセットを切替える操作を行っている。
ところで、近年、DVD−RAMドライブの高速化が進展に伴って、光ピックアップから照射されたレーザスポットがグルーブとランド間の切替位置を通過する時間も短縮されてきている。そのため、この切替位置でのフォーカスオフセットの切替えを行うために必要な、光ピックアップのフォーカスアクチュエータの応答速度を確保することが困難となり、特に、8倍速以上の高速記録又は高速再生では、記録又は再生される情報の品質劣化を生じるという問題を生じていた。
これに対し、従来、例えば、以下の特許文献1には、グルーブ/ランド間の切替位置においてフォーカスオフセットを切り替える際の改良として、グルーブの最適フォーカスオフセット(Gopt)、或いは、ランドの最適フォーカスオフセット(Lopt)に所定量の補正を加え、もって、これらGoptとLoptとの差を小さくする技術が開示されている。
また、以下の特許文献2では、フォーカスオフセットの切替えに伴う再生信号の劣化に対し、光ディスクからのRF信号をブーストする等化手段と、前記等化手段からの信号に基づきデータ復調を行う復調手段を設ける技術が開示されている。
特開2002−319155号公報 特許第3661623号
上述したように、上記の従来技術では、その半径位置によらず回転速度が一定であるディスク速度(可変速)を前提としてはおらず、そのため、かかるディスクの可変速度による記録又は再生される情報の品質劣化を十分に防止することは不可能であった。加えて、当該ディスクの可変速度による回転速度の変動(短縮)は、ディスク回転速度が高速化すればするほど著しくなることから、記録又は再生速度に合わせた対応速度を必要とするが、しかしながら、上述した従来技術では、かかるディスクの可変速に追随することは困難であった。
そこで、本発明では、上述した従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、CAVやZCLVのように可変速を前提としながらも、近年におけるドライブの高速化に伴う高速記録又は高速再生にもかかわらず、グルーブ/ランド間の切替位置においても、十分な信号の再生や記録が可能であり、もって、安定で高品質の記録・再生を実現するフォーカスサーボ制御方法と、かかる方法を採用した光ディスク記録・再生装置を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、まず、情報記録面上に形成されたランド及びグルーブによりトラックを螺旋状に形成してなる光情報記録媒体に対して、切替部を介して、ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへ、光スポットを移動して、情報を記録又は再生するための光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法であって、前記ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへの切替部の出現より所定の時間だけ以前から開始する領域において、フォーカスオフセット量を、ランド又はグルーブのためのオフセット量から、グルーブ又はランドのためのオフセット量へ、徐々に、切り替える光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法を提供する。
また、本発明によれば、やはり上記目的を達成するため、情報記録面上に形成されたランド及びグルーブによりトラックを螺旋状に形成してなる光情報記録媒体を装着して情報を記録又は再生が可能な光ディスク記録・再生装置であって、当該光情報記録媒体を回転駆動する回転駆動手段と、当該回転駆動手段により回転駆動される前記光情報記録媒体の情報記録面に対向して配置され、その半径方向に移動可能な光ヘッド装置と、前記光ヘッド装置を駆動するための駆動手段と、少なくとも、当該装置の前記回転駆動手段や前記駆動手段を制御するためのシステム制御手段とを備えた光ディスク記録・再生装置であって、前期光情報記録媒体に対し、切替部を介して、ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへ、前記光ヘッド装置光スポットをサーボ制御により移動して、情報を記録又は再生するものにおいて、前記システム制御手段は、前記ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへの切替部の出現より所定の時間だけ以前から開始する領域において、フォーカスオフセット量を、ランド又はグルーブのためのオフセット量から、グルーブ又はランドのためのオフセット量へ、徐々に、切り替える光ディスク記録・再生装置を提供する。
なお、本発明によれば、上述した方法及び装置において、前記オフセット量の切り替えを行う領域の開始位置を、前記切替部の出現に対して時間的に一定にすることが好ましく、又は、前記光情報記録媒体の倍速に応じて設定し、又は、前記切替部の出現により切り替えるフォーカスオフセットの差量に応じて設定し、又は、切替部の出現より以前となるように設定することが好ましい。
以上のように、本発明になるフォーカスサーボ制御方法によれば、グルーブの最適フォーカスオフセット(Gopt)とランドの最適フォーカスオフセット(Lopt)との間の切り替を、ディスク回転速度に合わせて徐々に行うことにより、高速化への対応と可変速への対応の両立を実現し、更には、かかる方法を採用することにより、安定で高品質の記録・再生を実現することの可能な光ディスク記録・再生装置を提供することが可能となるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1は、本発明の一実施の形態になる光ディスク記録・再生装置の概略構成を示す図であり、特に、本発明になるフォーカスサーボ制御方法を実施するための構成要素を中心として示したブロック図である。
図において、符号1は、例えば、DVD−RAMに代表されるように、その記録面上に螺旋状にランド(Land)とグルーブ(Groove)を形成した光情報記録媒体を示す。この円盤状の情報記録媒体である光ディスク1は、回転駆動手段であるスピンドルモータ4の回転軸の先端に取り付けられたターンテーブル等の保持部材によって装着される。なお、このスピンドルモータ4は、所謂、CAVやZCAVの制御方式により、光ディスク1の半径方向における位置よらず、その回転速度が一定となる。
このように、所定の回転速度で回転駆動される光ディスク100の情報記録面(図の下面)に対向して、光ヘッド2が、ここでは図示しないが、例えば、モータ、スライドレール、ラックアンドピニオン等から構成されるスレッド機構によって、ディスクの半径方向に移動可能に設けられている。なお、この光ヘッド2は、図示しないが、例えば、半導体レーザなど、その内部に備えた光源からのレーザビームを、対物レンズを含む光学系を介して、上記光ディスク1の情報記録面へ照射する。その後、その反射光を、やはり、上記対物レンズを含む光学系を介して、例えば、フォトトランジスタ等から構成される光検出器に入射する。これにより、この光検出器は、受光した光を電気信号に変換し、当該電気信号を出力する。即ち、光ヘッド2の上記光検出器からの電気信号は、フォーカス誤差信号検出回路7、トラッキング誤差信号検出回路6、更には、レーザパワー制御・駆動回路5へ入力される。また、光ディスク1の情報記録面に形成されたピットにより変調された反射光は、やはり上記光検出器により電気信号に変換された後、再生信号復調回路16へ入力されて復調される(RF信号)。
また、上述した光ヘッド2は、図のフォーカス制御回路14やフォーカス系駆動回路15を介して、その対物レンズを、図示しないアクチュエータ(例えば、ボイスコイル等)により、上記光ディスク1の情報記録面に対して垂直方向に移動して、所謂、フォーカス制御を行なう。そして、図のトラッキング制御回路10やトラッキング駆動回路11を介して、光ヘッド2のトラッキング(ディスクの半径)方向の位置を制御する。なお、これらのトラッキング制御回路10やトラッキング駆動回路11、上記フォーカス制御回路14やフォーカス系駆動回路15、更には、上記レーザパワー制御・駆動回路5は、例えば、CPU(中央演算処理装置)等により構成される装置制御回路20によって、その動作が制御される。
より具体的には、図からも明らかなように、上記再生信号復調回路16の出力は、復調したRF信号からアドレスを復調するアドレス復調回路17へ入力され、その出力(アドレス信号)は、光ディスク1(DVD−RAM)の情報記録面において、その1回転毎に交互に表れるランドとグルーブ間の切替(L/G切替)位置においてフォーカスオフセットを制御するためのオフセット制御回路19へ入力される。なお、このオフセット制御回路19も、上記他の制御・駆動回路と同様に、CPU(中央演算処理装置)等により構成される装置制御回路20によって、その動作が制御されることとなる。
また、光ヘッド2からの電気信号から上述したフォーカス誤差信号検出回路7によって検出されたフォーカス誤差信号(FE信号)は、そのゲインを必要に応じて増減するフォーカスゲイン可変回路12を介して、上記オフセット制御回路19からの出力と共に、フォーカスオフセット可変回路13へ入力され、更に、上記のフォーカス制御回路14やフォーカス系駆動回路15を介して光ヘッド2へ供給される。これにより、対物レンズを駆動してフォーカスオフセットを調整すると共に、L/G切替位置でのフォーカスオフセットを切替える操作を行っている。
更に、光ヘッド2からの電気信号から上述したトラッキング誤差信号検出回路6によって検出されたトラッキング誤差信号(TE信号)は、そのゲインを必要に応じて増減するトラッキングゲイン可変回路8を介して、やはり上記オフセット制御回路19からの出力と共に、トラッキングオフセット可変回路9へ入力され、更に、上記のトラッキング制御回路10やトラッキング駆動回路11を介して光ヘッド2へ供給される。これにより、対物レンズを含めた光ヘッド2を駆動してディスク半径方向にその位置を調整すると共に、L/G切替位置では、ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへ交互に切り替えながらトラッキングを行なう。
次に、上記にその構成を示した光ディスク記録・再生装置により実施される本発明になるフォーカスサーボ制御方法について説明するが、まず、本発明になるフォーカスサーボ制御方法の原理について、以下に、詳細に説明する。
一般に、フォーカス焦点位置が適性な位置から外れることで、ディスク面上のスポット形状は、トラックに対して水平な方向に広がったり、又は/及び、トラックに対して垂直な方向に広がったりする。水平方向に広がると、再生においては再生信号の高周波数振幅が低下してしまい、再生エラーレートが増加する。一方、記録時では、適正時に比べ、記録マーク幅を形成するための記録パワーが低下する。また、垂直方向に広がると、再生時においては、隣接するトラックの再生信号が漏れ込んで(クロストーク)しまい、再生エラーレートが増加する。一方、記録時では、場合によっては、隣接するトラックの記録マークを消去して(クロスイレーズ)しまうことが発生し、隣接トラックの記録信号品質を劣化させる原因となる。
添付の図2を参照し、ランドとグルーブとの物理的な差異は、一般的に、その焦点位置において、60〜70nm程度の段差ある。しかしながら、各々再生エラーレートが最小になるように調整されるため、これらの間により大な差が生じることがある。これは、主にスポット形状の不均一(ばらつき)によるものであり、また、各種の収差の影響でも変わる。特に、本発明が関連するDVD−RAMにおいては、対物レンズから離れて位置するグルーブの方が、手前に位置するランドよりも、クロストークの影響を受け易い構造となっているため、対物レンズは、グルーブに対して垂直方向に広がらない焦点位置に調整されやすい。なお、記録時には、符号間干渉を小さくするため、光スポットの水平方向の幅を狭めるように調整する場合もある。
そのため、ランドとグルーブのフォーカス焦点位置が大きく離れている場合には、光ヘッド2は、例えば慣性を理由として、直に応答することは出来ず、上記のL/G切替部が現れた直後においては、記録面上のトラックに記録されるユーザデータは、その先頭部が不適正なフォーカス焦点位置にある状態となってしまう。そのため、実質的に、記録パワーが増減してしまい、その記録品質が悪くなる。更に、再生時においては、空間周波数特性がその再生系の周波数特性に対して不適正になってしまうことから、再生エラーレートが増加する。なお、このデータの先頭部には、再生系の動作の基準となる信号情報が記録される、所謂、VFO(Voltage Frequency Oscillation)領域があり、この部分が適正に再生できない場合には、そのVFO領域の部分だけではなく、そのVFO領域を先頭とする1セクタの全てがエラーとなってしまい、エラーが増大することとなる。
即ち、DVD−RAMにおいては、ディスクに予め記録されているアドレス情報を有するPID部と、ユーザが情報を記録するためのユーザデータ(USER_DATA)部とがある。そして、これらPID部とユーザデータ(USER_DATA)部とが対になって、所謂、セクタを形成しており、更に、記録再生の単位である1ブロック(block)を16個のセクタで形成している。なお、各々の領域の信号は位相が異なっており、そのため、各々の部分のデータ(DTAT)を再生し復調するためには、各々の信号を二値化した信号を、PLL(DATA_PLL)によって各々の信号に同期したクロック(CLK)を生成し、この生成したCLKで弁別を行い、そして、このCLKに同期化した二値化処理により生成することが必要となる。
なお、上記のPID部とユーザデータ(USER_DATA)部とは、別々に、PLL(DATA_PLL)を引込む必要があり、そのため、それぞれの先頭部分には、例えば、4T−4Tパターンの繰り返しから構成されるVFO(Voltage Frequency Oscillation)領域が設けられている。しかしながら、このVFO領域は、ユーザデータ部での記録容量を確保するため、数十バイト(Byte)しか確保されておらず、また、PLL(DATA_PLL)は高速で引込みを行うため、このVFO領域では、ユーザデータ(USER_DATA)部を含むデータ(DATA)領域と比較して、より高ゲインで動作を行うのが一般である。そのため、このVFO領域での記録品質が悪い場合には、位相変動が大きくなり、そのため、PLL(DATA_PLL)の引込みに時間がかかり、又は、引込みが不可能になったりする事態も発生する。また、この引込みに時間がかかると、記録品質が良好な部分に移動しても、なお、その再生エラーレートが劣化してしまう。そして、PLL(DATA_PLL)が引込めなかった場合には、そのセクタの全てが再生エラーとなり、エラーが大きく増大してしまう。
そこで、本発明では、上記に詳述した発明者等による検討・知見に基づいて達成されたものであり、DVD−RAMドライブの高速化検討において、特に、8倍速以上の高速記録又は再生を行った場合、ディスクのグルーブとランド間の切替部の直後におけるVFO領域が再生できずに、1セクタが全てエラーとなるとの問題点を解決するため、グルーブの最適フォーカスオフセット(Gopt)からランドの最適フォーカスオフセット(Lopt)へ、又は、ランドの最適フォーカスオフセット(Lopt)からグルーブの最適フォーカスオフセット(Gopt)への切替を、ディスクの回転速度に合わせて、段階的に行うことにより、高速化への対応と可変速への対応の両立を図るものである。
続いて、添付の図4のフローチャートを参照しながら、本発明になるフォーカスサーボ制御方法について以下に説明する。なお、焦点位置の可変方法としては、直流電圧を印加するオフセット電圧可変方式と、フォーカスエラー信号を形成する際にPICからの2つの信号を差分してその差分比率を変えるバランス可変方式とがあるが、以下の説明では、本発明では分かりやすいようにフォーカスオフセットを可変する方式として説明する。
なお、以下の処理は、L/G切替部が現れる1セクタ前の位置(処理開始位置)を検出することによって開始され、上記装置制御回路20を構成するCPU(中央演算処理装置)により実行される。また、このL/G切替部の検出は、例えば、添付の図6にも示すように、上記スピンドルモータ4から出力される回転に同期したFG信号を利用することによれば、装置に光ディスクを装着した後のL/G切替部の検出を、FG信号のパルスに対応して記憶しておくことにより、容易に検出可能である。なお、本例では、ディスク1回転毎に12個のパルスが出力される例が示されており、パルスFG[2]の対上がりにより、L/G切替部を検出することが出来る。そして、この検出可能なL/G切替部に基づいて1セクタ前の位置(処理開始位置)を予測することによれば、容易に、上記処理開始位置を得ることが可能となる。
次に、上記の処理開始位置の検出により処理が開始されると、まず、その時点(例えば、ランド)におけるフォーカスオフセット量(Lopt)を読み出し、また、L/G切替部が現れた後(この例では、グルーブ)におけるフォーカスオフセット量(Gopt)を読み出す(S11)。そして、L/G切替部の出現に伴って変更すべきフォーカスオフセット量(フォーカスオフセット変更パターン)を、その変動量が徐々に変化するように設定する(S12)。なお、本例では、添付の図5にも示すように、4段階に、徐々に変化するように設定した例が示されている。そして、次に出現するL/G切替部から、所定の時間(Δt)だけ以前の時点を算出する(S13)。なお、この所定の時間(Δt)は、光ヘッド2の応答速度などに応じて設定され、また、これらの算出した設定値などは、例えば、上記装置制御回路20を構成するメモリに、一旦、記憶してもよい。
その後、上記所定の時間(Δt)だけ前の時点を検出すると(S14)、上記で設定したフォーカスオフセット変更パターンに従って、フォーカスオフセットを徐々(本例では、段階的に)フォーカスオフセットを切り替え(図4の中央部に示すフォーカスオフセット信号を参照)、一連の処理を終了する。なお、上記所定の時間(Δt)だけ前の時点は、光ディスクの回転に同期した信号、例えば、その回転数にほぼ一致した周波数でディスクのグルーブをウェイブ(蛇行)して記録してあるウォブル(wobbble)信号を二値化した信号、又は、その信号に同期したクロック(wobble_CLK)信号をカウントすることによって決定することが出来る。なお、このように、ディスクの回転数によって変動する信号を用いるのは、装置が回転数に同期した信号を基準にして、L/G切り替え信号など、各部の制御用を形成しているためであり、その演算や発生タイミングが制御し易いことによる。
以上のように、ランドからグルーブ(又は、グルーブからランド)へ切り替る際、そのフォーカスオフセットが徐々に(段階的)に切り替わるようにしておくことによれば、切替部でのフォーカスエラー信号は、添付の図5の下から2段目にも示すように、上記所定の時間(Δt)だけ前の時点から徐々に変動(上昇する)が、しかしながら、切替部が出現した際のフォーカスエラー信号の変動をより小さく、即ち、切替部でのフォーカスエラー信号の変動量を低減することが出来る。そして、このことによれば、図5の最下段に示すように、得られるPLL(DATA_PLL)位相誤差電位は、ランドとグルーブ間の切替部の出現によっても変動(増加)することなく、再生エラーレートを低く確保することが可能となる。また、図の波形からも明らかなように、得られるRF信号の先頭部のレベルも大きく確保することが出来ることから、確実に、PLL(DATA_PLL)が引き込めることとなる。
但し、上述したCAVやZCAVの方式で記録再生する場合には、ディスクの半径位置に関わらず時間が一定となるように、その位置に応じてカウント数を可変する必要がある。つまり、ディスクの内周から外周に向かって、外周側でのカウント数を内周側に比較してより多くなるように設定する必要がある。そこで、ゾーン(Zone)と所定の時間(Δt)との関係を、例えば、添付の図7に、或いは、以下の表1に示すように設定すればよい。なお、この関係は、予め、上記装置制御回路20を構成するメモリに記憶しておくことにより、上記所定の時間(Δt)をディスクの半径位置に関わらず、一定とすることが出来る。
また、上記の例では、上記フォーカスオフセットは、ランドとグルーブ間の切替部の以前に徐々(段階的)に変化を完了するものとして説明したが、しかしながら、本発明では、これに代えて、例えば、切替部の前に変化するオフセットの変化量を、その半分程度とし、残りを当該切替部の後に変化するように設定することも可能である。即ち、切替部を前後に渡ってフォーカスオフセットを徐々に変化させることによっても、上記と同様の効果を得ることが出来ることによる。
加えて、上記の所定の時間(Δt)は、ランドでのフォーカスオフセット(Lopt)とグルーブでのフォーカスオフセット(Gopt)との差異に応じて設定することも可能であり、これによれば、不適正なオフセットで記録・再生を行なう領域(即ち、フォーカスオフセットを徐々に変化させる領域)を最小にすることが出来、より高品質の情報の記録・再生を可能にすることが出来る。なお、上記は、各データ(USER_DATA)領域の先頭部分と最後の部分にはGrard領域と呼ばれる、オーバライト(Overwrite)動作を繰り返すと発生する流動によって記録膜が劣化することを想定した、使用しなくても良い部分が存在することから、その領域内ではオフセットが不適正でもかまわないことによる。そのため、オフセットの差異量が小さい場合にはL/Gの切替え以前の位置を(即ち、Δt)を、L/G切替部に近い位置に(Δtを小さく)しても良い。
同様に、オフセットの差異量が小さい場合には、L/G切替部において切り替えるオフセット量(即ち、グルーブの最適フォーカスオフセット(Gopt)とランドの最適フォーカスオフセット(Lopt)との差)を小さくしてもよい。このようにオフセットの差異量に応じて、可変を開始する位置や量を適正化することによれば、記録又は再生に必要な領域におけるオフセットが不適正な領域を最小限に抑制することが可能になる。
本発明の一実施の形態になる光ディスク記録・再生装置の概略構成を示すブロック図である。 上記光ディスク記録・再生装置により情報を記録又は再生する光ディスクの記録面のランドとグルーブの構造と光スポットについて説明する図である。 フォーカス動作時における上記光ディスク記録・再生装置の各部の信号波形を示す図である。 本発明のフォーカスサーボ制御方法の詳細を説明するためのフローチャート図である。 本発明のフォーカスサーボ制御方法によるフォーカス動作時における光ディスク記録・再生装置の各部の信号波形を示す図である。 光ディスク記録・再生装置においてL/G切替部の出現以前の位置(処理開始位置)を検出する方法の一例を示す、FG信号の波形を含む図である。 上記フォーカスサーボ制御方法において使用されるゾーン(Zone)と所定の時間(Δt)との関係の一例を示す図である。
符号の説明
1…光情報記録媒体(光ディスク)
4…スピンドルモータ
2…光ヘッド
19…オフセット制御回路
13…フォーカスオフセット可変回路
14…フォーカス制御回路
15…フォーカス系駆動回路
18…L/G切替制御回路

Claims (10)

  1. 情報記録面上に形成されたランド及びグルーブによりトラックを螺旋状に形成してなる光情報記録媒体に対して、切替部を介して、ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへ、光スポットを移動して、情報を記録又は再生するための光ディスク記録・再生装置のサーボ制御方法であって、
    前記ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへの切替部の出現より所定の時間だけ以前から開始する領域において、フォーカスオフセット量を、ランド又はグルーブのためのオフセット量から、グルーブ又はランドのためのオフセット量へ、徐々に、切り替えることを特徴とする光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法。
  2. 前記請求項1に記載した方法において、前記オフセット量の切り替えを行う領域の開始位置を、前記切替部の出現に対して時間的に一定にしたことを特徴とする光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法。
  3. 前記請求項1に記載した方法において、前記オフセット量の切り替えを行う領域の開始位置を、前記光情報記録媒体の倍速に応じて設定することを特徴とする光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法。
  4. 前記請求項1に記載した方法において、前記オフセット量の切り替えを行う領域の開始位置を、前記切替部の出現により切り替えるフォーカスオフセットの差量に応じて設定することを特徴とする光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法。
  5. 前記請求項1に記載した方法において、前記オフセット量の切り替えを行う領域の終了位置を、切替部の出現より以前となるように設定することを特徴とする光ディスク記録・再生装置のフォーカスサーボ制御方法。
  6. 情報記録面上に形成されたランド及びグルーブによりトラックを螺旋状に形成してなる光情報記録媒体を装着して情報を記録又は再生が可能な光ディスク記録・再生装置であって、当該光情報記録媒体を回転駆動する回転駆動手段と、当該回転駆動手段により回転駆動される前記光情報記録媒体の情報記録面に対向して配置され、その半径方向に移動可能な光ヘッド装置と、前記光ヘッド装置を駆動するための駆動手段と、少なくとも、当該装置の前記回転駆動手段や前記駆動手段を制御するためのシステム制御手段とを備えた光ディスク記録・再生装置であって、前期光情報記録媒体に対し、切替部を介して、ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへ、前記光ヘッド装置光スポットをサーボ制御により移動して、情報を記録又は再生するものにおいて、
    前記システム制御手段は、
    前記ランドからグルーブへ、又は、グルーブからランドへの切替部の出現より所定の時間だけ以前から開始する領域において、フォーカスオフセット量を、ランド又はグルーブのためのオフセット量から、グルーブ又はランドのためのオフセット量へ、徐々に、切り替えることを特徴とする光ディスク記録・再生装置。
  7. 前記請求項6に記載した装置において、前記システム制御手段は、前記オフセット量の切り替えを行う領域の開始位置を、前記切替部の出現に対して時間的に一定にしたことを特徴とする光ディスク記録・再生装置。
  8. 前記請求項6に記載した装置において、前記システム制御手段は、前記オフセット量の切り替えを行う領域の開始位置を、前記光情報記録媒体の倍速に応じて設定することを特徴とする光ディスク記録・再生装置。
  9. 前記請求項6に記載した装置において、前記システム制御手段は、前記オフセット量の切り替えを行う領域の開始位置を、前記切替部の出現により切り替えるフォーカスオフセットの差量に応じて設定することを特徴とする光ディスク記録・再生装置。
  10. 前記請求項6に記載した装置において、前記システム制御手段は、前記オフセット量の切り替えを行う領域の終了位置を、切替部の出現より以前となるように設定することを特徴とする光ディスク記録・再生装置。
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