JP2007146588A - 剥落防止工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリートの劣化や、地盤変化等によるコンクリート構造物のひび割れや崩壊が懸念されている。繊維シートと樹脂による補強方法が知られているが、さらに、施工後の耐用環境温度範囲内、つまり、−30℃〜50℃においても十分な性能を発揮する剥落防止工法を提供すること。
【解決手段】接着剤を塗布する工程、補強オレフィン系繊維シートを貼り着ける工程を含む剥落防止工法において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張カの被補強面側を25mN/m以上、45mN/m以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば鉄筋コンクリート構造(以下RC構造)、PC構造、PRC構造、SRC構造等の補強工法に関する。
従来、コンクリート構造物は、コンクリートの中性化によるひび割れ、地盤変化などによるひび割れ、崩壊、一部欠落などが生じる恐れがある。首都高速道路公団のコンクリート床版水切り部補修施工基準(案)では、ガラスクロスをエポキシ樹脂組成物(2液型のエポキシ樹脂組成物)でコンクリート構造物表面に接着するという補修が、日本道路公団のコンクリート片はく落防止対策マニュアルでは、エポキシ樹脂組成物(2液型のエポキシ樹脂組成物)による繊維シート接着、はく落対策用防水や鋼板設置を行っている。また、ガラスクロスは、アルカリ劣化するが、繊維シートは、ビニロン製のメッシュ状のものが問題ないとの明記されている。また、RC構造の柱や橋脚を補強、剥落防止する工法として、柱や橋脚に補強用繊維シート成形物を巻き付けて補強する工法(特許文献1〜3参照)が知られている。
また、橋脚、橋梁、トンネルなどのコンクリート片剥落防止工法には、これまで、ガラスクロスやビニロンメッシュシートなどの連続繊維シートを、エポキシ樹脂などの樹脂バインダーと組み合わせてFRP化することで、コンクリート片の落下を防止すると共に、コンクリート片が落下しかけている状態を確認・即対応可能にすることが出来る性能が要求されていたため、日本道路公団のコンクリート片はく落防止対策マニュアル(平成12年11月)では、押し抜き試験によって、変位10mm以上且つ1.5kN以上を保持することが規格化されている。
炭素繊維シートや鋼板を用いた補強工法でもそうであるが、コンクリート片剥落防止工法は、施工された箇所において、季節を問わず、その性能を発揮しなければならない。換言すれば、想定される施工後の耐用環境温度範囲内において、性能を発揮しなければならないことになる。地域により、その耐用環境温度範囲は異なることは自明であるが、日本の気候と安全率を考慮すると、最高温度は50℃、最低温度は−30℃であると推測され、日本道路公団の構造物施工管理要領(平成16年4月版)にも、その温度範囲が記載されている。
ところが、例えば、ガラスクロスによるはく落防止工法では、ガラスクロス自体の伸びが小さいため、常温においても安定して10mm以上変位しない。また、ビニロンメッシュシートによる剥落防止工法でも、−30℃においては伸びが小さくなり、規格値を満足できず、想定される施工後の耐用環境温度範囲内において、十分な剥落防止性能を発揮できない状態である。
特開2004−27718号公報 特開2004−44322号公報 特許第3477118号公報 特開2004−18719号公報
本発明は上記問題点を解決するものであり、施工後の耐用環境温度範囲内、つまり、−30℃〜50℃においても十分な性能を発揮する剥落防止工法を提供することである。
請求項1の発明は、接着剤を塗布する工程、補強オレフィン系繊維シートを貼り着ける工程を含む剥落防止工法であって、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張カが25mN/m以上、45mN/m以下であることを特徴とする剥落防止工法である。接着剤塗布後、補強オレフィン系繊維シートを貼着するが、25mN/m未満であるとオレフィン系繊維シートと接着剤の濡れ性が悪く、泡がみ等を生じ、オレフィン系繊維シートと接着剤との強度が弱くなると考えられ、剥落防止の押し抜き試験強さも劣る。45mN/mを超えるとオレフィン系繊維シートと接着剤との強度が強くなり、剥落応力が発生部での材料破壊となり、周辺への応力緩和ができなくなり、剥落防止の押し抜き試験強さが上がらず、剥落の危険を増すことになる。
請求項2の発明は、被補強面側を裏面、その反対側を表面としたときの、前記補強オレフィン系繊維シートの表面側の表面濡れ張カが裏面側の表面濡れ張カ以上である補強オレフィン系繊維シートを用いることを特徴とする請求項1記載の剥落防止工法である。表面側の表面濡れ張カが被補強面側である裏面の表面濡れ張カより高い時に剥落防止の押し抜き試験強さが大きく、剥落防止効果が大きい。(ここでは、補強繊維シートの被補強面側を裏面、その反対側を表面としているが、裏面側はコンクリート、モルタル等の被補強側である。)
請求項3の発明は、前記補強オレフィン系繊維シートがポリエチレン繊維或いは線状複合材繊維の2軸或いは3軸のメッシュ状シートである請求項1及び2記載の剥落防止工法である。 これにより、応力緩和を十分にでき、さらに線状複合材繊維では作業性、扱い性が改善され、接着剤貼着塗布後の自重、不陸面での浮きが軽減される。
本発明は被補強物に接着剤を塗布し、補強オレフィン系繊維シートを貼着するものであって、表面濡れ張カを所定の条件に設定することにより接着剤による補強(応力緩和)範囲がコントロールすることができ剥落防止にもっとも向いたものとる。また オレフィン系繊維シートであることにより、低温での強度も維持することができ、−30℃〜50℃の実用に十分耐えられる。さらに、2軸或いは3軸メッシュ状シートを使用することにより、接着剤塗布後のシート貼着で、浮き、剥がれ等の接着不備がなく、安定した剥落防止となる。
本発明の最良の形態について説明する。
本発明に適する接着剤は被補強物に対して十分に密着し、垂直面、天井面への塗布への適応性が要求されるため、適度な粘性が要求される。具体的には 塗布時は適度に粘度が低減され、ローラー、鏝、ブラシ等の抵抗が少なく、重作業とはならないこと、塗布されたあとは垂れが少なく、接着剤の量が均一となること、また補強シートが被補強物に貼着された時、そのせん断力で、粘度が低下し、補強シートに浸透し易くなり、また、更にこのせん断応力が無くなったあとも、浸透が適度に行われた後に再度粘度が上昇して、補強シートの自重による剥離応力、補強シート自体の内部歪みによる剥離応力に耐える粘度が、硬化が進むまで必要となる。これら特性はレオロジーで、チクソトロピー性で表現され、時間的な要素が必要となる。しかし、活性エネルギー線照射によらない方法では これらの条件を満たし、更に被着体への十分な密着力、高固形分或いは実質無溶剤が必要あること等からエポキシ樹脂系接着剤が好ましく。前記チクソトロピー性の評価をすることが、実際の適否の判断では重要となるが、本発明では工業的に樹脂、組成物の粘性把握に使用される粘度、及びTI値を用いて上記適性を把握した。その性状として、作業条件下の粘度で10〜200Pa・s、チクソトロピー性を示すTI値で2.0〜7.0が好ましい。
上記エポキシ樹脂系接着剤以外に被補強物にプライマーを塗布し、硬化条件として、常温硬化や誘電加熱、さらに活性エネルギー線照射硬化も含めると、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、オリゴエステルアクリレート、アクリルアクリレート等及びこれらに充填剤、各種添加剤の配合物を使用することができる。
(エポキシ樹脂)
本発明に用いる接着剤は、主剤のエポキシ樹脂と硬化剤の2液からなるエポキシ樹脂系接着剤であり、主剤に用いるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが上げられる。この中でビスフェノールA型エポキシ樹脂の平均分子量が370〜400が好適に配合できるが、反応性希釈剤との組み合わせで、適宜目的の諸物性に適う配合とすることができる。
(エポキシ樹脂硬化剤)
本発明の上記主剤のエポキシ樹脂に用いる硬化剤は、末端にアミノ基を有する化合物として、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類、3級アミン塩類、ポリアミド樹脂類、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、ケチミン類や三フッ化ホウ素錯化合物類、また、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロレン酸などの無水カルボン酸類、フェノール類、カルボン酸類などが挙げられ、これらは単独もしくは併用で使用できる。
(エポキシ樹脂希釈剤)
本発明はまた、エポキシ樹脂系接着剤の粘度適性の調整と適度な硬度を得るために、反応性希釈剤及び非反応性希釈剤を使用することができる。反応性希釈剤としてはブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、非反応性希釈剤としては、ベンジルアルコールやジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤が挙げられる。
(充填剤等)
本発明において、接着剤の物性向上と作業性調整等のため、接着剤の粘度調整、揺変性付与に充填剤を使用することができる。重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、微粉末チタン、硅砂などがあげられる。その他、一般に用いられている消泡剤、接着助剤、老化防止剤、安定剤などの添加剤を必要に応じて使用することができる。
本発明における補強オレフィン系繊維シートはポリエチレン、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性オレフィン系樹脂繊維、或いは特開2003−326609号公報に開示されているこれらの樹脂の線状複合材を2軸、或いは3軸メッシュ状シートとしたものである。メッシュとは2軸であれば略正方形の、3軸であれば略正三角形の一辺の長さが5mm以上のものを言う。前記一辺の長さを目合いと言い10〜20mmのものが望ましい。
線状複合材は特開2003−326609号公報記載で、鞘成分と芯成分とを備え、鞘成分の融点が前記芯成分の融点より20℃以上低い熱可塑性樹脂からなる鞘芯型複合紡糸繊維を集束し、前記鞘成分の融点以上で、前記芯成分の融点以下の温度で、延伸しつつ前記鞘成分を融合させたものである。
本発明のなかで最も好ましいものとして線状複合材の3軸メッシュ状シートであり、前記芯成分がポリプロピレン樹脂のものが、宇部日東化成株式会社よりシムテックスメッシュ(R商品名)として市販されている。
本発明の表面濡れ張カの調整方法はコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理、電子線照射処理などの表面処理方法が使え、この中で、高速連続で簡単な設備で可能なものがコロナ放電処理である。
接着面(裏面)の表面濡れ張カは増加に従い、接着剤樹脂と補強オレフィン系繊維シートの接着強度が強くなり、日本道路公団規格のはく落防止の押抜き試験方法による押し抜き強度も増大して行くが、接着強度が大きすぎるとコンクリート躯体から補強オレフィン系繊維シートが剥がれがなくなり、剥落時の応力が局部に集中することになり、局部材破による落下となる。試験方法に言い直すと押し抜きコア部に応力が集中し、補強オレフィン系繊維シートの破断を早めることとなる。この現象が生じる表面濡れ張カは45mN/mを超えたところであり、25mN/m未満であると補強オレフィン系繊維シートと樹脂の強度が弱く、押し抜き強度も低く、実用に耐えない強度となる。
表面濡れ張カは、好ましくは25mN/m〜45mN/mである。
さらに、表面側は、裏面側の表面濡れ張カ以上である様にすることが好ましい。未満であると表面側の接着剤による補強が、裏面側の最も効果的な補強強さを引き下げる結果となり、剥離をはやめる現象となる。
次に、実施例、比較例をあげ、詳細を示す。
実施例
(接着剤の配合)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート828(商品名 ジャパンエポキシレジン(株)製)、反応性希釈剤として、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業(株)製 SR−16H)、充填剤として、炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製 平均粒子径:0.8〜5.0μm)、シリカ((株)トクヤマ製レオロシールPM−20L)、エポキシ樹脂硬化剤として、PH−777(アイカ工業(株)製 脂肪族ポリアミン)、PH−778(アイカ工業(株)製 芳香族ジアミン)を表1に従い配合した。配合例1〜7の粘度、TI値および接着配合の適性評価を示す。粘度測定、TI値の測定、各項目の評価は下記の方法に従った。
粘度測定:JIS K7117−1にて定められるブルックフィールド形回転粘度計を使用し、JIS K6833に準拠し測定を行った。粘度は25℃にて測定、8Pa・s未満のものについては、BM型回転粘度計、4号ローター、60min−1、8以上160Pa・s未満のものについては、BH型回転粘度計、6号ローターまたは7号ローター、20min−1、160Pa・s以上のものについては、B8U型回転粘度計、6号ローター、20min−1で測定した。
TI値測定:JIS K7117−1にて定められるブルックフィールド形回転粘度計を使用し、JIS K6833に準拠し測定を行った。TI値は25℃にて樹脂組成物の粘度に合わせて、粘度測定と同様の回転粘度計を使用した。尚、測定条件は8Pa・s未満のものについては、BM型回転粘度計、4号ローター、6min−1/60min−1、8以上160Pa・s未満のものについては、BH型回転粘度計、6号ローターまたは7号ローター、2min−1/20min−1、160Pa・s以上のものについては、B8U型回転粘度計、6号ローター、10min−1/100min−1で測定した。
コーナー部の繊維浮き:250mm×250mm×500mmの直方体コンクリートに対し、400mm×400mmの補強オレフィン系繊維シート(宇部日東化成製 シムテックスメッシュ SCM1810A)を貼り付けることで、コーナー部での繊維シートの浮きから、接着剤の繊維シート接着性能を検討した。試験体の表面をサンディング処理し、この処理面に対しアイカ工業株式会社製 無溶剤プライマーを(クリートコートEXプライマー)塗布、一日養生後、配合例の樹脂が十分樹脂となじむように、ゴムヘラなどで念入りにしごいて貼付けを行い、コーナー部で大きな浮きが発生したものは×、浮きが発生し難いものについて○と評価した。
ローラー塗布:市販のポリエステルローラーを用い、塗布量500g/mにて塗布したときの塗布性を評価。
◎:ローラーで容易に均一塗布できるもの。
○:ローラーで塗布はできるが塗布跡が残るもの。
△:ローラー塗布は可能だが、塗布しにくいもの。
×:ローラー塗布不可。

コテ切れ:市販の左官コテを用い、塗布量300g/mにて塗布したときの塗布性を評価。
◎:コテで接着剤を容易に均一塗布でき、接着剤の延びも優れている。
○:コテで接着剤を塗布することができ、作業に問題はない。
△:コテで接着剤を塗布できるが、接着剤が柔らかすぎ、もしくは固いため展ばし難い。
×:コテで接着剤を塗布できないほど固い。
総合評価
○:コーナー部で浮きが発生し難く、作業性に問題がない。×:コーナー部で浮きが発生し易く、作業性に問題がある。
Figure 2007146588
補強オレフィン系繊維シートとして、表面濡れ張力を表裏とも25mN/mに調整した線状複合材3軸メッシュ状シート(宇部日東化成(株)製シムテックスメッシュ)、接着剤として表1の配合例3の接着剤(塗布量300g/m)を用い、常温にて1週間養生した上ぶた式U形側溝(ふた)呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)の市販コンクリート上に塗布・貼着し、常温硬化させ、さらに1週間養生した。
実施例1において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力を表裏とも33mN/mに調整し、接着剤に表1の配合例4を用いた。
実施例1において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力を表面35mN/m、裏面29mN/mに調整し、接着剤に表1の配合例5を用いた。
実施例1において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力を表裏とも37mN/mに調整し、接着剤に表1の配合例6を用いた。
実施例1において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力を表面45mN/m、裏面30mN/mに調整した以外は同じ。
補強オレフィン系繊維シートとして、表面濡れ張力を表面35mN/m、裏面35mN/mに調整した2軸ポリエチレン高強度メッシュ状シート(東洋紡績株式会社製 サイバーメッシュ(商品名))、接着剤として表1の配合例3の接着剤を用い、実施例1と同様にした。
比較例1
実施例1において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力を表裏とも45mN/mに調整し、接着剤に表1の配合例5を用いた。
比較例2
実施例1において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力を表裏とも22mN/mに調整し、接着剤に表1の配合例4を用いた。
比較例3
実施例1において、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力を表裏とも48mN/mに調整し、接着剤に表1の配合例4を用いた。
比較例4、5
実施例6において、表面処理を施さない2軸ポリエチレン高強度メッシュ状シートあるいはビニロン3軸メッシュ状シートを用いた以外は同じ。
結果を表2および3に示す。
Figure 2007146588
各項目の評価方法は下記の通りである。
高・低温性能 50℃、−30℃ JHS試験
試験体の作成:JHS 424にて定められたU型ふた試験体の表面をサンディング処理し、この処理面に対しアイカ工業株式会社製 無溶剤プライマーを(クリートコートEXプライマー)塗布、一日養生後、表3 配合例4の接着剤を使用し、均一にU型ふたに塗布する。その後補強オレフィン系繊維シート(宇部日東化成製 シムテックスメッシュ SCM1810A)を貼り付け、十分樹脂となじむように、ゴムヘラなどで念入りにしごく。繊維接着後、再度接着剤を全面に塗布し、一日養生を行った。翌日、アイカ工業(株)製 上塗りU−95にて上塗りを2度行い、1週間養生を行ったものを押し抜き試験体とした。この試験体は、23℃、RH50%条件下にて作成を行い、23℃、RH50%条件下にて養生をおこなった。
高温性能 50℃ JHS試験
日本道路公団規格 JHS 424:2004 はく落防止の押抜き試験方法に準じて 50℃条件下試験を行った。押し抜き最大荷重(kN) 最大荷重時変位(mm) 繊維破断点変位(mm)は上記 荷重、変位データより 求めた。
繊維表面樹脂残率:押し抜き試験後の試験体について、はく落防止工が施工されている40cm×40cmの範囲について、繊維上に樹脂が残存している面積を5%単位の比率で示した。
評価方法:押し抜き最大荷重2.0kN以上、最大荷重時変位20mm以上、繊維破断点変位20mm以上、繊維表面樹脂残量90%以上、すべてに満足するものを○、1項目のみ満たないものが△、2項目以上条件を欠くものを×とした。
低温性能 −30℃ JHS試験
日本道路公団規格 JHS 424:2004 はく落防止の押抜き試験方法に準じて −30℃条件下試験を行った。
押し抜き最大荷重(kN) 最大荷重時変位(mm) 繊維破断点変位(mm)は上記 荷重、変位データより 求めた。
繊維表面樹脂残率:押し抜き試験後の試験体について、はく落防止工が施工されている40cm×40cmの範囲について、繊維上に樹脂が残存している面積を5%単位の比率で示した。
評価方法:押し抜き最大荷重2.0kN以上、最大荷重時変位20mm以上、繊維破断点変位20mm以上、繊維表面樹脂残量80%以上、すべてに満足するものを○、1項目のみ満たないものが△、2項目以上条件を欠くものを×とした。
接着(繊維) 補強繊維シートとの接着性の試験方法
補強オレフィン系繊維シートに配合例4の接着剤を0.5kg/mにて塗布し、23℃、7日間養生後JIS K5600−5−1:1999に準じ、φ5mm、180°で耐屈曲性(円筒型マンドレル法)を行い、接着剤の剥離が無い場合を○、剥離がある場合を×とし、繊維と接着剤との接着性を評価した。
Figure 2007146588
各項目の評価方法は下記の通りである。
表1に補強オレフィン系繊維シートを所定表面張力に調整した時の日本道路公団規格JHS 424:2004 はく落防止の押抜き試験方法の結果を示す。
試験体の作成:JHS 424にて定められたU型ふた試験体の表面をサンディング処理し、この処理面に対しアイカ工業株式会社製 無溶剤プライマーを(クリートコートEXプライマー)塗布、一日養生後、表3 配合例4の接着剤を使用し、均一にU型ふたに塗布する。その後補強オレフィン系繊維シート(宇部日東化成製 シムテックスメッシュ SCM1810A)を貼り付け、十分樹脂となじむように、ゴムヘラなどで念入りにしごく。繊維接着後、再度接着剤を全面に塗布し、一日養生を行った。翌日、アイカ工業(株)製 上塗りU−95にて上塗りを2度行い、1週間養生を行ったものを押し抜き試験体とした。この試験体は、23℃、RH50%条件下にて作成を行い、23℃、RH50%条件下にて養生をおこなった。
表面濡れ張力の測定:JIS K6768:1999に準じて行い、試験混合液の塗布はフィルムでブラシによる膜厚を確認後、このブラシにて行い、メッシュ(繊維)上で判断した。
表面濡れ張力の調整法:コロナ放電処理機を用い、基本的には表面側(被補強側の反対面)より、照射し、微調整は距離・電圧により、また 複数回処理を行い、所定の表面濡れ張力に調整した。(ここで言う基本的はメッシュで裏側への影響があるためで、裏側への影響を回避した場合、あたらない。)
日本道路公団規格 JHS 424:2004 はく落防止の押抜き試験方法に準じて 試験を行った。
押し抜き最大荷重(kN) 最大荷重時変位(mm) 繊維破断点変位(mm)は荷重、変位データより 求めた。
繊維表面樹脂残率:押し抜き試験後の試験体について、はく落防止工が施工されている40cm×40cmの範囲について、繊維上に樹脂が残存している面積を5%単位の比率で示した。
総合評価:押し抜き最大荷重2.3kN以上、最大荷重時変位22mm以上、繊維破断点変位27mm以上すべてに満足するものを○、条件を欠くもの×とした。
本発明は、ひび割れや崩壊の恐れのあるコンクリート構造物に対して、コンクリートの劣化を防止と補強効果を高め、その結果長期に亘る耐久性が維持され、建物やその柱、あるいは橋脚等といった各種のコンクリート構造物に有用である。

Claims (3)

  1. 接着剤を塗布する工程、補強オレフィン系繊維シートを貼り着ける工程を含む剥落防止工法であって、補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張カが25mN/m以上、45mN/m以下であることを特徴とする剥落防止工法。
  2. 被補強面側を裏面、その反対側を表面としたときの、前記補強オレフィン系繊維シートの表面側の表面濡れ張カが裏面側の表面濡れ張カ以上である補強オレフィン系繊維シートを用いることを特徴とする請求項1記載の剥落防止工法。
  3. 前記補強オレフィン系繊維シートがポリエチレン繊維或いは線状複合材繊維の2軸或いは3軸のメッシュ状シートである請求項1及び2記載の剥落防止工法。


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