JP2007145042A - インテークダクトの吸気構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】デッキガーニッシュの空気の吸気口が積雪により塞がれた場合でも吸気することができるインテークダクトの吸気構造を提供する。
【解決手段】車室内に空気を導入する空調用のインテークダクト24と、車両外部とインテークダクト24内とを連通する吸気口16,17と、車両前部において空間をなすフードルーム30内とインテークダクト24内とを連通し、かつ吸気口16,17より吸気抵抗の大きい補助吸気口27とを備える構造。
【選択図】図2

Description

本発明は、インテークダクトの吸気構造に関する。
従来、自動車のウインドシールドガラスとフードパネルとの間には装飾等の理由からデッキガーニッシュを設置し、このデッキガーニッシュに車外の空気を取り入れるための吸気口を設け、デッキガーニッシュの下部に車室内に空気を導入する空調用のインテークダクトを設置する構造が知られている。
また従来は、吸気口からゴミや雪がインテークダクトに入ると室内に侵入したり、インテークダクトを詰まらせてしまうおそれがあるため、吸気口を網目状にしたり、小さく形成した吸気口を複数設けるといった構造をとっていることが多い。
また、フードルーム内のエンジン等により熱された空気がインテークダクト内に流れ込まないように、フードルームとインテークダクトとが隔離された構造となっている。このような構造をしたインテークダクトの吸気構造の一例が下記特許文献1に開示されている。
実開昭63−180381号公報
上記特許文献1に開示されているインテークダクトの吸気構造は、冬期に雪で吸気口が塞がれて外気を吸気できなくなることを避けるため、補助空気取り入れ口を設け、吸気口が積雪によりふさがれた場合は補助空気取り入れ口から吸気できるようになっている。
しかしながら、降雪量の多い豪雪地帯などにおいては、ガーニッシュとフロントフードとの間の開口部までも塞がれるような事態が発生するおそれが十分にある。上記特許文献1に開示されているインテークダクトの吸気構造では、積雪によりガーニッシュとフロントフードとの間の開口部が塞がれた場合、補助空気取り入れ口からも外気を導入できなくなる。また、開口部分が完全に塞がってしまった場合、積もった雪を補助空気取り入れ口からインテークダクト内に吸い込んでしまい、そこから雪が車室内に侵入するおそれがある。
このことから、本発明は、デッキガーニッシュの吸気口が積雪により塞がれた場合でも空気を導入することができるインテークダクトの吸気構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明(請求項1に対応)は、車室内に空気を導入する空調用のインテークダクトと、車両外部と前記インテークダクト内とを連通する吸気口と、車両前部において空間をなすフードルーム内と前記インテークダクト内とを連通し、かつ前記吸気口より吸気抵抗の大きい補助吸気口とを備えたことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第2の発明(請求項2に対応)は、第1の発明に係るインテークダクトの吸気構造において、前記補助吸気口を迷路構造とし、前記補助吸気口から空気を導入する際の吸気抵抗を前記吸気口の吸気抵抗よりも高くしたことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第3の発明(請求項3に対応)は、第1の発明又は第2の発明に係るインテークダクトの吸気構造において、前記吸気口は、前記フードルームを覆うフードパネルと車両前部のウインドシールドガラスとの間に配置されて前記インテークダクトの上面に設けられたデッキガーニッシュに設けられ、前記補助吸気口は、前記インテークダクトの前端部と前記デッキガーニッシュの前端部との隙間により形成されることを特徴とする。
第1の発明に係るインテークダクトの吸気構造よれば、車室内に空気を導入する空調用のインテークダクトと、車両外部とインテークダクト内とを連通する吸気口と、車両前部において空間をなすフードルーム内と前記インテークダクト内とを連通し、かつ吸気口より吸気抵抗の大きい補助吸気口とを備えたので、通常は、吸気口からインテークダクトに外気を導入し、冬期に積雪により吸気口が塞がれた場合には、補助吸気口からフードルーム内の空気をインテークダクトに導入することができる。いわゆる冬期以外の時期には、極力フードルーム内の温かい空気を吸わないようにし、冬期に雪で吸気口が塞がれた時のみ、フードルーム内から空気を導入できるようにしている。よって常に車室内に空調用の空気を導入することができる。
また、補助吸気口は、フードルーム内に連通するように設けられているので、積雪により塞がれることがなく、インテークダクト内に雪が浸入してくることがない。
第2の発明に係るインテークダクトの吸気構造よれば、補助吸気口を迷路構造とし、補助吸気口から空気を導入する際の吸気抵抗を吸気口の吸気抵抗よりも高くすることにより、補助吸気口より、ゴミなどの異物がインテークダクト内に入りにくく、吸気口が積雪により塞がれていない場合は吸気抵抗の高い補助導入口からは空気を導入せず、吸気抵抗の低い吸気口から車両外部の空気を導入させることができる。
第3の発明に係るインテークダクトの吸気構造よれば、吸気口は、フードルームを覆うフードパネルと車両前部のウインドシールドガラスとの間に設けたデッキガーニッシュに設けられ、補助吸気口は、インテークダクトの前端部とデッキガーニッシュの前端部との隙間により形成しているので、より簡単な構造でフードルーム内より空気を導入することができ、積雪により吸気口が塞がれた場合であっても、車室内に空気を導入することができる。
本発明に係るインテークダクトの吸気構造の一実施形態について図1及び図2を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るインテークダクトの空気導入構造の概要図、図2は図1でA−A断面で示す本発明の一実施形態に係るインテークダクトの吸気構造の断面図である。また、図面中車両前方方向をFr、車幅方向車室内方向をIn、車両上方方向をUpによりそれぞれ示し、左右の方向については車両前方を向いたときの左右の方向とする。
図1に示すように、自動車の車室前方にはウインドシールドガラス10が設置されている。ウインドシールドガラス10の前方には、エンジンが搭載され又は荷室等となるフードルームを覆っているフードパネル11がある。本実施形態に係るインテークダクトの吸気構造は、車両の後部にエンジンが搭載されている自動車について説明するためフードルーム内にはエンジンは設置されていないが、本構造は、エンジン等がフードルーム内に設置されている場合であっても適用することが可能である。
ウインドシールドガラス10とフードパネル11との間にはデッキガーニッシュ12が設置されている。デッキガーニッシュ12前方のフードパネル11後部上面には、フードパネル11を装飾するフードパネルガーニッシュ13が設置されている。フードパネル11の車幅方向外側にはヘッドランプ29が設置されており、車両前方にはフロントバンパー14が設置されている。フードパネル11とフロントバンパー14との間には外気を導入できる開口部15が設けられている。
デッキガーニッシュ12には外気を吸い込むために車幅方向に延びる横型吸気口16と、車両前後方向に延びる縦型吸気口17とが3列ずつ設けられている。横型吸気口16は、デッキガーニッシュ12の中央部に3列が車両前後方向に並んで配置されており、縦型吸気口17は、横型吸気口16の左側に3列が車幅方向に並んで配置されている。図1では、3列の横型吸気口16のうち最も車両前方側にあるものはフードパネル11により隠されて見えない状態になっている。
図1の拡大図Iに示すように、横型吸気口16には、車両前後方向の中央部に車幅方向
に延びるように横桟部材16aが設けられ、車幅方向には車両前後方向に延びるように縦桟部材16bが複数設けられており、これらにより目の細かい網目が形成されている。また、図1の拡大図IIに示すように、縦型導入口17には、車幅方向の中央部に車両前後方
向に延びるように縦桟部材17aが設けられており、車両前後方向には車幅方向に延びるように横桟部材17bが複数設けられており、これらにより目の細かい網目が形成されている。
図2に示すように、ウインドシールドガラス10の下端部の下方には、カウルトップアウタ18とカウルトップインナ19により構成されて車体の骨格を形成するカウルトップ20が車幅方向に延びるように配置されている。
カウルトップアウタ18とカウルトップインナ19は、カウルトップアウタ18の車両前方側の端部18aとカウルトップインナ19の車両前方側の端部19a、及び、カウルトップアウタ18の車両後方側の端部18bとカウルトップインナ19の車両後方側の端部19bとを溶接等により結合されている。
カウルトップ20の車両前方側には、フードルーム30が構成されており、該フードルーム30上面を覆うフードパネル11がデッキガーニッシュ12前方に設けられている。フードパネル11は、上面側がフードパネルアウタ21、下面側がフードパネルインナ22によって構成されており、フードパネルアウタ21の車両後方側の端部21aを折り返して、フードパネルインナ22の車両後方側の端部22aを挟み込むことで、両者を結合している。
フードパネルアウタ21の車両後方側の端部の上方にはフードパネルガーニッシュ13が設置されており、フードパネルガーニッシュ13は、フードパネルアウタ21にフードパネルガーニッシュ13下面に設けたクリップ23を係合することにより結合されている。
カウルトップ20の車両前方側には、車室内に空気を導入する空調用のインテークダクト24がデッキガーニッシュ12の下方において車幅方向に延設されている。インテークダクト24は、上下方向断面がほぼU字状に形成された箱体であり、デッキガーニッシュ12が、ウインドシールドガラス10の車両前方側の端部10aとインテークダクト24の車両前方側の上端部24bとの間の上方に掛け渡されてインテークダクト24に蓋をするように設置されている。インテークダクト24は、デッキガーニッシュ12の横型吸気口16および縦型吸気口17によって車両外部と連通されており、この横型吸気口16と縦型吸気口17から外気が導入される構造となっている。
カウルトップ20の車両前方側の側面の上部20aとインテークダクト24の車両後方側の側面の上端部24aとの間には、雨天時や洗車時等にフードルーム30内に水が浸入することを防ぐために防水インシュレータ25が設置されている。
デッキガーニッシュ12の車両前方側の端部12aの上面に、雨天時や洗車時等にフードルーム30内に水が浸入することを防ぐためにウエザーストリップ26が設置されている。ウエザーストリップ26はゴム製で、内部は中空となっており、フードパネル11を閉じている時にはフードパネルインナ22に押されて変形することによりシール性を確保している。
デッキガーニッシュ12の車両前方側の端部12aの下面とインテークダクト24の車両前方側の上端部24bとの間には隙間が設けられている。また、デッキガーニッシュ12の車両前方側の端部12aは、その前端部が下方に向けて延ばされてインテークダクト24の上端部24b前方側を覆うフランジ12bを有しており、該フランジ12bとインテークダクト24の上端部24bの車両前方側を向いた側面との間に隙間を設けている。
いわゆるデッキガーニッシュの端部12aおよびフランジ12bとインテークダクト24の車両前方側の上端部24bによって迷路構造の隙間を形成している。この隙間が補助吸気口27であり、インテークダクト24内とフードルーム30内とを連通している。
補助吸気口27は迷路構造となっているため、吸気の際の圧力抵抗が高くなっている。これにより通常時は、矢印Bに示すように吸気の際の圧力抵抗が低いデッキガーニッシュ12の横型吸気口16及び縦型吸気口17から吸気を行い、デッキガーニッシュ12の横型吸気口16及び縦型吸気口17が雪28により塞がれた場合にのみ、矢印Cに示すように補助吸気口27から吸気を行うことができる。
いわゆる、冬期以外のフードルーム30内の温度が高くなる時期には、極力フードルーム30内の温かい空気を吸わないようにし、冬期に雪で吸気口16,17が塞がれた時のみフードルーム30内から空気を導入できる構成としている。
本実施例に係るインテークダクトの吸気構造によれば、車室内に空気を導入するインテークダクト24と、車両外部とインテークダクト24内とを連通する横型吸気口16及び縦型吸気口17と、車両前部において空間をなすフードルーム30内とインテークダクト24内とを連通し、かつ吸気口16、17より吸気抵抗の大きい補助吸気口27とを備え、横型吸気口16及び縦型吸気口17が塞がれた場合には補助吸気口27からフードルーム30内の空気を導入できるようにしたので、雪28により横型吸気口16及び縦型吸気口17が塞がれた場合であっても、車室内に空気を導入することができる。
また、雪28により横型導入口16及び縦型導入口17が塞がれた場合、補助吸気口29からはフードルーム内の空気が導入されるため、補助吸気口27からインテークダクト24内に雪が侵入することがない。従って車室内に雪が侵入することを防ぐことができる。
また、補助吸気口27を迷路構造とし、補助吸気口27から空気を導入する際の吸気抵抗を導入口の吸気抵抗よりも高くすることにより、横型導入口16及び縦型導入口17が雪28により塞がれていない場合は吸気抵抗の高い補助吸気口27からは空気を導入せず、吸気抵抗の低い横型吸気口16及び縦型吸気口17からのみ空気を導入することができる。
本発明に係るインテークダクトの吸気構造は、冬期の降雪時に積雪によりデッキガーニッシュの吸気口が塞がれる場合に特に有効である。
本発明の一実施形態に係るインテークダクトの吸気構造の概要図 図1でA−A断面で示す本発明の一実施形態に係るインテークダクトの吸気構造の断面図
符号の説明
10 ウインドシールドガラス
11 フードパネル
12 デッキガーニッシュ
13 フードパネルガーニッシュ
14 フロントバンパー
15 開口部
16 横型吸気口
17 縦型吸気口
18 カウルトップアウタ
19 カウルトップインナ
20 カウルトップ
21 フードパネルアウタ
22 フードパネルインナ
23 クリップ
24 インテークダクト
25 防水インシュレータ
26 ウエザーストリップ
27 補助吸気口
28 雪
29 ヘッドランプ
30 フードルーム

Claims (3)

  1. 車室内に空気を導入する空調用のインテークダクトと、
    車両外部と前記インテークダクト内とを連通する吸気口と、
    車両前部において空間をなすフードルーム内と前記インテークダクト内とを連通し、かつ前記吸気口より吸気抵抗の大きい補助吸気口とを備えた
    ことを特徴とするインテークダクトの吸気構造。
  2. 前記補助吸気口を迷路構造とし、前記補助吸気口から空気を導入する際の吸気抵抗を前記吸気口の吸気抵抗よりも高くした
    ことを特徴とする請求項1に記載のインテークダクトの吸気構造。
  3. 前記吸気口は、前記フードルームを覆うフードパネルと車両前部のウインドシールドガラスとの間に配置されて前記インテークダクトの上面に設けられたデッキガーニッシュに設けられ、前記補助吸気口は、前記インテークダクトの前端部と前記デッキガーニッシュの前端部との隙間により形成される
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインテークダクトの吸気構造。
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