JP2007144512A - ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】溶接ワイヤの加工硬化率を正確に表すことができる硬化指数を最適の状態に管理することにより、溶接時に溶接ワイヤの送給性が向上し、これによりアーク安定性に優れたガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ(Solid wire)を提供する。
【解決手段】ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤにおいて、下記の式(1)で定義される最終製品ワイヤの硬化指数が0.25〜0.55の範囲内であることを特徴とする、ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
Figure 2007144512

(ここで、降伏強度は0.05%オフセットの降伏強度を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤに関し、より詳しくは、溶接時の溶接ワイヤの送給性を良くすることによりアーク安定性に優れたガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤに関する。
溶接ワイヤを使用して溶接を行なう場合、優れた溶接品質と良好な溶接ビード(Bead)を得るために、アーク安定性が非常に重要な因子として認識されてきた。特に、このようなアーク安定性の向上のためには、溶接ワイヤの送給性が良好でなければならない。
一般的に常用されている溶接ワイヤの製品形態、即ち、スプール製品(105)及びペールパック製品(104)を使用して溶接を行なう場合、図1に示されたように、溶接ワイヤは送給ケーブル(102)を経由してコンタクトチップ(Contact tip)を通して溶接部に移送され、コンタクトチップ(Contact tip)の先端で発生するアーク熱により溶接が行なわれる。
このとき、溶接ワイヤは送給ケーブル(102)の内壁及びコンタクトチップ(Contact tip)と接触し、接触部で発生される送給抵抗は送給性に大きな影響を及ぼす。上記のような溶接ワイヤと送給ケーブル(102)及びコンタクトチップ(Contact tip)の接触部で発生する送給抵抗とこれによる送給性低下の観点から見ると、溶接ワイヤの機械的物性値は非常に重要な因子である。溶接ワイヤの強度に対しては、従来に溶接ワイヤの引張強度、引張強度の偏差、降伏比、ワイヤの弾性限比(弾性限比=弾性限/引張強度)または表面処理剤の付着量を限定することにより、溶接時のワイヤの送給性を向上させた方法等があったが、これらは引張試験の際に観察される応力−変形率曲線(stress-strain curve)を利用して導出したパラメーターである。しかし、上記の従来技術で言及されたパラメーター式等は、ワイヤの自体物性を正確に表していると見なせなく、結果として、溶接ワイヤの送給性及びアーク安定性を制御することに限界があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するためのものであって、溶接ワイヤの加工硬化率を正確に表すことができる硬化指数を最適の状態に管理することにより、溶接時に溶接ワイヤの送給性が向上し、これによりアーク安定性に優れたガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ(Solid wire)を提供することをその目的とする。
本発明の目的は、ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤにおいて、下記の式(1)で定義される最終製品ワイヤの硬化指数が0.25〜0.55の範囲内であることを特徴とする、ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤを提供することにより達成される。
Figure 2007144512
(ここで、降伏強度は0.05%オフセットの降伏強度を示す。)
ここで、上記ワイヤの組成は、ワイヤの全重量に対してC:0.03〜0.10%、Si:0.45〜1.05%、Mn:0.90〜1.90%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、及びその残部としてFe及びその他の不純物からなることが好ましい。
また、上記ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤの硬化指数が、最終伸線後に曲げローラー及び傾いた矯正ローラーから選ばれた1種以上と、縦/横の矯正ローラーとの組み合わせにより制御されることが好ましい。
本発明によるとワイヤの化学成分、伸線方式、伸線速度を制御してワイヤの引張強度を管理し、曲げローラー及び矯正ローラーの組み合わせにより、最終製品ワイヤの硬化指数を0.25〜0.55の範囲内に管理することにより、溶接ワイヤの優れた送給性を達成すると共に、溶接時に良好なアーク安定性を表すことができる。
以下で、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
まず、本発明でワイヤの引張強度と加工硬化の程度(加工硬化率)を同時に表すことができる新しいパラメーターとして提示された硬化指数(Hardening factor)の導出について見る。
前述したように、本発明者は溶接ワイヤの引張強度が溶接時の送給性とアーク安定性に大きな影響を及ぼす因子という点に着目し、溶接時の送給性とアーク安定性を最適の状態に維持できる溶接ワイヤの引張強度を導出し、これを管理するために努力した。
即ち、同一の化学成分を有する原線を使用して伸線方式、伸線速度、及びスプールやペールパックに巻き取る前、ワイヤ矯正遂行時の矯正方式を変化させながら、最終製品ワイヤの引張強度の変化を観察し、ワイヤの引張強度別の送給性とアーク安定性の試験を実施した。
このとき、類似する引張強度を有するワイヤ間にも、溶接時の送給性とアーク安定性の差異が観察できた。これを突き止めるために、類似する引張強度を有する溶接ワイヤのうち、溶接時に送給性とアーク安定性の差異が表されるワイヤを対象にして、引張試験により得られた応力−変形率曲線(stress-strain curve)を分析した。
その結果、応力−変形率曲線から引張強度は類似する値が導出されたが、降伏強度においては差異が観察された。
下記の表1は、引張強度が126kgf/mm2乃至132kgf/mm2の範囲を持つ銅メッキワイヤのうち、溶接時に送給性とアーク安定性の差異が観察される溶接ワイヤの降伏強度と引張強度を比較して表したものである。
Figure 2007144512
上記の表1から分かるように、引張強度が一定な場合にも、降伏強度により溶接時に溶接ワイヤの送給性とアーク安定性が変化することが確認できる。
即ち、単純に引張強度の調整だけではなく、引張強度と加工硬化率を適正範囲に管理することにより、溶接時に良好な送給性とアーク安定性が達成できるということを発見し、本発明ではこれを硬化指数(Hardening factor)という概念として表した。
ここで、加工硬化率とは、降伏点から最大引張強度までの応力増加の程度を表したものであって、図2に加工硬化率(△応力/△変形率)のグラフを示した。
例えば、同一の引張強度を有するワイヤであっても、伸線時及びスプールまたはペールパックに巻き取られる前、矯正ローラーによる矯正の際に、ワイヤに加わる外力により加工硬化率が変わり、これによりワイヤの物性も変わる。即ち、ワイヤに加わる外力の影響で加工硬化率が変わり、これにより同一の引張強度を有しても、降伏強度の変化によるワイヤ物性の変化がもたらされるのである。
本発明で導入した硬化指数(Hardening factor)の理解のため、図3に示した引張試験の際に観察される応力−変形率曲線(stress-strain curve)を見ると、弾性領域では応力が変形率と直線的に比例することが確認できる(A領域)。
このとき、荷重が降伏強度に該当する値を超える場合、塑性変形が発生し、この後、継続的な塑性変形を行なうと、塑性変形率が増加することにより応力が増加する加工硬化が起こる。上記の塑性変形の間、引張試験材の体積は一定であるため、つまり、下記の式(2)を満たすため、試験材の長さが増加することにより試験材の断面積は減少する。
AL=AoLo (2)
(A:引張時の試験材の断面積、L:引張時の試験材の長さ、Ao:初期試験材の断面積、Lo:初期試験材の長さである)
初期の加工硬化は、断面積の減少を補うことより大きく、変形率の増加により応力も続けて増加するが、この後、加工硬化に起因した変形荷重の増加より、試験材の断面積の減少が大きい状態に到達する。
この条件は、試験材の他の部分より弱い所から初めて発生し、この後、塑性変形はこの領域(B領域)で集中的に起こり、試験材はネッキング(Necking)が起こったり、局部的に薄くなる(B領域)。
このときから、試験材の断面積の減少が加工硬化による変形荷重の増加よりさらに急激に起こるため、試験材の変形に求められる実際の荷重は下がり、応力は破断が起こるまで続けて減少する(C領域)。
上記からも分かるように、材料の引張強度に最も大きな影響を及ぼすものが加工硬化の程度、即ち加工硬化率であり、このような加工硬化率により材料の最終強度が決められる。
以下では、硬化指数(Hardening factor)の導出方法及び範囲限定の理由について説明する。
硬化指数とは、引張試験の際に観察される応力−変形率曲線(stress-strain curve)における加工硬化の程度を表す尺度であって、下記の式(1)で定義される。
Figure 2007144512
(ここで、降伏強度は0.05%オフセットの降伏強度を示す)
ワイヤの引張試験はKS B 0802に基づいて試験し、引張試験の結果として導出された応力−変形率曲線(stress-strain curve)から最大引張強度及び降伏強度をとり、上記の硬化指数を計算することになるが、上記のような方法により計算された硬化指数は、0.25〜0.55の範囲内に管理されることが好ましい。
上記の硬化指数が0.25未満であると、高電流・高速溶接条件でのような送給負荷が高い環境下で、ワイヤの弾性変形区間が塑性変形区間に比べて相対的に広すぎるため、送給ケーブル(Cable)の形態によりワイヤの変形が容易ではなく、ワイヤの弾性が強くてスプールまたはペールパックの巻取時に大きな加工力が付与され、最終製品ワイヤが過剰の弾性力を持つようになる。従って、溶接時にワイヤが送給ケーブル(Cable)及びコンタクトチップ(Contact tip)を通過するとき大きな接触抵抗を誘発し、送給性が不安になりアーク安定性が悪くなるため、好ましくない。
そして、上記の硬化指数が0.55を超えると、高電流・高速溶接条件でのような送給負荷が高い環境下で、ワイヤの弾性変形区間が塑性変形区間に比べて余りにも狭くなるため、送給ケーブル(Cable)の形態によりワイヤの変形が余りにも容易になる。従って、送給ケーブル(Cable)を通過するとき、容易に曲げ変形が発生し、コンタクトチップ(Contact tip)内で送給抵抗が増加するだけでなく、ワイヤの直進性も悪くなり、送給性及びアーク安定性が悪くなるため、好ましくない。
図4は、銅メッキワイヤの硬化指数と溶接時の溶接電流の標準偏差及び引張強度を共に示したグラフであって、硬化指数が前述した0.25〜0.55の範囲内である場合、溶接時の溶接電流の標準偏差も非常に低いことが確認できる。
このようなワイヤには、銅メッキしたり銅メッキしていないワイヤ共に使用可能であり、その組成には、一般的に使用する組成を使用すれば充分である。具体的には、ワイヤの全重量に対してC:0.03〜0.10%、Si:0.45〜1.05%、Mn:0.90〜1.90%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、及びその残部としてFeやその他の不純物を使用することができる。また、必要によっては、CuやTiなどを添加してもよい。
ここでCは、溶接ワイヤ及び溶着金属の強度を向上させる元素であって、ワイヤ中の含量が増加することにより、溶接時にスパッタの発生量を増加させる。0.03%未満では、溶接ワイヤ及び溶着金属の強度が余りにも低くなり、0.10%を超えると、溶接時にスパッタの発生量が多くなる。
Siは、溶融金属の流動性を向上させ、溶接時の溶接ビードの広がり性を良好にし、金属が強度を持つための必須成分であり、溶融金属内の脱酸反応を助けて溶融金属上にスラグを形成させる。0.45%未満では、溶接ワイヤ及び溶着金属の引張強度と溶融金属の流動性が下がり、1.05%を超える場合は、高電流溶接時のビードの垂れ現象及び溶接時の容積の流動性が増加し、容積の揺れが発生してアークが不安にある。
Mnは、Siと同様に溶融金属の脱酸反応を助けて溶接金属上にスラグを形成させ、溶接ワイヤ及び溶着金属の強度を向上させる。0.90%未満では、溶接ワイヤの引張強度及び溶着金属の適切な表面張力が確保できなく、1.90%を超える場合は、溶接時に容積内の活性酸素量を減少させて容積の表面張力を増加させる。
Pは、金属に不純物の形態で存在し、低融点化合物を作って高温亀裂感受性を増大させる。0.030%を超える場合は、高温亀裂の原因になる。
Sは、Pと同様に低融点化合物を作って高温亀裂感受性を増大させる。0.030%を超える場合は、高温亀裂の原因になる。
溶接ワイヤの製造時において、引張強度及び硬化指数の制御方法は次の通りである。溶接ワイヤの製造時におけるワイヤの引張強度は、原線の化学成分、伸線方式、伸線速度などの影響を受ける。
伸線方式には大きく2段階伸線方式と連続伸線方式(In-Line)に分けられる。第一、2段階伸線方式は、酸洗(acid pickling)−1次伸線−応力除去熱処理−酸洗−2次伸線−脱脂−(メッキ)−3次伸線(スキンパスを含む)の工程からなる伸線方式であり、第二、連続伸線方式(In-Line)は、酸洗−1次伸線−脱脂−(メッキ)−2次伸線の工程からなる伸線方式である。上記2つの伸線方式において、熱処理を行なう2段階伸線方式の場合が、応力除去の影響で連続伸線方式(In-Line)より引張強度が低い。そして、伸線速度は速いほど加工度が増加することにより引張強度の上昇を誘発するが、伸線速度は2段階伸線方式の場合、1次伸線速度が速いほど2次伸線速度は低く管理しなければならなく、連続伸線方式の場合、伸線速度を銅メッキワイヤは1500m/min、メッキなしワイヤは1000m/minを超えないように管理しなければならない。上記のように、伸線方式及び伸線速度を管理することにより引張強度が制御できる。
また、最終製品ワイヤの硬化指数は、最終伸線後、スプールまたはペールパックに巻き取られる前、ワイヤの矯正を行なうために使用される曲げローラー及び矯正ローラーにより制御される。詳しくは、1)曲げローラーと縦/横の矯正ローラーとの組み合わせ、2)地面と45度傾いた矯正ローラー(以下、‘傾いた矯正ローラー’という)と縦/横の矯正ローラーの組み合わせ、3)曲げローラーと傾いた矯正ローラーと縦/横の矯正ローラー間の組み合わせなどにより最終製品ワイヤの硬化指数が制御される。
上記の曲げローラーを図5に、傾いた矯正ローラーを図6及び図7に、縦/横の矯正ローラーを図8にそれぞれ示した。図5で示された曲げローラーは、ワイヤの引張強度を僅か上昇させ、特に熱処理を行なったワイヤでより多くの引張強度の上昇が誘発される。また、引張強度の上昇と共に硬化指数の上昇も誘発するが、これは曲げローラーがワイヤの加工硬化を誘発することにより、加工硬化率を増加させるためである。
図6及び図7で示された傾いた矯正ローラーは、最終伸線されたワイヤの矯正を目的として使用するものであって、硬化指数の上昇を誘発する。
図8で示された縦/横の矯正ローラーは、最終伸線されたワイヤの矯正を目的として使用するものであって、硬化指数には大きな影響を及ぼさないが、一般的に溶接ワイヤを製造するとき、ワイヤの矯正のために必ず使用されるローラーである。このような縦/横の矯正ローラーの単独では、硬化指数に影響を及ぼさないが、前述した曲げローラーと傾いた矯正ローラーとの結合により硬化指数に影響を及ぼし、その上昇を誘発する。
以下、本発明の好適な実施例を具体的に説明する。実施例は、本発明を例示しようとするもので、本発明はこれに限定されるものではない。
溶接時におけるワイヤの送給性の評価方法
本発明に使用された溶接ワイヤの化学成分を下記の表2に示し、溶接条件は下記の表3に示した。下記の表2に記載されているように、使用された溶接ワイヤは、銅メッキワイヤとメッキなしワイヤをそれぞれ使用した。
Figure 2007144512
Figure 2007144512
下記の表4に示された評価基準で、ワイヤの送給性を評価した。このとき、“可能”と表記した部分は、表3の溶接条件で溶接を行なう場合、60秒以上の持続溶接が可能な場合を表し、“不可能”と表記した部分は、60秒未満でアーク切れが発生した場合を表す。
Figure 2007144512
溶接時におけるアーク安定性の評価方法
下記の表5に示された溶接条件で溶接を実施し、表6に示された方法で溶接時における溶接ワイヤのアーク安定性を評価した。
溶接ワイヤは前述した表2のように、銅メッキワイヤとメッキなしワイヤを共に使用し、下記表5の溶接条件で20秒間連続自動溶接を実施し、アークモニタリングシステム(Arc Monitoring System, WAM4000D Version 2.0)を利用して、秒当たり5000回をモニタリングした。
Figure 2007144512
このとき、溶接電流の標準偏差をアーク安定性の評価基準として導入し、詳細なアーク安定性の評価基準を下記の表6に示した。表6に示した評価基準について見ると、溶接時にアーク短絡がなく、溶接電流の標準偏差が15未満の場合は、スパッタ(Spatter)の発生量が少なく、美麗なビード外観が得られる一方、アーク短絡が2回以上であり、溶接電流の標準偏差が50を超える場合は、スパッタ(Spatter)の発生量とビード外観が共に不良であった。
Figure 2007144512
上記表1〜6の結果を、下記の表7及び8にまとめた。ここで、表7はワイヤ種類別の製造方式、伸線速度と最終伸線後の曲げローラー及び矯正ローラーの適用方法を示したものであり、表8は表7に明示された製造方法で製造した場合に表される最終製品ワイヤの硬化指数及び送給性、アーク安定性を評価したものである。
Figure 2007144512
Figure 2007144512
上記の表7及び8から分かるように、発明例1〜15は溶接ワイヤの製造方式により、前述したように伸線速度と最終伸線後、曲げローラー及び矯正ローラーの適用方法を適切に管理して硬化指数を0.25〜0.55の範囲に維持することにより、溶接時に優れたワイヤの送給性とアーク安定性を得ることができた。
一方、比較例1〜4、10〜11のそれぞれでは、製造方式により伸線速度は適切であったが、 最終伸線後の適用ローラーの選択が適切ではなく、適正硬化指数の範囲を達成できなかった。即ち、最終伸線後の曲げローラー及び矯正ローラーを使用しなかったり、縦/横の矯正ローラーのみ使用することにより、加工硬化率が余りにも低くなり、これにより弾性区間領域の増加により硬化指数も余りにも低くなった。
それで、送給負荷が高い環境下で溶接を行なうとき、溶接ケーブル(Cable)によるワイヤの変形が容易ではなく、結果として溶接時に送給ケーブル(Cable)を通過するとき、大きな送給負荷を誘発した。従って、溶接時に溶接ワイヤの送給性が不安になり、因みにアーク安定性も減少した。
比較例5、7〜9、13〜15では、製造方式により伸線速度が速すぎてワイヤの加工硬化率が上昇し、因みに最終伸線後、曲げローラー及び矯正ローラーを適用したとき、加工硬化率の上昇がさらに促進され、硬化指数が適正上限値を超えた。従って、加工硬化率の過度な増加による相対的な弾性領域の減少により、送給負荷が高い環境下で溶接を行なう場合、溶接ケーブル(Cable)により容易に曲げ変形が発生し、アーク切れのような送給不良が発生することにより、アーク安定性も悪くなった。
一方、比較例6、12では、伸線速度が遅すぎてワイヤの加工硬化率が低くなり、相対的に弾性領域が大きくなる。しかし、熱処理を適用した2段階伸線方式の場合、最終伸線後、曲げローラー及び矯正ローラーによる加工硬化率の上昇が非常に大きい。従って、伸線時の加工硬化率が低くても、最終伸線後、曲げローラーと矯正ローラーによる加工硬化率の上昇が非常に大きくなり、最終製品の硬化指数が大きくなり、送給負荷が高い環境下で溶接を行なう場合、溶接ケーブル(Cable)により容易に曲げ変形が発生し、送給不良が発生してアーク安定性が悪くなったことが確認できた。
溶接用ワイヤの送給系統図。 引張試験の際に観察される応力−変形率曲線において加工硬化率を示すグラフ。 引張試験の際に観察される応力−変化率曲線(stress-strain curve)。 銅メッキワイヤの硬化指数と溶接時の溶接電流の標準偏差及び引張強度を共に示したグラフ。 本発明の一つの実施形態による最終伸線後に適用される曲げローラーを示した斜視図。 本発明の一つの実施形態によるそれぞれの地面と45度傾いた矯正ローラーの斜視図。 本発明の一つの実施形態によるそれぞれの地面と45度傾いた矯正ローラーの斜視図。 本発明の一つに実施形態による縦/横の矯正ローラーを示した斜視図。
符号の説明
101・・・供給器
102・・・送給ケーブル(Cable)
103・・・トーチ
104・・・ペールパック製品
105・・・スプール製品
201・・・溶接ワイヤ
202・・・曲げローラー
203・・・地面と45度傾いた矯正ローラー
204・・・縦/横の矯正ローラー

Claims (3)

  1. ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤにおいて、
    下記の式(1)で定義される最終製品ワイヤの硬化指数が0.25〜0.55の範囲内であることを特徴とする、送給性及びアーク安定性に優れたガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
    Figure 2007144512
    (ここで、降伏強度は0.05%オフセットの降伏強度を示す。)
  2. 上記ワイヤの組成は、ワイヤの全重量に対してC:0.03〜0.10%、Si:0.45〜1.05%、Mn:0.90〜1.90%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、及びその残部としてFe及びその他の不純物からなることを特徴とする、請求項1記載の送給性及びアーク安定性に優れたガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
  3. 上記ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤの硬化指数は、曲げローラー及び傾いた矯正ローラーから選ばれた1種以上と、縦/横の矯正ローラーとの組み合わせにより制御されることを特徴とする、請求項1または2記載の送給性及びアーク安定性に優れたガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
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