JP6928641B2 - ソリッドワイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、490MPa級以上の高張力鋼等を溶接、特にサブマージアーク溶接する際に使用するソリッドワイヤに関する。
サブマージアーク溶接は、フラックスとワイヤとを組み合わせた高能率な溶接施工法として、各産業分野において多用されている。使用されるワイヤは、ソリッドワイヤと、フラックス入りワイヤとがあり、ワイヤ径は1.2mmなどの細径から6.4mmなどの太径が適用されている。
特に、太径のソリッドワイヤにおいては、その引張強度が高くなることから、ワイヤに直進性をもたせるための矯正が容易ではなく、溶接時にワイヤ矯正装置による矯正調整が難しい。ワイヤの矯正が不十分で、ワイヤの直進性を維持出来ない場合には、直進性のない蛇行した溶接ビードが形成されたり、開先内の狙いずれが生じることにより、融合不良などの内部欠陥を引き起こすなどの問題がある。
ワイヤの引張強度は、ワイヤ組成および製造過程における伸線加工方法などで決まる。そして、特に高張力鋼用の溶接に使用されるソリッドワイヤでは、溶接金属に所定の引張性能や衝撃性能をもたせるために、ワイヤ組成の調整は必要不可欠なことである。また、ワイヤの伸線加工においては、伸線ブロックあたりの加工率を上げることによって製造コストの抑制を図ることも、競争力を確保するうえで必要不可欠なことである。したがって、焼鈍による軟化を図ってとしてもワイヤの引張強度の増加は、必然的に避けられないことである。
特許文献1〜3には、潤滑油またはメッキの観点からワイヤ送給性の改善を図ったサブマージアーク溶接用ワイヤが記載されている。また、特許文献4には、軟質で長尺のコンジットケーブルを使用して長時間溶接する場合においても、ワイヤ送給性が良好で、かつ、チップの摩耗が少なくアークが安定なガスシールドアーク溶接用銅めっきソリッドワイヤが記載されている。
特開2002−219595号公報 特開2002−273595号公報 特開2003−275893号公報 特開2008−194716号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載されたサブマージアーク溶接用ワイヤおよびガスシールドアーク溶接用銅めっきソリッドワイヤは、太径のワイヤにおける直進矯正において十分なものとは言えなかった。
そこで、本発明は、上記状況を鑑みてなされたものであって、その課題は、広範囲なワイヤ径のソリッドワイヤにおいても直進矯正が容易なソリッドワイヤを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ソリッドワイヤの鋼組織中に分布する所定のMn介在物の形態および量を制御することにより、ソリッドワイヤの塑性変形能、具体的には降伏応力を制御して、ワイヤ直進性を得るための矯正の容易性を改善する知見を得た。
前記課題を解決するために、本発明に係るソリッドワイヤは、ワイヤ全質量あたり、C:0.02質量%以上0.20質量%以下、Si:1.0質量%以下、Mn:0.8質量%以上2.7質量%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、ワイヤ径が1.6mmφ以上であり、鋼組織中にMn介在物が分布するものであって、前記Mn介在物のうち、Mn含有量が1.0質量%以上30質量%以下、かつ、最大径が0.05μm以上10μm以下の前記Mn介在物の存在密度が、ワイヤ断面積1000μmあたり10個以上であることを特徴とする。
本発明に係るソリッドワイヤによれば、C、SiおよびMnを所定量含有することによって、ワイヤの強度が向上し、送給性が向上する。また、ワイヤの鋼組織において、Mn含有量および最大径が所定範囲であるMn介在物の存在密度を所定量に制御することによって、ワイヤの塑性変形能が向上するため、ワイヤの直進矯正が容易となる。さらに、ワイヤの塑性変形能が向上するため、ワイヤ製造の際の伸線ブロックあたりの加工率を向上させることができるため、製造コストアップを抑制できる。
本発明に係るソリッドワイヤは、さらに、ワイヤ全質量あたり、Ni:4.0質量%以下、Ti:0.25質量%以下のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明に係るソリッドワイヤによれば、NiおよびTiのうち少なくとも1種を所定量含有することによって、ワイヤの強度がさらに向上し、送給性がさらに向上する。
本発明に係るソリッドワイヤは、さらに、ワイヤ全質量あたり、Cr:1.5質量%以下、Mo:1.5質量%以下のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明に係るソリッドワイヤによれば、CrおよびMoのうち少なくとも1種を所定量含有することによって、ワイヤの強度がさらに向上し、送給性がさらに向上する。
本発明に係るソリッドワイヤは、前記ソリッドワイヤがサブマージアーク溶接用であることが好ましい。
本発明に係るソリッドワイヤによれば、太径が常用であるサブマージアーク溶接の際にも、送給性が向上すると共に、直進矯正が容易となり、製造コストアップを抑制できる。
本発明に係るソリッドワイヤによれば、広範囲なワイヤ径のソリッドワイヤにおいても、直進矯正が容易なソリッドワイヤを提供することできる。また、製造過程におけるコストも抑制することができる。その結果、溶接部の品質向上を図ることができる。
ワイヤの直進矯正の容易性を評価するための試験方法を模式的に示す正面図である。
本発明に係るソリッドワイヤ(以下、ワイヤと称す)の実施の形態について詳細に説明する。
ワイヤは、組成が同一で、且つ、同一の製造方法によってワイヤを製造しても、これらのワイヤを溶接に供した場合、ワイヤの製造ロットによってワイヤ直進矯正の容易性が異なり、アーク安定性が異なることがある。そこで、これらのワイヤの断面を詳細に調査したところ、ワイヤ原線の断面内に介在物が存在し、この介在物がワイヤ直進矯正の容易性に大きく影響を及ぼすことが分かった。
本発明のワイヤは、ワイヤ全質量あたり、C:0.02質量%以上0.20質量%以下、Si:1.0質量%以下、Mn:0.8質量%以上2.7質量%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、ワイヤ径が1.6mmφ以上であり、鋼組織中にMn介在物が分布するものであって、そのMn介在物のうち、Mn含有量が1.0質量%以上30質量%以下、かつ、最大径が0.05μm以上10μm以下のMn介在物の存在密度が、ワイヤ断面積1000μmあたり10個以上であるものである。
以下、ワイヤの組成、および、Mn介在物の存在密度の限定理由について説明する。
(C:0.02質量%以上0.20質量%以下)
Cは、ワイヤの強度を向上させる効果がある。こうした効果を発揮させ、適切なワイヤの送給性を得るためには、C含有量は0.02質量%以上とする必要がある。しかし、C含有量が過剰になり0.20質量%を超えると、ワイヤが過度に硬化しワイヤの製作が困難になったり、ワイヤの送給性が劣化することになる。よって、ワイヤ全質量あたりのC含有量は、0.02質量%以上0.20質量%以下とする。C含有量は、ワイヤの送給性の劣化を抑制する観点から、0.04質量%以上が好ましく、0.18質量%以下が好ましい。
(Si:1.0質量%以下)
Siは、ワイヤの強度を向上させ、ワイヤの送給性を向上させる効果がある。Si含有量が過剰になり1.0質量%を超えると、ワイヤが過度に硬化しワイヤの送給性が劣化することになる。よって、ワイヤ全質量あたりのSi含有量は1.0質量%以下とする。Si含有量は、ワイヤの送給性の劣化を抑制する観点から0.30質量%以下が好ましい。
(Mn:0.8質量%以上2.7質量%以下)
Mnは、ワイヤの強度を向上させる効果がある。こうした効果を発揮させ、適切なワイヤの送給性を得るためには、Mn含有量は0.8質量%以上とする必要がある。しかし、Mn含有量が過剰になり2.7質量%を超えると、ワイヤが過度に硬化しワイヤの製作が困難になったり、ワイヤの送給性が劣化することになる。よって、ワイヤ全質量あたりのMn含有量は、0.8質量%以上2.7質量%以下とする。Mn含有量は、ワイヤの送給性の劣化を抑制する観点から、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以下が好ましい。また、Mn含有量は、後記するMn介在物の存在密度や、Mn介在物組成にも影響を及ぼす。
(残部:Feおよび不可避的不純物)
ワイヤの成分の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えば、Cu、P、S、O、N、Al、Zr、B、V、W、Nb、Co、Sn、Sb、As等が挙げられる。これらの不可避的不純物は、本発明の効果を妨げない範囲において含有することは許容される。その含有量は、P、S、Al、Zrは、それぞれ0.030質量%以下が好ましく、B、V、W、Nb、Co、Sn、Sb、Asは、それぞれ0.010質量%以下が好ましい。Oは、0.050質量%以下が好ましい。Nは、0.010質量%以下が好ましい。Cuは、後記するようにワイヤ表面へのコーティング量との合計量で制御する。そして、Cu、P、S、O、N、Al、Zr、B、V、W、Nb、Co、Sn、Sb、As等については、所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけでなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。また、前記したSi、後記するNi、Ti、Cr、Moについては、積極的に添加してもよいが、不可避的不純物として含有されていてもよい。
(ワイヤ径:1.6mmφ以上)
ワイヤの直進矯正効果を適切に発揮させる為に、本発明のワイヤは、ワイヤ径が1.6mmφ以上とする。ワイヤ径が1.6mmφ未満であると、ワイヤの直進矯正の容易性が損なわれる。これは、ワイヤ径が小さいために、その直進性は製造時の加工工程のバラツキの影響を大きく受け、それらバラツキは本技術による直進性の矯正範囲を超えるものであったと考えられる。ワイヤの矯正効果の観点から、ワイヤ径の下限値は、より好ましくは2.4mmφであり、さらに好ましくは3.2mmφである。ワイヤ径の上限は特に設ける必要はないが、実用上は6.4mm以下とすることが好ましい。
(Mn介在物の存在密度:1000μmあたり10個以上)
Mnを適量含有させることにより、ワイヤの鋼組織中にMn介在物が分布する。ここで、Mn介在物とは、Mnを所定量含有し、S、Si、FeおよびOの少なくとも1種を所定量含有するものである。なお、Mn介在物は、前記成分を含むものであれば、Ni等の他の成分を含有するものでもよい。
そして、鋼組織中に分布するMn介在物のうち、所定量のMn含有量を有し、かつ、最大径が所定範囲であるMn介在物の存在密度を制御することによって、ワイヤの塑性変形能が向上し、降伏点が低下するため、ワイヤの直進性を得るための矯正が容易となる。具体的には、Mn含有量が1.0質量%以上30質量%以下、かつ、円相当径で算出された最大径が0.05μm以上10μm以下のMn介在物の存在密度を、ワイヤ断面積1000μmあたり10個以上とする。好ましくは、存在密度は1000μmあたり20個以上である。
所定のMn含有量および最大径を有するMn介在物の存在密度の上限は、特に制限されるものではないが、好ましくはワイヤ断面積1000μmあたり500個以下、より好ましくは300個以下である。また、Mn含有量および最大径が前記範囲外であるMn介在物、具体的には、Mn含有量が1.0質量%未満または30質量%超えのMn介在物、最大径が0.05μm未満または10μm超えのMn介在物等では、ワイヤ塑性変形能を向上させる効果はあらわれない。
なお、前記した所定Mn含有量および最大径を有するMn介在物の存在密度は、ワイヤ作製の溶解工程・精錬工程において、取鍋スラグ中のMnO含有量を2.0質量%以下に調節するとともに、脱酸剤としてSi−Mn−Al−Feを使用し、ワイヤ中のMn含有量を0.8質量%以上2.7質量%以下に調整することにより達成することができる。
また、取鍋スラグ中のMnO含有量は、例えば取鍋スラグの塩基度や、脱酸剤の添加量により調整することができる。
本発明のワイヤは、さらに、ワイヤ全質量あたり、Ni:4.0質量%以下、Ti:0.25質量%以下のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。NiおよびTiはワイヤの強度を向上させるとともにワイヤの組織を安定させ、ワイヤ送給性を向上させる効果がある。
本発明のワイヤは、さらに、ワイヤ全質量あたり、Cr:1.5質量%以下、Mo:1.5質量%以下のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。CrおよびMoはワイヤの強度を向上させるとともにワイヤの組織を安定させ、ワイヤ送給性を向上させる効果がある。
本発明のワイヤは、溶接時のワイヤ送給性改善のために、ワイヤ表面に電気めっき等の手法でCuをコーティングしたものが好ましい。Cuコーティング量と不可避的不純物としてのCu量との合計量、すなわち、ワイヤ中のCu含有量が0.35質量%を超えると、溶接金属中のCu含有量も増加し、そのじん性が低下する懸念がある。よって、ワイヤ全質量あたりのCu含有量は、0.35質量%以下が好ましい。Cu含有量は、溶接金属のじん性低下を抑制する観点から0.25質量%以下が好ましい。なお、Cu含有量の下限値は、特に規定はなく、Cu含有量が0質量%であってもよい。ただし、Cuは、溶鋼中に不可避的に混入するため、実質的に0.01質量%が下限値となる。
以上説明した本発明のワイヤは、サブマージ溶接に用いられることが好ましい。サブマージ溶接はワイヤの直進矯正が非常に重要であること、3.2〜6.4mmφの太径ワイヤが常用されるためである。そして、本発明のワイヤは、490MPa級以上の高張力鋼をサブマージアーク溶接する際に好適に使用される。
サブマージアーク溶接の際に、前記ワイヤと組み合わされて使用されるフラックスには、従来公知のフラックスから適宜選択して使用され、特に限定されるものではない。例えば、フラックスの組成としては、SiO、MgO、Al、FeO、CaF、CaO、P、S等を含有するものが好ましい。
次に、本発明のソリッドワイヤの製造方法について説明する。
本発明のソリッドワイヤは、溶解・精錬工程、鋳造工程、圧延工程および伸線工程を行うことにより製造することができる。例えば、まず、溶解・精錬工程として、転炉あるいは電気炉等を用いて、前記組成を有する溶鋼を溶解・精錬する。次に、鋳造工程として、得られた溶鋼から連続鋳造や造塊法等によって鋼材(ビレット等)を製造する。次に、圧延工程として、製造した鋼材を加熱した後、熱間圧延または押出圧延を施し、さらに乾式の冷間圧延(冷間伸線)を施して、例えば、5.5mmφの溶接ワイヤ用原線(鋼素線)を製造する。次いで、伸線工程として、溶接ワイヤ用原線を必要に応じて焼鈍や酸洗を実施して伸線加工を行い、最終ワイヤ径を有するソリッドワイヤとして製造する。
そして、前記のソリッドワイヤの製造過程について詳細に調査および検討した結果、溶解工程・精錬工程において、取鍋スラグ中のMnO量を2.0質量%以下に制御するとともに脱酸剤を選定し、最終的にワイヤに含まれるMn量を0.8質量%以上2.7質量%以下に調整することで、Mn含有量が1.0質量%以上30質量%以下、かつ、最大径が0.05μm以上10μm以下のMn介在物の存在密度をワイヤ断面積1000μmあたり10個以上に調整できることをできることを見出した。
従来の製造方法では、例えば、脱酸剤としてはFe−Mn、Fe−Si,Ca−Siが使われており、取鍋スラグもFeO量およびMnO量の合計で酸化度が管理されていた。本発明においては、種々検討した結果、脱酸剤にSi−Mn−Al−Feを用いて、MnO含有量を一定以下に調整することで、Mn介在物の存在密度を調整している。
以下、本発明の要件を満足する実施例について、その効果を本発明の要件を満足しない比較例と比較して説明する。
まず、電気炉にて溶鋼を溶製する。このとき、表1に示す脱酸剤の添加によって、溶鋼の取鍋スラグのMnO含有量を調節する。調節された溶鋼を造塊し、押出圧延、冷間伸線し、5.5mmφの溶接ワイヤ用原線を製造後、この溶接ワイヤ用原線を、焼鈍・伸線し、スキンパスおよび潤滑油を塗布して、表1に示す最終ワイヤ径、成分組成を有するサブマージアーク溶接用ソリッドワイヤを製造した。
次に、製造されたワイヤの径方向断面を鏡面研磨した後、FE−SEM(Field Emission−Scaning Electron Microscope:電界放射型走査電子顕微鏡)で観察した。観察視野中から最大径:0.05μm以上10μm以下のMn介在物を選定するとともに、介在物中央部の組成をFE−SEMにて分析した。検出した元素のうちS、Si、Mn、FeおよびOの分析値の合計量(質量%)が100となるように各元素の分析値を変換し、下式(1)でMn介在物に含まれるMn含有量(質量%)を算出した。
Mn含有量={Mn変換分析値/(S変換分析値+Si変換分析値+Mn変換分析値+Fe変換分析値+O変換分析値)}×100・・・(1)
そして、所定Mn含有量:1.0質量%以上30質量%以下のMn介在物を選定し、その個数を計測し、所定の最大径(0.05μm以上10μm以下)およびMn含有量(1質量%以上30質量%以下)を有するMn介在物の存在密度(個/1000μm)を算出した。3視野から所定Mn含有量のMn介在物を10個選定し、その平均値をMn介在物のMn含有量として表1に示す。また、3視野で算出されたMn介在物の存在密度の平均値を表1に示す。なお、表1において、本発明の要件を満足しないものは数値に下線を引いて示す。
FE−SEMの具体的な装置名、分析条件は、以下のとおりとする。
装置名:日立ハイテック社製 S−4300SE装置
EDX(EDS)名:EDAX Phoenix
分析条件:加速電圧15KV、照射電流5×10−12
倍率:5000倍
測定時間:60秒
次に、製造されたワイヤを用いて、以下に示す方法でワイヤの直進矯正の容易性について評価した。その結果を表1に示す。
図1に示すように、サブマージアーク溶接機の送給装置を使用し、送給ローラ1によりワイヤWを送給させ、コンタクトチップ2の先端よりワイヤWを30mm長さで突き出した。その際、ワイヤ先端の位置を連続的に100点計測し、ワイヤ先端(中心)の位置により、ワイヤの直進矯正の容易性を評価した。ワイヤ先端中心の位置とコンタクトチップ直下の中心位置との距離Dが、ワイヤ径dの範囲内におさまっていれば、ワイヤWの直進性を容易に矯正でき、溶接欠陥の発生が防止できる範囲内とし、合格とした。
次に、製造されたワイヤと表2に示すフラックスを用いて、以下に示す方法でワイヤの送給性を評価した。その結果を表1に示す。
図1に示すように、サブマージアーク溶接機の送給装置を使用し、表3に示す溶接条件にて、板厚20mmの溶接構造用圧延鋼材(JIS G3106 SM400B)の表面に1,000mm長さの溶接ビードを合計3回溶接した。この溶接中に、ワイヤの送給が停止することなく連続的に溶接できるものを合格(○)とした。ワイヤがスリップしたり、座屈して連続的な送給が出来ないものを不合格(×)とした。
Figure 0006928641
Figure 0006928641
Figure 0006928641
表1に示すように、本発明の要件を満足するNo.1〜13(実施例)は、直進矯正の容易性、ワイヤ送給性において優れていた。
一方、本発明の要件を満足しないNo.14〜26(比較例)は、以下の結果となった。
No.14(比較例)は、C含有量が過少のため、ワイヤが軟質となりワイヤ送給性が劣っていた。No.15(比較例)は、C含有量が過剰のため、ワイヤが過度に硬化しワイヤの製作が不可能であった。No.16(比較例)は、Si含有量が過剰のため、ワイヤの製作は可能であったもののワイヤの硬化の影響でワイヤ送給性が劣っていた。
No.17(比較例)は、Mn含有量が過少のため、ワイヤが軟質となりワイヤ送給性が劣っていた。No.18(比較例)は、Mn含有量が過剰のため、ワイヤが過度に硬化し、ワイヤ送給性が劣っていた。No.19〜21、24〜25(比較例)は、取鍋スラグ中のMnO含有量が過剰であったため、Mn介在物の存在密度が過少となり、ワイヤの直進矯正の容易性が損なわれた。
No.22(比較例)は、従来の脱酸剤を用いたため、Mn介在物のMn含有量が過少となり、ワイヤの直進矯正の容易性が損なわれた。No.23(比較例)は、従来の脱酸剤を用いたため、Mn介在物のMn含有量が過剰となり、ワイヤの直進矯正の容易性が損なわれた。No.26(比較例)は、ワイヤ径が小さく、直進矯正の容易性が損なわれた。
1 送給ローラ
2 コンタクトチップ
W ワイヤ
D 距離

Claims (4)

  1. ワイヤ全質量あたり、
    C:0.02質量%以上0.20質量%以下、
    Si:1.0質量%以下、
    Mn:0.8質量%以上2.7質量%以下、
    Cu:0.01質量%以上0.35質量%以下、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    鋼組織中にMn介在物が分布しており、
    前記Mn介在物のうち、Mn含有量が1.0質量%以上30質量%以下、かつ、最大径が0.05μm以上10μm以下の前記Mn介在物の存在密度が、ワイヤ断面積1000μmあたり10個以上であり、
    表面にCuがコーティングされており、
    ワイヤ径が6.4mm以下であるソリッドワイヤ。
  2. さらに、ワイヤ全質量あたり、
    Ni:4.0質量%以下、
    Ti:0.25質量%以下のうち少なくとも1種を含有する請求項1に記載のソリッドワイヤ。
  3. さらに、ワイヤ全質量あたり、
    Cr:1.5質量%以下、
    Mo:1.5質量%以下のうち少なくとも1種を含有する請求項1又は請求項2に記載のソリッドワイヤ。
  4. 前記ソリッドワイヤがサブマージアーク溶接用又はガスシールドアーク溶接用である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のソリッドワイヤ。
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