JP6928641B2 - ソリッドワイヤ - Google Patents
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Description
本発明に係るソリッドワイヤによれば、NiおよびTiのうち少なくとも1種を所定量含有することによって、ワイヤの強度がさらに向上し、送給性がさらに向上する。
本発明に係るソリッドワイヤによれば、CrおよびMoのうち少なくとも1種を所定量含有することによって、ワイヤの強度がさらに向上し、送給性がさらに向上する。
本発明に係るソリッドワイヤによれば、太径が常用であるサブマージアーク溶接の際にも、送給性が向上すると共に、直進矯正が容易となり、製造コストアップを抑制できる。
ワイヤは、組成が同一で、且つ、同一の製造方法によってワイヤを製造しても、これらのワイヤを溶接に供した場合、ワイヤの製造ロットによってワイヤ直進矯正の容易性が異なり、アーク安定性が異なることがある。そこで、これらのワイヤの断面を詳細に調査したところ、ワイヤ原線の断面内に介在物が存在し、この介在物がワイヤ直進矯正の容易性に大きく影響を及ぼすことが分かった。
以下、ワイヤの組成、および、Mn介在物の存在密度の限定理由について説明する。
Cは、ワイヤの強度を向上させる効果がある。こうした効果を発揮させ、適切なワイヤの送給性を得るためには、C含有量は0.02質量%以上とする必要がある。しかし、C含有量が過剰になり0.20質量%を超えると、ワイヤが過度に硬化しワイヤの製作が困難になったり、ワイヤの送給性が劣化することになる。よって、ワイヤ全質量あたりのC含有量は、0.02質量%以上0.20質量%以下とする。C含有量は、ワイヤの送給性の劣化を抑制する観点から、0.04質量%以上が好ましく、0.18質量%以下が好ましい。
Siは、ワイヤの強度を向上させ、ワイヤの送給性を向上させる効果がある。Si含有量が過剰になり1.0質量%を超えると、ワイヤが過度に硬化しワイヤの送給性が劣化することになる。よって、ワイヤ全質量あたりのSi含有量は1.0質量%以下とする。Si含有量は、ワイヤの送給性の劣化を抑制する観点から0.30質量%以下が好ましい。
Mnは、ワイヤの強度を向上させる効果がある。こうした効果を発揮させ、適切なワイヤの送給性を得るためには、Mn含有量は0.8質量%以上とする必要がある。しかし、Mn含有量が過剰になり2.7質量%を超えると、ワイヤが過度に硬化しワイヤの製作が困難になったり、ワイヤの送給性が劣化することになる。よって、ワイヤ全質量あたりのMn含有量は、0.8質量%以上2.7質量%以下とする。Mn含有量は、ワイヤの送給性の劣化を抑制する観点から、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以下が好ましい。また、Mn含有量は、後記するMn介在物の存在密度や、Mn介在物組成にも影響を及ぼす。
ワイヤの成分の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えば、Cu、P、S、O、N、Al、Zr、B、V、W、Nb、Co、Sn、Sb、As等が挙げられる。これらの不可避的不純物は、本発明の効果を妨げない範囲において含有することは許容される。その含有量は、P、S、Al、Zrは、それぞれ0.030質量%以下が好ましく、B、V、W、Nb、Co、Sn、Sb、Asは、それぞれ0.010質量%以下が好ましい。Oは、0.050質量%以下が好ましい。Nは、0.010質量%以下が好ましい。Cuは、後記するようにワイヤ表面へのコーティング量との合計量で制御する。そして、Cu、P、S、O、N、Al、Zr、B、V、W、Nb、Co、Sn、Sb、As等については、所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけでなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。また、前記したSi、後記するNi、Ti、Cr、Moについては、積極的に添加してもよいが、不可避的不純物として含有されていてもよい。
ワイヤの直進矯正効果を適切に発揮させる為に、本発明のワイヤは、ワイヤ径が1.6mmφ以上とする。ワイヤ径が1.6mmφ未満であると、ワイヤの直進矯正の容易性が損なわれる。これは、ワイヤ径が小さいために、その直進性は製造時の加工工程のバラツキの影響を大きく受け、それらバラツキは本技術による直進性の矯正範囲を超えるものであったと考えられる。ワイヤの矯正効果の観点から、ワイヤ径の下限値は、より好ましくは2.4mmφであり、さらに好ましくは3.2mmφである。ワイヤ径の上限は特に設ける必要はないが、実用上は6.4mm以下とすることが好ましい。
Mnを適量含有させることにより、ワイヤの鋼組織中にMn介在物が分布する。ここで、Mn介在物とは、Mnを所定量含有し、S、Si、FeおよびOの少なくとも1種を所定量含有するものである。なお、Mn介在物は、前記成分を含むものであれば、Ni等の他の成分を含有するものでもよい。
また、取鍋スラグ中のMnO含有量は、例えば取鍋スラグの塩基度や、脱酸剤の添加量により調整することができる。
本発明のソリッドワイヤは、溶解・精錬工程、鋳造工程、圧延工程および伸線工程を行うことにより製造することができる。例えば、まず、溶解・精錬工程として、転炉あるいは電気炉等を用いて、前記組成を有する溶鋼を溶解・精錬する。次に、鋳造工程として、得られた溶鋼から連続鋳造や造塊法等によって鋼材(ビレット等)を製造する。次に、圧延工程として、製造した鋼材を加熱した後、熱間圧延または押出圧延を施し、さらに乾式の冷間圧延(冷間伸線)を施して、例えば、5.5mmφの溶接ワイヤ用原線(鋼素線)を製造する。次いで、伸線工程として、溶接ワイヤ用原線を必要に応じて焼鈍や酸洗を実施して伸線加工を行い、最終ワイヤ径を有するソリッドワイヤとして製造する。
装置名:日立ハイテック社製 S−4300SE装置
EDX(EDS)名:EDAX Phoenix
分析条件:加速電圧15KV、照射電流5×10−12A
倍率:5000倍
測定時間:60秒
図1に示すように、サブマージアーク溶接機の送給装置を使用し、送給ローラ1によりワイヤWを送給させ、コンタクトチップ2の先端よりワイヤWを30mm長さで突き出した。その際、ワイヤ先端の位置を連続的に100点計測し、ワイヤ先端(中心)の位置により、ワイヤの直進矯正の容易性を評価した。ワイヤ先端中心の位置とコンタクトチップ直下の中心位置との距離Dが、ワイヤ径dの範囲内におさまっていれば、ワイヤWの直進性を容易に矯正でき、溶接欠陥の発生が防止できる範囲内とし、合格とした。
図1に示すように、サブマージアーク溶接機の送給装置を使用し、表3に示す溶接条件にて、板厚20mmの溶接構造用圧延鋼材(JIS G3106 SM400B)の表面に1,000mm長さの溶接ビードを合計3回溶接した。この溶接中に、ワイヤの送給が停止することなく連続的に溶接できるものを合格(○)とした。ワイヤがスリップしたり、座屈して連続的な送給が出来ないものを不合格(×)とした。
No.14(比較例)は、C含有量が過少のため、ワイヤが軟質となりワイヤ送給性が劣っていた。No.15(比較例)は、C含有量が過剰のため、ワイヤが過度に硬化しワイヤの製作が不可能であった。No.16(比較例)は、Si含有量が過剰のため、ワイヤの製作は可能であったもののワイヤの硬化の影響でワイヤ送給性が劣っていた。
2 コンタクトチップ
W ワイヤ
D 距離
Claims (4)
- ワイヤ全質量あたり、
C:0.02質量%以上0.20質量%以下、
Si:1.0質量%以下、
Mn:0.8質量%以上2.7質量%以下、
Cu:0.01質量%以上0.35質量%以下、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
鋼組織中にMn介在物が分布しており、
前記Mn介在物のうち、Mn含有量が1.0質量%以上30質量%以下、かつ、最大径が0.05μm以上10μm以下の前記Mn介在物の存在密度が、ワイヤ断面積1000μm2あたり10個以上であり、
表面にCuがコーティングされており、
ワイヤ径が6.4mm以下であるソリッドワイヤ。 - さらに、ワイヤ全質量あたり、
Ni:4.0質量%以下、
Ti:0.25質量%以下のうち少なくとも1種を含有する請求項1に記載のソリッドワイヤ。 - さらに、ワイヤ全質量あたり、
Cr:1.5質量%以下、
Mo:1.5質量%以下のうち少なくとも1種を含有する請求項1又は請求項2に記載のソリッドワイヤ。 - 前記ソリッドワイヤがサブマージアーク溶接用又はガスシールドアーク溶接用である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のソリッドワイヤ。
Priority Applications (1)
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| JP2019228587A JP6928641B2 (ja) | 2016-03-14 | 2019-12-18 | ソリッドワイヤ |
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Family Applications (1)
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