JP4722811B2 - 高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - Google Patents

高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 Download PDF

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本発明は、石油、天然ガスの輸送に使われるラインパイプ、貯蔵に使われる容器などにおいて使用される高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、特に高速度の溶接条件においても優れた機械性能の溶接金属およびビード形状、溶接作業性が得られる高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
高強度鋼は、石油、天然ガスの輸送に使われるラインパイプ、貯蔵に使われる容器などにおいて使用されているが、近年、板厚を薄くすることによって使用鋼材量の低減を図るために、一層の鋼材の高強度化が進められている。鋼材の高強度化に合わせ溶接金属の高強度化および高靭性化が重要である。
従来、高強度用のサブマージアーク溶接用ワイヤは、溶接金属部の高強度化を目的として、Ni、Cr、Mo等の合金成分を含有したソリッドワイヤが主に使用されている。しかし、溶接金属の高強度化のためにワイヤの合金成分量を増加すると、ワイヤ自体が高強度となり、溶接用ワイヤ製造の伸線加工時に、加工硬化が加わりさらにワイヤが硬化する。ワイヤが硬化するとダイス摩耗や断線が多くなるため、製造が困難となる。そこで、一般的には伸線途中に熱処理を行いワイヤの強度を低下させるが、合金成分量が多い場合はワイヤの変態温度が低下するため、焼なまし処理により軟化を行う場合に長時間の保持が必要になる。また、高温の焼ならし処理により軟化を行う場合では、高強度の組織に変態しやすい。したがって、軟化するためには熱処理温度を低下して長時間の保持や徐冷が必要となり、生産性が非常に悪い。
また、高強度のソリッドワイヤを使用して溶接すると、ワイヤの矯正が困難となり、開先中心とのセンターずれが起きやすく、良好なビードが得られない。このように高強度のソリッドワイヤは生産性および溶接性が低下するという問題があった。そこで、種々のフラックス入りワイヤが開発されてきたが、高強度および高靭性の溶接金属を得るためには溶接金属の酸素量を低くする必要があり、これまでのフラックス入りワイヤでは困難であった。
これらの点を考慮し生産性、溶接性が良好で高強度および高靭性が得られるサブマージアーク溶接用ワイヤの開発が試みられている。例えば、ワイヤの引張り強度の低いサブマージアーク溶接用複合ワイヤが、例えば特開2006−142377号公報(特許文献1)に開示されており、ワイヤの生産性および送給性は改善されるが、このフラックス入りワイヤでは、ワイヤ中の酸素量が高いため溶接金属中の酸素量が増加し、良好な低温靭性が得られない。さらに、ワイヤ断面形状は継ぎ目を有すフラックス入りワイヤであるので、大気中の水分を吸湿する。したがって、フラックスの水分量を減少しただけでは不十分であり、溶接金属中の拡散性水素量が増加して溶接後に遅れ割れが発生し易くなる。
また、特開昭48−85443号公報(特許文献2)には、充填するフラックスに強塩基性のスラグ形成成分を含有し、中性フラックスまたは弱塩基性フラックスと組み合わせて使用することにより、良好な溶接作業性および高靭性が得られる潜弧溶接用複合ワイヤが開示されている。しかし、溶接金属中の酸素量は組み合せフラックスの影響も受けるため、中性フラックスや弱塩基性フラックスを組み合わせる方法では、大幅な酸素量の低減には限界があった。また、充填するフラックス中にスラグ形成成分を多量に入れているため、合金成分が不足し、より一層の高強度および高靭性化の要求に対しては不十分である。
さらに、サブマージアーク溶接用高靭性複合ワイヤが特開昭49−103858号公報(特許文献3)、低温用鋼の大入熱潜弧溶接用太径シームレスフラックス入りワイヤが特開昭61−242791号公報(特許文献4)に開示されているが、記載のワイヤ成分では溶接金属の耐力および強度が不足するという問題がある。
特開2006−142377号公報 特開昭48−85443号公報 特開昭49−103858号公報 特開昭61−242791号公報
本発明は、特に高速度の溶接条件においても優れた機械性能の溶接金属およびビード形状、溶接作業性が得られる高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、鋼製外皮およびフラックス成分の合計がワイヤ全質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.1〜0.5%、Mn:1.0〜3.0%、Ni:2.0〜9.0%、Cr:1.5〜3.5%、Mo:1.0〜4.0%、Ti:0.02〜0.10%、Mg:0.2〜0.7%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記ワイヤ成分中のフラックス分のフラックス充填率が10〜30質量%であることを特徴とする。また、前記充填フラックスはフラックス全質量%で、O:0.2〜1.0%であることを特徴とする。さらに、鋼製外皮に継ぎ目の無いことも特徴とする高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤにある。
本発明の高強度鋼用のサブマージアーク溶接用ワイヤによれば、高強度鋼の高速サブマージアーク溶接において、多量の合金成分を含有したワイヤの製造を容易にし、高強度で高靭性の溶接金属を得ることができ、さらに良好な溶接作業性およびビード形状得ることができ、溶接金属中の酸素量および拡散性水素量を低くすることができる。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋼製外皮とフラックスの合計であるワイヤ成分、フラックス充填率および充填フラックスの酸素量などについて種々検討した。
その結果、ワイヤに適量のC、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Ti、Mgを含み、フラックスの充填率を限定することにより、ワイヤの生産性が良好で、高強度の溶接金属が得られることを見出し、また、充填フラックスのO量を適量とすることによって高靭性の溶接金属が得られることを見出した。さらに、鋼製外皮に継ぎ目をなくすことによって良好な溶接作業性を得て、溶接金属の拡散性水素量も低減できることを見出した。
以下に本発明の高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤの成分等限定理由を述べる。
(ワイヤ全体のC:0.05〜0.30質量%(以下、%という。))
Cは、固溶強化により、溶接金属の強度を確保する重要な元素であると共に、アーク中の酸素と反応しアーク雰囲気および溶接金属の酸素を低減する効果がある。鋼製外皮とフラックス成分の合計(以下、ワイヤ成分という。)のCが0.05%未満では、前記脱酸および強度確保の効果が不十分であり、0.30%を超えると溶接金属中のCが高くなるためマルテンサイト主体の組織となり、強度は高くなるが、耐力および靭性が低下する。
(Si:0.1〜0.5%)
Siは、溶接金属の強度および靭性向上に重要な元素であり、溶接中に酸素と結合しスラグ成分となるため、溶接金属中の酸素を低減する効果がある。ワイヤ成分のSiが0.1%未満では、前記強度、靭性向上および酸素低減の効果が得られない。また、0.5%を超えると溶接金属中のマトリックスを固溶強化し、著しく靭性が低下する。
(Mn:1.0〜3.0%)
Mnは、焼入れ性を向上させて、強度を高めるのに有効な成分である。ワイヤ成分のMnが1.0%未満では、焼入れ性が不足し、強度が不足する。3.0%を超えると焼入れ性が過多となり、溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。
(Ni:2.0〜9.0%)
Niは、溶接金属の強度および靭性確保を目的とする。ワイヤ成分のNiが2.0%未満では、その効果が不十分であり、9.0%を超えるとオーステナイト分率が過大になり、溶接金属の強度が低下し、靭性を向上する効果も飽和する上に、溶接時に高温割れが発生する。
(Cr:1.5〜3.5%)
Crは、溶接金属の強度確保を目的とする。ワイヤ成分のCrが1.5%未満では、その効果が得られず、3.5%を超えると強度が過多となり靭性が低下する。
(Mo:1.0〜4.0%)
Moは、溶接金属の耐力および強度確保を目的とする。ワイヤ成分のMoが1.0%未満では、その効果が得られず、4.0%を超えると溶接金属中に金属間化合物を生成し、溶接金属を著しく硬化し、靭性が低下する。
(Ti:0.02〜0.10%)
Tiは、溶接中に酸素と結合しスラグ成分となるため、溶接金属中の酸素を低減する効果がある。ワイヤ成分のTiが0.02%未満では、その効果が得られず、0.10%を超えると溶接金属中にTiCなどのTi化合物が多量に析出し、靭性が劣化する。
(Mg:0.20〜0.70%)
Mgは、イオン化傾向が大きく、アーク中において強力な脱酸剤として作用する。ワイヤ成分のMgが0.20%未満では、十分な脱酸効果が得られず、0.70%を超えると溶接中に、Mg+2H2O→Mg(OH)2+H2の反応を起こし、水素ガスを発生させ、ブローホールやピットが多発する。
(フラックス充填率:10〜30%)
前述のワイヤ成分中のフラックス分フラックス充填率は、10〜30%とする。フラックス充填率が10%未満では、目的の高強度化および高靭性化に対して必要な合金成分が不足し、十分な機械的性能が得られない。また、30%を超えると、シームレスフラックス入りワイヤは、ワイヤ製造時、成型後にシーム部を溶接し継ぎ目を無くすが、そのシーム部の溶接時にフラックス成分が入り込みやすくなり、溶接欠陥が発生し、生産性が劣化する。また、充填フラックスが増加すると、ワイヤ中の酸素量が増加し、溶接金属中の酸素量も増加するため、靭性が低下する。
(フラックス全質量%のO:0.2〜1.0%)
充填するフラックスのフラックス全質量%でOは、0.2〜1.0%とする。Oが0.2%未満では、Mgや不可避不純物中のAlが極めて微細なMgやAlの酸化物となり、それらはTiNとの格子整合性がよいため、TiNの析出核となる。同様にMgやAlの酸化物を核としてMnS等が複合析出する。TiNやMnS等は通常のフェライト主体の組織では、ピンニング効果により、オーステナイト粒界の成長を阻害し、組織を微細化するため、靭性を向上できるが、高強度鋼のベイナイト主体の組織では、それらが破壊の起点となり、溶接金属の強度や靭性を低下させる。一方、1.0%を超えると、溶接金属中の酸素量が増加し、溶接金属中に粗大なAl23、Ti酸化物等の酸化物が多量に生成される。通常のフェライト主体の組織では、それらの酸化物は少量であれば、オーステナイト粒内に微細なフェライト(アシキュラーフェライト)を生成するための核となり、靭性を向上させるが、高強度鋼のベイナイト主体の組織では、粗大な酸化物は破壊の起点となり、強度および靭性が低下する。
なお、充填するフラックスのO量は、予め充填フラックス原料の酸素量を測定し、合金成分の配合量から合金成分の酸素量を算出して充填フラックスの酸素量を調整する。
フラックス中の合金成分は、鋼製外皮の成分とその含有量を考慮して、各限定した範囲内で配合成分を調整し、種々の高強度鋼(母材)の成分に応じたフラックス入りワイヤとすることができる。
また、溶接金属中の酸素量を低下させるために、充填フラックスの主体は金属粉とし、スラグ形成剤となる酸化物等は添加しないことが望ましい。その他、PおよびSは共に低融点の化合物を生成して、靭性を低下させるため、できるだけ低いことが好ましい。
本発明ワイヤは、高電流で溶接してもアークが安定した溶接を可能とするために、ワイヤ外径を3.2〜6.4mmとすることが好ましい。
本発明の高強度用鋼のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤは鋼製外皮に継ぎ目の無い(以下、シームレスという。)断面形状のため、耐吸湿性能に優れており、溶接金属の拡散性水素量を極力低減できる。また、帯鋼から成形し、シーム部の溶接を行わない、通常のシーム有りのフラックス入りワイヤでは、ワイヤ断面が非対称となり、ワイヤ自体がねじれ易く、溶接時に開先中心とのセンターずれを生じ易いが、本発明はワイヤ断面が同心円からなり、全ての方向について対称であり、扱いやすく、ねじれが発生し難いワイヤを得ることができる。なお、ワイヤ表面に銅めっきを施すことにより溶接時のアークがさらに安定するので好ましい。
本発明の高強度用鋼のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤの製造方法は、鋼製パイプにフラックスを振動充填した後、縮径、焼鈍して素線とする。または、帯鋼を成型工程でU字型に成型してフラックスを充填し、O字型に成型してシーム部を溶接後、縮径、焼鈍して素線とする。それらの素線を、必要に応じてめっきした後に伸線して所定径の製品とする。
また、本発明の高強度用鋼のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤと組合わせるフラックスとしては、溶接金属の酸素量を低減させるため、下記式で示される塩基度で1.3以上であることが好ましい。
塩基度=〔CaO+MgO+CaF2+BaO+0.5×(MnO+FeO)〕/〔SiO2+0.5×(Al23+TiO2+ZrO2)〕
ただし、各成分は質量%を示す。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明する。
表1に示す鋼製外皮を用い、表2に示す各種成分のフラックス入りワイヤを試作した。表1に示すF1の鋼製パイプは、フラックスを振動充填した後、縮径、焼鈍して素線とした。F2の帯鋼は、成型工程でU字型に成型してフラックスを充填し、O字型に成型してシーム部を溶接後、縮径、焼鈍して素線とした。F3の帯鋼は、成型工程でU字型に成型してフラックスを充填し、ラップ型に成型後、縮径、焼鈍して素線とした。さらに、それらの素線を4.0mm径まで伸線した。なお、フラックスのO量は、フラックス充填前に不活性ガス融解−赤外線吸収法を用いて測定した。
Figure 0004722811
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表2に示す各種フラックス入りワイヤにつき表3に示す溶融型フラックスとを組合わせて表4に示す板厚20mm、長さ1500mmの鋼板を、図1に示す開先角度:90°、開先深さ7.5mmのX型開先形状に加工し、表5に示す溶接条件および図2に示す電極配置の溶接施工条件で、3電極による表側と裏側の両面1パスの溶接を実施した。
Figure 0004722811
Figure 0004722811
Figure 0004722811
各試作ワイヤの評価は、ワイヤ製造時の生産性、拡散性水素量、溶接後のビード形状および溶接欠陥の有無、溶接金属の引張強さ、靭性および酸素量を調査した。
ワイヤの生産性はシームレスのフラックス入りワイヤを製造する時のシーム部を溶接する時に、充填フラックスが溶接部への入り込みの有無および伸線時の断線の有無を調査した。拡散性水素量の測定はJIS Z 3118に準拠して表3に示すフラックスと組合わせて測定し、8ml/100g以下を良好とした。
ビード形状はアンダカットおよびオーバラップの有無を調べた。溶接欠陥は、外観検査およびX線透過試験でブローホール、ピットおよび高温割れの有無を調べた。また、溶接金属の機械的性能は、引張試験片(JIS Z 3111 A2号)および衝撃試験片(JIS Z 3111 4号)をそれぞれ図3に示すように表側の鋼板表面下7mmを中心に採取し、試験に供した。機械的性能の評価は、引張強さが900MPa以上および−20℃における吸収エネルギーが80J以上であれば良好とした。これらの結果を表6にまとめて示す。
Figure 0004722811
表2および表6中、ワイヤ記号W1〜W10が本発明例、ワイヤ記号W11〜W26は比較例である。本発明例であるワイヤ記号W1〜W10は、ワイヤ成分のC、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、TiおよびMg量が適正で、充填フラックス中のO量も適正であるので、引張強さが十分得られ、溶接金属中の酸素量が低いので吸収エネルギーも良好であった。また、フラックス充填率が適正で、シームレスのフラックス入りワイヤであるため、ワイヤの生産性、ビード形状が良好で、拡散性水素量が低く、溶接欠陥もないなど、極めて満足な結果であった。
比較例中ワイヤ記号W11は、C量が少なく、充填フラックス中のO量も多いので、脱酸が不十分となり、溶接金属中の酸素量が高く、溶接金属中に粗大な酸化物が析出し、引張強さおよび吸収エネルギーが低値であった。ワイヤ記号W12は、C量が多いため、溶接金属がマルテンサイト主体の組織となり、引張強さが高くなり吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W13は、フラックスの充填率が低く、合金元素が不足し引張強さが低値であった。また、充填フラックス中にSi量が含まれていないため、脱酸が不十分となり溶接金属中の酸素量が高くなり、吸収エネルギーが低値であった。ワイヤ記号W14は、Si量が多いため、引張強さが高くなり吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W15は、Mn量が少ないため、焼入れ性が不足となり、また、充填フラックス中のO量が少ないため、溶接金属中に介在物が生成され、引張強さおよび吸収エネルギーが低値であった。ワイヤ記号W16は、Mn量が多いため、過剰に焼入れされ、引張強さが高くなり吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W17は、Ni量が少ないため、引張強さおよび吸収エネルギーが低値であった。ワイヤ記号W18は、Ni量が多いため、高温割れが発生し、引張強さおよび吸収エネルギーが著しく低下した。ワイヤ記号W19は、Cr量が少ないため、引張強さが低値であった。
ワイヤ記号W20は、Cr量が多いため、引張強さが高くなり吸収エネルギーが低値であった。また、フラックスの充填率が高いため、ワイヤ製造時にシーム部の溶接時にフラックスが入り込み、生産性が劣化した。ワイヤ記号W21は、Mo量が少ないため、引張強さが低値であった。また、充填フラックス中のO量が少ないため、介在物が析出し吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W22は、Mo量が多いため、引張強さが高くなり吸収エネルギーが低値であった。ワイヤ記号W23は、Ti量が少ないため、溶接金属中の酸素量が高くなり、吸収エネルギーが低値であった。ワイヤ記号W24は、Ti量が多いため、溶接金属中に介在物が析出し吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W25は、シーム有りのフラックス入りワイヤ形状のため、溶接時にワイヤがねじれビード蛇行が発生した。また、ワイヤ中のフラックスが吸湿したため、拡散性水素量が高くなった。さらに、Mg量が少ないため、脱酸効果が不十分であり、溶接金属中の酸素量が高く、吸収エネルギーが低値であった。ワイヤ記号W26は、Mg量が多いため、水素ガスが発生し、ブローホールおよびピットが多発した。したがって、機械性能評価は行わなかった。
本発明の実施例で用いた試験板の開先形状を示す図である。 本発明の実施例における溶接電極の配置を示す図である。 本発明の実施例における試験片の採取位置を示した図である。

Claims (3)

  1. 鋼製外皮中にフラックスを充填した高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、鋼製外皮およびフラックス成分の合計がワイヤ全質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.1〜0.5%、Mn:1.0〜3.0%、Ni:2.0〜9.0%、Cr:1.5〜3.5%、Mo:1.0〜4.0%、Ti:0.02〜0.10%、Mg:0.2〜0.7%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記ワイヤ成分中のフラックス分のフラックス充填率が10〜30質量%であることを特徴とする高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. 前記フラックスはフラックス全質量%で、O:0.2〜1.0%であることを特徴とする請求項1記載の高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  3. 鋼製外皮に継ぎ目の無いことを特徴とする請求項1または2記載の高強度鋼用のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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