JP6155810B2 - ガスシールドアーク溶接用高Niフラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用高Niフラックス入りワイヤ Download PDF

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Description

本発明は、疲労強度や靭性が問題となる部材(例えば、橋梁、造船、自動車、建築、ガスタンク等)に使用される鋼板をガスシールドアーク溶接する際に、靭性や疲労強度に優れた溶接部が得られる高Niフラックス入りワイヤに関するものである。
強度、靭性などの機械特性が要求される自動車用部品や橋梁などの溶接構造物の製造に用いられる溶接用ワイヤとして、Ni含有量を5%以上含有するような高Niフラックス入りワイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。Niは、他の焼入れ性強化元素に比べて溶接金属中に多量に含有した場合でも靭性の低下が少ないため、溶接金属の強度と靭性を向上させるために有効な元素として溶接ワイヤ中に含有される。
また、Niはオーステナイトフォーマーであり、相変態温度を低下させる元素でもある。その性質を利用して疲労強度に優れた溶接部を得ることを目的とした高Niフラックス入りワイヤも知られている(例えば、特許文献2参照)。この溶接ワイヤを用いた溶接では、溶接金属を低温域でマルテンサイト変態させて、変態時の体積膨張を利用して溶接部に圧縮残留応力を発生させ、溶接部の引張残留応力を低減するかあるいは溶接部に圧縮残留応力を付与することにより、溶接部の疲労強度を改善している。
特開2008−168312号公報 特開2007−296535号公報
特許文献1、2に開示されたような高Niフラックス入りワイヤでは、合金成分をフラックス中から供給するため、スラグの生成量が少ないメタル系のフラックス入りワイヤとなっている。そのような高Niワイヤを、造船、自動車の足回り部品や橋梁などの厚手の鋼板の溶接に適用しようとする場合、溶接金属の靭性が十分に得られない場合があるという問題が発生した。
そこで本発明は、上記背景技術の問題点に鑑み、靭性及び疲労強度に優れた溶接部を得ることができるガスシールドアーク溶接用高Niフラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、Niを5%以上含有した高Niフラックス入りワイヤを用いて厚手の鋼板を溶接した場合に問題となる靭性不足は、溶接金属中の酸素含有量が増加することに起因するのではないかとの考えのもとに、靭性不足を防止するために有効なワイヤ成分組成を検討した。
その結果、フラックス中にCaFを含む金属弗化物と金属酸化物を所定量含有させるとともに、金属弗化物と金属酸化物の含有量の比を調整することにより、溶接金属の靭性の不足を解消することができることを見出し、その知見を基にさらに検討を加えて本発明に到達した。
そのようになされた本発明の要旨は次のとおりである。
(1) 鋼製外皮の内部にフラックスが充填されたガスシールドアーク溶接用高Niフラックス入りワイヤであって、前記ワイヤ中に、ワイヤ全質量に対する質量%で、
CaFを含む金属弗化物を2.0超〜8.0%、金属酸化物を0.01〜1.2%含有し、かつ、金属弗化物と金属酸化物の含有量の比(金属弗化物量/金属酸化物量)が2.0以上となるように含有し、
さらに、フラックスに添加するFe粉の含有を5.0%以下とし、
合金成分として、
C:0.08%以下、
Si:0.05〜1.5%、
Mn:3.5%以下、
S:0.01%以下、
P:0.02%以下、
Ni:5.〜15.0%、
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接金属の靭性に優れた高Niフラックス入りワイヤ。
(2) 前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、
Cu:0.1〜0.8%、
Cr:0.1〜5.0%、
Mo:0.1〜2.0%、
のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の溶接金属の靭性に優れた高Niフラックス入りワイヤ。
(3)前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、
Al:0.001〜0.4%、
Ti:0.005〜0.30%、
Nb:0.01〜0.05%、
B:0.0003〜0.010%
のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶接金属の靭性に優れた高Niフラックス入りワイヤ。
(4) 前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、
Mg:0.1〜0.8%、
Ca:0.1〜0.5%、
REM:0.002〜0.01%
のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の溶接金属の靭性に優れた高Niフラックス入りワイヤ。
(5) 前記フラックスに含有する金属弗化物が、CaF、BaF、SrF、MgFのうちのCaFを含む1種または2種以上からなり、CaFの金属弗化物中の質量割合が90%以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の高Niフラックス入りワイヤ。
(6) 前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、CaCO、BaCO、SrCO、MgCOの金属炭酸塩のうち1種または2種以上を0.6%未満で含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の溶接金属の靭性に優れた高Niフラックス入りワイヤ。
本発明によれば、ガスシールドアーク溶接用高Niフラックス入りワイヤにおいて、高強度、高靭性であり、かつ、疲労強度に優れた溶接金属を得ることができるフラックス入りワイヤを提供することができる。
4号シャルピー試験片(2mmVノッチ)の引張試験で得られたシャルピー吸収エネルギーの値と金属弗化物量の関係を示した図である。 実施例における試験片の採取位置を示す図である。 疲労試験に用いる試験体を示す図である。
本発明者らは、Niを5.0〜15.0%含有した高Niフラックス入りワイヤを用いて厚手の鋼板を溶接した場合に問題となる靭性不足を防止するために有効なワイヤ成分組成を検討した。
その結果、CaFを含む金属弗化物を2.0超〜8.0%、金属酸化物を0.01〜1.2%含有し、かつ、金属弗化物と金属酸化物の含有量の比(金属弗化物量/金属酸化物量)が2.0以上となるように含有させれば、靭性の不足を解消することができることを見出し、その知見を基にさらに検討を加えて本発明に到達した。
このような知見が得られた実験についてその一例を示す。
本発明者らは、後述する実施例に示す例と同様に、CやNiなどの金属成分とフラックス中の金属弗化物の含有量を変化させて、最終のワイヤ径がφ1.2mmのシームレスのフラックス入りワイヤを作製した。
このフラックス入りワイヤを用い、490MPa級の鋼板の突き合わせ溶接を実施し、得られた溶接金属からJIS Z3111(1986年)に準拠した4号のシャルピー試験片(2mmVノッチ)を採取し、0℃にて溶接金属のシャルピー吸収エネルギーを評価した。
図1に、シャルピー吸収エネルギーの値と溶接ワイヤ中の金属弗化物量の関係を示す。図1より、金属弗化物を、金属弗化物量の値が2.0超〜8.0%となるように添加したワイヤでは、シャルピー試験において60J以上の値が得られていることがわかった。
次に、以上のような検討の結果なされた本発明のフラックス入りワイヤについて、特徴とする技術要件の限定理由について順次説明する。
先ず、本発明のフラックス入りワイヤを構成する鋼製外皮(フープ)およびフラックス中に含有される合金成分、金属脱酸成分および各成分の含有量の限定理由について説明する。
以下の説明において、「%」は特に説明がない限り、「質量%」を意味し、各成分の含有量は、ワイヤ全質量に対する鋼製外皮およびフラックス中の各成分の質量%の合計となる成分含有量を意味するものとする。
(C:0.08%以下)
Cは、強度を向上させる元素であり、得ようとする溶接金属の強度に応じて0.08%以下の範囲で含有させる。ワイヤ全体のC含有量が0.08%を上回る場合は、溶接金属が硬化し、溶接金属の靭性にとって好ましくない。継手強度や鋼の製造の際の脱炭コストの点からは、C含有量の下限を0.001%とすることが望ましい。
(Si:0.05〜1.5%)
Siは、脱酸元素であり、溶接金属のO量を低減して清浄度を高めるために、0.05%以上の含有が必要である。ただし、1.5%を超えて含有させると溶接金属の靱性を劣化させるため、Si含有量は0.05〜1.5%とする。また、溶接金属の靭性を安定して確保するには、Siの下限を0.2%、0.3%又は0.4%としてもよく、Siの上限は、1.2%、1.0%又は0.8%としてもよい。
(Mn:3.5%以下)
Mnは、溶接金属の焼入性を確保して強度を高める元素であり、得ようとする溶接金属の強度に応じて3.5%以下の範囲で含有させる。Mnを3.5%を超えて含有させると、粒界脆化感受性が増加して溶接金属の靱性が劣化する。本発明のワイヤでは、Niを5%以上含有するため、Mnの含有量は少なくてもよいが、SをMnSとして固定化し、高温割れの発生を防止する観点からは、Mn含有量の下限を0.1%とすることが望ましい。
(P:0.02%以下)
Pは不純物元素であり、溶接金属の靱性を阻害するため極力低減する必要があるが、靱性への悪影響が許容できる範囲として、P含有量は0.02%以下とする。靭性の一層の向上のため、Pの上限を0.01%に制限してもよい。
(S:0.01%以下)
Sも不純物元素であり、過大に存在すると靱性と延性とをともに劣化させるため、極力低減することが好ましい。靱性、延性への悪影響が許容できる範囲として、S含有量は0.01%以下とする。靭性の一層の向上のため、Sの上限を0.005%に制限してもよい。
(Ni:5.0〜15.0%)
Niは、固溶靱化(固溶により靭性を高める作用)により組織、成分によらず靱性を向上できる唯一の元素であり、特に、引張強度が650MPa以上の高強度の溶接金属で靱性を高めるのに有効な元素である。また、Niは溶接金属のベイナイト相やマルテンサイト相などの低温側での相変態温度を低下させ、相変態時の体積膨張を利用して溶接部に圧縮残留応力を発生させ、溶接継手の疲労強度を向上させるために有効な元素である。さらに、Niは溶接金属の耐食性を向上させる作用効果を有する。これらの効果を十分に得るためにワイヤ全体のNi含有量を5.0%以上とする必要がある。
Ni含有量が多いほど靱性を向上する上で有利であるが、含有量が15.0%を超えると、その効果が飽和するのに加え、溶接ワイヤの製造コストが過大となるため、好ましくない。このため、Niの含有量を5.0〜15.0%とする。
なお、Niは高価な元素であり、また、溶接金属の高温割れ感受性を高める元素でもあるので、その上限を12%としてもよい。また、特許請求の範囲では、Ni含有量を実施例に基づいて5.3%以上とした。
本発明のフラックス入りワイヤは、合金成分あるいは金属脱酸成分として以上の基本成分に加え、さらに、溶接する鋼板の強度レベルや求める靭性の程度に応じて、Cu、Cr、Moのうちの一種または二種以上、さらには、Al、Ti、Nb、Bのうちの一種または二種以上を含有させることができる。
(Cu:0.1〜0.8%)
Cuは、ワイヤの外皮表面のめっき、および、フラックスに単体または合金として添加され、焼入性を高める効果がある。この効果を十分に得るためには、0.1%以上含有させることが好ましい。一方、含有量が0.8%を超えると靭性が低下する。そのため、Cuを含有させる場合の含有量は、0.1〜0.8%とする。
なお、Cuの含有量については、外皮自体やフラックス中に含有されている分に加えて、ワイヤ表面に銅めっきされる場合にはその分も含む。
(Cr:0.1〜5.0%)
Crは、焼入性を高めることにより高強度化に有効な元素である。その効果を得るためには0.1%以上含有させるのがよい。一方、5.0%を超えて過剰に含有させると、ベイナイトやマルテンサイトを不均一に硬化させ、靱性を劣化させるため、Crを含有させる場合の含有量は、0.1〜5.0%とする。
(Mo:0.1〜2.0%)
Moは、焼入性向上元素でありかつ、微細炭化物を形成して、析出強化により引張強度確保に有効である。これらの効果を発揮するためには、他の同様の効果を有する元素との複合効果を考慮しても最低限0.1%含有させるのがよい。一方、2.0%を超えて溶接ワイヤ中に含有させると、粗大な析出物が生じて溶接金属の靭性を劣化させるため、Moを含有させる場合の含有量は0.1〜2.0%とする。
(Al:0.001〜0.4%)
Alは脱酸元素であり、Siと同様、溶接金属中のO低減、清浄度向上に効果があり、その効果を発揮するために0.001%以上含有させるのがよい。一方、0.4%を超えて含有させると、窒化物や酸化物を形成して、溶接金属の靱性を阻害するため、その含有量を0.001〜0.4%とする。また、溶接金属の靭性を向上する効果を十分に得るには、Alの下限を0.004%としてもよく、また、粗大酸化物の生成抑制のため、Alの上限を、0.2%、0.1%又は0.08%としてもよい。
(Ti:0.005〜0.30%)
TiもAlと同様、脱酸元素として有効であり、溶接金属中のO量を低減させる効果がある。また、固溶Nを固定して靱性への悪影響を緩和するためにも有効である。これら効果を発揮させるためには、0.005%以上含有させるのがよい。ただし、溶接ワイヤ中の含有量が0.30%を超えて過剰になると、粗大な酸化物の形成に起因した靱性劣化、過度な析出強化による靱性劣化が生じる可能性が大となる。そのため、Tiを含有させる場合の含有量は、0.005〜0.30%とする。
(Nb:0.01〜0.05%)
Nbは微細炭化物を形成して、析出強化により引張強度確保に有効である。これらの効果を得るためには、他の同様の効果を有する元素との複合効果を考慮しても0.01%以上含有させるのがよい。一方、0.05%を超えて含有させると、溶接金属中に過剰に含有され、粗大な析出物を形成して靭性を劣化させるため好ましくない。そのため、Nbを含有させる場合の含有量は、0.01〜0.05%とする。
(B:0.0003〜0.010%)
Bは、溶接金属中に適正量含有させると、固溶Nと結びついてBNを形成して、固溶Nの靭性に対する悪影響を減じる効果があり、また、焼入性を高めて強度向上に寄与する効果もある。これらの効果を得るためには、溶接ワイヤ中のB含有量は0.0003%以上必要である。一方、含有量が0.010%超になると、溶接金属中のBが過剰となり、粗大なBNやFe23(C、B)6等のB化合物を形成して靭性を逆に劣化させるため、好ましくない。そのため、Bを含有させる場合の含有量は、0.0003〜0.010%とする。
本発明では、上記成分に加えて、さらに、溶接金属の延性、靭性を調整する目的で、必要に応じて、Mg、Ca、および、REMのうちの1種または2種以上を、以下の範囲内でワイヤ中に含有させることができる。
(Mg:0.1〜0.8%)
Mgは強脱酸元素であり、溶接金属中のO量を低減し、溶接金属の延性及び靭性を向上させる。この効果を得るためには0.1%以上含有させるのがよい。しかし、溶接ワイヤ中のMg含有量が0.8%を超えると、溶接金属中での粗大酸化物の形成による靭性低下が無視できなくなり、また、溶接中のアークの安定性が劣化し、ビード形状を悪化させる原因にもなる。そのため、Mgを含有させる場合には、その含有量を0.1〜0.8%とする。
(Ca:0.1〜0.5%)
(REM:0.002〜0.01%)
Ca、REMはいずれも硫化物の構造を変化させ、また溶接金属中での硫化物、酸化物のサイズを微細化して延性及び靭性向上に有効である。その効果を得るための下限の含有量は、Caでは0.1%であり、REMでは0.002%である。一方、過剰に含有すると、硫化物や酸化物の粗大化を生じ、延性、靭性の劣化を招くため、また、溶接ビード形状の劣化、溶接性の劣化の可能性も生じるため、それぞれの上限を、Caでは0.5%、REMでは0.01%とする。
なお、以上の合金成分あるいは金属脱酸成分として含有される元素の含有量には、それらの元素が弗化物、金属酸化物、金属炭酸塩として含有される場合の含有量は含めない。
また、それらの元素は必ずしも純物質(不可避不純物の含有は可)である必要はなく、Cu−Ni等の合金の形態で含有されていても何ら問題はない。また、それらの元素は鋼製外皮中に含有されていても、フラックスとして含有されていても、その効果は同じであるため、鋼製外皮とフラックスの何れでも含有することが可能である。
次に、ワイヤの外皮内に挿入されるフラックス成分について説明する。
(金属弗化物:2.0超〜8.0%)
本発明のフラックス入りワイヤでは、CaFを主成分とする金属弗化物を合計でワイヤ中に2.0%超〜8.0%の範囲で添加する。金属弗化物として、他にBaF、SrF、MgFのうちの1種または2種以上を必要に応じて添加してもよい。
金属弗化物は溶接金属の酸素量を低減させることに有効であり、それによって溶接金属の靭性の向上がある。
これら効果を得るには、CaFを主成分とする金属弗化物を2.0%超含有させる必要がある。金属弗化物の含有量が2.0%以下では、これら十分な効果を得ることができず、また、8.0%を超えると、溶接ヒューム、スラグが過剰に生成するため、溶接作業性が著しく劣化し、好ましくない。また、酸素量の低減効果を大きく得るには、金属弗化物の下限を2.2%以上、2.5%以上、2.8%以上としても良く、溶接作業性の劣化を抑えるために、金属弗化物の上限を7.0%以下、6.5%以下、6.0%以下としてもよい。
なお、金属弗化物として、靭性を向上する効果の面からは、CaF、BaF、SrF、MgFのいずれでも用いることができるが、溶接作業性の面からCaF2を主成分として含むようにした。さらに、アーク安定性確保、スパッタ抑制などの溶接作業性を優先する場合には、添加する金属弗化物中のCaFの質量割合を90%以上とするのが好ましい。
(金属酸化物:0.01〜1.2%)
本発明のフラックス入りワイヤでは、スラグ形成剤として、TiO、SiO、MgO、Alの金属酸化物の1種または2種以上を添加する。これらは溶接ビード形状を良好に維持するために必要に応じて添加されるもので、その適正な効果を得るためには、0.01%添加する必要がある。しかし、金属酸化物の含有量が1.2%を超えて添加すると、溶接金属の酸素量が増加し、靭性を劣化させるため好ましくない。
したがって、金属酸化物の含有量は、0.01〜1.2%とする。これら金属酸化物の含有量は、TiO、SiO、MgO、Alの合計量に加え、フラックスの造粒に使用されるバインダーなどに含まれる金属酸化物も合計した含有量とする。また、金属酸化物の添加による靭性の劣化を極力抑制するために、金属酸化物の含有量の上限を1.0%、0.9%、0.8%としてもよい。
(金属弗化物量/金属酸化物量:2.0以上)
溶接金属の靭性を向上するには、上記の金属弗化物と金属酸化物のそれぞれの含有量に加え、質量%で表される金属弗化物の含有量と金属酸化物の含有量の比(金属弗化物量/金属酸化物量)の値が2.0以上を満たすようにする必要がある。金属弗化物量/金属酸化物量が2.0未満では靭性が十分に向上しない。
(Fe粉:5.0%以下)
Fe粉は、フラックス入りワイヤの充填率の調整や溶着効率の向上のために必要に応じて添加される(添加量0%を含む)。しかし、Fe粉の表層は酸化されており、Fe粉を添加すると溶接金属の酸素量を増加させて靭性を低下させる。したがって、Fe粉は添加しなくてもよいが、充填率の調整のために添加する場合には、靭性を確保するために、含有量は5.0%以下に制限する。
(金属炭酸塩:0.6%未満)
本発明のフラックス入りワイヤでは、CaCO、BaCO、SrCO、MgCOの金属炭酸塩の1種または2種以上を、アーク安定性作用とアーク集中性を高める目的でさらに添加できるが、0.6%以上添加すると、アークの集中性が強すぎてスパッタ発生量が多くなる。したがって、金属炭酸塩を含有させる場合には、その含有量を合計で0.6%未満とする。
以上が本発明のフラックス入りワイヤの成分組成に関する限定理由であるが、その他の残部成分はFeと不可避的不純物である。Fe成分としては、鋼製外皮のFe、フラックス中に添加された鉄粉及び合金成分中のFeが含まれる。
以上の他、必要に応じてアーク安定剤をさらに含有させてもよい。アーク安定剤としては、Na、Kの酸化物や弗化物(NaO、NaF、KO、KF、KSiF、KZrF)などがあり、その含有量は0.001〜0.40%が適当である。なお、ここで例示した酸化物、弗化物は、金属酸化物、金属弗化物には含めない。
フラックス入りワイヤには、鋼製外皮にスリット状の継目がないシームレスワイヤと、鋼製外皮の継目にスリット状の隙間を有するシームを有するワイヤとに大別できるが、本発明ではいずれの断面構造も採用することができる。
本発明のフラックス入りワイヤは、通常のフラックス入りワイヤの製造工程によって製造することができる。
すなわち、まず、外皮となる鋼帯、及び、金属弗化物、合金成分、金属酸化物、金属炭酸塩及びアーク安定剤が所定の含有量になるように配合したフラックスを準備し、鋼帯を長手方向に送りながら成形ロールによりオープン管(U字型)に成形して鋼製外皮とし、この成形途中でオープン管の開口部からフラックスを供給し、開口部の相対するエッジ面を突合せシーム溶接し、溶接により得られた継目無し管を伸線し、伸線途中あるいは伸線工程完了後に焼鈍処理して、所望の線径を有し、鋼製外皮の内部にフラックスが充填されたシームレスワイヤを得る。また、シームを有するワイヤは、オープン管の開口部からフラックスを供給した後、シーム溶接をしない継目有りの管とし、それを伸線することで得られる。
本発明の高Niフラックス入りワイヤは、例えば、引張強度490〜780MPaで板厚6〜32mmの鋼板のガスシールドアーク溶接に使用することができる。
シールドガスの条件としては、溶接金属の酸素量をより低いものとし、ヒューム発生量を抑制し、溶接アークの安定性を確保する観点から、例えば、Arと3〜20vol%CO2の混合ガスやArと1〜10vol%O2の混合ガスを用いることができる。
次に、実施例により本発明の実施可能性及び効果についてさらに詳細に説明する。
鋼帯を長手方向に送りながら成形ロールによりオープン管に成形し、この成形途中でオープン管の開口部からフラックスを供給し、開口部の相対するエッジ面を突合わせシーム溶接することで継目無し管とし、造管したワイヤの伸線作業の途中で焼鈍を加え、最終のワイヤ径がφ1.2mmのフラックス入りワイヤを試作した。また、一部は、シーム溶接をしない継目有りの管とし、それを伸線することで、ワイヤ径がφ1.2mmのフラックス入りワイヤを試作した。試作したフラックス入りワイヤの成分組成を[表1]、[表2]に示す。
鋼製外皮となる鋼帯には、C:0.002%、Si:0.02%、Mn:0.1%、P:0.002%、S:0.002%、Al:0.005%、残部は鉄及び不可避的不純物からなる成分の軟質鋼板を用いた。ここで、%はすべて、外皮のみの質量を100%としたときの質量%を意味する。なお、表1、表2に記載する成分%は、ワイヤ(外皮とフラックスもすべて含めた)全質量に対する成分質量%を意味している。したがって、例えば、表2のNiは、外皮ではなく、もっぱら、Ni粉として含有されている。
このフラックス入りワイヤを用い、板厚が19mmの鋼板1を、図2に示すように、ルートギャップ12mm、開先角度45°で突き合わせ、裏当金2を用いて、溶接電流280A、電圧27V、溶接速度25cm/min、シールドガスAr−20%CO2 (25 l/min)、予熱100℃、パス間温度100~150℃の溶接条件で溶接を実施した。なお、鋼板1及び裏当金2にはSM490Aを使用したが、鋼板1の開先面及び裏当金2の表面には、試験を行うフラックス入りワイヤを用いて2層以上、かつ3mm以上のバタリングを実施した。
Figure 0006155810
Figure 0006155810
得られた溶接金属3から、図2に示すように、JIS Z3111(2005年)に準拠したA1号引張り試験片(丸棒)5と4号シャルピー試験片(2mmVノッチ)4を採取し、それぞれの機械特性試験を行って、溶接金属の引張強度とシャルピー吸収エネルギーを測定した。
機械特性の評価は、引張強度では室温で800MPa以上のものを、破断伸びでは12%以上のものを、靭性では、0℃でのシャルピー衝撃試験で、吸収エネルギーが60J以上のものを合格とした。
また、疲労試験は、試作したフラックスワイヤを用いて図3に示す十字溶接継手試験体を作成して行った。疲労試験は、応力比0.1、応力範囲100MPa、周波数:10Hzの条件にて実施し、繰返し寿命回数Nを測定して評価し、Nが6×10以上で破断しない場合を合格とした。また、作業性は、アーク安定性、スラグ剥離性およびビード形状から判断した。
得られた機械特性の測定結果と評価結果を[表3]に示す。
[表3]の試験結果に示されるように、本発明例であるワイヤ番号1〜13は、強度、靭性、疲労特性のすべてが優れ、いずれも総合判定で合格であった。
一方、比較例であるワイヤ番号14〜32は、フラックス組成、合金成分について本発明で規定する要件を満たしていないため、強度、靭性、疲労特性を満足できなかったり、溶接作業性不良などにより特性の評価ができなかったりして、いずれも総合判定で不合格となった。
ワイヤ番号14、15は、ワイヤに含まれる弗化物が本発明範囲よりも少ないため、靭性が低値となり不合格となった。
ワイヤ番号16、17は、ワイヤに含まれる弗化物が本発明範囲を超えて多かったため、作業性不良のため評価できず不合格となった。
ワイヤ番号18、19は、金属弗化物/金属酸化物の比が本発明範囲よりも小さいため、伸び及び靭性が低値となり不合格となった。
ワイヤ番号20、21は、ワイヤに含まれる金属酸化物、またはFe粉が本発明範囲を超えて多かったため、溶接金属の酸素量が増加したことで靭性が低下し、不合格となった。
ワイヤ番号24は、Cが本発明範囲よりも多いため靭性が低値となり不合格となった。
ワイヤ番号25は、Siが本発明範囲より少ないために、ワイヤ番号26は、Siが本発明範囲よりも多いために、いずれも靭性が低下し、不合格となった。
ワイヤ番号27は、Mnが本発明範囲よりも多いために、靭性が低下し、不合格となった。
ワイヤ番号28は、Pが本発明範囲よりも多いために、ワイヤ番号29は、Sが本発明範囲よりも多いために、いずれも靭性が低下し、不合格となった。
ワイヤ番号30は、Niが本発明範囲よりも少ないため、疲労特性が低値となり不合格となった。
Figure 0006155810
1 鋼板
2 裏当金
3 溶接ビード
4 2mmVノッチシャルピー衝撃試験片
5 丸棒引張り試験片

Claims (6)

  1. 鋼製外皮の内部にフラックスが充填されたガスシールドアーク溶接用高Niフラックス入りワイヤであって、前記ワイヤ中に、ワイヤ全質量に対する質量%で、
    CaFを含む金属弗化物を2.0超〜8.0%、金属酸化物を0.01〜1.2%含有し、かつ、金属弗化物と金属酸化物の含有量の比(金属弗化物量/金属酸化物量)が2.0以上となるように含有し、
    さらに、フラックスに添加するFe粉の含有を5.0%以下とし、
    合金成分として、
    C:0.08%以下、
    Si:0.05〜1.5%、
    Mn:3.5%以下、
    S:0.01%以下、
    P:0.02%以下、
    Ni:5.〜15.0%、
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接金属の靭性に優れた高Niフラックス入りワイヤ。
  2. 前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、
    Cu:0.1〜0.8%、
    Cr:0.1〜5.0%、
    Mo:0.1〜2.0%、
    のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高Niフラックス入りワイヤ。
  3. 前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、
    Al:0.001〜0.4%、
    Ti:0.005〜0.30%、
    Nb:0.01〜0.05%、
    B:0.0003〜0.010%
    のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高Niフラックス入りワイヤ。
  4. 前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、
    Mg:0.1〜0.8%、
    Ca:0.1〜0.5%、
    REM:0.002〜0.01%
    のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高Niフラックス入りワイヤ。
  5. 前記フラックスに含有する金属弗化物が、CaF、BaF、SrF、MgFのうちのCaFを含む1種または2種以上からなり、CaFの金属弗化物中の質量割合が90%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高Niフラックス入りワイヤ。
  6. 前記フラックス入りワイヤが、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、CaCO、BaCO、SrCO、MgCOの金属炭酸塩のうち1種または2種以上を0.6%未満で含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高Niフラックス入りワイヤ。
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