JP5078264B2 - 鋼板のアーク溶接法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車部品等の組立ての際に行われる鋼板のアーク溶接法に関し、より詳しくは溶接速度が100cm/分以上という高速であっても、幅広のビードを形成することができる、生産性に優れたアーク溶接法に関するものである。
自動車部品の組立てには種々の溶接が行われているが、中でも剛性を必要とする部品においてはガスシールドアーク溶接が行われることが多い。アーク溶接の接合強度は高く、溶接品質も安定しており、部品剛性を高めることができるからである。しかしアーク溶接は、切断、プレス、塗装といった他工程に比べて、時間がかかるという欠点がある。そのためアーク溶接を採用すると、ライン速度が落ち、生産コストの増加につながる。そのため鋼板のアーク溶接速度を高めることができれば、生産コストの大幅な低減が可能となり、産業上非常に有意義である。
例えば特許文献1の発明では、化学成分組成を特定したSi、Mnを含有するガスシールドアーク溶接用ワイヤを用いることにより、高速ガスシールドアーク溶接を達成しようと試みている。しかし該文献の発明は、ワイヤの組成を特定したことに要旨があり、鋼板の組成については何ら考慮していない。なお該文献では、ビードの波目の均一化およびバリ減少という効果を達成するためにワイヤ中のO量を、あえて0.008%以上と規定している(特許請求の範囲および第2頁右下欄参照)。
高張力鋼板のアーク溶接のために鋼板組成を考慮しているものとして、例えば特許文献2の発明を挙げることができる。特許文献2では、Siの溶接ビード形状への影響を考慮して、「鋼板のSi量(質量%)+ワイヤのSi量(質量%)≧1.5」とすることに要旨を有する高張力鋼板の溶接方法を開示している。しかし特許文献2は、その実施例において30〜60cm/分の速度で溶接しているように、アーク溶接の高速化を意図していない(段落0017参照)。また該文献は、アーク溶接に対する酸素の影響については何ら記載していない。
さらに高速アーク溶接では、溶接のビード幅が狭くなる傾向がある。そして実際のアーク溶接では、溶接の開先位置やワイヤ位置のずれ、またはルートギャップが生ずるため、高速アーク溶接を実用化するためには、ある程度のビード幅を確保する必要がある。しかし前記のいずれの文献も、高速アーク溶接の際のビード幅について検討していない。
また近年、自動車分野では燃費改善の観点から、鋼板の軽量化(薄肉化)が求められているが、それにより衝突安全性を落とすことはできない。軽量化および衝突安全性の確保という双方の要求を満足するために、高張力鋼(いわゆるハイテン)から薄く形成された鋼板が、自動車分野でますます使用されている。このような薄い鋼板は、高電流のアーク溶接では溶け落ち易くなるので、高電流によって溶着量を稼ぐことができない。そのため薄い鋼板では溶接のビード幅が細くなるという傾向があり、より広いビード幅を確保する必要がある。さらに高張力鋼は、軟鋼に比べてプレス成形の安定性が低いために、ルートギャップが大きくなりやすく、より広いビード幅を確保する必要がある。
特開昭61−7089号公報、特許請求の範囲および第2頁右下欄 特開2000−167691号公報、段落0017
本発明は前記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、100cm/分以上という高速溶接でも充分なビード幅を確保し得る、生産性に優れた鋼板のアーク溶接法を提供することである。
前記目的を達成し得た本発明の鋼板の溶接方法とは、Si:0.20〜2%(質量%の意味、以下同じ)およびMn:1〜2.5%を、下記式(1):
鋼板[Si]+鋼板[Mn]≧1.5 ・・・ (1)
(式中、鋼板[ ]は、鋼板中の各元素の含有量(質量%)を表す。)
を満たすように含有し、さらにO:0.002%以下(0%を含まない)、C:0.02〜0.25%、P:0.1%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、Al:0.02〜0.2%、N:0.0015〜0.015%、およびTi:0.3%以下(0%を含む)を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板と、
Si:0.20〜1.0%(質量%の意味、以下同じ)、Mn:1.1〜1.8%、C:0.010〜0.12%、P:0.02%以下(0%を含まない)、S:0.005〜0.030%、Ti:0.20%以下(0%を含む)、Al:0.1%以下(0%を含む)、およびBi:0.1%以下(0%を含む)を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるソリッドワイヤとを、鋼板およびソリッドワイヤ中の元素量が、下記式(2)〜(4):
鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]≧0.70 ・・・ (2)
鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]≧2.2 ・・・ (3)
X=鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]+鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]
+鋼板[Ti]×2+ワイヤ[Ti]×2+鋼板[Al]×2+ワイヤ[Al]×2
+ワイヤ[Bi]×2<7.2 ・・・ (4)
(式中、鋼板[ ]は、鋼板中の各元素の含有量(質量%)を表し、ワイヤ[ ]は、ソリッドワイヤ中の各元素の含有量(質量%)を表す。)
を満たすように用いて、ガスシールドアーク溶接することを特徴とする。本発明の溶接方法において、鋼板表層に存在する内部酸化層の厚さが5μm以下である鋼板を用いることが好ましい。
本発明の溶接方法に使用することができる鋼板は、さらに(a)Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)およびW:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、(b)Cr:2%以下(0%を含まない)、Mo:1%以下(0%を含まない)およびB:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、(c)Cu:0.5%以下(0%を含まない)およびNi:0.5%以下(0%を含む)、(d)Ca:0.005%以下(0%を含まない)および/または希土類元素:0.005%以下(0%を含まない)、(e)Zrおよび/またはMgを合計で0.005%以下(0%を含まない)、および/または(f)Co:1%以下(0%を含まない)、等を含有していても良い。含有させる成分の種類に応じて鋼板の特性が更に改善される。
本発明の溶接方法に使用することができるソリッドワイヤは、さらにCr:0.8%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.3%以下(0%を含まない)、等を含有していても良い。含有させる成分の種類に応じて、溶接性や溶接金属の強度が更に改善される。
本発明の溶接方法において、溶接機としてパルス溶接機を用いる場合、アークを安定化するなどの理由から、シールドガスとしてAr:75〜95体積%およびCO2:5〜25体積%(但し、ArとCO2との合計は100体積%である)からなる混合ガスを用いることが推奨される。
本発明の溶接方法において、溶接速度100cm/分以上で1パス溶接することが生産性の観点から好ましい。本発明の方法では、このような高速で溶接しても、幅広のビードが得られ、溶接強度に優れた溶接部材を形成することができる。よって本発明は、前記要件を満たす溶接方法により得られた溶接部材も提供する。
本発明者らが、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、SiおよびMnが、高速アーク溶接で広いビード幅を確保するために重要であることを見出した。しかし鋼板中のSi量が過剰であるとビードのスラグ量が多くなり、その後の塗装が剥離し易くなるという問題が生じ、一方鋼板中のMn量が過剰であると、加工性が低下するという問題が生ずる。
従ってSiまたはMnのいずれかを過剰に含有する鋼板ではなく、これら双方を適正範囲で含有する鋼板、殊に下記式(1)
鋼板[Si]+鋼板[Mn]≧1.5 ・・・ (1)
(式中、鋼板[ ]は、鋼板中の各元素の含有量(質量%)を表す。)
を満たす鋼板を、高速アーク溶接に用いることにより、耐食性および加工性を維持しつつ、幅広のビードを形成することができる。
しかしSiとMnとを適正範囲で含有する鋼板であっても、殊に溶接速度が100cm/分以上という高速アーク溶接では、ハンピングが生じ易く、ビード幅も不充分となる。そこでさらに検討した結果、鋼板中のO(酸素)がビード幅に悪影響を及ぼしていることを見出した。よって鋼板中にSiおよびMnを適正範囲で含有させ、かつO量を0.002%以下に抑制することにより、100cm/分以上の高速アーク溶接でも、ハンピングを防いで、かつ広いビード幅を確保することができる。
このようなハンピングやビード幅は、溶接時に形成される溶融池の粘性や表面張力、母材との界面張力などに左右される。検討の結果、溶融池の粘性などに対しては、母材である鋼板の影響が最も大きいことを突き止めたが、溶融池は母材と溶接用ワイヤとの混合溶融物であることから、溶接用ワイヤも影響し得る。
そこで本発明者らが検討した結果、鋼板中の化学成分組成を特定したことに加えて、溶接用のソリッドワイヤの化学成分組成も特定し、さらにSiおよびMn量の下限、並びに主要な脱酸成分(Si、Mn、Ti、AlおよびBi)総量の上限について、下記式(2)〜(4):
鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]≧0.70 ・・・ (2)
鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]≧2.2 ・・・ (3)
X=鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]+鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]
+鋼板[Ti]×2+ワイヤ[Ti]×2+鋼板[Al]×2+ワイヤ[Al]×2
+ワイヤ[Bi]×2<7.2 ・・・ (4)
(式中、鋼板[ ]は、鋼板中の各元素の含有量(質量%)を表し、ワイヤ[ ]は、ソリッドワイヤ中の各元素の含有量(質量%)を表す。)
を満たすように、鋼板とソリッドワイヤとを組み合わせて用いることにより、高速の溶接速度でも、ハンピングを防止し、より安定的に幅広のビードを形成し得ることを見出した。
また鋼板中のO(酸素)について、さらなる検討を重ねたところ、O量を0.002%以下に抑制しても、鋼板表層部に内部酸化層が5μmを超える厚さで存在する場合、溶接性に悪影響を及ぼし得ることを見出した。これは、鋼板中のO量を低減させたとしても、表層に内部酸化層が存在すれば、それから溶接金属に酸素が供給されるので、ハンピングが生じ、またビード幅も狭くなるためと考えられる。なお本発明は、このような推定メカニズムに限定されない。本発明の好ましい実施態様では、さらに鋼板中の内部酸化層の厚さを5μm以下に抑えることにより、より良好な高速溶接性を実現することができる。
発明を実施するための形態
本発明は、(I)溶接に用いる鋼板の化学成分組成、殊にSiおよびMn量を特定し、かつO量を抑制させたこと、並びに(II)ソリッドワイヤの化学成分組成、殊にSiおよびMn量を特定し、かつ(III)鋼板およびソリッドワイヤ中のSi、Mn、Ti、AlおよびBi量の関係を定めたことに大きな特徴がある。さらに本発明では、(IV)鋼板表層に存在する内部酸化層厚さが5μm以下に抑制された鋼板を用いることが推奨される。よってまず、本発明で用いる鋼板について説明する。
[Si:0.20〜2%]
鋼板中のSiは、高速アーク溶接においてビード幅を広くするという効果を有し、本発明にとって重要な成分元素である。この効果を発揮させるために、鋼板中にSiを0.20%以上、好ましくは0.50%以上、より好ましくは0.80%以上含有させる。しかしSi量が過剰になると、溶融池の粘性が高くなりすぎてハンピングが生ずる。よって溶接性の観点からSi量を3.0%未満に抑える必要がある。またSi量が過剰になると、ビードのスラグ量が増大し、その後の塗装において剥離が生じ易くなり、塗装後の耐食性が低下する。よって耐食性の観点からSi量を2%以下に抑える必要がある。従ってSi量の上限を2%と定めた。Si量は、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下である。
[Mn:1〜2.5%]
鋼板中のMnも、Siと同様に高速溶接性に寄与し、本発明にとって重要な成分元素である。また強度確保のためにも必要である。よってMn量は、1%以上、より好ましくは1.2%以上、より好ましくは1.5%以上である。しかしMn量が過剰であると、偏析が顕著になり、打ち抜き部などで2枚割れを起こすなど、加工性が低下し得る。よってMn量は、2.5%以下、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下である。
[鋼板[Si]+鋼板[Mn]≧1.5]
前記のように鋼板中で、Siが過剰であると溶接部分の塗装剥離が過剰になり、一方Mnが過剰であると加工性が低下するという問題があるため、SiまたはMnの単独添加では、殊に100cm/分以上の高速アーク溶接において、幅広のビードを確保するのが難しい。よって本発明において、鋼板がSiとMnとの両方を同時に含むことが重要であり、鋼板中のSiとMnとの合計量の下限を1.5%と定めた(即ち、鋼板[Si]+鋼板[Mn]≧1.5)。鋼板[Si]+鋼板[Mn]の下限は、好ましくは1.8、より好ましくは2.0である。
[O:0.002%以下(0%を含まない)]
鋼板中のO量が過剰であると、溶融池の粘性が低くなりすぎて、湯流れが激しく、ハンピングが起こり易い。またビード幅も狭くなる。よって良好な高速アーク溶接性を達成するために鋼板中のO量を、0.002%以下、好ましくは0.0018%以下、より好ましくは0.0015%以下に抑制することが本発明にとって重要である。良好な高速アーク溶接性を確保するために鋼板中のO量はできるだけ低減することが好ましいが、その量を0%にすることは工業的に困難であると考えられる。
鋼板中のO量は、溶鋼をRH真空脱ガス装置で脱ガス処理(以下「RH脱ガス処理」と省略することがある。)に供することにより低減することができる。しかし本発明の溶接方法で用いる鋼板、およびそれを形成する溶鋼は、Oとの結びつきが強いSiおよびMnを多量に含んでいるため、RH脱ガス処理において酸素の除去速度が低下する傾向がある。よってO量を0.002%以下にまで低減させた鋼板を製造するために、RH脱ガス処理の時間は、通常のものよりも長くする必要がある。具体的には、通常250tonの溶鋼をRH脱ガス処理する場合、通常の平均的な処理時間は30分程度であるが、これを50分以上に延長することが推奨される。
[鋼板表層に存在する内部酸化層の厚さが5μm以下]
本発明における「内部酸化層の厚さ」とは、鋼板表面から圧延直角方向に、酸化物が存在する最大距離(最大深さ)を意味する。この「酸化物」は主にSiやMnの酸化物から構成されるが、その他にTiなどの酸化物も含まれ、主としてフェライト粒界に存在する。この内部酸化層の厚さは、圧延直角方向の鋼板断面を、観察倍率1,000倍のSEMで板表面から50μmの深さまで観察することにより測定することができる。但し内部酸化層の厚さの値にはバラツキがあるため、本発明では、「内部酸化層厚さの値」として、鋼板の幅方向の任意の5つ以上の箇所で求められた値の平均値を採用する。
本発明の溶接方法において用いる鋼板のように、SiおよびMnを比較的高い量で含有するものは、鋼板中のO量を抑制しても、仕上げ圧延後の鋼板巻取りの際に、内部酸化層が形成され得る。よって内部酸化層の少ないまたは無い鋼板を製造するために、RH脱ガス処理を充分に行って鋼板中のO量を低減するとともに、仕上げ圧延後に鋼板を充分に冷却してから巻取りを行うことが必要である。具体的には、内部酸化層厚さを5μm以下にするために、巻取り温度を600℃未満にすることが推奨される。
本発明の溶接方法で鋼板は、前記Si、MnおよびOの他に、基本成分元素として、C、P、S、AlおよびNを含有する。以下、この基本成分元素について説明する。
[C:0.02〜0.25%]
鋼板中のCは強度確保のために必要な元素であり、その下限を0.02%と定めた。好ましくは0.06%以上、より好ましくは0.08%以上である。しかしC量が過剰であると溶接金属の凝固割れが発生することがあるため、その上限を0.25%と定めた。好ましくは0.22%以下、より好ましくは0.20%以下である。
[P:0.1%以下(0%を含まない)]
鋼板中のP量が過剰であると溶接割れが生ずるため、その上限を0.1%と定めた。好ましくは0.080%以下、より好ましくは0.060%以下である。特に溶接割れに注意を要する鋼板用途を予定している場合、できる限りP量を低減することが好ましい。但し鋼板中のP量を0%にすることは、工業的に困難であると考えられる。またPは、固溶強化による強度確保に有効でもあるため、P量は、好ましくは0.010%以上、より好ましくは0.015%以上である。
[S:0.05%以下(0%を含まない)]
鋼板中のSは介在物を形成する有害元素であり、その量が過剰であると鋼板の加工性が劣化するため、上限を0.05%以下と定めた。好ましくは0.03%以下、より好ましくは0.01%以下である。なお鋼板中のS量を0%にすることは、工業的に困難であると考えられる。
[Al:0.02〜0.2%]
鋼板中のAlは脱酸に必要な元素であり、0.02%以上含有させることが必要である。好ましくは0.025%以上、より好ましくは0.030%以上である。しかしAlが過剰に含まれると、酸化物系介在物が増えて、へげ疵が増加するため、その上限を0.2%と定めた。好ましくは0.15%以下、より好ましくは0.10%以下である。
[N:0.0015〜0.015%]
鋼板中のNは、固溶強化による強度確保のために有効であり、またAlなどと窒化物を形成して組織の微細化に寄与するので、その下限を0.0015%と定めた。好ましくは0.0020%以上、より好ましくは0.0030%以上である。しかしN量が過剰であると、溶接時にブローホールが発生するので、その上限を0.015%と定めた。好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.0080%以下である。
本発明の溶接方法で用いる鋼板の基本成分組成は前記の通りであり、残部は実質的にFeである。但し原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避不純物(例えばSn、Pb、Zn、Sb、As)が鋼板中に含まれることは、当然に許容される。さらに鋼板は、必要に応じて、以下の任意元素を含有していてもよい。
[Ti:0.3%以下]
Tiは、結晶粒微細化および析出強化に寄与し、高強度化のために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.010%、より好ましくは0.020%である。しかし過剰に添加するとTiN介在物量が大幅に増加して鋼板の加工性を劣化させるため、その上限を0.3%と定めた。好ましくは0.20%以下である。
[Nb:0.1%以下]
Nbも、結晶粒微細化および析出強化に寄与し、高強度化のために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.020%、より好ましくは0.030%である。しかし過剰に添加してもその効果は飽和するため、経済性の観点から上限を0.1%と定めた。好ましくは0.08%以下である。
[V:0.5%以下]
Vも、結晶粒微細化および析出強化に寄与し、高強度化のために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.010%、より好ましくは0.020%である。しかし過剰に添加してもその効果は飽和するため、経済性の観点から上限を0.5%と定めた。好ましくは0.3%以下である。
[W:0.5%以下]
Wは、析出強化による高強度化のために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.010%、より好ましくは0.020%である。しかし過剰に添加してもその効果は飽和するため、経済性の観点から上限を0.5%と定めた。好ましくは0.3%以下である。
[Cr:2%以下]
Crは焼入れ性を向上させるために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.10%、より好ましくは0.20%である。しかしCr量が過剰であると、リン酸塩浴中に浸漬する塗装下地処理を行っても、その後の塗装において塗膜密着性が著しく低下し、母材鋼板および溶接部分での塗装後耐食性に悪影響を及ぼす。よってCr量の上限を2%と定めた。より好ましくは1.5%以下である。
[Mo:1%以下]
Moも焼入れ性を向上させるために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.10%、より好ましくは0.20%である。しかしMo量が過剰であると、Crの場合と同様に、P処理性が低下し、塗装剥離が増大するので、その上限を1%と定めた。より好ましくは0.8%以下である。
[B:0.005%以下]
Bも焼入れ性を向上させるために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.0003%、より好ましくは0.0005%である。しかしBを過剰に添加してもその効果は飽和し、また酸化物系介在物が増加して加工性が劣化するため、その上限を0.005%と定めた。より好ましくは0.003%以下である。
[Cu:0.5%以下]
Cuは、耐食性を向上させるために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.05%、より好ましくは0.08%である。しかし過剰に添加してもその効果は飽和するため、経済性の観点から上限を0.5%と定めた。好ましくは0.3%以下である。
[Ni:0.5%以下]
鋼板がCuを含有する場合、割れを防止するために、さらにNiを含有していることが好ましい。但しCuはNiと必ず組み合わせて使用する必要は無く、鋼板がCuを含有していても、Niを含有している必要は無い。Niの鋼板中の質量割合は、好ましくはCuの質量割合の半分程度である。しかし過剰に、殊にCuの質量割合以上に添加してもその効果は飽和するため、Niの上限は、Cuの上限と同じ0.5%と定めた。好ましくは0.3%以下である。
[Ca:0.005%以下]
Caは介在物の形態を改善して、鋼板の加工性を向上させる効果があり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.0010%、より好ましくは0.0020%である。しかし過剰に添加してもその効果は飽和し、また酸化物系介在物が増大し、かえって加工性が劣化するため、その上限を0.005%と定めた。好ましくは0.003%以下である。
[希土類元素:0.005%以下]
希土類元素(「REM」と省略することがある)も、Caと同様に介在物の形態を改善して鋼板の加工性を向上させる効果があり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.0010%、より好ましくは0.0020%である。しかし過剰に添加しても、Caと同様にその効果は飽和し、かえって加工性が劣化するため、その上限を0.005%と定めた。好ましくは0.003%以下である。
[Zrおよび/またはMgを、合計で0.005%以下]
ZrおよびMgのいずれも、介在物の分散およびTiNのサイズ低下に寄与し、鋼板の加工性を向上させるために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その合計量の下限は、好ましくは0.0005%、より好ましくは0.0010%である。しかしこれらが過剰になると、酸化物系介在物が増大し、かえって加工性が劣化するため、合計量の上限を0.005%と定めた。好ましい合計量上限は0.0030%である。
[Co:1%以下]
Coは、フェライト中の固溶炭素量を減らし、鋼板の加工性、特に伸びを向上させるために有効な元素であり、必要に応じて鋼板中に含有させることができる。その下限は、好ましくは0.03%、より好ましくは0.05%である。しかし過剰に添加してもその効果は飽和するため、経済性の観点から上限を1%と定めた。好ましくは0.80%以下である。
本発明において、鋼板自体の厚さには特に限定は無い。但し鋼板の厚さがあまりに薄いと溶接で鋼板自体が溶け落ちるおそれがある。逆に鋼板の厚さを増やすことは、鋼板の軽量化という要請に反する。よって好ましい鋼板の厚さは、1〜5mmである。
本発明の溶接方法は、前記のような特定の化学成分組成を有する鋼板を用いることに加えて、特定の化学成分組成を有するソリッドワイヤを用いることも特徴とする。そこで次に、ソリッドワイヤの化学成分組成について説明する。
(Si:0.20〜1.0%)
ワイヤ中のSiは、溶接時に脱酸を行い清浄な溶接金属を得るために必要な元素である。ワイヤ中のSi量が0.20%未満では、溶滴移行中の脱酸不足でブローホールが発生すると共に、高張力鋼板用としては溶接金属の強度が不足する。また粘性が過剰に低くなり、過剰な湯流れが発生してビード幅が小さくなる。一方、Si量が1.0%を超えると過剰な脱酸作用により、溶融池の粘性が上昇しすぎて、高速溶接時にハンピングしやすくなる。そこでワイヤ中のSi量を、0.20%以上、1.0%以下と定めた。Si量は、好ましくは0.30%以上、0.90%以下、より好ましくは0.50%以上、0.80%以下である。
(Mn:1.1〜1.8%)
ワイヤ中のMnも、Siと同様に脱酸元素として重要である。1.1%未満では脱酸不足でブローホールが発生すると共に、高張力鋼板用としては溶接金属の強度が不足する。また、粘性が過剰に低くなり、過剰な湯流れが発生してビード幅が小さくなる。一方、1.8%を超えると過剰な脱酸作用により、溶融池の粘性が上昇し、高速溶接時にハンピングしやすくなるとともに、なじみ性が低下してビード幅が狭くなる。そこでワイヤ中のMn量を、1.1%以上、1.8%以下と定めた。Mn量は、好ましくは1.2%以上、1.7%以下、より好ましくは1.3%以上、1.6%以下である。
(C:0.010〜0.12%)
ワイヤ中のCは、溶接金属の強度を確保するために必要な元素である。C量が0.010%未満では高張力鋼板用としては強度が不足する。一方、Cは、凝固割れ感受性を上げるため、その量が0.12%を越えると高速溶接時に凝固割れが発生しやすくなる。そこでワイヤ中のC量を、0.010%以上、0.12%以下と定めた。C量は、好ましくは0.02%以上、0.10%以下、より好ましくは0.03%以上、0.09%以下である。
(P:0.02%以下(0%を含まない))
ワイヤ中のPは、高温割れ感受性を増加させる。高速溶接では特に高い耐凝固割れ性を必要とするため、JIS Z3312に規定される通常のワイヤよりもPを低く抑えることが望ましく、0.020%以下であれば問題はない。よってワイヤ中のP量の上限を0.02%と定めた。P量は、好ましくは0.018%以下、より好ましくは0.015%以下である。
(S:0.005〜0.030%)
ワイヤ中のSも、Pと同様に凝固割れ感受性を増加させる元素である。但しPと異なり、Sは粘性や表面張力を大きく減少させる効果を有し、適正量添加することにより、ビード幅を増加させ、止端と母材のなじみを向上し、止端形状を改善させることができる。これらの効果を充分に発揮させるために、ワイヤ中のS量の下限を、0.005%と定めた。S量は、好ましくは0.008%以上、より好ましくは0.012%以上である。一方、S量が0.030%を超えると、凝固割れを生じることになる。よってS量の上限を0.030%と定めた。S量は、好ましくは0.028%以下、より好ましくは0.025%以下である。
本発明の溶接方法で用いるソリッドワイヤの基本成分組成は前記の通りであり、残部は実質的にFeである。但し鋼板の場合と同様に、不可避不純物がソリッドワイヤ中に含まれることは、当然に許容される。さらにソリッドワイヤは、必要に応じて、以下の任意元素を含有していてもよい。
(Ti:0.20%以下)
Tiは強い脱窒成分であり、多少のシールド不良でもブローホールの発生を防止する。また、高強度化にも有効である。これらの効果を充分に発揮させるために、ワイヤ中のTi量は、好ましくは0.02%以上、より好ましくは0.05%以上であることが望ましい。しかしTi量が過剰であると、溶融池の粘性が上昇し、ハンピングしやすくなると共に、溶滴が大粒化しスパッタが多発する。よってワイヤ中に添加する場合、Ti量の上限を0.20%と定めた。好ましいTi量の上限は0.15%である。
(Al:0.1%以下)
Alは、Tiと同様に強い脱窒成分であり、多少のシールド不良でもブローホールの発生を防止し、高強度化にも有効である。これらの効果を充分に発揮させるために、ワイヤ中のAl量は、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上であることが望ましい。しかしAl量が過剰であると、溶融池の粘性が上昇し、ハンピングしやすくなると共に、溶滴が大粒化しスパッタが多発する。よってワイヤ中に添加する場合、Al量の上限を、0.1%と定めた。好ましいAl量の上限は0.08%である。
(Bi:0.1%以下)
Biはスラグの剥離性を向上させる効果がある。この効果を充分に発揮させるために、ワイヤ中のBi量は、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上であることが望ましい。しかしワイヤ中のBi量が0.1%を超えると、凝固割れが非常に発生しやすくする。そこでBi量の上限は、好ましくは0.1%、より好ましくは0.08%である。
(Cr:0.8%以下)
ワイヤ中にCrを含有させることにより、溶接金属の高強度化を図ることができる。この効果を充分に発揮させるために、ワイヤ中のCr量は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であることが望ましい。しかしワイヤ中にCrを過剰に添加すると、溶融池の粘性が上昇し、高速溶接でビード幅が減少する。よってワイヤ中のCr量は、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.6%以下である。
(Mo:0.3%以下)
Moも、Crと同様に、溶接金属の高強度化に寄与する。この効果を充分に発揮させるために、ワイヤ中のMo量は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上であることが望ましい。しかしワイヤ中にMoを過剰に添加すると、溶融池の粘性が上昇し、高速溶接でビード幅が減少する。よってワイヤ中のMo量は、好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.25%以下である。
高速溶接でも充分なビード幅を確保するためには、溶融池の粘性を適正範囲にすることが重要である。そして溶融池は、母材である鋼板と溶接用ワイヤとがそれぞれ溶融して混ぜ合わさったものである。そこで本発明では、溶融池の粘性に大きな影響を及ぼす元素について、鋼板またはワイヤにおける各含有量に加えて、これらの混合量も規定していることも特徴の1つとする。以下、これらの混合量について説明する。
(鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]≧0.70)
溶融池の表面張力に強く関与するSiについて、「鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]」として重みをつけたパラメーターが、0.70以上であれば、高速溶接においてより好ましい溶融池粘性を確保でき、充分なビード幅を実現することができる。鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上である。一方、溶融池の粘性が過剰になるのを防ぐために、鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]の上限は、好ましくは3.5、より好ましくは3.0である。
(鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]≧2.2)
Mnも、Siと同様に高速溶接性に寄与する重要な元素である。好ましい溶融池粘性を達成して高速溶接において充分なビード幅を確保するためには、鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]は、2.2以上、好ましくは2.4以上、より好ましくは2.6以上である。一方、溶融池の粘性が過剰になるのを防ぐために、鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]の上限は、好ましくは3.0、より好ましくは2.8である。
(X=鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]+鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]+鋼板[Ti]×2+ワイヤ[Ti]×2+鋼板[Al]×2+ワイヤ[Al]×2+ワイヤ[Bi]×2<7.2)
高速溶接でも充分なビード幅を確保し、かつハンピングを防止するために、溶融池の粘性には適正範囲が存在する。そして本発明は、溶融池の粘性の過度の低下を防止して過剰な湯流れを防止するために、SiおよびMnを、鋼板およびワイヤに適正量含有させていることも特徴とする。しかしSiおよびMn量が適正範囲内であっても、主要な脱酸成分(Si、Mn、Ti、AlおよびBi)の総量が過剰になると、溶融池の粘性が高まりすぎて、かえってハンピングが生じ易くなり得る。これらの主要な脱酸成分は、その種類や、鋼板中に含まれるか、またはワイヤ中に含まれるかによって溶融池の粘性に与える影響が異なる。そこで本発明者らが鋭意検討した結果、溶融池への主要な脱酸成分の寄与率を考慮したパラメーターX:
X=鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]+鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]
+鋼板[Ti]×2+ワイヤ[Ti]×2+鋼板[Al]×2+ワイヤ[Al]×2
+ワイヤ[Bi]×2
を定めた。なお本発明で用いる鋼板またはソリッドワイヤが、任意元素を含有しない場合、上記Xの関係式中ではその元素含有量に零を代入する。例えば鋼板がTiを含有しない場合、鋼板[Ti]=0として、即ち鋼板[Ti]の項を除外して、X値を計算する。このX値が7.2未満であると、溶融池の粘性が過剰になるのを防止して、ハンピングを効果的に抑制することができる。X値は、より好ましくは6.8以下、さらに好ましくは6.3以下である。
アーク溶接に用いられるソリッドワイヤには、通電の安定化や錆防止のために、銅めっきが施されることが多い。一方、ソリッドワイヤに銅めっきが無い方が、チップとワイヤとの融着低減や、溶滴の酸化促進により粘性を低下させ、低スパッタ化が達成されるという効果がある。従って本発明の溶接方法では、目的に応じて、銅めっきが施されているソリッドワイヤ、または施されていないワイヤのいずれも使用することができる。
本発明の方法は、シールドガスを用いるガスシールドアーク溶接法である。アーク溶接には、一般的にArなどのイナートガス、炭酸ガス(CO2)、またはArおよびCO2からなる混合ガスが用いられ、本発明の方法でも、これらのシールドガスのいずれも使用することができる。もっとも溶込みの観点から、CO2の結合熱を利用することができるCO2、またはArとCO2との混合ガスを用いることが好ましい。
本発明の溶接方法において、特に低スパッタ化を達成することができるパルス溶接機と、ArおよびCO2からなる混合ガスとの組合せを用いることが好ましい。なお通常の定電圧制御溶接機を用いる場合、アーク安定性に対するシールドガスの影響は小さく、シールドガス選択の自由度は高いが、パルス溶接機とArおよびCO2からなる混合ガスとの組合せでは、優れたアーク安定性が得られるガス混合比が限られ、それがハンピングにも影響を及ぼすことを見出した。
具体的には、Ar量が75体積%未満の場合(即ち、CO2量が25%体積を超える場合)、CO2の解離熱によるアーク冷却効果が大きく、溶滴の離脱性が劣り、アークが不安定化する。その結果、スパッタの多発と不規則な溶滴移行周期によってハンピングが生じ易くなる。一方Ar量が95%体積%を超える場合(即ち、CO2量が5体積%未満である場合)、溶融池の脱酸が進まず、粘性が上昇してビード幅が狭くなる。またCO2への結合熱が発生しないため、溶込み深さが浅くなり、溶込み不良が発生する。そこで本発明の溶接方法においてパルス溶接機を用いる場合、シールドガスとしてAr:75〜95体積%およびCO2:5〜25体積%(但し、ArとCO2との合計は100体積%である)からなる混合ガスを用いることが好ましい。この場合のより好ましい混合比は、Ar:80〜90体積%およびCO2:10〜20体積%(但し、ArとCO2との合計は100体積%である)である。
本発明の溶接方法では、鋼板およびソリッドワイヤ中の化学成分量を適正範囲に調整することにより、高速溶接でも、ハンピングを防止し、かつ広いビード幅を確保することができる。よって本発明の方法では、好ましくは100cm/分以上、より好ましくは120cm/分以上、さらに好ましくは140cm/分以上の溶接速度で1パス溶接することが好ましい。このように高速で溶接しても、本発明の溶接方法により得られた溶接部材は、ビード幅が広くて溶接強度に優れるという利点を有する。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[1.鋼板の製造]
転炉において脱炭した溶鋼を、LF(取鍋精錬炉)において二次精錬し、さらにRH真空脱ガス装置において合金元素の添加およびRH脱ガス処理を行い、表1に示す化学成分組成に調製した。RH脱ガス処理は、O量が高い鋼板No.109(O:0.0035%)に対応する溶鋼のみ、30分間(平均的な処理時間)行い、その他のものについては、RH脱ガス処理を50分間行ってO量を0.002%以下に低減させた。
次いで連続鋳造を行い、それにより得られたスラブを、熱間にて表面スカーフ処理にかけ、加熱炉に挿入して、表2に示す加熱温度(表2中で「AT」と記載)に加熱し、高圧水デスケーリングを施した後に、粗圧延機において40mm厚まで圧延した。ここでスラブ温度を1,000〜1,100℃にコントロールした後、さらに高圧水デスケーリングを施してから仕上げ圧延を施した。仕上げ圧延は7スタンドの連続圧延であり、圧延中に温度制御を行うことによって、表2に示す仕上げ出側温度(表2中で「FDT」と記載)に制御した。
仕上げ圧延機から出た板を、2〜4秒後に冷却速度20〜60℃/秒で急冷(水冷)してから、コイラー位置まで搬送して、表2に示す巻取り温度(表2中で「CT」と記載)で巻取りを行った。巻取り温度が、600℃以上のもの(鋼板No.112および113)では、内部酸化層厚さ(表2中で「酸化層厚さ」と記載)が5μmを超えていた。
巻き取ったコイルを、100℃以下まで自然放冷し、その後、スキンパスおよびレベラーに通板してスケールに亀裂を入れてから(伸び率0.3〜0.5%)、塩酸での酸洗によりスケールを除去し、その後、防錆油を塗布して、鋼板No.1〜23およびNo.101〜113を作製した。
[2.鋼板の内部酸化層厚さの測定]
前記のようにして得られた鋼板において、圧延直角方向の断面を、観察倍率1,000倍のSEMで1箇所あたり50μmの深さまで観察し、内部酸化層厚さを測定した。結果を表2に示す(表2中で「酸化層厚さ」と記載)。なお表2に示す内部酸化層厚さの値は、鋼板の幅方向で、任意に5つ選んだ箇所で観察した値の平均値である。
[3.鋼板の機械的性質の測定]
鋼板の機械的性質として、引張強さ(MPa)、伸び(%)、穴拡げ率(%)も測定した。これらの結果を表2に示す(表2中で「引張強さ」を「TS」と、「伸び」を「El」と、穴拡げ率を「λ」と記載)。なお穴拡げ率の定義および試験方法は、日本鉄鋼連盟規格の「穴拡げ試験方法JFST1001−1996」に従った。
引張強さは600MPa以上のもの、伸びは15%以上のもの、穴拡げ率は50%以上のものを、それぞれ良好と評価した。
Figure 0005078264
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[4.溶接条件]
前記の鋼板を、以下並びに表3および4に記載の条件で溶接した。
・鋼板の板厚:2.9mm
・ソリッドワイヤの化学成分組成:表3に記載
・鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]、鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]、およびX値:表3に記載
・ソリッドワイヤの銅めっきの有無:表3に記載
・ソリッドワイヤ径:1.2mmφ
・ワイヤの突出し長さ:15mm
・シールドガス:表4に記載
・溶接機:インバータ式定電圧制御溶接機またはパルス溶接機
(パルス溶接機を用いた場合、表4中で溶接機の欄に「パルス」と記載)
・継手姿勢:横向重ねすみ肉溶接
・トーチ角度;移動角:45°、動作角:前進10°
・アーク溶接電流
以下のように溶接速度にあわせて、電流を変化させた。なお電圧は、シールドガス組成に応じて最適値を選択した;
80cm/分:210A
90cm/分:230A
100cm/分:250A
110cm/分:270A
120cm/分:290A
130cm/分:310A
140cm/分:330A
150cm/分:350A
[5.溶接性の評価]
(1)限界速度
溶接速度を80cm/分から10cm/分ずつ上げて鋼板を溶接し、ハンピング不良を起こさなかった限界速度を求めた。結果を表4に示す。限界速度が100cm/分以上の溶接法を、高速溶接性が良好であると評価した。
(2)ビード幅
溶接速度100cm/分で鋼板を溶接した際のビード幅の値を測定した。結果を表4に示す。なおビード幅は、任意に3点選んだ溶接の典型的箇所の平均値を採用した。ビード幅が7.0mm以上の溶接法を、高速溶接性が良好であると評価した。
(3)継手強度
溶接速度100cm/分で鋼板を溶接し、その重ね溶接継手から幅25mmの試験片を採取して、継手引張試験を行った。結果を表4に示す。破断位置が母材(鋼板)または溶接金属のいずれであるかを判定し、母材で破断した場合、継手強度が良好であると評価した。なお溶接金属で破断したものでも、その破断強度が600MPa以上(鋼板の目標引張強さ)であるものは、継手強度が良好であると評価した。
(4)その他
溶接中のスパッタ発生量を目測した。溶接法から鑑みて、スパッタが多発したものについて、表4中の「その他」の欄に記載した。さらに溶接ビードのX線透過試験および外観検査、カットチェック(断面マクロ採取検査)を行い、ブローホール、溶接割れまたは溶込み不足などの欠陥が無いかを調べた。これらが認められたものについても、表4中の「その他」の欄に記載した。
Figure 0005078264
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表1〜4の結果から分かるように、本発明で規定する鋼板およびソリッドワイヤの要件、さらにパルス溶接機を用いる場合は、シールドガスのAr−CO2混合比の要件を満たす溶接法W1〜32は、アーク溶接の限界速度が100cm/分以上、かつ100cm/分でもビード幅が7.0mm以上と、高速溶接性に優れており、さらに継手強度も良好である(破断位置が母材か、または溶接金属で破断しても破断強度が600MPa以上である)。なお、表1および2から、本発明で規定する要件を満たす鋼板No.1〜23は、600MPa以上の引張強さ、かつ15%以上の伸びおよび50%以上の穴拡げ率を示し、高強度でありながら、加工性が良好であることも示される。
一方、本発明で規定するいずれかの要件を満たさない溶接法W33〜W70は、溶接性および/または鋼板の機械的性質が不充分であった。
具体的には溶接法W33では、鋼板No.101のC量が、本発明の下限未満であり、その引張強さが不充分であった。
溶接法W34では、鋼板No.102のSi+Mn量が、本発明の下限未満であり、ビード幅が不充分であった。
溶接法W35では、鋼板103のTi量が本発明の上限を超えており、介在物が増加したことにより穴拡げ率(加工性)が不充分であった。
溶接法W36では、鋼板No.104のC量が本発明の上限を超えており、加工性(伸びおよび穴拡げ率)が低かった。また鋼板中のC量が過剰であることから、溶接金属中のC量も上昇し、凝固割れが発生した。
溶接法W37では、鋼板No.105のSi量が本発明の下限未満であり、ハンピングを起こし、限界速度が低かった。
溶接法W38では、鋼板No.106のSi量が本発明の上限を超えており、ビードのスラグ量が多いため、その後の塗装において剥離量が多く、耐食性が劣化した。またSi量が高すぎるため、溶融池の粘性が高くなりすぎてハンピングを起こし、限界速度が低かった。
溶接法W39では、鋼板No.107のMn量が本発明の上限を超えており、加工性(伸びおよび穴拡げ率)が不充分であった。
溶接法W40では、鋼板No.108のMn量が本発明の下限未満であり、ビード幅が不充分であった。さらに引張強さも不充分であった。
溶接法W41では、鋼板No.109のO量が本発明の上限を超えており、溶融池の粘性が過剰に低下してハンピングを起こし、限界速度が低かった。
溶接法W42では、鋼板No.110のSi量が本発明の下限未満であり、溶接時にハンピングを起こし、限界速度が低かった。
溶接法W43では、鋼板No.111のSi量が本発明の下限未満であり、かつ「鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]」の要件も満たさず、溶融池の粘性不足により、ビード幅が不充分であった。
溶接法W44では、鋼板No.112の内部酸化層の厚さが大きく、溶融池の粘性低下により、ビード幅が不充分であった。
溶接法W45では、鋼板No.113の内部酸化層の厚さが大きく、溶融池の粘性低下によりハンピングしやすくなり、限界速度が低かった。
溶接法W46では、ソリッドワイヤのC量が本発明の下限未満であり、継手強度が不足した。
溶接法W47では、ソリッドワイヤのC量が本発明の上限を超えており、溶接金属に凝固割れが発生した。
溶接法W48では、ソリッドワイヤのSi量が本発明の下限未満であり、脱酸不足によりブローホールが発生すると共に、継手強度が不足した。また粘性不足により、ビード幅が不充分であった。
溶接法W49では、ソリッドワイヤのSi量が本発明の上限を超えており、ハンピングを起こし、限界速度が低かった。
溶接法W50では、ソリッドワイヤのMn量が本発明の下限未満であり、脱酸不足によりブローホールが発生すると共に、継手強度が不足した。また粘性不足により、ビード幅が不充分であった。
溶接法W51では、ソリッドワイヤのMn量が本発明の上限を超えており、粘性過剰により、ビード幅が不充分であった。
溶接法W52では、ソリッドワイヤのP量が本発明の上限を超えており、溶接金属の凝固割れが発生した。
溶接法W53では、ソリッドワイヤのS量が本発明の下限未満であり、なじみ性低下によりビード幅が不充分であった。
溶接法W54では、ソリッドワイヤのS量が本発明の上限を超えており、溶接金属の凝固割れが発生した。
溶接法W55では、ソリッドワイヤのTi量が本発明の上限を超えており、溶融池の粘性が上昇して、ハンピングを起こし、限界速度が低かった。また溶滴の離脱性が悪くなりスパッタが多発した。
溶接法W56では、ソリッドワイヤのAl量が本発明の上限を超えており、溶融池の粘性が上昇してハンピングを起こし、限界速度が低かった。また溶滴の離脱性が悪くなり、スパッタが多発した。
溶接法W57では、ソリッドワイヤのBi量が本発明の上限を超えており、溶接金属の凝固割れが発生した。
溶接法W58では、ソリッドワイヤのCr量が本発明の上限を超えており、粘性上昇により、ビード幅が不充分であった。
溶接法W59では、ソリッドワイヤのMo量が本発明の上限を超えており、粘性上昇により、ビード幅が不充分であった。
溶接法W60では、パルス溶接機を用いた場合のシールドガス中のAr量が、本発明の下限未満であり、溶滴移行性が劣化してスパッタが多発した。また溶滴移行周期の乱れにより、ビードの形成性も劣化し、ハンピングを起こしてビード幅が不充分であった。
溶接法W61では、パルス溶接機を用いた場合のシールドガス中のAr量が、本発明の上限を越えており、溶融池の粘性が過剰となり、ハンピングを起こして限界速度が低かった。また溶込み不足が発生した。
溶接法W62では、本発明で規定する「鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]」の要件を満たさず、ビード幅が不充分であった。
溶接法W63では、本発明で規定する「鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]」の要件を満たさず、ビード幅が不充分であった。
溶接法W64〜W70では、本発明で規定するX値の要件を満たさず、粘性過剰でハンピングを起こし、限界速度が低かった。

Claims (11)

  1. Si:0.20〜2%(質量%の意味、以下同じ)およびMn:1〜2.5%を、下記式(1):
    鋼板[Si]+鋼板[Mn]≧1.5 ・・・ (1)
    (式中、鋼板[ ]は、鋼板中の各元素の含有量(質量%)を表す。)
    を満たすように含有し、さらにO:0.002%以下(0%を含まない)、C:0.02〜0.25%、P:0.1%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、Al:0.02〜0.2%、N:0.0015〜0.015%、およびTi:0.3%以下(0%を含む)を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、かつ鋼板表層に存在する内部酸化層の厚さが、5μm以下である鋼板と、
    Si:0.20〜1.0%(質量%の意味、以下同じ)、Mn:1.1〜1.8%、C:0.010〜0.12%、P:0.02%以下(0%を含まない)、S:0.005〜0.030%、Ti:0.20%以下(0%を含む)、Al:0.1%以下(0%を含む)、およびBi:0.1%以下(0%を含む)を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるソリッドワイヤとを、鋼板およびソリッドワイヤ中の元素量が、下記式(2)〜(4):
    鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]≧0.70 ・・・ (2)
    鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]≧2.2 ・・・ (3)
    X=鋼板[Si]×2+ワイヤ[Si]+鋼板[Mn]+ワイヤ[Mn]
    +鋼板[Ti]×2+ワイヤ[Ti]×2+鋼板[Al]×2+ワイヤ[Al]×2
    +ワイヤ[Bi]×2<7.2 ・・・ (4)
    (式中、鋼板[ ]は、鋼板中の各元素の含有量(質量%)を表し、ワイヤ[ ]は、ソリッドワイヤ中の各元素の含有量(質量%)を表す。)
    を満たすように用いて、ガスシールドアーク溶接することを特徴とする鋼板の溶接方法。
  2. 鋼板が、さらにNb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)およびW:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものである請求項1記載の鋼板の溶接方法。
  3. 鋼板が、さらにCr:2%以下(0%を含まない)、Mo:1%以下(0%を含まない)およびB:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものである請求項1または2に記載の鋼板の溶接方法。
  4. 鋼板が、さらにCu:0.5%以下(0%を含まない)およびNi:0.5%以下(0%を含む)を含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の鋼板の溶接方法。
  5. 鋼板が、さらにCa:0.005%以下(0%を含まない)および/または希土類元素:0.005%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の鋼板の溶接方法。
  6. 鋼板が、さらにZrおよび/またはMgを、合計で0.005%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の鋼板の溶接方法。
  7. 鋼板が、さらにCo:1%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の鋼板の溶接方法。
  8. ソリッドワイヤが、さらにCr:0.8%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.3%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の鋼板の溶接方法。
  9. 溶接機としてパルス溶接機を用い、シールドガスとしてAr:75〜95体積%およびCO2:5〜25体積%(但し、ArとCO2との合計は100体積%である)からなる混合ガスを用いる請求項1〜のいずれかに記載の鋼板の溶接方法。
  10. 溶接速度100cm/分以上で1パス溶接する、請求項1〜のいずれかに記載の鋼板の溶接方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の鋼板の溶接方法により得られた溶接部材。
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