JP2007142090A - 平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石及びその製造方法 - Google Patents

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崇志 佐藤
Shinichi Hayashi
真一 林
Kenji Omori
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Abstract

【課題】永久磁石用素材と熱硬化性樹脂が混合された樹脂結合型磁石用組成物を安定して連続成形でき、成形時の加熱で磁気特性が劣化することがなく優れた磁気特性と表面平滑性を有する平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石及びその製造方法を提供する。
【解決手段】磁性粉と熱硬化性樹脂とを含む樹脂結合型磁石用組成物を、上下一組のスチールベルトとプレス用ロールと加熱手段と冷却手段とを具備したベルトプレス装置によって成形する平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法であって、樹脂結合型磁石用組成物をスチールベルト上に圧送した後、搬送される該組成物をプレス用ロールによって加圧して成形しながら、スチールベルトの間隙で加熱し、その後、溶融した組成物が熱硬化するのに十分な時間スチールベルト上で保持し、最後に、得られた成形体を取り出すことを特徴とする製造方法などによって提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、永久磁石用素材と熱硬化性樹脂が混合された樹脂結合型磁石用組成物を安定して連続成形でき、成形時の加熱で磁気特性が劣化することがなく優れた磁気特性と表面平滑性を有する平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石及びその製造方法に関する。
従来から、永久磁石用素材としては、残留磁束(Br)、保磁力(Hc)、最大エネルギー積((BH)max)の値が大きく特性の安定したものが好適であり、それにはバリウム−フェライト(BaO・6Fe)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe)などのフェライト磁石、サマリウム−コバルト(SmCo、SmCo17)系磁石やネオジウム−鉄−ボロン(NdFe14B)系磁石などが知られており、最近では、コバルト等の高価な金属が不要で、かつ上述した磁石よりもさらに磁気特性の優れたサマリウム−鉄−窒素(Sm−Fe−N)系磁石などの希土類系磁石も多く用いられるようになった。
上記磁石には、磁性粉末を高温高圧で焼結させて得られる焼結磁石や、磁性粉末を合成樹脂のバインダー中で成形した樹脂結合型磁石などがある。しかし、焼結磁石は、収縮率が大きいことから、磁石製品の寸法精度を高く仕上げることが難しい。このため高い寸法精度の磁石を必要とする場合は、熱可塑性樹脂をバインダーとして用いる樹脂結合型磁石が採用され、その一例として押出し成形による磁石の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、熱可塑性樹脂をバインダーとする押出し成形磁石にあっては、成形時に200〜230℃、若しくはそれ以上に達する高温に加熱する必要があり、使用する磁性粉の磁気特性が劣化してしまうという問題がある。
この点を改良するため、バインダーとして150℃以下の温度で硬化する不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分として、金型の内部で加熱溶融しつつ磁場配向させながら熱硬化させて押出し成形することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記の不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分としたバインダーと磁性粉との混合物を押出し成形するにあたり、まず、混練した組成物を、50℃以下に設定された押出し機シリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する押出し成形金型へと圧送される。この際、金型内部では、上記熱硬化性樹脂組成物が従来の熱可塑性樹脂を用いた押出し成形の場合よりも低温の150℃程度まで加熱される。押出し機シリンダーに投入された熱硬化性樹脂組成物は、当初泥状であるが、金型内部で加熱されることで溶融して液状となり、金型に配設された磁場配向手段で組成物中の磁性粉が磁場配向することとなる。そして、不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂は、該金型内の温度環境下において短時間で硬化が始まり、金型から吐出される時点では形状維持できる程度に硬化し連続成形される。
しかしながら、この際、液状化状態の粘度や硬化までの時間は、上記熱硬化性樹脂組成物の組成、金型の温度などによって大きく影響を受けるため、安定して成形を行う条件が極めて狭くなり、成形速度が速い場合には、硬化が不十分となり形状維持が出来ず、逆に成形速度が遅い場合には、シリンダー内で硬化が発生し連続成形が不可能となる場合があった。また、押出し成形では、常に金型内部と擦れながら成形物が吐出され、擦れ後跡が残るため、成形物の表面平滑性が要求されるものには押出し成形を適用できなかった。
特開平6−283317号公報 特開2004−158748号公報
そこで、本発明の目的は、永久磁石用素材と熱硬化性樹脂が混合された樹脂結合型磁石用組成物を安定して連続成形でき、成形時の加熱で磁気特性が劣化することがなく優れた磁気特性と表面平滑性を有する平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石及びその製造方法を得ることを目的とする。
本発明者等は、前述の目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、磁性粉と、熱硬化性樹脂を含む樹脂結合型磁石用組成物を、圧送用シリンダーと、それに対向する上下一組のスチールベルトと、スチールベルト内側に位置する各ベルト背面よりプレスする一対のロールと、加熱手段とを具備しているベルトプレス成形機を用いて、特定の工程でベルトプレス成形することによって、安定した連続成形性を有し、かつ、成形時の加熱で磁気特性が劣化することがなく優れた磁気特性と表面平滑性をもつ平板状の樹脂結合型磁石が得られ、さらに、ベルトプレス成形機の対向するスチールベルト間に磁場を印加する手段を設けて、溶融した成形体に磁場を印加することで、磁化配向性のよい平板状の樹脂結合型磁石が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、磁性粉(A)と熱硬化性樹脂(B)とを含む樹脂結合型磁石用組成物から、ベルトプレス成形装置(C)を用いて平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石を製造するにあたり、下記の(イ)〜(ハ)の工程を含むことを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。(イ)樹脂結合型磁石用組成物は、ベルトプレス成形装置(C)に隣接するシリンダーを用いて、ベルトプレス成形装置(C)内に設けられた駆動用ロールにより回転移動する上下一組のスチールベルトの先端部内に圧送される。(ロ)スチールベルト上で搬送された樹脂結合型磁石用組成物は、スチールベルトの内側に設置された少なくとも1対のプレス用ロールによって加圧、成形されながら、ベルトプレス成形装置(C)内に設けられた加熱手段によって該組成物が溶融するのに十分な温度条件下で加熱される。(ハ)加熱、溶融された樹脂結合型磁石用組成物は、熱硬化性樹脂(B)が熱硬化するのに十分な時間、スチールベルト上で保持した後、熱硬化が完了して得られた成形体は取り出される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記(イ)の工程において、樹脂結合型磁石用組成物は、圧送される前に、シリンダー中で50℃以下の温度に冷却されることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記(ロ)の工程において、樹脂結合型磁石用組成物は、上下一組のスチールベルトの間で、90〜200℃の温度に加熱されることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記(ロ)の工程において、樹脂結合型磁石用組成物は、加熱、溶融されると同時に、磁場を印加されることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記(ハ)の工程に続き、成形体が取り出されたスチールベルトは、(イ)の工程に先立ち、50℃以下の温度にまで冷却されることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、磁性粉(A)は、サマリウム−コバルト系磁性粉、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉、ネオジウム−鉄−ホウ素系磁性粉、又はフェライト磁性粉から選ばれる1種以上であることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、熱硬化性樹脂(B)は、70〜200℃の硬化温度を有することを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、熱硬化性樹脂(B)は、不飽和ポリエステル樹脂、またはビニルエステル樹脂のいずれかであることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明において、樹脂結合型磁石用組成物は、さらにN−オキシル化合物を含有することを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法が提供される。
一方、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明の製造方法で成形されてなる平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、平板の厚み方向、あるいは面内方向に磁化配向されていることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第10の発明において、その厚さが、1〜5mmであることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石が提供される。
さらに、本発明の第13の発明によれば、第11の発明において、その表面粗さが、10μm以下であることを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石が提供される。
本発明によれば、特定のベルトプレス成形装置を用いた平板状のベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法であるため、従来の押出し成形に比べ、成形体が、硬化完了まで対向したスチールベルト上で保持されることから、組成物の硬化速度のばらつきによる成形の不安定さを排除することができ、安定した成形を行うことが可能となる。また、押出し成形のように組成物が柔らかい状態でダイス(口金)から擦られながら吐出することがないから、磁性粉の配向の乱れが生じることがなく、擦れ跡もない磁気特性、表面性に優れた樹脂結合型磁石を連続成形することができる。
また、磁性粉をサマリウム−コバルト系磁性粉、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉、ネオジウム−鉄−ホウ素系磁性粉、フェライト磁性粉から選ばれる1種以上の混合物とすることで、これらの磁性粉相互の混合比率を適宜に設定することにより所望とする好適な磁気特性の磁石を得ることができる。
以下、本発明の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法、及び得られる平板状樹脂結合型磁石を、図面を用いて詳細に説明する。
本発明の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法は、磁性粉(A)と熱硬化性樹脂(B)とを含む樹脂結合型磁石用組成物から、ベルトプレス成形装置(C)を用いて平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石を製造するにあたり、下記の(イ)〜(ハ)の工程を含むことを特徴とする。
(イ)樹脂結合型磁石用組成物は、ベルトプレス成形装置(C)に隣接するシリンダーを用いて、ベルトプレス成形装置(C)内に設けられた駆動用ロールにより回転移動する上下一組のスチールベルトの先端部内に圧送される。(ロ)スチールベルト上で搬送された樹脂結合型磁石用組成物は、スチールベルトの内側に設置された少なくとも1対のプレス用ロールによって加圧、成形されながら、ベルトプレス成形装置(C)内に設けられた加熱手段によって該組成物が溶融するのに十分な温度条件下で加熱される。(ハ)加熱、溶融された樹脂結合型磁石用組成物は、熱硬化性樹脂(B)が熱硬化するのに十分な時間、スチールベルト上で保持した後、熱硬化が完了して得られた成形体は取り出される。
1.樹脂結合型磁石用組成物
本発明において、樹脂結合型磁石用組成物は、平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の原料であり、磁性粉(A)と樹脂バインダーを含有する。この樹脂バインダーは、熱硬化性樹脂(B)を主成分として、さらに有機過酸化物とN−オキシル類化合物を含むことができる。そして、樹脂バインダーは、これらのほかに、必要によりその他添加剤、充填材を配合することができる。
(A)磁性粉
本発明において磁性粉は、遷移金属類元素として鉄(Fe)、またはコバルト(Co)を含有する磁性粉末であり、例えば、サマリウム−コバルト系磁性粉、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉、フェライト磁性粉から選ばれる1種以上である。
また、遷移金属類元素としては、上記鉄(Fe)、コバルト(Co)に限定されず、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及びマンガン(Mn)からなる群から選択される1種又は2種以上、これ以外にCr、V又はCuのいずれかを含有してもよい。
本発明では、磁性粉として、(I)還元拡散法によって得られるSmFe系合金粗粉を窒化処理、微粉砕して得られるSm−Fe−N系の合金微粉末、(II)同じく還元拡散法によって得られたSmCo系合金粗粉を微粉砕して得られる合金微粉末、(III)Nd−Fe−B系の液体急冷法によって得られた合金粉末、又は(IV)HDDR(Hydrogenation−Disproportionation−Desorption−Recombination)法によって得られた異方性Nd−Fe−B系合金粉末、(V)バリウム−フェライト(BaO・6Fe)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe)などのフェライト磁石を用いることができる。
尚、液体急冷法によって得られたNd−Fe−B系やHDDR法によって得られた異方性Nd−Fe−B系の磁性粉は、特異な形状を有した比較的大きな粒子を大量に含んでいるため、好ましくはジェットミルやボールミル等で粉砕し用いる方が好ましい。
本発明において、磁性粉末の粒径は、100μm以下のものを50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に90重量%以上含むと、本発明の効果を著しく発揮する。また、等方性よりも磁場中成形が必至となる異方性の磁性粉の方が、配向特性の面で本発明の効果が著しい。平均粒径は、30μm以下、好ましくは20μm以下、特に10μm以下であると、本発明の効果を著しく発揮する。
磁石粉末は、無機燐酸または無機燐酸化合物、シリケート化合物、有機シランモノマーなどのシランカップリング剤(被覆剤)で表面処理されたものが好ましい。
無機燐酸または無機燐酸化合物は、上記の磁性粉末を予め処理することで、被覆剤成分の効力を高め、その表面の耐候性を高める化合物である。無機燐酸には、燐酸の他に、亜燐酸、次亜燐酸、ピロ燐酸、直鎖状のポリ燐酸、環状のメタ燐酸が含まれる。無機燐酸化合物などを湿式処理法、乾式処理法のいずれかで表面処理し、その後、100℃前後で10〜30時間、加熱処理すれば、より安定して磁性粉末に定着する。
本発明においては、上記複合金属リン酸被膜のほかに、表面上に、シリケート化合物によるシリケート被膜を形成することができる。このシリケート被膜は、その材料によって限定されるものではなく、シリカ粉を機械的に付着する方法、アルコキシシリケートを加水分解して被覆する方法、エチルシリケートを原料とするゾルゲル反応、又はプラズマ化学蒸着法で被覆する方法などによって得ることができるが、アルコキシシリケートを加水分解して得る方法が好適である。
アルコキシシリケートとは、アルコキシ基を有するシリケート化合物であり、具体的には、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシシランが部分加水分解縮合反応により、2〜100個結合したポリアルコキシポリシロキサンである。このようなアルコキシシリケートとしては、MKシリケートMS51(商品名、シリカ換算濃度が52重量%であるメチルシリケートオリゴマー、三菱化学(株)製)、MKシリケートMS56S(商品名、シリカ換算濃度が57重量%であるメチルシリケートオリゴマー、三菱化学(株)製)、ES40(商品名、ヒュルスジャパン社製)のようなエチルシリケートの部分加水分解縮合物などを挙げることができる。
また、シランカップリング剤は、1〜3個の加水分解性基、即ちアルコキシ基と、炭素数が1〜12の有機基を含有する有機シランモノマーである。有機シランモノマーとしては、1分子中に炭素数が1〜5であるアルコキシ基を少なくとも1〜3個有するものが好ましい。シランカップリング剤を用いて磁性粉末を表面処理するには、磁性粉末に各成分を同時に添加しても、逐次添加してもよい。溶媒等で希釈した後、溶媒を揮散する湿式処理法でも、撹拌中に直接、シランカップリング剤を添加するメカノフュージョンなどの乾式法でもよい。
(B)熱硬化性樹脂
本発明において樹脂結合型磁石用組成物のバインダー成分は、成形時の金型内で硬化して磁性粉末のバインダーとして働く、ラジカル重合反応型の熱硬化性樹脂であり、好ましくは有機過酸化物とN−オキシル類化合物を含んだものである。
熱硬化性樹脂としては、70〜200℃の温度で硬化するものが好ましく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましく、さらに、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂なども用いることができる。その中でも不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂が好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂は、前記磁性粉を成形できるものであれば特にその種類に限定されることはなく、一般的に市販されている不飽和ポリエステル樹脂を用いることができる。この不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、不飽和多塩基酸及び/又は飽和多塩基酸とグリコール類を分子量5000程度以下に予備的に重合させてオリゴマーやプレポリマー化させた主剤に、架橋剤を兼ねるモノマー類、反応を開始させる硬化剤、長期の保存性を確保するための重合防止剤、及びその他の添加剤等から構成される。
不飽和多塩基酸としては、例えば無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を、また、飽和酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸メチルホスフォニウムクロールイド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロールイド、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド等のホスフォニウム塩;第二級アミン類;テトラブチル尿素;トリフェニルホスフィン;トリトリールホスフィン;トリフェニルスチビン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらエステル化触媒は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
また、グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ジブロムネオペンチルグリコール、ペンタエリスリットジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
さらに、架橋剤を兼ねるモノマー類としては、例えば、(I)スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等のビニルモノマー類、(II)ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等のアリルモノマー類、(III)フェノキシエチルアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル類等が挙げられる。
また、ビニルエステル樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒を用いて反応させて得ることができる。上記ビニルエステル樹脂の原料として用いられるエポキシ化合物としては、分子中に、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS等のビスフェノール類と、エピハロヒドリンとの縮合反応により得られるエピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノール、クレゾール、ビスフェノールとホルマリンとの縮合物であるノボラックとエピハロヒドリンとの縮合反応により得られるノボラックタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、安息香酸とエピハロヒドリンとの縮合反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;水添加ビスフェノールやグリコール類とエピハロヒドリンとの縮合反応により得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ヒダントインやシアヌール酸とエピハロヒドリンとの縮合反応により得られる含アミングリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらエポキシ樹脂と多塩基酸類および/またはビスフェノール類との付加反応により分子中にエポキシ基を有する化合物であってもよい。これらエポキシ化合物は、一種類のみを用いてもよく、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
さらに、上記ビニルエステル樹脂の原料として用いられる不飽和一塩基酸は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。また、マレイン酸、イタコン酸等のハーフエステル等を用いてもよい。さらに、これらの化合物と、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の多価カルボン酸や、酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、パルチミン酸等の飽和一価カルボン酸や、フタル酸等の飽和多価カルボン酸またはその無水物や、末端基がカルボキシル基である飽和あるいは不飽和アルキッド等の化合物とを併用してもよい。これら不飽和一塩基酸は、一種類のみを用いてもよく、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
上記エステル化触媒としては、具体的には、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロールイド等の第四級アンモニウム塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テトラメチルホスフォニウムクロールイド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロールイド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロールイド、ベンジルトリエチルフェニルホスフォニウムクロールイド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロールイド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロールイド、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド等のホスフォニウム塩;第二級アミン類;テトラブチル尿素;トリフェニルホスフィン;トリトリールホスフィン;トリフェニルスチビン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらエステル化触媒は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。さらに、架橋剤を兼ねるモノマー類として、前記スチレンのような化合物を用いることができる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、さらに水酸基含有(メタ)アクリル化合物および必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応させることによって得ることができる。また、水酸基含有(メタ)アクリル化合物とポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、さらにポリイソシアネートを反応させてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の原料として用いられるポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネートおよびその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、バーノックD 750、クリスポンNX(商品名;大日本インキ化学工業株式会社製)、デスモジュールL(商品名;住友バイエル社製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン社製)、タケネートD102(商品名;武田薬品社製)、イソネート143L(商品名;三菱化成社製)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらポリイソシアネートは、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の原料として用いられる多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら多価アルコール類は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
さらに、上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の原料として用いられるポリヒドロキシ化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられ、具体的には、例えば、グリセリンエチレンオキシド付加物、グリセリンプロピレンオキシド付加物、グリセリンテトラヒドロフラン付加物、グリセリンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンエチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンテトラヒドロフラン付加物、トリメチロールプロパンエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールプロピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールテトラヒドロフラン付加物、ペンタエリスリトールエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトールプロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトールテトラヒドロフラン付加物、ジペンタエリスリトールエチレンオキシドプロピレンオキシド付加物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらポリヒドロキシ化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の原料として用いられる水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリル化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の原料として必要に応じて用いられる水酸基含有アリルエーテル化合物としては、具体的には、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら水酸基含有アリルエーテル化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
また、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、不飽和あるいは飽和ポリエステルの末端に(メタ)アクリル化合物を反応させることによって得ることができる。上記ポリエステルの原料としては、例えば上記不飽和ポリエステル樹脂の原料として例示した化合物と同様の化合物を用いることができる。
上記ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂の原料として用いられる(メタ)アクリル化合物としては、具体的には、例えば、不飽和グリシジル化合物、(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸およびそのグリシジルエステル類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら(メタ)アクリル化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いる熱硬化性樹脂には、例えば、エポキシ樹脂を原料としたノボラック型やビスフェノール型のビニルエステル樹脂類、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ビス・マレイミドトリアジン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の各反応性樹脂類を混合することができる。
本発明において、前記の反応を開始させるために、有機過酸化物を硬化剤として用いる。有機過酸化物は、樹脂バインダーの主成分であるラジカル重合反応性を有する熱硬化性樹脂に配合される。
有機過酸化物としては、例えば、(I)メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、(II)3,3,5−トリメチシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、(III)t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、(IV)ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、(V)アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノニルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニック酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、(VI)ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペロキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペロキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペロキシジカーボネート、ジ−ミリスチルペロキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペロキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルペロキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペロキシジカーボネート、ジアリルペロキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、(VII)t−ブチルペロキシアセテート、t−ブチルペロキシイソブチレート、t−ブチルペロキシピバレート、t−ブチルペロキシネオデカノエート、クミルペロキシネオデカノエート、t−ブチルペロキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペロキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペロキシラウレート、t−ブチルペロキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペロキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシマレイックアシッド、t−ブチルペロキシイソプロピルカーボネート、クミルペロキシオクトエート、t−ヘキシルペロキシネオデカノエート、t−ヘキシルペロキシピバレート、t−ブチルペロキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルペロキシネオヘキサノエート、クミルペロキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル類や、(VIII)アセチルシクロヘキシルスルフォニルペロキサイド、t−ブチルペロキシアリルカーボネート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物は、そのもの自体単独で使用できるものもあるが、種類によっては、炭化水素溶液類やフタル酸エステル類に希釈した状態、もしくは固形粉末に吸収させた状態で用いることがある。いずれにせよ、半減期10時間を得るための分解温度が150°C以下の性質を有する過酸化物を使用するのが望ましく、さらには、同半減期を得るための分解温度が40〜135°Cの範囲である過酸化物がより望ましい。該半減期を得るための分解温度が150°Cを超えるものを選択すると、充分な硬化成形体を得るための硬化温度が高くなり、本発明の効果が小さくなる。一方、40℃よりも低くなると過酸化物自体の取り扱い性が困難になるばかりでなく、本発明の樹脂結合型磁石用組成物の保管特性が悪くなり、生産性に欠ける結果を招く。
有機過酸化物の添加量は、希釈率や活性酸素量によって異なるため、規定することはできないが、一般的にはラジカル重合反応型樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部が添加される。0.05重量部未満では、硬化が不十分となり、10重量部を超えると、硬化が進みすぎるので好ましくない。
これらの有機過酸化物は、単独又は2種以上の混合系で用いることができるが、最終樹脂結合型磁石用組成物の可使時間をより長く確保するために、パーオキシケタール系、又はジアルキル系過酸化物の単独で用いることが、極めて好ましい。なお、樹脂結合型磁石用組成物の可使時間とは、ポットライフともいわれ、液状樹脂に硬化剤などを加えた時点から粘度が上昇し、成形不可能となるまでの時間、すなわちゲル化・硬化などが起こらず、成形可能な流動性を保っている時間、或いは成形後の機械強度が組成物調整直後に成形したそれ(機械強さの初期値)の80%にまで低下するまでの時間のいずれか早い方の時間を意味し、本発明の組成物系では、一般的には機械強さが低下する時間の方が早いのが特徴である。
本発明においては、樹脂結合型磁石用組成物の保管中の可使時間をより長くさせるために、N−オキシル類化合物を配合することができる。N−オキシル類化合物は、分子鎖末端に、次の一般式(1)、一般式(2)、または一般式(3)で表される構造のうち少なくとも一種の構造を有する化合物である。
Figure 2007142090
(式中、X、Xは、それぞれ独立して水素原子、−OR基、−OCOR基または−NR基を表し、R、R、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1以上のアルキル基を表し、R、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜16のアルキル基を表す)
Figure 2007142090
(式中、X、X、およびXは、それぞれ独立して水素原子、−OR13基、−OCOR14基または−NR1516基を表し、R、R10、R11、およびR12は、それぞれ独立して炭素数1以上のアルキル基を表し、R13、R14、R15、およびR16は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜16のアルキル基である)
Figure 2007142090
(式中、R17、R18は、それぞれ独立して炭素数4以上のアルキル基を表す)
一般的に、遷移金属と有機過酸化物においては、レドックス反応と称される過酸化物の分解反応が低温度で促進され、可使時間の著しい低下を招くことが一般的に知られている。当該磁石粉等を含む系においては、レドックス反応のみならず、これに相まってラジカル重合反応性を有する熱硬化性樹脂やスチレン等の複雑な反応促進効果も極めて高く、通常の遷移金属単体系の組成物よりも、可使時間が極めて短くなる現象が見出されている。そこで、N−オキシル類化合物を添加すれば、当該組成物に対して、この特殊な反応抑制効果を発揮させることが可能となる。
ここで、樹脂結合型磁石用組成物の可使時間とは、ポットライフともいわれ、液状樹脂に硬化剤などを加えた時点から粘度が上昇し、成形不可能となるまでの時間、すなわちゲル化・硬化などが起こらず、成形可能な流動性を保っている時間、或いは成形後の機械強度が組成物調製の直後に成形したそれ(機械強さの初期値)の80%まで低下する時間のいずれか早い方の時間を意味する。本発明に係る組成物系では、一般的には機械強さが低下する時間の方が早い。組成物の可使時間を120時間以上、特に240時間以上とすることができるものを選択することが好ましい。
本発明において上記構造を有するN−オキシル類としては、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルニトロキシル、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アセテート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−2−エチルヘキサノエート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ステアレート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−4−t−ブチルベンゾエート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)コハク酸エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジピン酸エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)n−ブチルマロン酸エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)フタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イソフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)テレフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサヒドロテレフタレート、N,N’−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパミド、N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カプロールクタム、N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ドデシルサクシンイミド、2,4,6−トリス−N−ブチル−N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−s−トリアジン、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらN−オキシル類は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
これらN−オキシル類化合物の添加量は、その種類によって効果が大きく異なるため画一的に規定はできないが、一般的には、ラジカル重合反応型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。添加量が0.1重量部より少ない場合は、十分な可使時間を確保できない。一方、10重量部より多い場合は、成形体の密度の低下や表面の荒れを生じるため望ましくない。
これらのN−オキシル類化合物は、単独もしくは2種以上の混合系で用いることもできるが、組成物の可使時間をより長く確保するためには、これらの安定剤の中でも、アルキルラジカルとの反応性を有し、かつ、アルキルラジカルとの反応後、さらに、パーオキシラジカルとの反応性を有すること、又はパーオキシラジカルとの反応性を有し、かつパーオキシラジカルとの反応後、さらに、アルキルラジカルとの反応性を有することが好ましい。特にアルキルラジカルとの反応性を有し、かつアルキルラジカルとの反応後の該安定剤化合物がさらにパーオキシラジカルと反応することが可能なもの、例えば、次式で示される2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル等が極めて好ましい。
Figure 2007142090
さらに、当該組成物においては、これらの他に、例えば、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト等のコバルト有機酸塩、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ジメドン等のβ−ジケトン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、メルカプタン類、トリフェニルホスフィン、2−エチルヘキシルホスファイト等の燐化合物類、第4級アンモニウム塩類等の促進剤やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、芳香族カルボニル化合物、ピナコン誘導体等との併用を行っても良い。尚、これらの併用してもよい添加剤の配合量は、ラジカル重合反応型樹脂100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
本発明において、樹脂結合型磁石用組成物には、さらに必要に応じて、重合防止剤、各種反応性樹脂類、成形性改善添加剤、無機充填材や顔料など、他の添加剤や充填材を配合できる。これら併用しうる添加剤の配合量は、ラジカル重合反応型樹脂100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
本発明において、長期の保存性を確保するために配合できる重合防止剤としては、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン等のキノン類、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、モノ−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン等のハイドロキノン類、ジ−t−ブチル・パラクレゾールハイドロキノンモノメチルエーテル、アルファナフトール等のフェノール類、ナフテン酸銅等の有機ならびに無機の銅塩類、アセトアミジンアセテート、アセトアミジンサルフェート等のアミジン類、フェニルヒドラジン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩等のヒドラジン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロールイド、ラウリルピリジニウムクロールイド、セチルトリメチルアンモニウムクロールイド、フェニルトリメチルアンモニウムクロールイド、トリメチルベンジルアンモニウムオキザレート、ジ(トリメチルベンジルアンモニウム)オキザレート、トリメチルベンジルアンモニウムマレエート、トリメチルベンジルアンモニウムタータレート、トリメチルベンジルアンモニウムグリコレート等の第4級アンモニウム塩類、フェニル−β−ナフチルアミン、パラベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン等のアミン類、ニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、ピロガロール、タンニン酸、レゾルシン等の多価フェノール類、トリエチルアミン塩酸塩、ジメチルアニリン塩酸塩、ジブチルアミン塩酸塩等のアミン塩酸塩類等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して使用することができる。
これらの各種成分以外にも、成形性の改善を目的とした、例えばパラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイクロワックス等のワックス類、ステアリン酸、1,2−オキシステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の脂肪酸塩(金属石鹸類)ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド等脂肪酸アミド類、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル、エチレングリコール、ステアリルアルコール等のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれら変性物からなるポリエーテル類、ジメチルポリシロキサン、シリコングリース等のポリシロキサン類、弗素系オイル、弗素系グリース、含弗素樹脂粉末といった弗素化合物、窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化珪素、二硫化モリブデン等の無機化合物粉体を1種もしくは2種以上添加することができる。
これらの有機添加物以外にも、必要に応じて、無機充填剤や顔料等を添加しても良い。無機充填剤としては、例えば、ストロンチウムフェライト系、バリウムフェライト系等のフェライト類磁性粉、鉄等の軟磁性粉、タングステン等の密度調整用高比重金属粉、三酸化アンチモン等の難燃剤、酸化チタン等の顔料等が挙げられる。
これら混合される熱硬化性樹脂バインダーの各成分は、重合度や分子量に制約されることはないが、後述する所定の粘度に調整するために、数種類の粘度や性状の異なるラジカル重合反応性を有する熱硬化性樹脂同士を混合したり、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム等の二価金属の酸化物類や水酸化物類、ジイソシアナート類、アリジリン化合物類、アルミニウムイソプロポキシド等を加えても差し支えない。
樹脂バインダーを構成する各成分の性状は、例えば常温で液状、パウダー、ビーズ、ペレット等、特に限定されないが、磁性粉との均一混合性や成形性から考えると、液状であることが望ましい。また、これらの異なる樹脂や異なる分子量、性状のものを1種または2種以上組み合わせて混合しても差し支えない。
これら最終的な樹脂バインダーの粘度は、JIS K7117(液状樹脂の回転粘度計による粘度試験方法)に準じて測定され、測定値が100〜5000mPa・sであることが望ましく、中でも300〜3000mPa・sが好ましい。この粘度が、100mPa・s未満であると、成形時に磁性粉とバインダーの分離現象が生じるため成形できない。また、5000mPa・s超であると著しい混練トルクの上昇、流動性の低下を招き成形困難になる。樹脂バインダーの粘度が、この範囲から外れる場合は、前記スチレンなどの架橋性モノマーによって上記特定の熱硬化性樹脂の粘度を調整することができる。
前記磁性粉と上記熱硬化性樹脂との混合比は、樹脂バインダーの量が多いと成形し易いものの磁性粉の割合が減って磁石として磁気特性が劣り、また、磁性粉が多いと磁気特性は向上するものの、結合材としての樹脂量が減って成形が困難になる。そのため、樹脂バインダーの添加量は、各構成成分を含めた状態で、磁性粉末100重量部に対して、5〜50重量部の割合で添加され、好ましくは7〜15重量部、さらに、10〜13重量部がより好ましい。該バインダーの添加量が5重量部未満の場合は、成形時の流動性の低下を招き、また、50重量部を超える場合、所望の磁気特性が得られない。またこれらを混練した樹脂結合型磁石用組成物は、熱硬化性樹脂が70〜200℃で硬化可能なように硬化剤の種類と量を適宜選択する。
本発明に係る樹脂結合型磁石用組成物は、前述の必須成分、磁性粉、バインダー成分、さらに必要に応じて他の添加剤を配合することにより調製される。
その際、各成分の混合方法は、特に限定されず、例えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機、あるいは、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出機等の混練機を用いることにより実施される。
このようにして得られる樹脂結合型磁石用組成物の形状は、パウダー状、ビーズ状、ペレット状、あるいはこれらの混合物の形であるが、取り扱い易さの点で、ペレット状(或いは塊状)が望ましい。
(C)ベルトプレス成形装置
本発明の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法においては、特定のベルトプレス成形装置を使用する。このベルトプレス成形装置は、これまで汚泥の脱水や木材チップを成形してチップボードなどを製造する分野で使用されているものと原理的には同様で、構造的にも類似しているが、原料である組成物供給用シリンダーと、それに対向する上下一組のスチールベルトと、このスチールベルトを介して原料組成物を加熱する加熱手段と、スチールベルト内側に位置し各背面より原料をプレスする一対のロールを具備している。この他に、磁性粉末に対して磁場を印加する手段(電磁石)と、成形体が取り出された後でスチールベルトを冷却する冷却手段を具備することができる。
本発明において使用されるベルトプレス装置(プレス機)の概略図を図1に示す。プレス機は、上部成形スチールベルト、及び下部成形スチールベルトからなる上下一組のスチールベルト1と、それらの前端、後端に回転駆動用ロールを具備する。スチールベルト1は、耐蝕性で十分な強度と伝熱性を有することが望ましく、例えば、厚さが0.1〜1.5mmのステンレス製の無端ベルトなどが採用される。スチールベルト1は、駆動用ロールから駆動力を受けてその周囲を巡回する。少なくとも一方の駆動用ロールには、必要によりスチールベルト1を緊張状態とする液圧シリンダーによる補助部材を設置できる。上部成形スチールベルト、及び下部成形スチールベルトの背面が相互に対向して形成される間隔は、組成物の成形体の厚さと同程度であるか、もしくはやや厚めに設定される。
スチールベルト1の長さ方向には、プレス用ロール2が配設され、スチールベルト1が成形される組成物の表面を加圧しながら連続的に巡回するように、ベルトの表面で回転する。プレス用ロール2は、駆動用ロールよりも外径が小さく、一組のベルト内側で横方向に整列し、上下方向から均等な圧力で組成物をプレスする機能を有する。ベルトに対して円滑に接触し回転させるために、プレス用ロール2の外周部を樹脂コーティングしてもよい。その個数は、成形体10のサイズなどにより適宜決定されるが、成形体10の全体を均等な圧力でプレスできることが望ましく、図面では、スチールベルト1の上下対応する場所に8個づつ設置している。プレス用ロール2は、スチールベルト1を介して組成物に圧力と熱を伝達し成形体10を形成する。
スチールベルト1の表面付近には、加熱手段3である導管が左右に蛇行して配列され、その導管中にスチームや温水などの流体が流通される。温水などの流体の代わりに、電熱線を用いても良い。加熱手段3の設置個所は、スチールベルト受け側、すなわち成形装置に隣接して配置されるシリンダー6に対して、そのノズル先端からある程度離れた位置とすることが望ましい。シリンダー6のノズル先端から少なくとも10mm以上離れた位置、特に30mm以上離れた位置とすることが望ましい。スチールベルト1がシリンダー6のノズル先端に接近しすぎると、組成物の種類によっては熱硬化性樹脂が早く硬化してしまうので好ましくない。
スチールベルト1の前記加熱用導管が配列されていない側には、スチールベルト1の熱をシリンダー側に伝えにくくするために冷却手段4を設けることができる。冷却手段4としては各種冷媒を使用できるが、導管を蛇行して配列し、その導管中に冷却水などの流体を流通することが好ましい。また、熱をもったベルトに直接冷却用空気を吹き付けるようにしてもよい。
さらに、上記ベルトプレス装置には、溶融した組成物に対して磁場を印加する手段5を設けることができる。この磁場印加手段5は、この分野で使用されている電磁石であればよく、図1(b)は、電磁石5をスチールベルト1の内部上下に配置し平面に対して、垂直に磁場配向を行う場合であり、(c)は、電磁石5の設置態様を代えて、スチールベルト1の進行方向に磁場配向を行うように配置した場合である。また、図1(a)は、電磁石5をスチールベルト1の左右両側に配置しベルト進行方向に対して面内直交方向に配向するようにした様子を示している。
2.ベルトプレス成形
本発明においては、(1)磁性粉と熱硬化性樹脂を含む前記樹脂結合型磁石用組成物を、上記のようなベルトプレス成形装置、すなわち、対向する上下一組のスチールベルトと、該スチールベルトの各背面よりプレスできるロールを具備しているプレス機の、スチールベルト受け側に、組成物をシリンダーから圧送し、(2)スチールベルトの間隙を、スチールベルトの移動に合わせて組成物が搬送される間に、該スチールベルト背面に位置するプレス用ロールの圧力でベルトプレス成形し、(3)加熱されたスチールベルトの間で溶融した組成物に、必要により溶融と同時に磁場を印加することにより、樹脂結合型磁石用組成物が熱硬化し、その後、成形体をベルトから排出させ、ベルトプレス成形樹脂結合型磁石を得る。
磁性粉末を加えた後の組成物は、まず、成形装置に隣接するシリンダーに供給される。組成物の粘度は、混練により上昇し、3000mPa・sを超えるが、50000mPa・s以下、特に5000mPa・s以下となるようにすることが好ましい。この粘度が、50000mPa・sを超えると混練時の著しい混練トルクの上昇に伴う発熱によって硬化反応を招き、著しい流動性の低下が生じて成形困難になる。
ここで、シリンダーは、スチールベルト受け側に組成物を圧送する前に、内部温度を50℃以下にすることが好ましい。シリンダーの内部温度が50℃よりも高くなると、シリンダー内部で剪断等により、局所的に樹脂結合型磁石用組成物の硬化が発生することがあり、ベルトプレスによって安定した厚みを有する成形体を連続的に成形することが難しくなる。
50℃以下に設定されたシリンダーに投入した前記の樹脂結合型磁石用組成物を、その後、ベルトプレス成形機へと圧送する際、それを受けるスチールベルトの先端部は、組成物の硬化が発生しないように、スチールベルトを冷却し、50℃以下に保たれるようにすることが望ましい。
樹脂結合型磁石用組成物の圧送場所は、スチールベルト受け側であれば制限されないが、下部スチールベルトの長さを上部スチールベルトよりも長くして、左へ若干張り出すように設計すれば、スチールベルトの左上側に配設されたシリンダーが、この張り出した区域にて、組成物の塊をスチールベルト上に載置しやすくなる。また、シリンダーの出口ノズルを広角にしたり、横長のスリット状にしたり、ノズルを複数設けたりすることもできる。これにより組成物を均等にプレスしやすくすることになる。組成物の供給(圧送)量は、成形体のサイズによって適宜調整する。
スチールベルトは、シリンダーから供給される組成物をプレス区間に搬送するように、後方に移動してゆく。プレス用ロールは、スチールベルトのプレス区域において組成物をベルトの両側(上下方向)から大きな力で平らに押圧する。
プレス用ロールの圧力は、シリンダーに近い側ほど組成物に対して大きく伝達され、下方になるにしたがって次第に吸収されて小さくなる。ロール圧力は、組成物の粘度、供給量、成形体のサイズ(厚さ)などによって異なり、一概に言えないが、例えば、300〜800kg/cm2とすることができる。
その後、スチールベルト内部では加熱手段により、ベルト間隙部の温度が熱硬化性樹脂の硬化温度に設定され、樹脂バインダー材料が硬化するのに必要な時間この温度に保持されるようにスチールベルトの移動速度が設定される。
スチールベルト間隙は、樹脂バインダーの種類にもよるが、通常、90℃以上に設定され、好ましくは100〜200℃に設定される。スチールベルト間の温度を90℃よりも低くすると、硬化時間が長くなり樹脂に未硬化部分が発生しやすくなるので好ましくない。一方、200℃よりも高くすると、樹脂成分が変質し変色しやすくなる。加熱時間は、熱硬化性樹脂、有機過酸化物、N−オキシル化合物の種類や量などによって異なるが、通常は30〜600秒、好ましくは60〜500秒とする。加熱時間が30秒よりも短いと、樹脂に未硬化の部分が発生する場合があり、600秒よりも長くなると生産効率が低下するので好ましくない。
上記樹脂結合型磁石用組成物は、スチールベルト上に圧送された当初は泥状であるが、対向したスチールベルトに挟まれて内部で90〜200℃に加熱されることで一旦溶融して液状となる。そして液状となることで組成物中の磁性粉が容易に動くようになり、その際、ベルトプレス装置内に配設された磁場印加手段から磁場を発生させれば、その磁場が低磁場であっても、樹脂結合型磁石用組成物は、磁化容易方向に結晶配向することができる。磁界の大きさは、磁石の種類、用途などによって適宜調整でき、例えば、500〜1000kA/m程度とすればよい。
熱硬化性樹脂は、このスチールベルト内の温度環境下において硬化を始め、ベルトプレス成形機から吐出される時点では形状維持できる程度の硬度に達し、成形が完了する。硬化された成形体は、スチールベルトの右端の区域で図示しない適当な装置により取り出される。このようにして磁化容易方向に結晶配向が進んだ板状の樹脂結合型磁石成形体が連続的に得られ、この成形体に対して着磁を行い、適宜な寸法に切断することにより樹脂結合型磁石を得ることができる。
これに対して、従来の押し出し成形では、常に金型内部と擦れながら成形用組成物が吐出され、擦れ後跡が残るため、成形物の表面平滑性が悪化する。また、組成物をプレスする工程がないため、平板状で薄肉の成形体を形成しにくく、優れた磁気特性を有する磁石を得ることが難しい。
3.平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石
上記方法で得られるベルトプレス成形樹脂結合型磁石は、略一様な厚さを有する薄い平板状の成形体である。樹脂結合型磁石には、磁性粉末の磁化配向方向が一方向に揃った異方性磁石と磁化配向方向がランダムな等方性磁石がある。前者であれば、ベルトプレス成形機に磁場印加手段を作用させることにより、図2(b)に示すごとく、磁化配向方向を該板状磁石成形体の厚み方向、または、面内方向、例えば図2(a)のように、スチールベルト回転方向と垂直に、あるいは、図2(c)のように、スチールベルト回転方向と平行にした磁石とすることができる。
また、平板状希土類樹脂結合型磁石は、従来のものに比べて高い配向度を有するものとなる。配向度は、次の式(1)で表され、85%以上、もしくは90%以上、特に93%以上であることが好ましい。配向度は、成形時に配向された磁石がもつ磁化の度合いを示し、これが大きいほど原料の磁性粉がもつ磁化に近いことになり、磁気特性が良好であることになる。
配向度=[(成形後の樹脂結合型磁石の磁化)/(磁性粉100%での磁化×成形後の樹脂結合型磁石の磁性粉体積率)]×100…(1)
平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石(成形体)の寸法は、特に限定されず、ベルトプレス成形装置の大きさにあわせて、様々な大きさのものを得ることができるが、例えば、幅が30〜100mm、長さが50〜3000mm、厚さが1〜5mmであり、さらには、幅が40〜80mm、長さが80〜2000mm、厚さが1〜3mmであるものが好ましい。また、その表面には凹凸が少なく、表面粗さは、20μm以下、好ましくは10μm以下となり、条件を最適化することで5μm以下の寸法精度に優れたものを得ることも可能である。
本発明の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石は、用いた磁性粉末の種類などによって異なるので一概に規定できないが、最大エネルギー積が40kJ/m以上、特に70kJ/m以上という優れた磁気特性を有する。また、樹脂充填率が高く、機械強さが85MPa以上であり、製造条件を最適化すれば100MPa以上の樹脂結合型磁石を得ることも可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
次の各材料・成分の樹脂結合型磁石用組成物を用い、平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石を製造し、評価した。
1.材料・成分
(1)磁性粉
・磁性粉末1:平均粒径が約3μmのSm−Fe−N微粉(異方性)
(住友金属鉱山(株)製 SmFeN合金粉末)、異方性磁場:16800kA/m、100μm以下の粒径含有率99重量%
・磁性粉末2:平均粒径が約8μmのSmCo粉(異方性)
(商品名:RCo5合金、住友金属鉱山(株)製)、異方性磁場:19680kA/m、100μm以下の粒径含有率99重量%
・磁性粉末3:平均粒径が約10μmのNd−Fe−B粉(等方性)
(商品名:MQP−B、マグネクエンチインターナショナル(株)製)、異方性磁場:5600kA/m、100μm以下の粒径含有率62重量%
(2)ラジカル重合反応型樹脂(熱硬化性樹脂)
・不飽和ポリエステル樹脂:(商品名:ポリセット2212、日立化成工業(株)製)、成形温度(25℃)における粘度500mPa・s
・ビニルエステル樹脂:(商品名:ポリセット9164、日立化成工業(株)製)、成形温度(25℃)における粘度500mPa・s
(3)有機過酸化物
・パ−オキシケタ−ル系過酸化物:(1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシル)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(商品名:パ−ヘキサ3M、日本油脂(株)製):10時間の半減期を得るための分解温度90℃
(4)N−オキシル類化合物
・2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル(40H−TEMP):(商品名:アデカスタブLA−7RD、旭電化工業(株)製)
2.成形体の評価方法
(1)磁気特性評価;
上記材料を用いた樹脂結合型磁石用組成物をベルトプレス成形し、得られた樹脂結合型磁石(板状磁石)から5mm角の片を作製して、磁気特性の測定に必要な厚さになるよう貼り合わせ、厚さが7mm程度にした。これを試料として、チオフィ−型自記磁束計(東英工業製)で磁気特性を測定し、最大磁気エネルギー積を評価した。
(2)表面平滑性の評価;
板状磁石の表面平滑性(表面粗さ:最大高さRz(JISB0601−2001))を、ミツトヨ製の触針式表面粗さ測定機SJ−201で測定した。
(3)厚みの評価
樹脂結合型磁石の厚みは、デジタルマイクロメータ(ミツトヨ製:293−111)により、面内(2×3)の6点で厚みを測定し、その平均値を研削前の厚みとした。また厚み精度については、得られた値の最小値、最大値と平均値の差とした。
(4)硬化確認、表面変色
硬化については、アフターキュアにいたる間まで形状を維持できるものを合格(○)、維持できないものを不良(△)とした。また表面変色については、目視により樹脂変質が認められないものを合格(○)、樹脂変質が認められたものを不良(△)とした。
(実施例1)
上記サマリウム−鉄−窒素系永久磁石用磁性粉(磁性粉末1)を用い、バインダーとして不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して有機過酸化物を1.8重量部、N−オキシル類化合物を1.0重量部加えたものを準備し、表1に示すように、このバインダーを磁性粉100重量部に対して11重量部の比率で磁性粉と混合し、水冷ジャケット付きプラネタリーミキサー中で十分混合撹拌(40rpm,30℃)し、樹脂結合型磁石用組成物を混練した。なお、表1の組成欄には、単に不飽和ポリエステル樹脂と記載したが、有機過酸化物、N−オキシル類化合物を含むバインダーを指している。
次に、得られた混練組成物を、ベルトプレス成形機(住友金属鉱山(株)製)を用いて表1の成形条件で成形した。まず、混練組成物を50℃に設定されたシリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する図1に示されるような回転移動するスチールベルト1を有する、ベルトプレス成形機へと圧送した。この際、シリンダー6より組成物が供給されるスチールベルト1の先端部は、硬化が発生しないように冷却部4を水冷し、50℃以下とした。搬送途中のスチールベルト内部では加熱装置3により、温度を150℃とした。
なお、スチールベルト1の加熱部分は50cmとし、成形時間はこの間を通過する時間とした。本実施例では90秒と設定した。
シリンダー6に投入された上記組成物は、当初泥状であるが、対向したスチールベルト内部で小径のプレス用ロール2によってプレスされ、150℃に加熱されることで溶融して液状となり、この際厚み方向に磁場印加手段5によって加えられた800kA/mの磁界により磁性粉末の配向が整い、その後、ベルト内で硬化が始まり、ベルト1から吐出される時点では形状維持できる硬度に達し、成形が完了した。ロール空隙は1.9mmとして、ロール圧力は500kg/cmとした。
上記条件により混練組成物は連続的に成形され、幅30mm、長さ100mm、厚さ2.0mmの板状の樹脂結合型磁石成形体10が得られた。
得られた板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の評価結果を表1に併記した。
(実施例2〜4、比較例1〜2)
対向したスチールベルト内部のベルト温度および成形時間を変化させた以外は実施例1と同条件にして混練組成物を成形した。
ベルト温度が低くなるほど成形時間が長くなるが、スチールベルト内部の温度を90℃とした実施例4、比較例2の場合、いずれも成形できた。300秒(比較例1)では、硬化が完了せず成形体が得られず、実施例4のように600秒かければ成形体が得られるが、生産性は劣ることになる。
また、比較例2の場合、成形温度が200℃より高いため、表面に樹脂の変色が発生して外観上不良であった。また磁気特性の低下も確認された。
得られた各ベルトプレス成形樹脂結合型磁石成形体の評価結果を、実施例は表1、比較例は表3に示す。
なお、表1、表3の組成欄には、それぞれ、単に不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂と記載したが、有機過酸化物、N−オキシル類化合物を含むバインダーを指している。以下の実施例、比較例も同様である。
(実施例5、6)
表2に示すように、実施例5は磁性粉末として磁性粉末2のSm−Coを、実施例6は磁性粉末3のNd−Fe−Bを使用した。実施例5では磁界を印加したが、実施例6では磁界を印加せず、実施例1と同様にして成形を実施した。
いずれも磁性粉末の磁気特性を損なわず、成形体は良好な磁気特性を示した。ただ、磁性粉末2、磁性粉末3は、磁性粉末の粒径が磁性粉末1に比べ大きいため、やや表面粗さが増えた。
得られた各板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の評価結果を表2に示す。
(実施例7)
シリンダーの温度を60℃に設定した以外は実施例1と同条件にして成形した。シリンダーの内部温度を50℃よりも高くしたため、シリンダー内部で剪断等により、局所的に樹脂結合型磁石用組成物の硬化が発生することがあり、安定した厚みを有する成形体を連続して得ることが難しくなり、成形厚みが局部的に厚くなった。
得られたベルトプレス成形樹脂結合型磁石の評価結果を表2に示す。
(実施例8)
樹脂をビニルエステル樹脂にした以外は実施例1と同条件にして成形した。
得られたベルトプレス成形樹脂結合型磁石の評価結果は、表2に示すように、磁気特性、表面性、厚み分布等は、良好な諸特性を示した。
(比較例3〜4)
比較例3は、磁性粉末に磁性粉末1のSm−Fe−Nを使用し、比較例4は磁性粉末3のNd−Fe−Bを使用し、表3に示した条件で押出成形を行った。
得られた成形体の評価結果は、表3に示すように、いずれの場合も押し出し時に発生する押出機内壁と混錬組成物の擦れにより、成形体の表面性が劣化しており、また磁気特性も低いものとなった。
Figure 2007142090
Figure 2007142090
Figure 2007142090
本発明において樹脂結合型磁石用組成物の成形に用いるベルトプレス成形機を示す説明図である。 本発明によって得られたベルトプレス成形による樹脂結合型磁石の磁化配向を示す説明図である。
符号の説明
1 スチールベルト
2 プレス用ロール
3 加熱手段
4 冷却手段
5 磁場印加手段
6 シリンダー
10 成形体

Claims (13)

  1. 磁性粉(A)と熱硬化性樹脂(B)とを含む樹脂結合型磁石用組成物から、ベルトプレス成形装置(C)を用いて平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石を製造するにあたり、下記の(イ)〜(ハ)の工程を含むことを特徴とする平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
    (イ)樹脂結合型磁石用組成物は、ベルトプレス成形装置(C)に隣接するシリンダーを用いて、ベルトプレス成形装置(C)内に設けられた駆動用ロールにより回転移動する上下一組のスチールベルトの先端部内に圧送される。
    (ロ)スチールベルト上で搬送された樹脂結合型磁石用組成物は、スチールベルトの内側に設置された少なくとも1対のプレス用ロールによって加圧、成形されながら、ベルトプレス成形装置(C)内に設けられた加熱手段によって該組成物が溶融するのに十分な温度条件下で加熱される。
    (ハ)加熱、溶融された樹脂結合型磁石用組成物は、熱硬化性樹脂(B)が熱硬化するのに十分な時間、スチールベルト上で保持した後、熱硬化が完了して得られた成形体は取り出される。
  2. 前記(イ)の工程において、樹脂結合型磁石用組成物は、圧送される前に、シリンダー中で50℃以下の温度に冷却されることを特徴とする請求項1に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  3. 前記(ロ)の工程において、樹脂結合型磁石用組成物は、上下一組のスチールベルトの間で、90〜200℃の温度に加熱されることを特徴とする請求項1に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  4. 前記(ロ)の工程において、樹脂結合型磁石用組成物は、加熱、溶融されると同時に、磁場を印加されることを特徴とする請求項1に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  5. 前記(ハ)の工程に続き、成形体が取り出されたスチールベルトは、(イ)の工程に先立ち、50℃以下の温度にまで冷却されることを特徴とする請求項1に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  6. 磁性粉(A)は、サマリウム−コバルト系磁性粉、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉、ネオジウム−鉄−ホウ素系磁性粉、又はフェライト磁性粉から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  7. 熱硬化性樹脂(B)は、70〜200℃の硬化温度を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  8. 熱硬化性樹脂(B)は、不飽和ポリエステル樹脂、またはビニルエステル樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  9. 樹脂結合型磁石用組成物は、さらにN−オキシル化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石の製造方法。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の製造方法で成形されてなる平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石。
  11. 平板の厚み方向、あるいは面内方向に磁化配向されていることを特徴とする請求項10に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石。
  12. その厚さが、1〜5mmであることを特徴とする請求項10に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石。
  13. その表面粗さが、10μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の平板状ベルトプレス成形樹脂結合型磁石。
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