JP2007138087A - スチレン系樹脂押出発泡体、及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 断熱性能と酸素指数32%以上という極めて高度な難燃性を持ち合わせたスチレン系押出発泡体を提供する。
【解決手段】 スチレン系樹脂100重量部に対して、A)発泡剤としてブタン系発泡剤0.5〜4.5重量部、B)難燃剤として、B−1)ハロゲン系難燃剤5〜10重量部、B−2)燐酸エステル系難燃剤、又は窒素含有化合物系難燃剤の少なくとも1種を含む難燃剤0.5〜9重量部、を含有する事を特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体を用いる。

Description

本発明は、建築用断熱材などに使用される板状のスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する。
従来、スチレン系樹脂押出発泡体は施工性、断熱特性の好適性から建屋の断熱材として汎用されて来た。これらスチレン系樹脂押出発泡体を得るには、スチレン系樹脂を押出機にて加熱溶融し、途中、発泡剤を添加、混練、この流動ゲルを発泡に適する温度に冷却、ダイを通して低圧領域に圧力開放し、発泡させ、同時に、板状に成形し、発泡体を得る方法が一般的である。
ここで近年、発泡剤としては、オゾン層破壊、地球温暖化、化学物質による大気や水質への影響等の環境問題に対応する為、更には、優れた断熱特性を得る為、炭化水素類を使用する技術が当業界に採用されつつある。しかし、炭化水素類はスチレン系樹脂を発泡させるには比較的良好な特性を有しているが、可燃性ガスである為、発泡体の難燃性や安全性については難がある。従って、炭化水素類を発泡剤として使用する系での発泡体難燃検討がなされている。
更に、建材用途に使用される断熱材にはJIS-A-9511に規定される様な適正な難燃性能が必要とされる。ただし、病院施設、商業公共施設等においては更に高度な難燃レベルを要求される場合もあり、難燃性向上の市場要求は高まる傾向にある。一方、押出発泡体の難燃化技術については、難燃剤添加技術が基本である。しかしながら、難燃性能を改良しようと難燃剤を多量に添加した場合、樹脂劣化を引き起こす等の弊害があり、難燃性能を高度化する事は容易ではなかった。
炭化水素系発泡剤を使用する押出発泡体において、JIS-A-9511に規定される難燃性を付与するためにハロゲン系難燃剤に加え、窒素含有リン系難燃剤、テトラゾール等を添加することが開示されているが(特許文献1)、難燃性能を飛躍的に難燃性を改良するには、処方面、押出技術面での改良が必要であった。
発泡剤としてハロゲン系化合物を使用しないポリスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤としてシクロペンタンを用い、かつ可燃性ガス発泡剤の合計量が樹脂100質量部に対して4.5質量部未満であり、JIS-A-9511に規定された測定方法A、B又はCのいずれかを満足することが開示されているが(特許文献2)、酸素指数を32%程度に高めるような高難燃性能を実現させる事は出来なかった。
これらの文献に記載されている様に、これまではJIS-A-9511に規定される発泡体難燃性能を満たす技術を主に構築してきた。しかしながら、実用性能上、更に高度な難燃性能を要求されるケースもあり、大幅な難燃技術の改良が待ち望まれている。
WO01/30896号公報 特開2005−8668号公報
本発明は前述の課題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、酸素指数32%以上のスチレン系押出発泡体を提供することにある。押出発泡体の酸素指数が32%以上に到達すれば、建築現場、製造工程での着火、火災が大幅に減少するものと予想される。
本発明は、
(1)押出発泡体の酸素指数が32%以上である事を特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体、
(2)スチレン系樹脂100重量部に対して、A)発泡剤としてブタン系発泡剤0.5〜4.5重量部、B)難燃剤として、B−1)ハロゲン系難燃剤5〜10重量部、B−2)燐酸エステル系難燃剤、又は窒素含有化合物系難燃剤の少なくとも1種を含む難燃剤0.5〜9重量部、を含有する事を特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体、
(3)A)発泡剤として、水を0.5〜3.0重量部含む事を特徴とする請求項2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
(4)ブタン系発泡剤が、イソブタンである事を特徴とする請求項2又は請求項3に記載のスチレン系樹脂押出発泡体、
(5)発泡体を構成する気泡構造が、気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡よりなり、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積率を有することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項記載のスチレン系樹脂押出発泡体、
(6)スチレン系樹脂を加熱溶融させた後に、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡する事を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、
(7)発泡体を構成する気泡が、気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡よりなり、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積率を有する発泡体を得ることを特徴とする請求項6に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
本発明によれば、酸素指数が32%以上であるスチレン系樹脂押出発泡体が得られる。
本発明のスチレン系押出発泡体は、スチレン系樹脂、ブタン系発泡剤、ハロゲン系難燃剤、及び燐酸エステル系難燃剤又は窒素含有化合物系難燃剤の少なくとも1種を含む難燃剤、を必須の構成成分とするものである。必要に応じて、ブタン系以外の発泡剤、他の難燃剤、造核剤、滑剤、安定剤、を用いることができる。
発泡剤としては、発泡性と発泡体の断熱性品質に好適なブタン系発泡剤を選択することが好ましい。ブタン系発泡剤としては発泡性と発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンの混合物が好ましく、特に好ましくはi−ブタンが好ましい。
ブタン系発泡剤の使用量としては、発泡体の難燃性品質を極めて優れたものとする為にはスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜4.5重量部とすることが好ましい。1〜4重量部の範囲がより好ましく、更に好ましくは1.5〜3.5重量部である。ブタン系発泡剤の量が0.5〜4.5重量部の範囲にあると、高発泡、高断熱性能、発泡体難燃性のバランスをとることができ、狙いとする発泡体酸素指数を32%以上にすることができる。
発泡剤として、ブタン以外の発泡剤を使用する場合には、エーテル、水、二酸化炭素の少なくとも1種以上からなる発泡剤を使用することが可能である。これらの非ハロゲン発泡剤は、より発泡体を軽量化でき、断熱性、寸法安定性の発泡体品質をより向上させるのに効果的である。
エーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどが挙げられ、発泡性、発泡成形性、安定性の点からジメチルエーテルが好ましい。
ブタンとそれ以外の発泡剤の使用量としては、発泡体密度の設定値などに応じて適宜かわるものではあるが、発泡体密度20〜50kg/m3の軽量発泡体を得ようとした場合、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して4〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは6〜9重量部である。発泡剤の添加量合計が4重量部〜10重量部の範囲では、樹脂発泡体の軽量化、断熱性、発泡体中のボイド発生の抑制などのバランスをとることができる。
本発明で使用する難燃剤としては、(B−1)ハロゲン系難燃剤と、(B−2)リン酸エステル系化合物系難燃剤又は窒素含有化合物系難燃剤から選ばれた少なくとも1種を含む難燃剤、を使用する事が高度な発泡体難燃性能を発現するには好適である。これらを2種以上組み合わせて使用する事が難燃性の相乗効果を発現する為、より好ましい。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(2、3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、テトラブロモエタンなどの脂肪族あるいは脂環式炭化水素の臭素化物、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの芳香族化合物の臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリブロモフェノールとの付加物などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノールとの付加物のエポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタンなどの臭素系芳香族化合物、臭素化アクリル系樹脂、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミドなどがあげられる。塩素系難燃剤として、塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカンなどの塩素化脂肪族化合物、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物などがあげられる。中でも、難燃性の点から臭素系難燃剤が好ましく、特にスチレン系樹脂との相溶性などの点からヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)が好ましい。
リン酸エステル系化合物系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート(アルキル基としてはの炭素数1〜12のものが好ましい)、トリブトキシエチルホスフェートなどのトリアルコキシアルキルホスフェート(アルコキシアルキル基としては炭素数2〜12のものが好ましい)、ジアルキルホスフェート(アルキル基としては炭素数1〜12のものが好ましい)、モノイソデシルホスフェートなどのモノアルキルホスフェート(アルキル基としては炭素数1〜12のものが好ましい)、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの脂肪族系リン酸エステル類、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシリルジフェニルホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェート(アルール基はアルキル基、フェニル基などで置換されていてもよい)、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジフェニル(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジフェニル(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートなどのジアリールアルキルホスフェート(アリール基、アルキル基は置換されていてもよい)などの芳香族系リン酸エステル類などがあげられる。
窒素含有化合物系難燃剤としては、シアヌル酸、メチルシアヌレートなどのモノアルキルシアヌレート、ジエチルシアヌレートなどのジアルキルシアヌレート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレートなどのトリアルキルシアヌレート、フェニルシアヌレート、ジフェニルシアヌレート、トリフェニルシアヌレート、ジメチルフェニルシアヌレートなどのジアルキルフェニルシアヌレート、イソシアヌル酸、メチルイソシアヌレートなどのモノアルキルイソシアヌレート、ジエチルイソシアヌレートなどのジアルキルイソシアヌレート、トリメチルイソシアヌレート、トリエチルイソシアヌレートなどのトリアルキルイソシアヌレート、フェニルイソシアヌレート、ジフェニルイソシアヌレート、トリフェニルイソシアヌレート、ジメチルフェニルイソシアヌレートなどのジアルキルフェニルイソシアヌレート、モノ(2−アミノエチル)イソシアヌレートなどのモノ(アミノアルキル)イソシアヌレート、ジ(2−アミノエチル)イソシアヌレートなどのジ(アミノアルキル)イソシアヌレート、トリ(2−アミノエチル)イソシアヌレートなどのトリ(アミノアルキル)イソシアヌレート、トリ(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリ(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートなどのトリ(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート、ジ(ヒドロキシメチル)イソシアヌレートなどのジ(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートなどのビス(カルボキシアルキル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートなどの1,3,5−トリス(カルボキシアルキル)イソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
本発明の難燃剤の量は、スチレン系樹脂100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤が5〜10重量部であることが好ましく、6〜9重量部がより好ましく、6〜8重量部が更に好ましい。また、燐酸エステル系難燃剤、又は窒素含有化合物系難燃剤の少なくとも1種を含む難燃剤は0.5〜9重量部であることが好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1〜7重量部が更に好ましい。
難燃剤の添加量が5重量部〜10重量部の範囲であれば、発泡体の酸素指数32%以上で、且つ、発泡体の成形時安定化のバランスをとることができる。
また本発明では、ブタン系発泡剤と共に、発泡剤として水を0.5〜3.0重量部使用することによって、主として気泡径0.25mm以下の小気泡と気泡径0.3〜1mmの大気泡とをセル膜を介して海島状に分散されてなる特徴的な気泡構造を有する発泡体を得ることができる。このような気泡構造をとることによって優れた断熱性能を付与することができる。本発明で大小気泡からなる気泡構造を有する発泡体を目的とする場合、気泡径0.25mm以下の小気泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積比を有するようにすることが好ましい。この小気泡の占有面積比は、発泡体断面積あたり20〜90%が好ましく、30〜90%がより好ましく、40〜90%が最も好ましい。小気泡占有面積比が大きいと断熱性能が向上するので好ましい。
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
スチレンと共重合可能な単量体としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物あるいはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
スチレン系樹脂の中でも、加工性の面からスチレンホモポリマーが好ましい。
本発明で使用される造核剤としては、シリカ、タルク等の無機化合物があげられる。
また、本発明で使用される滑剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムなどの化合物が使用される。
本発明で使用される安定剤としては、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤が使用される。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法は、スチレン系樹脂に難燃剤等の添加剤を混合した後、押出機に供給して加熱溶融し、更に押出機内にて、圧入されたブタンを含んだ発泡剤とともに高温高圧下で混合混練を行い、スチレン系樹脂溶融組成物とした後、冷却機等により押出発泡に適する樹脂温度まで冷却し、該流動ゲルをスリットダイを通して低圧領域に押出発泡して、発泡体を形成し、板状に発泡成形することにより製造される。
スチレン系樹脂と発泡剤などの添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については特に制限するものではない。加熱温度は、使用するスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、たとえば150〜220℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので一概には決定することができないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。また溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば特に限定はない。
発泡成形方法に関しては、例えば、押出成形用に使用される開口部が直線上のスリット形状を有するスリットダイより圧力開放して得られた発泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金型および、該成形金型の下流側に隣接して設置した成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する方法を用いる。更に、成形金型の流動面形状調整と金型温度調整により、所望する発泡体の断面形状、発泡体表面性、発泡体品質を得る方法を用いる。
本発明で得られるスチレン系樹脂発泡体における気泡径の平均は、優れた断熱性や適正な強度を保有する観点より、0.1〜1.0mmが好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.6mmである。
本発明の発泡体の厚さは特に制限されず、用途に応じて適宜選択される。例えば、建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性、曲げ強度および圧縮強度を付与せしめるためには、シートのような薄いものよりも、通常の板状物のように厚さのあるものが好ましく、通常20〜120mm、好ましくは20〜100mmである。
また、本発明の発泡体の密度については、軽量でかつ優れた断熱性および曲げ強度、圧縮強度を付与せしめるためには20〜50kg/mであることが好ましく、25〜40kg/mであるのがさらに好ましい。
次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。特に断らない限り「部」は重量部を、「%」は重量%を表す。
以下に示す実施例1〜5、比較例1〜3で得られた発泡体の特性として、発泡体成形状態、発泡体断面プロファイル、小気泡占有面積率、発泡体密度、発泡体熱伝導率、発泡体燃焼性、発泡体酸素指数を下記の方法にしたがって求めた。
1)発泡体成形状態
次の内容で評価した。
・ :発泡体にワレ、亀裂、窪み、ボイドがなく、良好な発泡体が安定して得られている。得られる発泡体の断面プロファイルが一定している。
×:樹脂劣化に伴う発泡体の変色がみられる。または安定して発泡体が成形できず、粗悪な発泡体しか得られない。
2)発泡体断面プロファイル
得られた発泡体断面の厚み方向寸法、幅方向寸法を測定した。厚み方向寸法に関しては、幅方向両端、幅方向中心部の3点の平均値で求めた。
3)小気泡占有面積率
大小気泡が混在する特徴的な発泡体セル構造の指標として小気泡面積率(気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体の断面積あたりに占める面積の割合)を以下のようにして求めた。ここで、気泡径0.25mm以下の気泡とは、円換算直径が0.25mm以下の気泡とする。
a)走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、品番:S−450)にて30倍に拡大して発泡体の縦断面(発泡体を押出方向に垂直な方向に沿ってかつ厚さ方向に切断した断面をいう、以下同様)を写真撮影する。
b)撮影した写真の上にOHPシートを置き、その上に厚さ方向の径が7.5mmよりも大きい気泡(実寸法が0.25mmより大きい気泡に相当する)に対応する部分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。
c)画像処理装置((株)ピアス製、品番:PIAS−II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。
d)濃色部分のうち、直径7.5mm以下の円の面積に相当する部分、即ち、厚さ方向の径は長いが、面積的には直径7.5mm以下の円の面積にしかならない部分を淡色化して、濃色部分の補正を行う。
e)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積率)」を用い、画像全体に占める気泡径7.5mm以下(濃淡で分割した淡色部分)の面積比を次式により求める。
小気泡占有面積率(%)=(1−濃色部分の面積/画像全体の面積)×100
4)発泡体密度(kg/m
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/mに換算して示した。
発泡体密度(g/cm)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm
本測定では、発泡体(厚さ:40〜45mm、幅:150〜160mm)の幅方向中心部の位置で、製品厚み×幅100mm×長さ300mmのサンプルサイズでサンプリングし測定。3点の平均値で求めた。
5)発泡体熱伝導率(W/mK)
JIS−A−9511 押出法ポリスチレンフォーム保温板に準じて測定した。製造したサンプルを室内において室温で保管し、製造後7日経過した発泡体について測定を行った。
6)発泡体燃焼性
JIS−A−9511に準じて測定した。製造したサンプルを室内に保管し、製造後7日経過した発泡体について測定を行った。3秒以内に炎が消えて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しないとの基準を満たしておれば、○(合格)とし、この基準に達しない場合は、×(不合格)とした。
7)発泡体酸素指数
JIS−K−7201に準じて測定した。製造したサンプルを室内において室温で保管し、製造後30日経過した発泡体について測定を行った。
(実施例1)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるヘキサブロモシクロドデカン(以下、HBCDと略称する)6重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)1重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水1重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ40mm、幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、大小気泡が混在する特徴的なセル構造であり、小気泡占有面積率が40%、発泡体密度が34.3kg/mの良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.028W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は32.1%であり高度な難燃性が得られた。
(実施例2)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるHBCD8重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)1重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水1重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ40mm、幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、大小気泡が混在する特徴的なセル構造であり、小気泡占有面積率が35%、発泡体密度が35.2kg/mの良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.028W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は32.4%であり高度な難燃性が得られた。
(実施例3)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるHBCD6重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)1重量部、リン酸エステル系化合物である芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業(株)製、PX−200)3重量部、窒素含有化合物であるイソシアヌル酸(四国化成(株)ICA)3重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン4重量部、ジメチルエーテル2重量部、水1重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ45mm、幅160mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、大小気泡が混在する特徴的なセル構造であり、小気泡占有面積率が30%、発泡体密度が33.6kg/mの良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.027W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は33.3%であり高度な難燃性が得られた。
(実施例4)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるHBCD6重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)1重量部、リン酸エステル系化合物である芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業(株)製、PX−200)3重量部、窒素含有化合物であるイソシアヌル酸(四国化成(株)ICA)3重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン2.5重量部、ジメチルエーテル3重量部、水1重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ45mm、幅160mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、大小気泡が混在する特徴的なセル構造であり、小気泡占有面積率が30%、発泡体密度が33.4kg/mの良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.029W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は34.2%であり高度な難燃性が得られた。
(実施例5)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるHBCD6重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)1重量部、リン酸エステル系化合物であるトリフェニルホスフェート(大八化学工業(株)製、TPP)1重量部、窒素含有化合物であるイソシアヌル酸(四国化成(株)ICA)3重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン1重量部、ジメチルエーテル4重量部、水1.5重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ45mm、幅160mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、大小気泡が混在する特徴的なセル構造であり、小気泡占有面積率が25%、発泡体密度が34.1kg/mの良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.030W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は34.4%であり高度な難燃性が得られた。
(比較例1)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるHBCD4重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)1重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水1重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ40mm、幅160mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、大小気泡が混在する特徴的なセル構造であり、小気泡占有面積率が40%、発泡体密度が34.6kg/mの良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.028W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は29.1%であった。
(比較例2)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるHBCD6重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)1重量部、リン酸エステル系化合物である芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業(株)製、PX−200)3重量部、窒素含有化合物であるイソシアヌル酸(四国化成(株)ICA)3重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水1重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、厚さ45mm、幅160mmである断面形状の押出発泡板を得た。
得られた発泡体は、大小気泡が混在する特徴的なセル構造であり、小気泡占有面積率が30%、発泡体密度が33.8kg/mの良好な発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.027W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は30.7%であった。
(比較例3)
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.2を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤であるHBCD9重量部とリン酸エステル系化合物であるトリス(トリブロモネエペンチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製、CR−900)2重量部、リン酸エステル系化合物である芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業(株)製、PX−200)3重量部、リン酸エステル系化合物であるトリフェニルホスフェート(大八化学工業(株)製、TPP)2重量部、窒素含有化合物であるイソシアヌル酸(四国化成(株)ICA)3重量部、併せて、吸水剤としてベントナイトを0.5重量部、造核剤としてタルク0.1重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、これらの樹脂混合物をタンデム型押出機へ供給した。
第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、イソブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水1重量部を第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、さらには冷却機で混練しながら冷却し、冷却機の先端に設けたスリットダイより発泡樹脂温度を約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した成形金型とその下流側に設置した成形ロールにより、押出発泡板を得ようとした。しかしながら、難燃剤の分解が起因した樹脂劣化がみられ発泡体が変色した。また安定して発泡体が成形できず、粗悪な発泡体しか得られなかった。
粗悪な発泡体であったが、可能な範囲で発泡体物性を評価した。発泡体断面形状は、厚さ40〜45mm、幅150〜160mmと変動。得られた発泡体は大小気泡が混在する特徴的なセル構造であったが、小気泡占有面積率が5%と少ない値であった。発泡体密度が32.6kg/m。発泡体熱伝導率は0.032W/mK、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。発泡体酸素指数は26.2%であった。
前記実施例1〜5および比較例1〜3で得られた結果をまとめて表1に示す。
Figure 2007138087

Claims (7)

  1. 押出発泡体の酸素指数が32%以上である事を特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
  2. スチレン系樹脂100重量部に対して、A)発泡剤としてブタン系発泡剤0.5〜4.5重量部、B)難燃剤として、B−1)ハロゲン系難燃剤5〜10重量部、B−2)燐酸エステル系難燃剤、又は窒素含有化合物系難燃剤の少なくとも1種を含む難燃剤0.5〜9重量部、を含有する事を特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
  3. A)発泡剤として、水を0.5〜3.0重量部含む事を特徴とする請求項2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  4. ブタン系発泡剤が、イソブタンである事を特徴とする請求項2又は3に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  5. 発泡体を構成する気泡構造が、気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡よりなり、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積率を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  6. スチレン系樹脂を加熱溶融させた後に、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡する事を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  7. 発泡体を構成する気泡が、気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡よりなり、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積率を有する発泡体を得ることを特徴とする請求項6記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
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