JP2007134657A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】TOP側のトランジスタおよびBOTTOM側のトランジスタによってスイッチング回路を構成すると共に、TOP側のトランジスタを高速動作させてスイッチング損失を低減する。
【解決手段】第1のトランジスタQ1は、P型ウェル領域35の内部であってこのウェル領域35の表層部に形成されたN+型ソース領域36に電気的に接続されたソース電極43と、ソース電極43とは電気的に分離して形成されると共に、P型ウェル領域35に電気的に接続されたウェル電極46と、を備えている。このウェル電極46は、第1のトランジスタQ1に対してバックゲートバイアスを入力するための電極として機能し、ソース電極43に基準電位Vbが接続され、ウェル電極46に基準電位Vbよりも大きい出力電位Vaが入力される。こうして、バックゲート効果によって第1のトランジスタQ1のスレッショルド電圧を下げる。
【選択図】図3

Description

本発明は、トランジスタが直列接続されることで構成されるスイッチング回路を備えたスイッチング電源回路に関する。
従来より、MOSトランジスタによって構成されるインバータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなインバータは、例えば第1のトランジスタ(Pチャネル型、TOP側)のソースに動作電位が入力され、第2のトランジスタ(Nチャネル型、BOTTOM側)のソースにグランド電位が入力される。そして、第1および第2のトランジスタの各ゲートが接続されてその接続点が入力端子とされ、各ドレインが接続されてその接続点が出力端子とされる。
また、第1のトランジスタのバックゲートは、動作電位と動作電位よりも高い電位とを切り替える第1のスイッチ回路に接続され、第2のトランジスタのバックゲートは、グランド電位とグランド電位よりも低い電位とを切り替える第2スイッチ回路に接続されている。さらに、各スイッチ回路にはクロック信号発生器からコントロールクロック信号がそれぞれ入力されるようになっている。
上記のようなインバータでは、クロック信号発生器からコントロールクロック信号のLレベルの信号が各スイッチ回路へ入力されており、第1のスイッチ回路からグランド電位が、第2のスイッチ回路から動作電位が各トランジスタにそれぞれ入力される。このとき、第1および第2のトランジスタは、各々のバックゲートに動作電位より高い電位およびグランド電位より低い電位がそれぞれ入力されているときよりも、絶対値の小さなしきい値電位になっており、サブスレッショルド電流は増加するが、スイッチング速度はより高速になる。
そして、入力端子からHレベルの信号が入力されると、第1のトランジスタはオフ、第2のトランジスタはオンになり、第2のトランジスタを介してLレベルの信号が出力端子から出力されるようになっている。また、入力端子からLレベルの信号が入力されると、第1のトランジスタはオン、第2のトランジスタはオフになり、第1のトランジスタを介してHレベルの信号が出力端子から出力されるようになっている。
特開平8−17183号公報
近年、スイッチング電源の負荷としてのマイコンの高速化、高集積化のトレンドのもと、スイッチング電源の出力は低電圧化、かつ、大電流化に向かっている。このようなことから、スイッチング電源の損失、すなわちスイッチング損失およびON抵抗の低減に着目した場合、TOP側およびBOTTOM側それぞれのトランジスタに要求される特性が異なってくる。具体的に、TOP側トランジスタはスイッチング損失を低減するために高速応答が要求され、BOTTOM側トランジスタは導通損失を低減するために低ON抵抗であることが要求される。
しかしながら、集積回路内のトランジスタにおいて、一般に高速応答と低ON抵抗はトレードオフの関係にある。例えば、高速応答を目的としてトランジスタのチャネル幅を小さくすると、ON抵抗は高くなる。逆にON抵抗を下げるためにチャネル幅を大きくすると低速になるのである。出力素子を集積化したスイッチング電源の場合、上記のようにTOP側、BOTTOM側で異なる特性(高速応答、低ON抵抗)を実現できるトランジスタを構造や形状を工夫することにより、作り分けることが考えられる。しかし、製造プロセスが複雑になるため、製造工程の煩雑化やコスト増加を招くという問題がある。
なお、低ON抵抗に関しては、従来の製造プロセスで実現させることが可能になっているため、低ON抵抗の特性を有するBOTTOM側のトランジスタを用いてTOP側のトランジスタを高速動作させることが要求される。
本発明は、上記点に鑑み、TOP側のトランジスタと、低ON抵抗の特性を有するBOTTOM側のトランジスタと、によって構成されるスイッチング電源としてのスイッチング電源回路において、TOP側のトランジスタを高速動作させることでスイッチング損失を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、基準電位(Vb)に対しレベルシフトした出力電位(Va)を生成する電圧供給手段(20)が備えられ、第2のトランジスタ(Q2)と共にスイッチング回路を構成する第1のトランジスタ(Q1)は、第2の導電型のウェル領域(35)の内部であってこのウェル領域の表層部に形成された第1導電型のソース領域(36)に電気的に接続されたソース電極(43)と、ソース電極とは電気的に分離して形成されると共に、第2導電型のウェル領域に電気的に接続されたウェル電極(46)と、を備えて構成されている。そして、ウェル電極は、第1のトランジスタに対してバックゲートバイアスを入力するための電極として機能し、電圧供給手段は、その基準電位をソース電極に接続し、出力電位をウェル電極に入力することを特徴とする。
このように、第1のトランジスタにおいて、ソース電極とは電気的に分離され、バックゲートバイアスを入力するためのウェル電極に、電圧供給手段にて生成した、基準電位に対しレベルシフトした出力電位を入力する。これにより、バックゲート効果によって第1のトランジスタをオンオフさせるためのしきい値電圧を下げることができる。つまり、しきい値電圧が下がることで、第1のトランジスタを動作させるためのゲート電圧の変化幅を小さくでき、第1のトランジスタを高速動作させることができる。以上により、第1のトランジスタのスイッチング損失を低減させることができる。
本発明では、電圧供給手段は、ダイオード(D2)と、このダイオードに並列接続された分圧抵抗(R1、R2)と、を備えて構成され、分圧抵抗は第1の抵抗(R1)および第2の抵抗(R2)が直列接続されたものとして構成されている。そして、電圧供給手段では、ダイオードと第2の抵抗との接続点の電位を基準電圧として、ダイオードに電流が流れることでダイオードに生じた順方向電圧(Vf)が、分圧抵抗で分圧され、第1の抵抗と第2の抵抗との接続点の電位が出力電位として出力されることを特徴とする。
このように、順方向電圧を分圧することにより、基準電位に対する出力電位を生成する。これにより、電圧供給手段では、基準電位に対して順方向電圧を超えない範囲の出力電位を得ることができる。すなわち、例えば、ダイオードに流れる電流をIとし、電流Iと第1の抵抗R1および第2の抵抗R2との関係が電流I>順方向電圧Vf÷(第1の抵抗R1+第2の抵抗R2)が成り立つように設定することで、ダイオードをクランプ動作させることができ、定電圧を発生させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るスイッチング電源回路の回路図である。このスイッチング電源回路は、インバータ回路を構成しており、例えばECUに備えられ、スイッチング電源を生成するものとして用いられる。
この図に示されるように、電源回路には、第1のトランジスタQ1および第2のトランジスタQ2が接続されている。これら第1のトランジスタ(TOP側)Q1および第2のトランジスタ(BOTTOM側)Q2は、それぞれNチャネル型のものであり、第1のトランジスタQ1のソースに第2のトランジスタQ2のドレインが接続された状態となっている。
また、第1のトランジスタQ1のドレインに入力電圧Vinが入力され、第2のトランジスタQ2のソースにグランド電位VGNDが入力されるようになっている。そして、これら第1のトランジスタQ1および第2のトランジスタQ2の各ゲートに、それぞれ逆相のパルス信号が入力されるようになっており、第1のトランジスタQ1と第2のトランジスタQ2とが交互に動作するようになっている。なお、各トランジスタQ1、Q2の各ゲートに入力される信号は、この電源回路が搭載された図示しない外部回路から入力されるようになっている。
上記各トランジスタQ1、Q2の接続点は、フィルタ回路10に接続されている。このフィルタ回路10は、ダイオードD1と、インダクタLと、コンデンサC1と、を備えて構成されており、ローパスフィルタとして機能し、入力される信号に含まれる高周波ノイズを除去して出力電圧Voutとして出力する。
そして、本実施形態では、上記第2のトランジスタQ2においては、バックゲートはソースに接続されているが、第1のトランジスタQ1のバックゲートには電圧供給手段20が接続されている。
図2は、図1に示される電圧供給手段20の具体的な構成を示したものである。この図に示されるように、電圧供給手段20は、定電流源21と、ダイオードD2と、第1の抵抗R1と、第2の抵抗R2と、コンデンサC2と、を備えて構成されている。なお、第1の抵抗R1および第2の抵抗R2は、本発明の分圧抵抗に相当する。
定電流源21は、入力電位Vpから電圧が入力されることで定電流Iを発生させるものである。本実施形態では、入力電位Vpとして、ブートストラップ端子やチャージポンプ電圧などの第1のトランジスタQ1のソース電圧よりも高い電圧が設定されている。この定電流源21は、ダイオードD2に接続されている。
ダイオードD2には直列接続された第1の抵抗R1および第2の抵抗R2が並列接続され、第2の抵抗R2にはコンデンサC2が並列接続されている。そして、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2との接続点が、電圧供給手段20の出力電位Vaとして出力され、第2の抵抗R2とダイオードD2との接続点が、基準電位Vbとして出力される。
これら出力電位Vaは第1のトランジスタQ1のバックゲートに入力され、基準電位Vbは第1のトランジスタQ1のソースに入力される。すなわち、電圧供給手段20に備えられたコンデンサC2は、基準電位Vbが急峻に変動した際、出力電位Vaがその変動に追従することでバックゲート−ソース(後述するウェル−ソース)間電圧が変動しないようにすることができる。
上記電圧供給手段20では、定電流IがダイオードD2に入力されるとダイオードD2に順方向電圧Vfが発生する。このように、基準電位Vbに対して発生した順方向電圧Vfは第1の抵抗R1、および第2の抵抗R2によって分圧されて出力電位Vaとして出力される。したがって、電圧供給手段20では、基準電位Vbに対して順方向電圧Vfを超えない範囲の出力電位Vaが得られる。すなわち、本実施形態では、定電流Iと第1の抵抗R1および第2の抵抗R2との関係が定電流I>順方向電圧Vf÷(第1の抵抗R1+第2の抵抗R2)が成り立つように設定される。これにより、ダイオードD2はクランプ動作し、簡易的な定電圧となる。
このような出力電位Vaおよび基準電位Vbが、具体的に第1のトランジスタQ1のどの部分に入力されるのかを図3を参照して説明する。図3は、SOI(Silicon on Insulator)基板に多数形成された第1トランジスタQ1のうちの1つの第1のトランジスタQ1の断面図である。
図3に示されるように、支持基板31上に酸化層32が形成され、酸化層32上に埋め込みN+型層33が形成されたSOI基板30において、埋め込みN+型層33の表層部にN型層34(本発明の第1導電型の半導体層)が形成され、N型層34の表層部にP型ウェル領域35(本発明の第2導電型のウェル領域)が形成されている。このP型ウェル領域35の内部であってP型ウェル領域35の表層部にN+型ソース領域36(第1導電型のソース領域)が形成されている。また、N型層34の表層部のうち、P型ウェル領域35が形成されていない領域にN+型ドレイン領域37(第1導電型のドレイン領域)が形成されている。
そして、SOI基板30の表面のうち、N+型ソース領域36の一部、P型ベース領域35の外縁部、N型層34、そしてN+型ドレイン領域37の一部を覆うようにゲート絶縁膜38が形成され、このゲート絶縁膜38上にゲート電極39が形成されている。さらに、このゲート電極39を覆うように層間絶縁膜40が形成されている。すなわち、N+型ソース領域36とN型層34との間に位置するP型ウェル領域35の表面側部分をチャネル領域として、このチャネル領域上にゲート絶縁膜38を介してゲート電極39が形成された状態になっている。
また、N型層34の表層部に形成されたN+型ドレイン領域37の表面、P型ウェル領域35の内部に形成されたN+型ソース領域36の表面、P型ベース領域35の表面においてゲート絶縁膜38が形成された側とは反対側の表面、がそれぞれ露出するように層間絶縁膜40が形成されている。
そして、層間絶縁膜40に形成されたコンタクトホール41を通じて、ドレイン電極42がN型層34の表層部に形成されたN+型ドレイン領域37に電気的に接続されている。同様に、コンタクトホール43を通じて、ソース電極44がP型ベース領域35の内部に形成されたN+型ソース領域36に電気的に接続され、コンタクトホール45を通じて、ウェル電極46がP型ウェル領域35に電気的に接続されている。
上記のような構造を有する第1のトランジスタQ1はSOI基板30に多数形成されており、LOCOS酸化膜47によって個々に区切られている。
したがって、上記断面構造を有する第1のトランジスタQ1に対し、図2に示される電圧供給手段20の出力電位Vaはウェル電極46に入力され、基準電位Vbはソース電極44に入力されるようになっている。なお、ゲート電極39には第1のトランジスタQ1を駆動するためのパルス信号、ドレイン電極42には入力電圧Vinが入力される。
上記のように、本実施形態では、ソース電極44とウェル電極46とが層間絶縁膜40で電気的に分離された状態となっており、ソース電極44、ウェル電極46それぞれに異なる電位を印加できるようになっている。これにより、ウェル電極46に対して、ダイオードD2の順方向電圧Vfを超えない範囲で、ソース電極44に入力される電位よりも高い電位を入力することができ、バックゲート効果によって第1のトランジスタQ1のスレッショルド電圧(第1のトランジスタQ1をオン/オフさせるための入力電圧のしきい値)を下げることができる。つまり、小さい電圧で第1のトランジスタQ1を動作させることができる。
また、第2のトランジスタQ2の構造は、図示しないが、図3に示される第1のトランジスタQ1と同様の構造になっている。なお、第2のトランジスタQ2のソース電極がウェル電極と分離していることは問わない。図1に示されるように、第2のトランジスタQ2のバックゲートはソースに接続されているため、ソース電極とウェル電極とを分離しなくても良いし、分離して配線接続しても良い。
本実施形態では、第2のトランジスタQ2を製造する際、P型領域の内部に形成されたN+型領域の濃度を濃くすることや、チャネル長を短くすることにより、低ON抵抗を実現している。
以上が、本実施形態にかかるスイッチング電源回路の構成である。
次に、第1のトランジスタQ1の高速スイッチング作動について図4を参照して説明する。図4は、第1のトランジスタQ1および第2のトランジスタQ2を同期整流回路動作させたときのタイミングチャートである。
図4において、第1のトランジスタQ1のゲート−ソース間の電圧をVGS1とし、第1のトランジスタQ1のドレイン電流をId1とし、第1のトランジスタQ1のドレイン−ソース間の電圧をVDS1とし、第2のトランジスタQ2のゲート−ソース間の電圧をVGS2とし、第2のトランジスタQ2のドレイン電流をId2とし、第2のトランジスタQ2のドレイン−ソース間の電圧をVDS2としている。
この図に示されるように、第1のトランジスタQ1にHレベルの電圧VGS1が入力される際、第2のトランジスタQ2にLレベルの電圧VGS2が入力され、各トランジスタQ1、Q2がそれぞれ交互にオン/オフを繰り返すようになっている。また、各トランジスタQ1、Q2が同時に動作しないようにするため、第1のトランジスタQ1の立ち上がり前および立ち下がり後に各トランジスタQ1、Q2が両方ともオフになる時間(Dead Time)が設けられている。
そして、第1のトランジスタQ1にHレベルの信号が入力されると、第1のトランジスタQ1はオンになる。すなわち、第1のトランジスタQ1のドレイン電流Id1が流れて、ドレイン−ソース間の電圧VDS1は、ほぼ0Vになる。したがって、各トランジスタQ1、Q2の接続点の電位は、ほぼVinの電位まで上昇する。
同時に、第2のトランジスタQ2は第1のトランジスタQ1に対して逆相で動作するので、第1のトランジスタQ1にHレベルの信号が入力される際には、第2のトランジスタQ2にLレベルの信号が入力される。これにより、第2のトランジスタQ2はオフとなり、第2のトランジスタQ2のドレイン−ソース間に流れていた電流Id2が切れる。
次に、第1のトランジスタQ1にLレベルの信号が入力され、第2のトランジスタQ2にHレベルの信号が入力されると、それぞれ上記と逆の動作となり、電流Id1が切れ、電流Id2が流れ始める。
このように各トランジスタQ1、Q2が交互にオン/オフを繰り返して、入力される信号に同期した電位の変化が第1のトランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との接続点に生ずる。この電位の変化をインダクタL、コンデンサC1からなるローパスフィルタ回路10を通過させ、出力電圧Voutを得る。
上述のように、バックゲート効果によって第1のトランジスタQ1のスレッショルド電圧を下げているため、第1のトランジスタQ1のゲート電位にLレベルからHレベルへの電位変化が発生してからスレッショルド電圧に到達し第1のトランジスタQ1がオンするまでの遷移時間が短縮される。同様に、ゲート電位VGS1が立ち下がる際のオンからオフへの遷移時間も短縮される。よって第1のトランジスタQ1をより高速動作させることができる。
また、第2のトランジスタQ2の低ON抵抗については、第2のトランジスタQ2を製造する際の製造プロセスにより実現できるため、上記電源回路において、この低ON抵抗による電源回路のスイッチング損失の低減に加え、第1のトランジスタQ1を動作させるためのゲート電圧の振幅を小さくできることから、第1のトランジスタQ1をスイッチング動作させるためのスイッチング損失を低減させることができる。
以上説明したように、本実施形態では、第1のトランジスタQ1において、ソース電極43とは電気的に分離されると共に、バックゲートバイアス(すなわち出力電位Vb)を入力するためのウェル電極46に、電圧供給手段20にて生成した基準電位Vbからレベルシフトした出力電位Vaを入力することを特徴としている。これにより、バックゲート効果によって第1のトランジスタQ1をオンオフさせるためのスレッショルド電圧(しきい値電圧)を下げることができる。
つまり、スレッショルド電圧が下がることで、第1のトランジスタQ1を動作させるためのゲート電圧を小さくすることができる。また、第1のトランジスタQ1のスレッショルド電圧が低下したことで、第1のトランジスタQ1を高速動作させることができる。以上により、第1のトランジスタQ1のスイッチング損失を低減させることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、SOI基板に多数形成される第1のトランジスタQ1をトレンチで区画し、各ウェルにそれぞれ異なる電圧を入力できるようにしたことを特徴としている。なお、本実施形態で示される第1のトランジスタQ1は、大きな電流を流さない場合に採用されることが好ましい。
図5は、本発明の第2実施形態にかかる第1のトランジスタQ1の断面図を示したものである。本実施形態では、第1のトランジスタQ1として例えばNチャネル型のMOSトランジスタが採用される。
この図に示されるように、SOI基板50を構成する支持基板51の表面に形成された酸化層52の表層部に埋め込みN+層53が形成されている。さらに、この埋め込みN+層53の表層部にN型層54が形成され、このN型層54の表層部にP型層55が形成されている。このP型層55の表層部に2つN+型領域56、57とP型領域58とが形成されている。なお、N+型領域57とP型領域58との間にはLOCOS酸化膜59が形成されている。そしてこのN+層53、N型層54、P型層55を貫いて、酸化層52に達するトレンチ分離層52aを形成することで、素子領域間を電気的に絶縁する。
そして、各N+型領域56、57の一部およびP型層55を覆うようにゲート絶縁膜60が形成され、このゲート絶縁膜60上にゲート電極61が形成されている。このゲート電極61を覆うように層間絶縁膜62が形成されている。すなわち、各N+型領域56、57の間に位置するP型層55の表面側部分をチャネル領域として、このチャネル領域上にゲート絶縁膜60を介してゲート電極61が形成された状態になっている。
また、各N+型領域56、57およびP型領域58の表面が露出するように層間絶縁膜62にコンタクトホール63、65、67が形成されている。そして、層間絶縁膜62に形成されたコンタクトホール63を通じて、ドレイン電極64がN+型領域57の表面に電気的に接続され、コンタクトホール65を通じて、ソース電極66がN+型領域56の表面に電気的に接続され、コンタクトホール67を通じて、ウェル電極68がP+型領域58に電気的に接続されている。
以上が、本実施形態に係る1つの第1のトランジスタQ1の断面構造であり、図5に示されるように、SOI基板50に形成された酸化層52およびトレンチ52aで分離された多数の素子領域に各トランジスタが形成されている。このように、本実施形態においても、ソース電極66は層間絶縁膜62によってウェル電極68と分離された状態となっており、ソース電極66、ウェル電極68それぞれに異なる電位を入力できるようになっている。つまり、ウェル電極68にソース電極66と異なる電位を入力できることのみならず、個々のウェル電極68にそれぞれ異なる電位を入力することができるようになっている。
このように、各ウェル電極68にそれぞれ異なる電位を入力できるようにすることで、スレッショルド電圧の異なる回路を形成することが可能となる。また本実施例の場合、埋め込みN+層53は必ずしも必要ではない。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る第1のトランジスタQ1の断面図を示したものである。本実施形態では、第1のトランジスタQ1としてPチャネル型のMOSトランジスタが採用される。
図6に示されるように、本実施形態で用いられる第1のトランジスタQ1はPチャネル型のMOSトランジスタであるので、図5に示される構造において、n型とp型が反転した形態とされている。すなわち、図5に示される各N+型領域56、57、P+型領域58が、図6に示される各P型領域69、70、N+型領域71にそれぞれ相当している。
以上のように、Pチャネル型のトランジスタを用いるようにしても構わない。また本実施例の場合、埋め込みN+層53は必ずしも必要ではない。
(他の実施形態)
電圧供給手段20は、ダイオードの順方向電圧Vfの分圧と異なる手段、例えば半導体における基準電圧であるバンドギャップ基準電圧の分圧、ツェナー電圧の分圧など上記実施形態に示されたものとは異なる手段で実現しても構わない。ただし、寄生動作を避けるため、その分圧が順方向電圧Vf以下となるように各抵抗R1、R2の値を選択する必要がある。
第2のトランジスタQ2のON抵抗を低減させる手段については、上記各実施形態に示されたものとは異なる手段で実現させるようにしても構わない。
本発明の第1実施形態に係る電源回路の回路図である。 図1に示される電圧供給手段の具体的な構成図である。 図1の第1のトランジスタの断面図である。 第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを同期整流回路動作させたときのタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る第1のトランジスタの断面図である。 本発明の第3実施形態に係る第1のトランジスタの断面図である。
符号の説明
34…N型層、35…P型ウェル領域、36…N+型ソース領域、37…N+型ドレイン領域、38…ゲート絶縁膜、39…ゲート電極、43…ソース電極、46…ウェル電極、D1、D2…ダイオード、R1…第1の第2の抵抗R2…第2の抵抗、Q1…第1のトランジスタ、Q2…第2のトランジスタ、VGND…グランド電位、Va…出力電位、Vb…基準電位、Vf…順方向電圧。

Claims (2)

  1. 第1のトランジスタ(Q1)および第2のトランジスタ(Q2)が直列接続されてスイッチング回路が構成され、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは同じ導電型チャネルのものが用いられるようになっており、前記第1のトランジスタがオンオフすることによりスイッチング電源を生成するスイッチング電源回路であって、
    基準電位(Vb)に対しレベルシフトした出力電位(Va)を生成する電圧供給手段(20)を備え、
    前記第1のトランジスタは、
    第1導電型の半導体層(34)に形成された第1導電型のドレイン領域(37)に電気的に接続されたドレイン電極(42)と、
    前記第1の導電型の半導体層に形成された第2導電型のウェル領域(35)のうちチャネル領域上にゲート絶縁膜(38)を介して形成されたゲート電極(39)と、
    前記第2の導電型のウェル領域の内部であってこのウェル領域の表層部に形成された第1導電型のソース領域(36)に電気的に接続されたソース電極(43)と、
    前記ソース電極とは電気的に分離して形成されると共に、前記第2導電型のウェル領域に電気的に接続されたウェル電極(46)と、を備えて構成されており、
    前記ウェル電極は、前記第1のトランジスタに対してバックゲートバイアスを入力するための電極として機能し、
    前記電圧供給手段の前記基準電位が前記ソース電極に接続され、前記出力電位を前記ウェル電極に入力するようになっていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 前記電圧供給手段は、ダイオード(D2)と、このダイオードに並列接続された分圧抵抗(R1、R2)と、を備えて構成され、
    前記分圧抵抗は、第1の抵抗(R1)および第2の抵抗(R2)が直列接続されて構成されており、
    前記ダイオードと前記第2の抵抗との接続点を前記基準電位として、前記ダイオードに電流が流れることによってこのダイオードに生じた順方向電圧(Vf)が、前記分圧抵抗によって分圧され、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続点の電位が前記出力電位として出力されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011049212A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Fujitsu Ltd 半導体集積回路

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