JP2007132291A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に低速回転時における、ピストンとシリンダボア間の片当りによる性能のばらつきや摩耗の発生による圧縮機の冷却性能の低下を防ぐことを目的とするものである。
【解決手段】ブロック112に形成されたシリンダボア111内を往復運動するとともに、中心軸150aを含みピストンピンの中心軸114aに垂直な平面150bに対して、主軸部側に相当する摺動面積を反主軸部側に相当する摺動面積よりも大きいピストン150を備えたことにより、ピストン150とシリンダボア111の片当り摩耗を防止するので、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用冷凍冷蔵庫に使用される圧縮機において、信頼性を向上し得るピストンに関するものである。
近年、家庭用冷凍冷蔵庫等において、省エネルギー化の観点から、消費電力量の低減が強く要望されている。そういった中、圧縮機はインバータ制御され、低運転周波数化が進んでいるが、低速回転時の性能値の安定化や性能の高効率化が課題になっている。
以下、図面を参照しながら上記従来技術の圧縮機について説明する(例えば、特許文献1参照)。なお、以下の説明において、上下の関係は圧縮機を正規の姿勢に設置した状態を基準とする。
図15は従来の圧縮機の縦断面図、図16は従来のピストンの斜視図、図17は従来のシリンダボアとピストンの構成断面図である。
図15、図16、図17において、密閉容器1は、内部に充填された冷媒15と、底部に貯留されたオイル2と、固定子3と永久磁石を内蔵する回転子4から構成されて回転する電動要素5と、電動要素5によって駆動される圧縮要素6を収容する。
圧縮要素6について、以下に説明する。
鉛直方向に延在したクランクシャフト9は、主軸部7及び偏心部8から構成されており、スパイラル溝17を介して偏心部8の上端に連通するオイルポンプ20を内蔵するとともに、下端はオイル2中に開口している。軸受部13は、主軸部7を回転自在に軸支している。また、ブロック12は、圧縮室10を形成するシリンダボア11を有している。
ピストン50は、シリンダボア11に往復可動に挿入されている。ピストンピン14は、略円筒形状をなし、偏心部8と平行に配置され、ピストン50に形成されたピストンピン孔51に回転不能に係止されている。コンロッド30は、偏心部8が挿入される大端孔33と、ピストンピン14が挿入される小端孔31と、偏心部8とピストンピン14を介してピストン50を連結するロッド部32を備えている。
また、ピストン50は、圧縮機を側面から見た時、ピストンの中心軸50aを含みピストンピンの中心軸14aに垂直な平面に対して、上下対称の略円筒形状をなしている。尚、シリンダボア11とともに圧縮室10を形成する面側をピストントップ側52、コンロッド30が遊挿される面側をピストンスカート側53とする。
以上のように構成された圧縮機について、以下にその動作を説明する。
電動要素5に通電がなされると、圧縮機を上方から見て回転子4が右回り(時計回り)に回転し、これに伴ってクランクシャフト9が回転する。偏心部8の回転運動が、コンロッド30とピストンピン14を通してピストン50に伝えられ、コンロッド30はピストンピン14に対し揺動し、ピストン50はシリンダボア11を往復運動する。このピストン50の往復運動により、密閉容器1内の冷媒15は、圧縮室10内に吸引された後に圧縮されて、密閉容器1外へと繰り返し吐出される。
一方、クランクシャフト9の回転に伴って、オイルポンプ20によってオイル2は吸引され、スパイラル溝17から上方へ導かれ、偏心部8の上端から噴射されたオイル2が、コンロッド30の小端孔31とピストンピン14や、ピストン50とシリンダボア11等の摺動部を潤滑する。
特開2000−145637号公報
しかしながら、上記従来の構成の圧縮機を家庭用冷凍冷蔵庫の冷却システムに適用した場合、圧縮要素6を構成するピストン50とシリンダボア11との摺動部において、片当り摩耗が発生することがある。
発明者らの実機試験によれば、ピストン50の摺動面において、圧縮機の側面から見て、偏心部8を左側、シリンダボア11、ピストン50を右側とした時、ピストントップ側52の上方の端部(図17中、U点)とピストンスカート側53の下方の端部(図17中、L点)を起点としたものであり、ピストン50がシリンダボア11内部にて左に傾斜したような状態で接触摺動し、摩耗が発生していることを確認している。
このような摩耗が進行すると、ピストン50とシリンダボア11の間に隙間が生じ、吸入圧縮時に冷媒15のリークが顕在化し、圧縮機の性能値が不安定になったり、低下するのに加え、長期的な信頼性確保に支障を来たすという欠点があった。
また、機構面、及び材質面等の種々の観点からピストン50とシリンダボア11の摩耗防止策が検討されているが、構成が複雑化したり高コスト化する等の欠点があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ピストン50とシリンダボア11の片当り摩耗を防止し、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、ピストンの中心軸を含みピストンピンの中心軸に垂直な平面に対して、ピストンの主軸部側の摺動面積を反主軸部側の摺動面積より大きくしたもので、ピストンの主軸部側において流体摩擦による摺動抵抗を増やすことで、圧縮荷重が負荷されてクランクシャフトが軸受部内で傾斜することによる左回りの回転モーメントを緩和し、ピストンのシリンダボア内での姿勢をより真っ直ぐに維持させるので、ピストンとシリンダボアの片当り摩耗を防止する。
本発明の圧縮機はピストンとシリンダボアの片当り摩耗を防止するので、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供できるという効果が得られる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内にオイルを貯溜するとともに冷媒を圧縮する圧縮要素を収容し、圧縮要素は、略鉛直方向に配設され主軸部および偏心部を有するクランクシャフトと、クランクシャフトを支持する軸受部と、シリンダボアを形成するブロックと、シリンダボア内を往復動するピストンと、ピストンに中心軸が偏心部と平行となるよう配設されたピストンピンと、偏心部とピストンピンを連結するコンロッドとを備え、ピストンの中心軸を含みピストンピンの中心軸に垂直な平面に対してピストンの主軸部側の摺動面積を反主軸部側の摺動面積より大きくしたもので、ピストンの主軸部側において流体摩擦による摺動抵抗を増やすことで、圧縮荷重が負荷されてクランクシャフトが軸受部内で傾斜することによる左回りの回転モーメントを緩和し、ピストンのシリンダボア内での姿勢をより真っ直ぐに維持させるので、ピストンとシリンダボアの片当り摩耗を防止し、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、ピストンの主軸部側の側面の長さを、反主軸部側よりも長くしたもので、ピストン形状は金型形状で概ね決定されるので、ピストンの主軸部側、反主軸部側の摺動面積に差を持たせるための後加工が必要無く量産性に優れ、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、ピストンの側面に非摺動部を凹設したもので、凹設された非摺動部において、流体摩擦による摺動抵抗を低減して圧縮機の入力を低減し、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に、非摺動部は、ピストンの側面に、少なくともピストントップ側およびピストンスカート側を各々摺動面として残して形成されたもので、ピストン摺動面の最終仕上げにおいて、センターレス研磨加工が可能であり、大掛かりな仕上げ装置は必要無く生産性が高く、高信頼性で、安価な圧縮機を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明に、非摺動部は、ピストンの側面に圧縮負荷側および反圧縮負荷側を各々摺動面として、ピストンの側面の往復方向に残して形成されるとともに、ピストンの反主軸部側の非摺動部の幅を主軸部側の非摺動部よりも広く形成したもので、圧縮負荷側の摺動面を非摺動部にて分割しないことで、高圧冷媒やシステムにおける圧縮機の使用条件の過酷化により、圧縮室内の圧縮圧力が比較的高い場合となっても、圧縮負荷側の摺動面における油膜は切れ難く、金属接触を回避することで信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明に、少なくとも商用電源周波数未満の周波数を含む運転周波数にて運転されるもので、圧縮機の入力が小さく抑えられ、長期に亘り安定的なピストンの姿勢維持と相まって、低い消費電力が得られ、信頼性の高い冷媒圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図、図2は同実施の形態のピストンを側方から見た斜視図、図3は同実施の形態のピストンの圧縮行程後期の挙動を示す特性図、図4は同実施の形態のピストンの吸入行程前期の挙動を示す特性図である。
密閉容器101には、冷媒115としてイソブタン(R600a)を充填するとともに、オイル102として比較的低粘度の鉱油を貯留している。
電動要素105は、ブロック112の下方に固定されインバータ駆動回路(図示せず)とつながっている固定子103と、永久磁石を内蔵し主軸部107の下方に固定された回転子104から構成され、インバータ駆動用の電動モータを形成しており、インバータ駆動回路によって、商用電源周波数を下回る運転周波数(例えば、1500r/min)を含む複数の運転周波数で駆動される。
圧縮要素106について、以下に説明する。
鉛直方向に延在したクランクシャフト109は、主軸部107及び偏心部108から構成されており、スパイラル溝117を介して偏心部108の上端に連通するオイルポンプ120を内蔵するとともに、下端はオイル102中に開口している。軸受部113は、主軸部107を回転自在に軸支している。軸受部113と主軸部107の軸クリアランス107aは10〜20μmである。また、ブロック112は、圧縮室110を形成するシリンダボア111を有している。
ピストン150は、シリンダボア111に往復可動に挿入されている。ピストンピン114は、略円筒形状をなし、偏心部108と平行に配置され、ピストン150に形成されたピストンピン孔151に係止されている。コンロッド130は、偏心部108が挿入される大端孔133と、ピストンピン114が挿入される小端孔131と、偏心部108とピストンピン114を介してピストン150を連結するロッド部132を備えている。
また、ピストン150は、圧縮機を側面から見た時、ピストンの中心軸150aを含みピストンピンの中心軸114aに垂直な平面150bに対して、ピストン150の主軸部側の側面170を反主軸部側の側面160よりも長くすることにより、主軸部側の側面170の摺動面積を反主軸部側の側面160の摺動面積より大きくしている。尚、シリンダボア111とともに圧縮室110を形成する面側をピストントップ側152、コンロッド130が遊挿される面側をピストンスカート側153とする。
尚、圧縮要素106を構成する上述の摺動部品の多くは、鋳鉄、焼結、あるいは炭素鋼などの鉄系材料で形成されている。但し、コンロッド130に関しては、耐摩耗性の観点から相手側の鉄系材料と相性が良い、即ち凝着摩耗が発生し難いとされるアルミ系材料、例えばアルミダイカストで形成されている。
以上のように構成された圧縮機について、その動作を説明する。
電動要素105に通電がなされると、圧縮機を上方から見て回転子104が右回り(時計回り)に回転し、これに伴ってクランクシャフト109が回転する。偏心部108の回転運動が、コンロッド130とピストンピン114を通してピストン150に伝えられ、コンロッド130はピストンピン114に対し揺動し、ピストン150はシリンダボア111を往復運動する。このピストン150の往復運動により、密閉容器101内の冷媒115は、圧縮室110内に吸引された後に圧縮されて、密閉容器101外へと繰り返し吐出される。
一方、クランクシャフト109の回転に伴って、オイルポンプ120によってオイル102は吸引され、スパイラル溝117から上方へ導かれ、偏心部108の上端から噴射されたオイル102が、コンロッド130の小端孔131とピストンピン114の摺動部や、ピストン150とシリンダボア111の摺動部の潤滑に寄与する。
次に、ピストン150の姿勢が悪くなると思われる圧縮行程後期、及び吸入行程前期における本実施の形態の圧縮機のピストン150の挙動について、以下、図3、図4に基づいて説明する。
図3は、圧縮機を側面から見て、偏心部108を左側、ピストン150、シリンダボア111を右側とした状態である。尚、矢印180はピストン150の進行方向を示している。
圧縮行程後期では、ピストン150に圧縮圧力Pがかかることから、クランクシャフト109の主軸部107が、軸受部113内にて主軸クリアランス107aに相当する分だけ傾斜することで、ピストン150の図中のU点には矢印に示す左回りの強い回転モーメント181が発生する。一方、ピストン150における主軸部側の側面170とシリンダボア111間の摺動抵抗F2が、反主軸部側の側面160とシリンダボア111間の摺動抵抗F1よりも大きくなり、その結果、左回りの回転モーメント181とは反対向きの右回りの回転モーメント182が発生する。
通常、従来のように、ピストン150の主軸部側の側面170の長さと、反主軸部側の側面160の長さが同じ場合、左回りの回転モーメント181が右回りの回転モーメント182よりも顕著に大きくなることで、ピストン150には最終的に左回りの回転モーメントが働くために、ピストン150はシリンダボア111内で左に、即ちピストントップ側152が上方、ピストンスカート側153が下方となるような傾斜した状態となり、ピストン150の摺動面上の点U、点Lに相当する部位においてシリンダボア111と接触して摩耗が発生していたと考えられる。
しかしながら、本実施の形態では、ピストン150における主軸部側の側面170の長さを反主軸部側の側面160の長さよりも長くすることで、主軸部側の側面170とシリンダボア111間の流体摩擦による摺動抵抗F2が、反主軸部側の側面160とシリンダボア111間の流体摩擦による摺動抵抗F1よりも大きくなり。その結果として、右回りの回転モーメント182が大きくなることで、左回りの回転モーメント181と釣り合わせることができる。
従って、右回りの回転モーメント182は、左回りの回転モーメント181を相殺することで、ピストン150に働く回転モーメントが消滅するので、ピストン150のシリンダボア111内での左の傾斜をなくすことができ、ピストン150のシリンダボア111内での姿勢が水平に維持される。これにより、圧縮行程後期におけるピストン150の摺動面上の点U、点Lに相当する部位でのシリンダボア111との局所的な接触を起点とした片当り摩耗を防止できる。
加えて、クランクシャフト109が左に傾斜するのに対し、ピストン150が水平に維持されることで、コンロッド130の小端孔131とピストンピン114間、及び大端孔133と偏心部108間に接触が生じる可能性があるが、ピストンピン114や偏心部108を形成する鉄系材料に対し耐摩耗性の観点から相性の良いアルミ系材料でコンロッド130を形成することで、摩耗を回避している。
続いて、図4は、圧縮機を側面から見て、偏心部108を左側、ピストン150、シリンダボア111を右側とした状態である。尚、矢印185はピストン150の進行方向を示している。
吸入行程前期では、ピストン150における主軸部側の側面170とシリンダボア111間の流体摩擦による摺動抵抗F4が、反主軸部側の側面160とシリンダボア111間の流体摩擦による摺動抵抗F3よりも大きくなり、左回りの回転モーメント186が発生する。
一方で、左回りの回転モーメント186の作用を受けてピストン150は左に傾斜しようとするが、その都度、反主軸部側の側面160とシリンダボア111間の隙間188がピストントップ側152に近づくほど小さくなる、いわゆるくさび形を呈することで、隙間188に流入したオイル102によるくさび形油膜が形成されて、隙間188に油膜圧力が生じ、左回りの回転モーメント186とは反対向きの右回りの回転モーメント187が発生する。その結果、右回りの回転モーメント187が大きくなることで、左回りの回転モーメント186と釣り合わせることができる。
従って、右回りの回転モーメント187は、左回りの回転モーメント186を相殺することで、ピストン150に働く回転モーメントが消滅するので、ピストン150のシリンダボア111内での左の傾斜をなくすことができ、ピストン150のシリンダボア111内での姿勢が水平に維持される。これにより、吸入行程前期におけるピストン150の摺動面上の点U、点Lに相当する部位でのシリンダボア111との局所的な接触を起点とした片当り摩耗を回避できる。
発明者らの検討結果によれば、本実施の形態により、ピストン150の表面において、シリンダボア111との片当りによる摩耗が殆ど無くなるとともに、特に低速運転時の圧縮機の性能値に関し、従来に比べて、それらの平均値が高くなり、かつばらつきの幅が20%以上小さくなることを圧縮機を用いた実機試験にて確認している。
以上のように、本実施の形態により、ピストン150とシリンダボア111の片当り摩耗を防止するとともに、特に、低速運転時の圧縮機の高効率化と性能安定化も可能であり、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することができる。
また、本実施の形態のピストン150の主軸部側の側面170の長さと、反主軸部側の側面160の長さの比率は、システムサイドから要求される回転周波数や圧力条件によって適性化を図ることができる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における圧縮機の縦断面図、図6は同実施の形態のピストンを側方から見た斜視図、図7は同実施の形態のピストンの圧縮行程後期の挙動を示す特性図、図8は同実施の形態のピストンの吸入行程前期の挙動を示す特性図である。
密閉容器201には、冷媒215としてイソブタン(R600a)を充填するとともに、オイル202として比較的低粘度の鉱油を貯留している。
電動要素205は、ブロック212の下方に固定されインバータ駆動回路(図示せず)とつながっている固定子203と、永久磁石を内蔵し主軸部207の下方に固定された回転子204から構成され、インバータ駆動用の電動モータを形成しており、インバータ駆動回路によって、商用電源周波数を下回る運転周波数(例えば、1500r/min)を含む複数の運転周波数で駆動される。
圧縮要素206について、以下に説明する。
鉛直方向に延在したクランクシャフト209は、主軸部207及び偏心部208から構成されており、スパイラル溝217を介して偏心部208の上端に連通するオイルポンプ220を内蔵するとともに、下端はオイル202中に開口している。軸受部213は、主軸部207を回転自在に軸支している。軸受部213と主軸部207の軸クリアランス207aは10〜20μmである。また、ブロック212は、圧縮室210を形成するシリンダボア211を有している。
ピストン250は、シリンダボア211に往復可動に挿入されている。ピストンピン214は、略円筒形状をなし、偏心部208と平行に配置され、ピストン250に形成されたピストンピン孔251に係止されている。コンロッド230は、偏心部208が挿入される大端孔233と、ピストンピン214が挿入される小端孔231と、偏心部208とピストンピン214を介してピストン250を連結するロッド部232を備えている。
また、ピストン250は、圧縮機を側面から見た時、ピストンの中心軸250aを含みピストンピンの中心軸214aに垂直な平面250bに対して、上方を反主軸部側の側面260、下方を主軸部側を側面270とし、シリンダボア211とともに圧縮室210を形成する面側をピストントップ側252、コンロッド230が遊挿される面側をピストンスカート側253とする。更に、ピストン250の側面のピストントップ側252とピストンスカート側253に各々摺動面を残して非摺動部290が凹設されているとともに、非摺動部290によって分断された主軸部側の側面270の摺動部の長さの和が、反主軸部側の側面260の摺動部の長さの和よりも長くなることにより、主軸部側の側面270の摺動面積を反主軸部側の側面260の摺動面積よりも大きくしている。
尚、圧縮要素206を構成する上述の摺動部品の多くは、鋳鉄、焼結、あるいは炭素鋼などの鉄系材料で形成されている。但し、コンロッド230に関しては、耐摩耗性の観点から相手側の鉄系材料と相性が良い、即ち凝着摩耗が発生し難いとされるアルミ系材料、例えばアルミダイカストで形成されている。
以上のように構成された圧縮機について、その動作を説明する。
電動要素205に通電がなされると、圧縮機を上方から見て回転子204が右回り(時計回り)に回転し、これに伴ってクランクシャフト209が回転する。偏心部208の回転運動が、コンロッド230とピストンピン214を通してピストン250に伝えられ、コンロッド230はピストンピン214に対し揺動し、ピストン250はシリンダボア211を往復運動する。このピストン250の往復運動により、密閉容器201内の冷媒215は、圧縮室210内に吸引された後に圧縮されて、密閉容器201外へと繰り返し吐出される。
一方、クランクシャフト209の回転に伴って、オイルポンプ220によってオイル202は吸引され、スパイラル溝217から上方へ導かれ、偏心部208の上端から噴射されたオイル202が、コンロッド230の小端孔231とピストンピン214の摺動部や、ピストン250とシリンダボア211の摺動部の潤滑に寄与する。
次に、ピストン250の姿勢が悪くなると思われる圧縮行程後期、及び吸入行程前期における本実施の形態の圧縮機のピストン250の挙動について、以下、図7、図8に基づいて説明する。
図7は、圧縮機を側面から見て、偏心部208を左側、ピストン250、シリンダボア211を右側とした状態である。尚、矢印280はピストン250の進行方向を示している。
圧縮行程後期では、ピストン250に圧縮圧力Pがかかることから、クランクシャフト209の主軸部207が、軸受部213内にて軸クリアランス207aに相当する分だけ傾斜することで、ピストン250の図中のU点には矢印に示す左回りの強い回転モーメント281が発生する。一方、ピストン250における主軸部側の側面270とシリンダボア211間の摺動抵抗F2が、反主軸部側の側面260とシリンダボア211間の摺動抵抗F1よりも大きくなり、その結果、左回りの回転モーメント281とは反対向きの右回りの回転モーメント282が発生する。
通常、従来のように、ピストン250の主軸部側の側面270の長さと、反主軸部側の側面260の長さが同じ場合、左回りの回転モーメント281が右回りの回転モーメント282よりも顕著に大きくなることで、ピストン250には最終的に左回りの回転モーメントが働くために、ピストン250はシリンダボア211内で左に、即ちピストントップ側252が上方、ピストンスカート側253が下方となるような傾斜した状態となり、ピストン250の摺動面上の点U、点Lに相当する部位においてシリンダボア211と接触して摩耗が発生していたと考えられる。
しかしながら、本実施の形態では、ピストン250における主軸部側の側面270の長さの和を反主軸部側の側面260の長さの和よりも長くすることで、主軸部側の側面270とシリンダボア211間の流体摩擦による摺動抵抗F2が、反主軸部側の側面260とシリンダボア211間の流体摩擦による摺動抵抗F1よりも大きくなり、その結果として、右回りの回転モーメント282が大きくなることで、左回りの回転モーメント281と釣り合わせることができる。
従って、右回りの回転モーメント282は、左回りの回転モーメント281を相殺することで、ピストン250に働く回転モーメントが消滅するので、ピストン250のシリンダボア211内での左の傾斜をなくすことができ、ピストン250のシリンダボア211内での姿勢が水平に維持される。これにより、圧縮行程後期におけるピストン250の摺動面上の点U、点Lに相当する部位でのシリンダボア211との局所的な接触を起点とした片当り摩耗を防止できる。
加えて、クランクシャフト209が左に傾斜するのに対し、ピストン250が水平に維持されることで、コンロッド230の小端孔231とピストンピン214間、及び大端孔233と偏心部208間に接触が生じる可能性があるが、ピストンピン214や偏心部208を形成する鉄系材料に対し、耐摩耗性の観点から相性の良いアルミ系材料でコンロッド230を形成することで、摩耗を回避している。
続いて、図8は、圧縮機を側面から見て、偏心部208を左側、ピストン250、シリンダボア211を右側とした状態である。尚、矢印285はピストン250の進行方向を示している。
吸入行程前期では、ピストン250における主軸部側の側面270とシリンダボア211間の流体摩擦による摺動抵抗F4が、反主軸部側の側面260とシリンダボア211間の流体摩擦による摺動抵抗F3よりも大きくなり、左回りの回転モーメント286が発生する。
一方で、左回りの回転モーメント286の作用を受けてピストン250は左に傾斜しようとするが、その都度、反主軸部側の側面260とシリンダボア211間の隙間288がピストントップ側252に近づくほど小さくなる、いわゆるくさび形を呈するとともに、ステップ289におけるオイル202の堰き止め作用により、油膜圧力が効果的に発生する。その結果、左回りの回転モーメント286とは反対向きの右回りの回転モーメント287が発生する。その結果、右回りの回転モーメント287が大きくなることで、左回りの回転モーメント286と釣り合わせることができる。
従って、右回りの回転モーメント287は、左回りの回転モーメント286を相殺することで、ピストン250に働く回転モーメントが消滅するので、ピストン250のシリンダボア211内での左の傾斜をなくすことができ、ピストン250のシリンダボア211内での姿勢が水平に維持される。これにより、吸入行程前期におけるピストン250の摺動面上の点U、点Lに相当する部位でのシリンダボア211との局所的な接触を起点とした片当り摩耗を防止できる。
発明者らの検討結果によれば、本実施の形態により、ピストン250の表面において、シリンダボア211との片当りによる摩耗が殆ど無くなるとともに、特に低速運転時の圧縮機の性能値に関し、従来に比べて、それらの平均値が高くなり、かつばらつきの幅が30%以上小さくなることを圧縮機を用いた実機試験にて確認している。
以上のように、本実施の形態により、ピストン250とシリンダボア211の片当り摩耗を防止するとともに、特に、低速運転時の圧縮機の高効率化と性能安定化も可能であり、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することができる。
加えて、本実施の形態によれば、ピストン250の側面に非摺動部290を凹設したことで、凹設した部分におけるピストン250とシリンダボア211間の流体摩擦による摺動抵抗が低減できるので、圧縮機の入力を低く抑えて、消費電力量を低減することができる。
また、本実施の形態によれば、非摺動部290は、ピストン250の側面に、ピストントップ側252およびピストンスカート側253を摺動面として残して形成したことで、ピストン250の摺動面の最終仕上げにおいて、センターレス研磨加工が可能であり、大掛かりな設備は必要ないので生産性が高い。
また、本実施の形態において、ピストン250の主軸部側の側面270の摺動部長さの和と、反主軸部側の側面260の長さの和との比率、及びそれに付随する非摺動部290の往復方向の長さは、システムサイドから要求される回転周波数や圧力条件によって適性化を図ることができる。
(実施の形態3)
図9は本発明の実施の形態3における圧縮機の縦断面図、図10は同実施の形態における圧縮機の平面断面図、図11は同実施の形態のピストンの斜視図、図12は同実施の形態のピストンをピストンスカート側から見た底面図、図13は同実施の形態のピストンの圧縮行程後期の挙動を示す特性図、図14は同実施の形態のピストンの吸入行程前期の挙動を示す特性図である。
密閉容器301には、冷媒315としてイソブタン(R600a)を充填するとともに、オイル302として比較的低粘度の鉱油を貯留している。
電動要素305は、ブロック312の下方に固定されインバータ駆動回路(図示せず)とつながっている固定子303と、永久磁石を内蔵し主軸部307の下方に固定された回転子304から構成され、インバータ駆動用の電動モータを形成しており、インバータ駆動回路によって、商用電源周波数を下回る運転周波数(例えば、1500r/min)を含む複数の運転周波数で駆動される。
圧縮要素306について、以下に説明する。
鉛直方向に延在したクランクシャフト309は、主軸部307及び偏心部308から構成されており、スパイラル溝317を介して偏心部308の上端に連通するオイルポンプ320を内蔵するとともに、下端はオイル302中に開口している。軸受部313は、主軸部307を回転自在に軸支している。軸受部313と主軸部307の軸クリアランス307aは10〜20μmである。また、ブロック312は、圧縮室310を形成するシリンダボア311を有している。
ピストン350は、シリンダボア311に往復可動に挿入されている。ピストンピン314は、略円筒形状をなし、偏心部308と平行に配置され、ピストン350に形成されたピストンピン孔351に係止されている。コンロッド330は、偏心部308が挿入される大端孔333と、ピストンピン314が挿入される小端孔331と、偏心部308とピストンピン314を介してピストン350を連結するロッド部332を備えている。
また、ピストン350は、圧縮機の上方から、クランクシャフト309を手前にして見た時、ピストンの中心軸350aを鉛直に切断する面より右側を圧縮負荷側、左側を反圧縮負荷側として、圧縮負荷側の摺動面354と反圧縮負荷側の摺動面355がピストン350の往復方向に形成されるように非摺動部390が凹設されている。加えて、圧縮機を側面から見た時、ピストンの中心軸350aを含みピストンピンの中心軸314aに垂直な平面350bに対して、反主軸部側の非摺動部390aの幅Haを主軸部側の非摺動部390bの幅Hbよりも広く形成することにより、主軸部側の側面370の摺動面積を反主軸部側の側面360の摺動面積よりも大きくしている。
また、圧縮要素306を構成する上述の摺動部品の多くは、鋳鉄、焼結、あるいは炭素鋼などの鉄系材料で形成されている。但し、コンロッド330に関しては、耐摩耗性の観点から相手側の鉄系材料と相性が良い、即ち凝着摩耗が発生し難いとされるアルミ系材料、例えばアルミダイカストで形成されている。
以上のように構成された圧縮機について、その動作を説明する。
電動要素305に通電がなされると、圧縮機を上方から見て回転子304が右回り(時計回り)に回転し、これに伴ってクランクシャフト309が回転する。偏心部308の回転運動が、コンロッド330とピストンピン314を通してピストン350に伝えられ、コンロッド330はピストンピン314に対し揺動し、ピストン350はシリンダボア311を往復運動する。このピストン350の往復運動により、密閉容器301内の冷媒315は、圧縮室310内に吸引された後に圧縮されて、密閉容器301外へと繰り返し吐出される。
一方、クランクシャフト309の回転に伴って、オイルポンプ320によってオイル302は吸引され、スパイラル溝317から上方へ導かれ、偏心部308の上端から噴射されたオイル302が、コンロッド330の小端孔331とピストンピン314の摺動部や、ピストン350とシリンダボア311の摺動部の潤滑に寄与する。
次に、ピストン350の姿勢が悪くなると思われる圧縮行程後期、及び吸入行程前期における本実施の形態の圧縮機のピストン350の挙動について、以下、図13、図14に基づいて説明する。
図13は、圧縮機を側面から見て、偏心部308を左側、ピストン350、シリンダボア311を右側とした状態である。尚、矢印380はピストン350の進行方向を示している。
圧縮行程後期では、ピストン350に圧縮圧力Pがかかることから、クランクシャフト309の主軸部307が、軸受部313内にて主軸クリアランス307aに相当する分だけ傾斜することで、ピストン350の図中のU点には矢印に示す左回りの強い回転モーメント381が発生する。一方、ピストン350における主軸部側の側面370とシリンダボア311間の摺動抵抗F2が、反主軸部側の側面360とシリンダボア311間の摺動抵抗F1よりも大きくなり、その結果、左回りの回転モーメント381とは反対向きの右回りの回転モーメント382が発生する。
通常、従来のように、ピストン350の主軸部側の側面370の摺動面積と、反主軸部側の側面360の摺動面積が同じ場合、左回りの回転モーメント381が右回りの回転モーメント382よりも顕著に大きくなることで、ピストン350には最終的に左回りの回転モーメントが働くために、ピストン350はシリンダボア311内で左に、即ちピストントップ側352が上方、ピストンスカート側353が下方となるような傾斜した状態となり、ピストン350の摺動面上の点U、点Lに相当する部位においてシリンダボア311と接触して摩耗が発生していたと考えられる。
しかしながら、本実施の形態では、ピストン350における主軸部側の側面370の摺動面積を反主軸部側の側面360の摺動面積よりも大きくすることで、主軸部側の側面370とシリンダボア311間の流体摩擦による摺動抵抗F2が、反主軸部側の側面360とシリンダボア311間の流体摩擦による摺動抵抗F1よりも大きくなり、その結果として、右回りの回転モーメント382が大きくなることで、左回りの回転モーメント381と釣り合わせることができる。
従って、右回りの回転モーメント382は、左回りの回転モーメント381を相殺することで、ピストン350に働く回転モーメントが消滅するので、ピストン350のシリンダボア311内での左の傾斜をなくすことができ、ピストン350のシリンダボア311内での姿勢が水平に維持される。これにより、圧縮行程後期におけるピストン350の摺動面上の点U、点Lに相当する部位でのシリンダボア311との局所的な接触を起点とした片当り摩耗を防止できる。
加えて、クランクシャフト309が左に傾斜するのに対し、ピストン350が水平に維持されることで、コンロッド330の小端孔331とピストンピン314間、及び大端孔333と偏心部308間に接触が生じる可能性があるが、ピストンピン314や偏心部308を形成する鉄系材料に対し、耐摩耗性の観点から相性の良いアルミ系材料でコンロッド330を形成することで、摩耗を回避している。
続いて、図14は、圧縮機を側面から見て、偏心部308を左側、ピストン350、シリンダボア311を右側とした状態である。尚、矢印385はピストン350の進行方向を示している。
吸入行程前期では、ピストン350における主軸部側の側面370とシリンダボア311間の流体摩擦による摺動抵抗F4が、反主軸部側の側面360とシリンダボア311間の流体摩擦による摺動抵抗F3よりも大きくなり、左回りの回転モーメント386が発生する。
一方で、左回りの回転モーメント386の作用を受けてピストン350は左に傾斜しようとするが、その都度、反主軸部側の側面360とシリンダボア311間の隙間388がピストントップ側352に近づくほど小さくなる、いわゆるくさび形を呈するとともに、ステップ389におけるオイル302の堰き止め作用により、油膜圧力が効果的に発生する。その結果、左回りの回転モーメント386とは反対向きの右回りの回転モーメント387が発生する。その結果、右回りの回転モーメント387が大きくなることで、左回りの回転モーメント386と釣り合わせることができる。
従って、右回りの回転モーメント387は、左回りの回転モーメント386を相殺することで、ピストン350に働く回転モーメントが消滅するので、ピストン350のシリンダボア311内での左の傾斜をなくすことができ、ピストン350のシリンダボア311内での姿勢が水平に維持される。これにより、吸入行程前期におけるピストン350の摺動面上の点U、点Lに相当する部位でのシリンダボア211との局所的な接触を起点とした片当り摩耗を防止できる。
発明者らの検討結果によれば、本実施の形態により、ピストン250の表面において、シリンダボア211との片当りによる摩耗が殆ど無くなるとともに、特に低速運転時の圧縮機の性能値に関し、従来に比べて、それらの平均値が高くなり、かつばらつきの幅が40%以上小さくなることを圧縮機を用いた実機試験にて確認している。
以上のように、本実施の形態により、ピストン350とシリンダボア311の片当り摩耗を防止するとともに、特に、低速運転時の圧縮機の高効率化と性能安定化も可能であり、信頼性が高く、安価な圧縮機を提供することができる。
加えて、本実施の形態によれば、圧縮負荷側の摺動面354が非摺動部390にて分割されないことで、高圧冷媒やシステムでの圧縮機の使用条件により、圧縮室310内の圧縮圧力が比較的高くなる場合であっても、圧縮負荷側の摺動面354とシリンダボア311との間の油膜が切れ難くなり、ピストン350とシリンダボア311との金属接触による摩耗を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、ピストン350の側面に非摺動部390を凹設したことで、凹設した部分におけるピストン350とシリンダボア311間の流体摩擦による摺動抵抗が低減できるので、圧縮機の入力を低く抑えて、消費電力量を低減することができる。
尚、本実施の形態において、ピストン350の反主軸部側の非摺動部390aの幅Haと主軸部側の非摺動部390bの幅Hbの比率Ha/Hbは、システムサイドから要求される回転周波数や圧力条件によって適性化を図ることができる。
以上のように、本発明にかかる圧縮機は信頼性が高いため、家庭用冷蔵庫を初めとして、除湿機やショーケース、自販機等の冷凍サイクルを用いたあらゆる用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1のピストンを側方から見た斜視図 本発明の実施の形態1のピストンの圧縮行程後期の挙動を示す特性図 本発明の実施の形態1のピストンの吸入行程前期の挙動を示す特性図 本発明の実施の形態2における圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態2のピストンを側方から見た斜視図 本発明の実施の形態2のピストンの圧縮行程後期の挙動を示す特性図 本発明の実施の形態2のピストンの吸入行程前期の挙動を示す特性図 本発明の実施の形態3における圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態3における圧縮機の平面断面図 本発明の実施の形態3のピストンの斜視図 本発明の実施の形態3のピストンをピストンスカート側から見た底面図 本発明の実施の形態3のピストンの圧縮行程後期の挙動を示す特性図 本発明の実施の形態3のピストンの吸入行程前期の挙動を示す特性図 従来の圧縮機の縦断面図 従来のピストンの斜視図 従来のシリンダボアとピストンの構成断面図
符号の説明
101,201,301 密閉容器
102,202,302 オイル
106,206,306 圧縮要素
107,207,307 主軸部
108,208,308 偏心部
109,209,309 クランクシャフト
111,211,311 シリンダボア
112,212,312 ブロック
113,213,313 軸受部
114,214,314 ピストンピン
114a,214a,314a ピストンピンの中心軸
115,215,315 冷媒
130,230,333 コンロッド
150,250,350 ピストン
150a,250a,350a ピストンの中心軸
150b,250b,350b 平面
152,252,352 ピストントップ側
153,253,353 ピストンスカート側
160,260,360 反主軸部側の側面
170,270,370 主軸部側の側面
290,390 非摺動部
354 圧縮負荷側の摺動面
355 反圧縮負荷側の摺動面
390a 反主軸部側の非摺動部
390b 主軸部側の非摺動部

Claims (6)

  1. 密閉容器内にオイルを貯溜するとともに冷媒を圧縮する圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、略鉛直方向に配設され主軸部および偏心部を有するクランクシャフトと、前記クランクシャフトを支持する軸受部と、シリンダボアを形成するブロックと、前記シリンダボア内を往復動するピストンと、前記ピストンに中心軸が前記偏心部と平行となるよう配設されたピストンピンと、前記偏心部と前記ピストンピンを連結するコンロッドとを備え、前記ピストンの中心軸を含み前記ピストンピンの中心軸に垂直な平面に対して前記ピストンの主軸部側の摺動面積を反主軸部側の摺動面積より大きくした圧縮機。
  2. ピストンの主軸部側の側面の長さを、反主軸部側よりも長くした請求項1に記載の圧縮機。
  3. ピストンの側面に非摺動部を凹設した請求項1に記載の圧縮機。
  4. 非摺動部は、ピストンの側面に、少なくともピストントップ側およびピストンスカート側を各々摺動面として残して形成された請求項3に記載の圧縮機。
  5. 非摺動部は、ピストンの側面に、圧縮負荷側および反圧縮負荷側を各々摺動面として、前記ピストンの側面の往復方向に残して形成されるとともに、前記ピストンの反主軸部側の非摺動部の幅を主軸部側の非摺動部よりも広く形成した請求項3に記載の圧縮機。
  6. 少なくとも商用電源周波数未満の周波数を含む運転周波数にて運転される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧縮機。
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