JP2007131951A - 耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハロゲン化合物を含む環境などの腐食作用による損傷が少なく、かつ、その腐食生成物が環境汚染原因となって、半導体加工装置の品質低下、生産コストの増大を招くことのない各種半導体装置用溶射皮膜被覆部材を得る。
【解決手段】基材の表面に形成したAl23、Y23またはAl23−Y23複酸化物などからなる溶射皮膜の表面を、電子ビーム照射処理によって、パーティクル等の付着、堆積特性に優れ、その再飛散を有効に防止できる耐プラズマエロージョン性に優れた部材とその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体加工プロセスにおける薄膜形成装置やプラズマ処理装置などで用いられる部材とその製造方法に関し、とくにハロゲン化合物を含む環境でプラズマ加工処理時に用いられる容器用部材、例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、化学蒸着、レーザ精密加工、プラズマスパッタリングなどに使用される容器用部材などとして用いられる耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材とその製造方法に関するものである。
本発明に係る溶射皮膜被覆部材は、耐プラズマエロージョン性に優れる他、優れたパーティクルの付着、堆積機能および再飛散防止機能が求められる半導体加工処理装置用部材の他、半導体の精密加工部材あるいはこれらの装置の構造部材(加工室の壁面)などの分野での利用が可能である。
半導体加工プロセスでは、金属や金属酸化物、窒化物、炭化物、硼化物、珪化物などの薄膜を形成する工程がある。これらの工程では、真空蒸着法、イオンプレーティング、スパッタリング、プラズマCVDなどの薄膜形成装置が使用されている(例えば、特許文献1)。
これらの装置によって薄膜を形成する場合、上記装置に用いられている各種の治具や部材の表面にも、薄膜材料が付着する。治具や装置部材への薄膜材料の付着は、その量が少ない場合には問題となることが少ない。しかし、最近、薄膜形成処理時間が長くなるに従って、治具や部材表面へのパーティクルの付着量が増加する一方、操業時の温度変化や治具や部材に対する機械的負荷が変動することが多くなってきた。その結果、薄膜形成処理中に治具や部材表面に付着していた薄膜を主成分とするパーティクルの一部が、剥離して飛散し、それが半導体ウエハに付着して製品の品質を悪くするという問題がある。
従来、上記のような装置に用いられている各種部材について、その表面に付着した薄膜形成用粒子の剥離を防止する技術として、以下に述べるような方法が提案されている。
例えば、特許文献2および3では、治具や部材の表面をサンドブラストし、ホーニングやニッティングなどを行って表面を粗面化し、このことによって、有効表面積を増加させて、付着した薄膜粒子が剥離飛散しないようにする技術が開示されている。
特許文献4では、治具や部材の表面に、5mm以下の間隔で周期的にU溝やV溝を設けて、薄膜粒子の剥離を抑制する技術を開示している。
特許文献5および6には、部材の表面にTiN皮膜を形成させるか、さらにAlまたはAl合金の溶融めっき被覆を形成する技術が開示され、また、特許文献7では、TiとCu材料を用いて溶射皮膜を形成した後、HNO3によってCuのみを溶解除去することによって、多孔質で比表面積の大きい表面構造として、薄膜形成作業時間の延長を可能とする一方、付着した薄膜粒子の飛散を抑制する技術が開示されている。
発明者の一人もまた、特許文献8において、金属部材の表面に金網を密着させた状態で金属を溶射するか、または金属を溶射した後、その上に金網を密着させた状態で再び金属を溶射し、その後、金網を引き剥がすことによって、溶射皮膜の表面に格子状の凹凸を形成することによって、比表面積の拡大を図り、薄膜粒子の多量付着を可能とする技術を提案した。
しかしながら、最近の半導体の加工は、一段と高精度となり、それに伴なって加工環境の清浄度は従来以上に厳しくなっている。特に、半導体の加工を、ハロゲンガスやハロゲン化合物ガス中でプラズマスパッタリング処理することによって行う場合、この処理に用いる装置内に配設されている部材や治具の表面に生じる腐食生成物、あるいはスパッタリング現象によって部材表面から発生する微細なパーティクル対策が必要となってきた。
すなわち、半導体の加工プロセスでは、薄膜の形成プロセルにおける薄膜粒子の再飛散が問題であり、また、プラズマエッチングプロセスでは、エッチングが半導体の加工のみならず、その周辺部材にも及んで微細なパーティクル発生させることから、これが半導体製品の品質に影響することが指摘されている。その対策としては、特許文献9に開示されているように、石英を基材とし、この表面粗さを3〜18μmとし、その上に直接Al23、TiO2の溶射皮膜を形成すると共に、この溶射皮膜表面を、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)で0.1未満の負の値を示す粗面を推奨している。
その他、特許文献10〜13には、パーティクルの付着や堆積容量の増大を図る技術が開示されており、また、付着物の膜を分割する凹部凸部を設けて飛散を少なくする技術が特許文献14に見られる。
特開昭50−75370号公報 特開昭58−202535号公報 特公平7−35568号公報 特開平3−247769号公報 特開平4−202660号公報 特開平7−102366号公報 特開平6−220618号公報 特許第3076768号 特表2004−522281号公報 特開2000−191370号公報 特開平11−345780公報 特開2000−72529号公報 特開平10−330971号公報 特開2000−228398号公報 特開平10−4083号公報 特開2001−164354号公報
半導体加工プロセスにおける従来技術には、次に示すような課題がある。
(1)薄膜成形プロセスにおける課題
(a)薄膜形成プロセスにおける治具や装置部材に対する薄膜粒子の付着とその飛散現象を防止のための特許文献1〜8に開示された技術、すなわち、薄膜粒子の付着面積を各種の手段によって拡大する方法は、薄膜形成作業の長時間操業と、それによる生産効率の向上に一定の効果は認められるものの、最終的には付着堆積した薄膜粒子が再飛散するので、根本的な解決策にはなり得ない。
(b)多量の薄膜粒子が付着堆積した治具や装置部材の表面に形成または処理されている表面処理膜は、金属質の膜であるため、酸やアルカリによって薄膜粒子を除去する際に、同時に溶解し、そのため再生して使用できる回数が少なく、製品のコストアップ原因となっている。
(c)従来技術における薄膜粒子の付着堆積面積の拡大策は、単に面積の拡大のみを目的としており、付着堆積した薄膜粒子の飛散を防止する方法についての提案でない。
(2)プラズマエッチングプロセスにおける課題
プラズマエッチングプロセスで使用される治具や装置部材における対策技術は、特許文献9に開示されているように、石英基材の表面にAl23、TiO2の溶射皮膜を形成するとともに、その溶射皮膜の表面粗さをRsk(粗さ曲線のスキューネス)の0.1未満の負の値に制御することによって、スパッタリング現象によって発生する微細なパーティクルを、この粗さ曲線を有する皮膜表面で受けとめることを提案している。しかし、この技術が開示しているTiO2は、ハロゲンガスを含むプラズマエッチング加工環境では、自らが腐食されたりエッチングされて、却って汚染源となってパーティクルを多量に発生する。一方、Al23の溶射皮膜は、TiO2皮膜に比較すると、耐食性、耐プラズマエッチング性に優れているものの、寿命が短く、また、Rsk:0.1未満の負の値を示す表面形状は、環境汚染物質の付着・堆積量が少なく、短時間内に飽和するため、その残りがパーティクルの発生源となる欠点がある。また、この表面形状の凸部は、面積が大きく、凸部に多量のパーティクルが堆積しやすいうえ、再飛散しやすい幾何学的形状を呈している問題がある。
特許文献15に開示されているように、耐プラズマエロージョン材料として、Y23の単結晶を適用する技術は、これを皮膜化することが困難であるため用途が限定され、また、Y23の溶射皮膜を提案する特許文献16の技術は、耐プラズマエロージョン性には優れているものの、環境汚染パーティクルの付着・堆積に関しては検討していない。
本発明の目的は、耐プラズマエロージョン特性に優れる他、プラズマ処理雰囲気の汚染原因となるパーティクル類の付着−堆積による無害化に優れる他、再飛散の防止に有効な溶射皮膜表面構造を提案することにある。
本発明の他の目的は、ハロゲンガスを含む腐食環境における半導体加工精度を高めると共に、長期に亘って安定して加工ができる他、半導体製品の品質の向上とコスト低減に効果のある溶射皮膜被覆部材とその製造方法を提案するところにある。
本発明は、従来技術が抱えている上記した課題を次に示すような技術的手段によって解決するものである。
(1)即ち、本発明は、基材と、その基材表面を覆うセラミック溶射皮膜とからなり、その溶射皮膜は、該皮膜表面の高さ方向の粗さ曲線の中心線より上部に位置する針状凸部のみを電子ビーム照射に伴う溶融−凝固によって台形状凸部にすると共に、高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)が正の値を示す表面形状とした構造からなる電子ビーム照射層であることを特徴とする耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材である。
(2)また、本発明は、基材の表面に、金属質アンダーコートが形成され、その上にセラミック溶射皮膜のトップコートが形成され、そのトップコートのセラミック溶射皮膜は、該皮膜表面の高さ方向の粗さ曲線の中心線より上部に位置する針状凸部のみを電子ビーム照射に伴う溶融−凝固によって台形状凸部にすると共に、高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)が正の値を示す表面形状とした構造からなる電子ビーム照射層であることを特徴とする耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材を提案する。
(3)さらに、本発明は、基材の表面に直接、または該基材の表面にまず金属質アンダーコートを施した後、その上にトップコートとして、粒径5〜80μmのセラミックからなる溶射粉末材料を溶射してセラミック溶射皮膜を形成し、そのセラミック溶射皮膜の表面を電子ビーム照射処理することにより、該皮膜の最表層部に、高さ方向の粗さ曲線の中心線より上部に位置する針状凸部のみを電子ビーム照射に伴う溶融−凝固によって台形状凸部にすると共に、高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)が正の値を示す表面形状とした構造からなる電子ビーム照射層を、形成することを特徴とする耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材の製造方法を提案する。
なお、本発明(1)、(2)、(3)において、前記電子ビーム照射層を形造るセラミック溶射皮膜は、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物からなる酸化物セラミック溶射皮膜であること、前記セラミック溶射皮膜は50〜2000μmの厚さを有すること、そして、前記電子ビーム照射層は、溶射セラミック粒子の結晶構造を変化させた層であることが有効な手段となり得る。
本発明に係る溶射皮膜被覆部材は、優れた耐プラズマエロージョン性を有することから、自らが雰囲気汚染原因であるパーティクルの発生源となることもなく、しかも、皮膜表面により多くのパーティクル類を吸着し堆積量を増加させて無害化させる特性に優れるだけでなく、付着、堆積したパーティクル類の再飛散を防止する作用にも優れている。
さらに、本発明の部材を採用すると、高い環境清浄度が要求されると同時に、ハロゲン化合物を含む厳しい腐食環境で行われる半導体加工製品の加工精度を高めることができる。しかも、このような部材を用いると、長期間にわたる連続操業が可能となり、精密加工される半導体製品の品質の向上および製品コストの低減が可能である。
本発明の好適実施形態の一例として、以下に、薄膜形成プロセスやプラズマエッチングプロセスなどのプロセスにおいて用いられる装置の部材に対し、その表面にセラミック(以下、「酸化物セラミックス」の例で述べる)溶射皮膜を形成する例について説明する。
(1)酸化物セラミック溶射皮膜の形成
基材の表面に直接、または該基材表面に形成した金属質アンダーコートの上にトップコートとして、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物からなる酸化物セラミックスの溶射皮膜を、50〜2000μmの厚さに形成する。この溶射皮膜の膜厚が50μmより薄いと、トップコートとしての寿命が短くなり、一方、2000μmより厚いと、溶射成膜時に発生する熱収縮に起因する残留応力が大きくなって、皮膜の耐衝撃性や基材との密着力が低下する。
また、これらの酸化物セラミック溶射皮膜の形成に用いる溶射粉末材料は、5〜80μmの粒径のものがよく、粒径が5μmより小さいと、溶射ガンへの連続かつ均等な供給が困難であるため、皮膜の厚さが不均等になり易く、一方、粒径が80μmより大きいと、溶射熱源中で完全に溶融することなく、いわゆる未溶融状態で皮膜を形成することになるため、緻密な溶射皮膜の形成が困難となる。
基材表面に、酸化物セラミック溶射皮膜からなるトップコートの形成に先駆けて形成する金属質アンダーコートは、Niおよびその合金、Moおよびその合金、Alおよびその合金、Mg合金などが好適である。この皮膜の膜厚は50〜500μmの範囲がよい。その理由は、膜厚が50μmより薄いと基材の保護が十分でなく、一方、膜厚が500μmよりも厚いと、アンダーコートとしての作用効果が飽和するので経済的でない。
前記基材は、AlおよびAl合金、TiおよびTi合金、ステンレス鋼、Ni基合金などの金属のほか、石英、ガラス、プラスチック(高分子材料)、焼結部材(酸化物、炭化物、硼化物、珪化物、窒化物およびこれらの混合物)、またはこれたの基材表面にめっき膜や蒸着膜を形成したものが用いられる。
本発明において、基材の表面に、前記酸化物セラミック溶射皮膜(トップコート)として、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物のいずれかを溶射する理由は、これらの酸化物セラミックは、耐食性や耐プラズマエロージョン性が、他の酸化物セラミック、例えば、TiO2、MgO、ZrO2、NiO、Cr23などに比較して優れているからである。
基材表面に形成するトップコートやアンダーコートは、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、水プラズマ溶射法、高速および低速フレーム溶射法あるいは爆発溶射法を採用して形成することが好ましい。
(2)酸化物セラミック溶射皮膜の表面形状(最適粗さ)
本発明において、基材表面に直接、または金属質アンダーコートを施工した上に形成される前記酸化物セラミック溶射皮膜は、その表面形状、即ち、表面粗さ、とくに高さ方向の粗さ曲線を、以下に述べるようにする。
一般に、半導体装置、例えば、プラズマ処理装置に用いられる治具等の部材は、表面積の大きいものが用いられる。その理由は、薄膜粒子やプラズマエッチングによって処理雰囲気内に発生するパーティクルなどの環境汚染物質を、なるべく多く、この部材表面に付着(吸着)させると同時に、その堆積状態を永く維持させるためであり、そして、この付着、堆積した環境汚染物質が基材表面から再飛散することを防止するためである。
本発明では、このような目的の下で、基材表面にトップコートとして形成する溶射皮膜の表面形状、即ち、この皮膜の表面粗さ曲線について、皮膜厚み(高さ)方向のゆがみを示す粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)で特定することにした。即ち、このスキューネス値(Rsk)が正の値を示す粗化面とすることによって、環境汚染物(含むプラズマエッチング時に発生するパーティクル)の付着量、堆積量の増加を図るとともに、これらが再飛散して半導体加工製品の品質を低下させることがないようにした。
なお、本発明において、酸化物セラミック溶射皮膜の表面形状を特定する手段として、JIS B0601(2001)の幾何特性仕様、表面性状:輪郭曲線方式、用語・定義および表面性状パラメータにおいて規定されているスキューネス値(Rsk)に着目することにした理由は以下のとおりである。
このスキューネス値は、図1に示すように、山(凸部)に対して谷(凹部)の部分が、広い粗さ曲線では、確率密度関数が谷の方へ偏った分布となる。この場合のスキューネス値Rskは正の値を示す。Rskが正側に大きいほど確率密度関数が谷側に片寄り、例えば、環境汚染物質が谷に付着しやすく、堆積しやすいものとなる。
なお、このRskは、基準長(lr)における高さ(Z(x))の三乗平均を二乗平均率方根の三乗(Rq3)で割ったものと定義されている。

Figure 2007131951
ところで、特許文献9で開示されているような、Rsk<0の表面粗さでは、薄膜粒子やプラズマエッチング現象によって発生する環境汚染原因のパーティクルなどを付着、収納堆積する凹部面積が小さいうえ、凹部の間隔が狭いため、少し大き目のパーティクルなどがこの凹部の表面を覆うと、パーティクルの収納効率が著しく低下する一方、そのパーティクルの再飛散が容易となる欠点がある。
これに対して、本発明のように、前記スキューネス値が係るRsk>0の場合は、図1(a)に示すとおり、表面粗さの凹部面積(三次元的には体積)が大きく、薄膜粒子やパーティクルの付着量や堆積量を大きくすることができる。また、凸部が鋭角の針状となっているので、パーティクルを凹部内に導入しやすい形状になっていることがわかる。しかも、一旦、凹凸内に収納したパーティクルが飛散しにくい形状でもある。
なお、上記のスキューネス値(Rsk)の正の値を示す割合と、負の値を示す割合とは、正の値を示す割合が80%以上になることが、上述した作用・効果を得る上で望ましい。それは、負の値を示す割合が多くなる程、薄膜粒子やパーティクルの付着量、堆積量が少なくなるからである。なお、このスキューネス値の制御は、溶射粉末材料の粒径制御や溶射条件、具体的には、プラズマ用ガスとしてArとH2の混合ガスを用い、溶射角度を基材に対して、90°〜55°で施工すると、安定した上記表面形状の皮膜が得られる。
さらに詳しく説明すると、溶射皮膜の上述した表面形状、即ち、所定の粗さ曲線をもつ粗化面を有する皮膜にするためには、粒径5〜80μmのセラミック粉末を数万個単位で、連続して熱源中へ供給することによって実現する。この場合、すべての溶射粉末材料が温度の高い熱源の中心部(フレーム中)に位置するものだけでなく、比較的温度の低い熱源の周辺部(フレーム外)に分布するものもあり、また、溶射粉末粒子がたとえ熱源の中心部を飛行したとしても、粒径の大、小によって加熱溶融の度合いに差が生じる。溶射皮膜は、このような熱履歴と粒子径の異なるセラミック粒子から構成されているため、結果的には扁平度の異なる粒子が無秩序に堆積することとなる。従って、溶射皮膜の表面粗さは、このような不均等な粒子が堆積した結果、形成されるものであり、所定の溶射条件の下で、溶射粉末材料として5〜80μmの粒径の酸化物セラミック溶射粉末材料を溶射すると、上述した粗さ曲線スキューネス値が主として(≧80%)正の値を示すように制御できる。
上記した溶射皮膜表面のRsk>0で表示される表面粗さは、図1に示すように、凸部形状が鋭く針状となっているので、プラズマエッチング環境では凸部が優先的にスパッタリングされて耐プラズマエロージョン特性が悪くなるおそれが生じる。そこで、本発明では、プラズマエロージョン特性を改善するために、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物の溶射皮膜の表面を、電子ビーム照射処理して溶射粒子を溶融−凝固させ、該溶射皮膜の最表層(0.5〜5μm)の部分を、即ち、前記粗さ曲線で示されるスキューネス値の中心線より上の針状凸部の形状を、図2に示すように、台形状の凸部に変化させることとした。
前記酸化物セラミック溶射皮膜の表面を電子ビーム照射すると、照射部は一段と優れた雰囲気内汚染を招くパーティクルの発生を抑制するとともに付着容量、堆積容量を低下させずに、一方で、それの再飛散を抑制することができ、このことにより溶射皮膜自体が良好な耐プラズマエロージョン効果を示すようになる。従って、溶射皮膜は、電子ビーム照射されると、自らがこのことにより環境汚染パーティクルの発生源となっている従来技術の欠点が解消される。
図1に示すRsk>0の表面形状を有する溶射皮膜を電子ビーム照射すると、粗さ曲線の針状凸部の部分にビームエネルギーが集中し、この部分が優先的に溶融して、初期の鋭角的な針状の凸部が丸味を帯びた台形状の凸部に変化する。電子ビーム照射の効果が高さ方向の表面粗さ曲線の中心線の位置で止まるようにすると、粗さ曲線の中心部より低い位置に存在している開口の大きい凹部の方は、電子ビーム照射の影響を受けないので、多量の環境汚染パーティクルを付着、堆積させるための形状をそのまま維持することができる。
即ち、溶射皮膜の表面を電子ビーム照射処理を行うと、スキューネス値がRsk>0の粗さ曲線をもつ表面形状の針状凸部の部分のみが溶融して台形状に変化するので、プラズマエロージョンの作用を受けて環境汚染原因となる微細なパーティクルそのものの生成、飛散を防ぐことができる。一方、中心線以下の凹部の形状は、そのまま維持させることができる。なお、電子ビーム照射の効果を、表面粗さ曲線の中心線以下まで及ぶようにすると、パーティクルの多量付着と堆積に適した凹部までが、溶融して、皮膜全体が平滑状態となって、溶射皮膜特有の凹凸を有効利用できなくなる。
また、酸化物セラミック溶射皮膜の表面を電子ビーム照射すると、前記酸化物セラミックス、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物粒子の結晶構造が変化し、電子ビーム照射前の皮膜に比較して、耐プラズマエロージョン性を向上させることができる。この効果は溶射皮膜がプラズマエロージョンの作用を受けて、自らが環境汚染パーティクルの発生源となる欠点を補うこととなる。
酸化物セラミック溶射皮膜の表面に電子ビーム照射を行った場合、皮膜成分である溶射セラミック粒子の結晶構造は、発明者らが知見したところによると、より安定化する方向に変化する。即ち、Al23の場合、皮膜溶射後の結晶構造は、γ相であるが、電子ビーム照射後はα相に変化し、Y23の結晶構造は、立方晶、単斜晶から立方晶に、またAl23−Y23複酸化物は上記Al23、Y23単独の変化を併せもつように結晶構造が変化し、その何れの変化においても、耐プラズマエロージョン性が向上する。
なお、所定のスキューネス値(Rsk)の針状凸部を台形状凸部に変えるためには、電子ビーム照射条件として、溶射皮膜(50〜2000μm)の厚みに応じ、しかもスキューネス値Rskの中心線より上の部分を溶融させるための方法として、下記のような条件の範囲で照射出力および照射回数を制御することが推奨される。
照射雰囲気 : 10〜0.005PaのArガス
照射出力 : 10〜10KeV
照射速度 : 1〜20m/s
上記照射条件以外の照射条件を採用する他の方法として、電子銃によって電子ビームを発生させたり、また、照射雰囲気を減圧中や減圧された不活性ガス中で行うことによっても、照射層の微調整が可能である。
本発明において、酸化セラミック溶射皮膜の表面に電子ビーム照射処理を施す意義とその利点を列挙すると次のとおりである。
a.酸化物セラミック溶射皮膜であれば、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物のようなこれらの複酸化物に限らず、例えば、3Al23・2SiO2、ZrO2、Cr23などの全てのセラミック溶射皮膜にも適用が可能であるので、その用途は頗る広い。
b.溶射皮膜表面の高さ方向の粗さ曲線(スキューネス値)の形状に関係なく、それぞれの粗さ曲線の凸部の部分に、電子ビーム照射処理を行うので、皮膜全体の物理、化学的性質に影響を与えることがない。
c.電子ビーム照射された溶射皮膜表面の凸部では、局部的な溶融−凝固反応によって、鋭利な形状の針状凸部が丸味を帯びた台形状の凸部形状に変化するので、プラズマエッチング作用を受け難くなるとともに、その結晶構造もより安定なものに変化するため、結晶構造レベルから改質かつ長寿命化させることができる。
d.電子ビーム照射部分が溶射皮膜表面最表層の凸部のみに限定されているので、粗さ曲線の中心線以下の凹部の形状の特徴、具体的には、Rsk>0で表示される粗さ曲線の凹部形状のような環境汚染パーティクルを多量に堆積できる形状、その特性をそのまま維持することができる。
e.電子ビーム照射された溶射皮膜表面の凸部は、溶融−凝固反応に伴う結晶構造変化などの効果によって、耐プラズマエロージョン性が向上し、自らが環境汚染原因となるパーティクルの発生源とはならないので、高度を環境清浄度を維持して、半導体の精密加工作業を円滑に行うことができる。
(実施例1)
この実施例では、SUS304基材(寸法:幅40mm×長さ50mm×厚さ7mm)の表面に直接、プラズマ溶射法によって、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物の皮膜を、120μmの厚さに形成した後、その表面を、((株)東京精密製SURFCOM1400D−13の粗さ測定器を用いて、皮膜表面の高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値を測定することによって、それぞれ電子ビーム照射したものと、無照射の試験片を準備した。
これらの試験片をプラズマ照射出力80Wの反応性プラズマエッチング装置によって、次に示す項目について調査した。
(1)プラズマエッチング性
プラズマエッチング装置内にCF4ガス(60ml/min)とO2ガス(2ml/min)の混合ガスを流しつつ、供試溶射皮膜の表面を800分間エッチングし、その後、皮膜表面を電子顕微鏡により観察して、耐プラズマエッチング性を評価した。
(2)パーティクルの堆積状況の調査
環境汚染パーティクルの発生源として、プラズマエッチングされ易いSiO2溶射皮膜を別途準備し、この皮膜をプラズマエッチングすることによって、環境汚染パーティクルと見做し、プラズマエッチング装置内に取付けた。供試溶射皮膜表面へのパーティクルの付着堆積状況を電子顕微鏡によって観察評価した。
(3)環境汚染パーティクルの再飛散調査
(2)の評価試験片を用い、不活性ガス(Ar)の雰囲気中で、試験片を300℃×15分加熱した後、室温に冷却する操作を1サイクルとし、これを10サイクル繰返した後の溶射皮膜表面を電子顕微鏡を用いて観察し、付着していたパーティクルの残存状態を調査することによって実施した。
表1は、以上の結果を要約したものである。耐プラズマエッチング性に関しては、電子ビーム照射したAl23、Y23およびAl23−Y23複酸化物皮膜は、その表面粗さ曲線の形状が、無照射の皮膜に比較してすべて良好な耐プラズマエッチング性を発揮した。具体的には、電子ビーム照射処理を受けていないRsk>0のY23皮膜(No.4)、Al23−Y23複酸化物皮膜(No.6)ではAl23皮膜に比較するとかなり良好な耐プラズマエロージョン性を発揮している。しかし、この皮膜に対しても電子ビーム照射によって、一段と耐プラズマエロージョン性の向上が得られる。
次に、パーティクルの堆積状況を見ると、粗さ曲線の凸部形状が鋭く、凹部容量の大きいRsk>0皮膜が、皮膜材料の種類に関係なく、多量のパーティクルの堆積が認められ、皮膜表面の形状効果が最も大きな要因であることが窺がえる。しかし、電子ビーム照射しても(No.1、3、5)パーティクルの堆積拡大効果が認められるので、試験片の表面に付着堆積したパーティクルの再飛散の程度を、環境温度の変化に伴う基材金属および酸化物セラミック皮膜の膨張・収縮挙動によって調査した結果、電子ビーム照射の有無に関係なく、皮膜表面の粗さ曲線のスキューネス値がRsk>0の皮膜では再飛散が少ないことが判明した。Rsk>0の皮膜を電子ビーム照射(No.1、3、5)しても、パーティクルの再飛散効果が低下しないのは、粗さ曲線の凸部のみが照射され、パーティクルの堆積容量の大きい凹部形状には影響を与えないことに起因するものと思われる。
以上の結果を総合すると、酸化物セラミック溶射皮膜表面の粗さ曲線の形状が、Rsk>0に対して、電子ビーム照射の効果が認められ、この照射処理によってAl23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物皮膜の耐プラズマエロージョン性が向上し、自らがパーティクルの発生源となる欠点を解決できることが窺がえる。
Figure 2007131951
(実施例2)
この実施例では、Al基材(寸法:幅30mm×長さ50mm×厚さ5mm)の表面に、アンダーコートとして80mass%Ni−20mass%Crを80μm、その上にトップコートとしてAl23、Y23またはAl33−Y23複酸化物の皮膜を250μm、それぞれプラズマ溶射法によって形成した。その後、この溶射皮膜の表面を、前記粗さ計を用いて、粗さ曲面のRsk値を測定し、それぞれ電子ビーム照射処理を行った。
これらの溶射皮膜試験片を下記の条件でプラズマエッチングを行い、エッチング作用によって削られて飛散するパーティクル粒子数を、同じチャンバー内に配設した直径3インチのシリコンウエハーの表面に付着する粒子数によって比較した。なお、付着する粒子数は表面検査装置(拡大鏡)によって調査し、概ね0.2μm以上の粒子を対象として行った。
(1)雰囲気ガス条件
CHF380:O2100:Ar160(数字は1分間当りの流量cm3
(2)プラズマ照射出力
高周波電力:1300W
圧力 :4Pa
温度 :60℃
この実験では、比較例として、電子ビーム照射のない皮膜のほか、TiO2および8mass%Y23−92mass%ZrO2の酸化物セラミック皮膜を同じ条件で試験した。
表2は、この実験の結果を示すものである。この結果から明らかなように、比較例のTiO2(No.8)は1.8時間また8mass%Y23−92mass%ZrO2(No.10)では3.2時間のプラズマ照射試験によって、パーティクル管理値の30個を超え、耐プラズマエロージョン性に乏しいことが認められた。これに対し、本発明に適合するAl23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物皮膜では、比較例の皮膜に比較すると、優れた耐プラズマエロージョン性を示すことがわかる。特に、電子ビーム照射した皮膜(No.1、3、5)は、電子ビーム照射しない皮膜(No.2、4、6)に比較して、一段と優れた耐プラズマエロージョン性を示した。
以上の結果から、電子ビーム照射処理は、溶射皮膜の状態(as Spayed)で、ある程度の耐プラズマエロージョン性を有している皮膜に対し、特に有効であり、また、皮膜表面の粗さ曲線の形状(Rsk<0)にも大きな影響を受けず効果的な処理方法であることがみとめられた。
Figure 2007131951
(実施例3)
この実施例では、実施例2の耐プラズマエロ−ジョン試験に提供した全試験片について、熱衝撃試験を実施した。即ち、実施例2の試験に提供した溶射皮膜試験片は、ハロゲンガスを含む腐食性の環境中でプラズマエロージョン試験を受けており、この期間中に、トップコートの気孔を通して腐食性のハロゲンガスが皮膜内部へ侵入し、アンダーコート腐食し、トップコートが剥離しやすくなっている可能性を有するものである。
熱衝撃試験は、300℃の電気炉に15分間放置して加熱後、これを24℃の空気中で20分間冷却する操作を1サイクルとして、10サイクル繰返した後、トップコートの変化を目視観察した。この結果、表2記載の全溶射試験片のトップコートには割れや皮膜の剥離はなく、良好な耐熱衝撃性を保持していることが確認された。
本発明の技術は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、化学蒸着、レーザ精密加工、プラズマスパッタリングなどに使用される真空容器用部材などの半導体加工装置、薄膜形成装置などの技術分野において用いられる部材としての適用が可能である。
この溶射皮膜表面の高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)を示す模式図である。 電子ビーム照射処理後の溶射皮膜表面の粗さ曲線の模式図である。図面中の斜線部は電子ビーム照射によって溶融−凝固した部分を示す。

Claims (9)

  1. 基材と、その基材表面を覆うセラミック溶射皮膜とからなり、その溶射皮膜は、該皮膜表面の高さ方向の粗さ曲線の中心線より上部に位置する針状凸部のみを電子ビーム照射に伴う溶融−凝固によって台形状凸部にすると共に、高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)が正の値を示す表面形状とした構造からなる電子ビーム照射層であることを特徴とする耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材。
  2. 基材の表面に、金属質アンダーコートが形成され、その上にセラミック溶射皮膜のトップコートが形成され、そのトップコートのセラミック溶射皮膜は、該皮膜表面の高さ方向の粗さ曲線の中心線より上部に位置する針状凸部のみを電子ビーム照射に伴う溶融−凝固によって台形状凸部にすると共に、高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)が正の値を示す表面形状とした構造からなる電子ビーム照射層であることを特徴とする耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材。
  3. 前記セラミック溶射皮膜は、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物からなる酸化物セラミック溶射皮膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材。
  4. 前記セラミック溶射皮膜は、50〜2000μmの厚さを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材。
  5. 前記電子ビーム照射層は、溶射セラミック粒子の結晶構造を変化させた層からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材。
  6. 基材の表面に直接、または該基材の表面にまず金属質アンダーコートを施した後、その上にトップコートとして、粒径5〜80μmのセラミックからなる溶射粉末材料を溶射してセラミック溶射皮膜を形成し、そのセラミック溶射皮膜の表面を電子ビーム照射処理することにより、該皮膜の最表層部に、高さ方向の粗さ曲線の中心線より上部に位置する針状凸部のみを電子ビーム照射に伴う溶融−凝固によって台形状凸部にすると共に、高さ方向の粗さ曲線のスキューネス値(Rsk)が正の値を示す表面形状とした構造からなる電子ビーム照射層を、形成することを特徴とする耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材の製造方法。
  7. 前記セラミック溶射皮膜は、Al23、Y23あるいはAl23−Y23複酸化物からなる酸化物セラミック溶射皮膜であることを特徴とする請求項6に記載の耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材の製造方法。
  8. 前記セラミック溶射皮膜は、50〜2000μmの厚さを有することを特徴とする請求項6または7に記載の耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材の製造方法。
  9. 前記電子ビーム照射層は、溶射セラミック粒子の結晶構造を変化させた層からなることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材の製造方法。
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