JPH09216075A - 金属部材の表面仕上方法及びそれにより得られる金属部材 - Google Patents

金属部材の表面仕上方法及びそれにより得られる金属部材

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JPH09216075A
JPH09216075A JP8044107A JP4410796A JPH09216075A JP H09216075 A JPH09216075 A JP H09216075A JP 8044107 A JP8044107 A JP 8044107A JP 4410796 A JP4410796 A JP 4410796A JP H09216075 A JPH09216075 A JP H09216075A
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三千男 丸木
Takao Taniguchi
孝男 谷口
Yoshi Watanabe
好 渡辺
Koji Obayashi
巧治 大林
Naohisa Momiyama
尚久 樅山
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Aisin AW Co Ltd
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K15/00Electron-beam welding or cutting
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/06Surface hardening
    • C21D1/09Surface hardening by direct application of electrical or wave energy; by particle radiation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属部材の表面を高い処理能率で平滑に仕上
げることができる管理が容易な表面仕上手段を確立し、
高性能表面仕上部材を提供する。 【構成】 高密度エネルギ−ビ−ム照射によって金属部
材の被処理部を表層のみが溶融した状態となし、続いて
該部分を再凝固させる。また、この場合、 a) 表層の溶
融部が全溶融層とこれに隣接する不完全溶融層とで構成
された状態になるようにする, b) 照射するエネルギ−
ビ−ムを複数箇所に分配し、複数箇所の被処理部表層が
同時に溶融状態となるようにする, c) 溶融部の再凝固
を自然放冷によって行う,等の手立てを講じるのが好ま
しい。これにより、表面粗さが高度に改善されて平滑化
し、例えば耐摩耗面等として優れた性能を発揮する部材
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属部材の表面仕上
方法(表面粗さ改善方法)並びにそれによって得られる
金属部材に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来から、金属部材の表面粗
さを改善して平滑化するための表面仕上方法としては、
研磨紙や磨き粉等によって部材表面に存在する凸部を削
るように研磨仕上する“表面研磨”や、ロ−ラによって
部材表面に存在する凸部を押し潰すように仕上げる“バ
−ニシング”や、金属製等のブラシによって部材表面に
存在する凸部を丸めるように仕上げる“バフ掛け”等の
手段が知られている。
【0003】しかしながら、これらの表面仕上方法は部
材表面に存在する凸部を機械的手段によって除去するも
のであり、化学研磨等と比較すれば能率の良い処理方法
であるとされているものの、それでも処理時間の更なる
短縮化が強く望まれる状況となっている。また、これら
機械的な表面仕上方法では、研磨紙,ロ−ラ,ブラシ等
といった工具の寿命管理も重要で、これらを適時に交換
して加工精度の維持を図らなければならないといった面
倒な配慮が欠かせなかった。そのため、量産部材に対し
ては、より高能率で管理の容易な表面仕上手段の開発が
必要であると考えられた。
【0004】このようなことから、本発明が目的とした
のは、金属部材の表面を高い処理能率で平滑に仕上げる
ことができ、かつ処理設備や工程の管理が容易な表面仕
上方法を確立すると共に、それによって優れた機能を有
せしめられた表面仕上金属部材を提供することであっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、次のような知見を
得ることができた。 a) 鋼等の鉄系金属あるいはアルミニウムやアルミニウ
ム合金等の非鉄金属で構成された部材の表面に短時間の
高密度エネルギ−ビ−ム照射(電子ビ−ム照射,レ−ザ
ビ−ム照射等)を行い、その後に該高密度エネルギ−ビ
−ムの照射を停止すると、まず高密度エネルギ−ビ−ム
の照射部位表層が局部的に溶融状態となった後、直ちに
自己放冷によって凝固するが、この溶融時に重力や表面
張力の作用等によって該部位の表面粗さが速やかに改善
され、次いでその状態のままで凝固がなされるので、格
別な工具を要することなく極めて短時間に表面の平滑化
が達成される。
【0006】b) この場合、高密度エネルギ−ビ−ム照
射の出力や時間の調整等によって前記表層の溶融部が全
溶融層とこれに隣接する半溶融層とで構成された状態に
なるようにすると、溶融・凝固部に生じがちな波打ち状
の平滑不良をも安定して抑えることが可能となる。
【0007】c) 更に、高密度エネルギ−ビ−ム照射を
行う際、照射するエネルギ−ビ−ムを分配して(例えば
偏向レンズで偏向させて)複数箇所がほぼ同時に照射を
受けるように図れば、複数箇所の処理を一操作で容易に
行うことができる。
【0008】d) また、上記表層の溶融・凝固処理が施
された金属部材の処理面は、表面粗さの改善によって摩
擦係数が減少し、優れた耐摩耗面となる。
【0009】本発明は上記知見事項等を基になされたも
のであり、金属部材の表面仕上方法に係る本発明は「被
処理金属部材の表面に高密度エネルギ−ビ−ム照射を行
うことによって該照射部の表層のみを溶融状態となし、
続いて該部分を再凝固させることで、 表面粗さが改善さ
れて平滑な表面部位を備えた金属部材の提供を可能にし
た点」に大きな特徴を有している。
【0010】なお、この場合、表層の溶融部が全溶融層
とこれに隣接する半溶融層とで構成された状態になるよ
うにすると、ややもすると溶融・凝固部に生じがちな波
打ち状の平滑不良が抑えられるので好ましいことは前述
した通りである。しかも、これらの場合、照射するエネ
ルギ−ビ−ムを複数箇所に分配し、複数箇所の処理部表
層が同時に溶融状態となるようにすれば、複数箇所の処
理を一操作で行えるので処理サイクル時間の更なる短縮
が可能となる。
【0011】ところで、溶融部の再凝固は、表面精度の
確保のためには自然放冷が好ましいが、ガス冷却等の気
体による強制冷却を施しても良い。
【0012】一方、表面仕上金属部材に係る本発明は
「表面仕上金属部材を、 表層のみが溶融して凝固した平
滑部を備えて成る如くに構成した点」に大きな特徴を有
している。ここで、金属部材の種類としては、鋼等の鉄
系金属製やアルミニウム又はアルミニウム合金あるいは
その他の非鉄金属製の何れであっても構わない。
【0013】
【作用及び発明の効果】金属部材の表面処理方法に係る
本発明は、前述した如く、被処理金属部材の表面に高密
度エネルギ−ビ−ム照射を行うことによって該照射部の
表層のみを溶融状態となし、続いて該部分を再凝固させ
ることを特徴としているが、金属部材の表面に電子ビ−
ム(EB)やレ−ザビ−ム等の高密度エネルギ−ビ−ム
を照射すると、金属部材表層部を局部的にかつ極く浅い
範囲で短時間(例えば0.05秒以内といったような殆ど瞬
時)に溶融状態とすることができる。この時、溶融部位
には、重力や表面張力の作用等によって非常に平滑な表
面が確保される。
【0014】そして、この状態で高密度エネルギ−ビ−
ムの照射位置をずらすと、上記溶融層は極く薄いために
母材部(非溶融部)への抜熱速度が速く、強制冷却を行
わなくても溶融層は自然放冷によって平滑性を保ったま
まで直ちに凝固する。なお、溶融部の再凝固は、表面精
度の確保のためには自然放冷が好ましいが、熱歪による
反りが懸念されるような肉厚の薄い部材等ではガス冷却
といった気体等による強制冷却を施して溶融層の更なる
薄肉化を図っても良い。
【0015】しかし、本発明の処理では、殆どの場合は
自然放冷であっても瞬時の溶融・再凝固となるので部分
的な熱の蓄積が少なく、そのため被処理部材の形状精度
に対する影響は殆どない。従って、本発明の方法による
と、部材の形状精度に悪影響を及ぼすことなく部分的あ
るいは全表面の表面粗さを改善することができる。
【0016】また、本発明に係る表面仕上方法を実施す
る際、高密度エネルギ−ビ−ム照射条件の調整(出力を
低減して照射時間を多少長くする等)などによって金属
部材表層に形成させる局部的溶融層を“全溶融層”とこ
の下に隣接する“不完全溶融層”とで構成された状態に
制御した場合には、この状態から自己放冷等による冷却
がなされると前記不完全溶融層の部位が緩衝材の役割を
担って発生する歪を吸収するためと考えられるが、やや
もすると被処理部(溶融凝固部)の表面に生じがちな
“波打ち状の平滑不良”も安定して防止される。なお、
前記不完全溶融層は、処理後の部材の断面観察によって
確認することができる。
【0017】ところで、電子ビ−ム等の高密度エネルギ
−ビ−ムは偏向レンズ等を使えば照射箇所を複数箇所に
分配させ得ることが知られている。従って、前述した本
発明に係る表面仕上方法を実施するに際し、高密度エネ
ルギ−ビ−ムを分配して被処理部表層の複数箇所を同時
に溶融状態とすることもできる。そして、このようにす
れば複数領域の処理を一操作で実施することができ、処
理能率が一層高まる。また、この場合、熱伝導によって
被熱処理部材が広範囲にわたって温度上昇することがな
いので、正確な範囲で複数部分の表面平滑化を同時に行
うことが可能である。
【0018】このように、本発明に係る表面仕上方法は
短時間で済むので処理の能率化につながる上、高精度の
平滑処理面を得ることができ、しかも研磨紙やロ−ラ等
の工具が不要であることからこれら工具の寿命管理とい
った厄介な問題からも開放される。
【0019】そして、表面仕上金属部材に係る本発明の
特徴点は「金属部材を表層のみが溶融して凝固した平滑
部を備えて成る構成としたこと」にあるが、そのため本
発明に係る表面処理鋼部材では“溶融・再凝固がなされ
た表層部”は表面粗さが改善されて高度に平滑化されて
おり、従って該部位は摩擦係数が低くて優れた耐摩耗性
を示すので、この面を耐摩耗面として使用する機械部品
等に適用すると非常に効果的である。
【0020】続いて、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【実施例】図1は、丸盆形状の立上がり部(フランジ
部)外側面を本発明方法で表面仕上するために準備した
装置の一例を示すものである。この表面仕上装置におい
て、符号1は密封構造を有する真空加工室ケース、2は
該真空加工室ケース1によって包囲された真空加工室、
3は該真空加工室2内に真空を形成するための真空排気
系である。前記真空加工室2内には、被処理物支持軸4
が軸芯回りに回転自在に配設され、前記真空加工室ケー
ス1の外に配設されたモータ5によって回転させられ
る。
【0021】また、前記真空加工室ケース1には、ビー
ム管6が接続され、該ビーム管6の一端に電子ビームガ
ン7が配設される。そして、該電子ビームガン7の下流
側に、電子ビームガン7において発生させられた電子ビ
ームBMを集束させる集束レンズ8が配設される。また、
前記電子ビームガン7には高電圧電源9が接続され、前
記集束レンズ8にはEB集束・偏向制御装置10が接続さ
れるとともに、前記真空排気系3,モ−タ5,高電圧電
源9及びEB集束・偏向制御装置9を総合制御装置11に
よって制御することができるようになっている。
【0022】次に、上記表面仕上装置を使い、低炭素鋼
製の被処理物(プレス成形した丸盆形状材)についてそ
の立上がり部外側面の表面仕上(粗さ改善)を実施し
た。なお、図2は、処理対象とした丸盆形状材(被処理
物)の形状説明図である。ここで、表面仕上は、表面仕
上装置の被加工物支持軸4上に中心を合わせて丸盆形状
の鋼部材を支持し、これを中心軸回りに回転させつつ立
上がり部外側面に電子ビームBM(出力:4.6KW)を照射
する手法で行われた。この時、電子ビーム照射面(被処
理物の立上がり部外側面)の回転による移動速度は16.7
m/minに調整された。
【0023】さて、丸盆形状鋼部材の被処理部に電子ビ
ーム照射がなされると該部位の表層は1500℃以上の
溶融温度に加熱されて溶融するが、丸盆形状鋼部材が回
転しているために電子ビーム照射部位は円周方向の隣接
位置へ連続的に移動する。そのため、表層溶融部の熱が
急速(殆ど瞬時)に母材部へ奪われて凝固する。
【0024】このようにして溶融・再凝固がなされた処
理部位の表面を調査したところ、表層が一旦溶融した後
に凝固しているため、溶融時における重力や表面張力等
の作用により表面の粗さが著しく改善されたものとなっ
ていた。しかも、被処理物には、熱歪等による変形や処
理部表面の波打ち等の発生は皆無であった。ところで、
図3は本発明法による前記丸盆形状鋼部材の処理部位と
非処理部位との表面粗さ(Rz)を比較したグラフである
が、この図3からも、本発明法に従って処理された部位
では表面粗さが顕著に改善されて平滑化していることを
確認できる。また、この平滑化された処理部は著しく低
い摩擦係数を示すので、該部位を耐摩耗面として活用す
れば優れた効果が得られることも確認された。
【0025】なお、図4はこの表面仕上部材の処理部断
面に係るミクロ組織を示したものであるが、図4から
は、“全溶融層”と、該全溶融層に隣接した溶融部と溶
融しない加熱部とが混在する“不完全溶融層”とを確認
することができる。
【0026】一方、図5に示すのは、本発明方法で表面
仕上するために準備した別の装置の例であり、同時に並
行して複数箇所を表面仕上するためのものである。な
お、図5においては、表面仕上装置の構成部材のうち図
1で示したものと共通するものについては同一の符号を
付した。
【0027】この表面仕上装置と図1で示した装置との
最も特徴的な相違点は、図5で示す装置では、電子ビー
ムガン7の下流側に集束レンズ8に加えて電子ビームBM
を偏向して照射位置を変える偏向レンズ12が配設され、
また集束レンズ8と偏向レンズ12にはEB集束・偏向制
御装置13が接続されている点である。そのため、この図
5で示した表面仕上装置では、電子ビームガン7から発
射された電子ビームBMを偏向レンズ12によって偏向させ
て照射箇所を任意に変更することができるので、同時に
並行して複数箇所を表面仕上することができる。
【0028】図6は、前記丸盆形状の被処理物の2つの
表面仕上領域を説明したものであって、被処理物の平板
部14及び立上がり部15に設定される処理領域AR1, AR2
何れも丸盆形状被処理物の全周にわたっている。この2
つの処理領域を同時に並行して処理するためには、図7
で示すように電子ビームBMを偏向させれば良い。
【0029】即ち、図7は、上記2つの処理領域を同時
に並行して処理する場合の電子ビームの照射状態を示し
ており、前述した電子ビームガン7からの電子ビームBM
は図示を省略した偏向レンズによって偏向され、処理領
域AR1, AR2へ交互に照射されている。そして、このよう
な手法によって処理領域AR1, AR2は同時に並行して処理
され、表面の仕上げがなされる。
【0030】この時における電子ビームBMの照射部軌跡
の1例を図8に示す。図8に示す例では、電子ビームBM
は2つの円偏向軌跡C1,C2に従って照射される。この場
合、各円偏向軌跡C1,C2によってそれぞれ処理領域AR1,
AR2に電子ビームBMが照射され、その間中、被処理物た
る丸盆形状部材はその中心軸回りに回転させられる。従
って、処理領域AR1, AR2における電子ビームBMの軌跡は
矢印H方向に移動する。
【0031】なお、各円偏向軌跡C1,C2は、x軸方向及
びy軸方向において正弦波の偏向波形を発生させ、その
偏向の組合せによって形成される。また、各円偏向軌跡
C1,C2を切り換え、処理領域AR1, AR2において交互に電
子ビームBMを照射するために図9で示すような偏向波形
1 が発生させられ、該偏向波形w1 と前記y軸方向に
おける偏向波形とが重ねられる。従って、電圧VE が正
の値を採る時間t1 の間に熱処理領域AR1 に電子ビーム
BMが照射され、電圧VE が負の値を採る時間t2 の間に
熱処理領域AR2 に電子ビームBMが照射される。
【0032】この場合、既に述べたように、熱伝導によ
る“被処理物の広範囲にわたっての温度上昇”はないの
で各処理領域AR1, AR2間の熱的な干渉がなく、意図しな
い部位の溶融等は起きることがない。また、複数の処理
領域AR1, AR2に同時に仕上を施すことができるので処理
時間を短縮することもできる。
【0033】ところで、上述のような本発明法は、トル
クコンバ−タのロックアップクラッチピストンやオイル
ポンププレ−ト等の表層部を全部又は部分的に平滑化す
る必要がある金属部材であれば金属の種類や形状・寸法
を問うことなく何れのものであっても適用できることは
言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施するための表面仕上装置例の説
明図である。
【図2】実施例で適用した被処理物(丸盆形状の鋼製部
材)の形状説明図である。
【図3】“表面仕上部”と“表面仕上を施さない部位”
との表面粗さ(Rz)を比較したグラフである。
【図4】表面仕上部材の処理部断面の金属組織写真図で
ある。
【図5】本発明法を実施する表面仕上装置の別例に係る
説明図である。
【図6】2領域を並行して処理した例での処理領域の説
明図である。
【図7】2領域に並行して電子ビーム照射している状態
を示す図である。
【図8】電子ビームの照射部軌跡の1例に関する説明図
である。
【図9】電子ビーム照射の偏向波形例を示す図である。
【符号の説明】
1 真空加工室ケ−ス 2 真空加工室 3 真空排気系 4 被処理物支持軸 5 モ−タ 6 ビ−ム管 7 電子ビ−ムガン 8 集束レンズ 9 高電圧電源 10 EB集束制御装置 11 総合制御装置 12 偏向レンズ 13 EB集束・偏向制御装置 14 平板部 15 立上がり部 AR1 被処理領域 AR2 被処理領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大林 巧治 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 樅山 尚久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理金属部材の表面に高密度エネルギ
    −ビ−ム照射を行うことによって該照射部の表層のみを
    溶融状態となし、続いて該部分を再凝固させることを特
    徴とする、金属部材の表面仕上方法。
  2. 【請求項2】 溶融部が全溶融層とこれに隣接する不完
    全溶融層とで構成された状態とする、請求項1に記載の
    金属部材の表面仕上方法。
  3. 【請求項3】 照射するエネルギ−ビ−ムを複数箇所に
    分配し、複数箇所の被処理部表層を同時に溶融状態とす
    る、請求項1及び2の何れかに記載の金属部材の表面仕
    上方法。
  4. 【請求項4】 溶融部の再凝固を自然放冷によって行
    う、請求項1乃至3の何れかに記載の金属部材の表面仕
    上方法。
  5. 【請求項5】 表層のみが溶融して凝固した平滑部を備
    えて成る、表面仕上金属部材。
  6. 【請求項6】 溶融して凝固した表層を耐摩耗面として
    使用するための、請求項5に記載の表面仕上金属部材。
JP8044107A 1996-02-06 1996-02-06 金属部材の表面仕上方法及びそれにより得られる金属部材 Pending JPH09216075A (ja)

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