JP2007131764A - クロロプレンゴム接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性およびタック性を両立するとともに、接着性に優れ且つホルムアルデヒドを放散しないクロロプレンゴム接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】二価金属の弱酸塩の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、クロロプレンゴム及び有機溶媒を含有するクロロプレンゴム接着剤組成物である。上記ノボラック型フェノール樹脂は、クロロプレンゴム100質量部に対して1〜100質量部配合されることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、クロロプレンゴム接着剤組成物に関するものである。詳細には、車両、家電及び建築等の分野で用いられるクロロプレンゴム接着剤組成物に関するものである。
熱反応性レゾール型フェノール樹脂及び塩基性金属酸化物をクロロプレンゴムに加えたクロロプレンゴム接着剤組成物は、接着性と共に耐熱性にも優れていることから、工業的に有用であることが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。このような優れた耐熱性は、キレートを形成し得る熱反応性レゾール型フェノール樹脂のメチロール基、ジメチレンエーテル基及びフェノール性水酸基と、塩基性金属酸化物との錯体によりもたらされると考えられている。このため、現在、耐熱性が求められるクロロプレンゴム接着剤組成物には、メチロール基、ジメチレンエーテル基及びフェノール性水酸基を多く有する熱反応性レゾール型フェノール樹脂が使用されている。
ところが、耐熱性の高いクロロプレンゴム接着剤組成物ほどタック性が低くなる傾向があるため、初期接着力が必要な用途あるいは冬場などの低温環境下では、このような接着剤組成物は十分な性能を発揮することができないという問題がある。そこで、メチロール基、ジメチロール基、ジメチレンエーテル基の含有量の低い熱反応性アルキルフェノール樹脂(例えば、昭和高分子株式会社製 CKM−904、CKM−919など)で代用したり、クマロン・インデン樹脂、石油樹脂、ポリテルペン樹脂などの熱可塑性粘着付与樹脂を併用してタック性を向上させているが、耐熱性およびタック性を両立させたクロロプレンゴム接着剤組成物は未だ開発されていない。
一方、「シックスハウス症候群」及び「化学物質過敏症」の発生により、2003年7月に改正された建築基準法で室内中のホルムアルデヒド濃度が厳しく制限されている。このような背景から、低ホルムアルデヒド化、非ホルムアルデヒド化等の環境対応型のクロロプレンゴム接着剤組成物の開発も重要な課題となっている。
上記したような熱反応性レゾール型フェノール樹脂を含む従来のクロロプレンゴム接着剤組成物では、熱反応性レゾール型フェノール樹脂からホルムアルデヒドが徐々に放散されるという問題がある。そのため、現状では、ホルムアルデヒドキャッチャー剤を含むレゾール型フェノール樹脂(例えば、特許文献3参照)で代用したり、ホルムアルデヒドキャッチャー剤をクロロプレンゴム接着剤組成物に添加しているが、これらはホルムアルデヒド放散量を低減させているに過ぎず、ホルムアルデヒドを全く放散しないクロロプレンゴム接着剤組成物は未だ開発されていない。
特公昭46−40877号公報 特公昭54−7820号公報 特開2001−164089号公報
従って、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、耐熱性およびタック性を両立するとともに、接着性に優れ且つホルムアルデヒドを放散しないクロロプレンゴム接着剤組成物を提供することにある。
そこで、本発明者らは上記のような従来の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、意外なことに、特定の触媒存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂を、クロロプレンゴム及び有機溶媒に配合することが有効であることに想到し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、クロロプレンゴム、ノボラック型フェノール樹脂及び有機溶媒を含有するクロロプレンゴム接着剤組成物において、前記ノボラック型フェノール樹脂が、二価金属の弱酸塩の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるものであることを特徴とするものである。
本発明では、前記クロロプレンゴム100質量部に対して、前記ノボラック型フェノール樹脂を1〜100質量部含有することが好ましい。また、前記ノボラック型フェノール樹脂は300〜10000の重量平均分子量を有することが好ましい。
本発明では、前記クロロプレンゴム100質量部に対して、老化防止剤を0.1〜10質量部さらに含有してもよい。
本発明では、前記クロロプレンゴム100質量部に対して、金属酸化物、金属塩類及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つを0.1〜30質量部さらに含有することが好ましい。前記金属酸化物は、MgO又はZnOであることが好ましく、前記金属塩類は、酢酸マグネシウム又は酢酸亜鉛であることが好ましい。
本発明では、固形分が1〜90質量%であることが好ましい。
本発明によれば、耐熱性およびタック性を両立するとともに、接着性に優れ且つホルムアルデヒドを放散しないクロロプレンゴム接着剤組成物を提供することができる。
本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物は、二価金属の弱酸塩の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、クロロプレンゴム及び有機溶媒を含有することを特徴としている。このような特定のノボラック型フェノール樹脂をクロロプレンゴム接着剤組成物に配合することで、タック性を向上させつつ、優れた耐熱性および接着性を付与することができる。さらに、このノボラック型フェノール樹脂は、遊離ホルムアルデヒドを含まないので、本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物はホルムアルデヒドを放散しないという特長も有する。
本発明におけるノボラック型フェノール樹脂は、触媒である二価金属の弱酸塩の存在下で、フェノール類とアルデヒド類とを反応させることによって得ることができる。
フェノール類としては、一般的なフェノール樹脂の製造に使用されるものであればよく、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ナフトール、ナフタレンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、クロロプレンゴムとの相溶性の観点からブチルフェノール等のようなアルキルフェノールを使用することが好ましい。
アルデヒド類としては、一般的なフェノール樹脂の製造に使用されるものであればよく、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アルデヒド類の配合量は、フェノール類1モルに対して、0.1〜2.0モルであることが好ましい。フェノール類の配合量が0.1モル未満又は2.0モルを超えると、所望の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂が得られ難くなるので好ましくない。
触媒である二価金属の弱酸塩としては、Ca、Mg、Zn、Mn、Pbなどの二価金属と、酢酸、ギ酸、ホウ酸などの弱酸との塩であればよく、例えば、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸鉛、ギ酸亜鉛、ギ酸マンガン、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マンガンなどが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、触媒である二価金属の弱酸塩の使用量は、フェノール類100質量部に対して、0.1〜80質量部であることが好ましく、1〜50質量部であることがさらに好ましい。触媒の使用量が0.1質量部未満であると、所望の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂が得られ難くなり、80質量部を超えると、残存触媒の影響によって所望の接着性能が得られ難くなるので好ましくない。
フェノール類とアルデヒド類との反応は、一般的なフェノール樹脂の製造に使用される公知の方法を用いればよく、例えば、フェノール類、アルデヒド類及び二価金属の弱酸塩を一括で仕込み、所定の温度にて反応させる方法や、フェノール類及び二価金属の弱酸塩を仕込み、所定の温度にてアルデヒド類を添加して反応させる方法等を用いればよい。このときの反応温度は、50℃〜180℃であることが好ましく、80℃〜150℃であることがさらに好ましい。反応温度が50℃未満であると、反応速度が低く反応に時間が掛かり過ぎるため好ましくなく、180℃を超えると、温度制御が難くなるので好ましくない。反応時間は、特に制限されることはなく、各成分の配合量及び反応温度等に応じて適宜調整すればよい。
上記反応により得られたノボラック型フェノール樹脂は、油変性、ゴム変性等の変性をさらに行ってもよい。
このようにして得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、300〜10000であることが好ましく、300〜8000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が300未満又は10000を超えると、所望の接着性能が得られ難くなるので好ましくない。
本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物における上記ノボラック型フェノール樹脂の含有量は、クロロプレンゴム100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、10〜90質量部であることがより好ましい。前記含有量が、1質量部未満又は100質量部を超えると、所望の接着性能が得られ難くなるので好ましくない。
本発明におけるクロロプレンゴムとしては、特に限定されず、2−クロロ−1,3−ブタジエン(クロロプレン)単独で重合したものや、他の単量体と共重合したものを使用することができる。ここで、他の単量体としては、2−クロロ−1,3−ブタジエンと共重合可能なものであれば特に限定されず、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン等を、100質量部の2−クロロ−1,3−ブタジエンに対して、1〜10質量部で使用すればよい。また、重合方法は、ラジカル重合及びイオン重合等の公知の重合方法を使用すればよい。
さらに、本発明におけるクロロプレンゴムは、硬度上昇開始所要時間が50時間以下のものであることが好ましく、25時間以下のものであることがより好ましい。硬度上昇開始所要時間が50時間を超えると、所望の接着性能が得られ難くなるので好ましくない。ここで、硬度上昇開始所要時間とは、クロロプレンゴムのチップをプレスして作製した平板を70℃のオーブンに入れ、1時間保温して除晶した後、−10℃の低温恒温槽中、JIS A硬度計を用いて平板の硬度の経時変化を測定した際に、硬度が測定開始の値から10%以上上昇するまでの時間を意味する。
このようなクロロプレンゴムは、既に市販されており、Aタイプと呼ばれている接着剤用クロロプレンゴム、例えば、昭和電工株式会社製のショウプレンAD及びAC(登録商標)や、Wタイプと呼ばれている接着剤用クロロプレンゴム、例えば、昭和電工株式会社製のショウプレンW及びWHV(登録商標)等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、ショウプレンW及びWHV(登録商標)が好ましい。
本発明における有機溶媒としては、一般的なクロロプレンゴム接着剤組成物に使用されるものであればよく、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチル−1−ペンテン、酢酸エチル、アセトン並びにゴム用揮発油等を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物は、老化防止剤、金属酸化物及び金属塩類をさらに含有することもできる。
老化防止剤としては、BHT(2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等の公知のフェノール類酸化防止剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物における老化防止剤の含有量は、クロロプレンゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜7質量部であることがより好ましい。前記含有量が0.1質量部未満であると所望の老化防止効果が得られ難くなり、また10質量部を超えると所望の接着性能が得られ難くなるので好ましくない。
金属酸化物としては、MgO及びZnO等が挙げられる。また金属塩類としては、酢酸マグネシウム及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これら金属酸化物及び金属塩類を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物における金属酸化物及び金属塩類の含有量は、クロロプレンゴム100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましい。前記含有量が0.1質量部未満であると、所望の耐熱性が得られ難くなり、また30質量部を超えると所望の接着性能が得られ難くなるので好ましくない。中でも、MgOを単独で含有する場合は、クロロプレンゴム100質量部に対して、MgOを0.1〜20質量部含有することが好ましい。また、ZnO及び/又は金属塩類を含有する場合は、クロロプレンゴム100質量部に対して、ZnO及び/又は金属塩類を1〜30質量部含有することが好ましく、1〜20質量部含有することがより好ましい。
本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物の調製方法は、特に限定されることはなく、一般的なクロロプレンゴム接着剤組成物の調製方法を用いればよい。このような調製方法としては、例えば、有機溶媒にクロロプレンゴム、ノボラック型フェノール樹脂、必要に応じて老化防止剤、金属酸化物、金属塩類等を直接溶解させる方法、クロロプレンゴム、必要に応じて老化防止剤、金属酸化物、金属塩類等をロール機等で均一に混合した後に、これをノボラック型フェノール樹脂と一緒に有機溶媒に溶解させる方法等が挙げられる。
このようにして得られたクロロプレンゴム接着剤組成物の固形成分含有量は、所望の用途に応じて調製することができるが、1〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。固形成分含有量が1質量%未満であると、所望の接着性能が得られ難くなるため好ましくなく、90質量%を超えると、接着剤組成物を使用する際に所望の作業性が得られ難くなるので好ましくない。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例で得られたクロロプレンゴム接着剤組成物の特性評価は、次の測定によって行った。
(1)接着性、耐熱性およびタック性の評価
接着性及び耐熱性の評価は、JIS K−6854−1994のT型剥離接着強さ試験に準拠して行った。
(1−1)接着性
クロロプレンゴム接着剤組成物を、25×150mmの11号帆布の25×75mmの面積に、刷毛を用いて0.03g/cm塗布し、室温に1時間放置した。この操作を3回繰り返した後、室温に20分間放置し、2枚ずつ貼り合わせ、5kgのハンドロールで片道5回圧着し、恒温恒湿室(25℃、湿度60%)で1週間養生して測定用試験片を作製した。その後、テンシロンを用いて、25℃雰囲気下、200mm/minの速度でT型剥離接着強さを測定した。なお、測定は5回行い、その平均値を25℃雰囲気下における剥離強度とした。25℃雰囲気下における剥離強度が高い程、接着性に優れていることを意味する。
(1−2)耐熱性
接着性の評価で用いたものと同じ測定用試験片を、80℃雰囲気下で20分間放置後、80℃雰囲気下、200mm/minの速度でT型剥離接着強さを測定した。なお、測定は5回行い、その平均値を80℃雰囲気下における剥離強度とした。80℃雰囲気下における剥離強度が高い程、耐熱性に優れていることを意味する。
(1−3)タック性
ガラス板およびクラフト紙の表面それぞれにクロロプレンゴム接着剤組成物を250μmの厚みで塗布し、恒温恒湿室(25℃、湿度60%)に置き、10分間隔で、ガラス板にクラフト紙を貼り合せ、接着しなくなるまでの時間をタックタイムとして測定した。タックタイムが長い程、タック性に優れていることを意味する。
(2)ホルムアルデヒド放散速度評価
ホルムアルデヒド放散速度試験は、JIS A−1901−2003「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法−小形チャンバー法」に準拠して行った。
本発明におけるノボラック型フェノール樹脂(樹脂A〜D)の合成例を以下に示す。
(樹脂Aの合成)
pTBP(p−tert−ブチルフェノール) 50.0質量部、フェノール 50.0質量部、37.0質量%のホルマリン水溶液 50.0質量部及び酢酸亜鉛 5.0質量部からなる混合物を、攪拌器及び温度計を備えた四つ口フラスコに仕込み、100℃で3時間反応させた。その後、160℃で減圧脱水して、2100の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂(樹脂A) 112.4質量部を得た。
(樹脂Bの合成)
pTBP50.0 質量部、フェノール 50.0質量部、37.0質量%のホルマリン水溶液 70.0質量部及び酢酸亜鉛 5.0質量部からなる混合物を、攪拌器及び温度計を備えた四つ口フラスコに仕込み、100℃で3時間反応させた。その後、160℃で減圧脱水して、5100の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂(樹脂B) 120.9質量部を得た。
(樹脂Cの合成)
pTBP 50.0質量部、フェノール 50.0質量部、37.0質量%のホルマリン水溶液 70.0質量部及び酢酸マグネシウム 5.0質量部からなる混合物を、攪拌器及び温度計を備えた四つ口フラスコに仕込み、100℃で3時間反応させた。その後、160℃で減圧脱水して、5000の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂(樹脂C) 119.8質量部を得た。
(樹脂Dの合成)
pTBP 50.0質量部、3,5−キシレノール 50.0質量部、37.0質量%のホルマリン水溶液 50.0質量部及び酢酸亜鉛 5.0質量部からなる混合物を、攪拌器及び温度計を備えた四つ口フラスコに仕込み、100℃で3時間反応させた。その後、160℃で減圧脱水して、3020の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂(樹脂D) 113.3質量部を得た。
比較例として、ノボラック型フェノール樹脂(樹脂E、F)及びレゾール型フェノール樹脂(樹脂G)の合成例を以下に示す。
(樹脂Eの合成)
pTBP 50.0質量部、フェノール 50.0質量部、37.0質量%のホルマリン水溶液 50.0質量部及び蓚酸 2.0質量部からなる混合物を、攪拌器及び温度計を備えた四つ口フラスコに仕込み、100℃で3時間反応させた。その後、160℃で減圧脱水して、2100の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂(樹脂E) 118.5質量部を得た。
(樹脂Fの合成)
pTBP 50.0質量部、フェノール50.0質量部、37.0質量%のホルマリン水溶液 70.0質量部及び蓚酸 3.0質量部からなる混合物を、攪拌器及び温度計を備えた四つ口フラスコに仕込み、100℃で3時間反応させた。その後、160℃で減圧脱水して、5100の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂(樹脂E) 125.9質量部を得た。
(樹脂Gの合成)
pTBP 100.0質量部、37.0質量%のホルマリン水溶液 170.0質量部及び10.0質量%の苛性ソーダ水溶液 5.0質量部からなる混合物を、攪拌器及び温度計を備えた四つ口フラスコに仕込み、100℃で2時間反応させた。反応終了後、トルエン 100.0質量部及び10.0%硫酸水溶液 1.0質量部を加えて中和した後、静置し、下層の水を除去した。100.0質量部の水を更に加えて混合し、再度静置し、前と同様に下層の水を除去した。その後、100℃で減圧脱水して、2280の重量平均分子量を有するレゾール型フェノール樹脂(樹脂G) 125.9質量部を得た。
前記ノボラック型フェノール樹脂(樹脂A〜F)及びレゾール型フェノール樹脂(樹脂G)の配合組成を表1に示す。
Figure 2007131764
次に、本発明のクロロプレンゴム接着剤組成物の調製例を以下に示す。
[実施例1]
前記樹脂A 50.0質量部を、MEK 50.0質量部に溶解させ、樹脂50.0質量%の樹脂溶液1を100.0質量部得た。
クロロプレンゴム 100.0質量部(昭和電工株式会社製・ショウプレンWHV)及びBHT(大内新興化学工業株式会社製・ノクラック200) 2.0質量部を2本ロール機により60℃以下で20分間混練を行い、これをMEK 100.0質量部、酢酸エチル 150.0質量部及びシクロヘキサン 150.0質量部からなる混合溶液に溶解させて、ゴム溶液2を得た。
前記樹脂溶液1及び前記ゴム溶液2を攪拌器により均一に混合し、クロロプレンゴム接着剤組成物 602.0質量部を得た。このクロロプレンゴム接着剤組成物の固形分は25.2質量%であった。
[実施例2〜9]
実施例1と同様にして、表2に示す配合にて各樹脂溶液1及びゴム溶液2を作製し、実施例2〜9のクロロプレンゴム接着剤組成物を得た。
[比較例1]
前記樹脂E 50.0質量部を、MEK50.0質量部に溶解させ、樹脂50.0質量%の樹脂溶液1を100.0質量部得た。
クロロプレンゴム 100.0質量部(昭和電工株式会社製・ショウプレンWHV)、BHT 2.0質量部、MgO 4.0質量部(協和化学工業株式会社製・キョーワマグ150)及びZnO 5.0質量部を2本ロール機により60℃以下で20分間混練を行い、これをMEK 100.0質量部、酢酸エチル 150.0質量部、シクロヘキサン 150.0質量部からなる混合溶液に溶解させて、ゴム溶液2を得た。
前記樹脂溶液1及び前記ゴム溶液2を攪拌器により均一に混合し、クロロプレンゴム接着剤組成物 611.0質量部を得た。このクロロプレンゴム接着剤組成物の固形分は26.4質量%であった。
[比較例2]
比較例1において、樹脂Fを使用した以外は比較例1と同様の操作を行い、クロロプレンゴム接着剤組成物 611.0質量部を得た。このクロロプレンゴム接着剤組成物の固形分は26.4質量%であった。
[比較例3]
攪拌器及び温度計を備えた反応装置に、前記樹脂G 50.0質量部、トルエン 50.0質量部を仕込み、内温を50℃に昇温して溶解させた。その後、MgO(協和化学工業株式会社製・キョーワマグ150) 3.5質量部及び水 0.5質量部を加え、そのまま5時間キレート化反応を行うことによって、レゾール型フェノール樹脂のキレート化物(樹脂溶液1) 104.0質量部を得た。
ゴム溶液2は、比較例1と同様にして得た。
前記樹脂溶液1の100質量部及び前記ゴム溶液2を攪拌器により均一に混合し、クロロプレンゴム接着剤組成物 611.0質量部を得た。このクロロプレンゴム接着剤組成物の固形分は26.7質量%であった。
前記実施例1〜9及び比較例1〜3のクロロプレンゴム接着剤組成物において、各成分の含有量及び特性評価について表2に示す。
Figure 2007131764
表2に示されるように、実施例1〜9のクロロプレンゴム接着剤組成物は、比較例1および2のクロロプレンゴム接着剤組成物と同程度の接着性及び耐熱性を有するのに加え、タック性にも優れる。また、実施例1〜9のクロロプレンゴム接着剤組成物は、比較例3のロングタック用のレゾール型フェノール樹脂を用いたクロロプレンゴム接着剤組成物と比較しても、タック性及び耐熱性が向上している上に、ホルムアルデヒドを放散することがない。

Claims (8)

  1. クロロプレンゴム、ノボラック型フェノール樹脂及び有機溶媒を含有するクロロプレンゴム接着剤組成物において、
    前記ノボラック型フェノール樹脂が、二価金属の弱酸塩の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるものであることを特徴とするクロロプレンゴム接着剤組成物。
  2. 前記クロロプレンゴム100質量部に対して、前記ノボラック型フェノール樹脂を1〜100質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のクロロプレンゴム接着剤組成物。
  3. 前記ノボラック型フェノール樹脂が、300〜10000の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のクロロプレンゴム接着剤組成物。
  4. 前記クロロプレンゴム100質量部に対して、老化防止剤を0.1〜10質量部さらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のクロロプレンゴム接着剤組成物。
  5. 前記クロロプレンゴム100質量部に対して、金属酸化物、金属塩類及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つを0.1〜30質量部さらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のクロロプレンゴム接着剤組成物。
  6. 前記金属酸化物が、MgO又はZnOであることを特徴とする請求項5に記載のクロロプレンゴム接着剤組成物。
  7. 前記金属塩類が、酢酸マグネシウム又は酢酸亜鉛であることを特徴とする請求項5に記載のクロロプレンゴム接着剤組成物。
  8. 固形分が1〜90質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のクロロプレンゴム接着剤組成物。
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