JP2007131216A - ランフラットタイヤ用中子、ランフラットタイヤ及びランフラットタイヤのリム組み方法 - Google Patents

ランフラットタイヤ用中子、ランフラットタイヤ及びランフラットタイヤのリム組み方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一般のリムを使用することができ、リムへの装着作業が容易なランフラットタイヤ用中子と、その中子を備えるランフラットタイヤと、そのランフラットタイヤのリム組み方法とを提供すること。
【解決手段】リム7に装着される環状のランフラットタイヤ用中子10は、下層中子11と上層中子12とに分割されている。下層中子11は、周方向の少なくとも1箇所に形成された分割部と、リム7のリムドロップ76に沿う内周面と、リムに装着された状態でリムビードベース73よりも小径又は同径となる外周面と、リムドロップ76に落とし込まれるタイヤのビード部81、82を収容可能な切欠部15とを有し、上層中子12は下層中子11に外嵌される。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤのリムに装着され、パンク等の障害が発生した場合にタイヤを内面から支持して安全に走行可能とするランフラットタイヤ用中子と、その中子を備えるランフラットタイヤと、そのランフラットタイヤをリムに組み付ける方法とに関する。
ランフラットタイヤは、パンク等の障害によりタイヤ内圧が大きく低下した状態(ランフラット状態)において、例えば最寄りのサービス施設まで到達しうるように、ある程度の距離を安全に走行可能としたタイヤである。そのようなランフラット走行を可能にするためのタイヤ構造の1つとして、タイヤ内部にランフラットタイヤ用中子(以下、単に中子と省略する場合がある。)を装着したものが知られている。かかるタイヤ構造によれば、ランフラット状態のタイヤを中子が内面から支持することで、タイヤが完全に偏平化することなくランフラット走行が可能となる。
図13は、従来のランフラットタイヤの一例を示す断面図である。中子1は、リム7の表側のリムビードベース73と裏側のリムビードベース74との間に設けられた取付面75に装着されており、タイヤ8は、一対のビード部81、82がそれぞれリムビードベース73、74に装着されてリム7に組み付けられている。各リムビードベース73、74の外側には、リムフランジ71、72が外周側に張り出しており、リム組み時には各ビード部81、82を順次にリムフランジ71を越えさせて内側に配する必要がある。
取付面75に装着された中子1の外径は、タイヤ内径よりも大きく、ランフラット走行時にタイヤ内面に当接して必要なタイヤ外径を維持しうる寸法に設定されている。そのため、中子1をリム7に装着した後では、タイヤ8の組み付けが実質的に不可能となる。そこで、従来は、図14に示すようなタイヤの組み付けの途中段階において、リムフランジ71を越えうるように拡径した中子1を、ビード部81とリムフランジ71との狭い隙間Gを通じてタイヤ内部に挿入し、その中子1をタイヤ内部にて縮径させて取付面75に装着するようにしている。しかしながら、かかる作業は、中子が車両の荷重と走行に耐えうるだけの強度を備えることと相俟って非常に煩雑で且つ困難な作業であった。
ここで、中子を備えるランフラットタイヤの従来例として、下記特許文献1〜7に開示されるものが挙げられる。但し、下記特許文献1〜4に係るランフラットタイヤは、いずれも特殊形状のリムを使用するものであり、一般のリムに適用しうるものではない。また、下記特許文献5、6に係るランフラットタイヤが備える一体タイプの中子では、その厚みに起因して、ビード部とリムフランジとの狭い隙間を通じてタイヤ内部に挿入したり、タイヤ内部で縮径させて取付面に装着したりする作業が困難であった。
これに対して、下記特許文献7に係るランフラットタイヤは、図15に示すように中子2が内外の複数層に分割されており、各中子3、4、5が軽量で薄肉になるため、タイヤ内部への挿入が比較的容易であり、この点については作業性が良好となる。しかしながら、取付面75への装着の際、最内に配される中子5の視認が困難で位置決めが難しく、作業性が低下するという問題があった。また、この最内に配される中子5は、その外周側に配される中子3、4の締付け力により固定されるものであるため、十分な装着強度が得られない場合があり、ランフラット走行時の操縦安定性を損なうおそれがあった。
特開昭60−15207号公報 米国特許第6470934号明細書 米国特許第6505660号明細書 米国再発行特許第32693号明細書 特開2005−28888号公報 特開2005−28890号公報 特開2005−28889号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、一般のリムを使用することができ、リムへの装着作業が容易なランフラットタイヤ用中子と、その中子を備えるランフラットタイヤと、そのランフラットタイヤのリム組み方法とを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明のランフラットタイヤ用中子は、リムに装着される環状のランフラットタイヤ用中子において、周方向の少なくとも1箇所に形成された分割部と、リムのリムドロップに沿う内周面と、リムに装着された状態でリムビードベースよりも小径又は同径となる外周面と、リムドロップに落とし込まれるタイヤのビード部を収容可能な切欠部とを有する下層中子と、前記下層中子に外嵌される上層中子とを備えるものである。
本発明に係るランフラットタイヤ用中子は、内外の複数層に分割されており、内周側に配される下層中子と、その下層中子に外嵌される上層中子とを備える。下層中子は、分割部を有することにより拡径し易く、リムフランジを容易に越えてリムの外周側に配される。また、リムドロップに沿う内周面を有することにより、リムドロップを実質的に埋めるように装着され、その装着強度が好適に確保される。しかも、切欠部を有することによりリムドロップの機能を損なうことがない。
そして、本発明では、リムに装着された状態の下層中子の外周面が、リムビードベースよりも小径又は同径となるように設定されている。そのため、ランフラットタイヤのリム組み時において、下層中子を予めリムに装着しておき、その下層中子の外周側をビード部が通過するようにしてタイヤをリムの外周側に配し、下層中子をタイヤ内部に位置させることができる。その結果、ビード部とリムフランジとの狭い隙間からタイヤ内部に下層中子を挿入したり、下層中子をタイヤ内部にて縮径したりする必要がなくなり、作業性を大幅に向上することができる。
上層中子は、従来の一体タイプの中子よりも軽量で薄肉になるため、ビード部とリムフランジとの隙間からタイヤ内部に比較的容易に挿入することができ、下層中子に外嵌されて中子を構成する。以上のとおり、本発明に係るランフラットタイヤ用中子によれば、一般のリムに適用可能であるとともにリムへの装着作業が容易となる。
上記において、前記下層中子が、前記分割部を連結する連結手段を有するものが好ましく、これにより下層中子の装着強度を高めることができる。このような下層中子の分割部の連結作業は、従来のようにビード部とリムフランジとの狭い隙間を介してタイヤ内部で行う場合には非常に困難であるが、本発明によればタイヤをリムに組み付ける前に行うことができるため、作業性が非常に良好となる。なお、連結手段の具体的構成については後述する。
上記において、タイヤ幅方向に相互に係合し合う凹部及び凸部が、前記下層中子の外周面及び前記上層中子の内周面に設けられたものが好ましく、これによって、下層中子に対する上層中子のタイヤ幅方向の位置ずれを効果的に防止することができるとともに、上層中子を下層中子に外嵌する際の上層中子の位置決めが容易になる。
かかる場合においては、前記凸部が、前記下層中子の外周面に周方向に延設されるとともに、リムに装着された状態でリムビードベースよりも大径で且つリムフランジよりも小径となるものが好ましい。これにより、上層中子のタイヤ幅方向の位置ずれが周方向にわたって防止される。また、ランフラットタイヤのリム組み時においては、ビード部の部分を切欠部に収容することにより、そのビード部の他部分が凸部を容易に越え、該ビード部を下層中子の外周側を通過させることができる。
本発明に係るランフラットタイヤは、上記いずれかのランフラットタイヤ用中子を備えるものである。
本発明のランフラットタイヤのリム組み方法は、リムの一対のリムビードベースの間に環状のランフラットタイヤ用中子を装着するとともに、前記リムビードベースの各々にビード部を装着するランフラットタイヤのリム組み方法において、周方向の少なくとも1箇所に形成された分割部と、リムのリムドロップに沿う内周面とを有する下層中子をリムビードベース間に装着し、その外周面をリムビードベースよりも小径又は同径とする工程と、前記下層中子の装着前又は装着後に、片方のビード部を表側のリムフランジを越えさせてリムビードベース間に配する工程と、前記片方のビード部を、リムビードベース間に装着された前記下層中子の外周側を通過させて裏側に移動させ、前記下層中子をタイヤ内部に位置させる工程と、タイヤ内部に配した上層中子を前記下層中子に外嵌する工程とを備えるものである。
本発明に係るランフラットタイヤのリム組み方法では、リムビードベース間に装着される下層中子と、その下層中子に外嵌される上層中子とを備えて内外に分割されたランフラットタイヤ用中子が用いられる。下層中子は予めリムビードベース間に装着され、しかもその外周面がリムビードベースよりも小径又は同径とされる。また、下層中子の装着前又は装着後に、タイヤの片方のビード部が表側のリムフランジを越えさせてリムビードベース間に配される。そして、その片方のビード部を下層中子の外周側を通過させて裏側に移動させ、下層中子をタイヤ内部に位置させるようにする。そのため、タイヤのビード部とリムフランジとの狭い隙間からタイヤ内部に下層中子を挿入したり、下層中子をタイヤ内部にて縮径したりする必要がなく、作業性を大幅に向上することができる。
更に、上層中子は、従来の一体タイプの中子よりも軽量で薄肉になるため、ビード部とリムフランジとの狭い隙間からタイヤ内部に容易に挿入することができ、タイヤ内部で下層中子に外嵌されて中子を構成する。上層中子の外嵌後は、各ビード部がリムビードベースに装着されるとともに、タイヤ内部に空気が充填される。ここで、表側とは、組み付けられるタイヤのビード部がリムフランジを越える側であり、裏側はその反対側である。即ち、図14の例では、リムフランジ71及びリムビードベース73が設けられた右側が表側であり、リムフランジ72及びリムビードベース74が設けられた左側が裏側である。一般に、リムの表側は車体装着時に車両外側となる。
上記において、前記下層中子をリムビードベース間に装着する際に前記分割部を連結するものが好ましく、これにより下層中子の装着強度を高めることができる。このような下層中子の分割部の連結作業は、従来のようにビード部とリムフランジとの狭い隙間を介してタイヤ内部で行う場合には非常に困難であるが、本発明によればタイヤをリムに組み付ける前に行うことができるため、作業性が非常に良好となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るランフラットタイヤのリム装着時の状態を示す断面図である。タイヤ内部でリム7に装着された中子10の外径は、タイヤ内径よりも大きく、ランフラット走行に必要なタイヤ外径を維持しうる寸法に設定されている。ランフラット状態では、この中子10がタイヤ8を内面から支持することでランフラット走行が可能となる。
タイヤ8は、一対の環状のビード部81、82と、その各々から外周側へ延びるサイドウォール部83と、そのサイドウォール部83の各々の外周側端に連なるトレッド部84とを備える。各ビード部81、82は、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビード85を有しており、ビードトゥがハンプに係止されるようにしてリムビードベース73、74に装着されている。タイヤ内圧が正常であれば、その内圧によって各ビード部81、82がリムフランジ71、72に押圧され、タイヤ8のリム7への嵌着力が確保される。上記は一般的なタイヤ構造であり、本発明においてタイヤ8の構造は特に限定されない。
リム7は一般的なリム構造を有し、詳しくはタイヤ8のビード部81、82が装着される一対のリムビードベース73、74と、リムビードベース外側にて外周側に張り出した一対のリムフランジ71、72と、リムビードベース間に設けられた取付面75とを備える。取付面75の一部は、リム組み時にビード部が落とし込まれる小径のリムドロップ76として形成されている。図例では右側が表側であり、後述するリム組み時には、タイヤ8のビード部82、81が順次にリムフランジ71を越えてリム7の外周側に配される。なお、リム7の表側は車体装着時に車両外側となる。
中子10は内外の複数層に分割されており、内周側に配される下層中子11と、下層中子11の外周側に配される上層中子12とを備える。下層中子11は、リムドロップ76に沿う内周面を有し、リムドロップ76を実質的に埋めるようにして取付面75に装着されている。また、下層中子11の外周面は、リム7に装着された状態でリムビードベース73よりも小径又は同径となっている。本実施形態では、リムビードベース73が内側に向かって小径となるように傾斜しており、下層中子11の外周面はリムビードベース73の内側部分よりも小径になっている。
上層中子12は、タイヤ内圧が低下したときにタイヤ8のトレッド内面に当接する外周面を有し、当該外周面には必要に応じて低膨潤性の潤滑剤が塗布される。本実施形態では、下層中子11の外周面に周方向に延びる溝状の凹部13が形成されており、その凹部13に係合するリブ状の凸部14が上層中子12の内周面に形成されている。これにより下層中子11に対する上層中子12のタイヤ幅方向の位置ずれが効果的に防止される。
図2に下層中子11の平面図を示し、図3にその斜視図を示す。下層中子11は、周方向の1箇所に形成された分割部9を有しており、この分割部9を開き付勢することで下層中子11が拡径される。本実施形態では分割部9に所定の間隙が設けられているが、本発明はこれに限られるものではない。分割部9を挟む両端部の側面にはそれぞれ挿通孔16が形成されており、略コの字状の固定ピン17を挿通することにより分割部9を連結して、下層中子11の径寸法を固定することができる。下層中子11は、分割部9を連結してリム7に装着された状態において、外周面がリムビードベース73よりも小径又は同径となるように構成されている。
更に、下層中子11には、その表側の一部を切り欠いた切欠部15が形成されている。切欠部15は、後述するリム組みの際にリムドロップ76に落とし込まれるビード部を収容可能に形成されており、その底面は下層中子11の内周縁の接線方向に延びている。なお、本実施形態では切欠部15を分割部9の位置に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。
図4は、上層中子12の平面図である。本実施形態の上層中子12は、周方向の1箇所に形成された分割部18を有しており、下層中子11と同様に拡径可能に構成されているとともに、両端部の側面に形成された挿通孔19に略コの字状の固定ピン17を挿通することにより分割部18を連結して、その径寸法を固定することができる。上層中子12は、分割部18を連結した状態において、リム7に装着された下層中子11の外径よりも小さい内径を有し、下層中子11に外嵌されて下層中子11を締め付けうるように構成されている。
本実施形態の中子は本質的に可撓性材料により構成されている。可撓性材料としては、熱可塑性エラストマー及び架橋ゴム材料のいずれも使用可能である。熱可塑性エラストマーとしては、公知の熱可塑性エラストマーは限定なく使用可能であり、具体的にはポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、アイオノマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。また架橋ゴム材料を構成するゴム材料としては、天然ゴムの他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが例示される。また、可撓性材料としては、発泡弾性材料を使用してもよく、上記例示の発泡材料が使用可能である。これらの材料は必要に応じて2種以上を併用してもよく、下層中子11と上層中子12とで異なる材料を使用してもよい。
ランフラットタイヤのリム組み方法について、図5a〜5dを参照しながら説明する。まず、図5aに示すようにリム7に下層中子11を装着する。詳しくは、下層中子11の分割部9を開き付勢して拡径させ、リムフランジ71又はリムフランジ72を越えさせて、リム7の外周側に配置する。そして、適切に位置決めした状態で縮径させて取付面75に密着させ、挿通孔16に固定ピン17を挿通して固定する。下層中子11は、分割部9を挟む両端部が突き合わされた状態で又は離間した状態で固定される。この下層中子11の装着作業は、取付面75が開放された状態で行われるため作業性が良好である。下層中子11は、リムドロップ76を実質的に埋めるようにしてリム7に装着され、その外周面はリムビードベース73よりも小径又は同径となる。
次に、図5bに示すように、タイヤ8のビード部82をリムフランジ71を越えさせ、リム7の表側部分がタイヤ8に挿入された状態にする。このとき、ビード部82の部分(図5bにおける上側部分)をリムドロップ76上の切欠部15の位置に収容することで、そのビード部82の他部分(図5bにおける下側部分)がリムフランジ71を容易に越えることができる。なお、下層中子11をリム7に装着するに先立ってビード部82をリムフランジ71を越えさせ、該ビード部82をリムビードベース73上に配置した状態で、上述のように下層中子11をリム7に装着しても構わない。
続いて、ビード部82を下層中子11の外周側を通過させて裏側に移動させ、下層中子11をタイヤ内部に位置させる。既述のように下層中子11の外周面はリムビードベース73よりも小径又は同径であるため、ビード部82は下層中子11の外周側を容易に通過することができる。このとき、ビード部81とリムフランジ71との隙間からタイヤ内部に上層中子12を挿入しておき、タイヤ内部にて上層中子12を下層中子11の外周側に配置する。上層中子12は従来の一体タイプの中子に比べて軽量で薄肉であるため、かかる作業は比較的容易に行われる。
その後、図5cに示すように、上層中子12をタイヤ内部にて縮径させて固定ピン17により固定し、凸部14が凹部13に係合するようにして下層中子11に外嵌させる。本実施形態では、下層中子11の分割部9を連結して取付面75に強固に装着しているため、上層中子12を外嵌するときに下層中子11が移動したりせず、作業性が良好となる。
上層中子12を下層中子11に外嵌した後、リムビードベース73、74の各々にビード部81、82を装着するとともにタイヤ内部に空気を充填し、ランフラットタイヤのリム組みを完了する。ビード部81については、図5dに示すように、その部分(図5dにおける上側部分)をリムドロップ76上の切欠部15の位置に収容することで、そのビード部81の他部分(図5dにおける下側部分)をリムフランジ71から離反させて越えさせることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態として説明するランフラットタイヤは、第1実施形態に係るランフラットタイヤ及び中子と略同様の構成であるので、既出の部材・部位と同一の部材・部位については同一の符号を用いつつ、共通する構成の説明を省略して主に相違点について説明する。後述する第3実施形態についても同様とする。
図6は、本発明の第2実施形態に係るランフラットタイヤのリム装着時の状態を示す断面図である。図7は、下層中子の分割部を連結した状態を示す平面図であり、図8は、その下層中子の斜視図である。本実施形態では、中子20が備える下層中子21の外周面に周方向に延びるリブ状の凸部23が形成されており、その凸部23に係合する溝状の凹部24が上層中子22の内周面に形成されている。かかる構成によれば、第1実施形態に比べて上層中子22がより軽量で薄肉となるため、リム組み時において、ビード部81とリムフランジ71との隙間からタイヤ内部に上層中子22を挿入したり、上層中子22をタイヤ内部にて縮径したりする作業が容易となる。
リム組み時には、リム7に下層中子21を装着した状態で、タイヤ8のビード部82を下層中子21の外周側を通過させて裏側に移動させる際に、図9に示すようにリムドロップ76上の切欠部25の位置にビード部82の部分(図9における上側部分)を収容することで、そのビード部82の他部分(図9における下側部分)が凸部23を容易に越えることができる。凸部23は、リムフランジ71、72の外径よりも小径であることが好ましい。
下層中子21の凸部23には、その一部を切り欠いたリブ切欠部26が形成されている。これにより下層中子21の外周側をビード部82を通過させる際、ビード部82の部分を切欠部25に収容し、そのビード部82の他部分を凸部23を越えさせた状態において、それらの間の部分をリブ切欠部26に通すことができる。そして、この状態よりタイヤ8を周方向にずらすことで、ビード部82を図10に示す矢印に沿って移動させ、リブ切欠部26を通して凸部23の裏側に順次移動させることができる。かかる機能を良好に得るため、リブ切欠部26は、下層中子21の軸方向視において、切欠部25の中心からの角度θ(図7参照)が30°以内となる領域に形成されていることが好ましい。また、表側から裏側に向かって切欠部25から離れる方向に傾斜して延びるものが好ましい。
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態に係るランフラットタイヤのリム装着時の状態を示す断面図である。本実施形態では、中子30が備える下層中子31の内周面がリムドロップ76に沿いつつ取付面75の全幅にわたっており、その外周面の幅方向外側にはリムビードベース73よりも大径となる凸部34が形成されている。ランフラット走行時には、タイヤ内圧の低下に起因してビード部のリムフランジへの押圧が弱まっており、ビード部がリムビードベースから外れ易い傾向にあるが、本実施形態の構成によれば、凸部34がビード部81を内側から受け止めることで該ビード外れを防止することができる。上層中子32は、下層中子31の外周面に形成された凹部33に嵌合されており、ランフラット走行時のタイヤ幅方向の外力に抗して位置ずれが防止されるとともに、下層中子31に外嵌する際の位置決めを容易に行うことができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、下層中子の分割部を連結する連結手段として挿通孔と固定ピンとを用いる例を示したが、連結手段の構成はこれに限られるものではなく、従来公知の連結機構が利用可能である。例えば、図12に示す下層中子41のように、両端部に設けた係合突起42、43を相互に係合することで分割部44を連結可能に構成したり、かかる連結手段と前述の実施形態で示した連結手段とを併用したりしてもよい。また、下層中子が連結手段を備えるものであれば、分割部が複数形成されたものでも構わない。以上の事柄は、上層中子についても同様である。
(2)本発明では、下層中子が連結手段を備えないものでもよい。かかる場合、リムの外周に配した下層中子が取付面に密着しない場合があるが、上層中子の外嵌により縮径してリムに圧接されるように、下層中子の外径又は上層中子の内径を設定すればよい。或いは、下層中子の内径を取付面の外径よりも小径に設定することによって、リムの外周に配された下層中子が取付面に密着するように構成してもよく、かかる場合には、上層中子の内径がリム装着時の下層中子の外径と同程度であってもよい。
(3)前述の実施形態では、下層中子の外周面と上層中子の内周面とが共にタイヤ幅方向に延びる例を示したが、これらは傾斜したものでもよい。かかる場合、裏側より表側が小径となるように傾斜したものが好ましく、下層中子に上層中子を外嵌する初期段階において、下層中子の外径と上層中子の内径との寸法差が比較的大きくなり、また傾斜を利用して上層中子を円滑に外嵌することができるため、作業性がより良好となる。
(4)前述の実施形態では、タイヤ幅方向に相互に係合し合う凹部及び凸部が、タイヤ周方向に連続的に設けられた例を示したが、途中に凹部及び凸部が設けられていない断続部を形成するなどして、それらが断続的に設けられるものでもよい。その場合、下層中子に対する上層中子のタイヤ幅方向の位置ずれだけでなく、タイヤ周方向の位置ずれをも効果的に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るランフラットタイヤの断面図 第1実施形態に係る下層中子の平面図 第1実施形態に係る下層中子の斜視図 第1実施形態に係る上層中子の平面図 第1実施形態に係るランフラットタイヤのリム組みを示す断面図 第1実施形態に係るランフラットタイヤのリム組みを示す断面図 第1実施形態に係るランフラットタイヤのリム組みを示す断面図 第1実施形態に係るランフラットタイヤのリム組みを示す断面図 本発明の第2実施形態に係るランフラットタイヤの断面図 第2実施形態に係る下層中子の平面図 第2実施形態に係る下層中子の斜視図 第2実施形態に係るランフラットタイヤのリム組みを示す断面図 第2実施形態に係る下層中子の側面図 本発明の第3実施形態に係るランフラットタイヤの断面図 本発明の別実施形態に係る下層中子の平面図 従来のランフラットタイヤの一例を示す断面図 従来のランフラットタイヤのリム組み方法を示す断面図 従来のランフラットタイヤの一例を示す断面図
符号の説明
7 リム
8 タイヤ
9 分割部
10 第1実施形態に係るランフラットタイヤ用中子
11 下層中子
12 上層中子
13 凹部
14 凸部
15 切欠部
16 挿通孔
17 固定ピン
20 第2実施形態に係るランフラットタイヤ用中子
21 下層中子
22 上層中子
23 凸部
24 凹部
25 切欠部
26 リブ切欠部
30 第3実施形態に係るランフラットタイヤ用中子
31 下層中子
32 上層中子
71 表側のリムフランジ
72 裏側のリムフランジ
73 表側のリムビードベース
74 裏側のリムビードベース
75 取付面
76 リムドロップ
81 ビード部
82 ビード部

Claims (7)

  1. リムに装着される環状のランフラットタイヤ用中子において、
    周方向の少なくとも1箇所に形成された分割部と、リムのリムドロップに沿う内周面と、リムに装着された状態でリムビードベースよりも小径又は同径となる外周面と、リムドロップに落とし込まれるタイヤのビード部を収容可能な切欠部とを有する下層中子と、
    前記下層中子に外嵌される上層中子とを備えることを特徴とするランフラットタイヤ用中子。
  2. 前記下層中子が、前記分割部を連結する連結手段を有する請求項1記載のランフラットタイヤ用中子。
  3. タイヤ幅方向に相互に係合し合う凹部及び凸部が、前記下層中子の外周面及び前記上層中子の内周面に設けられた請求項1又は2記載のランフラットタイヤ用中子。
  4. 前記凸部が、前記下層中子の外周面に周方向に延設されるとともに、リムに装着された状態でリムビードベースよりも大径で且つリムフランジよりも小径となる請求項3記載のランフラットタイヤ用中子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ用中子を備えるランフラットタイヤ。
  6. リムの一対のリムビードベースの間に環状のランフラットタイヤ用中子を装着するとともに、前記リムビードベースの各々にビード部を装着するランフラットタイヤのリム組み方法において、
    周方向の少なくとも1箇所に形成された分割部と、リムのリムドロップに沿う内周面とを有する下層中子をリムビードベース間に装着し、その外周面をリムビードベースよりも小径又は同径とする工程と、
    前記下層中子の装着前又は装着後に、片方のビード部を表側のリムフランジを越えさせてリムビードベース間に配する工程と、
    前記片方のビード部を、リムビードベース間に装着された前記下層中子の外周側を通過させて裏側に移動させ、前記下層中子をタイヤ内部に位置させる工程と、
    タイヤ内部に配した上層中子を前記下層中子に外嵌する工程とを備えることを特徴とするランフラットタイヤのリム組み方法。
  7. 前記下層中子をリムビードベース間に装着する際に前記分割部を連結する請求項6記載のランフラットタイヤのリム組み方法。
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