JP4336601B2 - ホイールの中子支持構造 - Google Patents
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Description
この特徴構成によれば、ランフラット時において中子がリムに対し周方向にずれるのを防止ないし抑制することができ、制動力を十分に確保することができる。また、中子のリムへの固定作業が煩雑化することがなく簡便に行うことができる。
前記帯状体の縁部に、前記サイドウォール部のテーパに対応する斜面が形成されていることがより望ましい。この構成によれば、帯状体の縁部が、前記テーパ状サイドウォール部に添う中子延出部に面をもって押し付けられるので、中子をリムに一層確実に固定できる。
この場合、前記中子が、前記第1延出部分の径方向外側に配された第2延出部分を更に有し、これら第1延出部分と第2延出部分の間に前記帯状体が通されるようにするとよい。この構造によれば、帯状体を中子の第1延出部分と第2延出部分の間に予め通して仮保持したうえで、中子をタイヤ内に入れてリムに巻き付けることができ、帯状体の設置作業の容易化を図ることができる。
また、前記第1延出部分と第2延出部分が、それぞれ周方向に複数並べられており、第1延出部分が、第2延出部分より周方向に長いことが望ましい。これによって、中子を帯状体で確実に固定することができる。
さらに、前記第1延出部分と第2延出部分が、周方向に交互に配置されていることが望ましい。これによって、帯状体の中子への仮保持を確実に行うことができる。
前記連結手段は、例えば、前記帯状体の一端部に形成された係止部と、帯状体の他端部に形成された雌ネジ孔と、前記係止部に係止されるとともに前記雌ネジ孔にねじ込まれるネジとを含む。これによって、構成が簡素化でき、必要工具はネジまわしだけで済み、特殊工具が不要となる。
また、前記連結手段が、前記帯状体の一端部に設けられたクランプと、帯状体の他端部に形成された被引っ掛け部とを含み、前記クランプが、帯状体の延び方向と直交する軸周りに回動可能なレバーと、このレバーの中間部に回動可能に設けられるとともに前記被引っ掛け部に引っ掛けられる引っ掛け部材とを有していてもよい。これによって、帯状体の両端の連結操作および連結解除操作を簡単に、しかも特殊工具は勿論、ネジまわし等の一般工具も要さずに行なうことができる。
前記連結手段は、前記ホイールの空気入れバルブ取り付け位置と対応する周方向位置に配置されることが望ましい。これによって、タイヤの取り外し作業等を行なうにあたって、前記連結手段の場所を空気入れバルブの位置から推測することができ、その推測部分のタイヤビードをどけることによって連結手段を露出させ、連結解除操作を行なうことができる。
図1〜図5は、第1実施形態を示したものである。図1および図2において、符号10は、車両のタイヤであり、符号20は、ホイールである。ホイール20は、例えばツーピース型ホイールであり、ディスク21と、このディスク21の外周に溶接されたドロップセンターリム22を備えている。なお、ツーピース型に代えて、ディスク21とリム22が一体に成形されたワンピース型ホイールを用いてもよい。リム22は、軸方向両周縁に設けられた一対のフランジ部23A,23Bと、各フランジ部23A,23Bの軸方向内側にそれぞれ連なる一対のビードシート部24A,24Bと、軸方向中間部のドロップ部25とを有している。各ビードシート部24A,24Bにタイヤ10のビード11A,11Bの端面がそれぞれ当てられ、各フランジ部23A,23Bにビード11A,11Bがそれぞれ押し当てられている。
図1〜図4に示すように、中子30は、ランフラット時の荷重を受ける中子本体31と、この中子本体31の内周側に設けられたベースプレート32とを備え、全体として一本の帯状をなすとともに、リム22に巻き付けられることにより環状をなしている。図2及び図3(a)に示すように、中子本体31は、周方向に複数分割(例えば10〜12分割)されて並べられた分割中子本体35にて構成されている。各分割中子本体35は、例えば硬質の樹脂(金属でも可)にてブロック状に形成されている。分割中子本体35の上面(外周面)には潤滑油が塗られている。これによって、タイヤ10がパンクして分割中子本体35に摺擦しても煙や粉塵があまり出ないようになっている。分割中子本体35の底面(内周面)が、ベースプレート32に接着等にて固着されている。ベースプレート32で連ねられた分割中子本体35,35,…における隣接するものどうしの間には、狭い分割中子本体間ギャップ30aが形成されている。
なお、ベースプレート32は、レッジ部27の周長と「対応」する長さであればよく、レッジ部27の周長より必ずしも短くする必要はなく、それと略等長にしてもよく、それより長くしてもよい。等長の場合は、ベースプレート32の両端部どうしが突き合わされた状態で仮止めされる。長い場合は、両端部どうしが重なり合い、この重なり部が仮止めされる。
詳述すると、図2に示すように、ベースプレート32の幅方向の片側縁には、中子本体31より延出する延出部33が設けられている。延出部33は、径方向内側に曲げられ、ホイール20のドロップ溝20aに入り込み、サイドウォール部26A(ドロップ溝20aの内面)に添わされている。
上記の連結手段50は、バルブ穴20bの位置と略同じ周方向位置に配置されている。
先ず、タイヤ10の片側のビード11Aを、ホイール20のドロップ溝20aを利用してリム22に嵌める。
次に、中子30を他方のビード11Bの側からタイヤ10の内部に入れる。この時、中子30の両端が離れており、かつ、中子本体31が短間隔ごとに分割され、間にギャップ30aが形成されているので、中子30を渦巻き状に丸めて小さくすることができる。この小さく丸めた中子20をビード11Bの内側の開口からタイヤ10の内部に差し入れ、リム22の外周の一箇所に一旦配置する。その後、中子20の一端を、空気入れバルブ用穴20bの辺りに持って行くとともに、他端をリム22の周方向に一周させるように引き回し、中子20を展開させる。こうして、中子30をリム22のレッジ部27の外周面に巻き付けるとともに、その両端を空気入れバルブ用穴20bの近くに位置させることができる。中子30の延出部33は、サイドウォール部26Aに添わせる。そして、ベースプレート32の一端部と他端部を連結手段34にて仮止めする。このようにして中子30をリム22に巻き付けると、一方の巻き付け端と他方の巻き付け端の間に中子両端ギャップ30bが自ずと形成されることになる。したがって、中子30の製造時において中子自体に凹部や凸部等のランフラット報知手段を積極的に設ける必要がない。よって、製造を簡素化でき、製造コストを抑えることができる。
その後、バルブ穴20bに嵌めたバルブからタイヤ10内に空気を入れる。
リム22は、ドロップセンタータイプリムであり、ドロップ溝20aを利用してタイヤビード11A,11Bを嵌めることができるので、2ピースタイプリムにおけるエア漏れの問題が生じることはなく、サイドリング取り付け作業やOリング装着等も不要となる。
先ず、空気抜きバルブのコアを外し、タイヤ10内の空気圧を抜く。
次に、タイヤビード11Bにおける空気抜きバルブに対応する周方向部分を押す。これによって、空気抜きバルブを目印として、ちょうどバンド40のネジ53及び中子30の両端連結手段34の周辺を露出させることができる。このネジ53を緩めて取り外し、バンド40の両端部を分離する。これによって、ドロップ溝20aからバンド40を出すことができる。また、連結手段34を解除し、中子30の両端を分離する。そして、ビード11Bの全周を、ドロップ溝20aを利用してリム22から外して解放する。この解放されたビード11Bの内側からバンド40と中子30を取り出す。なお、前記連結手段34の解除操作は、ビード11Bの解放操作の後に行なうことにしてもよい。そして、残るタイヤビード11Aを、ドロップ溝20aを利用してリム22から外す。
図6に示すように、第2実施形態の中子30Xは、中子本体31とベースプレート32が樹脂にて一体に構成されている。図6及び図7に示すように、ベースプレート32のドロップ溝20a内への延出部33は、サイドウォール部26Aだけに止まらずドロップ部25まで延びる第1延出部分33aと、この第1延出部分33aより径方向外側に配された爪状の第2延出部分33bを有している。図7及び図8に示すように、これら第1延出部分33aと第2延出部分33bは、周方向すなわちベースプレート32の延び方向に交互に配置されている。第1延出部分33aが、第2延出部分33bより周方向に沿う幅が大きい。
例えば、バンド40,40Xの両端部の連結手段50,60は、ホイール20の空気入れバルブ取り付け位置と「対応」する周方向位置に配置されていればよく、空気入れバルブ取り付け位置と略同じ周方向位置に限らず、空気入れバルブ取り付け位置と略180度反対側の周方向位置に配置されていてもよい。
11A,11B タイヤビード
20 ホイール
20a ドロップ溝
20b 空気入れバルブ用穴
21 ディスク
22 ドロップセンターリム
23A,23B フランジ部
24A,24B ビードシート部
25 ドロップ部
26A,26B サイドウォール部
27 レッジ部
30 ランフラット用中子
30X ランフラット用中子
30a 分割中子本体間ギャップ
30b 中子両端ギャップ
31 中子本体
32 ベースプレート
33 延出部
33a 第1延出部分
33b 第2延出部分
34 中子両端連結手段
35 分割中子本体
40 バンド(帯状体)
40X バンド(帯状体)
42A,42B 斜壁部(帯状体の縁部)
50 バンド両端連結手段
51 ネジ係止部
52 雌ネジ孔
53 ネジ
60 連結手段
61 クランプ
62 被引っ掛け部
63 基部
64 レバー
65 引っ掛け部材
Claims (12)
- ホイールのリムのレッジ部の外周面にランフラット用の中子を設け、この中子が、前記リムのサイドウォール部とドロップ部にて画成された環状のドロップ溝内に延出する延出部を有しており、前記ドロップ溝には帯状体を緊張状態で巻き付け、この帯状体によって前記中子の延出部を前記ドロップ溝の内面に押え付けたことを特徴とするホイールの中子支持構造。
- 前記中子が、前記リムのレッジ部に添うベースプレートと、このベースプレート上に設けられ、ランフラット時の荷重を受ける中子本体を有し、前記ベースプレートに前記延出部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホイールの中子支持構造。
- 前記中子の延出部が、前記リムのテーパ状をなすサイドウォール部に添うとともに前記帯状体の前記サイドウォール部と対向する縁部によって押え付けられることを特徴とする請求項1または2に記載のホイールの中子支持構造。
- 前記帯状体の縁部に、前記サイドウォール部のテーパに対応する斜面が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の中子支持構造。
- 前記中子の延出部が、前記ドロップ部に添う第1延出部分を有し、この第1延出部分が、前記帯状体にて押え付けられることを特徴とする請求項1または2に記載のホイールの中子支持構造。
- 前記中子が、前記第1延出部分の径方向外側に配された第2延出部分を更に有し、これら第1延出部分と第2延出部分の間に前記帯状体が通されることを特徴とする請求項5に記載のホイールの中子支持構造。
- 前記第1延出部分と第2延出部分が、それぞれ周方向に複数並べられており、
第1延出部分が、第2延出部分より周方向に長いことを特徴とする請求項6に記載のホイールの中子支持構造。 - 前記第1延出部分と第2延出部分が、周方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載のホイールの中子支持構造。
- 前記帯状体の両端部を互いに引き寄せ可能に連結する連結手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のホイールの中子支持構造。
- 前記連結手段が、前記帯状体の一端部に形成された係止部と、帯状体の他端部に形成された雌ネジ孔と、前記係止部に係止されるとともに前記雌ネジ孔にねじ込まれるネジとを含むことを特徴とする請求項9に記載のホイールの中子支持構造。
- 前記連結手段が、前記帯状体の一端部に設けられたクランプと、帯状体の他端部に形成された被引っ掛け部とを含み、前記クランプが、帯状体の延び方向と直交する軸周りに回動可能なレバーと、このレバーの中間部に回動可能に設けられるとともに前記被引っ掛け部に引っ掛けられる引っ掛け部材とを有していることを特徴とする請求項9に記載のホイールの中子支持構造。
- 前記連結手段が、前記ホイールの空気入れバルブ取り付け位置と対応する周方向位置に配置されることを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載のホイールの中子支持構造。
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