JP4336601B2 - ホイールの中子支持構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のホイールに設けられる所謂ランフラット用の中子に関し、特にその支持構造に関する。
タイヤがパンク等で内圧低下を来たした時でもある程度走行できるようにしたランフラット用中子は多数提案されている(例えば下記特許文献等参照)。
特開平8−67116号公報 特開平7−149118号公報 特開平4−230408号公報
従前のランフラット用中子は、ホイールのリムに対し固定されておらず、周方向に摺動可能になっていた。これは、パンクしたタイヤと中子を一緒に回転させて、煙や粉塵を抑えるためであるが、反面、制動力向上が阻害される。一方、中子をリムに固定するとしても、特殊工具や高度な技能が必要であると、普及を促しづらい。
上記問題点を解決するために、本発明は、ホイールのリムのレッジ部の外周面にランフラット用の中子を設け、この中子が、前記リムのサイドウォール部とドロップ部にて画成された環状のドロップ溝内に延出する延出部を有しており、前記ドロップ溝には帯状体を緊張状態で巻き付け、この帯状体によって前記中子の延出部を前記ドロップ溝の内面に押え付けたことを特徴とする。
この特徴構成によれば、ランフラット時において中子がリムに対し周方向にずれるのを防止ないし抑制することができ、制動力を十分に確保することができる。また、中子のリムへの固定作業が煩雑化することがなく簡便に行うことができる。
ここで、前記中子は、前記リムのレッジ部に添うベースプレートと、このベースプレート上に設けられ、ランフラット時の荷重を受ける中子本体を有し、前記ベースプレートに前記延出部が一体に形成されている。中子本体とベースプレートは互いに別部材で構成され接着されていてもよく、互いに一体に形成されていてもよい。前記中子本体が、前記ベースプレートの延び方向に複数に分割されており、これら複数の分割中子本体が、前記ベースプレートによって連ねられていてもよい。
前記中子の延出部が、前記リムのテーパ状をなすサイドウォール部に添うとともに前記帯状体の前記サイドウォール部と対向する縁部によって押え付けられるのが望ましい。この構造によれば、前記帯状体は、緊張巻き付けによってドロップ溝内に深く入り込もうとし、その縁部が、前記テーパ状サイドウォール部に添う中子延出部に強く押し付けられる。これによって、中子をリムに確実に固定できる。
前記帯状体の縁部に、前記サイドウォール部のテーパに対応する斜面が形成されていることがより望ましい。この構成によれば、帯状体の縁部が、前記テーパ状サイドウォール部に添う中子延出部に面をもって押し付けられるので、中子をリムに一層確実に固定できる。
前記中子の延出部が、前記ドロップ部に添う第1延出部分を有し、この第1延出部分が、前記帯状体にて押え付けられるようにしてもよい。この構造によれば、前記帯状体が、緊張巻き付けによって中子の第1延出部分に強く押し付けられる。これによって中子をリムに確実に固定できる。
この場合、前記中子が、前記第1延出部分の径方向外側に配された第2延出部分を更に有し、これら第1延出部分と第2延出部分の間に前記帯状体が通されるようにするとよい。この構造によれば、帯状体を中子の第1延出部分と第2延出部分の間に予め通して仮保持したうえで、中子をタイヤ内に入れてリムに巻き付けることができ、帯状体の設置作業の容易化を図ることができる。
また、前記第1延出部分と第2延出部分が、それぞれ周方向に複数並べられており、第1延出部分が、第2延出部分より周方向に長いことが望ましい。これによって、中子を帯状体で確実に固定することができる。
さらに、前記第1延出部分と第2延出部分が、周方向に交互に配置されていることが望ましい。これによって、帯状体の中子への仮保持を確実に行うことができる。
前記帯状体の両端部を互いに引き寄せ可能に連結する連結手段を設けるのが望ましい。これによって、帯状体を確実に緊張させてドロップ溝に強く巻き付けることができ、ひいては中子を一層確実に固定することができる。
前記連結手段は、例えば、前記帯状体の一端部に形成された係止部と、帯状体の他端部に形成された雌ネジ孔と、前記係止部に係止されるとともに前記雌ネジ孔にねじ込まれるネジとを含む。これによって、構成が簡素化でき、必要工具はネジまわしだけで済み、特殊工具が不要となる。
また、前記連結手段が、前記帯状体の一端部に設けられたクランプと、帯状体の他端部に形成された被引っ掛け部とを含み、前記クランプが、帯状体の延び方向と直交する軸周りに回動可能なレバーと、このレバーの中間部に回動可能に設けられるとともに前記被引っ掛け部に引っ掛けられる引っ掛け部材とを有していてもよい。これによって、帯状体の両端の連結操作および連結解除操作を簡単に、しかも特殊工具は勿論、ネジまわし等の一般工具も要さずに行なうことができる。
前記連結手段は、前記ホイールの空気入れバルブ取り付け位置と対応する周方向位置に配置されることが望ましい。これによって、タイヤの取り外し作業等を行なうにあたって、前記連結手段の場所を空気入れバルブの位置から推測することができ、その推測部分のタイヤビードをどけることによって連結手段を露出させ、連結解除操作を行なうことができる。
本発明によれば、ランフラット時における制動力を十分に大きくすることができる。また、中子のリムへの固定作業も簡便に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図5は、第1実施形態を示したものである。図1および図2において、符号10は、車両のタイヤであり、符号20は、ホイールである。ホイール20は、例えばツーピース型ホイールであり、ディスク21と、このディスク21の外周に溶接されたドロップセンターリム22を備えている。なお、ツーピース型に代えて、ディスク21とリム22が一体に成形されたワンピース型ホイールを用いてもよい。リム22は、軸方向両周縁に設けられた一対のフランジ部23A,23Bと、各フランジ部23A,23Bの軸方向内側にそれぞれ連なる一対のビードシート部24A,24Bと、軸方向中間部のドロップ部25とを有している。各ビードシート部24A,24Bにタイヤ10のビード11A,11Bの端面がそれぞれ当てられ、各フランジ部23A,23Bにビード11A,11Bがそれぞれ押し当てられている。
ドロップ部25の両周縁には急勾配のテーパ状に拡径する一対のサイドウォール部26A,26Bが設けられ、このドロップ部25と一対のサイドウォール部26A,26Bとにより環状のドロップ溝20aが形成されている。片側のサイドウォール部26Aとビードシート部24Aとの間には略ストレートな円筒状をなすレッジ部27が設けられている。その逆側のサイドウォール部26Bには空気入れバルブ(図示せず)を嵌め込むための穴20bが形成されている。
ホイール20のレッジ部27の外周面にランフラット用中子30が設けられている。
図1〜図4に示すように、中子30は、ランフラット時の荷重を受ける中子本体31と、この中子本体31の内周側に設けられたベースプレート32とを備え、全体として一本の帯状をなすとともに、リム22に巻き付けられることにより環状をなしている。図2及び図3(a)に示すように、中子本体31は、周方向に複数分割(例えば10〜12分割)されて並べられた分割中子本体35にて構成されている。各分割中子本体35は、例えば硬質の樹脂(金属でも可)にてブロック状に形成されている。分割中子本体35の上面(外周面)には潤滑油が塗られている。これによって、タイヤ10がパンクして分割中子本体35に摺擦しても煙や粉塵があまり出ないようになっている。分割中子本体35の底面(内周面)が、ベースプレート32に接着等にて固着されている。ベースプレート32で連ねられた分割中子本体35,35,…における隣接するものどうしの間には、狭い分割中子本体間ギャップ30aが形成されている。
ベースプレート32は、例えば可撓性エラストマー等の軟質樹脂にて帯板状に形成されている。図2及び図3(a)に示すように、この帯状ベースプレート32が、ホイール20のレッジ部27の外周面に添うようにして巻き付けられ、環状になっている。ベースプレート32の長さは、ホイール20のレッジ部27の周長より若干短くなっている。したがって、ベースプレート32の一方の巻き付け端部と他方の巻き付け端部どうしは、若干離れている。図2に簡略的に示すように、これらベースプレート32の両巻き付け端部間には、中子両端連結手段34が架け渡されている。詳細な図示は省略するが、中子両端連結手段34は、ベースプレート32の両巻き付け端部の一方に設けられたフックと他方に設けられたフック係止部等にて構成されている。この連結手段34によって、ベースプレート32の両巻き付け端部どうしが互いに仮止め的に連結されている。上記連結手段34すなわちベースプレート32の両端連結部分は、バルブ穴20bの位置と略同じ周方向位置に配置されている。
なお、ベースプレート32は、レッジ部27の周長と「対応」する長さであればよく、レッジ部27の周長より必ずしも短くする必要はなく、それと略等長にしてもよく、それより長くしてもよい。等長の場合は、ベースプレート32の両端部どうしが突き合わされた状態で仮止めされる。長い場合は、両端部どうしが重なり合い、この重なり部が仮止めされる。
図2及び図3(a)に示すように、ベースプレート32ひいては中子30がホイール20のレッジ部27に環状に巻き付けられた状態において、一方の巻き付け端側の分割中子本体35と他方の巻き付け端側の分割中子本体35どうしが、比較的大きく離れている。これによって、中子本体31の一方の巻き付け端と他方の巻き付け端どうし間には、分割中子本体間ギャップ30aより広い中子両端ギャップ30bが形成されている。この中子両端ギャップ30bの大きさLは、例えばL=50〜60mmであるが、40〜50mmでもよく、30〜40mmでもよい。
ホイール20には、中子30をリム22に固定的に支持する支持構造が設けられている。
詳述すると、図2に示すように、ベースプレート32の幅方向の片側縁には、中子本体31より延出する延出部33が設けられている。延出部33は、径方向内側に曲げられ、ホイール20のドロップ溝20aに入り込み、サイドウォール部26A(ドロップ溝20aの内面)に添わされている。
図1及び図2に示すように、ホイール20には、中子30を固定的に支持する支持部材としてバンド40(帯状体)が取り付けられている。バンド40は、ホイール20に巻き付け可能な可撓性と中子30を固定可能な剛性を有するスチール等の金属(上記性能を満たせば樹脂でも可)にて構成されている。バンド40は、ドロップ溝20aの開口幅と略等幅をなすとともにドロップ溝20aの周長より若干短い長さを有している。図1に示すように、バンド40の幅方向両側の縁部は、それぞれ下方に折曲され、一対の斜壁部42A,42Bを形成している。これら斜壁部42A,42Bは、下に向かって互いに接近するように傾斜されている。この斜壁部42A,42Bの傾斜角度は、上記サイドウォール部26A,26Bのテーパ角度と略同じになっている。
図1及び図2に示すように、バンド40は、ホイール20のドロップ溝20aの開口部を塞ぐようにしてドロップ溝20aに沿って一周弱、巻き付けられている。この状態で、一方の斜壁部42Aが、サイドウォール部26Aに被さる中子30の延出部33に宛がわれている。これによって、延出部33が、斜壁部42Aとサイドウォール部26Aに挟み付けられている。他方の斜壁部42Bは、サイドウォール部26Bに宛がわれている。
図2および図5に示すように、バンド40の長さがドロップ溝20aの周長より短い分だけ、バンド40の両端部どうしが離間している。このバンド40の両端部間に、これらを互いに連結する連結手段50が設けられている。連結手段50は、バンド40の一端部に設けられたネジ係止部51と、他端部に設けられた雌ネジ孔52と、ネジ53とを有している。このネジ53が、係止部51に係止されるとともに雌ネジ孔52に強く捩じ込まれている。これによって、バンド40の両端部が連結されるとともに互いに引き寄せられている。これによって、バンド40が緊張され、斜壁部42Aが中子30の延出部33に強く押し当てられ、ひいては、中子30がホイール20に固定的に支持されている。
上記の連結手段50は、バルブ穴20bの位置と略同じ周方向位置に配置されている。
ホイール20に中子30及びタイヤ10を装着する手順について説明する。
先ず、タイヤ10の片側のビード11Aを、ホイール20のドロップ溝20aを利用してリム22に嵌める。
次に、中子30を他方のビード11Bの側からタイヤ10の内部に入れる。この時、中子30の両端が離れており、かつ、中子本体31が短間隔ごとに分割され、間にギャップ30aが形成されているので、中子30を渦巻き状に丸めて小さくすることができる。この小さく丸めた中子20をビード11Bの内側の開口からタイヤ10の内部に差し入れ、リム22の外周の一箇所に一旦配置する。その後、中子20の一端を、空気入れバルブ用穴20bの辺りに持って行くとともに、他端をリム22の周方向に一周させるように引き回し、中子20を展開させる。こうして、中子30をリム22のレッジ部27の外周面に巻き付けるとともに、その両端を空気入れバルブ用穴20bの近くに位置させることができる。中子30の延出部33は、サイドウォール部26Aに添わせる。そして、ベースプレート32の一端部と他端部を連結手段34にて仮止めする。このようにして中子30をリム22に巻き付けると、一方の巻き付け端と他方の巻き付け端の間に中子両端ギャップ30bが自ずと形成されることになる。したがって、中子30の製造時において中子自体に凹部や凸部等のランフラット報知手段を積極的に設ける必要がない。よって、製造を簡素化でき、製造コストを抑えることができる。
次に、タイヤビード11Bを、ドロップ溝20aを利用してリム22に嵌める。このビード11Bを中子30の側に押しやって、ドロップ溝20aを露出させながら、バンド30をドロップ溝20aに巻き付ける。このとき、バンド30の両端部どうし間の隙間が、ちょうどバルブ穴20bの位置に来るようにする。そして、ネジ53によってバンド30の両端部を連結するとともに強く締め付ける。これによって、バンド40が緊張されて縮径しドロップ溝20a内に深く入り込もうとする。そのため、バンド40のテーパをなす斜壁部42Aが、テーパ状サイドウォール部26Aに添う中子延出部33に強く押し付けられる。この押し付け力によって中子30をホイール20に固定することができる。しかも、斜壁部42Aは、面をもって中子延出部33の略全域に押し付けられるので、中子30に対する固定力を確実に発揮することができる。必要工具は、ネジ53用のネジまわしくらいであり、特殊工具や高度な技能は不要で、作業の簡易化を図ることができる。
その後、バルブ穴20bに嵌めたバルブからタイヤ10内に空気を入れる。
リム22は、ドロップセンタータイプリムであり、ドロップ溝20aを利用してタイヤビード11A,11Bを嵌めることができるので、2ピースタイプリムにおけるエア漏れの問題が生じることはなく、サイドリング取り付け作業やOリング装着等も不要となる。
図3(a)の仮想線及び同図(b)に示すように、車両走行時にパンク等でタイヤ10の内圧が低下しても、タイヤ10の接地部分が中子30に当たって支持されることにより走行不能になるのを防止できる。この時、中子30がバンド30によってホイール20に固定され、ずれないようになっているので、制動力を十分に確保することができる。一方、中子本体31の外周面には潤滑油が塗られているので、タイヤ10の接地部分との摺擦が起きても、煙や粉塵の発生を抑えることができる。
図3(a)の仮想線で示すように、中子30の中間に形成されたギャップ30aは、狭いので、これが下側に来てタイヤ10の接地部分と対応するようになっても、振動や異音は殆ど発生しない。これに対し、図3(b)に示すように、中子30の両端部間のギャップ30bは、比較的広いので、これが下側に来る度に振動や異音が発生する。これによって、乗員は、タイヤ10がパンク等の内圧低下を来たしたことを確実に知ることができ、適切な対処を講じることができる。よって、タイヤ10の内圧センサが不要となり、コストダウンを図ることができる。
また、ドロップ溝20aがバンド40で塞がれているので、そこにタイヤビード11Bが落ちることはない。したがって、タイヤ10がホイール20から外れるのを防止することができ、安全性を高めることができる。
次に、タイヤ10の取り外し手順を説明する。
先ず、空気抜きバルブのコアを外し、タイヤ10内の空気圧を抜く。
次に、タイヤビード11Bにおける空気抜きバルブに対応する周方向部分を押す。これによって、空気抜きバルブを目印として、ちょうどバンド40のネジ53及び中子30の両端連結手段34の周辺を露出させることができる。このネジ53を緩めて取り外し、バンド40の両端部を分離する。これによって、ドロップ溝20aからバンド40を出すことができる。また、連結手段34を解除し、中子30の両端を分離する。そして、ビード11Bの全周を、ドロップ溝20aを利用してリム22から外して解放する。この解放されたビード11Bの内側からバンド40と中子30を取り出す。なお、前記連結手段34の解除操作は、ビード11Bの解放操作の後に行なうことにしてもよい。そして、残るタイヤビード11Aを、ドロップ溝20aを利用してリム22から外す。
図6〜図9は、第2実施形態を示したものである。第2実施形態において、前記第1実施形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態の中子30Xは、中子本体31とベースプレート32が樹脂にて一体に構成されている。図6及び図7に示すように、ベースプレート32のドロップ溝20a内への延出部33は、サイドウォール部26Aだけに止まらずドロップ部25まで延びる第1延出部分33aと、この第1延出部分33aより径方向外側に配された爪状の第2延出部分33bを有している。図7及び図8に示すように、これら第1延出部分33aと第2延出部分33bは、周方向すなわちベースプレート32の延び方向に交互に配置されている。第1延出部分33aが、第2延出部分33bより周方向に沿う幅が大きい。
第2実施形態の金属製バンド40X(帯状体)は、斜壁部42A,42Bを有しておらず、扁平になっている。このバンド40Xが、第1延出部分33aと第2延出部分33bの間に通されている。これによって、中子30X及びバンド40Xをホイール20に取り付ける際は、中子30Xをタイヤ10内に入れる前に、予めバンド40Xを中子30Xの第1延出部分33aと第2延出部分33bの間に通して仮保持しておくことができる。そのうえで、このバンド40X付きの中子30Xを渦巻き状に小さく丸めてタイヤ10内に入れ、その後、リム22の周方向に展開する。これにより、中子30Xだけでなくバンド40Xをも一緒にリム22に巻き付けることができる。したがって、中子30Xのリム22への巻き付け作業の後、別途、タイヤ10のビード11Bとリム22の間に手を入れたりビード11Bをレッジ部27の側へ押しやったりしながらバンド40Xを巻き付ける必要が無く、バンド40Xの設置作業の容易化を図ることができる。
図7に示すように、バンド40Xの両端部には、ドロップ溝20aに略一周巻き付けられた後にこれら端部どうしを互いに連結する連結手段60が設けられている。図7及び図9に示すように、連結手段60は、バンド40Xの一端部に取り付けられたクランプ61と、他端部に凸状に形成された被引っ掛け部62とで構成されている。(なお、図9において、中子30Xの延出部33の図示は省略してある。)クランプ61は、バンド40Xの表側面に固定された基部63と、この基部63にバンド40Xの幅方向に沿う軸周りに回動可能に設けられたレバー64と、このレバー64の中間部に回動可能に設けられた引っ掛け部材65とを有している。図7の仮想線に示すように、バンド40Xの装着時には、レバー64を起して引っ掛け部材65をバンド40Xの他端部の被引っ掛け部62に引っ掛ける。続いて、同図の実線に示すように、レバー64を倒す。これによって、引っ掛け部材65に引っ掛けられたバンド40Xの他端部を、クランプ61すなわちバンド40Xの一端部の側に引き寄せることができる。この結果、バンド40Xが強く締め付けられ、中子20の第1延出部分33aをドロップ溝20aの内底面に押え付けることができる。反対にバンド40Xの取り外し時には、クランプ61のレバー64を起す。これによって、引っ掛け部材65を被引っ掛け部62から簡単に外すことができる。このクランプ方式の連結手段60によれば、特殊工具は勿論、ネジまわし等の一般工具も不要となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をなすことができる。
例えば、バンド40,40Xの両端部の連結手段50,60は、ホイール20の空気入れバルブ取り付け位置と「対応」する周方向位置に配置されていればよく、空気入れバルブ取り付け位置と略同じ周方向位置に限らず、空気入れバルブ取り付け位置と略180度反対側の周方向位置に配置されていてもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両のタイヤ付きホイールの一部正面断面図である。 図1のII−II線に沿う上記タイヤ付きホイールの一部側面断面図である。 (a)上記タイヤ付きホイール全体の非ランフラット時の側面断面図である。(b)上記タイヤ付きホイール全体のランフラット時における中子両端ギャップが下側に位置した状態での側面断面図である。 上記ホイール用中子の斜視図である。 上記中子の固定用バンドの両端連結部の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る車両のタイヤ付きホイールの一部正面断面図である。 図6のVII−VII線に沿う上記タイヤ付きホイールの一部側面断面図である。 上記第2実施形態のホイール用中子の延出部の斜視図である。 上記第2実施形態の中子固定用バンドの両端連結部の斜視図である。
符号の説明
10 タイヤ
11A,11B タイヤビード
20 ホイール
20a ドロップ溝
20b 空気入れバルブ用穴
21 ディスク
22 ドロップセンターリム
23A,23B フランジ部
24A,24B ビードシート部
25 ドロップ部
26A,26B サイドウォール部
27 レッジ部
30 ランフラット用中子
30X ランフラット用中子
30a 分割中子本体間ギャップ
30b 中子両端ギャップ
31 中子本体
32 ベースプレート
33 延出部
33a 第1延出部分
33b 第2延出部分
34 中子両端連結手段
35 分割中子本体
40 バンド(帯状体)
40X バンド(帯状体)
42A,42B 斜壁部(帯状体の縁部)
50 バンド両端連結手段
51 ネジ係止部
52 雌ネジ孔
53 ネジ
60 連結手段
61 クランプ
62 被引っ掛け部
63 基部
64 レバー
65 引っ掛け部材

Claims (12)

  1. ホイールのリムのレッジ部の外周面にランフラット用の中子を設け、この中子が、前記リムのサイドウォール部とドロップ部にて画成された環状のドロップ溝内に延出する延出部を有しており、前記ドロップ溝には帯状体を緊張状態で巻き付け、この帯状体によって前記中子の延出部を前記ドロップ溝の内面に押え付けたことを特徴とするホイールの中子支持構造。
  2. 前記中子が、前記リムのレッジ部に添うベースプレートと、このベースプレート上に設けられ、ランフラット時の荷重を受ける中子本体を有し、前記ベースプレートに前記延出部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホイールの中子支持構造。
  3. 前記中子の延出部が、前記リムのテーパ状をなすサイドウォール部に添うとともに前記帯状体の前記サイドウォール部と対向する縁部によって押え付けられることを特徴とする請求項1または2に記載のホイールの中子支持構造。
  4. 前記帯状体の縁部に、前記サイドウォール部のテーパに対応する斜面が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の中子支持構造。
  5. 前記中子の延出部が、前記ドロップ部に添う第1延出部分を有し、この第1延出部分が、前記帯状体にて押え付けられることを特徴とする請求項1または2に記載のホイールの中子支持構造。
  6. 前記中子が、前記第1延出部分の径方向外側に配された第2延出部分を更に有し、これら第1延出部分と第2延出部分の間に前記帯状体が通されることを特徴とする請求項5に記載のホイールの中子支持構造。
  7. 前記第1延出部分と第2延出部分が、それぞれ周方向に複数並べられており、
    第1延出部分が、第2延出部分より周方向に長いことを特徴とする請求項6に記載のホイールの中子支持構造。
  8. 前記第1延出部分と第2延出部分が、周方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載のホイールの中子支持構造。
  9. 前記帯状体の両端部を互いに引き寄せ可能に連結する連結手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のホイールの中子支持構造。
  10. 前記連結手段が、前記帯状体の一端部に形成された係止部と、帯状体の他端部に形成された雌ネジ孔と、前記係止部に係止されるとともに前記雌ネジ孔にねじ込まれるネジとを含むことを特徴とする請求項9に記載のホイールの中子支持構造。
  11. 前記連結手段が、前記帯状体の一端部に設けられたクランプと、帯状体の他端部に形成された被引っ掛け部とを含み、前記クランプが、帯状体の延び方向と直交する軸周りに回動可能なレバーと、このレバーの中間部に回動可能に設けられるとともに前記被引っ掛け部に引っ掛けられる引っ掛け部材とを有していることを特徴とする請求項9に記載のホイールの中子支持構造。
  12. 前記連結手段が、前記ホイールの空気入れバルブ取り付け位置と対応する周方向位置に配置されることを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載のホイールの中子支持構造。
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