JP2007276610A - ランフラットタイヤ用中子及びタイヤ組付体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランフラット走行時のハンドリング性を向上することができ、しかもリム装着性と耐久性にも優れたランフラットタイヤ用中子と、その中子を備えたタイヤ組付体を提供すること。
【解決手段】キャップ42がベース41よりも幅方向両側に張り出しており、環状本体43が、ベース41の内周面に対して子午線断面で略垂直に延び且つ周方向に沿って延びる周方向壁44と、幅方向に沿って延びる幅方向壁45とを備え、周方向壁44が、ベース41の幅方向端部から少なくとも5mm幅方向内側に設けられ、幅方向壁45は、ホイールリムへの組み付け時に押し込み方向前方側となる側面46bが、キャップ42の幅方向端部とベース41の同じ側の幅方向端部とを繋ぐとともに、その反対側の側面46aが、ベース41の幅方向端部からベース41の内周面に対して子午線断面で略垂直に延びる。
【選択図】図2
【解決手段】キャップ42がベース41よりも幅方向両側に張り出しており、環状本体43が、ベース41の内周面に対して子午線断面で略垂直に延び且つ周方向に沿って延びる周方向壁44と、幅方向に沿って延びる幅方向壁45とを備え、周方向壁44が、ベース41の幅方向端部から少なくとも5mm幅方向内側に設けられ、幅方向壁45は、ホイールリムへの組み付け時に押し込み方向前方側となる側面46bが、キャップ42の幅方向端部とベース41の同じ側の幅方向端部とを繋ぐとともに、その反対側の側面46aが、ベース41の幅方向端部からベース41の内周面に対して子午線断面で略垂直に延びる。
【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤ内圧が低下した場合に、適度な距離を安全に走行可能とするランフラットタイヤ用中子と、その中子を備えたタイヤ組付体に関する。
ランフラットタイヤは、パンク等の障害によってタイヤ内圧が低下した状態(ランフラット状態)においても、適度な距離を安全に走行することができるタイヤである。かかるランフラットタイヤの構造としては、ホイールリムの外周に環状の中子(タイヤ支持体、或いはサポートリングと呼ばれることもある。)を組み付けたものが知られている。この中子は、ランフラット状態のタイヤを内部から支持し、完全な偏平化を防いでランフラット走行を可能とする。
図8は、下記特許文献1に開示されたタイヤ組付体の子午線断面図である。図9は、そのタイヤ組付体が備える中子をキャビティ側から見た部分側面図である。図10は、図8に示す中子のB−B断面図である。タイヤ組付体7は、タイヤ2と、タイヤ2がリム組みされたホイールリム3と、ホイールリム3の外周に組み付けられた中子8とを備える。ホイールリム3は、タイヤ2のビード部21が装着されるビードシート31、32と、中子8の内周面が当接する取付面33とを有する。取付面33の外径は、ビードシート31のフランジ径よりも大きく、且つビードシート32のフランジ径よりも小さく設定されている。
中子8は、断面矩形状の環状体であり、本質的に可撓性材料で構成されている。中子8は、取付面33に当接する円筒状のベース81と、その外周側に配された円筒状のキャップ82と、ベース81とキャップ82との間で径方向Rに延びて、それらを連結する環状本体83とを備える。ベース81の内径は、取付面33の外径よりも若干小さく設定されており、押し込みローラなどを用いて中子8をビードシート31側から押し込んで外挿することによりホイールリム3に組み付けることができる。キャップ82は、図11に示すようにランフラット状態においてトレッド内面に当接し、ホイールリム3と共に荷重を支持してランフラット走行が可能となる。環状本体83は、周方向に連続的に延びる周方向壁84と幅方向に延びる幅方向壁85とを有し、幅方向壁85に隣接してキャビティ87が形成されている。
上記のようなタイヤ組付体においては、ランフラット状態における中子とトレッド内面との接触面積が大きいほど操舵の力が伝わりやすく、ランフラット走行時のハンドリング性が良好となる。但し、取付面33の幅寸法がリムサイズに応じて決定されることから、中子の幅寸法をそのまま拡げる方法は実用的ではない。
そこで、下記特許文献2では、図12〜14に示すような中子が提案されている。この中子9は、キャップ92がベース91よりも幅方向両側に張り出しており、上記の中子8に比べてトレッド内面との接触面積が大きくなるため、ランフラット走行時のハンドリング性を向上することができる。中子9が備える環状本体93は、幅方向の両端で周方向に且つ断続的に延びる周方向壁94と、それらを略ジグザグ状に繋いで幅方向に沿って延びる幅方向壁95とを有し、幅方向に延びるキャビティ97が互い違いに複数形成されている。幅方向壁95の両側面96と周方向壁94とは、キャップ92の幅方向端部とベース91の同じ側の幅方向端部とを繋ぐようにして傾斜しており、それらとキャップ92の外周面とがなす角度β、γはいずれも鋭角である。
上記の中子9によれば、既述のようにランフラット走行時のハンドリング性を向上することができる。しかしながら、中子の両側面が傾斜したものであるため、ホイールリムへの組み付け時に外側から押し込みローラを当接させて押し込むことができず、リム装着性に問題がある。また、周方向壁が傾斜せずに略垂直に延びる場合に比べて、径方向の荷重が負荷されたときの耐久性が劣る傾向にある。
また、下記特許文献3では、図15〜17に示すような中子が提案されている。この中子10は、キャップ102がベース101よりも図の左側に張り出したものである。環状本体103は、幅方向の両端で周方向に且つ断続的に延びる周方向壁104と、それらを略ジグザグ状に繋いで幅方向に沿って延びる幅方向壁105とを有し、幅方向に延びるキャビティ107が互い違いに複数形成されている。幅方向壁105の両側面106と周方向壁104とは、ベース101の幅方向端部からベース101の内周面に対して子午線断面にて略垂直に延びている。
かかる中子10においては、トレッド内面との接触面積が上記の中子8に比べて大きくなるものの、キャップ102の張り出しが片側のみであることによりハンドリング性の向上効果に乏しく、また接地バランスが崩れやすいという問題がある。なお、下記特許文献3には、キャップの張り出した部分にブラケットを設けた例も記載されているが、かかる場合には、ホイールリムへの組み付け時に押し込みローラを当接させて押し込むことができず、リム装着性に問題が生じる。
更に、上記中子8〜10のいずれにおいても、ランフラット走行での横力作用時には、環状本体の幅方向端部が連なるキャップの部分に応力が集中しやすく、キャップとトレッド内面とが周長差に起因して滑り接触することと相俟って、その部分が損傷しやすくなるという耐久性の問題がある。
特開平10−6721号公報
特開2005−1426号公報
特開2005−350060公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ランフラット走行時のハンドリング性を向上することができ、しかもリム装着性と耐久性にも優れたランフラットタイヤ用中子と、その中子を備えたタイヤ組付体を提供することである。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係るランフラットタイヤ用中子は、ホイールリムの外周に組み付けられる円筒状のベースと、前記ベースの外周側に配され、タイヤ内圧が低下したときにタイヤのトレッド内面に当接する円筒状のキャップと、前記ベースと前記キャップとの間で径方向に延びて、前記ベースと前記キャップとを連結する環状本体とを備えるランフラットタイヤ用中子において、前記キャップが前記ベースよりも幅方向両側に張り出しており、前記環状本体が、前記ベースの内周面に対して子午線断面で略垂直に延び且つ周方向に沿って延びる周方向壁と、幅方向に沿って延びる幅方向壁とを備え、前記周方向壁が、前記ベースの幅方向端部から少なくとも5mm幅方向内側に設けられ、前記幅方向壁は、ホイールリムへの組み付け時に押し込み方向前方側となる第1側面が、前記キャップの幅方向端部と前記ベースの同じ側の幅方向端部とを繋ぐとともに、前記第1側面と反対側の第2側面が、前記ベースの幅方向端部から前記ベースの内周面に対して子午線断面で略垂直に延びることを特徴とするものである。
本発明に係るランフラットタイヤ用中子(以下、単に中子と省略する場合がある。)は、キャップがベースよりも幅方向両側に張り出して、キャップの幅寸法がベースの幅寸法よりも大となるものである。これによってトレッド内面との接触面積が比較的大きくなり、ランフラット走行時のハンドリング性を向上することができるとともに、片側のみで張り出す場合に比べて接地バランスが良好となる。なお、この「接地バランスが良好となる」には、トレッド内面における中子との接触領域と、トレッド面における接地領域とのトレッド幅方向の位置ずれが小さくなることと、ベースの押し込み方向後方側端部よりも幅方向外側に張り出したキャップの後方張り出し部分に作用する荷重を分散できることとの両者が含まれる。
幅寸法の異なるキャップとベースとを連結する環状本体は、ホイールリムへの組み付け時に押し込み方向前方側となる幅方向壁の第1側面が、キャップとベースとの幅方向端部同士を繋ぐとともに、その反対側の第2側面が、ベースの幅方向端部からベースの内周面に対して子午線断面で略垂直に延びるものであり、第2側面から幅方向外側に張り出したキャップの部分(後方張り出し部分)は、片持梁状態で張り出すことになる。その結果、ホイールリムへの組み付け時には、押し込みローラを前記後方張り出し部分の下に潜り込ませて、略垂直に延びる第2側面に当接させ、それにより中子を円滑に押し込むことができ、優れたリム装着性を発揮することができる。
また、本発明では、環状本体の周方向壁が、ベースの内周面に対して子午線断面で略垂直に延びることにより、周方向壁が傾斜した従来の中子に比べて優れた耐久性を発揮することができる。更に、その周方向壁がベースの幅方向端部から少なくとも5mm幅方向内側に設けられ、幅方向壁の両側面と周方向壁との位置が幅方向にずれていることにより、キャップが幅方向両側に張り出してあることと相俟って、環状本体の幅方向端部が連なるキャップの部分に作用する応力を効果的に分散することができ、より優れた耐久性を発揮することができる。
上記において、前記ベースの押し込み方向後方側端部よりも幅方向外側に張り出した前記キャップの後方張り出し部分の内径が、前記キャップの他の部分の内径よりも大きく形成されていることが好ましい。これにより中子の軽量化を図ることができるとともに、ホイールリムに組み付ける際、幅方向壁の第2側面だけでなく上記「キャップの他の部分」の端面にも押し込みローラを当接させることができ、より優れたリム装着性を発揮することができる。
上記において、前記ベースの押し込み方向後方側端部から幅方向外側に張り出した前記キャップの後方張り出し部分の幅寸法が、前記ベースの幅寸法の5〜40%であるものが好ましい。これが5%未満であると、トレッド内面との接触面積の増分が小さく、ランフラット走行時のハンドリング性の向上効果が乏しくなる傾向にある。一方、40%を越えると、後方張り出し部分がランフラット走行時に上下に動きやすくなり、異音が生じる傾向にある。
上記において、前記ベースの押し込み方向前方側端部から幅方向外側に張り出した前記キャップの前方張り出し部分の幅寸法が、前記ベースの幅寸法の5〜40%であるものが好ましい。これが5%未満であると、トレッド内面との接触面積の増分が小さく、ランフラット走行時のハンドリング性の向上効果が乏しくなる傾向にある。一方、40%を越えると、ホイールリムへの組み付け時に幅方向壁の第1側面がタイヤ内面に接触する場合があり、リム装着性が悪化するおそれがある。
本発明に係るタイヤ組付体は、ホイールリムと、前記ホイールリムの外周に組み付けられた上記いずれかのランフラットタイヤ用中子と、前記ホイールリムにリム組みされたタイヤとを備えるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態のタイヤ組付体の一例を示す子午線断面図である。図2は、そのタイヤ組付体が備える中子の子午線断面図であり、図3はその中子の斜視図である。図4は、その中子を図2の左側から見た部分側面図である。図5は、図2に示す中子のA−A断面図である。タイヤ組付体1は、タイヤ2と、タイヤ2がリム組みされたホイールリム3と、タイヤ内部でホイールリム3の外周に組み付けられた環状のランフラットタイヤ用中子4とを備える。
タイヤ2は、一対のビード部21と、ビード部21から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部22と、サイドウォール部22の各々の外周側端を連ねるトレッド部23とを備える。一対のビード部21は、後述のビードシート31、32に装着できるように、互いに内径を違えて設計されている。なお、図示は省略するが、本実施形態のタイヤ2は、ビード部21の間に架け渡されるように配されてタイヤ骨格をなすカーカス層と、タイヤ内面に配されてタイヤ内圧を保持するインナーライナー層と、カーカス層のタイヤ外周側に配されて、たが効果による補強を行うベルト層とを備えるラジアルタイヤとして形成されている。
ホイールリム3は、タイヤ2のビード部21が装着される一対のビードシート31、32と、中子4の内周面が当接する取付面33とを備える。ビードシート31、32は、それぞれ幅方向Wの外側に向かって外径が漸減している。取付面33の外径は、ビードシート31のフランジ径よりも大きく、且つ、ビードシート32のフランジ径よりも小さく設定されている。取付面33の一端には、中子4の位置決めを行うためのストッパ35が突設されている。
中子4は、ホイールリム3の取付面33に組み付けられる円筒状のベース41と、ベース41の外周側に配され、タイヤ内圧が低下したときにトレッド部23の内面に当接しうる円筒状のキャップ42と、ベース41とキャップ42との間で径方向Rに延びて、ベース41とキャップ42とを一体的に連結する環状本体43と、を備えた断面略台形状の環状体に形成されている。
ベース41の内径は、ホイールリム3の取付面33の外径よりも若干小さく設定されており、中子4をビードシート31側から押し込み方向(図1において左から右に向かう方向)に沿って押し込んで取付面33に外挿することにより、ホイールリム3に組み付けることができる。取付面33の幅寸法はリムサイズに応じて決定され、ベース41の幅寸法Wbは取付面33に許容される範囲を採りうる。
ベース41の内周面には周方向に延びる凸部48が設けられており、その凸部48を取付面33の凹溝36に係合することによって、中子4の位置決めと位置ずれ防止とを行うことができる。凹溝36及び凸部48は、中子4の幅方向両側に設けてストッパ35の代わりとしてもよい。なお、図示は省略するが、ベース41には、周方向に沿って延びる補強コードが設けられるものが好ましい。これにより、中子4の周方向剛性が高められ、取付面33からの脱落を防止することができる。
キャップ42はベース41よりも幅方向両側に張り出しており、キャップ42の幅寸法Wcはベース41の幅寸法Wbよりも大である。これによってトレッド内面との接触面積が比較的大きくなり、ランフラット走行時のハンドリング性を向上することができるとともに、片側のみで張り出す場合に比べて接地バランスが良好となる。
以下、ベース41の押し込み方向後方側端部から幅方向外側に張り出したキャップ42の部分を後方張り出し部分42aと称し、同じくベース41の押し込み方向前方側端部から幅方向外側に張り出したキャップ42の部分を前方張り出し部分42bと称する。後方張り出し部分42aの内径は、キャップ42の他の部分の内径よりも大きく、その厚みt1は他の部分の厚みt2よりも小さく形成されている。ベース41及びキャップ42の厚みは特に制限なく、中子4の剛性や重量を考慮して適宜に設定される。
環状本体43は、周方向に沿って延びる周方向壁44と、幅方向Wに沿って延びる幅方向壁45とを備える。本実施形態では、幅方向Wの両側で周方向に断続的に延びる2本の周方向壁44が設けられており、それぞれベース41の内周面に対して子午線断面で略垂直に延びている。また、周方向壁44は、ベース41の幅方向端部よりも内側に設けられており、ベース41の幅方向端部と周方向壁44の側面との距離dは少なくとも5mm、好ましくは5〜15mmに設定されている。
図12〜14に示した中子9のように、周方向壁94がベース91からキャップ92に向かって傾斜して延びる場合には、径方向の荷重負荷に応じて生じるモーメントによって中子9の幅方向片側に応力が集中したときに、周方向壁94のベース91側部分の耐久性が問題になるため幅寸法Wcを大きくすることが実用上困難である。これに対して、本実施形態の中子4では、上記不具合が抑制され、キャップ42の幅寸法Wcを大きく設定することができる。なお、距離dが5mm未満であると、径方向の荷重が負荷されたときに、周方向壁44のベース側部分に応力が集中しやすく、耐久性が低下する傾向にある。
幅方向壁45は、周方向壁44の端部同士を略ジグザグ状に繋いで幅方向Wに沿って延びており、側方から幅方向W内側に向かって平面視先細状をなして延びるキャビティ47が互い違いに形成されている。キャビティ47は、中子重量を大幅に軽減しうるとともに、ランフラット走行時に発生する熱を外部に散逸させて放熱効果を高め、中子4の耐久性向上に寄与しうる。
幅方向壁45は、押し込み方向前方側となる側面46b(前記第1側面に相当する。)が、キャップ42の幅方向端部とベース41の同じ側の幅方向端部とを繋いで、ベース41からキャップ42に向かって幅方向W外側に傾斜している。一方、その反対側の側面46a(前記第2側面に相当する。)は、ベース41の幅方向端部からベース41の内周面に対して子午線断面で略垂直に延びている。そのため、キャップ42の後方張り出し部分42aは片持梁状態で張り出した状態になっている。ここで、後方張り出し部分42aの幅寸法W1及び前方張り出し部分42bの幅寸法W2は、いずれもベース41の幅寸法Wbの5〜40%であることが好ましい。
図5に示すように、本実施形態の幅方向壁45は、周方向壁44の端部を繋ぐように幅方向に対して傾斜して延びており、周方向壁44よりも幅方向W外側では幅方向Wに平行に延びている。これにより、径方向の荷重負荷に応じて生じるモーメントに抗しやすくなり、環状本体43の耐久性向上に寄与しうる。なお、周方向壁44及び幅方向壁45の厚みは特に制限なく、中子4の剛性や重量を考慮して適宜に設定されるものであり、6〜12mm程度のものが例示される。
中子4は、上述したように押し込み方向に沿って押し込まれてホイールリム3に組み付けられるが、その際、図6に示すように押し込みローラ50をキャップ42の後方張り出し部分42aの下に潜り込ませて、略垂直に延びる幅方向壁45の側面46aに当接させ、それにより中子4を円滑に押し込むことができ、優れたリム装着性を発揮することができる。しかも、本実施形態では、後方張り出し部分42aの内径がキャップ42の他の部分の内径よりも大きいことにより、該他の部分の端面にも押し込みローラ50を当接させることができ、より優れたリム装着性を発揮することができる。
また、本発明では、周方向壁44がベース41の幅方向端部から少なくとも5mm幅方向内側に設けられ、幅方向壁45の両側面46a、46bと周方向壁44との位置が幅方向にずれていることにより(図3、5参照)、キャップ42が幅方向両側に張り出してあることと相俟って、環状本体43の幅方向端部が連なるキャップ42の部分に作用する応力を効果的に分散することができ、優れた耐久性を発揮することができる。なお、距離dが5mm未満であると、上記応力を分散する効果が小さくなる。
本実施形態では、取付面33が車両内側(図1において右側)に寄った位置に形成されており、キャップ42の後方張り出し部分42aがトレッド内面のセンター領域に当接する位置に配されている。このため、上述した接地バランスの改善効果と、環状本体43の幅方向端部が連なるキャップ42の部分に作用する応力の分散効果とが顕著となる。
本実施形態の中子4は本質的に可撓性材料で構成されており、可撓性材料としては、熱可塑性エラストマー及び架橋ゴム材料のいずれも使用可能である。熱可塑性エラストマーとしては、公知の熱可塑性エラストマーは限定なく使用可能であり、具体的にはポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、アイオノマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。また架橋ゴム材料を構成するゴム材料としては、天然ゴムの他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが例示される。これらのゴム材料は必要に応じて2種以上を併用してもよい。また、可撓性材料としては、発泡弾性材料を使用してもよく、上記例示の発泡材料が使用可能である。
本発明に係る中子の形状は、前述の実施形態で示したものに限定されるものではない。例えば、環状本体の形状において、壁がジグザグ状に延びるものに限られず、幅方向壁が幅方向に略平行に延びるものでもよく、周方向壁が周方向に連続して延びるものでも構わない。また、図7は、本発明の別形態に係る中子の子午線断面であり、既出の部材・部位と同一の部材・部位に対して同一の符号を付した図であるが、このように幅方向壁45の押し込み方向前方側となる側面46bが屈曲したものでも構わない。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。ランフラットタイヤ用中子としては、内径が460mm、外径が540mm、キャップの厚みが5mm、ベースの厚みが5mm、周方向壁の厚みが11mm、幅方向壁の厚みが9.5mmであるものをポリウレタンにより数種類試作し、各種テストを行って性能を評価した。なお、タイヤサイズは215−660R460A、ホイールサイズは205×460A−CLとした。
(1)接地面積
試作した中子を組み付けたタイヤ組付体をプレート上に載置し、タイヤ内圧0kPa、負荷荷重6kNの状態で接地画像を撮影して、接地面積を算出した。比較例1を100として指数評価し、数値が大きいほど接地面積が大きいことを意味する。
試作した中子を組み付けたタイヤ組付体をプレート上に載置し、タイヤ内圧0kPa、負荷荷重6kNの状態で接地画像を撮影して、接地面積を算出した。比較例1を100として指数評価し、数値が大きいほど接地面積が大きいことを意味する。
(2)ハンドリング性
実車(3000ccの国産車、車両重量2t、1名乗車)の右後輪に試作した中子を装着し、タイヤ内圧0kPaのランフラット状態にて速度80km/hでテストコースを走行し、ドライバーの官能試験によりハンドリング性を評価した。10点法により評価し、数値が大きいほどハンドリング性に優れていることを示す。
実車(3000ccの国産車、車両重量2t、1名乗車)の右後輪に試作した中子を装着し、タイヤ内圧0kPaのランフラット状態にて速度80km/hでテストコースを走行し、ドライバーの官能試験によりハンドリング性を評価した。10点法により評価し、数値が大きいほどハンドリング性に優れていることを示す。
(3)耐久性
タイヤ内面に潤滑剤を塗付し、試作した中子を組み付けたタイヤ組付体を直径1700mmのドラムに押し付け、タイヤ内圧0kPa、負荷荷重5kN、速度80km/hの条件で1時間走行させて、中子の状態を観察した。
タイヤ内面に潤滑剤を塗付し、試作した中子を組み付けたタイヤ組付体を直径1700mmのドラムに押し付け、タイヤ内圧0kPa、負荷荷重5kN、速度80km/hの条件で1時間走行させて、中子の状態を観察した。
前述の実施形態で示した中子において、後方張り出し部分を備えないものを比較例1とし、前方張り出し部分を備えないものを比較例2とし、周方向壁を幅方向の両端に設けたものを比較例3とした。なお、各実施例に係る中子の構造は、前述の実施形態で示したものとした。評価結果を表1に示す。
表1より、各実施例は、キャップがベースよりも幅方向両側に張り出していることにより接地面積が比較的大きく、また接地バランスが良好であることとも相俟って優れたハンドリング性が発揮されていることが分かる。また、環状本体の幅方向端部が連なるキャップの部分に作用する応力を効果的に分散することにより、耐久性が良好であった。なお、実施例3に関しては、後方張り出し部分が走行時に上下に動きやすく異音が生じることがあった。
1 タイヤ組付体
2 タイヤ
3 ホイールリム
4 ランフラットタイヤ用中子
33 取付面
41 ベース
42 キャップ
42a 後方張り出し部分
42b 前方張り出し部分
43 環状本体
44 周方向壁
45 幅方向壁
46a 幅方向壁の側面(第2側面)
46b 幅方向壁の側面(第1側面)
50 押し込みローラ
2 タイヤ
3 ホイールリム
4 ランフラットタイヤ用中子
33 取付面
41 ベース
42 キャップ
42a 後方張り出し部分
42b 前方張り出し部分
43 環状本体
44 周方向壁
45 幅方向壁
46a 幅方向壁の側面(第2側面)
46b 幅方向壁の側面(第1側面)
50 押し込みローラ
Claims (5)
- ホイールリムの外周に組み付けられる円筒状のベースと、前記ベースの外周側に配され、タイヤ内圧が低下したときにタイヤのトレッド内面に当接する円筒状のキャップと、前記ベースと前記キャップとの間で径方向に延びて、前記ベースと前記キャップとを連結する環状本体とを備えるランフラットタイヤ用中子において、
前記キャップが前記ベースよりも幅方向両側に張り出しており、
前記環状本体が、前記ベースの内周面に対して子午線断面で略垂直に延び且つ周方向に沿って延びる周方向壁と、幅方向に沿って延びる幅方向壁とを備え、
前記周方向壁が、前記ベースの幅方向端部から少なくとも5mm幅方向内側に設けられ、
前記幅方向壁は、ホイールリムへの組み付け時に押し込み方向前方側となる第1側面が、前記キャップの幅方向端部と前記ベースの同じ側の幅方向端部とを繋ぐとともに、前記第1側面と反対側の第2側面が、前記ベースの幅方向端部から前記ベースの内周面に対して子午線断面で略垂直に延びることを特徴とするランフラットタイヤ用中子。 - 前記ベースの押し込み方向後方側端部よりも幅方向外側に張り出した前記キャップの後方張り出し部分の内径が、前記キャップの他の部分の内径よりも大きく形成されている請求項1記載のランフラットタイヤ用中子。
- 前記ベースの押し込み方向後方側端部から幅方向外側に張り出した前記キャップの後方張り出し部分の幅寸法が、前記ベースの幅寸法の5〜40%である請求項1又は2記載のランフラットタイヤ用中子。
- 前記ベースの押し込み方向前方側端部から幅方向外側に張り出した前記キャップの前方張り出し部分の幅寸法が、前記ベースの幅寸法の5〜40%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ用中子。
- ホイールリムと、前記ホイールリムの外周に組み付けられた請求項1〜4のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ用中子と、前記ホイールリムにリム組みされたタイヤと、を備えるタイヤ組付体。
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---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-04-06 JP JP2006105040A patent/JP2007276610A/ja not_active Withdrawn
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WO2018128134A1 (ja) * | 2017-01-05 | 2018-07-12 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ/ホイール組立体 |
CN111284267A (zh) * | 2018-12-07 | 2020-06-16 | 通伊欧轮胎株式会社 | 充气轮胎以及轮胎硫化用模具 |
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