JP2007128058A - 光ファイバテープ心線 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバテープ内に並列された心線の共通接線から被覆外周面までの距離をt1(mm)、被覆材のヤング率(単位MPa)をE1、光ファイバテープの被覆外周面から前記二次光ファイバテープの被覆外周面までの距離をt2、二次光ファイバテープの被覆材のヤング率をE2とした時、1≦E1t1≦20、0.3≦E2t2≦10、およびE1t1>E2t2の関係が成り立ち、複数の所定の小突起が立設した凹凸部を、前記二次光ファイバテープの被覆外周面上を押圧通過させると、二次光ファイバテープを、複数の一次光ファイバテープに分離することが可能である光ファイバテープ心線。
【選択図】図1
Description
このような光ファイバテープ心線の分離方法としては、分離工具に備え付けられた可撓性部を光ファイバテープ心線上に押圧通過させることにより単心光ファイバ心線に分離する方法が、特許第3664254号に提案されている。
1≦E1t1≦20、
0.3≦E2t2≦10、および
E1t1>E2t2
の関係が成り立ち、複数の所定の小突起が立設した凹凸部を、前記二次光ファイバテープ並列ユニットの被覆外周面上を押圧通過させると、二次光ファイバテープ並列ユニットを、複数の一次光ファイバテープ並列ユニットに分離することが可能である光ファイバテープ心線である。
この態様の光ファイバテープ心線によると、複数の所定の小突起が立設した凹凸部で、重大な通信障害を起こすことなく、安全かつ容易に二次光ファイバテープ並列ユニットを、複数の一次光ファイバテープ並列ユニットに分離することが可能である
この態様の光ファイバテープ心線によると、所定の紙やすり、および、複数の小突起が
立設した凹凸部で、重大な通信障害を起こすことなく、安全かつ容易に一次光ファイバテープ並列ユニットを、複数の単心光ファイバ心線に分離することが可能である。
0.0025mm≦t1<0.025mm、および
0.0025mm≦t2<0.025mm
の関係が成り立つことを特徴とする、光ファイバテープ心線である。
この態様の光ファイバ心線によると、二次光ファイバテープ心線並列ユニットから一次光ファイバテープ心線並列ユニットへの分離性、および一次光ファイバテープ並列ユニットから単心光ファイバ心線への分離性、分離作業中の挿入損失増加量、単心光ファイバ心線への紙やすりによる傷の付加に関して、全く問題が生じない。
この態様の光ファイバテープ心線によると、光ファイバテープ心線側面の削れを発生させることなく、ケーブルへのテープ落とし込みを行うことが可能である。
以下実施例によって説明する。
実施例
A−1 発明の実施例
図1は、一次光ファイバテープ並列ユニット3が2心の単心光ファイバ心線4から構成されており、二次光ファイバテープ並列ユニット2が2枚の一次光ファイバテープ並列ユニット3から構成されている4心光ファイバテープ心線1の断面構造を示している。紙やすり、複数の小突起が立設した凹凸部を使い分けることによって、順次、4心光ファイバテープから2枚の2心光ファイバテープ心線への分離、2心光ファイバテープ心線から2本の単心光ファイバ心線への分離が可能となっている。図中、t1は一次光ファイバテープ並列ユニット3内に並列された単心光ファイバ心線4の共通接線から一次光ファイバテープ並列ユニット3の被覆外周面までの距離を表し(単位:mm)、t2は一次光ファイバテープ並列ユニット3の被覆外周面から前記二次光ファイバテープ並列ユニット2の被覆外周面までの距離を表している。また、図示していないが、本明細書では、一次光ファイバテープ並列ユニット3を形成する被覆材のヤング率(単位MPa)をE1、二次光ファイバテープ並列ユニット2の被覆材のヤング率をE2として表す。これらのt1、t2、E1、E2、は、後述するw、w2と並んで、本発明にかかる光ファイバテープ心線を特定する重要なファクターとして使用するものである。
いずれも、複数の一次光ファイバテープ並列ユニットが互いに接した状態で配列されているが、実用上、必ずしも、接して配列されている必要はなく、図5に示すように、複数の一次光ファイバテープ並列ユニットが、お互いにある距離をおいて配列されていても構わない。
2心×2に分離可能な光ファイバテープ心線(図1)の一次光ファイバテープ並列ユニット(2心光ファイバテープ心線)の中間部において、被覆表面上を、1回、#400の紙やすりで押圧通過させた後、複数の小突起が立設した凹凸部(実験に使用したのは、主に面ファスナに使用されている市販の突起物)を押圧通過させ、単心光ファイバ心線に分離するまでの時間を測定した。
また、分離作業中の挿入損失増加量についても評価を行った。分離作業中の挿入損失増加量が0.5dBを超えない場合を◎、0.5dB以上1.0dB未満を○、1.0dB以上の挿入損失増加が生じた場合は、実使用時に重大な通信障害を引き起こす可能性があると判断して、×とした。
E1t1の値が10の場合、30秒以内での単心光ファイバ心線への分離が可能であり、挿入損失の増加もほとんど認められず、0.5dB未満であり、今回の水準の中で最良の実施例であった。
なお、ヤング率E1は、一次光ファイバテープ並列ユニットを形成する被覆材にAir中で1.0J/cm2のUV光を照射し、230±50μm厚さのシートを作製し、チャック間隔80mm±5mmで引張速度は50mm / minとし、JIS K7113に従い試験した。引張破断強度の計算はJIS K7113に従った。
E1t1の値が21.5の場合、分離作業中の挿入損失の増加はほとんど認められなかったが、分離作業に60秒を超える時間が必要であり、実用的ではないと判断した。
ここで、一次光ファイバテープ並列ユニット内に並列された前記単心光ファイバ心線の共通接線から被覆外周面までの距離をt1(mm)、一次光ファイバテープ並列ユニットを形成する被覆材のヤング率(単位MPa)をE1は、1≦E1t1≦20となるものを選択している。
2心×2に分離可能な光ファイバテープ心線の二次光ファイバテープ並列ユニットの中間部において、被覆表面上を、複数の小突起が立設した凹凸部(実験に使用したのは、主に面ファスナに使用されている市販の突起物)を押圧通過させ、一次光ファイバテープ並列ユニットに分離するまでの時間を測定した。
加量は0.5dB以上1.0dB未満であった。
E2t2の値が2の場合、30秒以内での一次光ファイバテープ並列ユニットへの分離が可能であり、挿入損失の増加もほとんど認められず、0.5dB未満であり、今回の水準の中で最良の実施例であった。
なお、ヤング率E2は、ヤング率E1と同様、二次光ファイバテープ並列ユニットの被覆材にAir中で1.0J/cm2のUV光を照射し、230±50μm厚さのシートを作製し、チャック間隔80mm±5mmで引張速度は50mm / minとし、JIS K7113に従い試験した。引張破断強度の計算はJIS K7113に従った。
光ファイバテープ並列ユニットに分離する前に、片方の一次光ファイバテープ並列ユニッ
トが単心光ファイバ心線に分離することについて、更なる評価を続けた結果、
1≦E1t1≦20かつ
0.3≦E2t2≦10
が成り立つ水準においても、E1t1≦E2t2の場合のみ、二次光ファイバテープ並列
ユニットが一次光ファイバテープ並列ユニットに分離する前に、片方の一次光ファイバテ
ープ並列ユニットが単心光ファイバ心線に分離することを確認した。
1≦E1t1≦20かつ
0.3≦E2t2≦10かつ (条件1)
E1t1>E2t2
となる結論に達した。
表1は、2心光ファイバテープ心線を、ヤスリ1回+メッシュを使用して分離した場合のE1t1の値と一次光ファイバテープ並列ユニットから単心光ファイバ心線への分離性と損失の関係を示す表である。表中の※1は、容易に分離可能ではあるが、単心光ファイバ心線表面に傷を付けてしまうという結果となった。※2は、分離作業中に、1.0dB以上の損失増加があり、※3では、分離作業が60秒以内に終了しなかった。
表2は、2心×2に分離可能な光ファイバテープ心線を、メッシュのみを使用して分離した場合の、E2t2の値と二次光ファイバテープ並列ユニットから一次光ファイバテープ並列ユニットへの分離性と損失増加の関係を示す表である。表中の※1では、容易に分離可能ではあるが、一次光ファイバ並列ユニットへ分離する前に、単心光ファイバ心線に分離してしまうことがある。※2では、分離作業中に、1.0dB以上の損失増加する場合ある。また、※3では、分離作業が60秒以内に終了しなかった。
作を行い、二次光ファイバテープ心線並列ユニットから一次光ファイバテープ心線並列ユニットへの分離性、および一次光ファイバテープ並列ユニットから単心光ファイバ心線への分離性、分離作業中の挿入損失増加量、単心光ファイバ心線への紙やすりによる傷の付加に関して、評価を行った。評価方法および評価基準については、表1および2と同様である。また、E1t1およびE2t2については、1≦E1t1≦20、0.3≦E2t2≦10、および E1t1>E2t2を満たすものを選択した。
0.0025mm≦t1<0.025mmかつ
0.0025mm≦t2<0.025mm
の関係が成り立つ時、分離性、分離作業中の挿入損失増加量、単心光ファイバ心線への紙やすりによる傷の付加に関して、最良の結果を得ることを突き止めた。
表3は、2心光ファイバテープ心線をヤスリ1回+メッシュを使用して分離した場合の、t1の値と一次光ファイバテープ並列ユニットから単心光ファイバ心線への分離性と損失増加の関係を示す表である。
表4は、2心×2に分離可能な光ファイバテープ心線をメッシュのみを使用して分離した場合の、t2の値と二次光ファイバテープ並列ユニットから一次光ファイバテープ並列ユニットへの分離性及び損失増加の関係を示す表である。
また、今回試作した図1から図5に示すいずれの実施例に対しても、上述した特定の機能を備えた光ファイバテープ心線分離工具を使用することにより、二次光ファイバテープ心線並列ユニットから一次光ファイバテープ心線並列ユニットへの分離性、および一次光ファイバテープ並列ユニットから単心光ファイバ心線への分離性、分離作業中の挿入損失増加量、単心光ファイバ心線への紙やすりによる傷の付加に関して、全く問題ないことを突き止めた。
図10に示すような従来の光ファイバテープ心線の構造では、単純に単心光ファイバ心線への分離が可能ということだけで、実際に光ファイバテープ心線が使用される形態であるスロット型光ファイバケーブルに落とし込む場合に、光ファイバテープ心線側面が製造ラインに接触することにより削れてしまい、最悪の場合、その段階で単心に分離する可能性がある。
表5では、距離wが、0.005mmから0.05mmである光ファイバテープ心線を試作し、光ファイバテープ心線の製造性、ケーブルへのテープ落とし込み後のテープ側面の「削れ」を評価した。
なお、E1t1およびE2t2については、
1≦E1t1≦20、0.3≦E2t2≦10、および E1t1>E2t2
を満たすものを選択した。
次に、テープ心線の側圧特性(ケーブル化した際の高温損失の増加)を向上させる観点から、図7に示すように、最も外側の一次光ファイバテープ並列ユニット3の短辺側52からもっとも近い前記単心光ファイバ心線4までの距離w2を変化させて、その影響を調べた。w2は、最外部に配置された単心光ファイバ心線の一次光ファイバテープの厚さ方向の接線53と、一次光ファイバテープ並列ユニット3の相対する2つの短辺側に位置する被覆外側表面52との距離として定義される。
従って、本水準は光ファイバテープ心線自体の製造性に問題があり、実用的では無いと判断した。以上の理由で、w2が0.05mmの光ファイバテープ心線を使用したケーブルの試作は行っていない。尚、側圧特性は第二次光ファイバテープ並列ユニット2をケーブルへ落とし込んだ後、高温試験を行い、このときの損失増加レベルで評価した。また、高温試験は、ケーブルをドラムに巻いた状態で恒温試験槽に投入し、+70℃で6時間以上保持した後に損失増加を測定した。また、高温試験における損失増加レベル(※2)の許容範囲は、1以下である。
2 二次光ファイバテープ並列ユニット
3 一次光ファイバテープ並列ユニット
4 単心光ファイバ心線
5 単心光ファイバ心線の共通接線
6 一次光ファイバテープ並列ユニットの被覆外周面から前記二次光ファイバテープ並列
ユニットの被覆外周面までの距離
7、8 厚肉化部
Claims (6)
- 単心光ファイバ心線を複数本横一列に配列し、その外周に一括被覆を施して形成される一次光ファイバテープ並列ユニットを、少なくとも2枚横一列に配列し、その外周に一括被覆を施して形成される二次光ファイバテープ並列ユニットからなる光ファイバテープ心線であって、
前記一次光ファイバテープ並列ユニット内に並列された前記単心光ファイバ心線の共通
接線から被覆外周面までの距離をt1(mm)、一次光ファイバテープ並列ユニットを形
成する被覆材のヤング率(単位MPa)をE1、一次光ファイバテープ並列ユニットの被
覆外周面から前記二次光ファイバテープ並列ユニットの被覆外周面までの距離をt2、二
次光ファイバテープ並列ユニットの被覆材のヤング率をE2とした時、
1≦E1t1≦20、
0.3≦E2t2≦10、および
E1t1>E2t2
の関係が成り立ち、複数の所定の小突起が立設した凹凸部を、前記二次光ファイバテープ
並列ユニットの被覆外周面上を押圧通過させると、二次光ファイバテープ並列ユニットが
、複数の一次光ファイバテープ並列ユニットに分離することが可能である光ファイバテー
プ心線。 - 前記一次光ファイバテープ並列ユニットの被覆上を、JIS R6001に規定する♯320以上#2000以下の紙やすりで、少なくとも1回以上押圧通過させることにより、前記一次光ファイバテープ並列ユニットが、複数の単心光ファイバ心線に分離することが可能である、請求項1に記載の光ファイバテープ心線。
- 前記一次光ファイバテープ並列ユニットの被覆上を、JIS R6001に規定する♯320以上#2000以下の紙やすりで、少なくとも1回以上押圧通過させ、更に、同一箇所を、複数の小突起が立設した凹凸部で、少なくとも1回以上押圧通過することにより、前記一次光ファイバテープ並列ユニットが、複数の単心光ファイバ心線に分離することが可能である、請求項1に記載の光ファイバテープ心線。
- 上記光ファイバテープ心線であって、
0.0025mm≦t1<0.025mm、および
0.0025mm≦t2<0.025mm
の関係が成り立つことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバテープ心線。 - 光ファイバテープ心線の横断面において、一次光ファイバテープ並列ユニットの相対する2つの短辺側に位置する被覆表面と、二次光ファイバテープ並列ユニットの相対する2つの短辺側に位置する被覆表面との距離が、0.01mm以上0.05mm未満であることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の光ファイバテープ心線。
- 光ファイバテープ心線の横断面において、前記一次光ファイバテープ並列ユニット内に並列された前記単心光ファイバ心線のうち、最外部に配置された単心光ファイバ心線の前記一次光ファイバテープの厚さ方向の接線と、一次光ファイバテープ並列ユニットの相対する2つの短辺側に位置する被覆表面との距離が、0.01mm以上0.05mm未満であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光ファイバテープ心線。
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