JP2007128057A - 感光性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5000〜500000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、および(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%を含有し、かつ、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが2種の特定の化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
上記のフォトリソグラフィー法においては、感光性樹脂組成物からなる層(以下、「感光性樹脂層」という。)を基板上に積層するにあたって、感光性樹脂組成物溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、または支持体、感光性樹脂層、及び必要によっては保護層を順次積層した感光性樹脂積層体(以下、「ドライフィルムレジスト」という。)を基板にラミネートする方法のいずれかが使用される。そして、プリント配線板の製造においては、後者のドライフィルムレジストが使用されることが多い。
歩留まりを大きく向上させることができる。マスクデータをデジタル処理するだけで多種多様の回路パターンが形成可能であるため、短納期化も可能となる。
しかしながら、直接描画露光では、従来型の露光方式に比べドライフィルムレジストの硬化が弱くなることが一般的に知られている。このことは、解像度や基材と硬化した感光性樹脂層との密着性低下を起こすだけでなく、レジスト形状の悪化、エッチング液の染み込み、耐めっき性の悪化などドライフィルムレジストとしての基本的な性能を低下させる原因となってしまう。これらの現象は特に波長405nmのh線に対して顕著に表れる。
すなわち、本願は、以下の発明を提供する。
1. 感光性樹脂組成物の合計質量に対して、(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5000〜500000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、および(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%を含有し、かつ、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが下記一般式(I)の化合物および下記一般式(II)の化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物、
4. 1.〜3.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体、
5.基板上に4.記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成する積層工程、露光工程、現像工程を含むレジストパターンの形成方法、
6.前記露光工程において、直接描画して露光する事を特徴とする5.に記載のレジストパターン形成方法、
8.5.又は6.に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含むリードフレームの製造方法、
9.5.又は6.に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含む半導体パッケージの製造方法、
10.5.又は6.に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、サンドブラスト工程によって加工する方法、
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5000〜500000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、下記一般式(I)の化合物および下記一般式(II)の化合物、又は下記一般式(I)の化合物および下記一般式(III)の化合物を有する光重合性モノマーを必須成分として含む。
数であり、m1、m2、n1およびn2の合計は、2〜40である。)
本発明の感光性樹脂組成物において、(a)熱可塑性共重合体としては、α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5千〜50万のものを用いる。
熱可塑性共重合体中のカルボキシル基は、感光性樹脂組成物がアルカリ水溶液からなる現像液や剥離液に対して、現像性や剥離性を有するために必要である。
酸当量は、100〜600が好ましく、より好ましくは300〜450である。塗工溶媒又は組成物中の他の成分、後述する(b)付加重合性モノマーとの相溶性を確保するという観点から100以上であり、また、現像性や剥離性を維持するという観点から600以下である。ここで、酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する熱可塑性共重合体の質量(グラム)をいう。なお、酸当量の測定は、平沼レポーティングタイトレーター(COM−555)を用い、0.1mol/LのNaOH水溶液で電位差滴定法により行われる。
示差屈折率計:RI−1530、
ポンプ:PU−1580、
デガッサー:DG−980−50、
カラムオーブン:CO−1560、
カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807、
溶離液:THF
第一の単量体は(a)熱可塑性共重合体中に5〜50質量%含有することが好ましい。この量は、アルカリ現像性を維持するという観点から5質量%以上であり、また、レジストの物理的耐久性という観点から50質量%以下である。第二の単量体は(a)バインダー用樹脂中に50〜95質量%含有することが好ましい。この量は、保存安定性の観点から50質量%以下であり、レジストの柔軟性および屈曲性維持という観点から95質量%以下である。本発明に用いられる(a)熱可塑性共重合体は、上記第一の単量体と第二の単量体との混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、又はイソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、加熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合、又は乳化重合を用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物中に含有される熱可塑性共重合体の量は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは、25〜70質量%の範囲である。この量は、アルカリ現像性を維持するという観点から20質量%以上であり、また、露光によって形成されるレジス
トパターンがレジストとしての性能を十分に発揮するという観点から90質量%以下である。
(b)付加重合性モノマー
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(b)付加重合性モノマーとしては、解像性および密着性の観点から、下記一般式(I)で示される化合物を含有することが望ましい。
アルキレンオキシ(A−O)鎖および(B−O)鎖の数としては、m1、m2、n1およびn2の合計が、2〜40の範囲が適する。さらに4〜14の範囲がより好ましい。m1、m2、n1およびn2の合計が1以下の場合、感光性樹脂を現像液に分散させた場合の分散性が悪くなる。m1、m2、n1およびn2の合計が41以上の場合は、解像性が低下する。
加物が挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス{4−(メタクロキシペンタエトキシ)シクロヘキシル}プロパンが最も好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、レジスト形状および耐薬品性の観点から、下記一般式(II)で示される化合物を付加重合性モノマーとして含有することが望ましい。
例えば、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物(日本触媒化学製、商品名OE−A 200)、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、2,2−ビス[{4−(メタ)アクリロキシポリエトキシ}フェニル]プロパン、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、ヘキサメチレンジイソシアネートとノナプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物等のウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、及びイソシアヌル酸エステル化合物の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
(c)光重合開始剤
本発明において、光重合開始剤としては、一般に知られているものが使用できるが、トリアリールイミダゾリルニ量体を含有する場合が好ましい。
これらは単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、トリアリールイミダゾリル二量体以外の光重合開始剤を併用することも可能である。このような光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン類、チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、例えばエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、イソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾインオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O −エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類がある。
(d)その他の成分
本発明の感光性樹脂組成物においては、前述した成分に加えて、染料、顔料等の着色物質を採用することができる。このような着色物質としては、例えば、フタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン等が挙げられる。
発色剤を添加してもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料又は、フルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせがある。ここで用いられる染料としては、前記染料のほかに、ハロゲン化合物として臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類を含有させることは好ましいことである。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤及びベンゾトリアゾール類の合計添加量は、好ましくは感光性樹脂組成物の総和に対して0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。この量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.01質量%以上が好ましく、また、光感度を維持するという観点から3質量%以下がより好ましい。
これらラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類化合物は単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。
ルクエン酸トリ−n−ブチルが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(a)〜(c)、適宜さらに(d)を均一に溶解した調合液とするために、溶媒を含有してもよい。用いられる溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。感光性樹脂組成物の調合液の粘度が25℃で500〜4000mPa・secとなるように溶媒を調製することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物を支持体上に塗布し、乾燥して得られた感光性樹脂層の波長405nm(h線)における透過率が、膜厚40μm換算で、15〜40%であることが、より好ましい。
透過率が40%より大きい場合、光に対する活性が十分ではなく感度が低下する傾向があり、結果として生産性が低下する。また透過率が15%未満である場合、光がドライフィルム底部まで到達できず、基材との密着性を失ってしまう傾向がある。これらの理由から、405nmにおける透過率は15〜40%が好ましく、より好ましくは20〜35%である。
本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂層とその層を支持する支持体からなるが、必要により、感光性樹脂層の支持体と反対側の表面に保護層を有していても良い。
ここで用いられる支持体としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。ヘーズは5以下のものが好ましい。支持体の厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要等から、10〜30μmのものが好ましく用いられる。
保護層の膜厚は10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
本発明の感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、用途において異なるが、好ましくは、5〜100μm、より好ましくは、7〜60μmであり、薄いほど解像度は向上し、また、厚いほど膜強度が向上する。
例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にしておき、まず支持体上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥し、支持体上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する。
次いで、必要により、感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより感光性樹脂積層体を作成することができる。
本発明の感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンは、積層工程、露光工程、及び現像工程を含む工程によって形成することができる。具体的な方法の一例を示す。
まず、ラミネーターを用いて積層工程を行う。感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着し積層する。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけに積層しても良いし、両面に積層しても良い。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また、該加熱圧着は二回以上行うことにより密着性及び耐薬品性が向上する。この時、圧着は二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用しても良いし、何回か繰り返してロールに通し圧着しても良い。
露光工程において、マスクレス露光方法を用いてもよい。マスクレス露光はフォトマスクを使用せず基板上に直接描画して露光する。光源としては波長350〜410nmの半導体レーザーや超高圧水銀灯などが用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、光源照度および基板の移動速度によって決定される。
上述の工程によってレジストパターンが得られるが、場合によっては、さらに100〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。加熱には、熱風、赤外線、遠赤外線等の方式の加熱炉を用いる。
本発明のプリント配線板の製造方法は、基板として銅張り積層板やフレキシブル基板を用いた上述のレジストパターン形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず、現像により露出した基板の銅面をエッチング法、またはめっき法等の既知の方法をもちいて導体パターンを形成する。
その後、レジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離して所望のプリント配線板を得る。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)についても特に制限はないが、2〜5質量%の濃度、40〜70℃のNaOH、KOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液にも、少量の水溶性溶媒を加える事は可能である。
本発明のリードフレームの製造方法は、基板として銅、銅合金、鉄系合金等の金属板を用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず、現像により露出した基板をエッチングして導体パターンを形成する。
その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離して、所望のリードフレームを得る。
本発明の半導体パッケージを製造方法は、基板としてLSIとしての回路形成が終了したウェハを用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
現像により露出した開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施して、導体パターンを形成する。
その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離し、更に、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去することにより、所望の半導体パッケージを得る。
本発明の感光性樹脂積層体をドライフィルムレジストとして用いてサンドブラスト工法により基材に加工を施す場合には、基材上に前記した方法と同様な方法で、感光性樹脂積層体をラミネートし、露光、現像を施す。更に形成されたレジストパターン上からブラスト材を吹き付け目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、基材上に残存した樹脂部分をアルカリ剥離液等で基材から除去する剥離工程を経て、基材上に微細なパターンを加工することができる。上前記サンドブラスト処理工程に用いるブラスト材は公知のものが用いられ、例えばSiC,SiO2、Al2O3、CaCO3、ZrO、ガラス、ステンレス等の2〜100μm程度の微粒子が用いられる。
最初に実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法およびその評価結果を示す。
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における感光性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
表1に示す組成の感光性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは40μmであった。尚、表1におけるP−1の質量部は、メチルエチルケトンを含む値である。
表1における略号で表わした感光性樹脂組成物中の材料成分の名称を表2に示す。
なお、比較例1〜4は、本発明に用いられる上記一般式(I)で表される化合物及び上記一般式(II)、又は(III)で表される化合物を含まない組成物である。比較例5は、上記一般式(I)で表される化合物を含有するが、上記一般式(II)、又は(III)で表される化合物を含まない組成物である。比較例6は、上記一般式(II)、又は(III)で表される化合物を含有するが、上記一般式(I)で表される化合物を含まない組成物である。
感度、解像度評価用基板は、35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板を用い、表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)した。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した
銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成エレクトロニクス(株)製、AL−70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
(一括露光)感光性樹脂層に評価に必要なマスクフィルムを支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)により下記の感度評価によってステップタブレット段数が8となる露光量で露光した。
(直接描画露光)直接描画式露光装置(PIIC(株)製、DI露光機「DI−2080」、光源:GaN青紫ダイオード、主波長405nm)により下記の感度評価によってステップタブレット段数が8となる露光量で露光した。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1質量%Na2CO3水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。<エッチング>
現像によってレジストパターンが形成された評価基板に、塩化第二銅濃度250g/l、塩酸濃度3mol/lである、50℃の塩化第二銅エッチング液を所定時間スプレーし、銅張積層板上のレジストパターンにより被覆されていない部分の銅箔を溶解除去した。
(1)透過率測定
上記<感光性樹脂積層体の作製>工程で得られた感光性樹脂積層体からポリエチレンフィルムを剥がし、UV−visスペクトロメーター(島津製作所(株)製、UV−240)を用いて、波長405nmの光の透過率を測定した。この際、スペクトロメーターのリファレンス側に該感光性樹脂積層体に用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムを入れて、ポリエチレンテレフタレートフィルム由来の透過率をキャンセルした。
上記<ラミネート>工程後15分経過した感度、解像度評価用基板を、透明から黒色に21段階に明度が変化しているストーファー製21段ステップタブレットを用いて露光した。露光後、最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、レジスト膜が完全に残存しているステップタブレット段数が8である露光量を決定した。
◎:露光量が10mJ/cm2以下。
○:露光量が10mJ/cm2を超え、25mJ/cm2以下。
△:露光量が25mJ/cm2を超え、50mJ/cm2以下。
×:露光量が50mJ/cm2を超える。
上記<ラミネート>工程後15分経過した感度、解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスクライン幅を解像度の値とした。
◎:解像度の値が30μm以下。
○:解像度の値が30μmを超え、45μm以下。
△:解像度の値が45μmを超える。
上記<ラミネート>工程後15分経過した感度、密着性評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:100の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスクライン幅を密着性の値とした。
◎:密着性の値が30μm以下。
○:密着性の値が30μmを超え、45μm以下。
△:密着性の値が45μmを超える。
上記<ラミネート>工程後15分経過した解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅100μm:100μmの比率のラインパターンマスクデータで直接描画露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、最小エッチング時間の1.5倍の時間エッチングした。エッチング後、上記100μmパターン部におけるレジストの状態を光学顕微鏡にて観察した。
○:レジストが基材に十分に密着しており、剥がれている箇所が観察されない。
×:エッチング工程によってレジストが基材から剥がれている。
上記<ラミネート>工程後15分経過した解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅100μm:100μmの比率のラインパターンマスクデータで直接描画露光し、最小現像時間の2倍の現像時間で現像した。現像により形成されたラインの形状を光学顕微鏡を用いて観察し、下記のようにランク分けした。
○:ラインが鋭く形成されており、角に相当するレジストパターン底部に未露光樹脂も残存していない
×:ラインが丸まっており、角に相当するレジストパターン底部に未露光樹脂が明らかに残存しており黒く見える。
3.評価結果
実施例及び比較例の評価結果は表1に示した。
Claims (10)
- 感光性樹脂組成物の合計質量に対して、(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5000〜500000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、および(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%を含有し、かつ、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが下記一般式(I)の化合物および下記一般式(II)の化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 感光性樹脂組成物の合計質量に対して、(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5000〜500000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、および(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%を含有し、かつ、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが下記一般式(I)の化合物および下記一般式(III)の化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 感光性樹脂組成物を支持体上に塗布し、乾燥して得られた感光性樹脂層の波長405nmにおける透過率が、膜厚40μm換算で、15〜40%である請求項1又は2に記載の
感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体。
- 基板上に請求項4記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成する積層工程、露光工程、現像工程を含むレジストパターンの形成方法。
- 前記露光工程において、直接描画して露光する事を特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
- 請求項5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含むプリント配線板の製造方法。
- 請求項5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含むリードフレームの製造方法。
- 請求項5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含む半導体パッケージの製造方法。
- 請求項5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、サンドブラスト工程によって加工する方法。
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